JP2019131724A - 吸湿性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、以下の通りである。
重合体を、前記溶媒1と相溶性を有する非極性の溶媒2中に溶解させて重合体溶液を得る工程であって、前記重合体は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、その水素化物、これらと極性基を有する単量体とのグラフト重合により得られる構造を有する重合体、及びこれらの混合物からなる群より選択されるものである工程Bと、
前記吸湿性粒子分散液と前記重合体溶液とを混合して混合液を作製する工程Cと、
前記混合液を基材上に塗布し、乾燥させる工程Dと
を含む、吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
〔2〕 前記工程Aが、前記溶媒1に分散剤を添加することを含み、前記分散液が、分散剤を含む、〔1〕に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
〔3〕 吸湿性樹脂フィルムのヘイズが3%未満である、〔1〕又は〔2〕に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
〔4〕 前記重合体が、極性基を有する重合体である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
〔5〕 前記極性基を有する重合体が、極性基含有単位を含むグラフト重合体である、〔4〕に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
〔6〕 前記重合体が、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の水素化物、それと極性基を有する単量体とのグラフト重合により得られる構造を有する重合体、及びこれらの混合物からなる群より選択されるものである、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
〔7〕 前記芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素化物が、芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体における共役ジエンの不飽和結合及び芳香環の両方を水素化してなる構造を有する、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
本発明の吸湿性樹脂フィルムの製造方法は、下記工程A〜工程Dを含む。
工程A:吸湿性粒子を溶媒1中に分散させて吸湿性粒子分散液を得る工程。
工程B:重合体を、溶媒2中に溶解させて重合体溶液を得る工程。
工程C:吸湿性粒子分散液と重合体溶液とを混合して混合液を作製する工程。
工程D:混合液を基材上に塗布し、乾燥させる工程。
工程Aにおいて、吸湿性粒子としては、一次粒子径が200nm以下の粒子を用いる。かかる粒子を用いることにより、ヘイズの低い吸湿性樹脂フィルムを容易に製造することができる。吸湿性粒子の具体例については後述する。
工程Cにおける、吸湿性粒子分散液と重合体溶液との混合の比率は、所望の製品が得られる任意の割合としうる。例えば、吸湿性粒子分散液及び重合体溶液のそれぞれにおける成分の割合を調整することにより、吸湿性粒子分散液及び重合体溶液を等量混合することで所望の成分の割合を得ることができる。
工程Dにおける基材としては、混合液の層を支持しうる任意の部材を用いうる。基材の例としては、離型処理を施したPETフィルムが挙げられる。かかる基材は、吸湿性樹脂フィルムの製造後に、そのまま剥離フィルムとして用いうる。
吸湿性粒子分散液及び重合体溶液を構成する成分である、重合体、吸湿性粒子、分散剤及び可塑剤の具体例について、以下において説明する。
重合体溶液を構成する重合体は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、その水素化物、これらと極性基を有する単量体とのグラフト重合により得られる構造を有する重合体、及びこれらの混合物からなる群より選択されるものである。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の例としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。
また、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上である。芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、水素化物のガラス転移温度が高くなるので、樹脂の耐熱性を効果的に高めることができる。さらに、樹脂の光弾性係数を下げて、例えば接着層等として用いた場合にレターデーションの発現を低減することができる。
重合体のさらなる例として、極性基を有する重合体が挙げられる。重合体は、極性基を有する重合体であることが好ましい。吸湿性樹脂フィルムが極性基を有する重合体を含むことにより、吸湿性樹脂フィルムと装置との接着性を向上することができる。このような極性基の例としては、アルコキシシリル基等のケイ素含有基、カルボキシル基、酸無水物基等のカルボニル含有基、並びにエポキシ基、アミノ基、及びイソシアネート基が挙げられる。これらの中でも、無機物、特にガラス及びSiOx等のSiを含む無機物との接着性を良好にする観点から、アルコキシシリル基が好ましい。
極性基を有するグラフト重合体の例としては、極性基含有単位を含むグラフト重合体が挙げられる。極性基含有単位とは、極性基を有する単量体を重合して得られる構造を有する単位である。極性基含有単位を含むグラフト重合体は、ある重合体と、極性基を有する単量体とのグラフト重合により得られる構造を有する重合体である。但し、極性基含有単位及び極性基含有単位を含むグラフト重合体は、その製造方法によっては限定されない。以下においては、このようなグラフト重合の反応に供する重合体を、本発明の吸湿性樹脂フィルムに含まれる重合体と区別するため、「反応前重合体」という。反応前重合体の例としては、吸湿性樹脂フィルムの材料の主成分として採用しうる重合体として上に例示したものと同じ重合体が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイト系化合物;6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン、6−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピンなどの化合物を挙げることができる。
本発明の製造方法により得られる吸湿性樹脂フィルムにおいて、吸湿性粒子は、樹脂中に分散した状態で存在する。吸湿性粒子は、その一次粒子径が、200nm以下である。このような粒子径の吸湿性粒子を用いることにより、ヘイズの低い吸湿性樹脂フィルムを得ることができる。
吸湿性粒子の一次粒子径は、好ましくは40nm以上、より好ましくは45nm以上、さらにより好ましくは50nm以上であり、一方好ましくは80nm以下、より好ましくは70nm以下である。吸湿性粒子の屈折率は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上、さらにより好ましくは1.4以上であり、一方好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、さらにより好ましくは1.7以下である。このような吸湿性粒子を、特定の分散剤と共に用いることにより、高い透明性及び高い表面平滑性といった特性と、低いヘイズとを兼ね備える樹脂組成物の成形物を得ることができる。
重量変化率(%)=((W2−W1)/W1)×100 (A1)
吸湿性粒子分散液は、分散剤を含有しうる。分散剤は、吸湿性樹脂フィルムにおいて、吸湿性粒子の分散性を向上させる機能を有する。分散剤の例としては、東亜合成社の「アロン(登録商標)」及び「ジュリマー(登録商標)」シリーズ、日本触媒社の「アクアリック(登録商標)」シリーズ)、共栄社化学社の「フローレン(登録商標)」シリーズ、楠本化成社の「ディスパロン(登録商標)」シリーズ、BASF社の「ソカラン(登録商標)」シリーズ及び「EFKA」シリーズ、ビックケミー社の「DISPERBYK(登録商標)」シリーズ及び「Anti−Terra」シリーズ、日本ルーブリゾール社の「SOLSPERSE(登録商標)」シリーズ、及び味の素ファインテクノ社の「アジスパー」シリーズなどの市販の分散剤が挙げられる。
重合体溶液は、可塑剤を含みうる。可塑剤を含むことにより、吸湿性樹脂フィルムを、ガラス転移温度及び弾性率等の物性が所望の値に調整されたフィルムとすることができる。
炭化水素系オリゴマーの具体例としては、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−1−オクテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリイソプレン、脂環族炭化水素、その他の脂肪族系炭化水素、芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体、前記の化合物の水素化物、及びインデン・スチレン共重合体水素化物が挙げられる。これらの中でも、ポリイソブチレン、ポリブテン、水素化ポリイソブチレン、及び水素化ポリブテンが好ましい。
可塑剤の屈折率は、可塑剤が常温で固体である場合はフィルム状に成形したものを準備し、アッベ屈折計により、波長589nmにて測定しうる。可塑剤が常温で液体である場合は、そのままアッベ屈折計により、波長589nmにて測定しうる。
工程A〜工程Dを行うことにより、混合液の層を硬化させ、吸湿性樹脂フィルムを、基材上に設けられた層として得ることができる。得られた吸湿性樹脂フィルムは、必要に応じて基材から剥離し、使用に供しうる。
本発明の製造方法により得られた吸湿性樹脂フィルムの一方の面又は両方の面には、任意の層を設けうる。即ち、吸湿性樹脂フィルムと任意の層とを含む複層物を構成し、当該複層物を使用に供しうる。任意の層として適切なものを選択することにより、複層物を保存及び運搬に有利なものとしたり、特定の用途に用いるのに有利なものとしたりすることができる。
本発明の製造方法により得られた吸湿性樹脂フィルムは、電子デバイスにおいて、支持基材、絶縁、接着、及び封止等の用途で用いうる。電子デバイスの例としては、有機EL装置、太陽電池、タッチパネル、及び各種電極(ITO、銅電極、錫電極、半田電極等)が挙げられる。これらの用途のうち、例えば接着の用途(接着層)として用いる場合、接着することが求められる2つの層の間に、吸湿性樹脂フィルムを介在させ、接着性を発現させるための処理を施し、それによりかかる接着対象の2つの層を接着させうる。
