JP2019134896A - 眼科撮影装置 - Google Patents

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慎也 水戸
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康寛 古内
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暁 片岡
昌明 羽根渕
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昌明 羽根渕
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【課題】 被検者に眩しさを与えることなく、カラーの画像データを取得できる眼科撮影装置を提供する。【解決手段】 光源から出射された赤外域に波長帯域をもつ光を測定光と参照光に分割し、被検眼に照射された測定光と参照光によるスペクトル干渉信号を取得するためのOCT光学系を備える眼科撮影装置であって、OCT光学系を制御して、被検眼上で測定光を走査し、測定光が照射された被検眼上の各走査位置においてスペクトル干渉信号を取得する制御手段と、取得されたスペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得し、各走査位置での色情報に基づいて、可視域における色情報を含む画像データを取得する画像データ取得手段と、を備える。【選択図】 図1

Description

本開示は、被検眼を撮影する眼科撮影装置に関する。
眼科撮影装置としては、OCT光学系から出力されるスペクトル干渉信号を処理することによって被検眼の画像データを取得する光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT)が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、眼科撮影装置としては、レーザ光を二次元的に走査することによって被検眼の画像データを取得する走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)が知られている(例えば、特許文献2参照)。治療レーザ光を被検眼の組織上に照射して、被検眼の治療を行う治療用レーザ装置に、SLO装置が複合された装置もある。
特開2016−209577号公報 特開2017−046939号公報
光干渉断層計や走査型レーザ検眼鏡では、被検眼に赤外光を照射しているため、モノクロの画像データが得られる。被検眼に可視光を照射すればカラーの画像データを得ることはできるが、被検者に眩しさを与えてしまう問題があった。
本開示は、上記従来技術に鑑み、被検者に眩しさを与えることなく、カラーの画像データを取得できる眼科撮影装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備えることを特徴とする。
(1) 本開示の第1態様に係る眼科撮影装置は、光源から出射された赤外域に波長帯域をもつ光を測定光と参照光に分割し、被検眼に照射された前記測定光と前記参照光によるスペクトル干渉信号を取得するためのOCT光学系を備える眼科撮影装置であって、前記OCT光学系を制御して、被検眼上で前記測定光を走査し、前記測定光が照射された前記被検眼上の各走査位置においてスペクトル干渉信号を取得する制御手段と、取得された前記スペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得し、前記各走査位置での色情報に基づいて、可視域における色情報を含む画像データを取得する画像データ取得手段と、を備えることを特徴とする。
(2) 本開示の第2態様に係る眼科撮影プログラムは、光源から出射された赤外域に波長帯域をもつ光を測定光と参照光に分割し、被検眼に照射された前記測定光と前記参照光によるスペクトル干渉信号を取得するためのOCT光学系を備える眼科撮影装置において実行される眼科撮影プログラムであって、前記眼科撮影装置のプロセッサに実行されることで、前記OCT光学系を制御して、被検眼上で前記測定光を走査し、前記測定光が照射された前記被検眼上の各走査位置においてスペクトル干渉信号を取得する制御ステップと、取得された前記スペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得し、前記各走査位置での色情報に基づいて、可視域における色情報を含む画像データを取得する画像データ取得ステップと、を前記眼科撮影装置に実行させることを特徴とする。
眼科撮影装置の光学系及び制御系を示す図である。 制御動作を示すフローチャートである。 モニタの表示画面の一例である。 周波数空間における波長帯域毎の信号強度を表した図である。 断層画像データ上を走査する深さ方向の走査線と輝度値の変化を説明する図である。 検出したピークに基づくスペクトル干渉信号を逆フーリエ変換した場合を説明する図である。
<概要>
典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。図1〜図6は、本実施形態に係る眼科撮影装置を説明する図である。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用され得る。
例えば、眼科撮影装置(例えば、眼科撮影装置1)は、OCT光学系により取得されるスペクトル干渉信号を処理することによって、被検眼の画像データを取得する光干渉断層計(以下、OCT装置)であってもよい。また、例えば、眼科撮影装置は、レーザ光を二次元的に走査することによって、被検眼の画像データを取得する走査型レーザ検眼鏡(以下、SLO装置)と、OCT装置と、が複合された装置であってもよい。また、例えば、眼科撮影装置は、治療レーザ光を被検眼の組織上に照射して、被検眼の治療を行う治療用レーザ装置と、OCT装置と、SLO装置と、が複合された装置であってもよい。なお、本実施例においては、少なくともOCT光学系を備える眼科撮影装置であればよい。
<OCT光学系>
例えば、本実施例に係る眼科撮影装置は、光源から出射された赤外域に波長帯域をもつ光を測定光と参照光に分割し、被検眼に照射された測定光と参照光によるスペクトル干渉信号を取得するためのOCT光学系(例えば、OCT光学系100)を備えていてもよい。例えば、光源(例えば、光源102)から出射された赤外域に波長帯域をもつ光は、近赤外域に波長帯域をもっていてもよい。また、例えば、光源から出射された赤外域に波長帯域をもつ光は、遠赤外域に波長帯域をもっていてもよい。
なお、本実施例におけるOCT光学系は、光源からの光を測定光路と参照光路に分割するための検出器(例えば、検出器120)を有し、測定光路を介して被検眼に導かれた測定光と、参照光路からの参照光と、によるスペクトル干渉信号を検出してもよい。
例えば、OCT光学系は、フーリエドメインOCT光学系を基本的構成としてもよい。フーリエドメインOCT光学系としては、スペクトルドメインOCT(SD−OCT)光学系であってもよい。波長掃引式OCT(SS−OCT)光学系であってもよい。なお、本開示の技術は、被検物の反射強度を検出するための強度OCT、被検物のモーションコントラストデータを検出するためのOCTアンジオグラフィー(例えば、ドップラーOCT)、偏光感受OCT(PS−OCT:Polarization Sensitive OCT)、等において適用されてもよい。また、強度OCTとPS−OCTとが複合されたマルチファンクションOCTにおいて適用されてもよい。
例えば、OCT光学系は、被検眼の1部位のスペクトル干渉信号を取得する構成であってもよい。また、例えば、OCT光学系は、被検眼の複数部位のスペクトル干渉信号を取得する構成であってもよい。
例えば、複数部位のスペクトル干渉信号を取得する構成としては、OCT光学系が被検眼の撮影領域を切り替えることで、複数部位のスペクトル干渉信号を別々に取得する構成であってもよい。この場合には、測定光を所定の位置に集光させて、複数部位のスペクトル干渉信号を別々のタイミングで取得してもよい。また、この場合には、測定光を集光させる位置を撮影領域毎に変化させて、複数部位のスペクトル干渉信号を別々のタイミングで取得してもよい。
また、例えば、複数部位のスペクトル干渉信号を取得する構成としては、複数の参照光路及び複数の検出器を有するOCT光学系を用いることで、複数部位のスペクトル干渉信号を同時に取得する構成であってもよい。例えば、複数の参照光路は、第1参照光路と、第1参照光路とは異なる第2参照光路であってもよい。また、複数の検出器は、第1参照光路からの参照光と測定光との第1スペクトル干渉信号を検出するための第1検出器と、第1検出器とは異なる第2検出器であって、第2参照光路からの参照光と測定光との第2スペクトル干渉信号を検出するための第2検出器と、であってもよい。
<制御手段>
例えば、本実施例に係る眼科撮影装置は、制御手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。例えば、制御手段は、OCT光学系を制御して被検眼上で測定光を走査し、測定光が照射された被検眼上の各走査位置においてスペクトル干渉信号を取得する。例えば、スペクトル干渉信号は、検出器から出力される信号そのものであってもよい。すなわち、スペクトル干渉信号は、波長帯域毎の信号強度を周波数空間で表した信号であってもよい。なお、例えば、制御手段は、被検眼上の各走査位置において、スペクトル干渉信号を遂次取得する構成としてもよい。
