JP2019133063A - フィルム延伸装置および位相差フィルムの製造方法 - Google Patents
フィルム延伸装置および位相差フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019133063A JP2019133063A JP2018016617A JP2018016617A JP2019133063A JP 2019133063 A JP2019133063 A JP 2019133063A JP 2018016617 A JP2018016617 A JP 2018016617A JP 2018016617 A JP2018016617 A JP 2018016617A JP 2019133063 A JP2019133063 A JP 2019133063A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- clip
- film
- gripping member
- pitch
- stretching
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C55/00—Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor
- B29C55/02—Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets
- B29C55/10—Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets multiaxial
- B29C55/12—Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets multiaxial biaxial
- B29C55/16—Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets multiaxial biaxial simultaneously
- B29C55/165—Apparatus therefor
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29L—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
- B29L2007/00—Flat articles, e.g. films or sheets
Abstract
Description
1つの実施形態において、上記上側把持部材および上記下側把持部材のフィルム幅方向内方の角部が、面取り寸法が0mmを超え20mm以下である面取り部とされている。
1つの実施形態において、上記左右のクリップのいずれか一方のクリップにおいて、上記面取り部が、上記上側把持部材および上記下側把持部材のフィルム幅方向内方かつ走行方向下流側の角部のみに形成されており、他方のクリップにおいて、上記面取り部が、上記上側把持部材および上記下側把持部材のフィルム幅方向内方かつ走行方向上流側の角部のみに形成されている。
1つの実施形態において、上記フィルムの左右端辺から20mm以上の距離の位置を上記クリップで把持する。
1つの実施形態において、上記上側把持部材の底面および上記下側把持部材の上面との重なりによって規定されるフィルム把持面の上記クリップの走行方向と直交する方向における長さが、15mm以上である。
1つの実施形態において、上記上側把持部材の底面および上記下側把持部材の上面との重なりによって規定されるフィルム把持面の上記クリップの走行方向における長さが、30mm以上である。
本発明の別の局面によれば、延伸対象のフィルムの左右端部を、それぞれ、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップによって把持すること、該フィルムを予熱すること、該左右のクリップの少なくとも一方のクリップピッチを変化させて、該フィルムを斜め延伸すること、および該フィルムを把持するクリップを開放すること、を含む、位相差フィルムの製造方法が提供される。該位相差フィルムの製造方法において、該クリップは、該フィルムの端部を挟み込んで把持する上側把持部材と下側把持部材とを有し、少なくとも該上側把持部材のフィルム幅方向内方の角部が、面取り寸法が0mmを超え20mm以下である面取り部とされている。
1つの実施形態において、上記位相差フィルムの製造方法は、上記クリップ式フィルム延伸装置を用いて行われる。
1つの実施形態において、上記位相差フィルムの製造方法は、上記クリップ式フィルム延伸装置を用いて行われ、上記上側把持部材および上記下側把持部材のフィルム幅方向内方かつ走行方向下流側の角部のみが面取り部とされているクリップが先行走行し、上記上側把持部材および上記下側把持部材のフィルム幅方向内方かつ走行方向上流側の角部のみが面取り部とされているクリップが後行走行するように、左右のクリップの少なくとも一方のクリップピッチを変化させて上記フィルムを斜め延伸する。
1つの実施形態において、上記斜め延伸が、横延伸を含む。
本発明の1つの局面によれば、延伸対象のフィルムの左右端部(幅方向の端部)を把持して延伸ゾーンを通過走行するとともに、該通過走行に伴って少なくとも一方の縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップを有する、クリップ式フィルム延伸装置が提供される。以下、本発明のフィルム延伸装置の1つの実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
