JP2019129386A - 伝送路推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動予定経路内の各地点における基地局からアンテナまでの電波の伝送路を移動前に予測する。【解決手段】伝送路推定装置100は、高精度3次元地図データを用いて、移動体(車両1)の移動予定経路(走行予定経路)内の各地点における、基地局から移動体(車両1)に設けられているアンテナ31までの電波の伝送路を予測する伝送路予測部41を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、伝送路推定装置に関する。
従来、移動体に設けられているアンテナを用いて、基地局により送信された電波を受信するシステムが開発されている。例えば、特許文献1には、いわゆる「地上デジタル放送」用の電波を受信するシステムが開示されている。
移動体に設けられているアンテナを用いて基地局により送信された電波を受信するシステムにおいては、アンテナにより受信された電波に対応する信号(以下「受信信号」という。)を用いることにより、当該電波が受信されたときの移動体の位置に対応する地点における、基地局からアンテナまでの当該電波の伝送路を推定することができる。
しかしながら、この技術は伝送路の推定に受信信号を用いるものであり、移動体が移動する予定の経路(以下「移動予定経路」という。)内の各地点における基地局からアンテナまでの電波の伝送路を移動前に予測することはできないという問題があった。また、推定処理の実行中に移動体が移動することにより、受信信号に対応する電波が受信されたときの移動体の位置と、推定結果を用いた各種制御が実行されるときの移動体の位置との間にズレが生ずる。この結果、移動体の位置変化に対する当該各種制御の応答性が低いという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、移動予定経路内の各地点における基地局からアンテナまでの電波の伝送路を移動前に予測することを目的とする。
本発明の伝送路推定装置は、高精度3次元地図データを用いて、移動体の移動予定経路内の各地点における、基地局から移動体に設けられているアンテナまでの電波の伝送路を予測する伝送路予測部を備えるものである。
本発明によれば、上記のように構成したので、移動予定経路内の各地点における基地局からアンテナまでの電波の伝送路を移動前に予測することができる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る伝送路推定装置が車両に設けられている状態を示すブロック図である。図1を参照して、実施の形態1の伝送路推定装置100について、車両1に設けられている例を中心に説明する。
図1は、実施の形態1に係る伝送路推定装置が車両に設けられている状態を示すブロック図である。図1を参照して、実施の形態1の伝送路推定装置100について、車両1に設けられている例を中心に説明する。
記憶装置11は、いわゆる「ダイナミックマップ」などの高精度3次元地図データを記憶するものである。高精度3次元地図データは、モービルマッピングシステム(Mobile Mapping System,MMS)などにより収集された3次元点群データに基づき生成されたベクトルデータを含むものである。これらのベクトルデータは、地形及び建造物などの3次元形状に対応するものである。
これに加えて、記憶装置11に記憶されている高精度3次元地図データは、地上デジタル放送用の基地局(以下、単に「基地局」という。)である電波塔の位置、当該電波塔の高さ、当該電波塔による電波の送信方向、当該電波塔により送信される電波の指向性、当該電波塔により送信される電波の周波数、及び当該電波塔により送信される電波の電力などを示す情報(以下「基地局情報」という。)を含むものである。
アンテナ12は、図示しない人工衛星により送信された複数種類のGNSS(Global Navigation Satellite System)信号を受信するものである。具体的には、例えば、アンテナ12は、民間用のGPS(Global Positioning System)信号を受信するのに加えて、準天頂衛星システム(Quasi−Zenith Satellite System,QZSS)によるCLAS(Centimeter Level Augmentation Service)信号を受信するものである。
高精度ロケータ13は、アンテナ12により受信されたGNSS信号を用いて、いわゆる「衛星航法」により車両1の現在位置(以下「自車位置」という。)及び車両1の進行方向を測定するものである。
通常、民間用のGPS信号のみを用いて自車位置を測定する場合、10メートル〜100メートル程度の誤差が発生する。これに対して、民間用のGPS信号に加えてCLAS信号を用いて自車位置を測定することにより、誤差を数センチメートル〜数十センチメートル程度に低減することができる。すなわち、高精度ロケータ13は、複数種類のGNSS信号を用いることにより、1種類のGNSS信号のみを用いる従来のロケータに比して高精度に自車位置を測定するものである。
ナビゲーション装置14は、記憶装置11に記憶されている高精度3次元地図データなどを用いて、いわゆる「ダイクストラ法」などの公知の方法により、自車位置から目的地までの走行経路を探索するものである。この自車位置は、高精度ロケータ13により測定されたものである。この目的地は、表示装置15に設定用の画面が表示された状態にて、操作入力装置16の操作により設定されたものである。
また、ナビゲーション装置14は、当該探索された走行経路を案内する制御を実行するものである。具体的には、例えば、ナビゲーション装置14は、案内用の画像を表示装置15に表示させたり、又は案内用の音声を音声出力装置17に出力させたりするものである。