<画像データ>
例えば、画像データは、被検眼上でレーザ光を走査するSLO光学系により取得されたSLO画像データ(例えば、SLO正面画像データ65)であってもよい。また、例えば、画像データは、OCT光学系により取得されたスペクトル干渉信号に基づくOCT画像データであってもよい。なお、これらの画像データは、赤外光を照射することにより取得されたモノクロの画像データであってもよい。また、例えば、これらの画像データは、信号であってもよいし、信号から生成された画像であってもよい。
例えば、OCT画像データは、被検眼の反射強度特性を示す断層画像データ(例えば、断層画像データ60)、被検眼のOCTアンジオ画像データ(例えば、OCTモーションコントラスト画像データ)、被検眼のドップラー特性を示すドップラーOCT画像データ、被検眼の偏光特性を示す偏光特性画像データ、等の少なくともいずれかであってもよい。
なお、OCT画像データは、Aスキャン画像データ(例えば、Aスキャン断層画像データ等)、Bスキャン画像データ(例えば、Bスキャン断層画像データ、二次元OCTアンジオ画像データ、等)、正面(En face)画像データ(例えば、OCT正面(En face)画像データ、正面(En face)モーションコントラストデータ、等)、3次元画像データ(例えば、三次元断層画像データ、三次元OCTアンジオ画像データ、等)、等の少なくともいずれかであってもよい。
例えば、断層画像データは、Aスキャン断層画像データであってもよい。また、例えば、断層画像データは、Bスキャン断層画像データであってもよい。なお、Bスキャン断層画像データは、走査ライン(横断位置)に沿って測定光をXY方向のいずれかの方向(例えば、X方向)に走査させることによって取得された断層画像データであってもよい。また、例えば、断層画像データは、三次元断層画像データであってもよい。なお、三次元断層画像データは、測定光を二次元的に走査することによって取得される断層画像データであってもよい。
なお、例えば、OCT画像データは、三次元断層画像データから取得されるOCT正面(En face)画像データ(例えば、OCT正面画像データ66)であってもよい。OCT正面画像データは、深さ方向に関して積算された積算画像、XY各位置でのスペクトルデータの積算値、ある一定の深さ方向におけるXY各位置での輝度データ、網膜表層画像、等であってもよい。
例えば、OCTアンジオ画像データは、二次元OCTアンジオ画像データであってもよい。なお、二次元OCTアンジオ画像データは、走査ライン(横断位置)に沿って測定光をXY方向のいずれかの方向(例えば、X方向)に走査させることによって取得されるOCTアンジオ画像データであってもよい。また、例えば、OCTアンジオ画像データは、三次元OCTアンジオ画像データであってもよい。なお、三次元OCTアンジオ画像データは、測定光を二次元的に走査することによって取得されるOCTアンジオ画像データであってもよい。また、例えば、OCTアンジオ画像データは、三次元モーションコントラストデータから取得される正面(En face)モーションコントラストデータであってもよい。
<画像データ取得手段>
例えば、本実施例に係る眼科撮影装置は、画像データ取得手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。例えば、画像データ取得手段は、取得されたスペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得し、各走査位置での色情報に基づいて、可視域における色情報を含む画像データを取得する。
例えば、可視域における色情報は、R(Red)、G(Green)、及びB(Blue)を3原色として表示するRGB色空間を表す情報であってもよい。また、例えば、色情報は、C(Cyan)、M(Magenta)、及びY(Yellow)を3原色として表示するCMY色空間を表す情報であってもよい。なお、色情報を表す色空間はこれらに限定されず、一般的な色空間を用いることができる。例えば、sRGB、RGBA、CMK、CMYK、等でもよい。
これによって、被検眼に赤外光を照射することで撮影されたモノクロの画像データを、カラーの画像データとして取得することができる。すなわち、可視域における色情報を含む画像データを取得することができる。このため、検者は、被検眼に可視光を照射して眩しさを与えることなく、カラーの画像データを取得することができる。また、検者は、カラーの画像データであることによって、被検眼の状態を観察しやすくなる。
なお、画像データ取得手段は、スペクトル干渉信号から色情報を取得し、各走査位置での色情報に基づいて、可視域における色情報を含むSLO画像データを取得してもよい。これによって、カラー化された深さ方向の断層画像データ等を取得することができる。また、カラー画像データを得るための構成を別途設ける必要がなく、簡易的な構成とすることができる。
また、画像データ取得手段は、スペクトル干渉信号から色情報を取得し、各走査位置での色情報に基づいて、可視域における色情報を含むOCT画像データを取得してもよい。これによって、可視域における色情報を含むOCT画像データを取得する場合と比べて、より鮮明度の高いカラー画像データを取得することができる。
例えば、画像データ取得手段は、スペクトル干渉信号から、深さ方向における所定の領域のスペクトル干渉信号を分離し、所定の領域のスペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得し、可視域における色情報を含む所定の領域の画像データを取得するようにしてもよい。例えば、深さ方向における所定の領域は、ある特定の層(例えば、網膜層、脈絡膜層、強膜層、等)であってもよい。また、例えば、深さ方向における所定の領域は、ある一定の深さ(例えば、4mm〜8mmの深さ、等)であってもよい。なお、このような所定の領域は、1つの領域であってもよいし、複数の領域であってもよい。これによって、所定の領域毎に、可視域における色情報を含む画像データを取得することができる。すなわち、所定の領域毎に、カラー化された画像データを取得することができる。
例えば、画像データ取得手段は、周波数空間における波長と可視域における色情報とが対応付けされたデータベースに基づいて、スペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得してもよい。例えば、予め構築されたこのようなデータベースを用いることで、周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報が取得されてもよい。この場合には、眼科撮影装置がデータベースを備えてもよい。また、この場合には、眼科撮影装置がクラウドやサーバーに保存されたデータベースにアクセスしてもよい。このような構成であることによって、可視域における色情報を含む画像データを容易に取得することができる。
なお、本実施例に係る眼科撮影装置は、カラー画像取得手段(例えば、制御部70)を備えてもよい。カラー画像取得手段は、被検眼に可視光を照射してカラー画像データを取得する。例えば、カラー画像データとしては、SLO光学系(例えば、観察光学系200)を用いて可視光を照射することにより取得したカラーSLO画像データ、眼底カメラを用いて撮影したカラー画像データ、等の少なくともいずれかを用いてもよい。
例えば、このような構成である場合、カラー画像取得手段によって取得されたカラー画像データの色情報と、データベースにおける色情報と、を比較することによって、データベースを更新してもよい。これによって、画像データをカラー化した際の精度を向上させることができる。なお、カラー画像データは、色情報を含む画像データであればよく、可視光を照射して取得した画像データに限定されない。例えば、画像データ取得手段により取得された色情報を含む画像データを用いることもできる。
なお、例えば、本実施例に係る眼科撮影装置は、出力手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。出力手段は、画像データを表示手段(例えば、モニタ75)に出力する。なお、出力手段は、画像データを外部メモリに保存してもよいし、画像データを印刷してもよい。例えば、眼科撮影装置が出力手段を備える構成である場合、制御手段は、被検眼上の各走査位置において、逐次、スペクトル干渉信号を取得し、画像データ取得手段は、制御手段によって新たに取得される前記スペクトル干渉信号から、可視域における色情報を含む画像データを取得してもよい。例えば、出力手段は、新たに取得される画像データを出力することで、逐次、画像データを更新するようにしてもよい。これによって、検者は、色情報を含む画像データをリアルタイムで観察することができるようになる。被検眼をレーザ治療した場合等においては、レーザ光の照射部位における変化を把握しやすくなる。
なお、例えば、本実施例に係る眼科撮影装置は、照射光学系(例えば、レーザ光学系400)を備えていてもよい。照射光学系は、治療レーザ光源(例えば、レーザ光源401)を有し、レーザ光を被検眼の治療部位に照射する。また、例えば、本実施例に係る眼科撮影装置は、レーザ制御手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。レーザ制御手段は、照射光学系を制御する。