把持比率(%)= 掴み代/フィルム端辺からクリップ位置までの距離×100
本発明の別の局面によれば、延伸対象のフィルムの左右端部を、それぞれ、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップによって把持すること(把持工程)、該フィルムを予熱すること(予熱工程)、該左右のクリップの少なくとも一方のクリップピッチを変化させて、該フィルムを斜め延伸すること(斜め延伸工程)、および該フィルムを把持するクリップを開放すること(開放工程)、を含む、位相差フィルムの製造方法が提供される。該位相差フィルムの製造方法においては、フィルムの端部を挟み込んで把持する上側把持部材と下側把持部材とを有するクリップを使用し、少なくとも該上側把持部材のフィルム幅方向内方の角部が、面取り寸法が0mmを超え20mm以下である面取り部とされている。好ましくは、該上側把持部材と該下側把持部材のフィルム幅方向内方の角部が、該面取り部とされている。また、面取り寸法は、好ましくは1mm以上15mm以下、より好ましくは3mm以上10mm以下、さらに好ましくは5mm程度であり得る。該位相差フィルムの製造方法によれば、クリップ開放時におけるフィルムのクリップへの引っかかりが抑制されるので、斜め方向(例えば、縦方向に対して45°の方向)に遅相軸を有する位相差フィルムを効率よく作製することができる。
延伸対象となるフィルムは、まず、把持ゾーンA(延伸装置100のフィルム取り込みの入り口)において、左右の無端ループ10L、10Rのクリップ20によって、その両端部を互いに等しい一定のクリップピッチ、あるいは、互いに異なるクリップピッチで把持される。把持工程における左右のクリップのクリップピッチは、所望の位相差、軸角度等に応じて適切に設定され得る。該クリップピッチは、例えば50mm〜180mmであり得る。なお、本明細書において、フィルムの端部とは、フィルム端辺からフィルム全幅の1割の領域を意味する。
予熱ゾーンBにおいては、左右の無端ループ10L、10Rは、上記のとおり延伸対象となるフィルムの初期幅に対応する離間距離で互いに略平行となるよう構成されているので、基本的には横延伸も縦延伸も行わず、フィルムが加熱される。ただし、予熱によりフィルムのたわみが起こり、オーブン内のノズルに接触するなどの不具合を回避するために、わずかに左右クリップ間の距離(幅方向の距離)を広げてもよい。
延伸ゾーンCにおいては、左右のクリップ20の少なくとも一方の縦方向のクリップピッチを変化させて、フィルムを斜め延伸する。より具体的には、延伸ゾーンCを通過走行する間に、左右のクリップ20の少なくとも一方の縦方向のクリップピッチを変化させることにより、一方のクリップを先行走行させるとともに他方のクリップを後行走行させて、フィルムを斜め延伸する。代表的には、延伸ゾーンCの終端部、すなわち、斜め延伸終了時における左右のクリップのクリップピッチの変化率(斜め延伸終了時のクリップピッチ/斜め延伸前のクリップピッチ)は互いに略等しい。
W1は、第1の斜め延伸前のフィルム幅、
W3は、第2の斜め延伸後のフィルム幅、
v3’は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップに関して、該クリップのクリップピッチが第2の斜め延伸工程で所定のクリップピッチに変化した際のクリップ移動速度、
t3は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを減少させる方のクリップが、予熱ゾーンに入ってから、第2の斜め延伸工程が終了するまでの時間、
t3’は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップが、予熱ゾーンに入ってから、第2の斜め延伸工程が終了するまでの時間
を表す。)
v2’=v3’の場合は、上記t3は下記式(2)、上記t’3は下記式(3)で表され、
v2’>v3’の場合は、上記t3は下記式(4)、上記t’3は下記式(5)で表される。
a1=(v2−v3)/(L2−L3)、
b1=v3−a1*L3、
a=(v1−v2)/(L1−L2)、
b=v2−a*L2であり、
v1は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを減少させる方のクリップが予熱ゾーンを通過する際のクリップ移動速度、
v2は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを減少させる方のクリップに関して、該クリップのクリップピッチが第1の斜め延伸工程で所定のクリップピッチ(図9および図10を用いた説明におけるP3に対応する)に減少した際のクリップ移動速度、
v3は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを減少させる方のクリップに関して、該クリップのクリップピッチが第2の斜め延伸工程で所定のクリップピッチ(図9および図10を用いた説明におけるP2に対応する)に増大した際のクリップ移動速度であり、
L1は、予熱ゾーン入口から、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを減少させる方のクリップがクリップピッチを減少し始めるまでの距離(1つの実施形態においては、予熱ゾーン入口から予熱ゾーン出口までの距離)、
