JP2019132087A - 掘削機 - Google Patents

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Toshio Sakanashi
利男 坂梨
剛 小倉
Tsuyoshi Ogura
剛 小倉
善彦 杜若
Yoshihiko Moriwaka
善彦 杜若
良至 亀井
Yoshiyuki Kamei
良至 亀井
良幸 濱田
Yoshiyuki Hamada
良幸 濱田
達也 ▲高▼橋
達也 ▲高▼橋
Tatsuya Takahashi
敬二 内山
Keiji Uchiyama
敬二 内山
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Abstract

【課題】簡易な構成でケーソン躯体の刃口部の下方の地盤を掘削する。【解決手段】刃口下掘削機40は、上下方向に延びて地中に沈設される筒状のケーソン躯体1の刃口部1bの下方の地盤2を掘削する掘削機である。刃口下掘削機40は、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2に接触する柱状部41と、柱状部41の上端部に設けられる本体部42と、本体部42に上部が枢支されて該上部から下方に延びる地盤掘削部43と、地盤掘削部43の上部の枢支軸43eを中心として地盤掘削部43を傾動させる傾動装置44と、を備える。【選択図】図15

Description

本発明は、筒状のケーソン躯体の刃口部の下方の地盤を掘削する掘削機に関する。
特許文献1は、いわゆるオープンケーソン工法で用いられ得る水中掘削機を開示している。この水中掘削機は、ケーソン躯体内に配置されるフロートと、このフロートの下部に設けられた掘削機とを有している。このフロートにはグリッパーが設けられており、このグリッパーでケーソン躯体の内面を押圧することにより、フロートをケーソン躯体内の任意の位置に固定することができる。
特開平6−81349号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、掘削機による地盤掘削の反力をケーソン躯体から取ろうとすると、グリッパーを有するフロートからなる反力受け装置のサイズが大型化してしまう。このため、当該反力受け装置の組立作業やケーソン躯体内への設置作業に手間を要し、また、これら作業のコストの増大を招いていた。
本発明は、このような実状に鑑み、簡易な構成でケーソン躯体の刃口部の下方の地盤を掘削することを目的とする。
そのため本発明に係る掘削機は、上下方向に延びて地中に沈設される筒状のケーソン躯体の刃口部の下方の地盤を掘削するものである。本発明に係る掘削機は、平面視でケーソン躯体内に位置する地盤に接触する柱状部と、柱状部の上端部に設けられる本体部と、本体部に上部が枢支されて該上部から下方に延びる地盤掘削部と、地盤掘削部の上部の枢支軸を中心として地盤掘削部を傾動させる傾動装置と、を備える。
本発明によれば、掘削機の柱状部が、平面視でケーソン躯体内に位置する地盤に接触する。ゆえに、掘削機は、地盤掘削の際に、柱状部が接触している地盤から反力を取ることができる。従って、掘削機は、ケーソン躯体から反力を取ることなく、地盤から反力を取ることができるので、前述のフロートなどの大型な反力受け装置を省略することができ、ひいては、簡易な構成でケーソン躯体の刃口部の下方の地盤を掘削することができる。
本発明の第1実施形態におけるケーソン躯体の下方の地盤を掘削する方法を示す図 同上実施形態におけるケーソン躯体の下方の地盤を掘削する方法を示す図 同上実施形態におけるケーソン躯体の下方の地盤を掘削する方法を示す図 同上実施形態におけるケーソン躯体の下方の地盤を掘削する方法を示す図 同上実施形態におけるケーソン躯体の下方の地盤を掘削する方法を示す図 同上実施形態におけるケーソン躯体の下方の地盤を掘削する方法を示す図 同上実施形態におけるケーソン躯体の下方の地盤を掘削する方法を示す図 同上実施形態における鉛直孔掘削機の概略構成を示す図 同上実施形態における鉛直孔掘削機の本体部の概略構成を示す図 同上実施形態における鉛直孔掘削機が挿入されたガイド装置の側面図 同上実施形態における鉛直孔掘削機が挿入されたガイド装置の上面図 同上実施形態における鉛直孔掘削機及びガイド装置を用いて第1の掘削孔を形成する方法を示す図 同上実施形態における鉛直孔掘削機及びガイド装置を用いて第1の掘削孔を形成する方法を示す図 同上実施形態における刃口下掘削機の概略構成を示す図 同上実施形態における刃口下掘削機の地盤掘削部の傾動を示す図 同上実施形態における刃口下掘削機が挿入されたガイド装置の側面図 同上実施形態における刃口下掘削機が挿入されたガイド装置の上面図 同上実施形態における刃口下掘削機及びガイド装置を用いて第1の掘削孔を拡張する方法を示す図 同上実施形態における刃口下掘削機及びガイド装置を用いて第1の掘削孔を拡張する方法を示す図 同上実施形態におけるケーソン躯体の下方の地盤を掘削する方法の変形例を示す図 本発明の第2実施形態における鉛直孔掘削機の概略構成を示す図 本発明の第3実施形態におけるガイド装置の設置方法を示す図 同上実施形態におけるガイド装置の設置方法を示す図 同上実施形態におけるガイド装置の設置方法を示す図 本発明の第4実施形態におけるガイド装置の概略構成を示す図
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図7は、本発明の第1実施形態におけるケーソン躯体1の下方の地盤2を掘削する方法を示す図である。ここで、図1(A)、図2(A)、図3(A)及び図5(A)は、上方から見た、ケーソン躯体1、第1の掘削孔3、及び第2の掘削孔4の位置関係を示す。図1(B)、図2(B)、図3(B)、図4、図5(B)、図6、及び図7は、ケーソン躯体1の縦断面図に対応するものである。
本実施形態では、本発明に係る掘削方法を立坑の構築に適用した例を説明するが、本発明に係る掘削方法の適用例はこれに限らない。
立坑は、上下両端が開口して上下方向に延びる円筒状のケーソン躯体1により構成される。ケーソン躯体1は例えばコンクリート製である。本実施形態における立坑の構築では、地盤2を水中掘削してケーソン躯体1を徐々に沈下させていく工法(いわゆるオープンケーソン工法)が用いられる。ここにおいて、立坑(ケーソン躯体1)内に水Wが導入されて、立坑(ケーソン躯体1)内に水Wが貯留された状態で、地盤2の掘削(水中掘削)が行われる。尚、本実施形態では、地上の圧入装置(図示せず)によってケーソン躯体1を下方に押圧することで、ケーソン躯体1を地中に圧入沈下させる。この圧入装置としては、例えば特開平10−176477号公報に開示の圧入装置を用いることができるが、圧入装置の構成はこれに限らない。
本実施形態では、図1に示す地盤2が硬質地盤であり、地盤2よりも上方の地盤が軟質地盤である。本実施形態では、前述の軟質地盤側から、硬質地盤である地盤2が露出するまで(すなわち、図1に示す状態に至るまで)、ケーソン躯体1内にて、前述の軟質地盤の水中掘削が行われる(軟質地盤掘削工程)。この軟質地盤の水中掘削では、開閉自在なクラムシェルバケットなどのグラブバケット61(図6及び図7参照)を有する掘削装置60(図6及び図7参照)が用いられ得る。
本実施形態におけるケーソン躯体1の下方の地盤2を掘削する方法では、まず、図1及び図2に示すように、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2に、鉛直方向に延びる複数の第1の掘削孔3を形成する。尚、本実施形態では、地盤2に12個の第1の掘削孔3を形成しているが、第1の掘削孔3の個数はこれに限らず、任意である。