例えば、本実施例に係る眼科撮影装置は、さらに、解析手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。解析手段は、画像データを解析処理することによって、レーザ光が照射された照射位置の評価情報を取得する。例えば、評価情報は、被検眼の治療部位に対して、レーザ光の照射が適切であるかを判定するために用いられる情報であってもよい。一例としては、レーザ光を照射する前に取得されたカラー画像データと、レーザ光を照射した後に取得されたカラー画像データと、における照射位置のRGB値の変化量が取得されてもよい。これによって、照射部位の状態を容易に把握することができる。
例えば、レーザ制御手段は、解析手段によって取得された評価情報に基づいて、レーザ光の出力を制御するようにしてもよい。この場合、レーザ光の出力は、治療レーザ光源の光量あるいは照射時間の少なくともいずれかを調整することで制御されてもよい。また、この場合、レーザ光の出力は、照射光学系が備える少なくともいずれかの部材を移動することで制御されてもよい。例えば、照射光学系の光路中に挿抜可能なフィルタを設け、これを移動させる構成としてもよい。これによって、レーザ光による被検眼の治療を容易に行うことができる。
なお、本開示は、本実施形態に記載する装置に限定されない。例えば、下記実施形態の機能を行う端末制御ソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体等を介してシステムあるいは装置に供給し、システムあるいは装置の制御装置(例えば、CPU等)がプログラムを読み出して実行することも可能である。
<実施例>
以下、本開示における典型的な実施例について、図面を参照して説明する。図1は眼科撮影装置の光学系及び制御系を示す図である。なお、本実施例では、被検眼Eの軸方向(前後方向)をZ方向、水平方向(左右方向)をX方向、鉛直方向(上下方向)をY方向として説明する。被検眼Eの眼底Efにおける表面方向をXY方向として考えてもよい。
本実施例における眼科撮影装置1は、OCT装置、SLO装置、及び治療用レーザ装置、が複合された眼科撮影装置である。なお、眼科撮影装置1は、OCT装置であってもよいし、OCT装置と治療用レーザ装置とが複合された装置であってもよい。眼科撮影装置1は、被検眼Eを撮影する。例えば、眼科撮影装置1は、被検眼Eとして、被検眼Eの前眼部(例えば、角膜、水晶体、等)を撮影してもよいし、被検眼Eの眼底Efを撮影してもよい。本実施例では、眼科撮影装置1を用いて眼底Efを撮影する場合を例に挙げる。例えば、眼科撮影装置1は、OCT光学系100、観察光学系200、固視誘導部300、レーザ光学系400、制御部70、等を備える。
<OCT光学系>
OCT光学系100は、いわゆる眼科用光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT)の構成をもち、被検眼Eの眼底Efを撮影して、その画像データ(例えば、OCT画像データ)を取得する。OCT画像データは、断層画像データであってもよいし、断層画像データに基づいて作成される正面画像データであってもよい。例えば、正面画像データは、断層画像データを深さ方向に積算したOCT正面画像データ、断層画像データを所定の深さ範囲で積算した画像データ、等であってもよい。
例えば、OCT光学系100は、タイムドメインOCT(Time Domain OCT:TD-OCT)であってもよい。また、例えば、OCT光学系100は、フーリエドメインOCT(Fourier Domain OCT:FD-OCT)であってもよい。FD−OCTとしては、スペクトルドメインOCT(Spectral Domain OCT:SD-OCT)や波長掃引式OCT(Swept Source OCT:SS-OCT)が代表的である。本実施例では、OCT光学系100にSD−OCTを適用した場合を例に挙げる。
例えば、OCT光学系100は、光源102から照射された赤外域に波長帯域をもつ光を測定光と参照光に分割し、被検眼Eに照射された測定光と参照光によるスペクトル干渉信号を取得する。例えば、OCT光学系100は、光源102、カップラー(光分割器)104、走査部(例えば、光スキャナ)108、測定光学系106、検出器120、参照光学系130、等を備える。例えば、光源102、測定光学系106、検出器120、及び参照光学系130は、光ファイバでカップラー104に繋がれている。
本実施例において、OCT光学系100は、光源102から出射された光を、カップラー104によって測定光と参照光に分割する。測定光は、光ファイバを通過した後に空気中へ出射され、走査部108及び測定光学系106を介して、眼底Efに導かれる。参照光は、光ファイバを通過して、参照光学系130に導かれる。眼底Efに反射された測定光と、後述する反射光学系に反射された参照光と、は同様の経路を経て光ファイバに戻される。OCT光学系100は、測定光と参照光の合成による干渉光を、検出器120に受光させる。
光源102は、赤外域に波長帯域をもつ光を照射する。このような赤外光は、近赤外域に波長帯域をもっていてもよいし、遠赤外域に波長帯域をもっていてもよい。なお、本実施例においては、近赤外域に波長帯域をもつ光を照射可能な光源を用いることが好ましい。より詳細には、λ=800nm〜1100nmの波長帯域をもつ光を照射する光源を用いてもよい。例えば、光源102は、SLD(Super luminescent diode)光源であってもよい。
例えば、本実施例では、光源102として、低コヒーレント光源(広帯域光源)が用いられ、検出器120には、干渉光を各波長成分(各周波数成分)に分光する分光光学系(スペクトルメータ)が設けられる。例えば、スペクトルメータは、回折格子とラインセンサからなる。
検出器120は、測定光と参照光との干渉光(干渉信号)を波長帯域毎に分光したスペクトル干渉信号を検出する。すなわち、検出器120は、周波数空間における波長帯域毎の信号強度(スペクトル干渉信号の強度)を検出する。例えば、本実施例において、このようなスペクトル干渉信号は、可視域における色情報を取得するために用いられる(詳細は後述する)。例えば、検出器120が検出したスペクトル干渉信号は制御部70に出力され、制御部70にて周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報が取得される。また、例えば、検出器120が検出したスペクトル干渉信号は制御部70に出力され、制御部70にてフーリエ変換される。これによって、スペクトル干渉信号は、周波数空間から実空間に変換され、被検眼Eの所定範囲の深さプロファイル(Aスキャン信号)が取得される。すなわち、被検眼Eの深さ方向における信号強度が取得される。例えば、制御部70は、走査部108にて走査された測定光の各走査位置(例えば、図3(b)に示す位置K1〜位置Kn)における深さプロファイルを並べることで、被検眼Eの断層画像データ(Bスキャン画像データ)を取得する。なお、断層画像データは、信号であっても、信号を変換した画像であってもよい。
走査部108は、眼底Ef上で、測定光をXY方向(横断方向)に走査させる。例えば、走査部108は、被検眼Eの瞳孔と略共役な位置に配置される。例えば、走査部108は2つのガルバノミラーであり、駆動機構50によって、その反射角度が任意に調整される。これにより、光源102から出射された光の反射(進行)方向が変化され、眼底Ef上における撮影位置が変更される。なお、走査部108は、光を偏向させる構成であればよい。例えば、反射ミラー(ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントスキャナ、等)の他、光の進行(偏向)方向を変化させる音響光学素子(AOM)が用いられてもよい。
参照光学系130は、眼底Efで反射された測定光と合成される参照光を生成する。参照光学系130は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであってもよい。例えば、参照光学系130は、反射光学系(例えば、参照ミラー)によって形成され、カップラー104からの参照光を反射光学系により反射して再度カップラー104に戻し、検出器120へと導く。他の例として、参照光学系130は、透過光学系(例えば、光ファイバ)によって形成され、カップラー104からの参照光を、カップラー104に戻さず透過させることによって、検出器120へと導いてもよい。
参照光学系130は、参照光路中の光学部材を移動させることにより、測定光と参照光との光路長差を変更する構成を有する。例えば、参照ミラーが光軸方向に移動される。光路長差を変更するための構成は、測定光学系106の測定光路中に配置されてもよい。
<観察光学系>
観察光学系200は、いわゆる眼科用走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)の構成をもち、被検眼Eの眼底Efを撮影して、その画像データ(例えば、SLO正面画像データ)を取得する。観察光学系200は、いわゆる眼底カメラタイプの構成であってもよい。また、観察光学系200は、赤外光を用いて被検眼を撮影する赤外撮影光学系であってもよい。
