以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る画像形成装置(複合機)1の構成を説明するブロック図である。
画像形成装置1は、スキャナ部2、制御部3、プリンタ部4、操作部5、FAX部7等を備える。スキャナ部2は、原稿を読み取って、その原稿画像に対応する画像データを生成する。プリンタ部4は、画像データに基づいて用紙(シート)に画像を印刷する。ハードディスク6は、画像データや制御プログラム等を記憶している。FAX部7は電話回線等に接続して画像データ(ファクシミリデータ)の送受信を行う。制御部3は、これら各部に指示を出力して、この画像形成装置1の動作を制御する。また画像形成装置1はLAN8経由でコンピュータ(PC)9との間で画像データを入出力、ジョブの発行や機器の指示等も行なうこともできる。
スキャナ部2は、原稿束を積載し、原稿を一枚ずつスキャナユニット22に搬送する原稿給紙ユニット21、原稿を光学的に走査してデジタル画像データに変換するスキャナユニット22を有し、こうして得られた画像データは制御部3に送信される。プリンタ部4は、用紙を一枚ずつ逐次給紙可能な給紙ユニット42、給紙された用紙に画像を印刷するためのマーキングユニット41、印刷後の用紙を排紙する排紙ユニット43を有する。
フィニッシャ100は、画像形成装置1のプリンタ部4の排紙ユニット43から排紙された用紙に対して、排紙、ソート、ステイプル、パンチ、裁断、などの後処理を施す。電源スイッチ101は、この画像形成装置1の電源のオン/オフを行うためのスイッチである。
以下、この画像形成装置1の有する機能を説明する。
・複写機能
スキャナ部2で得られた画像データをハードディスク6に記憶したり、プリンタ部4により印刷する。
・画像送信機能
スキャナ部2で得られた画像データを、LAN8を介してコンピュータ9等に送信する。
・画像保存機能
スキャナ部2で得られた画像データをハードディスク6に記憶し、必要に応じて、その画像データの送信や印刷を行なう。
・画像印刷機能
コンピュータ9から受信した、例えばページ記述言語で記述された印刷ジョブを解析してプリンタ部4で印刷する。
図2は、実施形態1に係る画像形成装置1の機構を説明する機構図である。
スキャナ部2において、原稿給送ユニット1250は原稿を1枚ずつプラテンガラス1211へ給送し、原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス1211上の原稿を排出トレイ1219に排出する。原稿がプラテンガラス1211に搬送されると、ランプ1212を点灯し、光学ユニット1213の移動を開始させて原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー1214〜1216、及びレンズ1217によってCCDイメージセンサ(以下、CCD)1218へ導かれる。このようにして、走査された原稿の画像はCCD1218によって画像データに変換され、その画像データは所定の処理が施された後、制御部3に転送される。
プリンタ部4のレーザドライバ1321はレーザ発光部1322を駆動し、制御部3から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部1322に発光させる。このレーザ光は感光ドラム1323を照射し、その感光ドラム1323の表面にはレーザ光に応じた潜像が形成される。この感光ドラム1323の潜像の部分には現像器1324によって現像剤が付着される。そして、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット1311〜1314及び手差し給紙段1315のいずれかから用紙を給紙する。その後、その用紙は搬送路1331を通って転送部1325に送られ、そこで感光ドラム1323に付着している現像剤が用紙に転写される。こうして現像剤が転写された用紙は搬送ベルト1326によって定着部1327に搬送され、定着部1327の熱と圧力により現像剤が用紙に定着される。その後、定着部1327を通過した用紙は搬送路1335,1334を通過して排紙ビン1328に排出される。また或いは印刷面を反転して排紙ビン1328に排出する場合には、定着済の用紙は搬送路1336,1338まで導かれ、そこから用紙は逆方向に搬送され、搬送路1337,1334を通過して排紙される。排紙ビン1328は取り外し可能で、折り装置(不図示)介してフィニッシャ100へ排出することも可能である。
また、両面印刷が設定されている場合は、用紙は定着部1327を通過した後、搬送路1336からフラッパ1329によって、搬送路1333に導かれる。その後、用紙は逆方向に搬送され、フラッパ1329によって、搬送路1338、再給紙搬送路1332へ導かれる。こうして再給紙搬送路1332へ導かれた用紙は、上述したタイミングで搬送路1331を通って転写部1325へ給紙される。
続いて、図3と図4とを参照してフィニッシャ100について説明する。
図3は、フィニッシャ100の断面図である。
図4は、ステイプラ601の断面図である。
まず、フィニッシャ100のフィニッシャ部について説明する。フィニッシャ100は、折り装置400を介して、排出されたシートを順に取り込む。フィニッシャ100は、取り込んだ複数のシートを整合して1つの束に束ねる処理、束ねたシート束の後端をステイプルで綴じるステイプル処理、取り込んだシートの後端付近に孔あけをするパンチ処理を行う。更にフィニッシャ100は、ソート処理、ノンソート処理、製本処理などの各シート後処理を行う。
