JP2019134109A - トレイ保持治具及びその製造方法 - Google Patents

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信裕 篠塚
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祥子 大出
正彦 増村
Masahiko Masumura
正彦 増村
鈴木 秀樹
Hideki Suzuki
秀樹 鈴木
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Abstract

【課題】粘着シートの特性に配慮することにより、小物品の取り外しを容易とし、粘着シートを適切に緊張して粘着シートに小物品を保持させ得るトレイ保持治具及びその製造方法を提供する。【解決手段】背の低い有底角筒形で箱構造のトレイケース1と、少なくとも樹脂を含有した成形材料により成形されて半導体デバイス20を着脱自在に保持する可撓性の薄い粘着フィルム10とを備え、トレイケース1の内底面に粘着フィルム10を支持させ、トレイケース1の内底面と粘着フィルム10の周縁部以外の領域との間に、粘着フィルム10変形用の空間12を区画形成し、粘着フィルム10の貯蔵弾性率を、粘着フィルム10のガラス転移点[Tg]が80℃以上190℃以下の場合に、1.0×105[Pa]以上1.0×107[Pa]以下とする。粘着フィルム10の貯蔵弾性率が係る数値範囲なので、粘着フィルム10に適切な粘着特性を付与できる。【選択図】図2

Description

本発明は、LED、LEDデバイス、各種回路素子、各種センサ、半導体ウェーハ、半導体デバイス等からなる小物品の保持、検査、搬送、輸送等に使用されるトレイ保持治具及びその製造方法に関するものである。
近年の半導体デバイスは、携帯機器の薄型化や小型化に伴い、益々薄型化、小型化、軽量化が図られているが、反面、非常に脆く損傷しやすくなって来ているので、製造時の取り扱いに細心の注意を払う必要がある。
そこで、従来においては、薄い小型の半導体デバイスを保持・検査・搬送する場合には、そのまま保持・検査・搬送するのではなく、強度や剛性に優れる専用のトレイ保持治具に保持させ、このトレイ保持治具に保持させた状態で安全に保持・検査・搬送するようにしている(特許文献1、2、3、4参照)。
この種のトレイ保持治具は、様々なタイプがあるが、例えば上部が開口したトレイケースと、このトレイケースの内底面の全面にシート形の両面粘着テープにより積層粘着される粘着フィルムとを備え、この粘着フィルムの表面に半導体デバイスを着脱自在に粘着保持するタイプが知られている。
しかしながら、このタイプの場合、粘着フィルムの表面に半導体デバイスを強固に粘着保持させることはできるものの、トレイケースの内底面の全面に粘着フィルムが隙間なく積層粘着されるので、半導体デバイスを剥離して取り外す際、粘着フィルムが撓んで変形せず、その結果、粘着フィルムの粘着力よりも大きな剥離力で半導体デバイスを引き上げなければ、取り外すのが非常に困難である。
この点に鑑み、上部が開口したトレイケースと、このトレイケースの内底面に複数本の両面粘着テープにより張り伸ばして粘着される粘着フィルムとを備え、これらトレイケースの内底面と張り伸ばされた粘着フィルムとの間に、粘着フィルム変形用の空間を区画形成し、粘着フィルムの表面に半導体デバイスを着脱自在に粘着保持するタイプが提案されている。
このタイプの場合には、半導体デバイスの剥離時に粘着フィルムが上方に撓んで変形し、半導体デバイスを剥離する契機となるので、半導体デバイスを容易に取り外すことが可能となる。
特開2015‐191483号公報 特開2000‐109710号公報 特開2010‐10205号公報 特開2010‐153409号公報
従来におけるトレイ保持治具は、以上のようにトレイケースの内底面に粘着フィルムが複数本の両面粘着テープを介し単に粘着保持され、粘着フィルムの粘着力等の特性については何ら考慮されていないので、半導体デバイスを剥離する場合、粘着フィルムの撓みが不十分となり、半導体デバイスの剥離に困難を来すことがある。このとき、半導体デバイスを無理に剥離しようとすると、半導体デバイスに大きな外力が作用し、半導体デバイスが損傷するという問題が生じる。
また、粘着フィルムの粘着力等の特性について何ら考慮しない場合、粘着フィルムの張り具合が不十分となり、粘着フィルムが過剰に撓んで十分な粘着力を得ることができず、その結果、粘着フィルムに半導体デバイスを適切に粘着保持させることができないという問題が生じる。
