JP2019131583A - イオン性液体中において1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを製造する方法 - Google Patents

イオン性液体中において1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)を高い率で生成させるプロセスの提供。【解決手段】1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料を、単独か又は組み合わせて、液相反応器内においてイオン性液体の存在下でフッ化水素と反応させることを含む、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの形成方法。【選択図】なし

Description

本出願は、2013年10月15日出願の同じ出願人に所有されて共に係属している米国仮特許出願61/891,184(その開示事項を参照として本明細書中に包含する)に対する国内優先権を主張する。
本発明は、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料を、単独か又は組み合わせてイオン性液体中でフッ素化することによって、ヒドロクロロフルオロオレフィン、特に1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)を製造するための方法及びシステムに関する。
クロロフルオロカーボン(CFC)をベースとする化学物質は、中でも冷媒、エアゾール噴射剤、発泡剤、及び溶媒としてなどの種々の異なる用途において産業界で広く用いられている。しかしながら、幾つかのCFCは地球のオゾン層を破壊すると思われている。したがって、CFCに代わるものとしてより環境に優しい代替物が導入されている。例えば、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)は、フォーム発泡剤及び溶媒のような幾つかの工業用途のために好ましい物理特性を有すると認識されており、したがってこれらの用途のために従来用いられていたCFCに対する良好な代替物であると考えられている。残念なことに、現在では、HFC−245faなどの幾つかのヒドロフルオロカーボンを工業用途において用いることは、地球温暖化の原因になると考えられている。したがって、より環境に優しいヒドロフルオロカーボンに対する代替物が現在探し求められている。
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン化合物(HCFO−1233zd又は簡単に1233zd)としても知られる)は、発泡剤及び溶媒としての使用などの幾つかの用途においてHFC−245faの代わりに用いるための候補物質である。HCFO−1233zdは、シス又はZ異性体、及びトランス又はE異性体を有する。これらの2つの異性体の間の物理特性の違いにより、純粋な1233zd(E)、純粋な1233zd(Z)、又は2つの異性体の幾つかの混合物は、冷媒、噴射剤、発泡剤、溶媒としての特定の用途のため、又は他の用途のために好適である可能性がある。
1233zdを合成する方法は公知である。例えば、WO−97/24307においては、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)のフッ化水素(HF)との気相反応によって1233zdを製造する方法が開示されている。しかしながら、このプロセスは比較的低い収率の1233zdを生成する。
米国公開20120059199においては、HCC−240faをHFと非接触液相反応させて1233zdを生成させることが開示されている。米国特許6,844,475においては、HCC−240faをHFと接触液相反応させて、1233zdをより高い収率で生成させることが記載されている。しかしながら、フッ素化触媒を存在させることによって、重質副生成物、オリゴマー、及びタールの形成が促進され、これらは時間経過と共に反応器内に蓄積され、触媒の希釈及び触媒の失活を引き起こし、これにより、これらの副生成物を定期的に反応器から取り除くための過度の休止時間のために生産性の減少がもたらされる。
WO−97/24307 米国公開20120059199 米国特許6,844,475
したがって、1233zdを高い率で生成させるプロセスに対する必要性が未だ存在する。本発明はこの必要性を満足する。
本発明は、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料を、単独か又は組み合わせてイオン性液体(これによって、出発材料とフッ化水素(HF)との間の溶解及び反応が促進される)の存在下でフッ素化することによって、HCFO−1233zdを製造するための非接触反応が直面している問題を解決するものである。
而して一態様においては、本発明は、
