JP2019131979A - 耐震補強構造、及び屋根上耐震補強方法 - Google Patents

耐震補強構造、及び屋根上耐震補強方法 Download PDF

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秀行 林
伸也 古川
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伸也 古川
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Yukinori Kihara
幸紀 木原
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Takehiko Hamautsu
剛彦 濱宇津
英明 黒河
Hideaki Kurokawa
英明 黒河
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Abstract

【課題】水平ブレースを設ける作業を屋根上で行うことが可能となるので、施工性を向上でき、耐震補強にかかる工期やコストの低減を図ることができる。【解決手段】建物1の既設柱11の上端に接続され、屋根12を貫通させた状態で上方に向けて設置される束材20と、屋根上に突出する複数の束材20間を水平方向に繋ぐ水平ブレース21と、を備え、束材20は、既設柱11の上端に接続された状態で、屋根12の上方位置で上下に分割され、屋根12の開口部12cから束材20のうち分割された下側束材20Aが既設柱11の上端に対して内側から溶接により接続され、下側束材20Aの上端に対して上側束材20Bが外周側から溶接により接続された構成の耐震補強構造を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、耐震補強構造、及び屋根上耐震補強方法に関する。
従来、既設の工場等の建物における耐震補強構造として、例えば特許文献1、2に示すような水平ブレースを屋根の下面近傍の屋内側に設置する構造が知られている。
特開2008−267022号公報 特開2012−112151号公報
しかしながら、従来のような屋根下面に水平ブレースを追加する耐震補強方法では、例えば建物が工場等の場合には天井部分に配管材等の建築設備が密集しているケースが多く、屋根下面に新たに水平ブレースを設置することが困難となっていた。そのため、水平ブレースを設置する際には、上記の建築設備の切り替え作業が発生する等、手間と時間がかかるという問題があった。しかも、水平ブレースの鉄骨材を溶接するなどの作業が高所作業となることから、このような水平ブレースの取付け作業に伴う足場を操業エリアの広域に設置する必要性があった。
このように、従来では、屋根下面に水平ブレースを追加する作業にかかる手間と時間がかかることから、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、水平ブレースを設ける作業を屋根上で行うことが可能となるので、施工性を向上でき、耐震補強にかかる工期やコストの低減を図ることができる耐震補強構造、及び屋根上耐震補強方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る耐震補強構造は、建物の屋根上に設置される耐震補強構造であって、前記建物の既設柱の上端に接続され、前記屋根を貫通させた状態で上方に向けて延伸される束材と、前記屋根上に突出する複数の前記束材間を水平方向に繋ぐ水平ブレースと、を備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る屋根上耐震補強方法は、建物の屋根上に耐震補強構造を設置する屋根上耐震補強方法であって、前記建物に設けられる複数の既設柱のそれぞれの上方に位置する前記屋根の部分に開口部を設ける工程と、前記開口部からそれぞれの前記既設柱の上端に接続させて、前記屋根を貫通させた状態で上方に向けて束材を設置する工程と、前記屋根上に突出する複数の前記束材間を水平ブレースにより水平方向に繋ぐ工程と、を有していることを特徴としている。
本発明では、既設柱の上端に接続される束材を建物の屋根を貫通させた状態で設け、その屋根から突出する束材に水平ブレースを繋ぐことで、地震時に水平ブレースが受ける水平力を既設柱に伝達するための耐震補強構造を屋根上に構築することができる。
このように、本発明では、水平ブレースを屋根下面側の天井部分に配置する構成ではないので、天井部分に配管等の建築設備が密集していて水平ブレースを配置することが困難な建物にも容易に適用することができる。また、この場合には、既設柱に束材を溶接等により接続する作業と、束材に水平ブレースを取り付ける作業とを建物内ではなく屋根上から行うことができるので、建物内に足場を設ける必要がなく、施工の効率化を図ることができ、施工にかかる工期の短縮やコストを低減できる。
また、本発明では、屋根に形成する開口部を束材が貫通可能な大きさとすることが可能となる。そのため、開口部は屋根における既設柱の直上に位置する部分のみと小さな開口とすることが可能となるため、屋根の開口部からの漏水を抑制することができる。
さらに、建物内における作業にかかる各種作業に伴う埃や粉じん等の発生を抑えることができる利点がある。
また、本発明に係る耐震補強構造は、前記束材は、前記既設柱の上端に接続された状態で、前記屋根の上方位置で上下に分割されていることが好ましい。
また、本発明に係る屋根上耐震補強方法は、前記束材は、前記既設柱の上端に接続された状態で、前記屋根の上方位置で上下に分割され、前記屋根に前記開口部を設ける工程の後、前記開口部から前記束材のうち分割された下側束材を前記既設柱の上端に対して内側から溶接により接続し、その後、前記下側束材の上端に対して上側束材を外周側から溶接により接続する方法としてもよい。
この場合には、束材が上下に分割されているので、分割されている下側束材の高さを既設柱に接続した状態で、少なくとも上端部分が屋根よりも突出するように小さく抑えることで、既設柱と下側束材との接続を下側束材の内側から行うことができる。つまり、既設柱と下側束材の接続部を束材の外側から接続する作業が不要となるので、下側束材を貫通させる屋根の開口部をさらに小さくすることが可能となり、開口部を設けるための屋根の切断範囲を小さくすることができる。また、下側束材と上側束材との接続部は屋根上に位置するので、束材の外側から外溶接により全周溶接することができ、施工が容易になる利点がある。
また、本発明に係る耐震補強構造は、前記束材は、筒状に形成され、上端の開口を塞ぐ閉塞板が設けられていることが好ましい。
この場合には、束材が蓋付き筒状に形成されているので、水平ブレースに作用する水平力を既設柱に確実に伝達され、しかも筒状の上端が閉塞板により閉塞されているので、束材の内側を伝わって雨水が建物内に浸入することを抑えることができる。
また、本発明に係る耐震補強構造は、前記束材の前記屋根から突出する立上り部分は、断熱材によって被覆されていることを特徴としてもよい。
この場合には、屋根上に突出する束材に結露が発生することを抑えることができる。そのため、束材の結露による水が既設柱に伝わって建物内に流入することを防止できる。
また、本発明では、束材における室内側に位置する鉄骨面での結露も抑制できる。
本発明の耐震補強構造、及び屋根上耐震補強方法によれば、水平ブレースを設ける作業を屋根上で行うことが可能となるので、施工性を向上することができ、耐震補強にかかる工期やコストの低減を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態による屋根上の耐震補強体の構成を示す斜視図である。 既設柱に耐震補強体を設けた構成の一部破断した側面図である。 図2に示す耐震補強体を縦断面視した側面図である。 (a)〜(c)は、耐震補強体を構築する施工手順を示した図である。 第2の実施の形態による既設柱に耐震補強体を設けた構成の一部破断した側面図であって、図2に対応する図である。
以下、本発明の実施の形態による耐震補強構造、及び屋根上耐震補強方法について、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本実施の形態による耐震補強構造(以下、耐震補強体2という)は、建物1の屋根12の上方に設置することによって、建物1を耐震補強するためもの構造である。
建物1は、図2及び図3に示すように、例えば工場等の建物であって、床基礎(示省略)の所定位置から複数の既設柱11が立設され、既設柱11の上部において既設梁13が接続され、既設柱11の上端には屋根12が設置されている。
屋根12の下面(屋根下面12b)側の天井部分には、図2に示すような例えば空調等に使用されるダクト14や各種の配管15等の設備が配設されている。既設柱11は、H形鋼からなり、柱上端には端板11Aが面方向を水平方向に向けた状態で溶接により固着されている。既設梁13は、H形鋼からなり、長手方向の端部13aが既設柱11に接続されている。ここで、既設柱11の上端に設けられる端板11Aは、上面視で四角形状をなし、図2で紙面に直交する方向から見て屋根12に形成される開口部12c(後述する)の開口幅よりも大きく張り出している。屋根12には、例えば切断が容易な軽量気泡コンクリートパネル(いわゆるALCパネル)が採用されている。
耐震補強体2は、既設柱11の上端(本実施の形態では端板11A)に接続され、屋根12を貫通させた状態で上方に向けて設置される蓋付き筒状の束材20と、束材20における屋根12から突出する部分間を水平方向に繋ぐ水平ブレース21と、を備えている。
束材20は、断面視で正方形状をなす筒体であり、上下方向に二分割されており、溶接により一体的に設けられている。二分割された下側の下側束材20Aは、下端20aが既設柱11の上端の端板11Aに溶接により固着されている。下側束材20Aの長さ寸法は、既設柱11の上端に接続された状態で、少なくとも上端20bが屋根上面12aよりも上方に位置する寸法に設定されている。
一方、二分割された上側の上側束材20Bは、下端20cが下側束材20Aの上端20bに溶接により固着され、下側束材20Aに対して同軸に配置されている。
束材20(上側束材20B)の上端20dの開口は、板状の閉塞板22によって閉塞されている。閉塞板22は、全周溶接により束材20の上端20dに固着されている。束材20の縦横寸法を接続する既設柱11のフランジの幅寸法と同じ寸法とすることで、束材20から既設柱11に効率よく水平力を伝達することができる。
例えば、束材20の屋根上面12aからの高さが650mmのとき、下側束材20Aと上側束材20Bとの接続部20eまでの屋根上面12aからの高さを150mmに設定することができる。
上側束材20Bの4つの角部には、それぞれの角部の対角線方向に突出する水平リブ23が設けられている。各水平リブ23の上部には、ボルト孔が形成され、水平ブレース21の端部がボルト(図示省略)により接続されている。
水平ブレース21は、図1に示すように、一対のL形鋼を断面T字状に組み合わせた状態とされ、長手方向の一端21aにおいて、一対のL形鋼で水平ブレース21を左右両側から挟持した状態でボルト締めにより取り付けられている。水平ブレース21の他端21bは、他の束材20の水平リブ23に固定されている。
束材20は、屋根12から突出する立ち上り部分であって、束材20の下方部分において、接続部20eを挟んだ下側束材20Aと上側束材20Bとにわたる領域が断熱材24(図1では二点鎖線の箇所)によって被覆されている。さらに、屋根上面12aから屋根上に位置する耐震補強体2の周面にわたって、不図示の断熱塗装が施されている。このように束材20は、上端20dが閉塞板22によって閉塞され、かつ断熱材24や断熱塗装によって被覆されているので、屋根上に雨水や結露が束材20を伝って建物内に浸入することが抑制されている。また、束材20における室内側に位置する鉄骨面での結露も抑制できる。
また、水平ブレース21においても、断熱塗装等を施すことにより、外気温の変動による熱伸びを抑えることができ、引張ブレースとしての耐震性の効果への影響を小さく抑制できる。
次に、上述した耐震補強体2を建物1に設置する屋根上耐震補強方法について、図面に基づいて具体的に説明する。
先ず、図4(a)に示すように、建物1の屋根12において、複数の既設柱11の上方に位置する領域を切断することにより矩形状の開口部12cを設ける。開口部12cは、束材20の外形よりも僅かに大きな寸法で、屋根12の上方から開口部12cを通じて既設柱11の上端の端板11A上に下側束材20Aが載置できる大きさとされる。なお、屋根12を切断して形成する開口部12cは、下側束材20Aが貫通できる大きさであればよい。
続いて、図4(b)に示すように、下側束材20Aの内側において、下側束材20Aの下端20aと既設柱11の端板11Aとを溶接により固着する。このときの内溶接部W1を図2及び図4(b)において点線で示している。このときの溶接作業は、作業員が屋根12上において下側束材20Aの上方から内側に溶接トーチを入れて溶接する。これにより、下側束材20Aが屋根12を貫通させた状態で上方に向けて突出された状態で配置される。そして、開口部12cと下側束材20Aとの間の隙間S(図2及び図3参照)は、既設柱11と下側束材20Aとの接続が完了した適宜なタイミングで穴埋めされる。
次に、図4(c)に示すように、下側束材20Aを既設柱11に接続した後、下側束材20Aの上端20bに対して予め閉塞板22及び水平リブ23が固定された状態の上側束材20Bを上方から同軸上に当接させて配置し、双方の接続部20eを外周側から溶接する。このときの外溶接部を図2、図3及び図4(c)において符号W2で示している。閉塞板22及び水平リブ23は、予め工場等で上側束材20Bに固着させた状態で加工しておくことが好ましい。
次に、図1乃至図3に示すように、束材20における屋根12から突出する部分間を水平ブレース21で水平方向に繋ぐ。具体的には、上側束材20Bに設けられる複数(4箇所)の水平リブ23のそれぞれに水平ブレース21の一端21aをボルトにより接続する。
次に、耐震補強構造、及び屋根上耐震補強方法の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
先ず、図2及び図3に示すように、本実施の形態では、既設柱11の上端に接続される束材20を建物の屋根12を貫通させた状態で設け、その屋根12から突出する束材20に水平ブレース21を繋ぐことで、地震時に水平ブレース21が受ける水平力を既設柱11に伝達するための耐震補強体2を屋根12上に構築することができる。
このように、本実施の形態では、水平ブレース21を屋根下面12b側の天井部分に配置する構成ではないので、天井部分に配管等の建築設備が密集していて水平ブレースを配置することが困難な建物1にも容易に適用することができる。
また、この場合には、既設柱11に束材20を溶接等により接続する作業と、束材20に水平ブレース21を取り付ける作業とを建物1内ではなく屋根12上から行うことができるので、建物1内に足場を設ける必要がなく、施工の効率化を図ることができ、施工にかかる工期の短縮やコストを低減できる。
また、本実施の形態では、屋根12に形成する開口部12cを束材20が貫通可能な大きさとすることが可能となる。そのため、開口部12cは屋根12における既設柱11の直上に位置する部分のみと小さな開口とすることが可能となるため、屋根12の開口部12cからの漏水を抑制することができる。
さらに、建物1内における作業にかかる各種作業に伴う埃や粉じん等の発生を抑えることができる利点がある。
また、本実施の形態では、束材20は、既設柱11の上端の端板11Aに接続された状態で、屋根12の上方位置で上下に分割されている。そして、分割されている下側束材20Aの高さを既設柱11に接続した状態で、少なくとも上端部分が屋根12よりも突出するように小さく抑えることで、既設柱11と下側束材20Aとの接続を下側束材20Aの内側から行うことができる。つまり、既設柱11と下側束材20Aの接続部20eを束材20の外側から接続する作業が不要となるので、下側束材20Aを貫通させる屋根12の開口部12cをさらに小さくすることが可能となり、開口部12cを設けるための屋根12の切断範囲を小さくすることができる。また、下側束材20Aと上側束材20Bとの接続部20eは屋根12上に位置するので、束材20の外側から外溶接により全周溶接することができ、施工が容易になる利点がある。
さらに本実施の形態では、束材20が蓋付き筒状に形成されているので、水平ブレース21に作用する水平力を既設柱11に確実に伝達され、しかも筒状の上端が閉塞板22により閉塞されているので、束材20の内側を伝わって雨水が建物1内に浸入することを抑えることができる。
また、本実施の形態では、束材20の屋根12から突出する立上り部分は、断熱材24によって被覆されているので、屋根12上に突出する束材20に結露が発生することを抑えることができる。そのため、束材20の結露による水が既設柱11に伝わって建物1内に流入することを防止できる。
また、本実施の形態では、束材20がヒットブリッジになることから、上述したように束材20の立上り部分に断熱材24を設けることで、束材20における室内側の鉄骨面での結露も抑制できる。
上述のように本実施の形態による耐震補強構造、及び屋根上耐震補強方法では、水平ブレース21を設ける作業を屋根12上で行うことが可能となるので、施工性を向上でき、耐震補強にかかる工期やコストの低減を図ることができる。
次に、他の実施の形態による耐震補強構造、及び屋根上耐震補強方法について説明する。なお、上述した第1の実施の形態の構成要素と同一機能を有する構成要素には同一符号を付し、これらについては、説明が重複するので詳しい説明は省略する。
(第2の実施の形態)
図5に示すように、第2の実施の形態による耐震補強構造(耐震補強体2A)は、上下に分割されていない束材20Cを採用したものである。すなわち筒状部の上部開口を塞ぐ閉塞板22を備えた束材20Cを既設柱11の上端の端板11Aに外周溶接により固着することで、屋根上に束材20Cが突出した状態で配置される。束材20Cには、予め複数の水平リブ23が設けられており、上述した第1の実施の形態と同様に、各水平リブ23には水平ブレース21の一端がボルトによって接続される。