本発明は上記に鑑みなされたもので、粘着シートの特性に配慮することにより、小物品の取り外しを容易とし、粘着シートを適切に緊張して粘着シートに小物品を保持させることのできるトレイ保持治具及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者等は上記課題を解決すべく、鋭意研究した結果、粘着シートの粘着特性、ガラス転移点、及び貯蔵弾性率が密接に関連することに着目し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明においては上記課題を解決するため、トレイケースと、少なくとも樹脂を含有した成形材料により成形されて小物品を着脱自在に保持する可撓性の粘着シートとを含み、
トレイケースに粘着シートが支持され、これらトレイケースと粘着シートの少なくとも周縁部以外の部分との間に空間が区画形成されており、粘着シートの貯蔵弾性率が、粘着シートのガラス転移点[Tg]が80℃以上190℃以下の場合に、1.0×10[Pa]以上1.0×10[Pa]以下であることを特徴としている。
なお、トレイケースが略有底筒形に成形されて粘着シートを内蔵可能であり、このトレイケースから外方向に張り出すフランジが突出し、このフランジとトレイケースの底面との間に嵌合穴が区画形成されるようにすることができる。
また、トレイケースの内底面の周縁部に、粘着シートの周縁部を支持するスペーサ部材が取り付けられるようにすることができる。
また、トレイケースの底部に、粘着シート変形用の空間に連なる排気孔を設け、トレイケースの内底面に、粘着シート用の複数の支持突起を所定の間隔をおいて形成し、各支持突起の粘着シートに接触する上部を湾曲させて空気の流通性を向上させるようにすることもできる。
また、本発明においては上記課題を解決するため、トレイケースに、小物品を着脱自在に保持する可撓性の粘着シートを支持させ、これらトレイケースと粘着シートの少なくとも周縁部以外の部分との間に空間を区画形成するトレイ保持治具の製造方法であって、
金型に少なくとも樹脂を含有した成形材料を投入し、金型を型締めして粘着シートを成形した後、粘着シートを冷却し、この冷却した粘着シートの貯蔵弾性率を、粘着シートのガラス転移点[Tg]が80℃以上190℃以下の場合に、1.0×10[Pa]以上1.0×10[Pa]以下とすることを特徴としている。
ここで、特許請求の範囲におけるトレイケースには、透明、不透明、半透明性を付与することができる。また、必要に応じ、導電性や絶縁性を付与することもできる。小物品には、少なくとも1〜10mmの大きさの各種物品が含まれる。具体的には、1〜10mmの大きさを有するLED、LEDデバイス、回路素子、センサ、半導体ウェーハ、半導体デバイス等が含まれる。また、粘着シートは、弱粘着性を有するシートやフィルムからなり、弱粘着性であれば、透明、不透明、半透明のいずれでも良い。さらに、スペーサ部材は、I字形やL字形、枠形等に形成することができる。
本発明によれば、トレイケースに支持される粘着シートの貯蔵弾性率が、粘着シートのガラス転移点[Tg]が80℃以上190℃以下の場合に、1.0×10[Pa]以上1.0×10[Pa]以下の数値範囲なので、粘着シートに適切な粘着特性を付与することができる。
本発明によれば、粘着シートの貯蔵弾性率が、粘着シートのガラス転移点[Tg]が80℃以上190℃以下の場合に、1.0×10[Pa]以上1.0×10[Pa]以下の範囲なので、粘着シートの特性に配慮することにより、小物品の取り外しを容易とし、粘着シートを適切に緊張して粘着シートに小物品を保持させることができるという効果がある。
請求項2記載の発明によれば、トレイ保持治具の嵌合穴に他のトレイ保持治具を嵌め合わせることにより、複数のトレイ保持治具を積層してまとめて搬送したり、保管することができる。
請求項3記載の発明によれば、トレイケースに粘着シートを直接内蔵するのではなく、粘着シートをスペーサ部材を介して内蔵するので、トレイケースの内部に粘着性の粘着シートを簡単に内蔵することができる。また、スペーサ部材により、トレイケースの内底面と粘着シートとの間に、粘着シートの変形に資する空間を容易に区画形成することができる。したがって、小物品の取り外し時に粘着シートが撓んで変形し、小物品を取り外す契機となるので、小物品を簡易に取り外すことが可能となる。