(a)1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料を、単独か又は組み合わせて、液相反応器内において、I、Br、Cl、F、(HF)(ここで、n=1.0〜4.0である)、及びこれらの組合せから選択されるアニオン、並びにアンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、チアゾリウム、トリアゾリウム、オキサゾリウム、ピラゾリウム、及びこれらの組合せから選択されるカチオンを有するイオン性液体の存在下で、触媒を用いるか又は用いないで無水フッ化水素と反応させて、HCFO−1233zd(E)、HCFO−1233zd(Z)、HF、及びHClを含む生成物流を生成させ;
(b)場合によっては、工程(a)によって生成するHClを除去し;
(c)工程(b)の後に存在するHFを回収し;そして
(d)工程(c)の結果物から、HCFO−1233zd(E)、HCFO−1233zd(Z)、又は両方を蒸留によって回収する;
ことを含むHCFO−1233zdの製造方法を提供する。
他の態様においては、本発明は、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料を、単独か又は組み合わせて、液相反応器内においてイオン性液体の存在下でフッ化水素と反応させることを含む、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)の形成方法に関する。
幾つかの態様においては、出発材料は1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)を含む。幾つかの態様においては、出発材料は1,1,3,3−テトラクロロプロペンを含む。幾つかの態様においては、出発材料は1,1,1,3−テトラクロロプロペンを含む。幾つかの態様においては、出発材料は、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料の2つ又は3つの混合物を含む。
幾つかの態様においては、フッ化水素は無水である。
幾つかの態様においては、イオン性液体は、I、Br、Cl、F、(HF)(ここで、n=1.0〜4.0である)、及びこれらの組合せからなる群から選択されるアニオンを含む。幾つかの態様においては、イオン性液体中のアニオンは外部からプロセス中に導入する。幾つかの態様においては、イオン性液体中のアニオンはin-situで
生成させる。幾つかの態様においては、アニオン(HF)(ここで、n=1.0〜4.0である)は、反応器内におけるアニオンとしてClを有するイオン性液体とHFの相互作用によって形成される。
幾つかの態様においては、イオン性液体は、アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、チアゾリウム、トリアゾリウム、オキサゾリウム、ピラゾリウム、及びこれらの組合せからなる群から選択されるカチオンを含む。幾つかの態様においては、イオン性液体は、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−プロピルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1,3−ジ−n−ブチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−エチルイミダゾリウム、3−メチル−2−エチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチルイミダゾリウム、3,4−ジメチルイミダゾリウム、3−ブチル−4−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジブチル−2−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、及びこれらの組合せからなる群から選択されるイミダゾリウムカチオンを含む。
幾つかの態様においては、存在する出発材料の量に対する用いるイオン性液体の量は、約0.001〜約10モル%である。幾つかの態様においては、存在する出発材料の量に対する用いるイオン性液体の量は、約0.01〜約5モル%である。幾つかの態様においては、存在する出発材料の量に対する用いるイオン性液体の量は、約0.05〜約5モル%である。
理論に縛られることは望まないが、ここで規定するイオン性液体(アニオン及びカチオン)は、HFとのそれらの相溶性の観点で選択されている。240faとHFは互いに可溶でないので、選択されたイオン性液体によって、そうでなければ可能ではない反応物質を一緒に混合することが可能になるので、本発明の反応が機能すると考えられる。選択されたイオン性液体を用いることは、これらのイオン性液体によって240fa(及び更には他の有機反応物質)とHFとの間の溶解が促進されるので、反応を促進すると考えられる。
幾つかの態様においては、反応においてフッ素化触媒を用いる。幾つかの態様においては、触媒はルイス酸触媒から選択される。幾つかの態様においては、ルイス酸触媒は、TiCl、SnCl、SbCl、TaCl、AlCl、FeCl、及びこれらの組合せからなる群から選択される。幾つかの態様においては、触媒はTiClを含む。幾つかの態様においては、フッ素化反応は触媒を用いないで行う。
幾つかの態様においては、フッ素化反応は、撹拌液相フッ素化反応器内において連続モードで行う。幾つかの態様においては、フッ素化反応は、撹拌液相フッ素化反応器内において半バッチモードで行う。