L2は、予熱ゾーン入口から、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを減少させる方のクリップがクリップピッチを増大し始める箇所までの距離(1つの実施形態においては、予熱ゾーン入口から第1の斜め延伸ゾーン出口までの距離)、
L3は、予熱ゾーン入口から、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを減少させる方のクリップがクリップピッチを増大し終わる箇所までの距離(1つの実施形態においては、予熱ゾーン入口から第2の斜め延伸ゾーン出口までの距離)
である。)
a’=(v1’−v2’)/(L1’−L2’)、
b’=v3’−a’*L2’であり、
v1’は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップが予熱ゾーンを通過する際のクリップ移動速度、
v2’は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップに関して、該クリップのクリップピッチが第1の斜め延伸工程で所定のクリップピッチ(図9および図10を用いた説明におけるP2に対応する)に増大した際のクリップ移動速度、
v3’は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップに関して、該クリップが第2の斜め延伸ゾーンを通過する際のクリップ移動速度であり、
L1’は、予熱ゾーン入口から、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップがクリップピッチを増大し始めるまでの距離(1つの実施形態においては、予熱ゾーン入口から予熱ゾーン出口までの距離)、
L2’は、予熱ゾーン入口から、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップがクリップピッチを増大し終わる箇所までの距離(1つの実施形態においては、予熱ゾーン入口から第1の斜め延伸ゾーン出口までの距離)、
L3’は、予熱ゾーン入口から、第2の斜め延伸ゾーン出口までの距離
である。)
a’=(v1’−v2’)/(L1’−L2’)、
b’=v2’−a’*L2’、
a’’=(v2’−v3’)/(L2’−L3’)、
b’’=v3’−a’’*L3’であり、
v1’は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップが予熱ゾーンを通過する際のクリップ移動速度、
v2’は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップに関して、該クリップのクリップピッチが第1の斜め延伸工程で所定のクリップピッチ(図9および図10を用いた説明におけるP2に対応する)に増大した際のクリップ移動速度、
v3’は、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップに関して、該クリップのクリップピッチが第2の斜め延伸工程で所定のクリップピッチに減少した際のクリップ移動速度であり、
L1’は、予熱ゾーン入口から、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップがクリップピッチを増大し始める箇所までの距離(1つの実施形態においては、予熱ゾーン入口から予熱ゾーン出口までの距離)、
L2’は、予熱ゾーン入口から、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップがクリップピッチを増大し終わる箇所までの距離(1つの実施形態においては、予熱ゾーン入口から第1の斜め延伸ゾーン出口までの距離)、
L3’は、予熱ゾーン入口から、第1の斜め延伸工程でクリップピッチを増大させる方のクリップが第2の斜め延伸工程でクリップピッチを所定のクリップピッチに減少し終わる箇所までの距離(1つの実施形態においては、予熱ゾーン入口から第2の斜め延伸ゾーン出口までの距離)である。)
最後に、フィルムを把持するクリップを開放して、位相差フィルムが得られる。通常、フィルムをTg以下まで冷却した後にクリップを開放する。必要に応じて、フィルムを熱処理して延伸状態を固定し、冷却した後にクリップを開放する。
本発明の製造方法に好適に用いられるフィルムとしては、位相差フィルムとして用いられ得る任意の適切な長尺状のフィルムが挙げられる。延伸対象のフィルムの幅は、例えば300mm以上、好ましくは500mm以上、より好ましくは500mm〜2000mmである。
ダイヤルゲージ(PEACOCK社製、製品名「DG−205 type pds−2」)を用いて測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
JIS K 7121に準じて測定した。
(3)ネックイン量
図14に示すように、クリップ位置からネックインの谷部分までの距離(mm)を、左右の端辺においてそれぞれ5箇所ずつ測定し、その平均値をネックイン量とした。
(ポリエステルカーボネート樹脂フィルムの作製)