本実施形態では、平面視で、複数の第1の掘削孔3の各々が、ケーソン躯体1の内周面1aに隣接している。また、本実施形態では、平面視で、複数の第1の掘削孔3が、ケーソン躯体1の周方向に沿って並んでいる。また、本実施形態では、複数の第1の掘削孔3が、ケーソン躯体1の周方向に互いに間隔を空けて地盤2に形成されている。この第1の掘削孔3を地盤2に形成する工程(周囲部削孔工程)が、本発明の「第1の工程」に対応する。尚、この「第1の工程」に先立って、ケーソン躯体1内に水Wが導入される(図1参照)。また、この「第1の工程」に先立って、グラブバケット61を有する掘削装置60を用いて、平面視でケーソン躯体1内に位置する前述の軟質地盤が掘削される(軟質地盤掘削工程)。
第1の掘削孔3を地盤2に形成するときには、鉛直孔掘削機20(図8及び図9参照)が用いられる。この鉛直孔掘削機20の構成については、図8及び図9を用いて後述する。
次に、図3に示すように、複数の第1の掘削孔3の各々からケーソン躯体1の刃口部1bの下方(刃口部1bの直下)に向けてケーソン躯体1の径方向に地盤2を掘削することにより、複数の第1の掘削孔3の各々をケーソン躯体1の径方向(水平方向)に拡張する(換言すれば、複数の第1の掘削孔3の各々に拡張部3aを形成する)。ここで、この第1の掘削孔3を拡張する工程(刃口下部掘削工程)が、本発明の「第2の工程」に対応する。前述の拡張部3aの縦断面形状は扇形状である。
第1の掘削孔3を拡張するときには、刃口下掘削機40(図14及び図15参照)が用いられる。この刃口下掘削機40の構成については、図14及び図15を用いて後述する。尚、刃口下掘削機40は、本発明の「掘削機」に対応するものであり、前述の周囲部削孔工程(第1の工程)にて形成された第1の掘削孔3の内壁面3bから反力を取って、ケーソン躯体1の刃口部1bの下方に向けて地盤2を掘削することができる。
次に、図4に示すように、ケーソン躯体1を圧入沈下させる。このケーソン躯体1の圧入沈下には、前述の地上の圧入装置(図示せず)が用いられ得る。
次に、図5に示すように、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2に、鉛直方向に延びる複数の第2の掘削孔4を形成する。尚、本実施形態では、地盤2に4個の第2の掘削孔4を形成しているが、第2の掘削孔4の個数はこれに限らず、任意である。
第2の掘削孔4を地盤2に形成するときには、鉛直孔掘削機20(図8及び図9参照)が用いられる。
本実施形態では、複数の第2の掘削孔4が、平面視でケーソン躯体1の中央部に形成されている。また、本実施形態では、平面視で放射状に拡張された複数の第1の掘削孔3に囲まれるように、複数の第2の掘削孔4が地盤2に形成されている。この第2の掘削孔4を地盤2に形成する工程(中央部削孔工程)が、本発明の「第4の工程」に対応する。
ここで、隣り合う第2の掘削孔4同士の間隔L1(図5(B)参照)は、グラブバケット61の最大開口幅L2(図6参照)よりも狭い。この間隔L1については、グラブバケット61による掘削土砂の搬送が効率良く行えるように適宜設定され得る。一例として、前記間隔L1は、以下の式を満たすように設定され得る。
0.5×L2<L1<L2
次に、図6に示すように、グラブバケット61を有する掘削装置60を用いて、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2を掘削する。掘削装置60は、例えば、地上に配置されたクレーン(図示せず)と、クレーンのブームの先端部から吊り下げられたグラブバケット61とを含んで構成される。グラブバケット61は、開閉動作可能な一対のシェル61aを含んで構成される。ここで、このグラブバケット61を有する掘削装置60を用いて地盤2を掘削する工程(バケット掘削工程)が、本発明の「第3の工程」に対応する。図7は、この「第3の工程」(バケット掘削工程)が完了した状態を示している。
このようにして、地盤2の掘削が行われる。
次に、周囲部削孔工程(第1の工程)及び中央部削孔工程(第4の工程)にて用いられ得る鉛直孔掘削機20について図8及び図9を用いて説明する。図8(A)は鉛直孔掘削機20の側面図である。図8(B)は図8(A)のI−I断面図である。図8(C)は、鉛直孔掘削機20によって地盤2に形成される第1の掘削孔3の上面図である。図9(A)は、鉛直孔掘削機20の本体部21の縦断面図である。図9(B)は図9(A)のII−II断面図である。図9(C)は図9(A)のIII−III断面図である。
鉛直孔掘削機20は、水中地盤である地盤2を鉛直方向に掘削して掘削孔(第1の掘削孔3、及び、第2の掘削孔4)を形成する掘削機である。鉛直孔掘削機20は、本体部21と、複数本(本実施形態では4本)の第1の回転掘削装置22a〜22dと、1本の第2の回転掘削装置23と、を含んで構成される。尚、本実施形態では、鉛直孔掘削機20が4本の第1の回転掘削装置22a〜22dを備えているが、鉛直孔掘削機20が備える第1の回転掘削装置の本数は4本に限らず任意である。しかしながら、鉛直孔掘削機20が偶数本の第1の回転掘削装置を備えることが好ましい。また、本実施形態では、鉛直孔掘削機20が1本の第2の回転掘削装置23を備えているが、鉛直孔掘削機20が備える第2の回転掘削装置の本数は1本に限らず任意である。
本体部21は、回転駆動源として機能するモータ(例えば油圧モータ又は電動モータ)24と、軸部25a〜25eと、歯車26a〜26fと、直方体状の筐体27とを有する。筐体27には、モータ24と、軸部25a〜25eと、歯車26a〜26fとが収容されている。軸部25a〜25eは鉛直方向に延びており、鉛直方向を回転軸として回転可能なように筐体27に支持されている。軸部25a〜25eの下部は筐体27の下面を貫通して外方かつ下方に延びている。軸部25a〜25dについては、平面視で正方形の頂点に位置している。この正方形の中央部には軸部25eが位置している。この正方形の2組の対角のうちの1組を「第1のグループG1」とし、残りの1組を「第2のグループG2」として以下説明する。本実施形態では、軸部25a,25cが第1のグループG1に対応しており、また、軸部25b,25dが第2のグループG2に対応している。
軸部25aには歯車26aが取り付けられている。軸部25bには歯車26bが取り付けられている。軸部25cには歯車26cが取り付けられている。軸部25dには上下2つの歯車26e,26dが取り付けられている。軸部25eには歯車26fが取り付けられている。歯車26fは、隣り合う歯車26eと噛合している。歯車26dは、隣り合う歯車26a,26cと噛合している。歯車26cは、隣り合う歯車26b,26dと噛合している。歯車26bは、隣り合う歯車26a,26cと噛合している。歯車26aは、隣り合う歯車26b,26dと噛合している。
軸部25eの上端部は、モータ24の出力軸24aの下端部に連結されている。軸部25eの下端部には、第2の回転掘削装置23の軸部23aの上端部が連結されている。軸部23aは鉛直方向に延びており、その下端部には切削ヘッド23bが設けられている。また、軸部23aにおける切削ヘッド23bより上側には螺旋羽根23cが設けられている。ゆえに、軸部23a、切削ヘッド23b、及び螺旋羽根23cを含む第2の回転掘削装置23は、本体部21から下方に延びており、また、モータ24からの回転駆動力により鉛直方向を回転軸として回転し、かつ、下端部(切削ヘッド23b)にて地盤2を回転掘削する。
軸部25a〜25dの下端部には、それぞれ、第1の回転掘削装置22a〜22dの軸部22eの上端部が連結されている。軸部22eは鉛直方向に延びており、その下端部には切削ヘッド22fが設けられている。また、軸部22eにおける切削ヘッド22fより上側には螺旋羽根22gが設けられている。ゆえに、第1の回転掘削装置22a〜22dは、各々が、軸部22e、切削ヘッド22f、及び螺旋羽根22gを含む。第1の回転掘削装置22a〜22dは、各々が、本体部21から下方に延びている。
モータ24からの回転駆動力は、その出力軸24a、軸部25a〜25e、及び歯車26a〜26fを介して、第1の回転掘削装置22a〜22dを、鉛直方向を回転軸として回転させ、かつ、第1の回転掘削装置22a〜22dの各々の下端部(切削ヘッド22f)で地盤2を回転掘削し得る。
モータ24の出力軸24a及び軸部25eの回転方向が第1の方向P1(例えば平面視で時計回り)であるとすると、歯車26f,26eを介して、軸部25dの回転方向が、第1の方向と逆方向である第2の方向P2(例えば平面視で反時計回り)となり、更に、歯車26a〜26dを介して、軸部25a,25cの回転方向が第1の方向P1となって、軸部25bの回転方向が第2の方向P2となる。ゆえに、軸部25a〜25dに連結されている第1の回転掘削装置22a〜22dは、回転方向が第1の方向P1であるか、それとも第2の方向P2であるか、という観点で、2つのグループに分けられ得る。これらグループのうち、回転方向が第1の方向P1である第1の回転掘削装置22a,22cからなるグループは、前述の第1のグループG1に対応する。一方、回転方向が第2の方向P2である第1の回転掘削装置22b,22dからなるグループは、前述の第2のグループG2に対応する。従って、本実施形態では、複数本(4本)の第1の回転掘削装置22a〜22dは、回転方向が第1の方向P1である第1のグループG1と、回転方向が第2の方向P2(第1の方向P1と逆方向)である第2のグループG2とに分けられている。また、本実施形態では、第1のグループG1を構成する第1の回転掘削装置22a,22cの本数と、第2のグループG2を構成する第1の回転掘削装置22b,22dの本数とが等しい。また、本実施形態では、隣り合う第1の回転掘削装置同士(22aと22b、22bと22c、22cと22d、22dと22a)の回転方向が互いに逆である。
本実施形態では、平面視で、4本の第1の回転掘削装置22a〜22dの各軸部22e(各回転軸)により構成される形状が正方形である。この正方形の2組の対角のうちの1組が第1のグループG1に対応しており、残りの1組が第2のグループG2に対応している。
本実施形態では、第2の回転掘削装置23の下端部(切削ヘッド23b)は、第1の回転掘削装置22a〜22dの下端部(切削ヘッド22f)よりも下方に突出している。また、平面視で、第2の回転掘削装置23の周囲に第1の回転掘削装置22a〜22dが配置されている。
本実施形態では、第1の回転掘削装置22a〜22dの各々の軸部22e、及び、第2の回転掘削装置23の軸部23aの相互間の間隔を保持するために、上下2つの間隔保持装置28が設けられている。間隔保持装置28は、5つの筒体28aと、これら5つの筒体28a同士の相対位置を保持するための枠体28bとを有する。5つの筒体28aの各々には、第1の回転掘削装置22a〜22dの各々の軸部22e、及び、第2の回転掘削装置23の軸部23aのいずれかが回転自在に挿入されている。尚、本実施形態では、2つの間隔保持装置28が設けられているが、間隔保持装置28の個数は2つに限らず任意である。
地上に設けられたクレーンなどの揚重装置(図示せず)は、本体部21を吊り下げ支持可能であり、また、本体部21を昇降可能である。本体部21の筐体27の上面には、この揚重装置による吊り下げのための複数の吊り部29が設けられている。
本体部21の筐体27の互いに平行な一対の側面(外面)には、それぞれ、上下方向に延びる複数本(本実施形態では、一側面に2本ずつ)のレール部材19が設けられている。
次に、周囲部削孔工程(第1の工程)での鉛直孔掘削機20による地盤2の掘削に用いられ得るガイド装置30について、図10及び図11を用いて説明する。図10及び図11は、鉛直孔掘削機20が挿入されたガイド装置30の側面図及び上面図である。ここで、図11では吊り部29,33の図示を省略している。
ガイド装置30は、複数本(本実施形態では3本)の柱部材31a〜31cと、平面視で各々が三角形状の複数(本実施形態では5つ)の枠体32a〜32eと、を有する。枠体32a〜32eは、上下方向に互いに間隔を空けて並んでおり、これら枠体32a〜32eの三角形状の各頂点に対応するように、柱部材31a〜31cが、枠体32a〜32eに連結されて、上下方向に延びている。最上段の枠体32aには複数の吊り部33が設けられている。地上に設けられたクレーンなどの揚重装置(図示せず)によって、ガイド装置30は、吊り部33を介して、吊り下げられ得る。
鉛直孔掘削機20は、枠体32a〜32e内を上下に通過可能である。枠体32a〜32eの各々には、鉛直孔掘削機20の本体部21のレール部材19を受け入れ可能な溝部34を有する一対の梁部材35が、平面視で本体部21を挟むように取り付けられている。また、枠体32a〜32eの各々の溝部34同士を上下方向で連結するためのレール受け部材36が枠体32a〜32eの相互間に跨るように設けられている。レール受け部材36は上下方向に延びており、例えば溝形鋼で形成され得る。
柱部材31a,31bは、各々の下端が最下段の枠体32eに連結されている。一方、柱部材31cは、最下段の枠体32eから下方に突出して、下端部が先細形状をなしている。ゆえに、ガイド装置30については、柱部材31cの下端部を地盤2に突き刺した状態で、柱部材31a,31bをケーソン躯体1の内周面1aに接触させて、ガイド装置30を柱部材31a,31bを介してケーソン躯体1にもたせかけるようにすることで、ケーソン躯体1に対するガイド装置30の位置決めを行うことができる。従って、ガイド装置30の溝部34及び/又はレール受け部材36に鉛直孔掘削機20の本体部21のレール部材19が受け入れられた状態では、レール部材19及びガイド装置30が本発明の「位置保持機構」として機能して、平面視における、本体部21のケーソン躯体1に対する位置を保持する機能を実現し得る。
次に、鉛直孔掘削機20及びガイド装置30を用いて第1の掘削孔3を形成する方法について、図12及び図13を用いて説明する。図12(A)〜図13(F)は、鉛直孔掘削機20及びガイド装置30を用いて第1の掘削孔3を形成する方法を示す図である。
まず、図12(A)に示すように、ガイド装置30をケーソン躯体1の内周面1aに沿わせつつケーソン躯体1内に吊り下ろす。そして、ガイド装置30の柱部材31cの下端部を地盤2に突き刺すと共に、柱部材31a,31bをケーソン躯体1の内周面1aに接触させて、ガイド装置30を柱部材31a,31bを介してケーソン躯体1にもたせかけるようにすることで、ケーソン躯体1に対するガイド装置30の位置決めを行う。
次に、図12(B)に示すように、ガイド装置30の溝部34及び/又はレール受け部材36に鉛直孔掘削機20の本体部21のレール部材19が受け入れられた状態で、鉛直孔掘削機20を吊り下ろす。この鉛直孔掘削機20の吊り下ろし時に、ガイド装置30は、鉛直孔掘削機20の下降を案内する機能を実現する。
