JP7299533B2 - 置局支援方法、置局支援装置、及び置局支援プログラム - Google Patents

置局支援方法、置局支援装置、及び置局支援プログラム Download PDF

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Description

本発明は、置局支援方法、置局支援装置、及び置局支援プログラムに関する。
図36は、通信ネットワーク機器全般の仕様オープン化推進を図るコンソーシアムであるTIP(Telecom InfraProjcet)(主要メンバ:Facebook, Deutsche Telecom, Intel, NOKIAなど)において、mmWave Networksが提案するユースケース(例えば、非特許文献1~3参照)を参考に一部を修正して模式化した図である。mmWave Networksは、TIPのプロジェクトグループの1つであり,アンライセンス帯のミリ波無線を使用して、光ファイバの敷設より速く、かつ安価なネットワーク構築を目指している。
図36に示すビル800,801、及び住宅810,811,812などの建物において、建物のそれぞれの壁面に設置された端末局装置(以下「端末局」という。)840~844、及び電柱821~826に設置された基地局装置(以下「基地局」という。)830~834は、mmWave DN(Distribution Node)と呼ばれる装置である。
基地局830~834は、光ファイバ900,901により局舎(Fiber PoP(Point of Presence))850,851に備えられた通信装置と接続されている。この通信装置は、プロバイダーの通信ネットワークに接続されている。端末局840~844と、基地局830~834との間(以下「両局間」ともいう。)では、mmWave Link、すなわちミリ波無線が行われる。図36では、ミリ波無線のリンクを一点破線で示している。
基地局830~834を電柱821~826に設置し、端末局840~844を建物の壁面に設置し、両局間をミリ波無線によって通信する形態において、基地局830~834および端末局840~844を設置する候補になる位置を選定することを置局設計(以下「置局」ともいう。)という。
Sean Kinney, "Telecom Infra Project focuses on millimeter wave for dense networks, Millimeter Wave Networks Project Group eyes 60 GHz band", Image courtesy of the Telecom Infra Project, RCR Wireless News, Intelligence on all things wireless, Sep 13 2017, [令和元年12月16日検索]、インターネット(URL: https://www.rcrwireless.com/20170913/carriers/telecom-infra-project-millimeter-wave-tag17) Frederic Lardinois, "Facebook-backed Telecom Infra Project adds a new focus on millimeter wave tech for 5G", [令和元年12月16日検索]、インターネット(URL: https://techcrunch.com/2017/09/12/facebook-backed-telecom-infra-project-adds-a-new-focus-on-millimeter-wave-tech-for-5g/?renderMode=ie11) Jamie Davies, "DT and Facebook TIP the scales for mmWave", GLOTEL AWARDS 2019, telecoms.com, Sep 12 2017, [令和元年12月16日検索]、インターネット(URL: http://telecoms.com/484622/dt-and-facebook-tip-the-scales-for-mmwave/)
置局設計を行う手法として空間を撮像することに得られる3次元の点群データを用いる手法がある。この手法では、例えば、最初に、MMS(Mobile Mapping System)を搭載した車両などの移動体を評価対象の住宅エリア周辺の道路に沿って走行させることにより3次元の点群データを取得する。次に、取得した点群データを活用して基地局830~834と端末局840~844との間の無線通信を評価する。評価手段として、両局間の3次元での見通し判定を行う手段や、遮蔽率を算出する手段がある。ここで、「遮蔽率」とは、基地局830~834と、端末局840~844との間に存在する物体がどの程度、無線通信に影響するかを示す指標であり、逆の視点からみれば「透過率」ということもできる。これらの評価手段を行うためには、基地局830~834と端末局840~844の候補位置を含む空間において、全ての評価対象について点群データがそろっている必要がある。
しかしながら、置局設計の支援を行う装置において評価対象として設定したエリアにおいて、事前にMMSを搭載した移動体が縦横に走行していたとしても、部分的に点群データが得られない箇所が多く存在する。このような部分的に情報の欠落がある点群データに基づいて、当該装置を用いて置局設計を行った場合、精度の低い処理結果を出力してしまうことがあり得る。