幾つかの態様においては、出発材料に対するHFのモル比は3:1〜30:1の範囲である。幾つかの態様においては、出発材料に対するHFのモル比は5:1〜20:1の範囲である。幾つかの態様においては、出発材料に対するHFのモル比は10:1〜15:1の範囲である。
幾つかの態様においては、反応温度範囲は50℃〜200℃である。幾つかの態様においては、反応温度範囲は80℃〜160℃である。幾つかの態様においては、反応温度範囲は90℃〜150℃である。
本発明の他の態様は、次の:
(a)1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料を、単独か又は組み合わせて、イオン性液体の存在下で、HFを用いて、同時に副生成物のHCl及び生成物の1233zd(E+Z)を取り出しながらフッ素化し;
(b)副生成物のHClを分離及び精製し;
(c)過剰のHFを分離して工程(a)に戻し;そして
(d)最終生成物の1233zd(E)、1233zd(Z)、又はこれらの2つの異性体の混合物を精製する;
工程を含む、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)の形成方法である。
幾つかの態様においては、工程(a)は連続モードで行う。幾つかの態様においては、工程(a)は半バッチモードで行う。幾つかの態様においては、工程(a)は触媒を用いて行う。幾つかの態様においては、工程(a)は触媒を用いないで行う。
上記の一般的な記載及び以下の詳細な記載は両方とも例示及び例証のみのものであり、特許請求する発明を限定するものではないことを理解すべきである。他の態様は、明細書及びそこに開示されている発明の実施を考察することによって当業者に明らかになるであろう。
本発明の任意の特定の形態及び/又は態様に関して本明細書に記載する任意の特徴を、組合せの適合性を確保するために適当な場合には修正を加えて、本明細書に記載する本発明の任意の他の形態及び/又は態様の1以上の任意の他の特徴と組み合わせることができることは、本発明が関係する技術の当業者によって認識される。かかる組合せは本開示によって意図される本発明の一部であるとみなされる。
本発明は、概して、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料を、単独か又は組み合わせて、イオン性液体の存在下で、触媒を用いるか又は用いないで、(E)1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(E))/(Z)1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(Z))と、副生成物としてHClを生成させるのに有効な条件下で無水HFによってフッ素化する、1233zdを製造するための新規な方法として記載するこ
とができる。
幾つかの態様においては、好ましい出発材料は1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)を含む。幾つかの態様においては、好ましい出発材料は1,1,3,3−テトラクロロプロペンを含む。幾つかの態様においては、好ましい出発材料は1,1,1,3−テトラクロロプロペンを含む。幾つかの態様においては、好ましい出発材料はこれらの出発材料の2つ又は3つの混合物を含む。
イオン性液体(IL)は、液体状態の塩である。幾つかの文脈においては、この用語は、その融点が100℃のような幾つかの任意の温度よりも低い塩に限定される。水及びガソリンのような通常の液体は主として電気的に中性の分子から構成されているが、イオン性液体は、主としてイオン及び短寿命のイオン対から構成されている。これらの物質は、液体電解質、イオン溶融体、イオン流体、融解塩、液体塩、又はイオンガラスと種々に呼ばれる。本発明の目的のためには、イオン性液体は、有機反応物質とHFとの間の溶解及び反応を促進する物質である。
イオン性液体中に含まれるアニオンは、I、Br、Cl、F、(HF)(ここで、n=1.0〜4.0である)、及びこれらの組合せから選択される。アニオンは、外部からプロセス中に導入するか、或いはin-situで生成させることができる。例え
ば、(HF)(ここで、n=1.0〜4.0である)は、反応器内におけるアニオンとしてClを有するイオン性液体とHFの相互作用によって形成することができる。
イオン性液体中に含まれるカチオンは、アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、チアゾリウム、トリアゾリウム、オキサゾリウム、ピラゾリウム、及びこれらの組合せから選択される。好ましいカチオンとしては、アンモニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、及びこれらの組合せが挙げられる。より好ましいカチオンとしては、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、及びこれらの組合せが挙げられる。最も好ましいカチオンはイミダゾリウムである。イミダゾリウムの非限定的な例としては、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−プロピルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1,3−ジ−n−ブチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−エチルイミダゾリウム、3−メチル−2−エチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチルイミダゾリウム、3,4−ジメチルイミダゾリウム、3−ブチル−4−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジブチル−2−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。同じタイプのカチオンに関しては、より多いアルキル基及びより長いアルキル基を有するカチオンがより好ましい。
所望の反応を行うためには有効量のイオン性液体を用いなければならず、かかる量は、反応物質、プロセス条件、及びイオン性液体を選択したら、限られた実験によって決定することができる。通常は、存在する出発材料の量に対する用いるイオン性液体の量は、約0.001〜約10モル%、例えば約0.01〜約5モル%、或いは例えば約0.05〜
約5モル%である。
幾つかの態様においては、触媒の選択肢は公知のルイス酸触媒から選択される。好ましい触媒は、TiCl、SnCl、SbCl、TaCl、AlCl、又はFeClであり、TiClがより好ましい。幾つかの態様においては、最も好ましい選択肢は、触媒を用いないで反応器を運転することである。
フッ素化反応は、撹拌液相フッ素化反応器内で行うことができる。必要量のイオン性液体、HF、及びHCC−240faのような出発材料をフッ素化反応器に充填することができ、反応は撹拌を維持しながら所望の反応温度に加熱することによって直ちに開始させることができる。その後、フッ素化反応器へのHF及び出発材料の連続流を直ちに開始して、連続反応を行う。出発材料に対するHFのモル比は、3:1〜30:1、好ましくは5:1〜20:1、より好ましくは10:1〜15:1の範囲であってよい。
或いは、HCC−240faのような出発材料、及びイオン性液体をバッチ充填として加えることができ、次にHFを反応器に徐々に加えることができる(即ち、半バッチ運転)。或いは、HF及びイオン性液体をバッチ充填として加えることができ、次に出発材料を反応器に徐々に加えることができる(即ち、半バッチ運転)。
反応を運転条件、特に50℃〜200℃、より好ましくは80℃〜160℃、最も好ましくは90℃〜150℃の温度範囲下に維持することによって、1233zd(Z)に対する1233zd(E)の高い比が生起することが見出された。
反応圧力に関しては特に制限はなく、言い換えれば反応は大気圧下又は昇圧下で行うことができるが、HF、HCC−240faのような出発材料、及び部分フッ素化中間体(例えば、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロパン(241fa)、1,3,3−トリクロロ−3−フルオロプロペン(1231zd)、1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオロプロパン(242fa)、1,3−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(1232zd)、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン(243fa)のバルクを少なくとも反応中に液体状態に維持することが所望の場合には、昇圧において運転することが必要である可能性がある。反応を昇圧下において行う場合には、有用な圧力は約0〜約600psigである。幾つかの態様においては、より好ましい圧力範囲は200psig〜500psigであり、最も好ましい圧力範囲は300psig〜450psigである。
幾つかの態様においては、製造プロセスは4つの主要単位操作を含む。これらの操作単位及び/又はそこにおける反応は、(1)HFを用い、イオン性液体の存在下において、触媒を用いるか又は用いずに、副生成物のHCl及び生成物の1233zd(E+Z)を同時に取り出しながら、HCC−240faのような出発材料を(連続又は半バッチモードで)フッ素化反応させ;(2)副生成物のHClを分離及び精製し;(3)過剰のHFを分離して(1)に戻し;そして(4)最終生成物の1233zd(E)、1233zd(Z)、又はこれらの2つの異性体の混合物を精製する;ことを含む。
本発明の実施において、反応器は、ハステロイ−C、インコネル、モネル、インカロイ、又はフルオロポリマーライニング鋼製容器のようなHF及びHClの腐食作用に抵抗性の材料から構成する。反応器には撹拌機を装備する。かかる液相フッ素化反応器は当該技術において周知である。反応器には、HF、並びに部分フッ素化中間体(例えば、241fa、1231zd、242fa、1232zd、及び243fa等)のバルクを保持しながら、所望の生成物を(副生成物のHCl、微量の過フッ素化副生成物(例えば、244fa、1234ze(E+Z)、245fa等)、並びに共沸混合物を形成するのに十
分な無水フッ化水素(AHF)と一緒に)排出することを可能にする随意的な精留カラムを更に装備する。精留カラムは凝縮器を装備した充填管であり、この工程は、凝縮器の温度を約20℃〜約100℃の範囲に調節することによって行う。精留カラムの最適な運転を有効にするためには、冷却剤の適切な温度制御、及び十分な還流作用が望ましい。
反応及び随意的な精留カラムに関して良好に作用することを本発明者らが見出した一般的な運転条件は、精留カラムからの排出流に対する制御バルブによって維持される100〜500psigの運転圧力;主として反応器ジャケット中への水蒸気流によって供給される60℃〜180℃の反応器温度;還流を誘発するための精留カラムの頂部上の熱交換器への−40℃〜35℃のブライン冷却の適用;反応器内のものよりも約5℃〜60℃低いストリッパーの中央部分における温度;高圧水蒸気によってHF供給流を70℃〜180℃に過熱することによる更なる入熱;である。
反応器、又はフッ素化反応器に取り付けられている随意的な精留カラムの頂部から排出され、主として1233zd(E)、1233zd(Z)、HF、及びHCl(並びに、240faのような未転化の出発材料、部分フッ素化中間体/副生成物、過フッ素化副生成物などの幾つかの少量成分)を含む気体流は、次に場合によっては(しかしながら好ましくは)HCl蒸留カラムに供給して、反応混合物から比較的純粋なHClを取り出す。HClカラムの圧力は、反応器のものに合致させることが好ましい。次に、低温HCl蒸留カラムを用いて、HClを精製して販売するために回収(又は更に精製)することができる。或いは、高純度のHClを単離して、販売するために濃HCl水溶液として脱イオン水中に吸収させる。
HClカラムから排出される実質的にHClを含まない有機化合物/HF混合物は、場合によっては蒸留カラムに供給して重質反応生成物を取り出し、その後に得られる混合物を硫酸吸収器に導入する。このカラムの圧力は、好ましくは約200psig以下、より好ましくは約150psig以下、最も好ましくは約100psig以下に維持する。蒸留カラムの塔頂流は、HCFO−1233zd(E)、HCFO−1233zd(Z)、微量の軽質有機化合物、例えば1234ze(E+Z)、及び共沸混合物を形成するのに必要な量よりも多い量の無水フッ化水素を含む。蒸留カラムの塔底留分は、再循環可能な重質物及び再循環できない重質物を含む。240fa、241fa、1231zd、242fa、1232zd、及び243faのような再循環可能な重質物は、フッ素化反応器に再循環して戻す。再循環できない重質物は廃棄する。
幾つかの態様においては、実質的にHClを含まない有機化合物/HF混合物は、この混合物からHFを取り出すために硫酸抽出器または相分離器に供給する。HFは、硫酸中に溶解するか、又は有機混合物から相分離する。硫酸吸着システムを用いる態様に関しては、硫酸は、好ましくは、フッ化水素に対する硫酸の重量比が約1:1〜約10:1の範囲になるように加える。より好ましくは、この重量比は約1:1〜約8:1、最も好ましくは約2:1〜約4:1の範囲である。次にストリッピング蒸留によって硫酸/HF混合物からHFを脱着して、フッ素化反応器に再循環して戻す。
相分離器を用いる態様に関しては、好ましくは、約−20℃〜約100℃、より好ましくは約−10℃〜約60℃、最も好ましくは約0℃〜約40℃の温度において抽出を行う。次に、HFを相分離して、フッ素化反応器に再循環して戻す。硫酸抽出器の塔頂、又は相分離器の塔底層のいずれかからの有機混合物は、それを生成物単離のための次の単位操作に送る前に、微量のHFを取り出すために処理(スクラビング又は吸着)する必要がある可能性がある。
幾つかの態様においては、異性体の1233zd(E)及び1233zd(Z)を、2
つの生成物として単離する。酸を含まない粗生成物は、まず蒸留カラムに送って、カラムの頂部から1233zd(E)を、1233zd(E)よりも低い沸点を有する幾つかの軽質成分と一緒に排出し、一方、カラムの底部から1233zd(Z)を、1233zd(Z)よりも高い沸点を有する幾つかの重質成分と一緒に排出する。次に、塔頂流及び塔底流を、更なる精製のために2つの別々のカラムに送って、1233zd(E)及び1233zd(Z)生成物を得る。
以下の実施例は本発明を更に示すために与えるものであり、本発明の限定として解釈すべきではない。
実施例1:イオン性液体の存在下におけるHCC−240faのフッ素化:
1ガロンの撹拌ハステロイ−C−Parr反応器を用い、反応をバッチモードで運転した。300グラムのAHF、及び250グラムのHCC−240fa(1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン)(HF:240faのモル比=13.0:1)、並びに6グラムのEMIm(HF)2.3F(EMImは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを指す
)イオン性液体(240faの量に対して約3.0モル%)を、室温において反応器に充填した。次に撹拌機を始動して、反応器の内容物がよく混合されることを確保した。次に、反応器を所望の温度に加熱した。加熱すると、フッ素化反応の結果としてHCl副生成物が生成するにつれて圧力が上昇し始めた。反応器を約110℃に数時間かけて加熱し、その温度に保持した。圧力は、反応中に生成するHClをドライアイストラップ(DIT)に排気することによって、275psig〜350psigの範囲に制御した。
約8時間後に反応が完了(HCl生成の欠落によって求められる)したら、反応器から圧力をDIT中に排気した。DITからの粗生成物を、約400グラムの水と共に1Lのモネル吸収シリンダー(ドライアイス中で冷凍)中に移した。吸収シリンダーを室温に加温し、シリンダー内で形成された有機層(排出すると、シリンダー内には水性層と有機層が存在していた)の試料を採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)によって分析した。GCの結果は、3.0GC%の245fa、93.0GC%の1233zd(E)、0.2GC%の244fa、3.0GC%の1233zd(Z)を示した。その後、異なる相の更なる分析によって回収された有機化合物の量を定量したところ、約80グラムであった。
反応器を約400グラムの水でクエンチしてHF及びHClを吸収し、次に約100グラムの四塩化炭素を加えることによって、排気した後に反応器内に残留していた有機化合物を回収した。次に、反応器を開放し、その内容物をプラスチックボトル中に排出した。分別漏斗を用いて、有機化合物を水性相から分離した。反応器に加えたCClの重量を回収した有機相の全重量から減じることによって反応器から回収される重質物の量を計算したところ、約100グラムであった。有機層のGC/MS及びGC分析によって、過小フッ素化種のHCFC−241fa(94.0GC%)、HCFC−242fa(2.0GC%)、及び出発材料のHCC−240fa(4.0GC%)に帰属する3つの別個のピークが示された。
実施例2:イオン性液体の存在下におけるHCC−240faのフッ素化:
6gのEMIm(HF)F(EMImは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを指す)イオン性液体を用いたことを除いて、全ての条件は実施例1と同じであった。反応は同じParr反応器内で行い、実施例1に記載したものと同じ手順にしたがった。
約8時間後に反応が完了(HCl生成の欠落によって求められる)したら、反応器から圧力をDIT中に排気した。DITからの粗生成物を、約400グラムの水と共に1Lの
モネル吸収シリンダー(ドライアイス中で冷凍)中に移した。吸収シリンダーを室温に加温し、シリンダー内で形成された有機層(排出すると、シリンダー内には水性層と有機層が存在していた)の試料を採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)によって分析した。GCの結果は、2.5GC%の245fa、93.3GC%の1233zd(E)、0.2GC%の244fa、3.2GC%の1233zd(Z)を示した。その後、異なる相の更なる分析によって回収された有機化合物の量を定量したところ、約80グラムであった。
反応器を約400グラムの水でクエンチしてHF及びHClを吸収し、次に約100グラムの四塩化炭素を加えることによって、排気した後に反応器内に残留していた有機化合物を回収した。次に、反応器を開放し、その内容物をプラスチックボトル中に排出した。分別漏斗を用いて、有機化合物を水性相から分離した。反応器に加えたCClの重量を回収した有機相の全重量から減じることによって反応器から回収される重質物の量を計算したところ、約100グラムであった。有機層のGC/MS及びGC分析によって、過小フッ素化種のHCFC−241fa(94.3GC%)、HCFC−242fa(2.2GC%)、及び出発材料のHCC−240fa(3.5GC%)に帰属する3つの別個のピークが示された。
実施例3:イオン性液体の存在下におけるHCC−240faのフッ素化:
6gのEMImCl(EMImは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを指す)イオン性液体を用いたことを除いて、全ての条件は実施例1と同じであった。反応は同じParr反応器内で行い、実施例1に記載したものと同じ手順にしたがった。
約8時間後に反応が完了(HCl生成の欠落によって求められる)したら、反応器から圧力をDIT中に排気した。DITからの粗生成物を、約400グラムの水と共に1Lのモネル吸収シリンダー(ドライアイス中で冷凍)中に移した。吸収シリンダーを室温に加温し、シリンダー内で形成された有機層(排出すると、シリンダー内には水性層と有機層が存在していた)の試料を採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)によって分析した。GCの結果は、3.2GC%の245fa、92.8GC%の1233zd(E)、0.3GC%の244fa、3.1GC%の1233zd(Z)を示した。その後、異なる相の更なる分析によって回収された有機化合物の量を定量したところ、約80グラムであった。
反応器を約400グラムの水でクエンチしてHF及びHClを吸収し、次に約100グラムの四塩化炭素を加えることによって、排気した後に反応器内に残留していた有機化合物を回収した。次に、反応器を開放し、その内容物をプラスチックボトル中に排出した。分別漏斗を用いて、有機化合物を水性相から分離した。反応器に加えたCClの重量を回収した有機相の全重量から減じることによって反応器から回収される重質物の量を計算したところ、約100グラムであった。有機層のGC/MS及びGC分析によって、過小フッ素化種のHCFC−241fa(93.7GC%)、HCFC−242fa(2.3GC%)、及び出発材料のHCC−240fa(4.2GC%)に帰属する3つの別個のピークが示された。