記憶装置11は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置により構成されている。ナビゲーション装置14は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)により構成されている。表示装置15は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイにより構成されている。操作入力装置16は、例えば、表示装置15と一体型のタッチパネル、又は表示装置15に隣設されたハードウェアキーなどにより構成されている。音声出力装置17は、例えば、1個又は複数個のスピーカーにより構成されている。
記憶装置11、アンテナ12、高精度ロケータ13、ナビゲーション装置14、表示装置15、操作入力装置16及び音声出力装置17により、ナビゲーションシステム10の要部が構成されている。
アンテナ31は、地上デジタル放送用の電波を受信するものである。アンテナ31は、当該受信された電波に対応するRF(Radio Frequency)信号をチューナー部21に出力するものである。
チューナー部21は、アンテナ31により出力されたRF信号の信号レベルを調整して、周波数変換を実行するものである。チューナー部21は、周波数変換後の信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調部22に出力するものである。
OFDM復調部22は、チューナー部21による周波数変換後の信号に対するA/D(Analog−to−Digital)変換、FFT(Fast Fourier Transform)及びOFDM復調処理を実行するものである。OFDM復調部22は、OFDM復調処理により復調されたTS(Transport Stream)信号をデコード部23に出力するものである。
デコード部23は、OFDM復調部22により出力されたTS信号に対する復号処理を実行するものである。デコード部23は、復号処理により復号された映像信号及び音声信号を入出力制御装置35に出力するものである。
チューナー部21、OFDM復調部22及びデコード部23の機能は、例えば、専用の処理回路により実現される。チューナー部21、OFDM復調部22及びデコード部23により、地上デジタル放送受信機20の要部が構成されている。
ディスクドライブ32は、CD(Compact Disc)などのディスクメディアに記録されている音声信号を読み出して、当該読み出された音声信号を入出力制御装置35に出力するものである。また、ディスクドライブ32は、DVD(Digital Versatile Disc)又はBlu−ray(登録商標)ディスクなどのディスクメディアに記録されている映像信号及び音声信号を読み出して、当該読み出された映像信号及び音声信号を入出力制御装置35に出力するものである。
デジタルオーディオプレーヤー33は、例えば、車両1に持ち込まれたポータブルオーディオプレーヤーにより構成されている。デジタルオーディオプレーヤー33は、デジタルオーディオプレーヤー33内のメモリ(不図示)に記録されている音声信号を読み出して、当該読み出された音声信号を入出力制御装置35に出力するものである。
ラジオチューナー34は、図示しないアンテナを用いて、AM(Amplitude Moduration)ラジオ放送用の電波又はFM(Frequency Modulation)ラジオ放送用の電波を選択的に受信するものである。ラジオチューナー34は、当該受信された電波に対応する音声信号を入出力制御装置35に出力するものである。
入出力制御装置35は、地上デジタル放送受信機20により出力された映像信号又はディスクドライブ32により出力された映像信号のうちのいずれかの映像信号に対応する映像を表示装置36に表示させるものである。表示対象となる映像は、表示装置36に選択用の画面が表示された状態にて、操作入力装置37の操作により選択自在である。
また、入出力制御装置35は、地上デジタル放送受信機20により出力された音声信号、ディスクドライブ32により出力された音声信号、デジタルオーディオプレーヤー33により出力された音声信号又はラジオチューナー34により出力された音声信号のうちのいずれかの音声信号に対応する音声を音声出力装置38に出力させるものである。出力対象となる音声は、表示装置36に選択用の画面が表示された状態にて、操作入力装置37の操作により選択自在である。
入出力制御装置35は、例えば、ECUにより構成されている。表示装置36は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイにより構成されている。操作入力装置37は、例えば、表示装置36と一体型のタッチパネル、又は表示装置36に隣設されたハードウェアキーなどにより構成されている。音声出力装置38は、例えば、1個又は複数個のスピーカーにより構成されている。
地上デジタル放送受信機20、アンテナ31、ディスクドライブ32、デジタルオーディオプレーヤー33、ラジオチューナー34、入出力制御装置35、表示装置36、操作入力装置37及び音声出力装置38により、エンターテインメントシステム30の要部が構成されている。
以下、映像信号、音声信号並びに映像信号及び音声信号を総称して「AV信号」という。また、エンターテインメントシステム30により再生させる映像、音声並びに映像及び音声を総称して「AVコンテンツ」という。
なお、ナビゲーションシステム10及びエンターテインメントシステム30が同一の表示装置15を共用するものであっても良く、ナビゲーションシステム10及びエンターテインメントシステム30が同一の操作入力装置16を共用するものであっても良く、ナビゲーションシステム10及びエンターテインメントシステム30が同一の音声出力装置17を共用するものであっても良い。この場合、図1に示す表示装置36、操作入力装置37及び音声出力装置38は不要である。
また、ナビゲーション装置14及び入出力制御装置35は一体に構成されているものであっても良い。例えば、ナビゲーション装置14及び入出力制御装置35が単一のECUにより構成されているものであっても良い。
伝送路予測部41には、車両1におけるアンテナ31の取り付け位置、車両1におけるアンテナ31の取り付け方向、アンテナ31の指向性、及びアンテナ31のゲインなどを示す情報(以下「アンテナ情報」という。)が予め記憶されている。通常、アンテナ31の取り付け位置、取り付け方向、指向性及びゲインなどは車種毎に異なるものである。したがって、アンテナ情報は車種毎に設定自在にするのが好適である。
伝送路予測部41は、記憶装置11に記憶されている高精度3次元地図データ及び予め記憶されているアンテナ情報を用いて、車両1が走行する予定の経路(以下「走行予定経路」という。)内の各地点における、基地局からアンテナ31までの電波の伝送路を予測するものである。受信状態予測部42は、伝送路予測部41による予測結果を用いて、走行予定経路内の各地点における、アンテナ31による電波の受信状態を予測するものである。
通常、基地局により送信された電波は地形又は建造物などにより反射される。このため、基地局により送信された電波が互いに異なる伝送路を通り、互いに異なる位相にてアンテナ31に到達する。すなわち、いわゆる「マルチパス」が発生する。
これに対して、高精度3次元地図データは、地形及び建造物などの3次元形状に対応するベクトルデータを含むものである。また、高精度3次元地図データは、基地局である電波塔の位置、当該電波塔の高さ、当該電波塔による電波の送信方向、当該電波塔により送信される電波の指向性、当該電波塔により送信される電波の周波数、及び当該電波塔により送信される電波の電力などを示す基地局情報を含むものである。また、アンテナ情報は、車両1におけるアンテナ31の取り付け位置、車両1におけるアンテナ31の取り付け方向、アンテナ31の指向性、及びアンテナ31のゲインなどを示すものである。
したがって、高精度3次元地図データを用いることにより、基地局と各地点との間にて発生する、地形又は建造物などによる電波の反射を予測することができる。また、電波の進行方向も予測することができる。これらの予測結果に加えてアンテナ情報を用いることにより、各地点における基地局からアンテナ31までの電波の伝送路(マルチパスを含む)を予測することができる。伝送路予測部41は、このような方法により、走行予定経路内の各地点における基地局からアンテナ31までの電波の伝送路を予測する。
さらに、伝送路予測部41により予測された伝送路の本数及び伝送路予測部41により予測された個々の伝送路の電波経路長などに基づき、各地点における電波の受信状態(例えば受信率など)を予測することができる。受信状態予測部42は、このような方法により、走行予定経路内の各地点におけるアンテナ31による電波の受信状態を予測する。
なお、車両1の目的地が設定されている場合、伝送路予測部41及び受信状態予測部42は、ナビゲーション装置14により探索された走行経路を走行予定経路に設定する。他方、車両1の目的地が設定されていない場合、伝送路予測部41及び受信状態予測部42は、車両1に対する前方の所定範囲内の道路を走行予定経路に設定する。
伝送路予測部41による予測結果は、例えば、OFDM復調部22のパラメータ制御に用いられるものである。すなわち、パラメータ制御部43は、伝送路予測部41による予測結果を用いてOFDM復調部22のパラメータを制御するものである。
より具体的には、パラメータ制御部43は、伝送路予測部41により予測された各地点における伝送路のうち、高精度ロケータ13により測定された自車位置に対応する地点における伝送路を抽出する。パラメータ制御部43は、当該抽出された伝送路の本数及び当該抽出された個々の伝送路の電波経路長などに応じて、OFDM復調部22に含まれるフィルタのフィルタ定数を設定する。フィルタ定数を適切な値に設定することにより、マルチパスなどが発生している状態における地上デジタル放送受信機20による電波の受信性能を向上させることができる。また、高精度ロケータ13を用いることにより、高精度3次元地図データを用いた予測結果に対応する位置精度にてパラメータ制御を実行することができる。
受信状態予測部42による予測結果は、例えば、ナビゲーションシステム10による経路探索、ナビゲーションシステム10による経路案内、及びエンターテインメントシステム30によるソース切替などに用いられるものである。
すなわち、車両1の目的地が設定されたとき、まず、ナビゲーション装置14が自車位置から目的地までの走行経路(以下「第1走行経路」という。)を探索し、次いで、伝送路予測部41が第1走行経路内の各地点における電波の伝送路を予測し、次いで、受信状態予測部42が第1走行経路内の各地点における電波の受信状態を予測する。第1走行経路内に受信状態が悪化する地点(以下「受信状態悪化地点」という。例えば、受信率が所定の閾値未満になる地点である。)が含まれていない場合、ナビゲーション装置14は第1走行地点を案内対象に設定する。
他方、第1走行経路内に受信状態悪化地点が含まれている場合、ナビゲーション装置14は、当該地点を回避した走行経路(以下「第2走行経路」という。)を探索する。次いで、伝送路予測部41が第2走行経路内の各地点における電波の伝送路を予測し、次いで、受信状態予測部42が第2走行経路内の各地点における電波の受信状態を予測する。第2走行経路内に受信状態悪化地点が含まれていない場合、ナビゲーション装置14は第2走行地点を案内対象に設定する。
他方、第2走行経路内に受信状態悪化地点が含まれている場合、上記と同様の各処理が再度実行される。このように、ナビゲーション装置14、伝送路予測部41及び受信状態予測部42が連携することにより、受信状態悪化地点を回避した走行経路が探索される。
ただし、自車位置と目的地間にトンネル又は山道などが存在しており、かつ、これらのトンネル又は山道などに対する迂回路が存在しない場合、案内対象の走行経路は回避不可能な受信状態悪化地点を含むものとなる。このような場合、ナビゲーション装置14は、当該走行経路を案内する制御の実行中に車両1が受信状態悪化地点に接近したとき、その旨を車両1の搭乗者に通知する。
具体的には、例えば、ナビゲーション装置14は、高精度ロケータ13により測定された自車位置に基づき、車両1が受信状態悪化地点に接近したことを検出する。ナビゲーション装置14は、車両1が受信状態悪化地点に接近したとき、エンターテインメントシステム30における再生中のAVコンテンツのソースを示す情報を入出力制御装置35から取得する。ナビゲーション装置14は、再生中のAVコンテンツのソースが地上デジタル放送受信機20である場合、車両1が受信状態悪化地点に接近したことを示す画像を表示装置15に表示させたり、又は車両1が受信状態悪化地点に接近したことを示す音声を音声出力装置17に出力させたりする。
また、ナビゲーション装置14は、車両1が受信状態悪化地点に接近したことを入出力制御装置35に通知する。入出力制御装置35は、車両1が受信状態悪化地点に接近したとき、エンターテインメントシステム30における再生中のAVコンテンツのソースが地上デジタル放送受信機20であるか否かを判断する。入出力制御装置35は、再生中のAVコンテンツのソースが地上デジタル放送受信機20である場合、地上デジタル放送受信機20により出力されたAV信号に対応するAVコンテンツの再生を停止して、他のソース(以下「代替ソース」という。例えば、ディスクドライブ32、デジタルオーディオプレーヤー33又はラジオチューナー34のうちのいずれかである。)により出力されたAV信号に対応するAVコンテンツの再生を開始する。
その後、ナビゲーション装置14は、高精度ロケータ13により測定された自車位置に基づき、車両1が受信状態悪化地点を脱出したことを検出する。ナビゲーション装置14は、車両1が受信状態悪化地点を脱出したことを入出力制御装置35に通知する。入出力制御装置35は、車両1が受信状態悪化地点を脱出したとき、代替ソースにより出力されたAV信号に対応するAVコンテンツの再生を終了して、地上デジタル放送受信機20により出力されたAV信号に対応するAVコンテンツの再生を再開する。
伝送路予測部41、受信状態予測部42及びパラメータ制御部43により、伝送路推定装置100の要部が構成されている。
次に、図2を参照して、伝送路推定装置100の要部のハードウェア構成について説明する。
図2Aに示す如く、伝送路推定装置100はECU51により構成されており、ECU51はプロセッサ52及びメモリ53を有している。メモリ53には、ECU51を伝送路予測部41、受信状態予測部42及びパラメータ制御部43として機能させるためのプログラムが記憶されている。メモリ53に記憶されているプログラムをプロセッサ52が読み出して実行することにより、伝送路予測部41、受信状態予測部42及びパラメータ制御部43の機能が実現される。
プロセッサ52は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)などを用いたものである。メモリ53は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などの半導体メモリを用いたものである。
または、図2Bに示す如く、伝送路予測部41、受信状態予測部42及びパラメータ制御部43の機能が専用の処理回路54により実現されるものであっても良い。処理回路54は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、SoC(System−on−a−Chip)又はシステムLSI(Large−Scale Integration)などを用いたものである。
または、伝送路予測部41、受信状態予測部42及びパラメータ制御部43のうちの一部の機能がプロセッサ52及びメモリ53により実現されて、残余の機能が処理回路54により実現されるものであっても良い。
なお、伝送路推定装置100は、ナビゲーション装置14又は入出力制御装置35のうちの少なくとも一方と一体に構成されているものであっても良い。例えば、伝送路推定装置100とナビゲーション装置14又は入出力制御装置35のうちの少なくとも一方とが単一のECU51により構成されているものであっても良い。
次に、図3Aのフローチャートを参照して、伝送路予測部41による予測結果がOFDM復調部22のパラメータ制御に用いられる場合における、伝送路推定装置100の動作について説明する。
まず、ステップST1にて、伝送路予測部41は、高精度3次元地図データ及びアンテナ情報を用いて、走行予定経路内の各地点における、基地局からアンテナ31までの電波の伝送路を予測する。伝送路予測部41による予測方法の具体例は既に説明したとおりであるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST2にて、パラメータ制御部43は、ステップST1における予測結果を用いてOFDM復調部22のパラメータを制御する。パラメータ制御部43による制御方法の具体例は既に説明したとおりであるため、再度の説明は省略する。
次に、図3Bのフローチャートを参照して、受信状態予測部42による予測結果がナビゲーションシステム10による経路探索又は経路案内に用いられる場合における、伝送路推定装置100及びナビゲーション装置14の動作について説明する。
まず、ステップST11にて、伝送路予測部41は、高精度3次元地図データ及びアンテナ情報を用いて、走行予定経路内の各地点における、基地局からアンテナ31までの電波の伝送路を予測する。伝送路予測部41による予測方法の具体例は既に説明したとおりであるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST12にて、受信状態予測部42は、ステップST11における予測結果を用いて、走行予定経路内の各地点における、アンテナ31による電波の受信状態を予測する。受信状態予測部42による予測方法の具体例は既に説明したとおりであるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST13にて、ナビゲーション装置14は、ステップST12における予測結果を経路探索又は経路案内に用いる。例えば、ナビゲーション装置14は、受信状態悪化地点を回避した走行経路を探索する。または、例えば、ナビゲーション装置14は、走行経路を案内する制御の実行中に車両1が受信状態悪化地点に接近したとき、その旨を車両1の搭乗者に通知する。
次に、図3Cのフローチャートを参照して、受信状態予測部42による予測結果がエンターテインメントシステム30によるソース切替に用いられる場合における、伝送路推定装置100及び入出力制御装置35の動作について説明する。
まず、ステップST21にて、伝送路予測部41は、高精度3次元地図データ及びアンテナ情報を用いて、走行予定経路内の各地点における、基地局からアンテナ31までの電波の伝送路を予測する。伝送路予測部41による予測方法の具体例は既に説明したとおりであるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST22にて、受信状態予測部42は、ステップST21における予測結果を用いて、走行予定経路内の各地点における、アンテナ31による電波の受信状態を予測する。受信状態予測部42による予測方法の具体例は既に説明したとおりであるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST23にて、入出力制御装置35は、ステップST22における予測結果をソース切替に用いる。例えば、入出力制御装置35は、車両1が受信状態悪化地点に接近したとき、地上デジタル放送受信機20により出力されたAV信号に対応するAVコンテンツの再生を停止して、代替ソースにより出力されたAV信号に対応するAVコンテンツの再生を開始する。その後、車両1が受信状態悪化地点を脱出したとき、入出力制御装置35は、代替ソースにより出力されたAV信号に対応するAVコンテンツの再生を終了して、地上デジタル放送受信機20により出力されたAV信号に対応するAVコンテンツの再生を再開する。
このように、高精度3次元地図データを用いることにより、走行予定経路内の各地点における基地局からアンテナ31までの電波の伝送路を走行前に予測することができる。また、走行予定経路内の各地点におけるアンテナ31による電波の受信状態を走行前に予測することができる。これらの予測結果を各種制御に用いることにより、受信信号を用いた推定結果を当該各種制御に用いる従来の技術に比して、車両1の位置変化に対する当該各種制御の応答性を向上することができる。
例えば、ビル群などの影響により走行中の電波の受信状態が急激に変化する道路区間において、従来の技術による推定結果をOFDM復調部のパラメータ制御に用いた場合、受信状態の変化に対してフィルタ定数の設定が時間的に追い付かず、電波を正常に受信することができなくなることがあった。これに対して、実施の形態1の伝送路推定装置100を用いた場合、走行前に予測が完了しているため、受信状態の変化に対してフィルタ定数の設定を間に合わせることができる。この結果、電波を正常に受信可能なエリアを増やすことができる。
なお、伝送路予測部41による予測結果の用途は、OFDM復調部22のパラメータ制御に限定されるものではない。伝送路予測部41による予測結果は、如何なる制御に用いられるものであっても良い。
また、受信状態予測部42による予測結果の用途は、ナビゲーションシステム10による経路探索、ナビゲーションシステム10による経路案内、及びエンターテインメントシステム30によるソース切替に限定されるものではない。受信状態予測部42による予測結果は、如何なる制御に用いられるものであっても良い。
例えば、受信状態予測部42による予測結果は、地上デジタル放送受信機20による受信モード切替に用いられるものであっても良い。すなわち、地上デジタル放送受信機20は、いわゆる「ワンセグ」に対応した受信モード(以下「ワンセグ受信モード」という。)と、いわゆる「フルセグ」に対応した受信モード(以下「フルセグ受信モード」という。)とを有している。地上デジタル放送受信機20は、受信信号を用いて受信状態を推定する手法(すなわち従来の技術と同様の手法)により受信状態の悪化が検出されたとき、受信モードをフルセグ受信モードからワンセグ受信モードに切り替える。その後、受信状態予測部42による予測結果に基づき車両1が受信状態悪化地点を脱出するとき、地上デジタル放送受信機20は、受信モードをワンセグ受信モードからフルセグ受信モードに切り替える。これにより、ワンセグ受信モードからフルセグ受信モードに切り替わるタイミングを早くすることができる。
または、例えば、受信状態予測部42による予測結果は、地上デジタル放送受信機20による周波数チャンネル切替に用いられるものであっても良い。すなわち、地上デジタル放送受信機20は、受信中の周波数チャンネルと異なる周波数チャンネルであって、受信中の周波数チャンネルにて放送中の番組と同一の番組を放送中の周波数チャンネル(以下「代替チャンネル」という。)をサーチする機能を有している。地上デジタル放送受信機20は、車両1が受信状態悪化地点に接近したとき、受信中の周波数チャンネルを代替チャンネルに切り替える。
また、受信状態予測部42による予測結果がナビゲーションシステム10による経路案内に用いられるものである場合、ナビゲーション装置14は、車両1が受信状態悪化地点に進入してから受信状態悪化地点を脱出するまでの間、車両1が受信状態悪化地点を脱出するまでの予測時間を算出して、当該算出された予測時間を車両1の搭乗者に通知するものであっても良い。具体的には、例えば、ナビゲーション装置14は、当該算出された予測時間を示す画像を表示装置15に表示させたり、又は当該算出された予測時間を示す音声を音声出力装置17に出力させたりするものであっても良い。
また、受信状態予測部42による予測結果がナビゲーションシステム10による経路案内に用いられるものである場合、ナビゲーション装置14は、受信状態予測部42による予測結果を用いて、車両1が走行中の道路に含まれる複数本の車線のうちの電波の受信状態が最も良い車線(例えば受信率の値が最も高い車線)を判定して、当該判定された車線を車両1の搭乗者に通知するものであっても良い。具体的には、例えば、ナビゲーション装置14は、当該判定された車線を案内する画像を表示装置15に表示させたり、又は当該判定された車線を案内する音声を音声出力装置17に出力させたりするものであっても良い。高精度3次元地図データを用いることにより、車線単位よりも細かい単位にて受信状態の予測が可能となるため、このような案内を実現することができる。
また、伝送路推定装置100による伝送路及び受信状態の予測対象となる電波は、地上デジタル放送用の電波に限定されるものではない。
例えば、伝送路推定装置100は、いわゆる「3G」(3rd Generation)規格、「4G」(4th Generation)規格又は「5G」(5th Generation)規格などに基づくデータ通信用の電波の伝送路及び受信状態の予測にも用いることができる。この場合、これらの規格に基づくデータ通信用の電波を送受信する電波塔が基地局となる。
または、例えば、伝送路推定装置100は、いわゆる「路車間通信」用の電波の伝送路及び受信状態の予測にも用いることができる。この場合、路車間通信用の路側機が基地局となる。
また、伝送路推定装置100は車両1と異なる移動体に応用されるものであっても良い。伝送路推定装置100は、自動車、自転車、鉄道車両、航空機、船舶、又は歩行者が所持している携帯情報端末などの如何なる移動体にも応用することができる。
以上のように、実施の形態1の伝送路推定装置100は、高精度3次元地図データを用いて、移動体(車両1)の移動予定経路(走行予定経路)内の各地点における、基地局から移動体(車両1)に設けられているアンテナ31までの電波の伝送路を予測する伝送路予測部41を備える。高精度3次元地図データを用いることにより、移動予定経路内の各地点における基地局からアンテナ31までの電波の伝送路を移動前に予測することができる。また、この予測結果を各種制御に用いることにより、受信信号を用いた推定結果を各種制御に用いる従来の技術に比して、移動体の位置変化に対する当該各種制御の応答性を向上することができる。
また、アンテナ31は、地上デジタル放送用の電波を受信するものであり、伝送路推定装置100は、伝送路予測部41による予測結果を用いて、地上デジタル放送用の受信機(地上デジタル放送受信機20)における復調部(OFDM復調部22)のパラメータを制御するパラメータ制御部43を備える。これにより、OFDM復調部22のパラメータ制御の応答性を向上することができる。この結果、地上デジタル放送受信機20により電波を正常に受信可能なエリアを増やすことができる。
また、伝送路推定装置100は、伝送路予測部41による予測結果を用いて、移動体(車両1)の移動予定経路(走行予定経路)内の各地点における、アンテナ31による電波の受信状態を予測する受信状態予測部42を備える。伝送路の予測結果を用いることにより、受信率などの受信状態を予測することができる。
また、受信状態予測部42による予測結果は、移動体(車両1)用のナビゲーションシステム10による経路探索又は経路案内のうちの少なくとも一方に用いられるものである。これにより、受信状態悪化地点を回避した走行経路を探索したり、又は車両1が受信状態悪化地点に接近したことを車両1の搭乗者に通知したりすることができる。
また、受信状態予測部42による予測結果は、移動体(車両1)用のエンターテインメントシステム30によるソース切替に用いられるものである。これにより、例えば、車両1が受信状態悪化地点を通過しているとき、エンターテインメントシステム30により再生されるAVコンテンツが途切れるのを回避することができる。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る伝送路推定装置が車両に設けられている状態を示すブロック図である。図4を参照して、実施の形態2の伝送路推定装置100aについて、車両1に設けられている例を中心に説明する。なお、図4において、図1に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
図4は、実施の形態2に係る伝送路推定装置が車両に設けられている状態を示すブロック図である。図4を参照して、実施の形態2の伝送路推定装置100aについて、車両1に設けられている例を中心に説明する。なお、図4において、図1に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
伝送路推定部44及び受信状態推定部45は、アンテナ31により受信された電波に対応する信号、すなわち受信信号を地上デジタル放送受信機20から取得するものである。伝送路推定部44は、当該取得された受信信号を用いて、車両1が走行した経路内の各地点における、基地局からアンテナ31までの電波の伝送路を推定するものである。受信状態推定部45は、当該取得された受信信号を用いて、車両1が走行した経路内の各地点における、アンテナ31による電波の受信状態を推定するものである。
例えば、伝送路推定部44は、受信信号の周波数、位相及び受信強度などに基づき、受信信号に対応する電波が受信された地点における、基地局からアンテナ31までの伝送路の電波経路長を推定する。また、伝送路推定部44は、同一の信号に対応する複数の受信信号が取得された場合、これらの受信信号間の位相の差分値及び受信強度の差分値などに基づき、マルチパスが発生している場合における伝送路の本数及び各伝送路の電波経路長などを推定する。受信状態推定部45は、受信信号の受信強度などに基づき、受信率などの受信状態を推定する。
ここで、伝送路推定部44及び受信状態推定部45による推定において、車両1が走行した経路内の各地点の位置は、高精度ロケータ13により測定されたものである。高精度ロケータ13を用いることにより、位置に対する推定精度を向上することができる。
学習部46は、伝送路推定部44及び受信状態推定部45による推定結果を学習するものである。学習部46による学習結果は、例えば、OFDM復調部22のパラメータ制御に用いられるものである。すなわち、パラメータ制御部43aは、伝送路予測部41による予測結果及び学習部46による学習結果を用いてOFDM復調部22のパラメータを制御するものである。
より具体的には、パラメータ制御部43aは、伝送路予測部41により予測された各地点における伝送路のうち、高精度ロケータ13により測定された自車位置に対応する地点における伝送路を抽出する。また、学習部46による学習結果には伝送路推定部44による過去の推定結果が含まれているところ、パラメータ制御部43aは、伝送路推定部44により過去に推定された各地点における伝送路のうち、高精度ロケータ13により測定された自車位置に対応する地点における伝送路を抽出する。パラメータ制御部43aは、当該抽出された伝送路の本数及び当該抽出された個々の伝送路の電波経路長などに基づき、OFDM復調部22に含まれるフィルタのフィルタ定数を設定する。
ここで、学習部46による学習結果が自車位置に対応する地点における伝送路を示すものである場合(すなわち、伝送路予測部41による予測結果及び学習部46による学習結果の各々が自車位置に対応する地点における伝送路を示すものである場合)、パラメータ制御部43aは、自車位置に対応する地点について、学習部46による学習結果を優先的にパラメータ制御に用いるようになっている。これにより、フィルタ定数を更に適切な値に設定することができる。
なお、学習部46は、車両1に設けられている車外撮像用のカメラ2による撮像画像に対する画像認識処理の結果又は車両1に設けられている障害物検知用のセンサ3による検出値のうちの少なくとも一方を用いて、車両1の周囲に一時的に存在する物体であってアンテナ31による電波の受信に影響を与える物体(以下「異常物体」という。例えば、車両1の周囲を走行中のトラックなどである。)の有無を判定するものであっても良い。センサ3は、例えば、超音波センサ、レーダーセンサ又はライダーセンサなどにより構成されている。学習部46は、伝送路推定部44及び受信状態推定部45による推定結果のうちの異常物体が存在する状態(以下「異常状態」という。)における推定結果を判定して、当該推定結果が異常状態における推定結果であることを示す情報を学習結果に含めるものであっても良い。または、学習部46は、異常状態における推定結果を学習対象から除外するものであっても良い。これにより、学習結果を正確にすることができる。
また、学習部46による学習結果は、車両1に設けられている無線通信装置4によりサーバ装置5に送信されるものであっても良い。無線通信装置4は、例えば、データ通信用の送信機及び受信機により構成されている。サーバ装置5は、車両1を含む複数台の車両により送信された学習結果を蓄積して記憶するものであり、これらの学習結果は、車両1を含む複数台の車両により共用されるものであっても良い。
ただし、実施の形態1にて説明したとおり、アンテナ31の取り付け位置、取り付け方向、指向性及びゲインなどは車種毎に異なるものである。したがって、サーバ装置5は学習結果を車種毎に蓄積して記憶するのが好適であり、これらの学習結果は車種毎に共用自在にするのが好適である。
伝送路予測部41、受信状態予測部42、パラメータ制御部43a、伝送路推定部44、受信状態推定部45及び学習部46により、伝送路推定装置100aの要部が構成されている。
伝送路推定装置100aの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図2を参照して説明したものと同様であるため、図示及び説明を省略する。すなわち、パラメータ制御部43a、伝送路推定部44、受信状態推定部45及び学習部46の各々の機能は、プロセッサ52及びメモリ53により実現されるものであっても良く、又は処理回路54により実現されるものであっても良い。
次に、図5のフローチャートを参照して、伝送路推定装置100aの動作について、伝送路推定部44、受信状態推定部45及び学習部46の動作を中心に説明する。車両1の走行中、伝送路推定装置100aは以下のステップST31〜ST33の処理を所定の時間間隔にて繰り返し実行する。
まず、ステップST31にて、伝送路推定部44は、地上デジタル放送受信機20から取得した受信信号(より具体的には、前回のステップST31の処理の実行後にアンテナ31により受信された電波に対応する受信信号)を用いて、車両1が走行した経路内の各地点(より具体的には、前回のステップST31の処理の実行後に車両1が通過した経路内の各地点)における、基地局からアンテナ31までの電波の伝送路を推定する。伝送路推定部44による推定方法の具体例は既に説明したとおりであるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST32にて、受信状態推定部45は、地上デジタル放送受信機20から取得した受信信号(より具体的には、前回のステップST32の処理の実行後にアンテナ31により受信された電波に対応する受信信号)を用いて、車両1が走行した経路内の各地点(より具体的には、前回のステップST32の処理の実行後に車両1が通過した経路内の各地点)における、アンテナ31による電波の受信状態を推定する。受信状態推定部45による推定方法の具体例は既に説明したとおりであるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST33にて、学習部46は、ステップST31,ST32における推定結果を学習する。
なお、伝送路推定装置100aは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例を採用することができる。例えば、伝送路推定装置100aによる伝送路及び受信状態の推定対象となる電波は、地上デジタル放送用の電波に限定されるものではない。また、伝送路推定装置100aは車両1と異なる移動体に応用されるものであっても良い。
以上のように、実施の形態2の伝送路推定装置100aは、アンテナ31による受信信号を用いて、移動体(車両1)が移動した経路内の各地点における、基地局からアンテナ31までの電波の伝送路を推定する伝送路推定部44と、アンテナ31による受信信号を用いて、移動体(車両1)が移動した経路内の各地点における、アンテナ31による電波の受信状態を推定する受信状態推定部45と、伝送路推定部44及び受信状態推定部45による推定結果を学習する学習部46と、を備える。これにより、高精度3次元地図データを用いた予測結果と受信信号を用いた過去の推定結果との両方を各種制御に用いることが可能となる。
また、アンテナ31は、地上デジタル放送用の電波を受信するものであり、伝送路推定装置100aは、伝送路予測部41による予測結果及び学習部46による学習結果を用いて、地上デジタル放送用の受信機(地上デジタル放送受信機20)における復調部(OFDM復調部22)のパラメータを制御するパラメータ制御部43aを備える。学習部46による学習結果を用いることにより、OFDM復調部22に含まれるフィルタのフィルタ定数を更に適切な値に設定することができる。
また、学習部46は、移動体(車両1)に設けられているカメラ2又はセンサ3のうちの少なくとも一方を用いて、伝送路推定部44及び受信状態推定部45による推定結果が異常状態における推定結果であるか否かを判定する。カメラ2又はセンサ3を用いることにより、車両1の周囲に一時的に存在する物体であってアンテナ31による電波の受信に影響を与える物体、すなわち異常物体の有無を判定することができる。
また、学習部46は、伝送路推定部44及び受信状態推定部45による推定結果のうちの異常状態における推定結果を学習対象から除外する。これにより、異常物体に起因するノイズを学習結果から排除することができる。この結果、学習結果を正確にすることができる。
また、学習部46による学習結果は、車両1に設けられている無線通信装置4によりサーバ装置5に送信されるものである。これにより、学習部46による学習結果を車両1を含む複数台の車両にて共用することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 車両、2 カメラ、3 センサ、4 無線通信装置、5 サーバ装置、10 ナビゲーションシステム、11 記憶装置、12 アンテナ、13 高精度ロケータ、14 ナビゲーション装置、15 表示装置、16 操作入力装置、17 音声出力装置、20 地上デジタル放送受信機、21 チューナー部、22 OFDM復調部、23 デコード部、30 エンターテインメントシステム、31 アンテナ、32 ディスクドライブ、33 デジタルオーディオプレーヤー、34 ラジオチューナー、35 入出力制御装置、36 表示装置、37 操作入力装置、38 音声出力装置、41 伝送路予測部、42 受信状態予測部、43,43a パラメータ制御部、44 伝送路推定部、45 受信状態推定部、46 学習部、51 ECU、52 プロセッサ、53 メモリ、54 処理回路、100,100a 伝送路推定装置。
Claims (10)
- 高精度3次元地図データを用いて、移動体の移動予定経路内の各地点における、基地局から前記移動体に設けられているアンテナまでの電波の伝送路を予測する伝送路予測部を備えることを特徴とする伝送路推定装置。
- 前記アンテナは、地上デジタル放送用の電波を受信するものであり、
前記伝送路予測部による予測結果を用いて、地上デジタル放送用の受信機における復調部のパラメータを制御するパラメータ制御部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の伝送路推定装置。 - 前記伝送路予測部による予測結果を用いて、前記移動体の移動予定経路内の各地点における、前記アンテナによる電波の受信状態を予測する受信状態予測部を備えることを特徴とする請求項1記載の伝送路推定装置。
- 前記受信状態予測部による予測結果は、前記移動体用のナビゲーションシステムによる経路探索又は経路案内のうちの少なくとも一方に用いられるものであることを特徴とする請求項3記載の伝送路推定装置。
- 前記受信状態予測部による予測結果は、前記移動体用のエンターテインメントシステムによるソース切替に用いられるものであることを特徴とする請求項3記載の伝送路推定装置。
- 前記アンテナによる受信信号を用いて、前記移動体が移動した経路内の各地点における、前記基地局から前記アンテナまでの電波の伝送路を推定する伝送路推定部と、
前記アンテナによる受信信号を用いて、前記移動体が移動した経路内の各地点における、前記アンテナによる電波の受信状態を推定する受信状態推定部と、
前記伝送路推定部及び前記受信状態推定部による推定結果を学習する学習部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の伝送路推定装置。 - 前記アンテナは、地上デジタル放送用の電波を受信するものであり、
前記伝送路予測部による予測結果及び前記学習部による学習結果を用いて、地上デジタル放送用の受信機における復調部のパラメータを制御するパラメータ制御部を備える
ことを特徴とする請求項6記載の伝送路推定装置。 - 前記学習部は、前記移動体に設けられているカメラ又はセンサのうちの少なくとも一方を用いて、前記伝送路推定部及び前記受信状態推定部による推定結果が異常状態における推定結果であるか否かを判定することを特徴とする請求項6記載の伝送路推定装置。
- 前記学習部は、前記伝送路推定部及び前記受信状態推定部による推定結果のうちの前記異常状態における推定結果を学習対象から除外することを特徴とする請求項8記載の伝送路推定装置。
- 前記学習部による学習結果は、前記移動体に設けられている無線通信装置によりサーバ装置に送信されるものであることを特徴とする請求項6記載の伝送路推定装置。
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JP2018009155A JP2019129386A (ja) | 2018-01-23 | 2018-01-23 | 伝送路推定装置 |
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-
2018
- 2018-01-23 JP JP2018009155A patent/JP2019129386A/ja active Pending
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WO2021130923A1 (ja) * | 2019-12-25 | 2021-07-01 | 日本電信電話株式会社 | 置局支援方法、置局支援装置、及び置局支援プログラム |
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