次に、図12(C)に示すように、鉛直孔掘削機20の第2の回転掘削装置23で地盤2を掘削し、掘削位置を固定する。この掘削時には、ガイド装置30の溝部34及び/又はレール受け部材36に鉛直孔掘削機20の本体部21のレール部材19が受け入れられた状態であるので、平面視における、本体部21のケーソン躯体1に対する位置が保持され得る。また、この掘削時には、鉛直孔掘削機20の本体部21、第1の回転掘削装置22a〜22d、及び、第2の回転掘削装置23の自重により、地盤2の掘削が行われる。
次に、図13(D)に示すように、鉛直孔掘削機20の第1の回転掘削装置22a〜22dで地盤2を目標深度まで掘削する(図13(E)参照)。この掘削時においても、ガイド装置30の溝部34及び/又はレール受け部材36に鉛直孔掘削機20の本体部21のレール部材19が受け入れられた状態であるので、平面視における、本体部21のケーソン躯体1に対する位置が保持され得る。また、この掘削時においても、鉛直孔掘削機20の本体部21、第1の回転掘削装置22a〜22d、及び、第2の回転掘削装置23の自重により、地盤2の掘削が行われる。
本実施形態では、4本の第1の回転掘削装置22a〜22dは、回転方向が第1の方向P1である第1のグループG1(第1の回転掘削装置22a,22c)と、回転方向が第2の方向P2である第2のグループG2(第1の回転掘削装置22b,22d)とに分けられている。また、本実施形態では、第1のグループG1を構成する第1の回転掘削装置22a,22cの本数と、第2のグループG2を構成する第1の回転掘削装置22b,22dの本数とが等しい。また、本実施形態では、隣り合う第1の回転掘削装置同士(22aと22b、22bと22c、22cと22d、22dと22a)の回転方向が互いに逆である。これらにより、第1のグループG1(第1の回転掘削装置22a,22c)の回転のための反力を第2のグループG2(第1の回転掘削装置22b,22d)の回転から得ることができ、また、第2のグループG2(第1の回転掘削装置22b,22d)の回転のための反力を第1のグループG1(第1の回転掘削装置22a,22c)の回転から得ることができるので、鉛直孔掘削機20は、別途の反力受け装置を設ける必要がなく、前述の自重のみで、スムーズに地盤2の掘削を行うことができる。
図13(E)に示すように鉛直孔掘削機20の第1の回転掘削装置22a〜22dで地盤2を目標深度まで掘削した後に、図13(F)に示すように、鉛直孔掘削機20及びガイド装置30を撤去する。このようにして、第1の掘削孔3が地盤2に形成される。
鉛直孔掘削機20を用いて第2の掘削孔4を形成するときには、ガイド装置30の使用は必須ではない。しかしながら、鉛直孔掘削機20を用いて第2の掘削孔4を形成するときにガイド装置30を用いる場合には、柱部材31a,31bを柱部材31cと同様の構成として、最下段の枠体32eから下方に突出させて、下端部を先細形状とすればよい。この場合においては、ガイド装置30の柱部材31a〜31cの各々の下端部を地盤2に突き刺す。また、この場合において、柱部材31a〜31cを伸縮自在な構成とし、設置地盤の傾斜に合わせて柱部材31a〜31cを伸縮させてもよい。前述の、ガイド装置30の柱部材31a〜31cの各々の下端部を地盤2に突き刺す態様(柱部材31a〜31cが前述のように伸縮自在であってもよい)を、鉛直孔掘削機20を用いて第1の掘削孔3を形成するときに用いてもよい。
尚、本実施形態では、平面視における枠体32a〜32eの形状が三角形状であるが、この他、四角形状などの多角形状であってもよく、また、円形状、又は楕円形状であってもよい。
また、本実施形態では、第1の回転掘削装置22a〜22d、及び、第2の回転掘削装置23の回転駆動源が1つのモータ24であるが、この他、第1の回転掘削装置22a〜22d、及び、第2の回転掘削装置23の回転駆動源が複数のモータ24であってもよい。例えば、第1の回転掘削装置22a〜22d、及び、第2の回転掘削装置23の各々が単独で回転可能なように、第1の回転掘削装置22a〜22d、及び、第2の回転掘削装置23の各々に、個別のモータ24を連結させてもよい。
また、本実施形態では、第1の回転掘削装置22a〜22d、及び、第2の回転掘削装置23が、いわゆるオーガーであるが、第1の回転掘削装置22a〜22d、及び、第2の回転掘削装置23の構成はこれに限らず、たとえば、下端に切削ヘッドを備えるロッドを含んで構成されてもよい。
次に、刃口下部掘削工程(第2の工程)にて用いられ得る刃口下掘削機40について図14及び図15を用いて説明する。図14(A)及び(B)は、刃口下掘削機40の正面図及び側面図である。図15は刃口下掘削機40の地盤掘削部43の傾動を示す図であり、詳しくは、図15(A)は、地盤掘削部43の直立状態(以下、「閉状態」と称する)を示し、図15(B)は、地盤掘削部43の傾斜状態(以下、「開状態」と称する)を示す。ここで、図15(A)及び(B)は、それぞれ、図14(A)のIV−IV断面に対応する。
刃口下掘削機40は、ケーソン躯体1の刃口部1bの下方の地盤2を掘削する掘削機である。刃口下掘削機40は、柱状部41と、本体部42と、地盤掘削部43と、傾動装置44とを備える。
柱状部41は、2本の円柱状又は円管状の部材を組み合わせて形成されたものであり、上下方向に延びている。柱状部41は、平面視で、第1の掘削孔3の内壁面3bの輪郭の略半分に対応する形状(例えば、図8(C)における第1の掘削孔3の内壁面3bの輪郭の右半分に対応する形状)をなしている。柱状部41は、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2に接触し得る。詳しくは、柱状部41は、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2に形成されて鉛直方向に延びる第1の掘削孔3に挿入されて、第1の掘削孔3の内壁面3bに接触し得る。尚、柱状部41は、その下端部が先細形状をなしており、これにより、柱状部41を第1の掘削孔3内に挿入し易くしている。
柱状部41の平面視における中央部には、地盤掘削部43の少なくとも一部を収容可能な凹部41aが形成されている。凹部41aは上下方向に延びている。
本体部42は柱状部41の上端部に設けられている。本体部42を構成する筐体内には傾動装置44が収容されている。
本実施形態では、地盤掘削部43は、チェーンソー型カッターなどのトレンチャーを含んで構成される。本実施形態では、地盤掘削部43(トレンチャー、チェーンソー型カッター)は、複数の切削ビットを備えたカッターチェーン43aが、駆動用スプロケット43b、従動用スプロケット43c、及びガイドプレート43dの周りにエンドレスに組み込まれている。駆動用スプロケット43bは、図示しない駆動用モータ(例えば油圧モータ又は電動モータ)によって回転する。カッターチェーン43aは、駆動用スプロケット43b及び従動用スプロケット43cに噛み込まれ、ガイドプレート43dの周りを例えば方向Qに滑動するようにエンドレスに組み込まれている。ガイドプレート43dの上部には枢支軸43eが一体的に設けられている。枢支軸43eの両側は、本体部42の一対の板状部材42aを貫通し、かつ、これら一対の板状部材42aによって回転自在に支持されている。枢支軸43eの両端部には、枢支軸43eから上方に延びるアーム部43fが取り付けられている。アーム部43fには、伸縮可能なジャッキ(例えば油圧ジャッキ)45の一側45aが接続されている。ジャッキ45の他側45bは、本体部42に取り付けられている。
ゆえに、地盤掘削部43は、カッターチェーン43a、駆動用スプロケット43b、従動用スプロケット43c、ガイドプレート43d、枢支軸43e、及びアーム部43fを含んで構成される。地盤掘削部43は、本体部42に上部が枢支されて該上部から下方に延びている。傾動装置44は、一側45aが地盤掘削部43の上部に取り付けられ、他側45bが本体部42に取り付けられて伸縮可能なジャッキ45を含む。傾動装置44(ジャッキ45)は、地盤掘削部43の上部の枢支軸43eを中心として地盤掘削部43を傾動させ得る。ここで、ジャッキ45を短縮させると、地盤掘削部43はその下部が柱状部41に近づいて直立状態(閉状態)となる。一方、ジャッキ45を伸長させると、地盤掘削部43はその下部が柱状部41から遠ざかって傾斜状態(開状態)となる。すなわち、傾動装置44を構成するジャッキ45を伸縮させることで、柱状部41と地盤掘削部43とが、枢支軸43eを中心として、鋏(シザー)のように開閉する。
地上に設けられたクレーンなどの揚重装置(図示せず)は、本体部42を吊り下げ支持可能であり、また、本体部42を昇降可能である。本体部42の筐体の上面には、この揚重装置による吊り下げのための複数の吊り部46が設けられている。
本体部42の筐体の互いに平行な一対の側面(外面)には、それぞれ、上下方向に延びる複数本(本実施形態では、一側面に2本ずつ)のレール部材47が設けられている。
次に、刃口下部掘削工程(第2の工程)での刃口下掘削機40による地盤2の掘削に用いられ得るガイド装置50について、図16及び図17を用いて説明する。図16及び図17は、刃口下掘削機40が挿入されたガイド装置50の側面図及び上面図である。ここで、図17では吊り部46,53の図示を省略している。
ガイド装置50は、複数本(本実施形態では3本)の柱部材51a〜51cと、平面視で各々が三角形状の複数(本実施形態では5つ)の枠体52a〜52eと、を有する。枠体52a〜52eは、上下方向に互いに間隔を空けて並んでおり、これら枠体52a〜52eの三角形状の各頂点に対応するように、柱部材51a〜51cが、枠体52a〜52eに連結されて、上下方向に延びている。最上段の枠体52aには複数の吊り部53が設けられている。地上に設けられたクレーンなどの揚重装置(図示せず)によって、ガイド装置50は、吊り部53を介して、吊り下げられ得る。
刃口下掘削機40は、枠体52a〜52e内を上下に通過可能である。枠体52a〜52eの各々には、刃口下掘削機40の本体部42のレール部材47を受け入れ可能な溝部54を有する一対の梁部材55が、平面視で本体部42を挟むように取り付けられている。また、枠体52a〜52eの各々の溝部54同士を上下方向で連結するためのレール受け部材56が枠体52a〜52eの相互間に跨るように設けられている。レール受け部材56は上下方向に延びており、例えば溝形鋼で形成され得る。
柱部材51a,51bは、各々の下端が最下段の枠体52eに連結されている。一方、柱部材51cは、最下段の枠体52eから下方に突出して、下端部が先細形状をなしている。ゆえに、ガイド装置50については、柱部材51cの下端部を地盤2に突き刺した状態で、柱部材51a,51bをケーソン躯体1の内周面1aに接触させて、ガイド装置50を柱部材51a,51bを介してケーソン躯体1にもたせかけるようにすることで、ケーソン躯体1に対するガイド装置50の向きを保持することができる。従って、ガイド装置50の溝部54及び/又はレール受け部材56に刃口下掘削機40の本体部42のレール部材47が受け入れられた状態では、レール部材47及びガイド装置50が本発明の「向き保持機構」として機能して、平面視における、本体部42のケーソン躯体1に対する向きを保持する機能を実現し得る。
次に、刃口下掘削機40及びガイド装置50を用いて第1の掘削孔3を拡張する方法について、図18及び図19を用いて説明する。図18(A)〜図19(E)は、刃口下掘削機40及びガイド装置50を用いて第1の掘削孔3を拡張する方法を示す図である。
まず、図18(A)に示すように、ガイド装置50をケーソン躯体1の内周面1aに沿わせつつケーソン躯体1内に吊り下ろす。そして、ガイド装置50の柱部材51cの下端部を地盤2に突き刺すと共に、柱部材51a,51bをケーソン躯体1の内周面1aに接触させて、ガイド装置50を柱部材51a,51bを介してケーソン躯体1にもたせかけるようにすることで、ケーソン躯体1に対するガイド装置50の向きを保持させる。
次に、図18(B)に示すように、ガイド装置50の溝部54及び/又はレール受け部材56に刃口下掘削機40の本体部42のレール部材47が受け入れられた状態で、前述の閉状態の刃口下掘削機40を吊り下ろす。この刃口下掘削機40の吊り下ろし時に、ガイド装置50は、刃口下掘削機40の下降を案内する機能を実現する。
次に、図18(C)に示すように、刃口下掘削機40の柱状部41及び地盤掘削部43を地盤2の第1の掘削孔3内に挿入する。ここにおいて、刃口下掘削機40の柱状部41を地盤2の第1の掘削孔3内に挿入しやすいように、前述の図18(A)に示した工程にて、ガイド装置50が地盤2上に設置されることが好ましい。
次に、図19(D)に示すように、刃口下掘削機40の地盤掘削部43(トレンチャー、チェーンソー型カッター)を作動させつつ、傾動装置44のジャッキ45を伸長作動させることで、第1の掘削孔3からケーソン躯体1の刃口部1bの下方(刃口部1bの直下)に向けてケーソン躯体1の径方向に地盤2を掘削することにより、第1の掘削孔3をケーソン躯体1の径方向(水平方向)に拡張する(換言すれば、第1の掘削孔3に拡張部3aを形成する)。この拡張部3aの縦断面形状は扇形状である。
この刃口下掘削機40による地盤掘削時には、柱状部41が第1の掘削孔3の内壁面3bに接触した状態で、刃口下掘削機40は、第1の掘削孔3の内壁面3bから反力を取って、ケーソン躯体1の刃口部1bの下方に向けて地盤2を掘削することができる。
第1の掘削孔3の拡張が完了すると、図19(E)に示すように、刃口下掘削機40及びガイド装置50を撤去する。このようにして、第1の掘削孔3の拡張が行われる。
尚、ガイド装置50については、柱部材51a,51bを柱部材51cと同様の構成として、最下段の枠体52eから下方に突出させて、下端部を先細形状としてもよい。
尚、本実施形態では、平面視における枠体52a〜52eの形状が三角形状であるが、この他、四角形状などの多角形状であってもよく、また、円形状、又は楕円形状であってもよい。
また、本実施形態では、地盤2を掘削可能な地盤掘削部43が、チェーンソー型カッターなどのトレンチャーを含んで構成されているが、地盤掘削部43の構成はこれに限らない。例えば、地盤掘削部43は、下端に切削ヘッドを備えるロッドやオーガーなどの回転掘削装置、ブレーカーなどの打撃装置、バイブロハンマーなどの振動装置のうちのいずれかを含んで構成されてもよい。
本実施形態によれば、上下方向に延びて地中に沈設される筒状のケーソン躯体1の下方の地盤2を掘削する方法は、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2に、鉛直方向に延びる第1の掘削孔3を形成する第1の工程(周囲部削孔工程)と、第1の掘削孔3からケーソン躯体1の刃口部1bの下方に向けて地盤2を掘削することにより、第1の掘削孔3を拡張する第2の工程(刃口下部掘削工程)と、を含む(図1〜図3参照)。ゆえに、第2の工程(刃口下部掘削工程)にて用いられる掘削機(刃口下掘削機40)は、第1の工程(周囲部削孔工程)にて形成された第1の掘削孔3の内壁面3bから反力を取って、ケーソン躯体1の刃口部1bの下方に向けて地盤2を掘削することができる。従って、刃口下掘削機40による刃口部1b下の地盤2の掘削時に、ケーソン躯体1から反力を取ることなく、簡易な構成で、刃口部1b下の地盤2の掘削を行うことができる。この刃口部1b下の地盤2は、前述のグラブバケット61を有する掘削装置60による掘削が困難である。この点、本実施形態では、刃口下掘削機40を用いて、容易に、刃口部1b下の地盤2の掘削を行うことができる。