本発明に係るトレイ保持治具の実施形態を模式的に示す平面説明図である。 本発明に係るトレイ保持治具の実施形態を模式的に示す断面説明図である。 本発明に係るトレイ保持治具の第2の実施形態を模式的に示す断面説明図である。 本発明に係るトレイ保持治具及びその製造方法の実施例を模式的に示す図で、(a)図はデバイスに真空吸着パッドを真空吸着させた状態を示す説明図、(b)図は粘着フィルムに粘着保持されたデバイスを真空吸着パッドで引き上げる状態を示す説明図、(c)図は粘着フィルムに粘着保持されたデバイスを真空吸着パッドで引き上げ、粘着フィルムからデバイスを剥離した状態を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態におけるトレイ保持治具は、図1や図2に示すように、有底筒形のトレイケース1と、樹脂含有の成形材料により成形されて半導体デバイス20を着脱自在に保持する可撓性の粘着フィルム10とを備え、トレイケース1の内底面に粘着フィルム10をスペーサ11を介して支持させ、これらトレイケース1の内底面と粘着フィルム10の周縁部以外の領域との間に、粘着フィルム10用の空間12を形成し、粘着フィルム10の貯蔵弾性率を、粘着フィルム10のガラス転移点[Tg]が80℃以上190℃以下の場合に、1.0×10[Pa]以上1.0×10[Pa]以下とするようにしている。
トレイケース1は、図1や図2に示すように、所定の成形材料により上面が開口した背の低い(例えば、高さ13〜40mm)有底角筒形の箱構造に成形される。このトレイケース1は、例えば加工性、剛性、成形性、耐衝撃性等に優れるABS樹脂含有の成形材料により、扱いやすい51×51mm等の大きさに射出成形される。
トレイケース1の成形材料は、射出成形に好適なABS樹脂が主ではあるが、何らこれに限定されるものではない。例えば必要に応じ、透明性や耐衝撃性等に優れるポリカーボネート、機械的特性,耐環境特性,耐熱性,耐薬品性,難燃性に優れるポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル等が使用され、導電性に資するカーボン粒子等の各種フィラーが選択的に添加される。
トレイケース1の周壁2の外面下部には図2に示すように、幅方向外側に張り出す平面枠形のフランジ3が必要に応じて周設され、このフランジ3とトレイケース1の平坦な底部4底面との間には、平面矩形の嵌合穴5が区画形成されており、この嵌合穴5に他のトレイ保持治具の上部が嵌合されることにより、複数のトレイ保持治具が積層して搬送されたり、保管される。
トレイケース1の周壁2の外面とフランジ3の平坦な表面との間は、平坦な段差受面6に区画形成され、この段差受面6に他のトレイ保持治具のフランジ3下面が安定した姿勢で搭載支持される。また、フランジ3の四隅部のうち、少なくとも一隅部7は、斜めに切り欠かれて位置決め用の印を形成し、この印がトレイ保持治具の方向を定める位置決めに利用される。
粘着フィルム10は、同図に示すように、薄膜のフィルム、例えば剥離性や耐候性等に優れるエチレン‐メチルメタクリレート共重合樹脂(EMMA)、耐熱性や柔軟性等に優れるオレフィン系熱可塑性エラストマー、制振性等に優れる水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー製のフィルムからなり、平面矩形に成形・加工されるとともに、エンドレスのスペーサ11に変形可能に緊張して覆着されており、このスペーサ11がトレイケース1の平坦な内底面の周縁部に嵌着される。
粘着フィルム10は、20〜200μmの厚さを有するエチレン‐メチルメタクリレート共重合樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー製のフィルムが主ではあるが、何らこれに限定されるものではない。例えば、弱粘着性を長期に亘って維持することができ、半導体デバイス20に悪影響を及ぼさないのであれば、柔軟性,透明性,通気性,引張強さ,引裂強さ,衝撃強さ等の機械的性質,防水・防湿性,耐薬品性に優れる軽量で透明なウレタン系、シリコーン系、フッ素系等の薄いフィルムでも良い。
スペーサ11は、例えばトレイケース1と同様の成形材料により平面枠形に射出成形され、表面に粘着フィルム10の周縁部が接着される。このようなスペーサ11は、トレイケース1の内底面と粘着フィルム10の裏面との間に介在し、これらの間に平面矩形の空間12を区画形成する。