フィニッシャ100は、図3に示すように、プリンタ4から排出されたシートを、折り装置400を介して内部に導くための入口ローラ対502と紙厚検知センサ部909を有する。この入口ローラ対502の下流には、シートをフィニッシャパス552、または第1製本パス553に導くための切換フラッパ551が設けられている。フィニッシャパス552に導かれたシートは、搬送ローラ対503を介してバッファローラ505に向けて送られる。搬送ローラ対503とバッファローラ505は、正逆転可能に構成されている。入口ローラ対502と搬送ローラ対503間には、入口センサ531が設けられている。また、入口センサ531のシート搬送方向上流近傍においては、第2製本パス554がフィニッシャパス552から分岐している。この分岐点は、入口ローラ対502から搬送ローラ対503にシートを搬送するための搬送路への分岐を形成する。また、搬送ローラ対503が逆転してシートを搬送ローラ対503側から入口センサ531側に搬送する際には、第2製本パス554側のみに搬送されるワンウェイ機構を有する分岐を成す。搬送ローラ対503とバッファローラ505間には、パンチユニット550が設けられており、パンチユニット550は必要に応じて動作し、搬送されてきたシートの後端付近に穿孔する。
バッファローラ505は、その外周に送られたシートを所定枚数積層して巻き付け可能なローラであって、必要に応じてこのローラの外周には各押下コロ512,513,514により巻き付けられる。バッファローラ505に巻き付けられたシートはバッファローラ505の回転方向に搬送される。このバッファローラ505へのシートの巻きつけは、処理トレイ630でステイプル処理を行っている間、後続のシートを一時バッファするときに行われる。巻きつけられた所定枚数のシートは、前の束との衝突が起こらない適切な時間に所定枚数積層されたまま処理トレイ630へ搬送される。
押下コロ513,514間には切換フラッパ510が配置されており、押下コロ514の下流には切換フラッパ511が配置されている。切換フラッパ510はバッファローラ505に巻き付けられたシートをバッファローラ505から剥離してノンソートパス521、又はソートパス522に導くためのフラッパである。切換フラッパ511はバッファローラ505に巻き付けられたシートをバッファローラ505から剥離してソートパス522に、又はバッファローラ505に巻き付けられたシートを巻き付けられた状態でバッファパス523に導くためのフラッパである。切換フラッパ510によりノンソートパス521に導かれたシートは、排出ローラ対509を介してサンプルトレイ701上に排紙される。また切換フラッパ510によりソートパス522に導かれたシートは、搬送ローラ506,507を介して中間トレイ(以下、処理トレイ)630上に積載される。こうして処理トレイ630上に束状に積載されたシートは、必要に応じて整合処理、ステイプル処理などが施された後、排出ローラ680a,680bによりスタックトレイ700上に排出される。処理トレイ630上に束状に積載されたシートを綴じるステイプル処理には、ステイプラ601が用いられる。スタックトレイ700は、上下方向に自走可能に構成されている。
図4は、ステイプラ601の概略図である。
図4において、当接部としてのドライバ部821はステイプル動作時に矢印方向に移動し、シート束Pに当接して上面を押さえ、ほとんど同時に、針打ち込み部822より針がシート束Pに対して打ち込まれる。打ち込まれた針はドライバ部821で折り曲げられステイプル処理が完了する。針打ち込み部822をドライバ部821と一体的に設け、固定された針曲げ部に向かって移動するようにしてもよい。また、ドライバ部821と針打ち込み部822にセンサを設け、原稿の差し込み口にシート束Pが挿入されたことを検知する。
図3に戻り、スイッチ450は、ステイプラ601を動作させるメカニカルスイッチである。ドライバ部821と針打ち込み部822のセンサによりシート束Pを検知している状態でスイッチ450を押すことで、ステイプラ601を動作させて、マニュアルステイプルを行う。スイッチ450は、操作部5にソフトウェアスイッチを設けることで代替できるが、その説明は割愛する。
次に、フィニッシャ100の、サドル部について説明する。第1製本パス553、第2製本パス554を搬送されたシートは、搬送ローラ対813によって収納ガイド820に収納され、更にシート先端が可動式のシート位置決め部材823に接するまで搬送される。搬送ローラ対813の上流側には、製本入口センサ817が配置されている。また、収納ガイド820の途中位置には、2対のステイプラ818が設けられており、このステイプラ818はそれに対向するアンビル819と協働してシート束の中央を綴じるように構成されている。ステイプラ818の下流位置には、折りローラ対826が設けられている。折りローラ対826の対向位置には、突出し部材825が設けられている。この突出し部材825を収納ガイド820に収納されたシート束に向けて突き出すことにより、シート束は折りローラ対826間に押し出される。そして、シート束は、折りローラ対826によって折り畳まれた後に、排紙ローラ827を介してサドル排出トレイ832に排出される。この排紙ローラ827の下流側には、製本排紙センサ830が配置されている。また、ステイプラ818で綴じられたシート束を折る場合には、ステイプル処理が終了した後にシート束のステイプル位置が折りローラ対826の中央位置になるように、位置決め部材823を所定距離分下降させる。
最後に、フィニッシャ100の、インサータ部について説明する。