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン 29.60質量部(0.046mol)、ISB 29.21質量部(0.200mol)、SPG 42.28質量部(0.139mol)、DPC 63.77質量部(0.298mol)及び触媒として酢酸カルシウム1水和物1.19×10−2質量部(6.78×10−5mol)を仕込んだ。反応器内を減圧窒素置換した後、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は45℃の凝縮器に導いて回収した。第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、生成したポリエステルカーボネートを水中に押し出し、ストランドをカッティングしてペレットを得た。得られたポリエステルカーボネート樹脂のTgは、140℃であった。
上記のようにして得られた長尺状のポリエステルカーボネート樹脂フィルムを、図1〜図5に示すようなクリップ式フィルム延伸装置を用いて斜め延伸を行った。該延伸装置に取り付けられたクリップの上側把持部材(具体的には、その押さえ部)および下側把持部材はいずれも、フィルム幅方向内方の2つの角部に面取り寸法5mmのR面取り部が形成された長方形平板状であり、互いに同じ平面視形状(図6(b)に示されるような平面視形状)を有していた。
次いで、ポリエステルカーボネート樹脂フィルム(厚み150μm、幅(W1)765mm)を予熱ゾーンBで145℃に予熱した。予熱ゾーンBにおいては、左右のクリップのクリップピッチ(P1)は150mmであった。次に、フィルムが第1の斜め延伸ゾーンC1に入ると同時に、右側クリップのクリップピッチの増大および左側クリップのクリップピッチの減少を開始した。第1の斜め延伸ゾーンC1の終端部における右側クリップのクリップピッチの変化率(P2/P1)は1.42であり、左側クリップのクリップピッチの変化率(P3/P1)は0.72であった。第1の斜め延伸後のフィルム幅(W2)は1092mmであった(TD延伸倍率(W2/W1)=1.45倍)。
次に、フィルムが第2の斜め延伸ゾーンC2に入ると同時に、左側クリップのクリップピッチの増大を開始し、P3からP2まで増大させるべく、第2の斜め延伸ゾーンC2における左側クリップのクリップピッチの変化率(P2/P3)を1.97と設定した。一方、右側クリップのクリップピッチは、第2の斜め延伸ゾーンC2においてP2のまま維持した。また、上記第1の斜め延伸工程および第2の斜め延伸工程における幅方向への延伸倍率(W3/W1)は、1.9倍と設定した。
しかし、第2の斜め延伸工程の途中でフィルムが破断した。延伸機出口より、フィルムの様子を観察し、破断が生じた位置に基づいて破断した箇所のMD倍率、TD倍率を特定した。破断した箇所のMD倍率およびTD倍率に基づいて、かつ、上記式(1)を用いて破断時の斜め延伸倍率を算出したところ、2.43倍であった。なお、第1の斜め延伸および第2の斜め延伸はともに、142℃で行った。
次いで、開放ゾーンにおいて、125℃で60秒間フィルムを保持して熱固定を行った。熱固定されたフィルムを、100℃まで冷却後、左右のクリップを開放した。
斜め延伸工程終了時の斜め延伸倍率が上記破断時の斜め延伸倍率よりも0.01倍小さくなるように(すなわち、2.42倍になるように)、第1の斜め延伸ゾーンC1における右側クリップのクリップピッチP2および第2の斜め延伸ゾーンC2における左側クリップのクリップピッチP2を調整したこと以外は上記と同様にして斜め延伸を行った(すなわち、P1、P3、および、第1または第2の斜め延伸における幅方向の延伸倍率に変更はない)。その結果、破断を生じさせることなく斜め延伸フィルムを得た。得られた斜め延伸フィルムを破断直前のフィルムとし、そのネックイン量を破断直前のネックイン量として測定した。
上側把持部材および下側把持部材の面取り寸法を10mmとしたこと以外は実施例1と同様にして、フィルムが破断するまで斜め延伸を行って破断時の斜め延伸倍率を算出するとともに、該破断時の斜め延伸倍率に基づいて破断直前のフィルムを作成して破断直前のネックイン量を求めた。
右側クリップの上側把持部材および下側把持部材にはフィルム幅方向内方かつ走行方向下流側の角部のみにR面取り部を設け、左側クリップの上側把持部材および下側把持部材にはフィルム幅方向内方かつ走行方向上流側の角部のみにR面取り部を設けたこと以外は実施例1と同様にして、フィルムが破断するまで斜め延伸を行って破断時の斜め延伸倍率を算出するとともに、該破断時の斜め延伸倍率に基づいて破断直前のフィルムを作成して破断直前のネックイン量を求めた。
上側把持部材および下側把持部材の面取り寸法を15mmとしたこと以外は実施例1と同様にして、フィルムが破断するまで斜め延伸を行って破断時の斜め延伸倍率を算出するとともに、該破断時の斜め延伸倍率に基づいて破断直前のフィルムを作成して破断直前のネックイン量を求めた。
上側把持部材および下側把持部材の面取り寸法を20mmとしたこと以外は実施例1と同様にして、フィルムが破断するまで斜め延伸を行って破断時の斜め延伸倍率を算出するとともに、該破断時の斜め延伸倍率に基づいて破断直前のフィルムを作成して破断直前のネックイン量を求めた。
上側把持部材および下側把持部材にR面取り部を設けなかったこと(結果として、フィルム把持面は、掴み長さ45mm、掴み代30mmの矩形である)以外は実施例1と同様にして、フィルムが破断するまで斜め延伸を行って破断時の斜め延伸倍率を算出するとともに、該破断時の斜め延伸倍率に基づいて破断直前のフィルムを作成して破断直前のネックイン量を求めた。