例えば、基地局830と端末局840の間の空間に、ある物体が存在しているにも関わらず、その物体の点群データが取得できていないとする。このとき、置局支援を行う装置が、取得した点群データを利用して両局間の3次元での見通し判定や、遮蔽率の算出を行ったとしても、両局間の空間の点群データが存在しないため、両局間を遮蔽する物体が存在しないとみなして処理をしてしまう。その結果、置局設計の支援を行う装置は、「見通しあり」の判定をしてしまったり、無線通信に十分な「低い遮蔽率」を算出してしまったりすることがある。そのため、処理結果の信頼性が低下して、利用者に誤った判断、例えば、適切でない建物の壁面に位置に端末局840を設置させてしまう恐れがある。
また、基地局830と端末局840のいずれか一方が、点群データが取得できていない範囲に存在する場合や、MMSを搭載した移動体が走行した走行軌跡の近傍の範囲に存在していない場合などがある。これらの場合にも、基地局830と端末局840と走行軌跡との位置関係によっては、3次元での見通し判定や、遮蔽率の算出の処理に対して影響を及ぼすことがある。そのため、これらの処理結果の信頼性が低下して、利用者に誤った判断をさせてしまう恐れがある。
上記事情に鑑み、本発明は、基地局の設置の候補になる位置と、端末局の設置の候補になる位置との間の空間の点群データの取得の状態が良好でない場合であっても、利用者が適切な置局設計を行えるようにする技術の提供を目的としている。
本発明の一態様は、予め定められる測定可能距離以内の3次元空間に存在する物体を測定し、測定した前記物体の前記3次元空間における位置を示す点群データを取得する移動体の走行軌跡を示す走行軌跡データと、前記測定可能距離と、基地局装置を設定する候補となる位置を示す基地局候補位置データと、端末局装置を設定する候補となる位置を示す端末局候補位置データとに基づいて、前記走行軌跡と基地局候補位置との位置関係を示す基地局位置関係特定データと、前記走行軌跡と端末局候補位置との位置関係を示す端末局位置関係特定データとを生成する位置関係特定ステップと、前記基地局位置関係特定データと、前記端末局位置関係特定データとに基づいて、前記点群データに基づいて行われる所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示す信頼係数を特定する信頼係数特定ステップと、を有する置局支援方法である。
本発明の一態様は、予め定められる測定可能距離以内の3次元空間に存在する物体を測定し、測定した前記物体の前記3次元空間における位置を示す点群データを取得する移動体の走行軌跡を示す走行軌跡データと、前記測定可能距離と、基地局装置を設定する候補となる位置を示す基地局候補位置データと、端末局装置を設定する候補となる位置を示す端末局候補位置データとに基づいて、前記走行軌跡と基地局候補位置との位置関係を示す基地局位置関係特定データと、前記走行軌跡と端末局候補位置との位置関係を示す端末局位置関係特定データとを生成する位置関係特定部と、前記基地局位置関係特定データと、前記端末局位置関係特定データとに基づいて、前記点群データに基づいて行われる所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示す信頼係数を特定する信頼係数特定部と、を備える置局支援装置である。
本発明の一態様は、コンピュータに、予め定められる測定可能距離以内の3次元空間に存在する物体を測定し、測定した前記物体の前記3次元空間における位置を示す点群データを取得する移動体の走行軌跡を示す走行軌跡データと、前記測定可能距離と、基地局装置を設定する候補となる位置を示す基地局候補位置データと、端末局装置を設定する候補となる位置を示す端末局候補位置データとに基づいて、前記走行軌跡と基地局候補位置との位置関係を示す基地局位置関係特定データと、前記走行軌跡と端末局候補位置との位置関係を示す端末局位置関係特定データとを生成する位置関係特定ステップと、前記基地局位置関係特定データと、前記端末局位置関係特定データとに基づいて、前記点群データに基づいて行われる所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示す信頼係数を特定する信頼係数特定ステップと、を実行させるための置局支援プログラムである。
本発明により、基地局の設置の候補になる位置と、端末局の設置の候補になる位置との間の空間の点群データの取得の状態が良好でない場合であっても、利用者が適切な置局設計を行えるようにすることが可能になる。
第1の実施形態の置局支援装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態の処理を2段階に分けて説明する図である。 第2の実施形態の置局支援装置における点群データ処理部の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態の信頼係数テーブルのデータ構成を示す図(その1)である。 第2の実施形態の信頼係数テーブルのデータ構成を示す図(その2)である。 第2の実施形態における走行軌跡と基地局候補位置と端末局候補位置の位置関係構成を示す図である。 第2の実施形態における「ケースa」の位置関係構成を示す図である。 第2の実施形態における「ケースb」の位置関係構成を示す図である。 第2の実施形態における「ケースc」の位置関係構成を示す図である。 第2の実施形態における複数の位置関係構成を示す図(その1)である。 第2の実施形態における複数の位置関係構成を示す図(その2)である。 第2の実施形態における「ケースb」の位置関係構成とその3次元構成を示す図である。 第2の実施形態における「ケースd」の位置関係構成とその3次元構成を示す図である。 第2の実施形態の置局支援装置における点群データ処理部による処理の流れを示すフローチャートである。 第3の実施形態の置局支援装置の点群データ処理部の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態の関数定義データの一例(その1)を示す図である。 第3の実施形態の置局支援装置における点群データ処理部による処理の流れを示すフローチャートである。 第3の実施形態の関数定義データの一例(その2)を示す図である。 第3の実施形態の関数定義データの一例(その3)を示す図である。 第3の実施形態の関数定義データの一例(その4)を示す図である。 第3の実施形態の関数定義データの一例(その5)を示す図である。 第3の実施形態の信頼指標値と信頼係数の関係を示す図である。 第4の実施形態の置局支援装置の点群データ処理部の構成を示すブロック図である。 第4の実施形態における「ケースa」の位置関係構成を示す図(その1)である。 第4の実施形態における「ケースa」の位置関係構成を示す図(その2)である。 第4の実施形態における「ケースd」の位置関係構成を示す図である。 第4の実施形態における「ケースa」の位置関係構成を示す図(その3)である。 第4の実施形態における「ケースb」の位置関係構成を示す図である。 第4の実施形態の置局支援装置における点群データ処理部による処理の流れを示すフローチャートである。 第5の実施形態の置局支援装置の点群データ処理部の構成を示すブロック図である。 第5の実施形態における走行軌跡と基地局候補位置と端末局候補位置の位置関係構成を示す図である。 第5の実施形態の置局支援装置における点群データ処理部による処理の流れを示すフローチャートである。 第5の実施形態において行われる信頼係数特定処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 第5の実施形態の置局支援装置における点群データ処理部の他の構成例による処理の流れを示すフローチャートである。 TIPが提案するユースケースの一例を示す図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態の置局設計の支援を行う装置である置局支援装置1の構成を示すブロック図である。置局支援装置1は、設計エリア指定部2、基地局候補位置抽出部3、端末局候補位置抽出部4、2次元見通し判定処理部5、点群データ処理部6、局数算出部7、地図データ記憶部11、操作処理部10、設備データ記憶部12、点群データ記憶部13、走行軌跡データ記憶部14、及び2次元見通し判定結果記憶部15を備える。点群データ処理部6は、3次元候補位置選定部20、位置関係特定部21、信頼係数特定部22、3次元見通し判定処理部23、及び遮蔽率算出部24を備える。
置局支援装置1が備える地図データ記憶部11、設備データ記憶部12、点群データ記憶部13、及び走行軌跡データ記憶部14が予め記憶するデータについて説明する。
地図データ記憶部11は、2次元の地図データを予め記憶する。地図データには、例えば、端末局が設置される候補になる建物の位置と形状を示すデータ、建物の敷地の範囲を示すデータ、及び道路を示すデータなどが含まれている。設備データ記憶部12は、基地局が設置される候補になる電柱などの屋外設備である基地局設置建造物の位置を示す2次元の座標系における基地局候補位置データ(以下「2次元基地局候補位置データ」という。)を記憶する。
点群データ記憶部13は、例えば、MMSが取得した3次元の点群データを記憶する。走行軌跡データ記憶部14は、MMSを搭載した車両などの移動体が走行した走行軌跡を示す走行軌跡データを予め記憶する。ここで、走行軌跡データは、例えば、地図データの座標系における2次元の線分で表されるデータである。
以下、図2に示すフローチャートを参照しつつ、置局支援装置1の各機能部の構成及び置局支援装置1による置局支援方法の処理の流れについて説明する。
設計エリア指定部2は、地図データ記憶部11から2次元の地図データを読み出す(ステップS1-1)。設計エリア指定部2は、読み出した地図データを、例えば、ワーキングメモリに書き込んで記憶させる。設計エリア指定部2は、ワーキングメモリが記憶する地図データにおいて、例えば、操作処理部10が置局支援装置1の利用者の操作を受けて出力する設計エリアの範囲を指定する指示信号に基づいて、矩形形状のエリアを選択する。設計エリア指定部2は、選択したエリアを設計エリアとして指定する(ステップS1-2)。
端末局候補位置抽出部4は、設計エリア内の地図データから建物の位置と形状を示す建物輪郭データを建物ごとに地図データから抽出する(ステップS2-1)。端末局候補位置抽出部4が抽出する建物輪郭データは、端末局が設置される可能性のある建物の壁面を示すデータであり、端末局が設置される候補になる位置とみなされる。
端末局候補位置抽出部4は、抽出する建物ごとの建物輪郭データに対して、個々の建物を一意に識別可能な識別情報である建物識別データを生成して付与する。端末局候補位置抽出部4は、付与した建物識別データと、当該建物に対応する建物輪郭データとを関連付けて出力する。
基地局候補位置抽出部3は、設計エリア指定部2が指定した設計エリア内に位置する基地局設置建造物に対応する2次元基地局候補位置データを設備データ記憶部12から読み出して出力する(ステップS3-1)。なお、地図データ記憶部11が記憶する地図データの座標と、設備データ記憶部12が記憶する2次元基地局候補位置データの座標とが一致していない場合、基地局候補位置抽出部3は、読み出した2次元基地局候補位置データの座標を、地図データの座標系に合わせる変換を行う。
2次元見通し判定処理部5は、基地局候補位置抽出部3が出力する2次元基地局候補位置データの各々について、端末局候補位置抽出部4が出力する建物ごとの建物輪郭データを用いて、例えば、文献1(特願2019-004727)に示される手段により、2次元基地局候補位置データの各々が示す位置からの水平方向における建物ごとの見通しの有無を判定する。2次元見通し判定処理部5は、見通しありと判定した建物において見通しのある範囲、すなわち建物の壁面を見通し範囲として検出する(ステップS4-1)。
2次元見通し判定処理部5は、検出した見通し範囲に対応する建物の壁面の中で、更に優先して端末局を設置する建物の壁面の候補を選択する。2次元見通し判定処理部5は、ある建物の見通し範囲が、複数の壁面を含んでいる場合、例えば、基地局から近い方の壁面を優先して端末局を設置する壁面とし、当該壁面を最終的な水平方向における見通し範囲として選択する。
2次元見通し判定処理部5は、基地局候補位置ごとに、水平方向において検出した見通し範囲を有する建物の建物輪郭データと、当該建物の水平方向における見通し範囲を示すデータとを関連付けて2次元見通し判定結果記憶部15に書き込んで記憶させる(ステップS4-2)。これにより、2次元基地局候補位置データごとに、建物の建物識別データと、当該建物識別データに対応する建物の水平方向の見通し範囲を示すデータとが2次元見通し判定結果記憶部15に記憶されることになる。
2次元見通し判定処理部5は、操作処理部10が置局支援装置1の利用者の操作を受けて出力する「基地局候補位置との間に他の建物が存在する建物を考慮する指示」を示す指示信号を、操作処理部10から受けているか否かを判定する(ステップS4-3)。なお、置局支援装置1の利用者は、図2の処理が開始される前に、基地局候補位置との間に他の建物が存在する建物を考慮するか否かを予め選択しており、考慮することを選択している場合、操作処理部10は、利用者の操作を受けて「基地局候補位置との間に他の建物が存在する建物を考慮する指示」を示す指示信号を出力する。
2次元見通し判定処理部5は、当該指示信号を受けていないと判定した場合(ステップS4-3、No)、処理をステップS5-1に進める。一方、当該指示信号を受けていると判定した場合(ステップS4-3、Yes)、処理をステップS4-4に進める。
2次元見通し判定処理部5は、2次元基地局候補位置データごとに、設計エリア内の建物のうち、当該建物と2次元基地局候補位置データが示す位置の間に他の建物が存在する建物を垂直方向の見通し検出対象建物として検出する。2次元見通し判定処理部5は、例えば、2次元見通し判定結果記憶部15を参照し、2次元基地局候補位置データごとに、水平方向の見通し範囲を検出していない建物を、当該建物と2次元基地局候補位置データが示す位置の間に他の建物が存在する建物とし、当該建物を垂直方向の見通し検出対象建物(以下、垂直方向の見通し検出対象建物を「見通し検出対象建物」ともいう)として検出する。
2次元見通し判定処理部5は、例えば、置局支援装置1の利用者の操作を受けて、当該利用者が指定する基地局候補位置ごとの設置高度を示すデータと、建物の高さを示すデータとを外部から取り込む。
2次元見通し判定処理部5は、検出した基地局候補位置ごとの見通し検出対象建物ごとに、取り込んだ建物の高さを示すデータを用いて、当該基地局候補位置における設置高度の高さからの垂直方向の見通し範囲を検出する。2次元見通し判定処理部5は、垂直方向の見通し範囲を検出した建物の建物識別データと、当該建物において検出した垂直方向における見通し範囲を示すデータとを関連付けて2次元見通し判定結果記憶部15に書き込んで記憶させる(ステップS4-4)。これにより、2次元基地局候補位置データごとに、建物の建物識別データと、当該建物識別データに対応する建物の水平及び垂直方向の見通し範囲を示すデータとが2次元見通し判定結果記憶部15に記憶されることになる。
点群データ処理部6において、3次元候補位置選定部20は、3次元空間における基地局を設置する候補になる基地局候補位置と、3次元空間における端末局を設置する候補になる端末局候補位置とを選定する。
例えば、置局支援装置1の利用者が、操作処理部10を操作して、2次元見通し判定結果記憶部15からいずれか1つの2次元基地局候補位置データを選択する。操作処理部10は、選択した2次元基地局候補位置データを3次元候補位置選定部20に出力する。3次元候補位置選定部20は、操作処理部10が出力する2次元基地局候補位置データを取り込む。3次元候補位置選定部20は、取り込んだ2次元基地局候補位置データが示す位置の付近の点群データを点群データ記憶部13から取得し、取得した点群データを画面に表示する。利用者は操作処理部10を操作して、画面に表示された点群データの中から基地局を設置する候補になる3次元の位置を選択して3次元候補位置選定部20に出力する。3次元候補位置選定部20は、操作処理部10が出力する3次元の位置を取り込み、取り込んだ3次元の位置を、3次元の基地局候補位置データとする。
次に、3次元候補位置選定部20は、取り込んだ2次元基地局候補位置データに関連付けられている建物の見通し範囲を示すデータを2次元見通し判定結果記憶部15から読み出す。3次元候補位置選定部20は、読み出した建物の見通し範囲を示すデータが示す範囲の点群データを点群データ記憶部13から読み出し、読み出した点群データを画面に表示する。利用者は操作処理部10を操作して、画面に表示された点群データの中から端末局を設置する候補になる3次元の位置を選択して3次元候補位置選定部20に出力する。3次元候補位置選定部20は、操作処理部10が出力する3次元の位置を取り込み、取り込んだ3次元の位置を、3次元の端末局候補位置データとする。以下、3次元の基地局候補位置データを、単に「基地局候補位置データ」といい、3次元の端末局候補位置データを、単に「端末局候補位置データ」という。
位置関係特定部21は、3次元候補位置選定部20が選定した基地局候補位置データと端末局候補位置データの組み合わせごとに、走行軌跡データ記憶部14が記憶する走行軌跡データに基づいて、走行軌跡と基地局候補位置の位置関係を示す基地局位置関係特定データと、走行軌跡と端末局候補位置の位置関係を示す端末局位置関係特定データとを生成する。信頼係数特定部22は、位置関係特定部21が生成した基地局位置関係特定データと、端末局位置関係特定データとに基づいて、点群データに基づいて行われる所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示す信頼係数を特定する。ここで、所定の評価処理とは、3次元見通し判定処理部23が行う3次元の見通し判定処理、または、遮蔽率算出部24が行う遮蔽率の算出処理である。
信頼係数特定部22は、特定した信頼係数を、当該信頼係数に対応する基地局候補位置データと端末局候補位置データの組み合わせとともに出力する(ステップS5-1)。これにより、信頼係数特定部22は、置局支援装置1の利用者に、基地局候補位置と端末局候補位置の組み合わせごとの所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示す信頼係数を提示することができる。
3次元見通し判定処理部23は、3次元候補位置選定部20が選定した基地局候補位置データ及び端末局候補位置データの各々が示す、基地局候補位置及び端末局候補位置の間の空間の点群データを点群データ記憶部13から読み出す(ステップS5-2)。3次元見通し判定処理部23は、例えば、文献2(特願2019-001401)に示される手段により、読み出した点群データに基づいて、基地局候補位置と、端末局候補位置との間における3次元の見通し判定処理を行い、判定処理の結果に基づいて通信の可否を推定する(ステップS5-3)。
これに対して、点群データ処理部6において、遮蔽率の算出を行う場合、遮蔽率算出部24は、3次元候補位置選定部20が選定した基地局候補位置データ及び端末局候補位置データの各々が示す、基地局候補位置及び端末局候補位置の間の空間の点群データを点群データ記憶部13から読み出す(ステップS5-2)。遮蔽率算出部24は、例えば、文献3(特願2019-242831)に示される手段により、読み出した点群データに基づいて、基地局候補位置と、端末局候補位置との間の遮蔽率を算出し、算出処理の結果に基づいて通信の可否を推定する(ステップS5-3)。点群データ処理部6は、ステップS5-1~S5-3の処理を全ての基地局候補位置データと端末局候補位置データの組み合わせについて行う。
局数算出部7は、点群データ処理部6が3次元の点群データを用いて行った通信の可否の推定の結果に基づいて、基地局候補位置や端末局候補位置を集計して、所要基地局数と、基地局候補位置ごとの収容端末局数とを算出する(ステップS6-1)。
置局支援装置1における処理の構成は、図3に示すように2次元データである地図データを用いて行う処理と、当該処理の結果を受けて、3次元データである点群データを用いて行う処理という、2段階の処理として捉えることもできる。
図3に示すように、1段階目の2次元データである地図データを用いて行う処理は、(1)設計エリアの指定、(2)端末局候補位置の抽出、(3)基地局候補位置の抽出及び(4)2次元の地図データを用いた見通し判定の4つの処理を含んでいる。
(1)設計エリアの指定の処理は、設計エリア指定部2が行うステップS1-1,S1-2の処理に相当する。(2)端末局候補位置の抽出の処理は、端末局候補位置抽出部4が行うステップS2-1の処理に相当する。(3)基地局候補位置の抽出の処理は、基地局候補位置抽出部3が行うステップS3-1の処理に相当する。(4)2次元の地図データを用いた見通し判定の処理は、2次元見通し判定処理部5が行うステップS4-1,S4-2,S4-3,S4-4の処理に相当する。
2段階目の3次元データである点群データを用いて行う処理は、(5)3次元点群データを用いた通信可否判定及び(6)設計エリアにおける所要基地局数及び収容端末局数の算出の2つの処理を含んでいる。(5)3次元点群データを用いた通信可否判定の処理は、点群データ処理部6が行うステップS5-1,S5-2,S5-3の処理に相当する。(6)設計エリアにおける所要基地局数及び収容端末局数の算出の処理は、局数算出部7が行うステップS6-1の処理に相当する。
例えば、ミリ波などの無線通信において、電柱など屋外設備に設置する基地局、及び建物の壁面に設置する端末局について、3次元の点群データを利用して基地局候補位置と端末局候補位置との間の3次元の見通し判定を行い置局設計の支援を行うことができる。3次元の点群データを取り扱うためには、膨大な量のデータと多大な計算リソースが必要になる。そのため、置局支援装置1では、3次元の点群データを利用する前に、2次元見通し判定処理部5が、2次元での基地局候補位置と端末局候補位置の間の見通しを判定し、この判定結果を用いて、点群データ処理部6が、利用する点群データを絞り込んだ上で3次元の見通し判定処理を行うようにしている。そのため、計算リソースを削減した効率的な3次元の見通し判定処理を行うことが可能となる。
また、無線通信において、単純な線状の見通し判定だけでなく、電波が空間を伝搬する際に関係する送信と受信間の回転楕円体形状の領域、いわゆるフレネルゾーンにおける「遮蔽率」を算出することも重要である。置局支援装置1の点群データ処理部6は、遮蔽率算出部24を備えることにより、遮蔽率の算出を行う。遮蔽率の算出には、3次元の見通し判定処理よりも多くの計算リソースが必要になるが、置局支援装置1では、2次元見通し判定処理部5が行う2次元の見通し判定の処理において、利用する点群データを十分に絞り込むことができているため、計算リソースを削減した効率的な遮蔽率の算出の処理を行うことが可能となる。
上記の第1の実施形態の置局支援装置1において、位置関係特定部21は、走行して、予め定められる測定可能距離以内の3次元空間に存在する物体を測定し、測定した物体の3次元空間における位置を示す点群データを取得する移動体の走行軌跡を示す走行軌跡データと、測定可能距離と、基地局装置を設定する候補となる位置を示す基地局候補位置データと、端末局装置を設定する候補となる位置を示す端末局候補位置データとに基づいて、走行軌跡と基地局候補位置との位置関係を示す基地局位置関係特定データと、走行軌跡と端末局候補位置との位置関係を示す端末局位置関係特定データとを生成する。信頼係数特定部22は、位置関係特定部21が生成する基地局位置関係特定データと、端末局位置関係特定データとに基づいて、点群データに基づいて行われる所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示す信頼係数を特定する。
これにより、信頼係数特定部22が、基地局候補位置と端末局候補位置ごとに、点群データに基づいて行われる所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示す信頼係数を利用者に提示することができる。そのため、基地局候補位置と端末局候補位置の間の空間の点群データが全て取得できていない場合、点群データの信頼性が低く、当該点群データを用いた所定の評価処理の処理結果の信頼性も低くなることを信頼係数によって利用者に認識させることが可能となる。
例えば、点群データが全て取得できていないにも関わらず、3次元見通し判定処理部23が判定処理の結果として「見通しあり」を示した場合や、遮蔽率算出部24が算出処理の結果として「無線通信に必要な十分に低い遮蔽率」を示した場合であっても、小さい値の信頼係数を示すことで、利用者に対して注意を促すことができる。それにより、利用者が誤った判断、例えば、3次元の見通し判定や遮蔽率の算出の基になる点群データを取得できていない空間内に基地局や端末局を設置する候補位置を選定してしまうといったことを防止することが可能となる。
また、信頼係数を特定することにより、信頼係数の値の大小に応じて、利用者に以下のような判断を促させることができる。例えば、利用者に、基地局候補位置と端末局候補位置と間の点群データが全て取得できていないものの、信頼係数が大きい値の場合、検討対象の基地局候補位置と端末局候補位置の組み合わせに関しては、取得した点群データを利用した検討が可能であるといった判断を利用者に促させることもできる。
また、信頼係数を特定することにより、信頼係数の値の大小に応じて、3次元見通し判定処理部23が、3次元の見通し判定処理を行うか否かを判定したり、遮蔽率算出部24が、遮蔽率の算出を行うか否かを判定したりすることも可能である。例えば、信頼係数が小さい値の場合、3次元見通し判定処理部23や遮蔽率算出部24は、処理対象の基地局候補位置と端末局候補位置の組み合わせに関しては、処理を行わないようにすることで、計算量を削減することができる。さらに、3次元見通し判定処理部23や遮蔽率算出部24が処理を行わなかったことを利用者に通知することで、処理対象の基地局候補位置と端末局候補位置の間の空間の点群データの取得をやり直させたり、基地局候補位置と端末局候補位置を見直させたりすることを利用者に促すことができる。したがって、基地局候補位置と、端末局候補位置との間の空間の点群データの取得の状態が良好でない場合であっても、利用者が適切な置局設計を行うことが可能になる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に適用される点群データ処理部6aの内部構成を示すブロック図である。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付している。また、図には示していないが、以下の説明では、第2の実施形態の置局支援装置に対して「1a」の符号を付し、置局支援装置1aという。置局支援装置1aは、第1の実施形態の置局支援装置1において、点群データ処理部6を、図4に示す点群データ処理部6aに置き換えた構成を備える。
最初に、第2の実施形態において特定する信頼係数が、MMSを搭載した車両などの移動体の走行軌跡、基地局候補位置、及び端末局候補位置の位置関係とどのような関連性を有しているのかについて、図7から図14を参照しつつ説明する。
図7において、符号50で示す矢印の線分は、走行軌跡データ記憶部14が記憶する走行軌跡データが示す走行軌跡であり、矢印の方向に向かってMMSを搭載した車両などの移動体が走行したことを示している。MMSは、周囲の空間に対してレーザレーダを照射し、物体からのレーザレーダの反射を測定して、当該物体が存在する方向と距離のデータを記録していく。点群データは、記録された方向と距離のデータを3次元空間の座標に変換する演算を行うことにより生成される。このとき、MMSが照射するレーザレーダにより、方向と距離のデータが得られる距離には限界があり、この限界の距離を測定可能距離という。測定可能距離は、MMSの性能によって決まる距離であり、予め既知の値である。
符号110で示す平面領域は、MMSが測定のために照射するレーザレーダの測定可能範囲を示す領域であり、走行軌跡50の線分を中心として、当該線分の両側にMMSの測定可能距離の長さ分の大きさを有する領域であり、以下、測定可能範囲110という。
図7では、基地局候補位置データが示す基地局候補位置60と、端末局候補位置データが示す端末局候補位置70とが、走行軌跡50の両側に位置しており、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が、測定可能範囲110を垂直方向に拡張した空間内に含まれている。言い換えると、基地局候補位置60の垂直方向の座標成分を捨象した2次元平面上の位置、及び端末局候補位置70の垂直方向の座標成分を捨象した2次元平面上の位置の両方が、測定可能範囲110の範囲内に位置しているということになる。