インサータ900は、フィニッシャ100の上部に設けられ、トレイ901上に積載された表紙或いは合紙であるシート束を順次分離し、フィニッシャパス552、または製本パス553に搬送する。ここで、インサータ900のトレイ901上には、特殊シートが操作者から見て正視状態で積載される。即ち、特殊シートはその表面が上に向けられた状態でトレイ901に積載される。トレイ901上に積載された特殊シートは、給紙ローラ902によって、搬送ローラ903及び分離ベルト904からなる分離部に搬送され、最上位のシートから1枚ずつ順次分離されて搬送される。特殊シートの判別は、給紙ローラ902と搬送ローラ903の間にある、トレイ901上に特殊シートがセットされているか否かを検出するためのシートセットセンサ910によって判別される。この分離部の下流側には引き抜きローラ対905が配置され、この引き抜きローラ対905により分離された特殊シートは、安定して搬送パス908に導かれる。引き抜きローラ対905の下流側には給紙センサ907が設けられ、また給紙センサ907と入口ローラ対502との間には、搬送パス908上の特殊シートを入口ローラ対502に導くための搬送ローラ906が設けられている。
図5は、実施形態1に係る画像形成装置1の操作部5の上面図である。
操作部5は制御部3と接続され、タッチパネルなどの機能を有する表示部やハードキー等を有し、この画像形成装置1を操作するためのユーザインターフェースを提供している。表示部1500はタッチパネル機能を有する表示部で、主なモード設定、状況表示はここで行われる。テンキー1501は0〜9までの数値を入力するのに使用される。IDキー1502は、この画像形成装置1が部門で管理されている場合に、その部門番号と暗証モードを入力する際に使用される。リセットキー1503は、設定されたモードをリセットする。ガイドキー1504は、各モードについての説明画面を表示するように指示する。ユーザーモードキー1505は、ユーザーモード画面に入るためのキーである。割り込みキー1506は割り込みコピーを行う場合に使用される。スタートキー1507はコピー動作をスタートさせるためのキー、ストップキー1508は実行中のコピージョブを中止させるためのキーである。節電キー1509は、押下することにより表示部1500のバックライトが消えてスリープ状態に移行する。コントラスト調整キー1510は、表示部1500のコントラストを調整するためのキーである。カウンタ確認キー1511は、押下されると、それまでに使用したコピー枚数の集計を表示するカウント画面が表示部1500に表示される。LED1512は、ジョブの実行中、画像メモリへの画像蓄積中を示す。エラーLED1513は、ジャム、ドアオープン等装置がエラー状態にある場合に点灯する。電源LED1514は、画像形成装置1のメインスイッチがオンであることを示すLEDである。1551〜1556は、それぞれコピー、スキャンして保存、保存文書の印刷、スキャンして送信、FAX、電力見える化、に移行させるためのソフトウェアボタンである。ボタン1551は、コピー機能の画面への遷移ボタンである。ボタン1552は、スキャナ部2でスキャンした画像データを、ハードディスク6に保存するスキャンして保存機能の画面への遷移ボタンである。ボタン1553は、ハードディスク6に保存した画像データを、プリンタ部4で印刷する保存文書印刷機能への遷移ボタンである。ボタン1554は、スキャナ部2で得られた画像データを、制御部3からLAN8を経由し、コンピュータ9へ送るスキャンして送信機能への遷移ボタンである。ボタン1555は、スキャナ部2で得られた画像データを、制御部3から、FAX部7を経由して電話回線へ送るファックス機能への遷移ボタンである。ボタン1556は、画像形成装置1の電力状態を表示部1500で確認する電力見える化機能への遷移ボタンである。
図6は、実施形態1に係る画像形成装置1の電源系統を説明するブロック図である。
電源制御部303は、電源301からの常夜電源ライン302を介して常時電力が供給されている。但し、電源制御部303の消費電力は微弱な電力量に留まるため、スリープ時にはこの電源制御部303とスリープからの復帰要因となる箇所のみに通電されるように電力制御が行われる。CPLD(Complex Programmable Logic Device)304は、画像形成装置1の各部への電力の供給及び停止を制御するハードウェアロジック回路である。このCPLD304は、予め下記に示す所望の動作を実行するようプログラムされている。即ち、IO信号V_ON307によってリレースイッチ308をオン/オフすることにより、電源301から非常夜電源ライン309を経由するコントローラ3への給電を制御する。また、CPU201により複数のタイマ値が設定され、タイマ起動時にはCPU201によって設定された動作を実行する。また、IO信号P_ON310によってリレースイッチ311をオン/オフすることにより、電源301から非常夜電源ライン312を経由するプリンタ部4への給電を制御する。また、CPU201の指示によって所定のIO信号を動作させることができる。IO信号は、プリンタ部4のCPU320へ接続されたDCON_LIVEWAKE信号305を含む。この信号305がアサートされた状態でプリンタ部4の電源が投入されると、プリンタ部4は可動部を制御したり電力を使ったりする特定の動作を行わずに静かに復帰する。この特定の動作には、例えば、モータ、ローラ、ポリゴンなどの回転動作や、ドラム321〜324の温調やFAN325による排熱処理といった制御がある。
プリンタ部4のCPU320は、割り込みを通知するINT_DCON信号306に従って、センサなどの割り込みをCPLD304に通知する。CPLD304は、この割り込みの通知を受けるとIO信号のP_ON信号310によりスイッチ311をオンにして、電源301から非常夜電源ライン312を経由してプリンタ部4に給電する。