R面取り部を有さず、異なる寸法の上側把持部材および下側把持部材を用いた(結果として、フィルム把持面は、掴み長さ21.5mm、掴み代2mmの矩形である)こと、および、図15(b)に示すように、フィルム端辺からクリップ位置までの距離(D)が15mmとなるようにフィルムをクリップで把持したこと以外は実施例1と同様にして、フィルムが破断するまで斜め延伸を行って破断時の斜め延伸倍率を算出するとともに、該破断時の斜め延伸倍率に基づいて破断直前のフィルムを作成して破断直前のネックイン量を求めた。
上記実施例および比較例の位相差フィルムの製造において、100個以上のクリップがフィルムに引っかかることなく連続して開放できた場合を「良好」と評価し、フィルムがクリップに一回以上引っかかった場合を「不良」と評価した。結果をフィルム破断時の延伸倍率およびネックイン量とともに表1に示す。
表1に示されるとおり、左右のクリップのフィルム幅方向内方の角部に面取り部が形成されている実施例においては、延伸フィルムがクリップに引っかかることなく、クリップを開放することができた。また、面取り寸法が小さいほど、ネックイン量の低減と高い延伸倍率の実現とが好適に両立されることが分かる。さらに、先行走行するクリップのフィルム幅方向内方かつ走行方向下流側の角部のみに面取り部を形成し、後行走行するクリップのフィルム幅方向内方かつ走行方向上流側の角部のみに面取り部を形成することにより、ネックイン量の低減と高い延伸倍率の実現とをより高度に両立できる。
10R 無端ループ
20 クリップ
22 下側把持部材
22b 面取り部
26 上側把持部材
26a 押さえ部
26b 面取り部
28 フィルム把持面
30 クリップ担持部材
70 基準レール
90 ピッチ設定レール
100 延伸装置
200 フィルム
Claims (10)
- 延伸対象のフィルムの左右端部を把持して延伸ゾーンを通過走行するとともに、該通過走行に伴って少なくとも一方の縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップを有する、クリップ式フィルム延伸装置であって、
該クリップは、該フィルムの端部を挟み込んで把持する上側把持部材と下側把持部材とを有し、
少なくとも該上側把持部材のフィルム幅方向内方の角部が、面取り寸法が0mmを超え20mm以下である面取り部とされている、クリップ式フィルム延伸装置。 - 前記上側把持部材および前記下側把持部材のフィルム幅方向内方の角部が、面取り寸法が0mmを超え20mm以下である面取り部とされている、クリップ式フィルム延伸装置。
- 前記左右のクリップのいずれか一方のクリップにおいて、前記面取り部が、前記上側把持部材および前記下側把持部材のフィルム幅方向内方かつ走行方向下流側の角部のみに形成されており、
他方のクリップにおいて、前記面取り部が、前記上側把持部材および前記下側把持部材のフィルム幅方向内方かつ走行方向上流側の角部のみに形成されている、請求項1または2に記載のクリップ式フィルム延伸装置。 - 前記フィルムの左右端辺から20mm以上の距離の位置を前記クリップで把持する、請求項1から3のいずれかに記載のクリップ式フィルム延伸装置。
- 前記上側把持部材の底面および前記下側把持部材の上面との重なりによって規定されるフィルム把持面の前記クリップの走行方向と直交する方向における長さが、15mm以上である、請求項1から4のいずれかに記載のクリップ式フィルム延伸装置。
- 前記上側把持部材の底面および前記下側把持部材の上面との重なりによって規定されるフィルム把持面の前記クリップの走行方向における長さが、30mm以上である、請求項1から5のいずれかに記載のクリップ式フィルム延伸装置。
- 延伸対象のフィルムの左右端部を、それぞれ、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップによって把持すること、該フィルムを予熱すること、該左右のクリップの少なくとも一方のクリップピッチを変化させて、該フィルムを斜め延伸すること、および該フィルムを把持するクリップを開放すること、を含む、位相差フィルムの製造方法であって、
該クリップは、該フィルムの端部を挟み込んで把持する上側把持部材と下側把持部材とを有し、
少なくとも該上側把持部材のフィルム幅方向内方の角部が、面取り寸法が0mmを超え20mm以下である面取り部とされている、位相差フィルムの製造方法。 - 請求項1から6のいずれかに記載のクリップ式フィルム延伸装置を用いて行われる、請求項7に記載の位相差フィルムの製造方法。
- 請求項3に記載のクリップ式フィルム延伸装置を用いて行われ、
前記上側把持部材および前記下側把持部材のフィルム幅方向内方かつ走行方向下流側の角部のみが面取り部とされているクリップが先行走行し、前記上側把持部材および前記下側把持部材のフィルム幅方向内方かつ走行方向上流側の角部のみが面取り部とされているクリップが後行走行するように、左右のクリップの少なくとも一方のクリップピッチを変化させて前記フィルムを斜め延伸する、請求項7に記載の位相差フィルムの製造方法。 - 前記斜め延伸が、横延伸を含む、請求項7から9のいずれかに記載の位相差フィルムの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018016617A JP7020942B2 (ja) | 2018-02-01 | 2018-02-01 | フィルム延伸装置および位相差フィルムの製造方法 |
