JP2019131987A - 雌型継手金具の固定構造 - Google Patents
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これらワンパス継手のうち、セグメント周方向の締結(以下、「セグメント継手」と略記する。)には、セグメントをトンネルリング軸方向にスライドすることにより継手の締結が完了するスライド式嵌合継手が、セグメントリング間の締結(以下、「リング継手」と略記する。)には、一方のセグメントに設けられた凸部状の雄型継手金具を他方のセグメントに設けられた凹部状の雌型継手金具に対してトンネル軸方向に挿入することにより継手の締結が完了するピン挿入式嵌合継手が、それぞれ主流となっている。
合成セグメントは鋼殻内部にコンクリートを中詰めし、鋼殻とコンクリートが外力に対し一体的に挙動することを前提として評価することができるため、一般的なRCセグメントに比べ、セグメントの高剛性かつ高耐力化を可能としている。
ワンパス継手のうち、リング継手については、トンネル断面方向に作用する常時土圧や水圧等の外荷重の他に、地震時の応答変位に対応すべく、各トンネルリング間に作用するせん断力および引張り力に対して所定の耐力を有することがその性能として求められる。
また、特許文献2では、雌型継手金具(雌型継手金具3)の継手側端面が主桁の継手面に合うように挿通された状態で主桁に固定された固定構造が開示されている。
また、特許文献1の雌型継手金具は主桁背面側に溶接された鋼板24,25を介して固定されるため、嵌合された雄型継手金具を引き抜こうとする引張力が作用しても、その引張力は雌型継手金具が固定された主桁に直接伝達されるが、せん断力は鋼板24,25の溶接を介して主桁に伝達されるため、要求されるせん断耐力に応じた溶接長の確保や溶接への高い品質が求められる。
一方、特許文献2における雌型継手金具の固定構造では、雌型継手金具の一部が主桁に挿通されているため、せん断外力は直接主桁に伝達されるが、引張力に対しては、雌型継手金具の主桁背面等への溶接や中詰めコンクリートへの定着によって抵抗しなければならない。
所定のせん断耐力を雌型継手金具の主桁背面等への溶接に期待する場合は、前記と同様、要求性能に応じた溶接長の確保や溶接への高い品質が求められ、中詰めコンクリートへの定着に期待する場合は、地震時の繰り返し荷重等に対し、定着部のコンクリートが脆性的な破壊を生じないように、鉄筋や鋼材等による補強が必要となる。
また、スキンプレート2の長辺側となる側縁に沿って円弧状の主桁3が立設される。
すなわち、主桁3,3は、トンネルの軸方向に間隔をおいて並行に立設される。
この主桁3は、図4に示すように、トンネルの外周面側と内周面側とに並行に配置される一対のフランジ3a,3aと、そのフランジ3a,3a間を繋ぐウェブ3bとによって、断面視略コ字形に成形される。
このフランジ3a,3aとウェブ3bは、例えば帯状の鋼板によって形成されており、これらを略直交させて溶接などによって接合させる。また、ウェブ3bは、トンネルの内周面側のフランジ3aよりも僅かに内周面側に突出するように接合されている。
このリング継手部8は、図5(a)に示すとおり、一方のセグメント1A側に設けられる雄型継手金具81と、図5(b)に示すとおり、他方のセグメント1B側に設けられる雌型継手金具82とによって構成される。
この雄型継手金具81は、少なくとも主桁3のウェブ3bAから突出させる圧入ピン部811と、セグメント1の内部に埋設させる固定部812とを備えている。また、雌型継手金具82は、少なくとも雄型継手金具81の圧入ピン部811が押し込まれると引き抜き力に対して抵抗となるインサート部821と、インサート部821を収納するケーシング部822とを備えている。
なお、圧入ピン部811の突出長さの調整が不要であれば、圧入ピン部811と固定部812は一体に成型されていても良い。
つまり溶接は、雄型継手金具81を雌型継手金具82に圧入する際に生じる圧入力や競り等によって生じる摩擦力等の施工上必要な強度や、止水上必要な強度を保持していれば良く、引張力やせん断力といった外力で決定する必要は無い。
また、合成セグメントに適用した場合であっても、鋼殻内に中詰めされるコンクリートへの定着を期待する必要も無い。
さらに、雌型継手金具82の継手側端部を主桁3の継手面に合わせた状態で雌型継手金具82を主桁3に固定することができるので、主桁3の厚さに左右されず、常に一定の嵌合状態を確保できるため、主桁3の厚さによって継手部材の仕様が影響されない。
一般に市販されているピン挿入式嵌合継手のリング継手の雌型継手金具は、RCセグメントへの適用を想定して製作されており、コンクリートへの定着部を除く外形は等径の筒状形状を為しているものが多い。本実施形態で示した段差部822aや係止部822bは、こうした汎用品の継手側端部から主桁厚さに相当する範囲を主桁に設けた貫通孔の径に合わせて切削するだけで形成することが可能であり、汎用品を使用しても特殊な加工を必要としない。
2 スキンプレート
3 主桁部
4 継手板(継手面部)
5,5A リブ部
51 切欠部
6 コンクリート部
62 スペーサ
7 セグメント継手部
71 挿入金具
71a 定着板部(定着部)
71c 突起部
72 受け金具
72a 定着板部(定着部)
72d 突起部
8 リング継手部
81 雄型継手金具
82 雌型継手金具
Claims (3)
- 一方のセグメントの主桁に固定された雄型継手金具の凸部を他方のセグメントの主桁に固定された雌型継手金具の凹部に挿入することで互いに嵌合して両方のセグメントの主桁同士を接合させる雌型継手金具の固定構造であって、
前記雌型継手金具の一部を前記主桁に設けた貫通孔に該主桁の背面側から挿通し、係止させた状態で、
前記継手金具を前記主桁の背面側から溶接固定されたこと、を特徴とする雌型継手金具の固定構造。 - 前記雌型継手金具の継手側端部から前記主桁の厚さ以下の挿通範囲の該雌型継手金具の外径が前記貫通孔の径程度であり、
前記挿通範囲を除く前記雌型継手金具の外径が前記貫通孔の径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の雌型継手金具の固定構造。 - 前記セグメントは複数を組み合わせることによってトンネルの外殻を形成するセグメントであって、
トンネルの外周面を形成するスキンプレートと、
前記トンネルの軸方向に間隔を置いて前記スキンプレートの両側縁に立設される主桁と、
前記トンネルの周方向に間隔を置いて前記スキンプレートの両端縁に立設される継手板と、
前記継手板に並行に前記スキンプレートの面上で前記主桁間に延設されるリブと、
前記周方向のセグメント間の連結を行うために前記継手板に設けられるセグメント継手と、
少なくとも前記スキンプレートと前記主桁と前記継手板とに囲まれた空間に充填されてトンネルの内周面を形成するコンクリート部とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の雌型継手金具の固定構造。
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