上記構成において、トレイ保持治具を製造する場合には、先ず、トレイケース1、粘着フィルム10、及びスペーサ11を別々に成形し、スペーサ11の表面に粘着フィルム10の周縁部を緊張させて接着し、その後、トレイケース1内の内底面にスペーサ11を嵌着することにより、トレイケース1の内底面と粘着フィルム10の周縁部以外の中央領域との間に、粘着フィルム10変形用の空間12を区画形成すれば、トレイ保持治具を製造することができる。
粘着フィルム10を成形する場合、先ず、型開きした専用の金型に樹脂や必要な粘着剤を含有した成形材料を投入し、金型を加熱して自動熱プレス機で型締めすることにより、成形材料を加圧することなく加熱し、所定の温度・圧力で成形材料を加熱・加圧して粘着フィルム10を成形する。こうして粘着フィルム10を成形したら、金型や粘着フィルム10を冷却し、その後、金型を型開きして粘着フィルム10を脱型すれば、粘着フィルム10を成形することができる。
冷却した粘着フィルム10の貯蔵弾性率は、粘着フィルム10に適切な粘着特性を付与する観点から、粘着フィルム10の樹脂のガラス転移点[Tg]が80℃以上190℃以下の場合に、1.0×10[Pa]以上1.0×10[Pa]以下が好ましい。これは、貯蔵弾性率が係る数値範囲を越える場合には、粘着フィルム10の撓みが不十分となり、半導体デバイス20の剥離時の粘着力が必要以上に増大し、半導体デバイス20の剥離に困難を来すからである。逆に、係る数値範囲未満の場合には、粘着フィルム10の緊張状態が不十分となり、粘着フィルム10が過剰に撓んで十分な粘着力を得ることが困難になるからである。
ガラス転移点[Tg]は、粘着フィルム10の樹脂の種類にもよるが、実験結果から、80℃以上190℃以下、好ましくは80℃以上180℃以下、より好ましくは81℃以上172℃以下が良い。また、粘着フィルム10の貯蔵弾性率も、実験結果から、1.0×10[Pa]以上1.0×10[Pa]以下、好ましくは2.0×10[Pa]以上6.5×10[Pa]以下、より好ましくは2.5×10[Pa]以上6.0×10[Pa]以下が良い。これらガラス転移点と貯蔵弾性率は、粘着フィルム10の試料の動的粘弾性(DMA)を測定し、測定した測定値と所定の式から求めることができる。
次に、半導体デバイス20を保持・検査・搬送する場合には、製造したトレイ保持治具の弱粘着性を有する粘着フィルム10の表面に必要数の半導体デバイス20を配置し、この半導体デバイス20を軽く押圧操作すれば、粘着フィルム10の表面に半導体デバイス20が粘着され、安定した姿勢で保持されることとなる。
上記構成によれば、粘着フィルム10の貯蔵弾性率が、粘着フィルム10の樹脂のガラス転移点[Tg]が80℃以上190℃以下の場合に、1.0×10[Pa]以上1.0×10[Pa]以下の数値範囲に調整されるので、粘着フィルム10に適切な粘着特性を確実に付与することができる。したがって粘着フィルム10から半導体デバイス20を剥離する場合、粘着フィルム10の撓みが不十分化し、半導体デバイス20の剥離に困難を来すのをきわめて有効に防止することができる。
また、適切な粘着特性を得ることができるので、半導体デバイス20を無理に剥離し、半導体デバイス20が損傷したり、破損するのを未然に防止することができる。さらに、粘着フィルム10を適切に緊張させることができるので、粘着フィルム10が過剰に撓んで十分な粘着力を得られない事態を防ぐことが可能となる。したがって、粘着フィルム10に対する半導体デバイス20の適切な粘着保持が大いに期待できる。
次に、図3は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、トレイケース1の底部4の中央に、空間12に連通する丸い排気孔8を穿孔し、トレイケース1の内底面には、粘着フィルム10用の複数の支持突起9を所定の間隔をおいて配列形成し、各支持突起9の粘着フィルム10の裏面に接触する上部を略半球形に湾曲させて空気の流通性を向上させるようにしている。
排気孔8は、図示しない真空ポンプ等のバキューム装置にチューブを介し着脱自在に接続され、このバキューム装置が半導体デバイス20の剥離時に駆動することにより、空間12の空気が外部に排気されて粘着フィルム10を複数の支持突起9に応じて部分的に凹み変形させる。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、半導体デバイス20の剥離時にバキューム装置が駆動して空間12を減圧するので、粘着フィルム10の変形により、粘着フィルム10と半導体デバイス20との接触面積が減少することとなる。したがって、剥離時の粘着力を低下させ、半導体デバイス20を簡単に剥離することができるのは明らかである。