CN201910093366.0A CN110103452B (zh) | 2018-02-01 | 2019-01-30 | 薄膜拉伸装置和相位差薄膜的制造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018016617A JP7020942B2 (ja) | 2018-02-01 | 2018-02-01 | フィルム延伸装置および位相差フィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019133063A true JP2019133063A (ja) | 2019-08-08 |
JP7020942B2 JP7020942B2 (ja) | 2022-02-16 |
Family
ID=67483967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018016617A Active JP7020942B2 (ja) | 2018-02-01 | 2018-02-01 | フィルム延伸装置および位相差フィルムの製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7020942B2 (ja) |
CN (1) | CN110103452B (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021075363A (ja) * | 2019-11-08 | 2021-05-20 | 住友化学株式会社 | 乾燥したフィルムロールの製造方法 |
CN111086197A (zh) * | 2020-01-07 | 2020-05-01 | 安庆金田尼龙材料科技有限公司 | 一种薄膜牵引链夹 |
JP2021152571A (ja) * | 2020-03-24 | 2021-09-30 | 日東電工株式会社 | 位相差フィルムの製造方法 |
JP7059430B1 (ja) * | 2021-09-27 | 2022-04-25 | 日東電工株式会社 | 延伸フィルムの製造方法、光学積層体の製造方法およびフィルム延伸装置 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004195712A (ja) * | 2002-12-17 | 2004-07-15 | Hitachi Ltd | シート状物の同時二軸延伸機 |
JP2010046879A (ja) * | 2008-08-21 | 2010-03-04 | Nippon Zeon Co Ltd | 延伸光学フィルムの製造方法 |
JP4845619B2 (ja) * | 2006-07-19 | 2011-12-28 | 東芝機械株式会社 | シート・フィルムの斜め延伸方法およびクリップ式シート・フィルム延伸装置 |
JP2017524574A (ja) * | 2014-07-31 | 2017-08-31 | ブリュックナー・マシーネンバウ・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー | トグル杆装置を備える把持装置 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2733151B2 (ja) * | 1991-06-11 | 1998-03-30 | 昭和電工株式会社 | 輸液バッグ用治具 |
WO2009075079A1 (ja) * | 2007-12-11 | 2009-06-18 | Sumitomo Bakelite Co., Ltd. | 回路板、回路板の製造方法およびカバーレイフィルム |
JP5755675B2 (ja) * | 2013-03-29 | 2015-07-29 | 日東電工株式会社 | 位相差フィルムの製造方法および円偏光板の製造方法 |
JP6009024B2 (ja) * | 2014-04-09 | 2016-10-19 | 日東電工株式会社 | 位相差フィルムの製造方法および円偏光板の製造方法ならびにフィルム延伸装置 |
JP6482257B2 (ja) * | 2014-12-08 | 2019-03-13 | 日東電工株式会社 | 位相差フィルムおよびその製造方法 |
CN205872614U (zh) * | 2016-07-13 | 2017-01-11 | 厦门烟草工业有限责任公司 | 一种自动缠绕膜机夹钳装置 |
CN107400870A (zh) * | 2017-09-25 | 2017-11-28 | 信利光电股份有限公司 | 一种用于玻璃蒸发镀膜机的夹具 |
-
2018
- 2018-02-01 JP JP2018016617A patent/JP7020942B2/ja active Active
-
2019
- 2019-01-30 CN CN201910093366.0A patent/CN110103452B/zh active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004195712A (ja) * | 2002-12-17 | 2004-07-15 | Hitachi Ltd | シート状物の同時二軸延伸機 |
JP4845619B2 (ja) * | 2006-07-19 | 2011-12-28 | 東芝機械株式会社 | シート・フィルムの斜め延伸方法およびクリップ式シート・フィルム延伸装置 |
JP2010046879A (ja) * | 2008-08-21 | 2010-03-04 | Nippon Zeon Co Ltd | 延伸光学フィルムの製造方法 |