例えば、観察光学系200は、レーザ光源201、走査部204、穴開きミラー205、回転板ユニット206、受光素子209、等を備える。もちろん、観察光学系200は、この他の光学素子を適宜備えてもよい。例えば、レーザ光源201は、少なくとも、第1波長(例えば、波長790nm付近)のレーザ光と、第2波長(例えば、波長490nm付近)のレーザ光と、を出射してもよい。もちろん、レーザ光源201は、単色光のみを出射してもよい。
例えば、レーザ光源201からのレーザ光は、中央に開口部を有する穴開きミラー205の開口部を通って、走査部204へと向かう。走査部204に反射されたレーザ光は、測定光学系106を通過した後に、眼底Efで集光する。レーザ光源201から眼底Efに対してレーザ光が照射されることにともなって、眼底Efから光が発せられる。例えば、レーザ光は、眼底Efで散乱・反射される。その結果、眼底Efで散乱・反射された光(以下、眼底反射光)が、瞳孔を介して出射される。また、レーザ光は、眼底Efに存在する蛍光物質を励起させる場合がある。このため、眼底Efに存在する蛍光物質から発せられた蛍光が、瞳孔を介して出射する場合がある。
走査部204は、レーザ光源201から導かれたレーザ光を眼底Ef上で走査し、レーザ光の進行方向を変化させる(言い換えると、レーザ光を偏向する)。本実施例において、走査部204は、反射ミラー203を有している。例えば、反射ミラー203は、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、等であってもよい。なお、走査部204としては、レゾナントスキャナ、音響光学素子(AOM)、等が用いられてもよい。
回転板ユニット206は、受光素子209に受光させる光の波長を選択する。回転板ユニット206は、回転板207、駆動部208、等を備える。例えば、回転板207は、眼底Efで発生した蛍光を観察するためのバリアフィルタを複数有している。例えば、回転板207が駆動部208によって回転されることで、受光素子209に向かう光路に各種のバリアフィルタがセットされる。
例えば、回転板207には、赤外蛍光撮影用のバリアフィルタ、可視蛍光撮影用のバリアフィルタ、等が設けられる。例えば、赤外蛍光撮影用のバリアフィルタは、赤外蛍光撮影の一つであるICGA(Indocyanine-Green-Angiography)撮影用のバリアフィルタとして用いられてもよい。ICGA撮影は、蛍光眼底造影剤としてインドシアニングリーンを用いる蛍光撮影である。例えば、ICGA撮影を行う場合は、レーザ光源201から第1波長のレーザ光を照射し、赤外蛍光撮影用のバリアフィルタを介して、波長800nm〜860nm付近の蛍光を撮影する。なお、ICGA撮影は、主として脈絡膜血管の観察に用いられる。
例えば、可視蛍光撮影用のバリアフィルタは、FA(Fluorescein-Angiography)撮影用のバリアフィルタとして用いられてもよい。FA撮影は、蛍光眼底造影剤としてフルオレセインを用いる蛍光撮影である。例えば、FA撮影を行う場合は、第2波長のレーザ光を照射し、可視蛍光撮影用のバリアフィルタを介して、波長510nm〜550nm付近の蛍光を撮影する。なお、FA撮影は、主として網膜血管の観察に用いられる。
受光素子209は、レーザ光源201から照射されたレーザ光にともなう眼底Efからの光(すなわち、通常撮影時には眼底反射光、蛍光撮影時には眼底Efで発生した蛍光、等)を受光する。例えば、蛍光撮影時において、制御部70は、受光素子209からの受光信号に基づいた眼底EfのSLO蛍光正面画像データを取得する。
眼底Efにレーザ光が照射される場合、眼底Efで反射または出射された光は、測定光学系106、走査部204、をそれぞれ通過し、穴開きミラー205で反射された後に、回転板207のフィルタを介して、受光素子209へと導かれる。なお、被検眼Eの瞳位置と、穴開きミラー205の開口部と、は光学的に共役な関係であってもよい。
<固視誘導部>
固視誘導部300は、被検眼Eの視線方向を誘導するための光学系を有する。固視誘導部300は、被検眼Eに呈示する固視灯を有し、固視灯の呈示位置を二次元的に変更させる。これによって、被検眼Eの視線が複数の方向に誘導され、結果的に撮影部位が変更される。例えば、撮影光軸に対して固視灯が同方向に呈示されると、眼底Efの中心部が撮影部位に設定される。また、例えば、撮影光軸に対して固視灯が上方向に呈示されると、眼底Efの上部が撮影部位に設定される。すなわち、撮影光軸に対する固視灯の位置に応じて、被検眼Eの撮影部位が変更される。
例えば、固視誘導部300としては、マトリクス状に配列された固視灯(例えば、LED(Light Emitting Diode)等)の点灯位置を変化させることで被検眼Eの固視位置を調整する構成、光スキャナを用いて光源からの光を走査し、光源の点灯を制御することで被検眼Eの固視位置を調整する構成、等が考えられる。また、固視誘導部300は、内部固視灯タイプであってもよいし、外部固視灯タイプであってもよい。
<レーザ光学系>
レーザ光学系400は、被検眼Eにレーザ光を照射する。例えば、レーザ光学系400は、レーザ光源401、走査部408、等を備える。レーザ光源401は、治療用レーザ光(例えば、波長532nmのレーザ光)を発振する。例えば、走査部408は、駆動ミラー409、駆動部450、等を備える。駆動部450は、駆動ミラー409の反射面の角度を変更する。
レーザ光源401から出射されたレーザ光は、走査部408及びダイクロイックミラー30で反射され、測定光学系106を介して眼底Efに集光する。このとき、走査部408によって、眼底Ef上におけるレーザ光の照射位置が変更される。なお、レーザ光学系400は、エイミング光を発するエイミング光源を備えてもよい。
<制御部>
制御部70は、一般的なCPU(プロセッサ)71、ROM72、RAM73、等で実現される。例えば、CPU71は、眼科撮影装置1における各部の駆動を制御する。例えば、ROM72には、CPU71が実行する各種プログラムが記憶されている。例えば、RAM73は、各種の情報を一時的に記憶する。なお、制御部70は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。
例えば、制御部70は、記憶部(例えば、不揮発性メモリ)74、表示部(例えば、モニタ)75、操作部76、等と電気的に接続される。制御部70は、モニタ75の表示画面を制御する。例えば、制御部70は、取得した画像データ(例えば、正面画像データ、断層画像データ、等)を、モニタ75に静止画または動画として出力してもよい。モニタ75は、正面画像データや断層画像データを表示する。例えば、モニタ75は、眼科撮影装置1の本体に搭載されたモニタ(ディスプレイ)であってもよいし、眼科撮影装置1の本体に接続されたモニタであってもよい。例えば、モニタ75には、パーソナルコンピュータのモニタを用いてもよい。また、モニタ75は、複数のモニタを併用してもよい。なお、モニタ75は、タッチパネルであってもよい。このような場合には、モニタ75が操作部76として機能する。
操作部76には、検者による各種の操作指示が入力される。操作部76は、入力された操作指示に応じた信号を制御部70に出力する。例えば、操作部76としては、マウス、ジョイスティック、キーボード、タッチパネル、等の少なくともいずれかのユーザーインターフェイスを用いてもよい。制御部70は、操作部76が受け付けた検者の操作に基づく操作信号を取得してもよい。
不揮発性メモリ74(以下、メモリ74)は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体であってもよい。例えば、メモリ74としては、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、着脱可能なUSBメモリ、等を使用することができる。メモリ74は、取得された画像データの他、取得された画像データの撮影に係る情報(例えば、眼底Efにおける撮影位置、等)を記憶してもよい。
例えば、制御部70は、固視誘導部300を制御して、固視灯の呈示位置を変更する。また、例えば、制御部70は、OCT光学系100が備える検出器120から出力されるスペクトル干渉信号、観察光学系200が備える受光素子から出力される受光信号、等を取得する。また、例えば、制御部70は、走査部108を制御して、被検眼Eに対する測定光の照射位置を変更する。また、例えば、制御部70は、走査部408を制御して、被検眼Eに対するレーザ光の照射位置を変更する。
<制御動作>
以下、眼科撮影装置1で被検眼Eの眼底Efを撮影し、可視域における色情報を含む眼底Efの画像データを取得する手順を、図2に示すフローチャートを用いて制御動作とともに説明する。なお、本実施例では、観察光学系200を用いてSLO正面画像データが取得される。また、本実施例では、OCT光学系100を用いて測定光を走査した眼底Efの所定の領域について、可視域の色情報が取得される。眼底Efの所定の領域は、SLO正面画像データ上で選択した眼底Efの一部の領域であってもよい。もちろん、SLO正面画像データ上で選択した眼底Efの全領域であってもよい。例えば、本実施例では、OCT光学系100により、SLO正面画像データ上で選択した眼底Efの一部の領域に対して、測定光が走査される。これによって、可視域における色情報を含むSLO正面画像データを取得することができる。
<被検眼のアライメント(S1)>
まず、検者は、被検眼Eと眼科撮影装置1とのアライメントを行う(S1)。制御部70は、固視誘導部300が備える固視灯を点灯させる。また、制御部70は、図示なき視標投影系が備える光源を点灯させる。これによって、被検眼Eにアライメント指標像が投影される。また、被検眼Eの前眼部は、図示なき前眼部観察用のカメラに検出され、その前眼部観察像がモニタ75に表示される。検者は、被検者に固視灯を注視するよう指示した後、前眼部観察像及びアライメント指標像をみながら操作部76(例えば、図示なきジョイスティック)を操作して、被検眼Eの角膜頂点位置(または、略角膜頂点位置)と、測定光軸と、を一致させるアライメントを行う。なお、制御部70がアライメント指標像を用いて角膜頂点位置と測定光軸との位置ずれを検出し、自動的にこのようなアライメントを行う構成としてもよい。
<SLO正面画像データの取得(S2)>
続いて、検者は、観察光学系200を用いて眼底Efを撮影することで、SLO正面画像データを取得する(S2)。図3はモニタ75の表示画面の一例である。図3(a)はモニタ75の全体を示している。図3(b)はモニタ75に表示される指標25を拡大した図である。例えば、モニタ75には、観察光学系200によって取得されるSLO正面画像データ65、OCT光学系100によって取得される断層画像データ60及びOCT正面画像データ66、撮影条件の設定画面(例えば、後述するスキャンパターン設定欄35)、断層画像データ60の撮影位置及びスキャンパターンを表す指標25、等が表示される。例えば、指標25は、SLO正面画像データ65上にて電気的に重畳表示され、設定されたスキャンパターンに基づいてその表示形状が変更されてもよい。例えば、断層画像データ60は、指標25上の切断位置にて取得される断層画像データを示している。
アライメントが完了すると、制御部70は、観察光学系200が備える光スキャナを制御して、レーザ光源201から照射された第1波長のレーザ光を眼底Ef上で走査する。また、制御部70は、受光素子209から送信された受光信号を眼底EfのSLO正面画像データとして取得し、これをモニタ75に表示する。なお、例えば、レーザ光源201から発せられたレーザ光は赤外光であるため、SLO正面画像データ65はモノクロで表される。もちろん、後述の処理を行うことによって、SLO正面画像データ65をカラーで表してもよい。また、SLO正面画像データ65は、リアルタイムに取得され、リアルタイムでモニタ75に表示されてもよい。
<断層画像データ及びOCT正面画像データの取得(S3)>
続いて、検者は、OCT光学系100を用いて眼底Efを撮影することで、OCT画像データを取得する(S3)。例えば、検者は、操作部76を操作して、撮影条件を最適化する。撮影条件を最適化することによって、検者が所望する眼底Ef上の部位が、高感度・高解像度で観察できるようになる。例えば、制御部70は、光路長調整、フォーカス調整、偏光状態の調整(ポラライザ調整)、等を実施し、撮影条件を最適化する。
例えば、SLO正面画像データ65上には、スキャンパターン設定欄35が表示される。検者は、操作部76を操作して、スキャンパターン設定欄35から測定光の走査パターン(ライン、クロスライン、ラスター、サークル、ラジアル、等)を選択する。また、例えば、SLO正面画像データ65上には、指標25が表示される。検者は、操作部76を操作して指標25の位置を移動させる(例えば、ドラッグ操作を行う)ことで、OCT光学系100が眼底Ef上を走査する走査位置を設定してもよい。すなわち、検者は、指標25の位置を移動させることで、眼底Efの断層を撮影する位置を設定してもよい。なお、本実施例においては、検者がスキャンパターンとしてマップスキャンを選択し、OCT光学系100によって断層画像データ60を取得する場合を例に挙げる。もちろん、断層画像データ60の取得は、マップスキャンを行う構成に限定されない。
例えば、制御部70は、SLO正面画像データ65上に設定された指標25の表示位置に基づいて、指標25の位置に対応する眼底Efの断層画像データが得られるように、走査部108を駆動させて測定光を走査する。なお、指標25の表示位置(モニタ75上における座標位置)と、走査部108による測定光の走査位置と、の関係は予め定まっているので、制御部70は、設定した指標25の表示位置に対応する走査範囲に対して測定光が走査されるように、走査部108における2つのガルバノミラーの駆動を制御する。
また、検者が図示なき撮影スイッチを選択すると、制御部70は、設定された走査位置(例えば、走査ラインSL)に基づいて、断層画像データ60を取得する。例えば、本実施例では、制御部70によって、眼底Ef上における走査ラインSL1、走査ラインSL2、…、走査ラインSLnの順に走査位置が設定され、検出器120によって、これらの走査位置に基づいたスペクトル干渉信号がそれぞれ取得される。これにより、検出器120は、測定光が照射された眼底Ef上の各走査位置において、可視域における色情報(詳細は後述する)を得るためのスペクトル干渉信号を取得することができる。言い換えると、検出器120は、周波数空間における波長帯域毎の信号強度(スペクトル干渉信号の強度)を取得することができる。例えば、このようなスペクトル干渉信号は、制御部70に出力される。
例えば、制御部70は、測定光の走査中に検出器120から出力される出力信号から、所定の走査領域に対応するスペクトル干渉信号を取得する。また、例えば、制御部70は、所定の走査領域に対応するスペクトル干渉信号をフーリエ変換し、被検眼Eの深さ方向における信号強度を取得することで、眼底Efの断層画像データ60を取得する。例えば、本実施例においては、このような断層画像データ60とともに、断層画像データ60を深さ方向に積算したOCT正面画像データ66が取得されてもよい。例えば、制御部70は、断層画像データ60及びOCT正面画像データ66をモニタ75に表示する。
なお、例えば、OCT光学系100からの測定光を指標25の表示位置に対応する走査範囲に対して走査することで取得したOCT正面画像データ66と、SLO正面画像データ65上にて指標25が重畳表示された領域と、の画素数は同一(すなわち、pixel to pixel)であってもよい。例えば、この場合には、眼底Ef上の位置K1が、モニタ75上に表示されたOCT正面画像データ66とSLO正面画像データ65とで同一の座標位置となる。
また、例えば、光源102から照射された測定光は赤外域に波長帯域をもつ光であるため、断層画像データ60及びOCT正面画像データ66はモノクロで表される。もちろん、後述の処理を行うことによって、これらの画像データをカラーで表してもよい。例えば、制御部70は、これらの画像データとともに、撮影情報(例えば、撮影部位等)や選択範囲情報(走査パターン、走査位置、走査範囲、等)をメモリ74に記憶する。
<可視域における色情報の取得(S4)>
ここで、制御部70は、ステップS3にて取得されたスペクトル干渉信号を用いて、可視域における色情報を取得する(S4)。例えば、本実施例では、制御部70が、取得されたスペクトル干渉信号から、周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対する色情報を取得する。例えば、色情報は、R(Red)、G(Green)、及びB(Blue)を3原色として表示するRGB色空間を表す情報であってもよい。また、例えば、色情報は、C(Cyan)、M(Magenta)、及びY(Yellow)を3原色として表示するCMY色空間を表す情報であってもよい。その他、RGBにA(Alpha Channel)が加わったRGBA、CMYにK(Black)が加わったCMYK、等の色空間を表す情報であってもよい。なお、本実施例では、色情報としてRGB色空間を表す場合を例に挙げる。
図4は、周波数空間における波長帯域毎の信号強度(すなわち、スペクトル干渉信号の強度)を表した図である。図4の縦軸は信号強度であり、横軸は波長である。例えば、このような信号強度は、各走査ラインSLにおいて深さプロファイル(すなわち、Aスキャン信号)を取得した位置K毎に得られ、正負に振幅している。例えば、図4(a)は、走査ラインSL1上の位置K1、位置K2、…、位置Knのうち、位置K1にて取得されたスペクトル干渉信号の強度を示している。図4(b)は、図4(a)に示すスペクトル干渉信号の包絡線を示している。
例えば、制御部70は、位置K1にて取得されたスペクトル干渉信号を所定の波長幅(例えば、波長幅10nm、等)で区切り、各波長幅における最大ピーク値を求める。例えば、最大ピーク値は、波長幅内に存在する複数のピークを平均化した値であってもよいし、波長幅内で最も高いピークの値であってもよい。また、例えば、制御部70は、各波長幅における最大ピーク値をプロットすることで、スペクトル干渉信号の包絡線を取得する。
これによって、位置K1にて取得されたスペクトル干渉信号は、図4(a)に示す状態から図4(b)に示す状態で表される。例えば、制御部70は、図4(b)のようなスペクトル干渉信号の包絡線(すなわち、ピーク値に基づいたスペクトル干渉信号の信号強度)をメモリ74に記憶する。また、例えば、制御部70は、走査ラインSL1における位置K2〜位置Knのスペクトル干渉信号、及び、走査ラインSL2〜走査ラインSLnにおける各位置のスペクトル干渉信号、を同様に処理することで、各位置のスペクトル干渉信号の包絡線を取得し、それぞれをメモリ74に記憶する。
続いて、制御部70は、位置K1のピーク値に基づいたスペクトル干渉信号の信号強度に対する色情報を取得する。本実施例では、位置K1のピーク値に基づいたスペクトル干渉信号の波長帯域(言い換えると、波長幅)毎の信号強度に対して、可視域の色情報が取得される。すなわち、周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応した可視域の色情報が取得される。例えば、波長帯域毎の信号強度と、可視域の色情報と、は実験やシミュレーションによって予め対応付けられていてもよい。一例として、スペクトル干渉信号の周波数空間における波長帯域毎の信号強度と、被検眼Eに可視光を照射することで取得されたカラー画像データがもつ色情報と、を予め関連付けることで構築されたデータベースが用いられてもよい。
例えば、本実施例において、RGB色空間のR値は、周波数空間における波長870〜900nmの帯域fRから取得されてもよい。また、RGB色空間のG値は、周波数空間における波長825〜850nmの帯域fGから取得されてもよい。また、RGB色空間のB値は、周波数空間における波長800〜820nmの帯域fBから取得されてもよい。もちろん、可視域の色情報を取得する波長帯域毎の信号強度は、本実施例とは異なっていてもよい。
例えば、制御部70は、RGB色空間のR値、G値、及びB値をそれぞれ0〜255の256階調で表すために、各波長幅における信号強度の平均値を求める。例えば、制御部70は、帯域fRにおいて、所定の波長幅(例えば、波長幅1nm、等)毎のピーク値を求め、これらを積算する。例えば、制御部70は、位置K1のピーク値に基づいたスペクトル干渉信号(図4(b)参照)において、波長870nm、波長871nm、…、波長900nm、のそれぞれの信号強度を検出し、これらの値を積算する。ここでは、各信号強度を積算した値が7650となった場合を例に挙げる。続いて、制御部70は、各信号強度を積算した値を、帯域fRの波長幅で除算する。例えば、制御部70は、各信号強度を積算した値である7650を、帯域fRの波長幅である30nmで除算する。これによって、各波長幅における信号強度の平均値が255と計算される。例えば、制御部70は、RGB色空間のR値として、上記のように各波長幅における信号強度の平均値を求める。
同様に、制御部70は、帯域fGにおいて所定の波長幅毎のピーク値を求め、これらを積算した値を帯域fGの波長幅(すなわち、25nm)で除算する。これによって、RGB色空間のG値として、帯域fGの波長幅における信号強度の平均値を求めることができる。また、制御部70は、帯域fBにおいて所定の波長幅毎のピーク値を求め、これらを積算した値を帯域fBの波長幅(すなわち、20nm)で除算する。これによって、RGB色空間のB値として、帯域fBの波長幅における信号強度の平均値を求めることができる。
例えば、制御部70は、このようにして、位置K1の周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対する色情報を取得する。また、例えば、制御部70は、走査ラインSL1における位置K2〜位置Knのピーク値に基づいたスペクトル干渉信号の信号強度に対する色情報、及び、走査ラインSL2〜走査ラインSLnにおける各位置のピーク値に基づいたスペクトル干渉信号の信号強度に対する色情報、をそれぞれ取得する。取得した色情報は、メモリ74に記憶される。
<色情報を含むSLO正面画像データの取得(S5)>
例えば、制御部70は、ステップS4にて取得された色情報に基づいて、可視域における色情報を含むSLO正面画像データ65を取得する(S5)。例えば、本実施例では、制御部70が、ステップS4にて取得された色情報を、ステップS2にて取得されたSLO正面画像データ65に適用することで、可視域における色情報を含むSLO正面画像データ65を取得する。なお、本実施例における適用とは、取得された色情報をSLO正面画像データ65に付加する構成でもよいし、取得された色情報でSLO正面画像データ65を置換する構成でもよい。
例えば、ステップS4で、OCT光学系100を用いて取得したスペクトル干渉信号から、位置K1のR値、G値、及びB値として、それぞれ255、165、及び0の値が得られた場合、RGB色空間のR値は、255/255となる。また、RGB色空間のG値は、165/255となる。また、RGB色空間のB値は、0/255となる。この結果、OCT正面画像データ66上の位置K1は、オレンジ色で表現されてもよい。また、OCT正面画像データ66上の位置K1と同一の位置座標であるSLO正面画像データ65上の位置K1も、オレンジ色で表現される。例えば、制御部70は、各走査ラインSL上の各位置Kに対して、このように色情報を適用することで、可視域における色情報を含むSLO正面画像データ65を取得することができる。すなわち、SLO正面画像データ65をカラー化することができる。
例えば、制御部70は、眼底Ef上の各走査位置において、逐次、スペクトル干渉信号を取得し、新たに取得されるスペクトル干渉信号を上記のように処理することで、可視域における色情報を取得してもよい。また、例えば、制御部70は、取得した色情報に基づいて、観察光学系200にてリアルタイムに撮影されるSLO正面画像データ65をカラー化して表示してもよい。もちろん、例えば、制御部70は、新たに取得されるスペクトル干渉信号から取得した可視域における色情報に基づいて、OCT光学系100にて撮影されるOCT画像データ(例えば、断層画像データ60、OCT正面画像データ66、等)をカラー化して表示してもよい。
なお、本実施例における眼科撮影装置1は、レーザ光源401を有し、レーザ光を被検眼Eの治療部位に照射するレーザ光学系400を備えている。このため、眼底Efにレーザ光を照射することで、眼底Efを治療することができる。例えば、レーザ光学系400は、光凝固を生じさせるエネルギーの高いレーザ光を照射して眼底Efを治療するために用いられてもよい。この場合、眼底Efにおいてレーザ光が照射された部位は、熱凝固によって凝固斑が形成される。すなわち、眼底Efがレーザ光で焼けた瘢痕が形成される。
例えば、検者は、観察光学系200によって取得される眼底EfのSLO正面画像データ65、OCT光学系100によって取得されるOCT正面画像データ66、等を観察することで、眼底Efに形成された凝固斑の状態を確認することができる。しかし、これらの画像データは、眼底Efに赤外光を照射することで撮影されるためにモノクロで表示され、凝固斑の状態を判断しづらい場合がある。例えば、本実施例のように、SLO正面画像データ65やOCT正面画像データ66がリアルタイムにカラー表示される構成であれば、眼底Efが赤みを帯びた色であるのに対し、凝固斑は白みを帯びた色となるので、形成された凝固斑の状態を容易に判断できるようにもなる。
なお、このような構成において、制御部70は、可視域における色情報を含む画像データ(以下、カラー画像データ)を解析処理することにより、レーザ光が照射された照射位置の評価情報を取得してもよい。例えば、評価情報とは、眼底Efに対するレーザ光の照射が適切であるかを判定するための情報であってもよい。一例として、制御部70は、レーザ光を照射する前に取得されたカラー画像データと、レーザ光を照射した後に取得されたカラー画像データと、において、照射位置のRGB色空間のRGB値を比較して、その変化量を算出する。例えば、制御部70は、変化量が所定の閾値よりも小さい場合には、光凝固が不十分だと判定してもよい。また、例えば、制御部70は、変化量が所定の閾値よりも大きい場合には、光凝固が十分だと判定してもよい。なお、このような変化量の閾値は、予め実験やシミュレーション等により設定することができる。また、このような変化量の閾値は、複数設けられてもよい。
例えば、制御部70は、取得した評価情報に基づいて、レーザ光の出力を制御してもよい。例えば、レーザ光の出力は、レーザ光源401の光量を調整することで制御されてもよいし、レーザ光の照射時間を調整することで制御されてもよい。また、例えば、レーザ光の出力は、レーザ光学系400における少なくともいずれかの部材を移動させることで制御されてもよい。この場合には、レーザ光学系400の光路中に挿抜可能なフィルタを設け、これを移動させてもよい。
以上説明したように、例えば、本実施例における眼科撮影装置は、OCT光学系を制御して、被検眼上で前記測定光を走査し、測定光が照射された被検眼上の各走査位置においてスペクトル干渉信号を取得する。また、例えば、本実施例における眼科撮影装置は、取得されたスペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得し、各走査位置での色情報に基づいて、可視域における色情報を含む画像データを取得する。これによって、被検眼に赤外光を照射することで撮影されたモノクロの画像データを、カラーの画像データとして取得することができる。すなわち、検者は、被検眼に可視光を照射して眩しさを与えることなく、カラーの画像データを取得することができる。また、検者は、カラーの画像データであることによって、被検眼の状態を観察しやすくなる。
また、例えば、本実施例における眼科撮影装置は、被検眼上の各走査位置において逐次スペクトル干渉信号を取得し、新たに取得されるスペクトル干渉信号から可視域における色情報を含む画像データを取得し、新たに取得される画像データを出力することで、逐次画像データを更新する。これによって、検者は、色情報を含む画像データをリアルタイムで観察することができる。被検眼をレーザ治療した場合等においては、レーザ光の照射部位における変化を把握しやすくなる。