フィニッシャ100のCPU330は、割り込み通知するINT_ACC信号335により、センサなどからの割り込みをプリンタ部4のCPU320に通知し、更にCPU320はINT_DCON信号306によりCPLD304に通知する。CPLD304はこの割り込みを受けて、IO信号のP_ON310によりスイッチ311をONにする。これにより電源301から非常夜電源ライン312、プリンタ部4、非常夜電源ライン336を経由して、フィニッシャ100に給電される。このようにフィニッシャ100に給電することでステイプラ601にも給電することができる。尚、CPLD304は、割り込みを受けなくても、必要に応じて給電を制御することもできる。スキャナ部2は、プリンタ部4の説明と同様に、CPLD304によりその給電の制御が可能であるが説明が重複するため、その説明を省略する。
図7は、実施形態1に係る画像形成装置1の制御部3の構成を説明するブロック図である。
この制御部3はメインボード200とサブボード220とを有している。メインボード200は、いわゆる汎用的なCPU回路である。このメインボード200は、全体を制御するCPU201、ブートプログラムが含まれるブートROM202、CPUがワークメモリとして使用するメモリ203、外部バスとのブリッジ機能を持つバスコントローラ204、不揮発メモリ205を有している。更に、ストレージ装置を制御するディスクコントローラ206、半導体デバイスで構成された比較的小容量なストレージ装置であるフラッシュディスク207、USBを制御するUSBコントローラ208等を有する。更にこのメインボード200にはUSBメモリ209、操作部5、ハードディスク6等が接続されている。またCPU201は、各装置からの割り込みや各装置に対する電力供給を制御するCPLD304と接続されている。更に、メインボード200は、ネットワークコントローラ211、リアルタイムクロック(RTC)212、USBコントローラ208を有し、操作部5や、スキャナ部2、プリンタ部4、FAX部7、フィニッシャ100等と接続されている。
サブボード220は比較的小さな汎用CPUシステムと、画像処理用のハードウェアを具備している。サブボード220はCPU221、CPU221がワークメモリとして使用するメモリ223、外部バスとのブリッジ機能を持つバスコントローラ224、不揮発メモリ225、画像処理部227とデバイスコントローラ226等を有する。スキャナ部2とプリンタ部4は、デバイスコントローラ226を介して、デジタル画像データの受け渡しを行なう。FAX部7はCPU221が直接制御している。
尚、この図7はブロック図であり簡略化している。例えばCPU201,CPU221等にはチップセット、バスブリッジ、クロックジェネレータ等のCPU周辺ハードウェアが多数含まれているが、説明の粒度的に不必要であるため省略して記載しており、このブロック構成が本発明を制限するものではない。
次に制御部3の動作を、画像の複写を例に説明する。
ユーザが操作部5から画像の複写を指示すると、CPU201がCPU221を介してスキャナ部2に原稿の読み取り命令を送る。これによりスキャナ部2は、原稿を光学スキャンし、その画像を画像データに変換し、デバイスコントローラ226を介して画像処理部227に入力する。画像処理部227は、その画像データに対して画像処理を実行し、DMAにより、その処理済の画像データをメモリ223に転送して一時保存する。CPU201は、こうして画像データがメモリ223に一定量もしくは全て格納されたことを確認すると、CPU221を介してプリンタ部4に印刷指示を出す。このときCPU221は、画像処理部227にメモリ223の画像データのアドレスを教える。メモリ223に格納された画像データは、プリンタ部4からの同期信号に従って、画像処理部227とデバイスコントローラ226によりプリンタ部4に送信されて印刷される。
また複数部の印刷を行なう場合は、CPU201がメモリ223の画像データをハードディスク6に保存し、2部目以降は、そのメモリ223から画像データを読み出して印刷する。
図8は、実施形態1に係る画像形成装置1がスリープ状態のときの給電状態を説明するブロック図である。尚、このブロック図は図7のブロック図に対応しており、図7と共通する部分は同じ記号で示している。
スリープ状態とは、電力消費量を抑えつつ、起動時間を通常の起動時よりも早くすることができる状態である。ユーザが操作しない状態で一定時間が経過した時や、操作部5のソフトスイッチを押下した時などに、節電機能を開始し、最終的にスリープ状態に遷移する。
スリープ状態での給電は、制御部3のメモリ203、CPLD304などの最低限必要な個所に限られる。つまり、図8の網掛けで示す箇所以外が、スリープ状態で給電される箇所を示している。但し、網掛けで示す箇所でも、スリープ状態から復帰するために必要な箇所への給電は行われている。
以下、図8を参照して、本実施形態1に係るスリープ状態における制御部3の動作を説明する。
スリープ状態での給電箇所は、CPLD304へスリープ状態からの復帰の割り込みを送るネットワークコントローラ211,RTC212,USBコントローラ208等である。また操作部5のソフトスイッチ、スキャナ部2とプリンタ部4とフィニッシャ100の各種センサ、フィニッシャ100のスイッチ450(図3)、FAX部7の着信やオフフックを検知する一部の箇所などにも給電されている。
CPLD304は、前述のスリープ状態時の給電先から1つ以上の割り込みを受ける。具体例を示すと、例えば、フィニッシャ100のステイプラ601のドライバ部821と針打ち込み部822のセンサに給電している状態で原稿の差し込み口に原稿が差し込まれた時に、CPLD304で割り込みを受ける。また例えば、フィニッシャ100のスイッチ450に給電している状態でスイッチ450が押下された時にCPLD304が割り込みを受ける。こうしてCPLD304が割り込みを受け付けると、その割り込みが発生したことをCPU201に通知する。CPU201は、この割り込みの通知を受けて、給電やソフトウェアの状態を通常状態に戻すスリープ状態からの復帰処理を行う。但し、スリープ状態からの復帰要因はシステムによって異なるため、スリープ状態での給電はこの構成に限らない。
図9は、図7に示す構成を、制御部3の電源制御・リセット回路回りだけに着目したブロック図で、その他の部分は簡略化して示している。
リセット回路350はメインボード200のリセット回路である。ブートROM202は、ハードウェアの基本的な部分を制御するBIOSを含む。CPLD304は、前述したように、割り込みを監視して電力供給を制御している。リセット回路352は、サブボード220上のリセット回路である。ハードウェア回路351,353は、各ボード200,220のハードウェア回路で、図7のコントローラ等を含んでいる。
同期型のハードウェアは、リセット信号により内部状態をリセットするため、同期型で組まれたハードウェア回路は、電源オン後、電力が各チップに供給された後に、リセット回路が各ハードウェアをリセットする必要がある。複数のハードウェアチップは主従関係を持つため、リセットシーケンスを設計し、順次リセットを掛けていく。そのため一般的には図9のように、一つのボードに一つのリセット回路を持ち、各々のボード内のリセット動作を、各リセット回路が行うことになる。
メインボード200は、この画像形成装置1で主となるボードであり、CPLD304を有する。CPLD304は、電源スイッチ101からスイッチ状態の入力などを受け、リレースイッチ308を用いて、メインボード200やサブボード220への電力供給を制御する。CPLD304は、CPU201が正常に動作できる場合は、CPU201の指示に従ってシステムにリセットを掛けることができる。逆に、CPLD304は、CPU201に電力が供給されていない場合は、電源スイッチ101の入力を受けるとリレースイッチ308をオンして制御部3に電力を供給させる。
ブートROM202は、低レベルのハードウェア制御ライブラリ等が含まれているBIOSである。一般的にはIBM互換機などとの互換性を確保するためのものであり、いわゆるコンピュータシステム上必須ではないが、例えばACPI規格による省電力機能の一部を実行できるため記載した。以上のハードウェア構成をもつ画像形成装置1において、CPU201は、電源スイッチ101がオフになる際に、CPLD304を介して電源スイッチ101の状態を受け取る。つまりCPU201は、通常、電源オフを検知するとシャットダウンシーケンスを動作させ、CPLD304にシャットダウン指示を行う。その結果、IO信号V_ON307によりリレースイッチ308をオフにし、電源301から非常夜電源ライン309を介した制御部3への電力供給を停止させることで、完全にシャットダウンされる。このシャットダウンによりCPU201によるプログラムの実行も完全に終了するため、次回電源スイッチ101をオンにした際は、CPU201のプログラムは通常通り起動することになる。
次に画像形成装置1の起動時の給電について補足する。操作者が画像形成装置1を使用する場合は、電源スイッチ101をオンにする。CPLD304は、この電源オンを検知するとIO信号N_ON307によりリレースイッチ308をオンして電源301から非常夜電源ライン309を介して制御部3に給電する。これによりCPU201は、ハードウェアの初期化を行う。このハードウェアの初期化は、レジスタ初期化、割り込み初期化、カーネル起動時のデバイスドライバの登録、表示部の初期化などを含む。次にCPU201はソフトウェアの初期化を行う。このソフトウェアの初期化は、各ライブラリの初期化ルーチンの呼び出し、プロセスやスレッドの起動、プリンタ部4やスキャナ部2とコミュニケーションを行うソフトウェアサービスの起動、表示部の描画などを含む。こうして初期化処理が終了するとアイドル状態へ移行する。この後、スキャナ部2、プリンタ部4、フィニッシャ100等に給電する。プリンタ部4、スキャナ部2、フィニッシャ100は、各々のCPUが電源オンによる初期化動作を開始する。
次に、画像形成装置1のプリンタ部4やスキャナ部2を使っていない通常状態の給電について補足する。通常状態は、全てのユニットに給電されている状態だけでなく、例えば、印刷していない時はプリンタ部4に給電しない状態や、操作部5の表示を消灯しユーザが画像形成装置1の前にいない場合は、スキャナ部2に対して給電しない状態などがある。また、プリンタ部4による印刷完了や、スキャナ部2による読取完了を早めるために、常時、プリンタ部4やスキャナ部2に電力を供給している。しかし、印刷のためのモータやポリゴンを動作させない状態や、印刷のための転写ユニットを温調させない状態や、原稿読取のためのホームポジション検知を動作させない動作待ち状態がある。
次に、画像形成装置1がPDLデータを受信して印刷するときのプリンタ部4やスキャナ部2を使う状態の給電について補足する。