JP2017524574A (ja) * | 2014-07-31 | 2017-08-31 | ブリュックナー・マシーネンバウ・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー | トグル杆装置を備える把持装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN110103452A (zh) | 2019-08-09 |
JP7020942B2 (ja) | 2022-02-16 |
CN110103452B (zh) | 2022-09-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5755674B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法および円偏光板の製造方法 | |
JP5755675B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法および円偏光板の製造方法 | |
JP6009024B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法および円偏光板の製造方法ならびにフィルム延伸装置 | |
JP5755684B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法および円偏光板の製造方法 | |
JP2020151960A (ja) | 延伸フィルムの製造方法 | |
WO2019150897A1 (ja) | 延伸フィルムの製造方法 | |
JP2019133063A (ja) | フィルム延伸装置および位相差フィルムの製造方法 | |
JP6553873B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JP2019136883A (ja) | フィルム延伸装置および位相差フィルムの製造方法 | |
WO2014156623A1 (ja) | 位相差フィルムの製造方法および円偏光板の製造方法 | |
JP6482257B2 (ja) | 位相差フィルムおよびその製造方法 | |
JP2019130845A (ja) | フィルム延伸装置および延伸フィルムの製造方法 | |
JP2015127830A (ja) | 位相差フィルム | |
JP6576637B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法および円偏光板の製造方法 | |
JP6239919B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法および円偏光板の製造方法 | |
JP6497916B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JP7076036B1 (ja) | 延伸フィルムの製造方法および光学積層体の製造方法 | |
JP7076620B1 (ja) | 延伸フィルムの製造方法および光学積層体の製造方法 | |
JP2015129970A (ja) | 位相差フィルム | |
JP2023049599A (ja) | 延伸フィルムの製造方法および光学積層体の製造方法 | |
JP2015111311A (ja) | 位相差フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200813 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210713 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210721 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20210910 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211109 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20211124 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220105 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20220105 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20220117 |
|
C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21 Effective date: 20220118 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220201 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220203 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7020942 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |