本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。本発明はまた、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る容器について、図1〜図3を用いて説明する。
また、図1の(a)〜(d)を用いて、容器が備える構成を説明する。図1の(a)は、本発明の一実施形態に係る容器を一方向からみた斜視図であり、具体的には上面部10側から見た斜視図である。図1の(b)は本発明の一実施形態に係る容器を別の一方向からみた斜視図であり、具体的には下面部30側から見た斜視図である。図1の(a)および(b)に示すように、容器は、蓋体1および底体3からなる容器本体100を備えており、容器本体100は、平面視で矩形形状である。本明細書では、蓋体1側を上側、かつ、底体3側を下側、とする。ここで、「平面視」とは、容器本体100を上側または下側からみたときの平面図を意味する。
本発明の第1実施形態では、容器は容器本体100から構成されているが、これに限定されるものでなく、容器は容器本体100以外の部材を含んでいてもよい。
(容器本体100)
図1の(a)および(b)に示すように、容器本体100は、上から順に、上面部10、側面部20〜23、および下面部30を備えている。蓋体1は、側面部20〜23のそれぞれの一部分、および上面部10を構成しており、底体3は、側面部20〜23のそれぞれの一部分、および下面部30を構成している。すなわち、側面部20〜23のそれぞれは、蓋体1と底体3とから構成されている。
容器本体100は、上面部10、側面部20〜23、および下面部30が長方形であるが、平面視で矩形形状である限り、これに限定されない。上面部10および下面部30が正方形であってもよく、上面部10、側面部20〜23、および下面部30が正方形であってもよい。
図1の(d)は(a)のA−A線矢視断面図である。図1の(d)に示すように、容器本体100は、内部(内側)に商品収納室40を備えている。商品収納室40は、仕切壁により2つの室に区分されている。そして、それぞれの室に、商品が収納されるようになっている。なお、商品収納室40の構成は特に限定されず、収容する物品(商品)によって適宜設定され得る。容器本体100は、商品収納室40に物品がされた場合、蓋体1を上にした状態で、換言すれば上面部10を上にした状態で、保管または運搬される。
以下、上面部10、側面部20〜23、および下面部30の構成について、さらに詳述する。
(上面部10)
上面部10は、第1の辺11、第2の辺12、第3の辺13、および第4の辺14からなる矩形形状を有している。第1の辺11と第2の辺12とは互いに対向しており、第3の辺13と第4の辺14とは互いに対向している。
ここで、上面部10に対して垂直な方向をX方向とする。X方向は、換言すれば、重力方向に対して180°反転した方向であるともいえる。また、伸長部15の延設方向をY方向とする。Y方向は、X方向に対して垂直であり、また、第1の辺11および第2の辺12に対して垂直な方向である。また、X方向およびY方向の両方に垂直な方向をZ方向とする。Y方向は、第3の辺13および第4の辺14の両方に対して平行である。また、Z方向は、第1の辺11および第2の辺12の両方に対して平行であり、図1の(a)のA−A線方向であるともいえる。容器本体100のZ方向は、容器本体100の幅方向ともいう。
上面部10には、凸状の伸長部15が形成されている。この伸長部15は、上面部10側から見て、前記矩形形状における互いに対向する第1の辺11および第2の辺12の間で連続的に延設されている。
伸長部15は、特に限定されるものではないが、図1の(a)に示すように、第3の辺13および第4の辺14に平行な縁部を避けて設けられていることが好ましい。なお、第3の辺13および第4の辺14は、ともに、Y方向に対して平行な辺でもある。換言すれば、伸長部15は、上面部10のZ方向の両端よりも内側に設けられることが好ましい。
さらに、上面部10は、第1の辺11から第2の辺12に向かう方向(換言すればY方向)における少なくとも一方の端部に凸状ストッパ16を有する。図1の(a)〜(d)に示される構成では、凸状ストッパ16は、伸長部15のY方向の端部の両方に設けられている。そして、伸長部15のY方向の端部から、伸長部15が延びるY方向に対して垂直なZ方向に延設されている。そして、このような凸状ストッパ16が伸長部15の端部に設けられることにより、伸長部15の端部にY方向に対して垂直な壁面16aが形成される。凸状ストッパ16は、Y方向に対して垂直な壁面16aを有する。なお、凸状ストッパ16は、伸長部15が延びるY方向に対して垂直な壁面16aを有する構成に限定されず、Y方向に対して交差する壁面を有していればよい。
容器本体100では、蓋体1が上面部10を備えるため、蓋体1が第1の辺11、第2の辺12、伸長部15、および凸状ストッパ16を有する。
(側面部20〜23)
側面部20は、第3の辺13に沿った側面である。また、側面部21は、第1の辺11に沿った側面である。側面部22は、第4の辺14に沿った側面である。また、側面部23は、第2の辺12に沿った側面である。また、側面部20と側面部22とは互いに対向しており、側面部21と側面部23とは互いに対向している。
容器本体100では、互いに向かい合う一組の側面である、側面部20および22には、凸部24が形成されている。また、互いに向かい合う別の1組の側面である、側面部21および23には、凹部25が設けられている。凹部25は、少なくとも1つの凸部24と嵌合する形状を有する。
具体的に、少なくとも1つの凹部25と少なくとも1つの凸部24とが嵌合する場合を説明する。側面部20と側面部21または側面部23とを接触させて、複数の容器本体100を水平方向に隣接させて配置したときを考える。このとき、側面部20が備える少なくとも1つの凸部24と、側面部21が備える少なくとも1つの凹部25または側面部23が備える少なくとも1つの凹部25とが互いに嵌合する構成となっている。すなわち、容器本体100が備える全ての凸部24が凹部25と嵌合していなくてもよく、すべての凹部25が凸部24と嵌合していなくてもよい。本明細書において、複数の容器本体を水平方向に隣接させて配置することを、「配列」とも称する。
また、容器本体100では、側面部21および23のそれぞれに、切欠き部37が設けられている。この切欠き部37は、ユーザが容器を運搬など移動作業するに際し、ユーザの取手として機能する。
容器本体100では、側面部20〜23のそれぞれは蓋体1および底体3から構成されている。しかし、本発明の一実施形態に係る容器において、4つの側面部20〜23の構成は、容器本体100における蓋体1および底体3の構成に応じて適宜変更可能である。4つの側面部20〜23それぞれは、蓋体のみから構成されてもよく、または底体のみから構成されてもよい。
図1の(a)〜(d)に示された容器本体100では、凸部24および凹部25はそれぞれ、蓋体1および底体3の両方に形成されている。しかし、本発明の一実施形態に係る容器において、容器本体100における蓋体1および底体3の構成に応じて適宜変更可能である。凸部および凹部はそれぞれ、蓋体のみに形成されていてもよく、または底体のみに形成されていてもよい。
また、図1の(a)〜(d)に示された容器本体100では、凸部24および凹部25はそれぞれ、側面部20〜23のそれぞれにおけるX方向の両端にわたって連続的に延設されている。しかし、本発明の一実施形態に係る容器では、凸部24および凹部25は、それぞれ、上述のように互いに嵌合する構成であれば特に限定されず、側面部20〜23のそれぞれにおけるX方向の一部の領域に形成されてもよい。
(下面部30)
図1の(b)に示すように、下面部30は、第1の辺11a、第2の辺12a、第3の辺13a、および第4の辺14aからなる矩形形状を有している。第1の辺11aと第2の辺12aとは互いに対向しており、第3の辺13aと第4の辺14aとは互いに対向している。第1の辺11a、第2の辺12a、第3の辺13a、および第4の辺14aはそれぞれ、上面部10における矩形形状の第1の辺11、第2の辺12、第3の辺13、および第4の辺14と対応する。
下面部30には、溝部33が形成されている。溝部33は、下面部30側から見て、前記矩形形状における互いに対向する第1の辺11aおよび第2の辺12aの間で連続的に延設されている。溝部33は、伸長部15と嵌合する形状を有する。
より具体的には、容器本体100のY方向の中心線C1およびZ方向の中心線C2を一致させるように、複数の容器本体100を鉛直方向に重ねて配置したとき、伸長部15と溝部33とが互いに嵌合する。複数の容器本体100を鉛直方向に重ねて配置したとき、溝部33は、溝部33の全体に渡って伸長部15と嵌合していなくてもよい。本明細書において、上述のように複数の容器本体100を鉛直方向に重ねて配置することを、「段積み」とも称する。
溝部33は、Z方向にて互いに対向する側壁33aを有し、また、溝部33は、その延びる方向(すなわちY方向)において、互いに対向する側壁33aの間隔が内側部分よりも広い幅広部34が形成された少なくとも1つの端部を有する。図1の(a)〜(d)に示される構成では、幅広部34は、溝部33のY方向の端部の両方に設けられている。そして、溝部33のY方向の端部から、溝部33が延びるY方向に対して垂直なZ方向に延設されている。そして、このような幅広部34が溝部33の端部に設けられることにより、溝部33の端部にY方向に対して垂直な壁面35aが形成される。また、溝部33のY方向の端部における幅が広くなる。
また、溝部33は、図1の(b)に示すように、第3の辺13aおよび第4の辺14aに平行な縁部を避けて設けられていることが好ましい。換言すれば、溝部33は、下面部30のZ方向の両端よりも内側に設けられることが好ましい。
下面部30は、第1の辺11aから第2の辺12aへ向かうY方向における少なくとも一方の端部に、凸状ストッパ16と嵌合する形状を有する凹状ストッパ35を有する。より具体的には、容器本体100のY方向の中心線C1およびZ方向の中心線C2を一致させるように、複数の容器本体100を段積みしたとき、凸状ストッパ16と凹状ストッパ35とは、壁面16a及び壁面35aにて嵌合するようになっている。凹状ストッパ35は、上述した幅広部34において、Y方向に対して垂直な方向に形成された壁面35aを有する。なお、凹状ストッパ35は、溝部33が延びるY方向に対して垂直な壁面35aを有する構成に限定されず、Y方向に対して交差する壁面を有していればよい。
図1の(a)〜(d)に示す構成では、幅広部34が凹状ストッパ35を備えた構成となっている。しかし、凹状ストッパ35は、この構成に限定されず、下面部30のY方向における少なくとも一方の端部に配置されていればよく、嵌合する凸状ストッパ16の位置に応じて適宜配置され得る。例えば、凹状ストッパ35は、溝部33のY方向の端部以外の位置に設けられていてもよい。
さらに、下面部30には、下記(a)および(b)の少なくとも何れかの連結部分に傾斜面36が形成されている:(a)第1の辺11aおよび第2の辺12aと平行な2つの側面(側面部21および23)の少なくとも何れかと下面部30との連結部分(連結部分aとも称する);(b)幅広部34と下面部30との連結部分(連結部分bとも称する)。ここで、連結部分aに設けられる傾斜面36を傾斜面36aとし、連結部分bに設けられる傾斜面36を傾斜面36bとする。図1の(b)に示すように、傾斜面36bは、さらに、切欠き部37と下面部30との連結部分(連結部分cとも称する)に設けられてもよい。具体的には、連結部分bは、幅広部34の壁面35aと下面部30との連結部分であり、連結部分cは、切欠き部37の壁面37aと下面部30との連結部分である。
容器本体100では、底体3が下面部30を備えるため、溝部33、幅広部34、および凹状ストッパ35は底体3に設けられている。
下面部30の形状は、特に限定されるものではないが、図1の(a)に示すように、水平方向と平行な平面であることが好ましい。
本発明の実施形態によれば、容器本体100が上述の上面部10、側面部20〜23、および下面部30を有することによって、複数の容器本体100を積載するに際し、複数の容器本体100の配列および段積みを容易に行うことができ、作業性が向上する。以下、容器本体100の段積み作業および配列作業の概要、並びにこれら作業における容器本体100の構成による効果について、説明する。
(段積み作業)
ここで、下位の容器本体100に上位の容器本体100を段積みする場合を例にして、段積み作業について、簡潔に説明する。なお、段積みされた積載物は、結果として、上位の容器本体100の下面部30と下位の容器本体100の上面部10とが接触している。また、上位及び下位の2つの容器本体100において、側面部20〜23はそれぞれ、X方向に略面一に位置決めされた状態となっている。このような段積み作業は、以下の工程a〜工程cの順によって達成され得る。(工程a)上位の容器本体100を下位の容器本体100の上面部10に配置する。このとき、上位の容器本体100の側面部23が下位の容器本体100の側面部23から離間し、かつ上位の容器本体100の側面部20および22が下位の容器本体100の側面部20および22と略面一になるように、上位の容器本体100における下面部30の側面部23側の端部を、下位の容器本体100の上面部10に対し位置決めする。(工程b)上位の容器本体100における下面部30の側面部23側の端部を、下位の容器本体100における上面部10の側面部23側の端部まで摺動させる。(工程c)工程bの後、上位の容器本体100および下位の容器本体100において、側面部23の位置が一致する状態になったとき、上記摺動を停止し、上位の容器本体100を下位の容器本体100の鉛直上方に配置する。ここで、工程aは、下位の容器本体100に対する上位の容器本体100の位置決め工程でもあり、単に「位置決め」とも称する。また、工程bは、摺動工程でもある。段積みについては、詳しく後述する。
(段積み作業における伸長部15および溝部33の効果)
容器本体100は、伸長部15および溝部33を備えることにより、段積み作業おいて、下位の容器本体100に対する上位の容器本体100の位置決めを容易にする利点を有する。伸長部15および溝部33は、互いに嵌合する形状を有する。そして、伸長部15および溝部33が嵌合することにより、下位の容器本体100に対する上位の容器本体100のZ方向(幅方向)の移動が規制される。その結果、下位の容器本体100と上位の容器本体100とにおいて、Z方向の位置が固定される。より具体的には、Z方向において、下位の容器本体100および上位の容器本体100それぞれの両方の端部が略同じ位置になる。それゆえ、上記工程(a)において、下位の容器本体100の伸長部15と上位の容器本体100の溝部33とが互いに嵌合するように配置することにより、Z方向における位置決めが容易となる。
伸長部15および溝部33の形状は、伸長部15および溝部33とが嵌合する限り、特に限定されない。すなわち、伸長部15および溝部33の形状としては、伸長部15および溝部33が嵌合したとき、互いに嵌合面が全て接触する形状である必要はない。伸長部15および溝部33において、嵌合面の少なくとも一部が接触する場合や嵌合したとき互いに嵌合面が全て接触しない場合であっても、複数の容器本体100の段積み作業において、複数の容器本体100同士を一定程度、位置決めすることができる。複数の容器本体100の段積み作業において、複数の容器本体100同士をより位置決めしやすい点からは、伸長部15および溝部33は、伸長部15および溝部33が嵌合したとき、嵌合面の少なくとも一部が接触することが好ましく、略完全に位置決めすることができることからは、伸長部15および溝部33は、伸長部15および溝部33が嵌合したとき、互いに嵌合面が全て接触するような形状を有することがより好ましい。嵌合面が一部接触しない場合あるいは全て接触しない場合の嵌合面間のクリアランスとしては、特に制限はないが、0.2mm以上、5mm以下であればよく、0.5mm以上、2mm以下が好ましい。
なお、摩擦による作業性低下が起こらないようにする観点を加味すると、嵌合面の一部のみ接触させることが最も好ましい。
更に、段積みした際の耐荷重性を考慮すると、嵌合面の一部のみ接触させる面は、伸長部15のX方向の端面と溝部33の底面との、上下接触面(上下嵌合面)であることが好ましい。
また、上記工程(b)において、下位の容器本体100の伸長部15と上位の容器本体100の溝部33とを互いに嵌合させるとともに、上位の容器本体100の溝部33を下位の容器本体100の伸長部15に沿って摺動させることができる。そのため、伸長部15および溝部33は、上記工程(b)において、上位の容器本体100における側面部23側の端部を、下位の容器本体100の上面部10の側面部23側の端部まで案内する機能を有する。それゆえ、伸長部15は、段積み作業を容易にするための、案内レールであるとも表現することができる。そして、溝部33は、段積み作業時に、伸長部15を摺動する摺動凹部であるとも表現することができる。上記工程(b)では、下位の容器本体100の上面部10と上位の容器本体100の下面部30とが摺動する。さらに、下位の容器本体100の伸長部15のZ方向の端面の少なくとも一部と、上位の容器本体100の溝部33のZ方向の端面(側壁33a)の少なくとも一部とが摺動する。また、伸長部15及び溝部33の構造に依存して、伸長部15のX方向の端面の少なくとも一部と、溝部33の底面の少なくとも一部とが摺動する場合もある。
さらに、伸長部15および溝部33は、段積みされた後に、互いに嵌合した状態となることにより、下位の容器本体100に対する上位の容器本体100のZ方向の移動を抑制することができる。そのため、伸長部15および溝部33は、段積みされた複数の容器本体100の安定した保管および運搬を可能とする。
容器本体100では、伸長部15は直方体の形状であり、図1の(d)に示すように、図1の(a)のA−A線矢視断面図に示される伸長部15の形状(断面形状とも称する)は、長方形である。しかし、伸長部15の形状は、溝部33と内嵌合できる限り、特に限定されない。伸長部15の断面形状としては、例えば、正方形であってもよく、X方向を先端とする三角形であってもよく、または、角を有さないドーム型などであってもよい。ここで、容器本体100を複数備える、本発明の他の一実施形態に係る容器アセンブリにおいて、容器アセンブリを鉛直方向に積載する場合を考える。この場合、容器アセンブリの最上段に積載された容器本体の上に板状部材が配置され、かかる板状部材の上に別の容器アセンブリが積載される。ここで、前記板状部材は、容器本体の上面部に設けられた伸長部によって支えられる。従って、板状部材の上に積載される容器アセンブリを安定して支持するためには、伸長部15の断面形状は長方形または正方形であることが好ましい。換言すれば、伸長部15のYZ面は水平方向と平行な平面であることが好ましい。容器アセンブリについて、詳しくは後述する。
伸長部15および溝部33のそれぞれのY方向の形状は、図1の(a)に示すように、直線形状であることが好ましい。これによって、段積み作業の上記工程(b)における摺動は滑らかなものとなるため、容易に段積みすることができるという利点を有する。
伸長部15のX方向の長さを伸長部15の高さとも称し、伸長部15のZ方向の長さを、伸長部15の幅とも称する。また、溝部33のX方向の長さを溝部33の深さとも称し、溝部33のZ方向の長さを、溝部33の幅とも称する。
伸長部15の高さは、段積みされた複数の容器本体100を安定させる観点からは、高いことが好ましい。一方、上述したように、複数の容器本体100を備える容器アセンブリを、複数、鉛直方向に積載する場合には、鉛直方向に積載される容器アセンブリは、伸長部15の上に配置された板状部材の上に積載される。従って、板状部材の上に積載される容器アセンブリを安定して支持するためには、伸長部15の高さは低いことが好ましい。また、伸長部15の高さが高くなるほど、溝部33の深さも深くなる。伸長部15の高さが高くなり、かつ、溝部33の深さが深くなるに従い、段積み作業の上記工程(b)において、上位の容器本体100と下位の容器本体100との摺動における摩擦抵抗が大きくなり、作業性が低下する傾向がある。故に、段積み作業の上記工程(b)において、伸長部15に沿った上位の容器本体100の摺動を滑らかなものとする観点から、伸長部15の高さは低いことが好ましい。これらの点から、伸長部15の高さは、3mm〜30mmが好ましく、5mm〜20mmがより好ましく、10mm〜15mmが特に好ましい。溝部33の深さは、伸長部15の高さに依存して適宜設定され得る。
伸長部15の幅は、特に限定されるものではなく、設けられる伸長部の数に依存して、適宜設定され得る。伸長部15の幅が大きい場合には、伸長部15の強度が高くなることから、段積み作業する場合、または、複数の容器本体100を段積みして利用する場合、容器本体100が耐久性に優れるという利点を有する。また、後述する型内発泡成形により、容器本体100を製造する場合、伸長部15の幅が大きいことにより、発泡粒子の充填性が良好となること、ならびに、伸長部15の表面性および耐久性が優れること、という利点を有する。伸長部15の幅が小さい場合には、上記工程(b)の摺動における摩擦抵抗が小さくなるため摺動が滑らかとなり、作業性に優れるという利点を有する。但し、後述する型内発泡成形により容器本体100を製造する場合、かつ、伸長部15の幅が小さい場合には、発泡粒子の充填性が低下する傾向がある。このような点から、伸長部15の幅は、容器本体のZ方向(幅方向)の長さに対して、1/18〜1/4であることが好ましく、1/16〜1/6であることがより好ましく、1/14〜1/8であることがさらに好ましく、1/12〜1/10であることが特に好ましい。また、型内発泡成形により容器本体100を製造する場合は、伸長部15の幅の値としては、20〜100mmであることが好ましく、30〜80mmであることがより好ましく、40〜60mmがさらに好ましい。このような構成であれば、容器本体100の型内発泡成形における充填孔および離型ピンの配置が容易となる利点を有する。
伸長部15の高さは溝部33の深さと同であるか、または、伸長部15の高さは溝部33の深さよりも低いことが好ましい。また、伸長部15の幅は溝部33の幅と同じであるか、または、伸長部15の幅は溝部33の幅よりも短いことが好ましい。伸長部15の高さと溝部33の深さとが同じ場合、または、伸長部15の幅と溝部33の幅とが同じ場合には、段積みされた後に、伸長部15と溝部33とは当接する。そのため、複数の容器本体100を段積みした場合、段積みされた複数の容器本体100がより安定するという利点を有する。伸長部15の高さと溝部33の深さとが同じであり、かつ、伸長部15の幅と溝部33の幅とが同じ場合には、段積みされた複数の容器本体100がさらに安定する。
また、伸長部15の高さが溝部33の深さよりも低い場合、または、伸長部15の幅が溝部33の幅よりも短い場合には、段積みのとき、上位の容器本体100と階の容器本体100との接触面積が小さくなる。そのため、上述した、伸長部15に沿った上位の容器本体100の摺動が滑らかなものとなることから、より容易に段積みできる。伸長部15の高さが溝部33の深さよりも低く、かつ、伸長部15の幅が溝部33の幅よりも短い場合には、さらに容易に段積みできる。
上面部10が長方形である場合には、伸長部15および溝部33は、限定されるものではないが、図1の(a)に示すように上面部10の長手方向に沿って設けられることが好ましい。図1では、伸長部15および溝部33が上面部10の長手方向に沿って設けられている。そのため、複数の容器本体100を鉛直方向に段積みするとき、作業者は、上位の容器本体100の長手方向に平行な側面部20および22を保持することにより、上位の容器本体100を下位の容器本体100の上方に配置(位置決め)することができる。容器本体100の長手方向に平行な側面部20および22間の距離は、容器本体100の短手方向に平行な側面部21および23間の距離より短い。そのため、作業者は、側面部20および22を保持することにより、側面部21および23を保持する場合と比較して、より容易に、かつ、より安定して、容器本体100を保持することができる。故に、伸長部15および溝部33が上面部10の長手方向に沿って設けられる場合には、段積みが容易となる利点を有する。また、伸長部15および溝部33が上面部10の長手方向に沿って設けられる場合には、複数の容器本体100を備える容器アセンブリを、複数、鉛直方向に積載するとき、板状部材の上に積載される容器アセンブリを、安定して支持することができるという利点も有する。
容器本体100は伸長部15を2つ備えているが、伸長部15の数は、1つ以上であれば特に限定されない。複数の容器本体100を備える容器アセンブリを、複数、鉛直方向に積載する場合には、板状部材の上に積載される容器アセンブリを安定して支持するためには、容器本体100は、2つ以上の伸長部15を備えていることが好ましい。
上面部10における伸長部15の位置については、容器本体の内面、すなわち商品収容室の形状によって、適宜設定され得る。なお、伸長部15の位置に従い、溝部33の位置も決定され得る。故に、例えば、容器本体100の底面の厚さを確保する観点から、伸長部15の位置が設定されてもよい。
図1の(d)に示すように、容器本体100では、商品収納室40の形状により、底面の厚さが薄い箇所が存在する。底面の厚さが薄い箇所を避けて、溝部33および伸長部15を設けることによって、容器本体100の底面の厚さを所望の範囲内とすることができる。
また、容器本体100が伸長部15を複数備える場合、複数の伸長部15は、容器本体100の上面部10のZ方向の中心線C2から伸長部15までの距離が等しくなるように、中心線C2に対して線対称になるように設けられていることが好ましい。例えば、容器本体100が3つの伸長部15を備える場合には、1つの伸長部15は上面部10のZ方向の中心線C2に沿って設けられ、残り2つの伸長部15は、上面部10のZ方向の中心線C2から伸長部15までの距離が等しくなるように、中心線C2に対して線対称に設けられることが好ましい。
(段積み作業における幅広部34の効果)
容器本体100は、幅広部34を備えることにより、段積み作業において、下位の容器本体100の伸長部15に対する上位の容器本体100の溝部33の位置決めを容易に行うことができるという利点を有する。幅広部34が設けられておらず、Y方向において溝部33の幅が同じである場合、段積み作業に際し、下位の容器本体100の伸長部15に対し上位の容器本体100の溝部33を嵌合させるためには、溝部33と伸長部15との厳密な位置決め操作が必要となる。より具体的には、幅広部34が設けられていない構成では、上位の容器本体100における側面部23側の端部にある溝部33を、下位の容器本体100の上面部10の伸長部15に嵌合させることは困難である。一方、幅広部34が設けられた本実施形態の構成では、上位の容器本体100の側面部23側の端部にある幅広部34内に下位の容器本体100の伸長部15が入るように配置すれば、配置後上位の容器本体100をZ方向に移動させる等して伸長部15と溝部33とを容易に嵌合させることができる。
また、詳しくは後述するが、作業状況によっては、上位の容器本体100および下位の容器本体100のそれぞれのZ方向の中心線C2をずらした状態で、位置決めを行う場合が生じる。そのような場合、溝部33の幅と伸長部15の幅とが略同じときには、上位の容器本体100および下位の容器本体100のそれぞれのZ方向の中心線C2を一致させなければ位置決めが行えないため、位置決めが困難となる。一方、容器本体100は、幅広部34を備えるため、作業状況に依存することなく、位置決めを容易に行うことができるという利点を有する。
幅広部34のX方向の長さ(幅広部34の深さとも称する)は、溝部33の深さと同じであることが好ましい。幅広部34のZ方向(幅広部34の幅とも称する)の長さ、および幅広部34のY方向の長さは、特に限定されず、適宜設定され得る。
容器本体100では、幅広部34の数は4であり、2つの溝部33のそれぞれのY方向の両端に幅広部34が形成されているが、幅広部34の数は1つ以上であれば特に限定されない。
容器本体100の方向を問わず、段積みできる観点から、幅広部34は、溝部33の両端に形成されていることが好ましい。
(段積作業における凸状ストッパ16および凹状ストッパ35の効果)
容器本体100は、凸状ストッパ16および凹状ストッパ35を備えることにより、段積みにおける上記工程(c)において、摺動の停止位置を決めることができるため、段積みを容易に行うことができるという利点を有する。
上記工程(c)において、上位の容器本体100および下位の容器本体100において、側面部23の位置が一致する状態になったとき、凸状ストッパ16および凹状ストッパ35が嵌合する。より具体的には、下位の容器本体100の凸状ストッパ16の壁面16aが上位の容器本体100の凹状ストッパ35の壁面35aに当接した状態となる。これによって、上位の容器本体100の側面部23側の端部が、下位の容器本体100の上面部10の側面部23側の端部を超えて摺動することを防ぐことができる。その結果、摺動の停止位置を容易に決めることができる。なお、凸状ストッパ16および凹状ストッパ35同士において互いに当接する壁面16aおよび壁面35aは、Y方向に対して垂直に形成されている構成に限定されず、互いの当接により溝部33のY方向の摺動が停止されるように構成されていればよい。壁面16aおよび壁面35aは、溝部33が摺動するY方向に対して交差する方向に形成されていればよい。
図1の(d)に示すように、図1の(a)のA−A線矢視断面図に示される凸状ストッパ16の形状(断面形状とも称する)は、長方形である。伸長部15と同様に、凸状ストッパ16の形状は、特に限定されるものではないが、長方形または正方形であることが好ましく、凸状ストッパ16のYZ面は水平方向と平行な平面であることが好ましい。
凸状ストッパ16および凹状ストッパ35のそれぞれのY方向の形状は、図1の(a)に示すように、直線形状であることが好ましい。これによって、段積みの上記工程(b)における摺動は滑らかなものとなるため、容易に段積みすることができるという利点を有する。
凸状ストッパ16のY方向の長さは、凹状ストッパ35のY方向の長さと同じであるか、または凹状ストッパ35のY方向の長さよりも短いことが好ましく、凹状ストッパ35のY方向の長さと同じであることがより好ましい。凸状ストッパ16のY方向の長さが凹状ストッパ35のY方向の長さと同じ場合には、上位の容器本体100および下位の容器本体100において、側面部23の位置が一致する状態で、摺動を停止することができる。これは、上記工程(c)において、凸状ストッパ16と凹状ストッパ35とが当接するまで摺動させることで容易に達成される。
容器本体100では、凸状ストッパ16および凹状ストッパ35のそれぞれのZ方向の形状は、直線形状であるが、凸状ストッパ16および凹状ストッパ35が嵌合可能である限り、特に限定されるものではない。例えば、曲面形状、および波型形状であってもよい。
容器本体100では、凸状ストッパ16は4つ形成されており、伸長部15と連結して形成されているが、凸状ストッパ16の数は1つ以上であれば特に限定されない。また、凸状ストッパ16は、伸長部15と連結されることなく、形成されていてもよい。
容器本体100では、凹状ストッパ35は、4つ形成されており、溝部33と連結して形成されているが、凹状ストッパ35の数は1つ以上であれば特に限定されない。また、凹状ストッパ35は、溝部33と連結されることなく、形成されていてもよい。容器本体100では、凹状ストッパ35は、幅広部34を兼ねているが、凹状ストッパ35および幅広部34は別々に形成されてもよい。
容器本体100の方向を問わず、段積みできる観点から、凸状ストッパ16および凹状ストッパ35は、第1の辺11から第2の辺12に向かう方向における両方の端部に形成されていることが好ましい。
(配列作業における凸部24および凹部25の効果)
容器本体100は、凸部24および凹部25を備えることにより、配列された複数の容器本体100の安定した保管および運搬を可能とする。これは、少なくとも1つの凸部24および少なくとも1つの凹部25は、配列された後に、互いに嵌合した状態となるため、配列された複数の容器本体100のY方向(またはZ方向)の移動を抑制することができるためである。また、容器本体100は、凸部24および凹部25を備えることにより、複数の容器本体100の配列において、複数の容器本体100同士の位置決めを容易にする効果も有する。配列については、詳しく後述する。
凸部24および凹部25の形状は、凸部24と凹部25とが嵌合する限り、特に限定されない。すなわち、凸部24および凹部25の形状としては、凸部24および凹部25が嵌合したとき、互いに嵌合面が全て接触する形状である必要はない。凸部24および凹部25において、嵌合面の少なくとも一部が接触する場合や嵌合したとき互いに嵌合面が全て接触しない場合であっても、複数の容器本体100の配列において、複数の容器本体100同士を一定程度、位置決めすることができる。複数の容器本体100の配列において、複数の容器本体100同士をより位置決めしやすい点からは、凸部24および凹部25は、凸部24および凹部25が嵌合したとき、嵌合面の少なくとも一部が接触することが好ましく、略完全に位置決めすることができることから、凸部24および凹部25は、凸部24および凹部25が嵌合したとき、互いに嵌合面が全て接触するような形状を有することがより好ましい。嵌合面が一部接触しない場合あるいは全て接触しない場合の嵌合面間のクリアランスとしては、特に制限はないが、0.2mm以上、5mm以下であればよく、0.5mm以上、2mm以下が好ましい。
なお、摩擦による作業性低下が起こらないようにする観点を加味すると、嵌合面の一部のみ接触させることが最も好ましい。
上面部10が長方形である場合には、限定されるものではないが、図1の(a)に示すように、凹部25は、上面部10の短手方向に平行な側面(側面部21および側面部23)に形成されることが好ましい。例えば、凹部25が1つの側面上に2つ以上形成される場合を考える。この場合、凹部25が上面部10の短手方向に平行な側面に形成されることによって、複数の容器本体100を配列するとき、隣接する容器本体100同士の接触面積を少なくすることができるという利点を有する。例えば、側面部20と側面部21または側面部23とを接触させるようにして複数の容器本体100を配列するとき、少なくとも2つ以上の凹部25が上面部10の短手方向に平行な1つの側面(側面部21または側面部23)に形成される場合には、凹部25の1つは凸部24と勘合することで位置決めが容易となる。また、他の凹部25は、側面部21または側面部23と接触しないために接触面積が少なくなる。この場合、容器本体100同士の摩擦が小さくなり、作業性が改善されるため、容易に配列できる利点も有する。
容器本体100では、凸部24は、側面部20および側面部22に、それぞれ2つずつ、合計4つ形成されているが、側面部20および側面部22にそれぞれ1つ以上形成される限り、形成される凸部24の数は特に限定されない。
容器本体100では、凹部25は、側面部21および側面部23に、それぞれ2つずつ、合計4つ形成されているが、側面部21および側面部23にそれぞれ1つ以上形成される限り、形成される凹部25の数は特に限定されない。
(段積み作業における傾斜面36の効果)
容器本体100は、傾斜面36を備えることにより、複数の容器本体100の配列および段積みを容易にできるという利点を有する。この利点は、例えば物品を収容した容器本体100が重たい場合などに、顕著なものとなる。これは、物品を収容した、重量のある複数の容器本体100の配列および段積みを行う場合、当該容器本体100の全体を空中に浮かせて作業することは困難であるため、容器本体100の一部分を別の容器本体100の一部分と摺動させることが多くなることに起因する。傾斜面36の効果については、詳しく後述する。
(蓋体1と底体3との係合方法)
蓋体1と底体3とは、側面部20〜23のそれぞれを構成できるように係合されており、側面部20および22のXY平面ならびに側面部21および23のXZ平面は、鉛直方向と平行な平面である。換言すれば、蓋体1と底体3とは、互いのY方向の中心線C1およびZ方向の中心線C2が一致するように係合されている。蓋体1と底体3とは、係合された後に、互いのY方向の中心線C1およびZ方向の中心線C2がずれることを防止できる方法によって係合されることが好ましい。容器本体100は、図示していないが、蓋体1および底体3の互いのY方向の中心線C1およびZ方向の中心線C2が一致し、かつ、係合された後に互いのY方向の中心線C1およびZ方向の中心線C2がずれることを防止できる方法によって係合されている。具体的には、図示していないが、蓋体1は底体3との接触部分の少なくとも一部分において蓋体側凸部を有しており、底体3は蓋体1との接触部分の少なくとも一部分において蓋体側凸部と嵌合する形状を有する底体側凹部を有している。蓋体1と底体3とは蓋体側凸部と底体側凹部とが嵌合した状態で係合している。また、蓋体側凸部および底体側凹部は、互いに、Y方向に対して垂直な平面とZ方向に対して垂直な平面とを有しており、これらの平面によって、係合された後に互いのY方向の中心線C1およびZ方向の中心線C2がずれることを防止できるという利点を有する。係合された後に、互いのY方向の中心線C1およびZ方向の中心線C2がずれることを防止できる、蓋体1と底体3との係合方法としては、(i)蓋体1および底体3それぞれにおいて、蓋体1と底体3との接触部分の少なくとも一部に段差部を設けて、段差部どうしが噛み合うよう係合させる方法、および、(ii)蓋体1および底体3の何れか一方において、蓋体1と底体3との接触部分の少なくとも一部に凸状構造を設け、他方において、蓋体1と底体3との接触部分の少なくとも一部に、当該凸状構造と嵌合する形状を有する凹状構造を設け、凸状構造および凹状構造を嵌合させる方法、などを挙げることができる。ここで、上記段差部、凸状構造および凹状構造は、Y方向に対して交差する平面とZ方向に対して交差する平面とを有することによって、蓋体1と底体3とが係合された後に、互いのY方向の中心線C1およびZ方向の中心線C2がずれることを防止できる。
容器本体100の材質および製造方法は、発泡樹脂製である限り特に限定されないが、例えば、容器本体100は、熱可塑性樹脂の発泡粒子から型内発泡成形された発泡成形体である。蓋体1の上面部10および側面部20〜23、ならびに、伸長部15、凸状ストッパ16および凸部24は一体成型されてもよく、それぞれ別々に成形された後、組み合わされてもよい。より好ましくは、蓋体1は、一体成形物である。底体3の下面部30および側面部20〜23、ならびに凸部24は一体成型されてもよく、それぞれ別々に成形された後、組み合わされてもよい。より好ましくは、底体3は、一体成形物である。また、容器本体100の寸法としては、特に限定されるものではなく、収容される商品の寸法、および、容器本体100の取り扱い性の観点などから、適宜設定され得る。
前記熱可塑性樹脂の発泡粒子の種類、および当該発泡粒子の製造方法に特に制限は無く、従来公知の発泡粒子および製造方法を挙げることができる。前記製造方法の一例としては、前記熱可塑性樹脂の発泡粒子が、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子である場合には、国際公開特許公報WO2009/075208および特開2006−117842号公報等に開示されている製造方法が挙げられ、ポリスチレン系樹脂発泡粒子である場合には、特開2003−201360号公報および特開2014−118474号公報等に開示されている製造方法が挙げられ(該特許文献中には、前記熱可塑性樹脂の発泡粒子は「予備発泡粒子」として記載されている)、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡粒子である場合には、特開2008−239794号公報等に開示されている製造方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上述した製造方法によって得られる発泡粒子においては、適宜、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤等の添加剤を従来公知の方法により含有あるいは被覆させることができる。また、前記発泡粒子の粒径としては、特に限定されず、例えば、1mm〜10mmであることが好ましいが、金型充填性の観点からは、1mm〜5mmであることがより好ましく、1mm〜3mmであることがさらに好ましい。
前記発泡粒子の発泡倍率としては、特に限定されず、例えば、3倍〜90倍であることが好ましいが、機械的強度や成形性の観点からは、5倍〜60倍であることがより好ましく、5倍〜30倍であることがさらに好ましい。
このような発泡粒子は、例えば、(株)カネカ製エペラン−PP、およびエペラン−XL等として市販されており、容易に入手可能である。
上述した熱可塑性樹脂の発泡粒子を使用して、発泡成形体として容器本体100を製造する方法としては、型内発泡成形方法を採用することができ、特開2001−79870号公報等に記載された従来公知の成形方法を採用することができる。例えば、(1)先ず、凹型と凸型からなる一対の型を型閉して成形空間を形成し、(2)発泡粒子を原料タンクから充填器を通じて成形空間内に送入して充填し、(3)次に成形空間内の発泡粒子を水蒸気で加熱することにより、発泡粒子どうしを融着させて一体化させた後に、冷却し、(4)一対の型を型開して型内発泡成形体を取り出す方法が挙げられる。
ここで、型内発泡成形に用いる凹型は、容器本体100の傾斜面36に対応する位置に水蒸気を排出する蒸気孔(ベントとも称する)を有することが好ましい。上記構成を有する凹型で成形された容器本体100では、傾斜面36が耐衝撃性に優れたものとなる利点を有する。別の観点からいえば、容器本体100の型内発泡成形は、連結部分a、連結部分b、および連結部分cに対応する位置(連結位置とも称する)に蒸気孔を有する凹型を用いて行われることが好ましい。また、容器本体100は、連結位置に蒸気孔を有する凹型を用いて行われるために、蒸気孔の幅より大きい幅を有する傾斜面36を備えることが好ましい。傾斜面36の幅は、Z方向に垂直な傾斜面36の長さともいえる。
従来技術では、容器本体の連結位置は直角であるか、または曲面であり、従来技術の容器本体は、容器本体100が備える傾斜面36のような平面は有していない。故に、従来技術では、容器本体の型内発泡成形において、連結位置に蒸気孔を有する凹型を用いることができず、連結位置に、水蒸気を排出するための微小な穴(錐状の孔でもある)を有する凹型を用いる。この場合、成形された容器本体では、連結位置に、微小な穴に起因する微小の突起が形成される。後述するように、複数の容器本体を配列および/または段積みするために容器本体を摺動させる(滑らせる)場合、容器本体は、連結位置を他の部材と接触させながら摺動される。連結位置に微小の突起を有する容器本体を摺動させた場合には、微小の突起は容器本体から剥がれ落ち、微小の突起に起因する容器本体の欠片が散乱されることになる。一方、容器本体100は、傾斜面36を備えるため、蒸気孔を有する凹型によって成形され、従い、微小の突起を有することもない。そのため、容器本体100の摺動に伴い、微小の突起に起因する容器本体の欠片が散乱されることもない。
容器本体100の型内発泡成形が、連結位置に蒸気孔を有する凹型を用いて行われる場合には、容器本体100の傾斜面36には、蒸気孔に由来するベント痕が形成される。ここで、ベント痕は、伸長部15と平行な凸状の筋を有することが好ましい。別の観点からいえば、容器本体100の型内発泡成形に用いられる凹型では、連結位置に形成された蒸気孔には伸長部15と平行な凹状の溝が形成されていることが好ましい。容器本体100の傾斜面36がベント痕を有する場合には、容器本体100の配列および段積みのとき、容器本体100の摺動がより容易になる利点を有する。
(変形例1)
図1の(a)〜(d)に示した容器本体100では、蓋体1と底体3とが、容器本体100のX方向の略中央において係合することによって商品収納室40を形成している。しかし、本発明の一実施形態に係る容器本体では、蓋体と底体とが係合することによって商品収容部を形成するかぎり、係合の様式、および/または、係合の位置は特に限定されない。
本発明の一実施形態に係る容器本体における、蓋体と底体との係合の様式、および蓋体と底体との係合面の位置の変形例について、図2を用いて説明する。図2の(a)、(c)、(e)、(g)、(i)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る容器本体200A、容器本体200B、容器本体200C、容器本体200D、および容器本体200Eを一方向からみた斜視図であり、図2の(b)、(d)、(f)、(h)および(j)は、それぞれ、図2の(a)、(c)、(e)、(g)および(i)のB−B線矢視断面図である。ただし、図2の(a)〜(j)に示す容器本体200A〜200Eでは、蓋体1、底体3、上面部10、側面部20〜23、および下面部30のみ図示しており、その他の構成は図示していない。
図2の(a)および(b)に示された容器本体200Aは、B−B線矢視断面図において矩形である蓋体1と、B−B線矢視断面図において矩形である底体3とが、容器本体100のX方向の略中央において係合することによって商品収納室40を形成している。すなわち、蓋体1と底体3との係合の様式、および蓋体1と底体3との係合面の位置の点で、容器本体100と同様である。従って、上面部10、側面部20〜23、および下面部30の各構成は、容器本体100と同様である。
図2の(c)および(d)に示された容器本体200Bでは、B−B線矢視断面図において平面状である蓋体1を、B−B線矢視断面図において矩形である底体3に対して内嵌合させることによって、商品収納室40が形成されている。
容器本体200Bでは、上面部10は蓋体1および底体3から構成されている。また、底体3が第1の辺11および第2の辺12を備えている。従って、伸長部15は、底体3および蓋体1にまたがって延設されている。図示していないが、容器本体200Bでは、凸状ストッパ16が、底体3側の上面部10にのみ設けられてもよく、底体3側の上面部10および蓋体1側の上面部10にまたがって設けられてもよい。上面部10の形状は、特に限定されるものではないが、図2の(a)および(b)に示すように、平面であることが好ましく、水平であることが好ましい。故に、蓋体1側の上面部10および底体3側の上面部10は、同一平面上にあることが好ましい。
容器本体200Bでは、側面部20〜23のそれぞれは、底体3から構成されており、凸部24および凹部25のそれぞれは、底体3に形成されている。
容器本体200Bでは、下面部30は、容器本体100と同様に、底体3に備えられている。従って、下面部30の構成は、容器本体100と同様である。
図2の(e)および(f)に示された容器本体200Cでは、B−B線矢視断面図において平面状である蓋体1とB−B線矢視断面図において矩形である底体3とを、容器本体100のX方向の上方において係合することによって、商品収納室40を形成している。
容器本体200Cでは、上面部10は、容器本体100と同様に、蓋体1に備えられている。従って、上面部10の構成は、容器本体100と同様である。
容器本体200Cでは、側面部20〜23は、容器本体100と同様に、蓋体1および底体3から構成されている。従って、側面部20〜23の構成は、容器本体100と同様である。
容器本体200Cでは、下面部30は、容器本体100と同様に、底体3に備えられている。従って、下面部30の構成は、容器本体100と同様である。
図2の(g)および(h)に示された容器本体200Dでは、B−B線矢視断面図において矩形である蓋体1を、B−B線矢視断面図において平面状である底体3に対して外嵌合させることによって、商品収納室40が形成されている。
容器本体200Dでは、上面部10は、容器本体100と同様に、蓋体1に備えられている。従って、上面部10の構成は、容器本体100と同様である。
容器本体200Dでは、側面部20〜23のそれぞれは、蓋体1から構成されている。従って、凸部24および凹部25のそれぞれは、蓋体1に形成されている。
容器本体200Dでは、下面部30は蓋体1および底体3から構成されている。従って、溝部33は、底体3および蓋体1にまたがって延設されている。図示していないが、容器本体200Dでは、凹状ストッパ35が、底体3側の下面部30にのみ設けられてもよく、底体3側の下面部30および蓋体1側の下面部30にまたがって設けられてもよい。下面部30の形状は、特に限定されるものではないが、図2の(g)および(h)に示すように、平面であることが好ましく、水平であることが好ましい。故に、蓋体1側の下面部30および底体3側の下面部30は、同一平面上にあることが好ましい。
図2の(i)および(j)に示された容器本体200Eでは、B−B線矢視断面図において矩形である蓋体1と、B−B線矢視断面図において平面状である底体3とを、容器本体100のX方向の下方において係合することによって、商品収納室40を形成している。
容器本体200Eでは、上面部10は、容器本体100と同様に、蓋体1に備えられている。従って、上面部10の構成は、容器本体100と同様である。
容器本体200Eでは、側面部20は、容器本体100と同様に、蓋体1および底体3から構成されている。従って、側面部20の構成は、容器本体100と同様である。
容器本体200Eでは、下面部30は、容器本体100と同様に、底体3に備えられている。従って、下面部30の構成は、容器本体100と同様である。
また、容器本体200A、200Cおよび200Eにおいて、蓋体1と底体3との係合方法としては、蓋体1および底体3の互いのY方向の中心線C1およびZ方向の中心線C2が一致し、かつ、係合された後に互いのY方向の中心線C1およびZ方向の中心線C2がずれることを防止できる方法を採用することもできる。
(変形例2)
図1の(a)〜(d)に示した容器本体100では、側面部20は鉛直方向と平行である。しかし、本発明の一実施形態に係る容器本体では、側面部20は鉛直方向と平行でなくてもよい。
本発明の一実施形態に係る容器本体における、側面部20の変形例について、図3を用いて説明する。図3の(a)は本発明の一実施形態に係る容器本体300を一方向からみた斜視図であり、図3の(b)は(a)のB−B線矢視断面図である。図3の(a)および(b)に示された容器本体300において、側面部20〜23は、上から順に、(1)対向する一組の側面部(側面部20および22、または、側面部21および23)同士の間隔が上面部10から下面部30に向かうに従い広くなるように傾斜している部分(錘状部とも称する)、(2)鉛直方向と平行な部分(垂直部とも称する)、および(3)対向する一組の側面部(側面部20および22、または、側面部21および23)同士の間隔が下面部30から上面部10に向かうに従い広くなるように傾斜している部分(テーパー部とも称する)、を有している。具体的には、蓋体1は錘状部および垂直部を有し、底体3は垂直部およびテーパー部を有する。
容器本体300は、発泡樹脂製である。例えば、容器本体300が(具体的には蓋体1および底体3のそれぞれが)、型内発泡成形によって製造される場合を考える。この場合、抜き勾配と称させる傾斜が形成された金型を用いて成形することによって、成形後に、金型から成形体(蓋体1または底体3)の離型が容易となる利点を有する。蓋体1が備える錘状部、および底体3が備えるテーパー部は、金型の抜き勾配に由来する形状である。
さらに、側面部20〜23は、垂直部を有する。これによって、複数の容器本体300を配列するときに、隣接する容器本体300の垂直部同士を接触させて配置することにより、容器本体300同士の位置決めが容易になるという利点を有する。
すなわち容器本体300は、製造において金型からの離型に優れるとともに、容易に、複数の容器本体300を配列することができる。
垂直部と錘状部とが形成する鋭角、および、垂直部とテーパー部とが形成する鋭角の角度(側面部の傾斜角度とも有する)は、0°より大きく10°以下であることが好ましく、0.5°〜5°であることがより好ましく、0.6°〜3°であることがさらに好ましく、0.6°〜1°であることが特に好ましい。
〔第2実施形態〕
(容器アセンブリ500)
本発明の第2実施形態に係る容器アセンブリ500について、図4および5を用いて説明する。
まず、図4の(a)〜(d)を用いて、容器アセンブリ500が備える構成を説明する。図4の(a)は、本発明の一実施形態に係る容器アセンブリを鉛直上方からみた平面図であり、図4の(b)および(c)は本発明の一実施形態に係る容器アセンブリを一方向からみた斜視図であり、図4の(d)は、本発明の一実施形態に係る容器アセンブリを鉛直上方からみた平面図である。容器アセンブリ500は、複数の容器本体100と、容器本体100を積載する基板であるパレット400を備えている。容器アセンブリ500が備える容器本体100の数は、1つのパレット400に対して1つ以上である限り、特に限定されない。例えば、図4の(a)では、4つの容器本体(100A〜100D)を備えており、図4の(b)では、5つの容器本体(100A〜100E)を備えている。
図4の(a)に示した容器アセンブリ500では、パレット400の上に4つの容器本体100A〜100Dが水平方向に積載(配列)されている。ここで、パレット400における容器本体100の積載面と平行な面内方向では、容器本体100は、少なくとも1つの凸部24と少なくとも1つの凹部25とが嵌合した状態で配置されている。具体的には、容器本体100Aの少なくとも1つの凹部25と容器本体100Bの少なくとも1つの凸部24とが嵌合しており、容器本体100Bの少なくとも1つの凹部25と容器本体100Cの少なくとも1つの凸部24とが嵌合しており、容器本体100Cの少なくとも1つの凹部25と容器本体100Dの少なくとも1つの凸部24とが嵌合しており、容器本体100Dの少なくとも1つの凹部25と容器本体100Aの少なくとも1つの凸部24とが嵌合している。また、容器本体100A〜100Dは、パレット400の周辺部に沿って周回するように配置されている。別の観点からいえば、容器本体100A〜100Dは伸長部15が円を描くように配列されている、ともいえ、また、容器本体100A〜100Dは隣接する容器本体が備える伸長部15が互いに垂直になるように配列されている、ともいえる。また、容器本体100A〜100Dにおいて、凹部25と嵌合していない凸部24、および凸部24と嵌合していない凹部25が存在する。また、図4の(d)に示した容器アセンブリ500’では、パレット400の上に4つの容器本体100’が水平方向に積載(配列)されている。容器本体100’は、凸部24および凹部25を、それぞれ、1つの側面上に1つずつ備えている。このような容器本体100’および容器アセンブリ500’もまた、本発明の一実施形態である。
パレット400は、水平方向に4つの容器本体100A〜100Dを積載できる寸法を有しており、5つ目の容器本体100Eを積載する場合には、容器本体100A〜100Dのいずれか1つの容器本体の鉛直上方に配置する必要がある。図4の(b)では、容器本体100Eは、容器本体100Dの鉛直上方に配置されている(すなわち、段積みされている)。ここで、パレット400における容器本体100の積載面に対して垂直な垂直方向では、容器本体100は、伸長部15と溝部33とが嵌合した状態で積載されている。本明細書では、パレット400において、容器本体100の積載面に対して垂直な垂直方向に容器本体100が積層される場合、複数の容器本体100を、パレット400に近い方から順位、1段目、2段目・・・と称する。図4の(b)に示した容器アセンブリ500では、容器本体100A〜100Dは1段目、容器本体100Eは2段目となる。容器アセンブリ500は、容器本体100を2段以上備えていてもよく、図4の(c)に示した容器アセンブリは、1つのパレット400につき、容器本体100を5段備えている。
また、パレット400の周辺部の寸法は、容器本体100の周回寸法より大きいことが好ましい。上記構成であれば、容器本体100の材料(材質)および製造方法に起因して、許容範囲(公差範囲)ではあるものの大きめ寸法の容器本体100が得られた場合であっても、パレット400上に4つの容器本体100を収容できるという利点を有する。また、上記構成であれば、複数の容器本体100を鉛直方向に段積みした場合、すべての容器本体100がパレット400よりも内側に積載されていることとなる。そのため、容器アセンブリの輸送時および梱包作業中等において、容器本体100の他の物品との直接的な衝突が起こりにくい、という利点を有する。これらの観点から、パレット400の周辺部の寸法は、容器本体100の周回寸法よりも80〜240mm大きいことが好ましい。容器本体100の寸法としては、例えば、図1を参照して、Y方向が653mm、Z方向(幅方向)が437mm、X方向(高さ方向)が170mmであり得、この場合、容器本体100を配列した際の周回寸法は4360mmである。容器本体100が上記寸法を有している場合には、パレット400の周辺部の寸法は、4440mm〜4600mmであることが好ましい。
容器アセンブリ500は、パレット400と容器本体100とからなる組み合わせを複数備えていてもよい。図4の(c)に示した容器アセンブリ500は、1つのパレット400と5段の容器本体100とからなる組み合わせを、鉛直方向に3つ備えている。パレット400と容器本体100とからなる組み合わせを鉛直方向に複数備える場合、下位の組み合わせと上位の組み合わせとの間には板状部材600を備えていてもよい。上記構成であれば、パレット400の下面がいかなる構造であっても、パレット400と容器本体100とからなる組み合わせを鉛直方向に複数備えることが容易となる利点を有する。
(容器アセンブリ500の形成方法)
図5の(a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る容器アセンブリの形成方法を示す図である。容器アセンブリ500の形成方法は、還元すれば、パレット400上における、複数の容器本体100の配列方法であり、および/または、段積み方法である。
図5の(a)は、パレット400上における、複数の容器本体100の配列方法を示す図でもある。パレット400は、台座410と壁420とを備えている。容器本体100Fは、パレット400上において、台座410の上であり、かつ、壁420に囲まれた範囲内に配置されている。図5の(a)では、さらに、容器本体100Gがパレット400上に配置されようとしている。容器本体100Gは、最終的に、容器本体100Gの少なくとも1つの凹部25と容器本体100Fの少なくとも1つの凸部24とが嵌合した状態で、配置されるものである。
容器本体100Gを、容器本体100Gの少なくとも1つの凹部25と容器本体100Fの少なくとも1つの凸部24とが嵌合するように、容器本体100Fに隣接させて配置する場合、容器本体100Gを持ち上げた状態で作業する必要はない。例えば、容器本体100Gが重量物である場合、図5の(a)に示すように、容器本体100Gを配置するとき、伸長部15の延設方向の一端部が、他端部よりも鉛直上方に持ち上げられた状態、換言すれば片持ち状態、で作業されることが好ましい。このとき、作業者は、容器本体100Gの切欠き部37を介して、伸長部15の延設方向の一端部を持ち上げている。
図5の(a)では、容器本体100Gは、容器本体100Gの他端部を、パレット400の台座410上を摺動させながら、容器本体100Fに隣接される。このとき、台座410と容器本体100Gの傾斜面36、より具体的には傾斜面36aが摺動する。従来技術の容器本体は、傾斜面を有しておらず、容器本体100Gの連結部分a、連結部分b、および連結部分cに対応する箇所は直角であるか、または曲面である。従って、従来技術の容器本体を、図5の(a)に示すように、片持ち状態とし、かつ、パレット上を摺動させる場合には、容器本体とパレットとの接点は線となるため、容器本体にかかる圧力は大きくなり、その結果、容器本体の損傷を引き起こし得る。一方、容器本体100Gは、傾斜面36aを備えるため、パレット400上において容器本体100Gを摺動させる場合、容器本体100Gの損傷を抑えることができる。また、傾斜面36aは、パレット400上における容器本体100Gの摺動を滑らかなものにすることができる。
図5の(b)は、パレット400上における、複数の容器本体100の段積み方法を示す図でもある。パレット400上において、台座410の上であり、かつ、壁420に囲まれた範囲内に、4つの容器本体100H〜Kが積載されており、容器本体100Jの上に容器本体100Lが積載されている。図5の(b)では、さらに、容器本体100Mが容器本体100Kの上に配置されようとしている。容器本体100Mは、最終的に、容器本体100Mの溝部33および容器本体100Kの伸長部15が、ならびに、容器本体100Mの凹状ストッパ35および容器本体100Kの凸状ストッパ16が、嵌合した状態で、配置されるものである。
図5の(b)に示すように、容器本体100Mは、片持ち状態である。また、容器本体100Mは、容器本体100Kに対して斜め後方から、換言すれば伸長部15に対して斜めの方向から配置されようとしている。これは、容器本体100Mの幅方向の中心と容器本体100Kの幅方向の中心とを一致させた状態で容器本体100Mを配置しようとした場合、容器本体100Mの凸部24が、容器本体100Lの側面部と衝突し、容器本体100Mを配置できないためである。
容器本体100Mは、幅広部34を備えている。そのため、容器本体100Kに対して斜め後方から、容器本体100Mを段積みする場合であっても、容器本体100Mの幅広部34と容器本体100Kの伸長部15とを嵌合させることができるため、位置決めが容易となる。その後、容器本体100Kに対して斜め後方から、容器本体100Mを、容器本体100Kの伸長部15に沿って摺動させることにより、容器本体100Mを配置する。このとき、容器本体100Mの傾斜面36bが容器本体100Kの伸長部15と摺動する。すなわち、容器本体100Mは、傾斜面36bを備えるため、容器本体100K上において伸長部15に沿って容器本体100Mを摺動させせる場合、容器本体100Mの損傷を抑えることができる。また、傾斜面36aは、パレット400上における容器本体100Gの摺動を滑らかなものにすることができる。
また、容器本体100Kは凸状ストッパ16を備えており、容器本体100Mは凹状ストッパ35を備えている。そのため、容器本体100Mの摺動の停止位置を決めることができるため、段積みを容易に行うことができる。換言すれば、容器本体100Mを、容器本体100Kを超えて、容器本体100Hの上まで摺動させることを防ぐことができる。
図5に示すように、パレット400が壁420を備えている場合には、複数の容器本体の積載は、壁420と容器本体とが干渉することなく行なわれる必要があり、この観点からも、パレット400の周辺部の寸法は、容器本体100の周回寸法よりも大きいことが好ましい。これは、容器本体100が凸部24および凹部25を有しており、複数の容器本体100は、少なくとも1つの凸部24と少なくとも1つの凹部25とが嵌合した状態で配列されることに起因する。例えば、図5の(b)において、パレット400上に、容器本体100Hを積載した後、容器本体100Iを積載するときを考える。パレット400の周辺部の寸法が容器本体100の周回寸法と同じ場合には、容器本体100Iを容器本体100Hより上方まで持ち上げた後に、容器本体100Hの少なくとも1つの凹部25と容器本体100Iの少なくとも1つの凸部24とが嵌合するように、配置する必要がある。容器本体100Iが重量物である場合には、容器本体100Iを持ち上げることは困難なため、容器本体100Iをパレット400上において摺動させながら容器本体100Hに隣接させることにより、配置することが好ましい。パレット400の周辺部の寸法が容器本体100の周回寸法と同じ場合には、容器本体100Iの凸部24が容器本体100Bの側壁と干渉しあい、容器本体100Iを摺動させながら容器本体100Aに隣接させることができない。一方、パレット400の周辺部の寸法が容器本体100の周回寸法より大きい場合には、容器本体100Iの凸部24が容器本体100Hの側壁と干渉することがない。故に、容器本体100Iを摺動させながら容器本体100Hに隣接させ、その後、容器本体100Hの少なくとも1つの凹部25と容器本体100Iの少なくとも1つの凸部24とを嵌合させることにより、容器本体100Iを所定の位置に配置できる。なお、上面部10が長方形である場合には、限定されるものではないが、図1の(a)に示すように、凸部24は、上面部10の長手方向に平行な側面(側面部20および側面部22)に形成されることが好ましい。この場合、例えば上述したように、パレット400上に、容器本体100Hを積載した後、容器本体100Iを積載するとき、作業性が良好で配列させやすいという利点を有する。これは、容器本体100Iを壁420と接触させつつ摺動させて所定の位置に配置するとき、容器本体100Iと壁420との接触における摩擦抵抗が小さくなるためである。
〔まとめ〕
本発明の実施形態に係る容器は、内部に商品収納室40が形成された、平面視で矩形形状の、発泡樹脂製の容器本体100を備え、前記容器本体100は、側面部20〜23と、凸状の伸長部15が形成された上面部10と、前記伸長部15と嵌合する形状を有する溝部33が形成された下面部30と、を有し、前記伸長部15及び前記溝部33は共に、前記矩形形状における互いに対向する第1および第2の辺11・12間で連続的に延設され、前記溝部33は、その延びるY方向において、互いに対向する側壁の間隔が内側部分よりも広い幅広部34が形成された少なくとも1つの端部を有する構成である。
上記の構成によれば、前記溝部33は、その延びるY方向において、互いに対向する側壁の間隔が内側部分よりも広い幅広部34が形成された少なくとも1つの端部を有するので、容器本体100を段積み作業をするに際し、容易に、下位の容器本体100の伸長部15に上位の容器本体100の溝部33を嵌合させることができる。それゆえ、複数の容器本体100の段積みを容易に行うことができ、段積みした状態で安定して、保管および運搬することができる。
本発明の実施形態に係る容器は、前記矩形形状における前記第1および第2の辺11・12以外の2辺をそれぞれ、第3および第4の辺13・14として、前記伸長部15および前記溝部33は共に、前記第3および第4の辺13・14に平行な縁部を避けて設けられていてもよい。
本発明の実施形態に係る容器は、前記上面部10は、前記第1の辺11から前記第2の辺12に向かうY方向における少なくとも一方の端部に凸状ストッパ16を有し、前記下面部30は、前記第1の辺11から前記第2の辺12に向かうY方向における少なくとも一方の端部に、前記凸状ストッパ16と嵌合する形状を有する凹状ストッパ35を有する構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、段積み作業に際し、下位の容器本体100の凸状ストッパ16と上位の容器本体100の凹状ストッパ35との嵌合により、下位の容器本体100および上位の容器本体100において、Y方向の側面部21・23同士の位置決めをすることができる。このため、作業性が向上する。
本発明の実施形態に係る容器は、下記(a)および(b)の少なくとも何れかの連結部分に傾斜面36a・36bが形成されている構成であることが好ましい。
(a)前記第1および第2の辺11・12と平行な2つの側面(側面部21・23)の少なくとも何れかと前記下面部30との連結部分、および
(b)前記幅広部34と前記下面部30との連結部分。
これにより、段積み作業、または配列作業に際し、傾斜面36a・36bが接地するように運搬・移動すれば、容器本体100の移動がスムーズになる。
本発明の実施形態に係る容器は、前記側面部20〜23は、
凸部24が形成された、互いに向かい合う1組の側面(側面部20・22)と、少なくとも1つの前記凸部24と嵌合する形状を有する凹部25が形成された、互いに向かい合う別の1組の側面(側面部21・23)と、を有する構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、配列作業に際し、少なくとも1つの凸部24と少なくとも1つの凹部25とが嵌合するように配列することにより、隣接する容器本体100同士の位置が決まる。それゆえ、配列作業における位置決めが容易になる。
本発明の実施形態に係る容器アセンブリ500は、複数の前記容器と、前記容器を積載する基板であるパレット400と、を備え、前記パレット400における容器の積載面と平行な面内方向では、前記容器は、少なくとも1つの前記凸部24と少なくとも1つの前記凹部25とが嵌合した状態で配置されており、前記パレット400における容器の積載面に対して垂直な垂直方向では、前記容器は、前記伸長部15と前記溝部33が嵌合した状態で積載されている構成である。
上記の構成のような、複数の前記容器が積載された容器アセンブリ500は、積載された状態で安定して、保管および運搬することができる。
本発明の実施形態に係る容器アセンブリ500は、前記面内方向では、前記容器は、前記パレット400の周辺部に沿って周回するように配置されており、前記パレット400の周辺部の寸法は、前記容器の周回寸法より大きい構成であってもよい。