第2の実施の形態による耐震補強体2Aの場合には、束材20Cの上端の位置が上述した第1の実施の形態の下側束材20Aの高さよりも高い位置となることから、既設柱11と束材20Cとの溶接が束材20Cの内側から困難な場合には外側から行うようにする。図5では、既設柱11と束材20Cとの接続部20e(外溶接部W3)が束材20Cの外側となっている。また、本実施の形態の場合には、既設柱11と束材20Cとが外溶接となることから、施工が容易になる利点がある。
以上、本発明による耐震補強構造、及び屋根上耐震補強方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態のように、束材20は第1の実施の形態のように上下に分割されていてもよいし、上記第2の実施の形態のように分割されずに一体に設けられたものでもよい。また、束材20の上下方向の分割数は2つであることに限定されることはなく、3つ以上に分割されていてもよい。
また、本実施の形態では断面形状が四角形の筒状の束材20を採用しているが、このような形状に限定されることはなく、他の形状の束材であってもかまわない。例えば、断面形状が円形であってもよい。また、筒状ではなく、H形鋼や、溝形鋼を組み合わせたもの等であってもよい。
さらに、分割された束材同士の接続手段として溶接であることに限定されることはなく、ボルトによる接続であってもよい。なお、ボルトの場合には、束材の接続端にフランジを設けて、フランジ同士をボルト接合する構成とすることも可能である。
また、水平ブレースの形状は実施の形態に限定されることはなく、H形鋼、溝形鋼などの鋼材を用いるようにしてもよい。
さらに、建物の全ての既設柱に対して束材を接続する必要はなく、建物の耐震設計に応じた任意な位置の既設柱に対して束材を接続して水平ブレースを設ければよい。つまり、既設柱の水平方向のスパンとは関係なく水平ブレースを設けることが可能である。
さらにまた、本実施の形態では、束材20の屋根12から突出する立上り部分が断熱材24によって被覆されているが、このような断熱材24を省略することも可能であるし、断熱材24の位置も適宜設定することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 建物
2 耐震補強体(耐震補強構造)
11 既設柱
11A 端板
12 屋根
12a 屋根上面
13 既設梁
20、20C 束材
20A 下側束材
20B 上側束材
21 水平ブレース
22 閉塞板
23 水平リブ
24 断熱材

Claims (6)

  1. 建物の屋根上に設置される耐震補強構造であって、
    前記建物の既設柱の上端に接続され、前記屋根を貫通させた状態で上方に向けて設置される束材と、
    前記屋根上に突出する複数の前記束材間を水平方向に繋ぐ水平ブレースと、
    を備えていることを特徴とする耐震補強構造。
  2. 前記束材は、前記既設柱の上端に接続された状態で、前記屋根の上方位置で上下に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の耐震補強構造。
  3. 前記束材は、筒状に形成され、上端の開口を塞ぐ閉塞板が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐震補強構造。
  4. 前記束材の前記屋根から突出する立上り部分は、断熱材によって被覆されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐震補強構造。
  5. 建物の屋根上に耐震補強構造を設置する屋根上耐震補強方法であって、
    前記建物に設けられる複数の既設柱のそれぞれの上方に位置する前記屋根の部分に開口部を設ける工程と、
    前記開口部からそれぞれの前記既設柱の上端に接続させて、前記屋根を貫通させた状態で上方に向けて束材を設置する工程と、
    前記屋根上に突出する複数の前記束材間を水平ブレースにより水平方向に繋ぐ工程と、
    を有していることを特徴とする屋根上耐震補強方法。
  6. 前記束材は、前記既設柱の上端に接続された状態で、前記屋根の上方位置で上下に分割され、
    前記屋根に前記開口部を設ける工程の後、前記開口部から前記束材のうち分割された下側束材を前記束材の上端に対して内側から溶接により接続し、
    その後、前記下側束材の上端に対して上側束材を外周側から溶接により接続することを特徴とする請求項5に記載の屋根上耐震補強方法。
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