比較例1:イオン性液体の不存在下におけるHCC−240faのフッ素化:
この実験は、実施例1に記載したものと同じ1ガロンの撹拌ハステロイ−C−Parr反応器を用い、同様にバッチモードで運転した。300グラムのAHF、及び250グラムのHCC−240fa(1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン)(HF:240faのモル比=13.0:1)を、室温において反応器に充填した。次に撹拌機を始動して、反応器の内容物がよく混合されることを確保した。次に、反応器を所望の温度に加熱した。加熱すると、フッ素化反応の結果としてHCl副生成物が生成するにつれて圧力が上昇
し始めた。反応器を約110℃に数時間かけて加熱し、その温度に保持した。圧力は、反応中に生成するHClをドライアイストラップ(DIT)に排気することによって、275psig〜350psigの範囲に制御した。
約10時間後に反応が完了(HCl生成の欠落によって求められる)したら、反応器から圧力をDIT中に排気した。DITからの粗生成物を、約400グラムの水と共に1Lの1Lのモネル吸収シリンダー(ドライアイス中で冷凍)中に移した。吸収シリンダーを室温に加温し、シリンダー内で形成された有機層(排出すると、シリンダー内には水性層と有機層が存在していた)の試料を採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)によって分析した。GCの結果は、4.5GC%の245fa、90.6GC%の1233zd(E)、0.2GC%の244fa、2.9GC%の1233zd(Z)を示した。その後、異なる相の更なる分析によって回収された有機化合物の量を定量したところ、約75グラムであった。
反応器を約400グラムの水でクエンチしてHF及びHClを吸収し、次に約100グラムの四塩化炭素を加えることによって、排気した後に反応器内に残留していた有機化合物を回収した。次に、反応器を開放し、その内容物をプラスチックボトル中に排出した。分別漏斗を用いて、有機化合物を水性相から分離した。反応器に加えたCClの重量を回収した有機相の全重量から減じることによって反応器から回収される重質物の量を計算したところ、約100グラムであった。有機層のGC/MS及びGC分析によって、過小フッ素化種のHCFC−241fa(91.0GC%)、HCFC−242fa(0.8GC%)、及び出発材料のHCC−240fa(8.2GC%)に帰属する3つの別個のピークが示された。
本明細書において用いる単数形の「a」、「an」、及び「the」は、記載が他に明確に示していない限りにおいて、複数のものを包含する。更に、量、濃度、又は他の値若しくはパラメーターを、範囲、好ましい範囲、又はより高い好ましい値とより低い好ましい値のリストのいずれかとして与える場合には、これは、範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意のより高い範囲限界又は好ましい値と、任意のより低い範囲限界又は好ましい値の任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示すると理解すべきである。明細書において数値の範囲が示されている場合には、他に示されていない限りにおいて、この範囲はその端点及びこの範囲内の全ての整数及び小数を含むと意図される。本発明の範囲を、範囲を規定する際に示される具体的な値に限定することは意図しない。
上記の記載は本発明の例示のみのものであると理解すべきである。種々の代替及び修正は、本発明から逸脱することなく当業者によって想到しうる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内の全てのかかる代替、修正、及び変更を包含すると意図される。
上記の記載は本発明の例示のみのものであると理解すべきである。種々の代替及び修正は、本発明から逸脱することなく当業者によって想到しうる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内の全てのかかる代替、修正、及び変更を包含すると意図される。
本発明は以下の態様を含む。
[1]
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料を、単独か又は組み合わせて、液相反応器内においてイオン性液体の存在下でフッ化水素と反応させることを含む、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)の形成方法。
[2]
出発材料が、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料の2つ又は3つの混合物を含む、[1]に記載の方法。
[3]
イオン性液体が、I、Br、Cl、F、(HF)(ここで、n=1.0〜4.0である)、及びこれらの組合せからなる群から選択されるアニオンを含む、[1]に記載の方法。
[4]