また本実施形態によれば、平面視で、第1の掘削孔3が、ケーソン躯体1の内周面1aに隣接する。これにより、平面視で、刃口下掘削機40をケーソン躯体1の内周面1aの近傍に配置することができる。
また本実施形態によれば、平面視で、複数の第1の掘削孔3が、ケーソン躯体1の周方向に沿って並ぶ。また、平面視で、複数の第1の掘削孔3が、ケーソン躯体1の周方向に互いに間隔を空けて形成される。また、第2の工程(刃口下部掘削工程)では、複数の第1の掘削孔3の各々からケーソン躯体1の刃口部1bの下方に向けて地盤2を掘削することにより、複数の第1の掘削孔3の各々を拡張する。ゆえに、ケーソン躯体1の周方向における複数箇所にて、刃口部1b下の地盤2(硬質地盤)の強度を低下させることができる。
また本実施形態によれば、ケーソン躯体1の下方の地盤2を掘削する方法は、第2の工程(刃口下部掘削工程)の後に、開閉自在なグラブバケット61を有する掘削装置60を用いて、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2を掘削する第3の工程(バケット掘削工程)を更に含む(図6参照)。これにより、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2の大部分を、グラブバケット61を有する掘削装置60によって効率良く掘削することができる。
また本実施形態によれば、第1の工程(周囲部削孔工程)に先立って、グラブバケット61を有する掘削装置60を用いて、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤(軟質地盤)を掘削する(軟質地盤掘削工程)。これにより、軟質地盤にてケーソン躯体1を圧入沈下させるときには、グラブバケット61を有する掘削装置60によって効率良く当該地盤を掘削することができる。
また本実施形態によれば、ケーソン躯体1の下方の地盤2を掘削する方法は、第2の工程(刃口下部掘削工程)の後であって、かつ、第3の工程(バケット掘削工程)に先立って、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2に、鉛直方向に延びる複数の第2の掘削孔4を形成する第4の工程(中央部削孔工程)を更に含む(図5参照)。これにより、硬質地盤である地盤2がグラブバケット61によって掴みやすくなり得る。ゆえに、第3の工程(バケット掘削工程)での掘削の作業性を向上させることができる。ここにおいて、隣り合う第2の掘削孔4同士の間隔L1が、グラブバケット61の最大開口幅L2よりも狭いことが好ましい。
また本実施形態によれば、第2の工程(刃口下部掘削工程)の後にケーソン躯体1を圧入沈下させる(図4参照)。詳しくは、第2の工程(刃口下部掘削工程)の後であって、かつ、第4の工程(中央部削孔工程)及び第3の工程(バケット掘削工程)に先立って、ケーソン躯体1を圧入沈下させる。これにより、刃口部1b下の地盤2(硬質地盤)の強度を低下させた上でケーソン躯体1を圧入沈下させることができるので、硬質地盤であってもケーソン躯体1を効率良く圧入沈下させることができる。
また本実施形態によれば、第1の工程(周囲部削孔工程)に先立って、ケーソン躯体1内に水Wが導入される(図1参照)。これにより、ケーソン躯体1内の水圧と周辺地盤の地下水圧とをバランスさせることで、周辺地盤からケーソン躯体1内への地下水の流入を抑制することができる。
また本実施形態によれば、鉛直孔掘削機20は、地盤2を鉛直方向に掘削して掘削孔(第1の掘削孔3、及び、第2の掘削孔4)を形成する掘削機である。鉛直孔掘削機20は、回転駆動源(モータ24)を有する本体部21と、本体部21から下方に延びる複数本の第1の回転掘削装置22a〜22dと、を備える。複数本の第1の回転掘削装置22a〜22dは、各々が、回転駆動源(モータ24)からの回転駆動力により鉛直方向を回転軸として回転し、かつ、各々の下端部(切削ヘッド22f)にて地盤2を回転掘削する。複数本の第1の回転掘削装置22a〜22dは、回転方向が第1の方向P1である第1のグループG1と、回転方向が第1の方向P1と逆方向(第2の方向P2)である第2のグループG2とに分けられている。これにより、第1のグループG1に含まれる第1の回転掘削装置22a,22cの回転のための反力を、第2のグループG2に含まれる第1の回転掘削装置22b,22dの回転から得ることができ、また、第2のグループG2に含まれる第1の回転掘削装置22b,22dの回転のための反力を、第1のグループG1に含まれる第1の回転掘削装置22a,22cの回転から得ることができるので、特許文献1におけるグリッパーを有するフロートのような大型の反力受け装置を設ける必要がなく、ゆえに、簡易な構成で地盤2を掘削することができる。
また本実施形態によれば、鉛直孔掘削機20は、偶数本の第1の回転掘削装置22a〜22dを備える。第1のグループG1を構成する第1の回転掘削装置22a,22cの本数と、第2のグループG2を構成する第1の回転掘削装置22b,22dの本数とが等しい。これにより、第1のグループG1及び第2のグループG2をバランスよく配置することができる。
また本実施形態によれば、隣り合う第1の回転掘削装置同士(22aと22b、22bと22c、22cと22d、22dと22a)の回転方向が互いに逆である。これにより、回転方向が異なる第1の回転掘削装置同士で、互いの回転による影響を打ち消し合うことができる。
また本実施形態によれば、鉛直孔掘削機20は、本体部21から下方に延びる第2の回転掘削装置23を備える。第2の回転掘削装置23は、回転駆動源(モータ24)からの回転駆動力により鉛直方向を回転軸として回転し、かつ、下端部(切削ヘッド23b)にて地盤2を回転掘削するものである。第2の回転掘削装置23の下端部(切削ヘッド23b)は、第1の回転掘削装置22a〜22dの下端部(切削ヘッド22f)よりも下方に突出している。ゆえに、第1の回転掘削装置22a〜22dによって地盤2に第1の掘削孔3が形成されるに先立って、第2の回転掘削装置23によって地盤2に掘削することで、第1の回転掘削装置22a〜22dの掘削位置を固定することができる。
また本実施形態によれば、鉛直孔掘削機20は、4本の第1の回転掘削装置22a〜22dを備える。平面視で、4本の第1の回転掘削装置22a〜22dの各回転軸(軸部22e)により構成される形状が正方形であり、この正方形の2組の対角のうちの1組が第1のグループG1に対応し、残りの1組が第2のグループG2に対応する。これにより、第1のグループG1及び第2のグループG2をバランスよく配置することができる。
また本実施形態によれば、鉛直孔掘削機20は、本体部21から下方に延びる第2の回転掘削装置23を備える。第2の回転掘削装置23は、回転駆動源(モータ24)からの回転駆動力により鉛直方向を回転軸として回転し、かつ、下端部(切削ヘッド23b)にて地盤2を回転掘削するものである。第2の回転掘削装置23の下端部(切削ヘッド23b)は、第1の回転掘削装置22a〜22dの下端部(切削ヘッド22f)よりも下方に突出している。平面視で、前述の正方形(4本の第1の回転掘削装置22a〜22dの各回転軸(軸部22e)により構成される形状)における中央部に、第2の回転掘削装置23の回転軸(軸部23a)が位置する。ゆえに、第1の回転掘削装置22a〜22dによって地盤2に第1の掘削孔3が形成されるに先立って、地盤2における第1の掘削孔3の形成予定箇所の中央部を、第2の回転掘削装置23によって掘削することで、第1の回転掘削装置22a〜22dの掘削位置を固定することができる。