印刷機能におけるプリンタ部4の電源オン/オフについて説明する。制御部3のCPU201は、コンピュータ9からLAN8を経由して印刷データを受信するとメモリ203に格納する。CPU201は、受信した印刷データを解析し、印刷を実行する場合は印刷ジョブを生成する。CPU201は、IO信号P_ON310によりスイッチ311をオンにしてプリンタ部4に給電する。CPU201は、こうしてプリンタ部4が使用可能になると印刷ジョブを実行する。CPU201は、メモリ203から、バスコントローラ204,224、画像処理部227、デバイスコントローラ226を経由してプリンタ部4へデータを送信する。プリンタ部4は、受信したデータを印刷し、印刷が完了すると、その結果をCPU201へ通知する。CPU201は印刷が完了すると、CPLD304によりIO信号P_ON310を出力させてリレースイッチ311をオフさせ、電源301から非常夜電源ライン312によるプリンタ部4への給電を停止する。
図10は、実施形態1に係る画像形成装置1がスリープ状態(節電状態)に移行する際の処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムは、実行時にはHDD6からメモリ203に展開されそのプログラムをCPU201が実行することにより実現される。
まずS1001でCPU201は、節電機能を開始するタイミングになったかどうかを判定する。この節電機能を開始するタイミングとは、例えば、オートスリープタイマがタイムアップした、オートスリープ時刻になった、オートシャットダウンタイマがタイムアップした、オートシャットダウン時刻になった時点等である。ここで節電機能を開始するタイミングになったと判定するとS1002に進みCPU201は、節電機能の開始を示すフラグ(不図示)をオンする。このフラグは、節電機能を実行するタイミングになったことを示すものでメモリ203に設けられている。
次にS1003に進みCPU201は、実際に節電状態に移行するための禁止条件に合致するかどうかを判定する。この禁止条件として、例えば、節電機能を開始するタイミングになったときに印刷ジョブを実行しているなどの条件がある。これは、実行中の印刷ジョブが節電機能により中断されると、目的とする印刷物が得られないという不具合が生じるのを防止するために禁止条件として設定されている。S1003で禁止条件に合致する状態であると判定するとS1003で、その禁止条件に合致した状態でなくなるのを待ってS1004に進む。S1004でCPU201は、節電状態を実行してスリープ状態に移行する。
このようにして、節電機能を開始するタイミングになって、かつ節電状態に移行できる状態であれば、画像形成装置1はスリープ状態(節電状態)に移行する。
図11を参照して実施形態1における節電機能を実行するときの処理を説明する。
図11(A)は、図10のS1004で節電機能を実行するときの実施形態1に係る処理を説明するフローチャートである。
ここではS1101でCPU201は、マニュアルステイプラの原稿差し込み口のセンサが原稿を検知したかどうかを判定する。原稿を検知したときはS1102に進みCPU201は、節電機能を実行しないようにする。尚、このとき前述のS1002でセットしたフラグをオフにしても良い。一方、S1101で原稿を検知しないときはS1103に進みCPU201は、節電機能を実行するように制御する。
これにより、マニュアルステイプル機能と節電機能を同時に有効にした場合でも、マニュアルステイプル中に節電状態に移行するという不具合を解消できる。即ち、マニュアルステイプル機能を実行しているときは、シャットダウン操作やスリープタイマ等により節電状態に移行する条件が成立したことが知らされても、マニュアルステイプル用の原稿がセットされている限り、節電状態に移行することはない。尚、節電状態へ移行するトリガは、前述したように、オートスリープタイマ、オートスリープ時刻、オートシャットダウンタイマ、オートシャットダウン時刻等に起因して発生する。
[実施形態2]
図11(B)は、図10のS1004で節電機能を実行するときの実施形態2に係る処理を説明するフローチャートである。尚、実施形態2に係る画像形成装置1の構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
この実施形態2では、節電機能を実行できない禁止条件と合致しているために節電機能が実行されない状態で、例えばオートスリープタイマにより節電開始時刻になったことが知らされても節電機能を実行できなかった場合の処理を説明する。
S1110でCPU201は前述のS1101と同様に、マニュアルステイプラの原稿差し込み口に原稿があるかどうかを判定する。原稿があればS1111に進んで節電機能を実行しないようにする。一方、S1110で原稿を検知しないときはS1112に進みCPU201は、原稿を検知して節電機能が実行されない状態の時に、例えばシャットダウンタイマやスリープタイマなどの節電機能の開始時刻になっていたかどうかを判定する。そうであればS1113に進みCPU201は、その開始時刻になったのに実行されなかった節電機能を直ちに実行して、この処理を終了する。これにより、マニュアルステイプラのセンサが原稿を検知して節電機能が実行できない状態の時に、シャットダウンタイマやスリープタイマなどで節電機能の開始が指示されていたときは、直ぐに節電機能を実行することができる。一方、開始時刻になっていなかったときはS1114に進みCPU201は、通常通りの手順に従って節電機能を実行する。
このように実施形態2によれば、ステイプラ601の原稿の差し込み口に原稿がある場合は、ステイプラ601の節電機能の実行を停止できる。またステイプラ601の原稿の差し込み口に原稿がない状態になった場合に、差し込み口に原稿があるために実行されなかった節電機能を実行させることができる。
[実施形態3]
図12を参照して本発明の実施形態3を説明する。尚、実施形態3に係る画像形成装置1の構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
この実施形態3の課題は、フィニッシャ100の電源がオンの状態と、フィニッシャ100の電源がオフされているオフの状態と、その中間状態を持つ画像形成装置がある。いま画像形成装置が電源オン状態から電源オフ状態へ移行する中間状態の時に、ユーザがマニュアルステイプラ601を実行しようとすると、その実行中にフィニッシャ100の電源が切られてしまう。
そこで、この課題を解決するために実施形態3では、ステイプラ601の原稿の差し込み口に原稿が挟まれている時はステイプラ601が電源オフになるのを遅延させる。
図12(A)は、実施形態3に係る画像形成装置1の処理を説明するフローチャートである。
この処理は、シャットダウン処理やスリープ処理などの節電処理により、ステイプラ601を電源オフ状態に遷移することにより開始される。S1201でCPU201は、シャットダウンを開始すると、フィニッシャ100のステイプラ601の原稿の差し込み口に原稿が有るか無いかを原稿検知センサで検知して、原稿があるかどうか判定する。ここで原稿があると判定するとS1202に進みCPU201は、直ぐにステイプラ601の電源オフを実行せずに、その電源オフを予約して処理を終了する。一方、S1201で原稿の差し込み口に原稿がないと判定するとS1203に進みCPU201は、ステイプラ601の電源オフを行う。また電源オフが予約されていた場合も直ぐに電源オフを実行する。
こうして実施形態3によれば、ステイプラ601の原稿の差し込み口に原稿がある場合は、ステイプラ601の節電処理の実行を遅らせることができる。
[実施形態4]
図12(B)は、実施形態4に係る画像形成装置1の処理を説明するフローチャートである。尚、実施形態4に係る画像形成装置1の構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を割愛する。
実施形態4の課題は、画像形成装置1の表示部1500がオフの時に、マニュアルステイプラをシャットダウンすると、ユーザは何も分かない状態で、フィニッシャ100を突然使えなくなるという不具合がある。この実施形態4では、表示部1500がオフ、且つ、マニュアルステイプラの原稿の差し込み口で原稿を検知している状態でシャットダウンを実行した時は、表示部1500に電力供給して表示をオンにしてユーザにメッセージなどを表示する。これによりユーザは、その表示部1500に表示された内容により、マニュアルステイプラがシャットダウンしたことを認識できる。
S1210でCPU201は、フィニッシャ100のステイプラ601の原稿の差し込み口に原稿があるかどうかを判定し、原稿がないときは、そのまま処理を終了する。一方、原稿を検知したときはS1211に進みCPU201は、表示部1500のバックライトがオフかどうか判定する。オフでなければS1213に進むが、表示部1500のバックライトがオフの場合はS1212に進みCPU201は、表示部1500のバックライトをオンしてS1213に進む。S1213でCPU201は、ステイプラ601の原稿差し込み口から原稿を取り除くように指示するメッセージを表示部1500に表示して、この処理を終了する。
以上説明したように実施形態4によれば、マニュアルステイプラのシャットダウンを、画像形成装置のユーザに通知することができる。
[実施形態5]
図13は、実施形態5に係る画像形成装置1の処理を説明するフローチャートである。尚、実施形態5に係る画像形成装置1の構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を割愛する。
この実施形態5では、節電状態の時に、ユーザがマニュアルステイプルしようとステイプラ601の原稿差し込み口に原稿を差し込んでも、ステイプルできない点である。
この処理は、画像形成装置1がスリープ状態に移行する場合に開始される。まずS1301でCPU201は、節電機能を実行して画像形成装置1がスリープ状態となる。次にS1302に進みCPU201は、フィニッシャ100のステイプラ601の原稿の差し込み口に原稿を検知したかどうかを判定する。これは前述したように、フィニッシャのCPU330が原稿の差し込み口に原稿を検知するとCPLD304に通知する。これによりCPLD304信号V_ON307によりスイッチ308をオンにして制御部3への給電を開始してCPU201が起動して原稿を検知したことを認識するものである。S1302でCPU201は、フィニッシャ100のステイプラ601の原稿の差し込み口に原稿を差し込まれたことを検知するとS1303に進む。S1303でCPU201は節電状態から復帰して、この処理を終了する。
即ち、S1303でフィニッシャ100のCPUは、ステイプラ601のセンサにより原稿を検知すると割り込み信号INT_ACC335によりCPLD304に通知する。これによりCPLD304は、IO信号V_ON307によりリレースイッチ308をオンして制御部3に通電してCPU201がスリープ状態から復帰する。
実施形態5によれば、画像形成装置1が節電状態のときにステイプラ601を使う場合、復帰のために節電キーを押さなくても、ステイプラ601に原稿をセットするだけでステイプラを使用できるようになる。
[実施形態6]
図14は、実施形態6に係る画像形成装置1の処理を説明するフローチャートである。尚、実施形態6に係る画像形成装置1の構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を割愛する。
この実施形態6では、ステイプラ601で針が無い場合は、例えステイプラ601の原稿の差し込み口原稿が検知されても節電機能を実行する。例えば、ステイプラ601が針無しで、ユーザが針を準備する間は、画像形成装置1はスリープ状態移行する条件が整えばスリープ状態に移行する。
先ずS1401でCPU201は、フィニッシャ100のステイプラ601の原稿差し込み口に原稿があるかどうかを判定する。原稿が検知されたときはS1402に進みCPU201は、ステイプラ601の針打ち込み部822に針があるかどうかを判定する。針があると判定するとS1403に進みCPU201は、節電機能の実行を禁止して、この処理を終了する。この時、節電機能のタイマなどの停止は行わない。
一方、S1401で原稿がないと判定したとき、或いはS1402でステイプラ601の針打ち込み部822に針がないと判定するとS1404に進む。S1404でCPU201は、図11(B)のS1112と同様に、原稿を検知して節電機能が実行されない状態の時に、例えばシャットダウンタイマやスリープタイマなどの節電機能の開始時刻になっていたかどうかを判定する。そうであればS1403に進みCPU201は、その開始時刻になったのに実行されなかった節電機能を直ちに実行して、一方、開始時刻になっていなかったときはS1406に進みCPU201は、通常通りの手順に従って節電機能を実行する。
以上説明したように実施形態6によれば、フィニッシャ100のステイプラ601の針打ち込み部822に針が無かった場合は節電機能を停止しないようにできる。これにより、ステイプラが使用できないにも拘らず、フィニッシャ処理のために節電機能を実行できないといった事態の発生を防止できる。
[実施形態7]
次に本発明の実施形態7を説明する。この実施形態7では、フィニッシャ100が別電源の場合は、フィニッシャ100が単体でマニュアルステイプルを実施できるので画像形成装置1が節電状態に移行できるようにする。
具体的には、節電停止から節電開始までの節電機能の停止中に、シャットダウンやスリープタイマなどの節電時刻が来ていた場合は、フィニッシャ100が別電源の場合は直ぐに節電機能を実行する。また実施形態7では実施形態2と同様に、節電機能の実行を遅延させている。しかし、節電機能の実行を遅延させるのではなく、実施形態1と同様に、節電機能の実行を禁止することもできるが、内容の重複になるため、割愛する。
図15は、実施形態7に係る画像形成装置1の電源系統を説明するブロック図である。尚、前述の図6のブロック図と共通する部分は同じ記号で示し、それらの説明を省略する。
図15では、フィニッシャ100の電源スイッチ338をオンすると、電源337から電源ライン339を経由してフィニッシャ100へ給電される。ここでは前述の実施形態1のように、電源301からフィニッシャ100へ給電しない。
図16は、実施形態7に係る画像形成装置1の処理を説明するフローチャートである。尚、実施形態7に係る画像形成装置1の構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を割愛する。
この処理は、ユーザによりフィニッシャ100のステイプラ601の原稿差し込み口に原稿が差し込まれたのをドライバ部821と針打ちこみ部822の原稿検知センサが検知して、CPU201がセンサ通知を受けることで開始する。まずS1601でCPU201は、フィニッシャ100のステイプラ601の原稿の差し込み口に原稿があるかどうかを判定する。原稿があると判定したときはS1602に進みCPU201は、フィニッシャ100の電源が別電源かどうかをフィニッシャ100に問い合わせて判定する。具体的には、CPU201は、バスコントローラ204と224を経由してサブボード220のCPU221へ通信する。更に画像処理部227、デバイスコントローラ226、プリンタ部4のCPU320を経由してフィニッシャ100のCPU330と通信する。そしてCPU201は、フィニッシャ100の電源スイッチ338の有無を問い合わせ、その応答を受け取ることでフィニッシャ100の電源が別電源かどうか判定する。S1602でCPU201が、別電源でないと判定したときはS1603に進んで、CPU201は、節電機能の実行を禁止して、この処理を終了する。この場合は、節電機能のタイマなどの停止は行わない。
一方、S1601で原稿を検知しないと判定した場合、或いはS1602でフィニッシャ100が別電源のときはS1604に進み、CPU201は、図11のS1112等と同様の処理を実行する。即ち、CPU201は、節電機能の実行を禁止してから節電機能を開始するまでの間に、節電機能タイマのタイムアップや節電機能の指定時刻になっていたかどうかを判定し、なっていた場合はS1605に進む。S1605でCPU201は、直ぐに節電機能を実行して処理を終了する。またそうでないときはS1606に進みCPU201は、通常通り節電機能を実行して処理を終了する。
以上説明したように実施形態7によれば、画像形成装置1とフィニッシャ100とが別電源である場合は、画像形成装置1がスリープ状態に移行してもフィニッシャに影響を与えないため、画像形成装置1は直ちに節電機能を実行できる。
(その他の実施形態)
また、上記した実施形態では、節電状態に移行する条件が満たされた場合(S1003:Yes)に、節電機能を実行し、その節電機能を実行する際に、ステイプラのセンサが原稿を検知している場合には、節電機能の実行を禁止する例を説明した。しかしながら、本発明では、ステイプラのセンサが原稿を検知していないという条件が、節電状態に移行する条件であっても良い。つまり、S1003において、ステイプラのセンサが原稿を検知しない場合に(S1003:No)、S1004の処理を実行するようにしても良い。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。