なお、上記実施形態では枠形のスペーサ11を示したが、弱粘着性を有するエラストマー製のスペーサ11等でも良い。また、上記実施形態では支持突起9をスペーサ11と同じ高さの半球形に形成したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、支持突起9を上部が湾曲した円柱形や円錐台形等に適宜形成しても良い。
以下、本発明に係るトレイ保持治具及びその製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
先ず、背の低い有底角筒形で箱構造のトレイケース、薄膜の粘着フィルム、及び枠形のスペーサを別々に成形し、枠形のスペーサの表面に粘着フィルムを緊張させてその周縁部を隙間なく接着した後、トレイケース内の内底面にスペーサを嵌着することにより、トレイケースの内底面と粘着フィルムの周縁部以外の中央領域との間に、粘着フィルム変形用の空間を区画形成し、トレイ保持治具を製造した。
粘着フィルムを製造する際、先ず、200mm×200mm×0.05tの型取り可能な金型を用意し、この金型を型開きして12gの成形材料を投入した。成形材料は、エチレン‐メチルメタクリレート共重合樹脂(住友化学製 製品名:アクリフトWD301‐F)とした。型開きした金型に成形材料を投入したら、金型を240℃に加熱して自動熱プレス機で型締めすることにより、成形材料を加圧することなく加熱し、余熱5分後、240℃、100kgf/cmの条件で金型を2分間加熱・加圧し、粘着フィルムを成形した。粘着フィルムを成形したら、金型に水冷機能を発揮させ、金型を50℃まで冷却した後、金型を型開きして粘着フィルムを脱型し、粘着フィルムを製造した。
粘着フィルムを製造したら、粘着フィルムの動的粘弾性(DMA)を所定の測定装置により測定し、測定した測定値と所定の式からガラス転移点と貯蔵弾性率とをそれぞれ求め、表1に記載した。動的粘弾性は、1Hz、−30℃から200℃までの温度範囲で5℃/minの条件で昇温させ、測定した。
トレイ保持治具を製造したら、このトレイ保持治具の粘着フィルムが有効に機能するか否かを確認し、結果を表1に記載した。確認方法としては、SEMI規格G97‐116に準拠した粘着力の確認方法を採用し、粘着フィルムに図4に示すデバイスを粘着保持させ、このデバイス上に昇降可能な真空吸着パッドを真空吸着させた(図4(a)参照)後、この真空吸着パッドを徐々に引き上げた(図4(b)参照)。粘着フィルムからデバイスを分離して剥離できれば○の合格(図4(c)参照)とし、粘着フィルムからデバイスを剥離できなければ、×の不合格(図4(b)参照)とし、これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例2〕
実施例1のエチレン‐メチルメタクリレート共重合樹脂を、実施例1とは異なるグレードのエチレン‐メチルメタクリレート共重合樹脂(住友化学製 製品名:アクリフトWH303‐F)に変更し、その他は実施例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表1に記載した。
〔実施例3〕
実施例1のエチレン‐メチルメタクリレート共重合樹脂を、オレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学製 製品名:ゼラスMC707)に変更し、その他は実施例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表1に記載した。
〔実施例4〕
実施例3のオレフィン系熱可塑性エラストマーを、実施例3とは異なるグレードのオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学製 製品名:ゼラスMC719)に変更し、その他は実施例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表1にまとめた。
〔実施例5〕