なお、実際には、MMSを中心として測定可能距離を半径とする球内の空間が測定可能範囲となる。また直進するMMSでは走行軌跡50を中心とする半径が測定可能距離の円筒内の空間となる.しかし、通常は基地局装置が(例えば電柱に)設置される高度、及び端末局装置が(建物の壁面に)設置される高度に比べると、前述した何れの測定可能範囲も水平方向の測定可能距離は十分に大きな値となる。そのため、基地局候補位置60、及び端末局候補位置70の垂直方向の座標成分を捨象した2次元における位置が、測定可能範囲110の範囲内に位置する場合、3次元の空間においても、基地局候補位置60、及び端末局候補位置70は、測定可能範囲の範囲内に位置していることになる。
以下、基地局候補位置60、または、端末局候補位置70が、測定可能範囲110を垂直方向に拡張した空間内に含まれていることを、「基地局候補位置60、または、端末局候補位置70が測定可能範囲110の範囲内に位置する」という。これに対して、基地局候補位置60、または、端末局候補位置70が、測定可能範囲110を垂直方向に拡張した空間内に含まれていないことを、「基地局候補位置60、または、端末局候補位置70が測定可能範囲110の範囲外に位置する」という。
符号80で示す回転楕円体は、基地局候補位置60と端末局候補位置70の各々に無線通信装置を設置した際に形成される電波伝搬する領域を表したフレネルゾーンである。フレネルゾーン80の内に点群データが存在すれば、見通しなしと判定される可能性が高くなり、また、遮蔽率が高くなる。
図8は、図7に対して、符号100で示す平面領域を加えた図である。符号100で示す平面領域は、走行軌跡50の線分を中心として、当該線分の両側に予め定められるMMSの測定可能距離よりも短い予め定められる近傍距離の長さ分の大きさを有する領域であり、以下、近傍範囲100という。
図8に示すように、基地局候補位置60は、近傍範囲100を垂直方向の拡張した空間内に含まれている。これに対して、端末局候補位置70は、近傍範囲100を垂直方向の拡張した空間内に含まれていない。言い換えると、基地局候補位置60の垂直方向の座標成分を捨象した2次元平面上の位置は、近傍範囲100の範囲内に位置しているということになる。また、端末局候補位置70の垂直方向の座標成分を捨象した2次元平面上の位置は、近傍範囲100の範囲外に位置しているということになる。
以下、基地局候補位置60、または、端末局候補位置70が、近傍範囲100を垂直方向に拡張した空間内に含まれていることを、「基地局候補位置60、または、端末局候補位置70が近傍範囲100の範囲内に位置する」という。これに対して、基地局候補位置60、または、端末局候補位置70が、近傍範囲100を垂直方向に拡張した空間内に含まれていないことを、「基地局候補位置60、または、端末局候補位置70が近傍範囲100の範囲外に位置する」という。
図8に示すように、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲内に位置しているケースを、以下、「ケースa」といい、「ケースa」の位置関係を、以下、位置関係構成200aという。
「ケースa」の場合、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲内に位置している。そのため、基地局候補位置60と端末局候補位置70の間の空間の点群データは、測定処理における取りこぼしなどがない限り、全て取得できると考えられる。したがって、取得できた点群データに基づいて行われる、3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理の処理結果や、遮蔽率算出部24による遮蔽率の算出処理の処理結果は、信頼性の高い結果になると想定される。そのため、3次元見通し判定処理部23や遮蔽率算出部24による処理を行う意味があると考えられる。
図9に示す位置関係構成200bで示される「ケースb」の場合、基地局候補位置60は、測定可能範囲110及び近傍範囲100の範囲内に位置しているが、端末局候補位置70は、測定可能範囲110の範囲外に位置している。このように、基地局候補位置60と端末局候補位置70のいずれか一方が、測定可能範囲110の範囲外に位置している場合、無線局間の点群データについては、一部が取得できないことになる。このような場合、「ケースa」と比較すると、3次元の見通し判定処理の処理結果や、遮蔽率の算出処理の処理結果は、信頼性の低い結果になると想定される。
ただし、「ケースb」のような場合においても、取得できた点群データに基づいて行われる、3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理の処理結果が「見通しなし」であったり、遮蔽率算出部24による遮蔽率の算出処理の処理結果が「高い遮蔽率」を示していたりする場合、実際には、得られた結果以上に伝搬環境はよくないと、利用者が判断する参考情報にはなる。そのため、利用者に対して、信頼性が低いことを注意喚起する必要があるが、3次元見通し判定処理部23や遮蔽率算出部24による処理を行う一応の意味があると考えられる。
図10に示す位置関係構成200cの「ケースc」の場合、基地局候補位置60、及び端末局候補位置70の両方が、測定可能範囲110の範囲外に位置している。この場合、基地局候補位置60と端末局候補位置70との間の点群データは、取得することができない。そのため、点群データに基づいて行われる、3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理、及び遮蔽率算出部24による遮蔽率の算出処理は、意味がなく、処理を行ったとしても、処理結果は、信頼性の極めて低い結果になると想定される。そのため、「ケースc」の場合、3次元見通し判定処理部23、及び遮蔽率算出部24による処理を行わず、利用者には、「見通し判定不可」や「遮蔽率の算出不可」という「処理不可」であったことを示す情報を提示することが望ましいといえる。