本発明の製造方法により得られた吸湿性樹脂フィルムの特に好ましい用途としては、有機EL装置が挙げられる。
かかる有機EL装置は、前記吸湿性樹脂フィルムを備える。有機EL装置において、吸湿性樹脂フィルムは、封止フィルムとして設けうる。吸湿性樹脂フィルムを封止フィルムとして用いることで、水分や酸素の影響を受けやすい有機EL装置において、水分の侵入を防止する効果を有効に発現しうる。
無機バリア層に含まれうる無機材料の好ましい例としては、金属;珪素の酸化物、窒化物、窒化酸化物;アルミニウムの酸化物、窒化物、窒化酸化物;DLC(ダイヤモンドライクカーボン);及びこれらの2以上が混合した材料;などが挙げられる。中でも、透明性の点では、珪素を含有する材料が好ましく、珪素酸化物及び珪素窒化酸化物が特に好ましい。また、吸湿性樹脂フィルムとの親和性の点では、DLCが特に好ましい。
珪素の窒化物としては、例えば、SiNyが挙げられる。ここでyは、無機バリア層の透明性及び水蒸気バリア性を両立させる観点から、0.5<y<1.5が好ましい。
珪素の窒化酸化物としては、例えば、SiOpNqが挙げられる。ここで、無機バリア層の密着性の向上を重視する場合には、1<p<2.0、0<q<1.0として、無機バリア層を酸素リッチの膜とすることが好ましい。また、無機バリア層の水蒸気バリア性の向上を重視する場合には、0<p<0.8、0.8<q<1.3として、無機バリア層を窒素リッチの膜とすることが好ましい。
〔樹脂のヤング率、引張伸び及びtanδ〕
樹脂の23℃におけるヤング率及び引張伸びは、JIS K7113に則り測定した。40℃以上200℃以下における樹脂の損失正接tanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)は、フィルムから幅10mm×長さ20mmの試験片を切り出し日立ハイテクサイエンス社製の動的粘弾性測定装置DMS6100を用い測定した。
吸湿性粒子の屈折率は、標準液法により測定した。具体的には、屈折率が既知の標準液試薬を2〜3滴、ガラス基板上に滴下し、これに吸湿性粒子を混合して混合液を調製した。この操作を、様々な屈折率を有する標準液試薬(MORITEX社製カーギル標準屈折率液)を用いて行い、前記混合液が透明になったときの標準液試薬の屈折率を各粒子の屈折率とした。
樹脂の屈折率は、フィルム状に成形したものを準備し、アッベ屈折計により、波長589nmにて測定した。
可塑剤の屈折率は、常温で固体の場合は樹脂と同様にフィルム状に成形したものを準備し、アッベ屈折計により、波長589nmにて測定した。常温で液体の場合は、そのままアッベ屈折計により、波長589nmにて測定した。
一対の5cm角のガラス基板を用意した。実施例及び比較例で得られた複層物から、PETフィルムを剥離し、吸湿性樹脂フィルムを得た。吸湿性樹脂フィルムを一対のガラス基板の間に設け、(ガラス基板)/(吸湿性樹脂フィルム)/(ガラス基板)の層構成を有するサンプルを得た。サンプルをロールラミネータに通過させることにより、サンプルに加圧処理を施した。加圧の条件は、ロール温度110℃、ロールラミネータ圧力0.3MPaとした。加圧処理後、サンプルの内部ヘイズを濁度計(日本電色社製「NDH-2000」)を用いて測定した。
(P1−1.水素化ブロック共重合体の製造)
芳香族ビニル化合物としてスチレンを用い、鎖状共役ジエン化合物としてイソプレンを用いて、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合したトリブロック構造を有する、ブロック共重合体の水素化物(水素化ブロック共重合体)を、以下の手順により製造した。
その後、更に、脱水スチレンを25.0部加え、同温度で60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。
次いで、反応液にイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させて、ブロック共重合体を含む溶液(i)を得た。
得られた溶液(i)中のブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は44,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.03であった。
(P1−1)で得られたペレット(v)100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部及びジ−t−ブチルパーオキサイド0.2部を添加し、混合物を得た。この混合物を、二軸押出し機を用いて、バレル温度210℃、滞留時間80秒〜90秒で混練した。混練された混合物を押し出し、ペレタイザーでカットして、水素化ブロック共重合体のシラン変性物のペレット(vi)を得た。このペレット(vi)からフィルム状の試験片を作製し、ガラス転移温度Tgを動的粘弾性測定装置のtanδピークで評価したところ、124℃であった。またこのペレット(vi)の40℃以上200℃以下におけるtanδのピーク値は1.3であった。このペレット(vi)の、23℃におけるヤング率は0.5GPaであり、引張伸びは550%であった。また、このペレット(vi)のアッベ屈折計により測定した屈折率(n1)は1.50であった。
非極性の溶媒を用いた吸湿性粒子分散液の調製(工程A)、非極性の溶媒を用いた重合体溶液の調製(工程B)、及びこれら二液の混合(工程C)を含む製造方法により、吸湿性樹脂フィルムの製造を行った。