実施例4のオレフィン系熱可塑性エラストマーを、実施例4とは異なるグレードのオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学製 製品名:ゼラスMC717R4)とし、その他は実施例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表1にまとめた。
〔実施例6〕
実施例5のオレフィン系熱可塑性エラストマーを、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 製品名:ハイブラー7311)とし、その他は実施例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表1にまとめた。
〔実施例7〕
実施例6の水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを、実施例6とは異なるグレードの水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 製品名:ハイブラー7125)とし、その他は実施例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表1にまとめた。
Figure 2019134109
〔比較例1〕
粘着フィルムの成形材料を、表3に示すオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学製 製品名:ゼラスMC719)90質量部と、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 製品名:ハイブラー7125)10質量部とし、その他は実施例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表2に記載した。
オレフィン系熱可塑性エラストマーと水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとは、配合後、二本ロールにより加熱混合した。粘着フィルムを製造したら、粘着フィルムの動的粘弾性(DMA)を所定の測定装置により測定し、測定した測定値と所定の式からガラス転移点と貯蔵弾性率とをそれぞれ求め、表2に記載した。動的粘弾性は、1Hz、−30℃から200℃までの温度範囲で5℃/minの条件で昇温させ、測定した。
〔比較例2〕
粘着フィルムの成形材料を、表3に示すオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学製 製品名:ゼラスMC719)10質量部と、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 製品名:ハイブラー7125)90質量部とに変更し、その他は比較例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表2に記載した。
〔比較例3〕
粘着フィルムの成形材料を、表3に示すオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学製 製品名:ゼラスMC719)20質量部、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 製品名:ハイブラー7125)10質量部、及びエチレン‐α‐オレフィンコポリマー(三井化学製 製品名:タフマーDF710)70質量部に変更し、その他は比較例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表2に記載した。
〔比較例4〕
粘着フィルムの成形材料を、表3に示すオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学製 製品名:ゼラスMC719)80質量部、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 製品名:ハイブラー7125)10質量部、及びエチレン‐α‐オレフィンコポリマー(三井化学製 製品名:タフマーDF7350)10質量部に変更し、その他は比較例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表2に記載した。
〔比較例5〕