また本実施形態によれば、鉛直孔掘削機20は、上下方向に延びて地中に沈設される筒状のケーソン躯体1内にて地盤2を鉛直方向に掘削して掘削孔(第1の掘削孔3、及び、第2の掘削孔4)を形成するものである。鉛直孔掘削機20は、平面視における、本体部21のケーソン躯体1に対する位置を保持する位置保持機構(レール部材19、及び、ガイド装置30)を有する。これにより、ケーソン躯体1の下方の地盤2の掘削を精度良く行うことができる。
また本実施形態によれば、本体部21は、地上のクレーンなどの揚重装置によって吊り下げられて昇降可能である。これにより、簡素な構成で、鉛直孔掘削機20を昇降させることができる。
また本実施形態によれば、鉛直孔掘削機20は、水中地盤(地盤2)を鉛直方向に掘削して掘削孔(第1の掘削孔3、及び、第2の掘削孔4)を形成するものである。鉛直孔掘削機20については、別途の反力受け装置を設ける必要がないので、当該反力受けに関する水中作業を減らすことができ、特に水中地盤掘削に好適である。
また本実施形態によれば、刃口下掘削機40は、上下方向に延びて地中に沈設される筒状のケーソン躯体1の刃口部1bの下方の地盤2を掘削する掘削機である。刃口下掘削機40は、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2に接触する柱状部41と、柱状部41の上端部に設けられる本体部42と、本体部42に上部が枢支されて該上部から下方に延びる地盤掘削部43と、地盤掘削部43の上部の枢支軸43eを中心として地盤掘削部43を傾動させる傾動装置44と、を備える。ゆえに、刃口下掘削機40は、地盤掘削の際に、柱状部41が接触している地盤2から反力を取ることができる。従って、刃口下掘削機40は、ケーソン躯体1から反力を取ることなく、地盤2から反力を取ることができる。
また本実施形態によれば、柱状部41は、平面視でケーソン躯体1内に位置する地盤2に形成されて鉛直方向に延びる第1の掘削孔3に挿入されて、第1の掘削孔3の内壁面3bに接触する。ゆえに、刃口下掘削機40は、地盤掘削の際に、柱状部41が接触している地盤2の第1の掘削孔3の内壁面3bから反力を取ることができる。従って、刃口下掘削機40は、地盤2から確実に反力を取ることができる。
また本実施形態によれば、傾動装置44は、一側45aが地盤掘削部43の上部に取り付けられ、他側45bが本体部42に取り付けられて伸縮可能なジャッキ45を含む。これにより、傾動装置44を簡易な構成とすることができる。
また本実施形態によれば、柱状部41の下端部が先細形状をなしている。これにより、柱状部41を第1の掘削孔3内に容易に挿入することができる。
また本実施形態によれば、地盤掘削部43はチェーンソー型カッターなどのトレンチャーを含む。これにより、既存のトレンチャーを用いて地盤掘削部43を構成することができる。
また本実施形態によれば、本体部42は、地上のクレーンなどの揚重装置によって吊り下げられて昇降可能である。これにより、簡素な構成で、刃口下掘削機40を昇降させることができる。
また本実施形態によれば、刃口下掘削機40は、本体部42のケーソン躯体1に対する向きを保持する向き保持機構(レール部材47、及び、ガイド装置50)を有する。これにより、ケーソン躯体1の刃口部1bの下方の地盤2の掘削を精度良く行うことができる。
本実施形態では、図12(A)及び(B)に示すように、ガイド装置30と鉛直孔掘削機20とを別々に施工場所に設置する手順となっているが、この他、陸上で図12(B)の図示のようにガイド装置30内に鉛直孔掘削機20を配置した上で、ガイド装置30と鉛直孔掘削機20とを一緒に施工場所に吊り下ろし設置してもよい。
本実施形態では、図18(A)及び(B)に示すように、ガイド装置50と刃口下掘削機40とを別々に施工場所に設置する手順となっているが、この他、陸上で図18(B)の図示のようにガイド装置50内に刃口下掘削機40を配置した上で、ガイド装置50と刃口下掘削機40とを一緒に施工場所に吊り下ろし設置してもよい。ここにおいて、刃口下掘削機40の柱状部41の下端部がガイド装置50より下方に突出していれば、刃口下掘削機40の柱状部41の下端部が第1の掘削孔3に入ることにより正確な設置が可能である。
図20は、本実施形態におけるケーソン躯体1の下方の地盤2を掘削する方法の変形例を示す図である。図20は、前述の図3(A)に対応するものである。本変形例では、複数の第1の掘削孔3が、ケーソン躯体1の周方向に互いに若干オーバーラップするように地盤2に形成されている。そして、複数の第1の掘削孔3の各々からケーソン躯体1の刃口部1bの下方(刃口部1bの直下)に向けてケーソン躯体1の径方向に地盤2を掘削することにより、複数の第1の掘削孔3の各々をケーソン躯体1の径方向(水平方向)に拡張している(換言すれば、複数の第1の掘削孔3の各々に拡張部3aを形成している)。例えば、図3(A)に示す態様では地盤2の強度が高いためにケーソン躯体1の圧入沈下(図4参照)が難しい場合には、図20に示す態様を採用することが好ましい。
図21は、本発明の第2実施形態における鉛直孔掘削機20’の概略構成を示す図である。前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
前述の第1実施形態では、鉛直孔掘削機20が第2の回転掘削装置23を有していたが、本実施形態では、鉛直孔掘削機20’が第2の回転掘削装置23を有していない。それゆえ、鉛直孔掘削機20’については、鉛直孔掘削機20よりも簡素な構成とすることができる。
図22〜図24は、本発明の第3実施形態におけるガイド装置70の設置方法を示す図である。前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、浮体71が、ケーソン躯体1内に満たされた水Wの水面上に浮かんでいる。浮体71には、揚重装置であるウインチ(図示せず)が設けられており、このウインチからガイド装置70がワイヤー72を介して吊り下げられている。
ガイド装置70は、鉛直孔掘削機20の上下方向の移動を案内する機能と、刃口下掘削機40の上下方向の移動を案内する機能と、本発明の「位置保持機構」としての機能と、本発明の「向き保持機構」としての機能と、のうちの少なくとも1つを実現するように構成されている。これら機能を実現するために、ガイド装置70は、ガイド装置30,50と同様の構成を有し得る。ここにおいて、ガイド装置70は、地盤2には直接的に接触しないように形成されている。
ガイド装置70は、図示しない電磁石を備えている。
ケーソン躯体1の内周面1aにおけるガイド装置70の設置予定箇所Rには、図示しない鉄板が設けられている。また、ケーソン躯体1の内周面1aには、ガイド装置70を設置予定箇所Rの高さで係止させるためのフック状のストッパー73が設けられている。
本実施形態におけるガイド装置70の設置方法では、まず、図22に示すように、浮体71にガイド装置70を固定した状態で、これらを、地上のクレーンなどの揚重装置(図示せず)を用いて、ケーソン躯体1内まで移動させる。このときに、平面視で浮体71及びガイド装置70を設置予定箇所Rに隣接させる。尚、このときには、ガイド装置70の電磁石は非作動状態(電流が通電されていない状態)である。