一次粒子の数平均粒子径50nmのゼオライト粒子(屈折率1.5)10g、塩基性吸着基をもつ分散剤(水酸基含有カルボン酸エステル、商品名「DISPERBYK108」、ビックケミー社製、以下において同じ)4g、及びシクロヘキサン186gを、ビーズミルにて混合し、分散させた。この操作により、5%のゼオライト分散液を調製した。
製造例1で得たペレット(vi)25.2g及び可塑剤(脂肪族炭化水素重合体を含む可塑剤、製品名日石ポリブテンLV-100、新日本石油株式会社製、屈折率1.50、数平均分子量500)10.8gを、シクロヘキサン164gに混合し、溶解させた。この操作により、固形分18%の重合体溶液を調製した。
(1−1)で得たゼオライト分散液及び(1−2)で得た重合体溶液を等量秤量し、これらを混合し、混合液を調製した。混合液を、PETフィルム(離型処理PETフィルム、商品名MRV38、三菱樹脂株式会社製、以下において同じ)上にアプリケータを用いて塗布し、110℃のホットプレートで3分乾燥させた。これにより、PETフィルムと、その上に形成された吸湿性樹脂フィルムとを含む複層物を得た。複層物における吸湿性樹脂フィルムは、厚み10μmであり、その中に分散したゼオライト粒子を20%含んでいた。吸湿性樹脂フィルムは、凝集物を含まず、良好な面状を有していた。複層物における吸湿性樹脂フィルムの内部ヘイズを測定したところ、0.7%であった。
非極性の溶媒を用いた吸湿性粒子分散液の調製(工程A)、非極性の溶媒を用いた重合体溶液の調製(工程B)、及びこれら二液の混合(工程C)を含む製造方法により、吸湿性樹脂フィルムの製造を行った。
一次粒子の数平均粒子径190nmのゼオライト粒子(屈折率1.5)10g、塩基性吸着基をもつ分散剤1.5g、及びシクロヘキサン188.5gを、ビーズミルにて混合し、分散させた。この操作により、5%のゼオライト分散液を調製した。
製造例1で得たペレット(vi)38.5gを、シクロヘキサン161.5gに混合し、溶解させた。この操作により、固形分19.3%の重合体溶液を調製した。
(2−1)で得たゼオライト分散液及び(2−2)で得た重合体溶液を等量秤量し、これらを混合し、混合液を調製した。混合液を、PETフィルム上にアプリケータを用いて塗布し、110℃のホットプレートで3分乾燥させた。これにより、PETフィルムと、その上に形成された吸湿性樹脂フィルムとを含む複層物を得た。複層物における吸湿性樹脂フィルムは、厚み10μmであり、その中に分散したゼオライト粒子を20%含んでいた。吸湿性樹脂フィルムは、凝集物を含まず、良好な面状を有していた。複層物における吸湿性樹脂フィルムの内部ヘイズを測定したところ、1.0%であった。
溶媒を用いない、樹脂及び吸湿性粒子の一括混練を含む製造方法により、吸湿性樹脂フィルムの製造を行った。
極性の溶媒を用いた吸湿性粒子分散液の調製、非極性の溶媒を用いた重合体溶液の調製、及びこれら二液の混合を含む製造方法により、吸湿性樹脂フィルムの製造を試みた。
Claims (7)
- 一次粒子径が200nm以下の吸湿性粒子を非極性の溶媒1中に分散させて吸湿性粒子分散液を得る工程Aと、
重合体を、前記溶媒1と相溶性を有する非極性の溶媒2中に溶解させて重合体溶液を得る工程であって、前記重合体は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、その水素化物、これらと極性基を有する単量体とのグラフト重合により得られる構造を有する重合体、及びこれらの混合物からなる群より選択されるものである工程Bと、
前記吸湿性粒子分散液と前記重合体溶液とを混合して混合液を作製する工程Cと、
前記混合液を基材上に塗布し、乾燥させる工程Dと
を含む、吸湿性樹脂フィルムの製造方法。 - 前記工程Aが、前記溶媒1に分散剤を添加することを含み、前記分散液が、分散剤を含む、請求項1に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
- 吸湿性樹脂フィルムのヘイズが3%未満である、請求項1又は2に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
- 前記重合体が、極性基を有する重合体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
- 前記極性基を有する重合体が、極性基含有単位を含むグラフト重合体である、請求項4に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
- 前記重合体が、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の水素化物、それと極性基を有する単量体とのグラフト重合により得られる構造を有する重合体、及びこれらの混合物からなる群より選択されるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
- 前記芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素化物が、芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体における共役ジエンの不飽和結合及び芳香環の両方を水素化してなる構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸湿性樹脂フィルムの製造方法。
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