粘着フィルムの成形材料を、表3に示すオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学製 製品名:ゼラスMC719)40質量部、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 製品名:ハイブラー7125)40質量部、及びエチレン‐α‐オレフィンコポリマー(三井化学製 製品名:タフマーDF7350)20質量部に変更し、その他は比較例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表2にまとめた。
〔比較例6〕
粘着フィルムの成形材料を、表3に示すオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学製 製品名:ゼラスMC719)10質量部、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 製品名:ハイブラー7125)80質量部、及びエチレン‐α‐オレフィンコポリマー(三井化学製 製品名:タフマーDF7350)10質量部とし、その他は比較例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表2にまとめた。
〔比較例7〕
粘着フィルムの成形材料を、表3に示す水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 製品名:ハイブラー7125)10質量部、エチレン‐α‐オレフィンコポリマー(三井化学製 製品名:タフマーDF710)70質量部、及びエチレン‐α‐オレフィンコポリマー(三井化学製 製品名:タフマーDF7350)20質量部とし、その他は比較例1と同様にして粘着フィルムのガラス転移点、貯蔵弾性率、及び確認結果を表2に記載した。
Figure 2019134109
Figure 2019134109
〔評 価〕
各実施例の場合には、粘着フィルムの貯蔵弾性率が、粘着フィルムのガラス転移点[Tg]が80℃以上190℃以下の場合に、1.0×10[Pa]以上1.0×10[Pa]以下の数値範囲なので、粘着フィルムに適切な粘着特性を付与することができ、トレイ保持治具が有効に機能するのを確認した。
これに対し、比較例1、2、3の場合には、粘着フィルムの貯蔵弾性率が係る数値範囲を越えるので、粘着フィルムの撓みが悪化し、粘着フィルムからデバイスを剥離することができなかった。また、比較例4、5、6、7の場合には、粘着フィルムの貯蔵弾性率が係る数値範囲未満なので、粘着フィルムの張り具合が十分ではなく、粘着フィルムからデバイスを剥離できなかった。
本発明に係るトレイ保持治具及びその製造方法は、家電製品、携帯機器、情報機器、自動車機器、電気電子部品、半導体等の製造分野で使用される。
1 トレイケース
2 周壁
3 フランジ
4 底部
5 嵌合穴
10 粘着フィルム(粘着シート)
11 スペーサ(スペーサ部材)
12 空間
20 半導体デバイス(小物品)

Claims (4)

  1. トレイケースと、少なくとも樹脂を含有した成形材料により成形されて小物品を着脱自在に保持する可撓性の粘着シートとを含み、
    トレイケースに粘着シートが支持され、これらトレイケースと粘着シートの少なくとも周縁部以外の部分との間に空間が区画形成されており、粘着シートの貯蔵弾性率が、粘着シートのガラス転移点[Tg]が80℃以上190℃以下の場合に、1.0×10[Pa]以上1.0×10[Pa]以下であることを特徴とするトレイ保持治具。
  2. トレイケースが略有底筒形に成形されて粘着シートを内蔵可能であり、このトレイケースから外方向に張り出すフランジが突出し、このフランジとトレイケースの底面との間に嵌合穴が区画形成される請求項1記載のトレイ保持治具。
  3. トレイケースの内底面の周縁部に、粘着シートの周縁部を支持するスペーサ部材が取り付けられる請求項2記載のトレイ保持治具。
  4. トレイケースに、小物品を着脱自在に保持する可撓性の粘着シートを支持させ、これらトレイケースと粘着シートの少なくとも周縁部以外の部分との間に空間を区画形成するトレイ保持治具の製造方法であって、
    金型に少なくとも樹脂を含有した成形材料を投入し、金型を型締めして粘着シートを成形した後、粘着シートを冷却し、この冷却した粘着シートの貯蔵弾性率を、粘着シートのガラス転移点[Tg]が80℃以上190℃以下の場合に、1.0×10[Pa]以上1.0×10[Pa]以下とすることを特徴とするトレイ保持治具の製造方法。
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