次に、図23に示すように、浮体71をケーソン躯体1内の水面上に浮かせた状態で、浮体71のウインチから下方にワイヤー72を繰り出すことで、水中でガイド装置70を下降させる。このときも、ガイド装置70の電磁石は非作動状態である。
次に、図24に示すように、ガイド装置70が設置予定箇所Rに到達すると、ストッパー73がガイド装置70に引っ掛かる。このときに、ガイド装置70の電磁石を作動させると(すなわち、ガイド装置70の電磁石に電流を通電すると)、電磁石の磁力によってケーソン躯体1の鉄板とガイド装置70の電磁石とが引っ付くことで、ガイド装置70がケーソン躯体1の内周面1aに固定される。このようにして、ガイド装置70が設置予定箇所Rに設置される。
図25は、本発明の第4実施形態におけるガイド装置50’の概略構成を示す図である。前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
ガイド装置50’は、地上に設けられたクレーンなどの揚重装置(図示せず)によって、吊り部53を介して吊り下げ支持されている。また、本実施形態では、柱部材51a,51bと同様に、柱部材51cの下端が最下段の枠体52eに連結されている。それゆえ、ガイド装置50’は、地盤2から離間している。本実施形態では、柱部材51a,51bをケーソン躯体1の内周面1aに接触させて、ガイド装置50’を柱部材51a,51bを介してケーソン躯体1にもたせかけるようにすることで、ケーソン躯体1に対するガイド装置50’の向きを保持することができる。従って、ガイド装置50’の溝部54及び/又はレール受け部材56に刃口下掘削機40の本体部42のレール部材47が受け入れられた状態では、レール部材47及びガイド装置50’が本発明の「向き保持機構」として機能して、平面視における、本体部42のケーソン躯体1に対する向きを保持する機能を実現し得る。
前述の第1〜第4実施形態では、第1の掘削孔3、拡張部3a、及び第2の掘削孔4のいずれかについて、図示しない水中ポンプなどを用いて、泥水排土を行ってもよい。
前述の第1〜第4実施形態では、ケーソン躯体1の圧入沈下の後に、中央部掘削工程(第4の工程)及びバケット掘削工程(第3の工程)を実施しているが、この他、ケーソン躯体1の圧入沈下と並行して、中央部掘削工程(第4の工程)及び/又はバケット掘削工程(第3の工程)を実施してもよい。
前述の第1〜第4実施形態では、バケット掘削工程(第3の工程)に先立って中央部掘削工程(第4の工程)を実施するが、この他、地盤2に第2の掘削孔4を形成せずとも地盤2をグラブバケット61により掘削可能であれば、中央部掘削工程(第4の工程)を省略してもよい。
前述の第1〜第4実施形態では、ケーソン躯体1の断面形状が円形であるが、ケーソン躯体1の断面形状は円形に限らず、例えば、楕円形、又は、矩形であってもよい。
前述の第1〜第4実施形態におけるケーソン躯体1は、施工現場で構築される複数のロットを含んで構成されてもよく、又は、施工現場から離れた工場などで製造されたロット(いわゆるプレキャスト材からなるロット)を含んで構成されてもよい。
前述の第1〜第4実施形態では、本発明に係る掘削方法を立坑の構築に適用した例を説明したが、本発明に係る掘削方法の適用例はこれに限らない。例えば、立坑以外の地下構造物の構築や、構造物の基礎の構築に、本発明に係る掘削方法を適用してもよい。
前述の第1〜第4実施形態では、鉛直孔掘削機20,20’及び刃口下掘削機40を水中で使用しているが、この他、鉛直孔掘削機20,20’及び刃口下掘削機40を陸上で使用してもよい。
前述の第1〜第4実施形態では、刃口下掘削機40をケーソン躯体1の刃口部1bの下方の地盤の掘削に用いているが、この他、いわゆる透かし掘りに用いてもよい。
図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1…ケーソン躯体、1a…内周面、1b…刃口部、2…地盤、3…第1の掘削孔、3a…拡張部、3b…内壁面、4…第2の掘削孔、19…レール部材、20,20’…鉛直孔掘削機、21…本体部、22a〜22d…第1の回転掘削装置、22e…軸部、22f…切削ヘッド、22g…螺旋羽根、23…第2の回転掘削装置、23a…軸部、23b…切削ヘッド、23c…螺旋羽根、24…モータ、24a…出力軸、25a〜25e…軸部、26a〜26f…歯車、27…筐体、28…間隔保持装置、28a…筒体、28b…枠体、29…吊り部、30…ガイド装置、31a〜31c…柱部材、32a〜32e…枠体、33…吊り部、34…溝部、35…梁部材、36…レール受け部材、40…刃口下掘削機、41…柱状部、41a…凹部、42…本体部、42a…板状部材、43…地盤掘削部、43a…カッターチェーン、43b…駆動用スプロケット、43c…従動用スプロケット、43d…ガイドプレート、43e…枢支軸、43f…アーム部、44…傾動装置、45…ジャッキ、45a…一側、45b…他側、46…吊り部、47…レール部材、50,50’…ガイド装置、51a〜51c…柱部材、52a〜52e…枠体、53…吊り部、54…溝部、55…梁部材、56…レール受け部材、60…掘削装置、61…グラブバケット、61a…シェル、70…ガイド装置、71…浮体、72…ワイヤー、73…ストッパー、G1…第1のグループ、G2…第2のグループ、L1…間隔、L2…最大開口幅、P1…第1の方向、P2…第2の方向、Q…方向、R…設置予定箇所

Claims (8)

  1. 上下方向に延びて地中に沈設される筒状のケーソン躯体の刃口部の下方の地盤を掘削する掘削機であって、
    平面視で前記ケーソン躯体内に位置する地盤に接触する柱状部と、
    前記柱状部の上端部に設けられる本体部と、
    前記本体部に上部が枢支されて該上部から下方に延びる地盤掘削部と、
    前記地盤掘削部の上部の枢支軸を中心として前記地盤掘削部を傾動させる傾動装置と、
    を備える、掘削機。
  2. 前記柱状部は、平面視で前記ケーソン躯体内に位置する地盤に形成されて鉛直方向に延びる掘削孔に挿入されて、該掘削孔の内壁面に接触する、請求項1に記載の掘削機。
  3. 前記傾動装置は、一側が前記地盤掘削部の上部に取り付けられ、他側が前記本体部に取り付けられて伸縮可能なジャッキを含む、請求項1又は請求項2に記載の掘削機。
  4. 前記柱状部の下端部が先細形状をなしている、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の掘削機。
  5. 前記地盤掘削部はトレンチャーを含む、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の掘削機。
  6. 前記地盤掘削部はチェーンソー型カッターを含む、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の掘削機。
  7. 前記本体部は、揚重装置によって吊り下げられて昇降可能である、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の掘削機。
  8. 前記本体部の前記ケーソン躯体に対する向きを保持する向き保持機構を有する、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の掘削機。
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