イオン性液体中のアニオンを外部からプロセス中に導入する、[3]に記載の方法。
[5]
イオン性液体中のアニオンをin-situで生成させる、[3]に記載の方法。
[6]
アニオン(HF)(ここで、n=1.0〜4.0である)が、反応器内におけるアニオンとしてClを有するイオン性液体とHFの相互作用によって形成される、[3]に記載の方法。
[7]
イオン性液体が、アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、チアゾリウム、トリアゾリウム、オキサゾリウム、ピラゾリウム、及びこれらの組合せからなる群から選択されるカチオンを含む、[1]に記載の方法。
[8]
イオン性液体が、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−プロピルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1,3−ジ−n−ブチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−エチルイミダゾリウム、3−メチル−2−エチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチルイミダゾリウム、3,4−ジメチルイミダゾリウム、3−ブチル−4−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジブチル−2−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、及びこれらの組合せからなる群から選択されるイミダゾリウムカチオンを含む、[1]に記載の方法。
[9]
存在する出発材料の量に対する用いるイオン性液体の量が約0.001〜約10モル%である、[1]に記載の方法。
[10]
TiCl、SnCl、SbCl、TaCl、AlCl、FeCl、及びこれらの組合せからなる群から選択されるフッ素化触媒を更に含む、[1]に記載の方法。

Claims (10)

  1. 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料を、単独か又は組み合わせて、液相反応器内においてイオン性液体の存在下でフッ化水素と反応させることを含む、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)の形成方法。
  2. 出発材料が、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、及び1,1,1,3−テトラクロロプロペンからなる群から選択される出発材料の2つ又は3つの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. イオン性液体が、I、Br、Cl、F、(HF)(ここで、n=1.0〜4.0である)、及びこれらの組合せからなる群から選択されるアニオンを含む、請求項1に記載の方法。
  4. イオン性液体中のアニオンを外部からプロセス中に導入する、請求項3に記載の方法。
  5. イオン性液体中のアニオンをin-situで生成させる、請求項3に記載の方法。
  6. アニオン(HF)(ここで、n=1.0〜4.0である)が、反応器内におけるアニオンとしてClを有するイオン性液体とHFの相互作用によって形成される、請求項3に記載の方法。
  7. イオン性液体が、アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、チアゾリウム、トリアゾリウム、オキサゾリウム、ピラゾリウム、及びこれらの組合せからなる群から選択されるカチオンを含む、請求項1に記載の方法。
  8. イオン性液体が、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−プロピルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1,3−ジ−n−ブチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−エチルイミダゾリウム、3−メチル−2−エチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチルイミダゾリウム、3,4−ジメチルイミダゾリウム、3−ブチル−4−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジブチル−2−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、及びこれらの組合せからなる群から選択されるイミダゾリウムカチオンを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 存在する出発材料の量に対する用いるイオン性液体の量が約0.001〜約10モル%である、請求項1に記載の方法。
  10. TiCl、SnCl、SbCl、TaCl、AlCl、FeCl、及びこ
    れらの組合せからなる群から選択されるフッ素化触媒を更に含む、請求項1に記載の方法。
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