また、例えば、本実施例における眼科撮影装置は、周波数空間における波長と可視域における色情報とが対応付けされたデータベースに基づいて、スペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得する。これによって、可視域における色情報を含む画像データを容易に取得することができる。
また、例えば、本実施例における眼科撮影装置は、スペクトル干渉信号から色情報を取得し、各走査位置での色情報に基づいて、可視域における色情報を含むSLO画像データを取得する。これによって、可視域における色情報を含むOCT画像データを取得する場合と比べて、より鮮明度の高いカラー画像データを取得することができる。
また、例えば、本実施例における眼科撮影装置は、画像データを解析処理することによって、レーザ光が照射された照射位置の評価情報を取得する。これによって、照射部位の状態を容易に把握することができる。
また、例えば、本実施例における眼科撮影装置は、評価情報に基づいて、レーザ光の出力を制御する。このため、レーザ光による被検眼の治療を容易に行うことができる。
<変容例>
なお、本実施例では、スペクトル干渉信号の各波長幅における最大ピーク値をプロットすることで包絡線を取得したがこれに限定されない。例えば、各波長幅における最小ピーク値をプロットすることで包絡線を取得してもよいし、各波長幅における最大ピーク値と最小ピーク値とを平均化した値をプロットすることで包絡線を取得してもよい。また、本実施例では、スペクトル干渉信号の絶対値を求めることで正の振幅(あるいは負の振幅)のみに統一し、その後、各波長幅における最大ピーク値(あるいは最小ピーク値)を求めることで、包絡線を取得してもよい。
なお、本実施例では、波長帯域毎の信号強度と、可視域の色情報と、を対応付ける際に、各波長帯域の波長幅におけるピーク値を積算し、積算した値を波長幅で除算する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、各波長帯域の波長幅におけるピーク値を積算し、積算した値に所定の係数を乗算する構成としてもよい。例えば、所定の係数は、各帯域に対して1つの係数が設定されてもよいし、帯域fR、帯域fG、及び帯域fBのそれぞれに対する係数が設定されてもよい。また、例えば、所定の係数は、予め実験やシミュレーションにより求めておくことができる。なお、各波長帯域の波長幅におけるピーク値を積算しても、その値が255を超えないときには、積算した値をRGB値として用いることで、色情報を取得してもよい。
なお、本実施例においては、可視域における色情報を含むSLO正面画像データ65を取得する際に、OCT光学系100を用いて深さ方向のすべての領域に対するスペクトル干渉信号を取得し、このスペクトル干渉信号から色情報を取得して、SLO正面画像データ65に適用する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、可視域における色情報を含むSLO正面画像データ65を取得する際には、深さ方向の一部の領域に対するスペクトル干渉信号を取得し、このスペクトル干渉信号からら色情報を取得して、LO正面画像データ65に適用してもよい。
なお、本実施例においては、OCT光学系100を用いて取得したスペクトル干渉信号における周波数空間の波長帯域毎の信号強度と、可視域の色情報と、を対応付けることによって、可視域における色情報を含むSLO正面画像データ65を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。前述のように、可視域における色情報を含むOCT画像データを取得する構成であってもよい。例えば、この場合には、深さ方向のすべての領域に対して色情報を含むOCT画像データが取得されてもよいし、深さ方向の一部の領域に対して色情報を含むOCT画像データが取得されてもよい。一例としては、断層画像データ60に含まれる層(例えば、網膜層、脈絡膜層、強膜層、等)をそれぞれ検出し、層毎に色情報を含む断層画像データ60を取得するようにしてもよい。
以下、層毎に色情報を含む断層画像データ60を取得する場合を例に挙げて説明する。図5は断層画像データ60上を走査する深さ方向の走査線と輝度値の変化を説明する図である。なお、図5には、断層画像データ60上の走査ラインSL1及び走査ラインSL1上の位置Kと、位置Kにおける深さ方向の走査線(点線で示す矢印)と、が示されている。また、図5には、断層画像データ60のある深さ方向における走査線上の輝度値90の変化が示されている。
例えば、制御部70は、各走査線の輝度値を求め、輝度の立ち上がり、輝度の立ち下がり、輝度のピーク、等を検出することで、所定の層40を検出することができる。例えば、本実施例においては、輝度値90から1つ目のピークP1と、2つ目のピークP2と、が検出される。なお、輝度のピークは、予め実験やシミュレーションにより設定された閾値を超えるか否かを判定することによって検出されてもよい。
続いて、制御部70は、OCT光学系100により取得されたスペクトル干渉信号から、深さ方向における所定の領域のスペクトル干渉信号を分離する。例えば、本実施例では、1つ目のピークP1から2つ目のピークP2までに寄与した深さ方向のスペクトル干渉信号が逆フーリエ変換される。図6は検出したピークに基づくスペクトル干渉信号を逆フーリエ変換した場合を説明する図である。図6(a)は、ピークに基づくスペクトル干渉信号を逆フーリエ変換した場合の周波数空間における波長帯域毎の信号強度を表している。図6(b)は、図6(a)に示すスペクトル干渉信号の包絡線を示している。なお、図6の縦軸は信号強度であり、横軸は波長である。
例えば、制御部70は、断層画像データ60の輝度値90を用いて、検出した所定の層40に対応した所定の領域のスペクトル干渉信号を分離する。また、例えば、制御部70は、ステップS4と同様にして、所定の層40に対応するスペクトル干渉信号を所定の波長幅(例えば、波長幅10nm、等)で区切り、各波長幅における最大ピーク値を求めることで、所定の層40におけるスペクトル干渉信号の包絡線(図6(b)参照)を取得する。また、例えば、制御部70は、取得した所定の層40におけるスペクトル干渉信号の波長帯域(すなわち、波長幅)毎の信号強度に対して、可視域の色情報を対応付ける。例えば、これによって、断層画像データ60の所定の層40をカラー化することができる。もちろん、3つ目以降のピークを検出し、複数の層に対して同様の処理を行うことで、断層画像データ60の複数の層をカラー化してもよい。
なお、このような断層画像データ60を所定の深さ範囲(例えば、所定の層40の範囲)で積算し、可視域の色情報を層毎に含んだOCT正面画像データ66を取得してもよい。すなわち、網膜層のOCT正面画像データ、脈絡膜層のOCT正面画像データ、強膜層のOCT正面画像データ、等をそれぞれカラー化することができる。これによって、例えば、眼底Efにレーザ光学系400を用いてレーザ光を照射した際には、各層での凝固斑の形成をより確認しやすくなる。
例えば、このように、本実施例における眼科撮影装置は、スペクトル干渉信号から深さ方向における所定の領域のスペクトル干渉信号を分離し、所定の領域のスペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得し、可視域における色情報を含む所定の領域の画像データを取得する。これによって、所定の領域毎に、可視域における色情報を含む画像データを取得することができる。すなわち、所定の領域毎に、カラー化された画像データを取得することができる。
また、例えば、このように、本実施例における眼科撮影装置は、スペクトル干渉信号から色情報を取得し、各走査位置での色情報に基づいて、可視域における色情報を含むOCT画像データを取得する。これによって、カラー化された深さ方向の断層画像データ等を取得することができる。また、カラー画像データを得るための構成を別途設ける必要がなく、簡易的な構成とすることができる。
なお、本実施例では、OCT光学系100にて取得したスペクトル干渉信号の波長帯域毎の信号強度と、可視域の色情報と、を予め構築されたデータベースを用いて対応付けることにで、可視域における色情報を含む画像データ(例えば、SLO正面画像データ65、断層画像データ60、OCT正面画像データ66、等)を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、このようなデータベースは、眼底Efを測定して、色情報を含む画像データを取得する毎に、随時更新されてもよい。なお、データベースを更新する際に用いる画像データは、上述の処理を行って取得した色情報を含む画像データ(すなわち、カラー化したSLO正面画像データ65、カラー化した断層画像データ60、カラー化したOCT正面画像データ、等)の他、観察光学系200から第2波長のレーザ光を照射することで取得したSLO正面画像データ、眼底カメラで撮影した画像データ、等であってもよい。
以下、一例として、観察光学系200から第2波長のレーザ光を照射することで取得されるSLO正面画像データ(カラーSLO正面画像データ)を用いて、データベースを更新する場合について説明する。例えば、制御部70は、観察光学系200により取得された眼底EfのカラーSLO正面画像データをモニタ75に表示する。また、例えば、制御部70は、OCT光学系100が備える走査部108を走査して、カラーSLO正面画像データの各座標位置に対応する眼底Ef上の点に、測定光の走査位置を設定する。これによって、各座標位置に対応する眼底Ef上のスペクトル干渉信号の信号強度が取得され、OCT正面画像データ66がモニタ75に表示される。例えば、このようなカラーSLO正面画像データと、OCT正面画像データ66と、の画素数は同一(すなわち、pixel to pixel)であってもよい。例えば、制御部70は、カラーSLO正面画像データの各画素位置においてRGB色空間で表される色情報と、OCT正面画像データ66の各画素位置のスペクトル干渉信号の信号強度と、をそれぞれ関連付ける。
例えば、制御部70は、ある色情報(例えば、オレンジ色、等)について、データベース内に蓄積されているスペクトル干渉信号の信号強度を、前述したカラーSLO正面画像データの色情報に対応付けたスペクトル干渉信号の信号強度に置き換える。この場合、制御部70は、データベース内に蓄積されているスペクトル干渉信号の信号強度と、カラーSLO正面画像データの色情報に対応付けたスペクトル干渉信号の信号強度と、を比較して、より適したスペクトル干渉信号の信号強度を選択するようにしてもよい。もちろん、制御部70は、ある色情報について、データベース内に蓄積されているスペクトル干渉信号の信号強度と、カラーSLO正面画像データの色情報に対応付けたスペクトル干渉信号の信号強度と、を平均化してもよい。
例えば、このように、本実施例における眼科撮影装置は、被検眼に可視光を照射してカラー画像データを取得し、取得されたカラー画像データの色情報と、データベースにおける色情報と、を比較することによって、データベースを更新する。これによって、画像データをカラー化した際の精度を向上させることができる。
なお、本実施例においては、予め構築されたデータベース、あるいは随時更新されるデータベースが、眼科撮影装置1内に格納された構成であってもよい。クラウドやサーバーから呼び出す構成であってもよい。もちろん、眼底Efを測定した際の画像データが眼科撮影装置1内、あるいは、クラウドやサーバーに蓄積されていき、データベースを始めから構築するような構成としてもよい。
なお、本実施例における眼科撮影装置1は、OCT光学系100と、観察光学系200と、を備える構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、眼科撮影装置1は観察光学系200を備える構成であってもよい。例えば、OCT光学系100を備える別の装置を用いて、スペクトル干渉信号を取得し、これを眼科撮影装置1に受信させてもよい。この場合には、観察光学系200を用いて撮影されるSLO正面画像データ65と、OCT光学系100を用いて撮影される断層画像データ60と、の位置関係を一致させ、上記と同様に波長帯域毎の信号強度と可視域の色情報とを対応付けることによって、色情報を含むSLO正面画像データ65を取得することができる。
なお、本実施例では、眼科撮影装置1を用いて被検眼Eの眼底Efを撮影し、眼底Efの色情報を含む画像データを取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、被検物は被検眼以外の生体(例えば、皮膚、血管、等)であってもよく、これらの色情報を含む画像データを取得する装置においても、本実施例を適用することができる。
1 眼科撮影装置
70 制御部
74 メモリ
60 断層画像データ
65 SLO正面画像データ
66 OCT正面画像データ
75 モニタ
100 OCT光学系
108 走査部
120 検出器
200 観察光学系
300 固視誘導部
400 レーザ光学系

Claims (11)

  1. 光源から出射された赤外域に波長帯域をもつ光を測定光と参照光に分割し、被検眼に照射された前記測定光と前記参照光によるスペクトル干渉信号を取得するためのOCT光学系を備える眼科撮影装置であって、
    前記OCT光学系を制御して、被検眼上で前記測定光を走査し、前記測定光が照射された前記被検眼上の各走査位置においてスペクトル干渉信号を取得する制御手段と、
    取得された前記スペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得し、前記各走査位置での色情報に基づいて、可視域における色情報を含む画像データを取得する画像データ取得手段と、
    を備えることを特徴とする眼科撮影装置。
  2. 請求項1の眼科撮影装置において、
    前記画像データ取得手段は、前記スペクトル干渉信号から、深さ方向における所定の領域のスペクトル干渉信号を分離し、前記所定の領域のスペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得し、可視域における色情報を含む前記所定の領域の画像データを取得することを特徴とする眼科撮影装置。
  3. 請求項1または2の眼科撮影装置において、
    前記画像データを表示手段に表示する出力手段を備え、
    前記制御手段は、前記被検眼上の各走査位置において、逐次、前記スペクトル干渉信号を取得し、
    前記画像データ取得手段は、前記制御手段によって、新たに取得される前記スペクトル干渉信号から、可視域における色情報を含む前記画像データを取得し、
    前記出力手段は、新たに取得される前記画像データを出力することで、逐次、前記画像データを更新することを特徴とする眼科撮影装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかの眼科撮影装置において、
    前記画像データ取得手段は、前記周波数空間における波長と可視域における色情報とが対応付けされたデータベースに基づいて、前記スペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得することを特徴とする眼科撮影装置。
  5. 請求項4の眼科撮影装置において。
    前記被検眼に可視光を照射してカラー画像データを取得するカラー画像取得手段を備え、
    前記カラー画像取得手段によって取得された前記カラー画像データの色情報と、前記データベースにおける色情報と、を比較することによって、前記データベースを更新することすることを特徴とする眼科撮影装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかの眼科撮影装置において、
    前記画像データは、前記OCT光学系により取得されたOCT画像データであって、
    前記画像データ取得手段は、前記スペクトル干渉信号から前記色情報を取得し、前記各走査位置での色情報に基づいて、前記可視域における色情報を含む前記OCT画像データを取得することを特徴とする眼科撮影装置。
  7. 請求項6の眼科撮影装置において、
    前記画像データは、正面画像データであって、
    前記画像データ取得手段は、前記スペクトル干渉信号から前記色情報を取得し、前記各走査位置での色情報に基づいて、前記可視域における色情報を含む前記正面画像データを取得することを特徴とする眼科撮影装置。
  8. 請求項1〜5のいずれかの眼科撮影装置において、
    前記画像データは、前記被検眼上でレーザ光を走査するSLO光学系により取得されたSLO画像データであって、
    前記画像データ取得手段は、前記スペクトル干渉信号から前記色情報を取得し、前記各走査位置での色情報に基づいて、前記可視域における色情報を含む前記SLO画像データを取得することを特徴とする眼科撮影装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかの眼科撮影装置において、
    治療レーザ光源を有し、前記レーザ光を前記被検眼の治療部位に照射する照射光学系と、
    前記照射光学系を制御するレーザ制御手段と、
    前記画像データを解析処理することによって、前記レーザ光が照射された照射位置の評価情報を取得する解析手段と、
    を備えることを特徴とする眼科撮影装置。
  10. 請求項9の眼科撮影装置において、
    前記レーザ制御手段は、前記解析手段によって取得された前記評価情報に基づいて、前記レーザ光の出力を制御することを特徴とする眼科撮影装置。
  11. 光源から出射された赤外域に波長帯域をもつ光を測定光と参照光に分割し、被検眼に照射された前記測定光と前記参照光によるスペクトル干渉信号を取得するためのOCT光学系を備える眼科撮影装置において実行される眼科撮影プログラムであって、
    前記眼科撮影装置のプロセッサに実行されることで、
    前記OCT光学系を制御して、被検眼上で前記測定光を走査し、前記測定光が照射された前記被検眼上の各走査位置においてスペクトル干渉信号を取得する制御ステップと、
    取得された前記スペクトル干渉信号から周波数空間における波長帯域毎の信号強度に対応する色情報を取得し、前記各走査位置での色情報に基づいて、可視域における色情報を含む画像データを取得する画像データ取得ステップと、
    を前記眼科撮影装置に実行させることを特徴とする眼科撮影プログラム。
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