図8から図10に示した「ケースa」~「ケースc」の3つのケースを参照して説明したように、それぞれのケースにおいて、基地局候補位置60と、端末局候補位置70との間の空間に存在する点群データの取得状態が異なるので、点群データに対する信頼性も異なることになる。このように信頼性の異なる点群データを利用するため、基地局候補位置60と、端末局候補位置70との間での3次元の見通し判定処理や、遮蔽率の算出処理の処理結果の信頼性も、点群データの信頼性に応じて異なることになる。
したがって、置局支援装置1aを利用するユーザに、取得した点群データに基づいて行われる所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを、信頼係数によって分かり易く示すことにより、例えば、信頼係数が大きい値の場合、所定の評価処理の処理結果を、実際に行う基地局と端末局の設置に役立てることができる。逆に、信頼係数が小さい値の場合、点群データの取得をやり直させたり、または、基地局候補位置60と端末局候補位置70の位置を見直させたりすることを利用者に促すことができる。
点群データの信頼性は、基地局候補位置60、端末局候補位置70、及び走行軌跡50の各々の位置関係によって定められるものである。図8から図10に示した3つのケース以外の点群データの信頼性が異なるケースを図11に示す。
図11は、ある市街地の地図を表示した図であり、道路400の領域が格子状に示されている。道路400の領域により格子状に区切られた複数の領域の各々は、敷地300であり、敷地300の各々には、矩形形状で示される複数の建物310が構築されている。
また、図11には、MMSを搭載した車両などの移動体が走行した走行軌跡50が示されており、当該走行軌跡50に沿って、近傍範囲100と、測定可能範囲110とが示されている。図11から分かるように、測定可能範囲110は、市街地の全体をカバーできているわけではない。
また、図11には、図8から図10において示した位置関係構成200aによって示される「ケースa」、位置関係構成200bによって示される「ケースb」、位置関係構成200cによって示される「ケースc」を示している。図11には、この3つのケースに加えて、さらに、位置関係構成200dによって示される「ケースd」と、位置関係構成200eによって示される「ケースe」とを示している。
「ケースd」は、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲内に位置しており、基地局候補位置60は、さらに、近傍範囲100の範囲内に位置している。「ケースd」と「ケースa」とを比較すると、「ケースd」は、位置関係構成200dに含まれる黒丸「●」で示した基地局候補位置60と、白丸「○」で示した端末局候補位置70とが、走行軌跡50の一方の側に存在しているという点で「ケースa」と異なる。
「ケースe」は、位置関係構成200eに含まれる黒丸「●」で示した基地局候補位置60、及び白丸「○」で示した端末局候補位置70の両方が近傍範囲100の範囲内に位置している。そのため、フレネルゾーン80も近傍範囲100の範囲内に位置している。しがたって、「ケースe」の場合、「ケースa」の場合よりも、更に信頼性の高い点群データを取得できると考えられる。したがって、「ケースe」の場合、取得できた点群データに基づいて行われる、3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理の処理結果や、遮蔽率算出部24による遮蔽率の算出処理の処理結果は、「ケースa」の場合よりも更に信頼性の高い結果になると想定することができる。
次に、図12を参照しつつ、「ケースb」と、「ケースd」とを用いて、点群データの信頼性についての考察を更に進める説明を行う。図12は、図11における位置関係構成200a、位置関係構成200b、位置関係構成200dを含む領域を拡大した図である。図12は、図11を単に拡大しただけではなく、図11において省略していた樹木320a-1~320a-3や、看板330bなども示している。
なお、以降の図12から図14では、基地局候補位置60、端末局候補位置70、フレネルゾーン80をケースごとに示すため、「ケースb」と「ケースd」に付与されている符号「b」及び「d」を、各々の符号に付加して示すものとする。また、敷地300や建物310の各々を便宜的に区別して示すことができるように、各々に異なる英文字や、枝番号を付与して示すものとする。
上述したように「ケースb」の場合、基地局候補位置60bは、測定可能範囲110及び近傍範囲100の範囲内に位置している。端末局候補位置70bは、敷地300bに構築されている建物310b-1の壁面に位置しており、この位置は、測定可能範囲110の範囲外である。測定可能範囲110の範囲外では、点群データは取得できていない。図12に示すように、端末局候補位置70bの近傍であって、フレネルゾーン80bを遮蔽する位置には、店名などが印刷された看板330bが存在している。看板330bは、測定可能範囲110の範囲内に位置していないため、看板330bの点群データは取得できていないことになる。
図13は、図12に示した位置関係構成200bを含む領域の平面図と、当該領域を3次元で示した鳥瞰図とを示した図である。平面図と鳥瞰図において、対応関係にある物体や位置などには同一の符号を付している。図13から分かるように、看板330bは、フレネルゾーン80bを遮蔽する位置であって、測定可能範囲110の範囲外に位置している。このような場合、取得した点群データには看板330bの点群データは含まれていないため、3次元見通し判定処理部23が行う3次元の見通し判定処理において、「見通しあり」と誤った判定をしてしまう場合がある。また、遮蔽率算出部24が行う遮蔽率の算出処理において、「低い遮蔽率」を算出してしまう場合がある。この場合、置局支援装置1aの利用者は誤った判断をしてしまう可能性がある。
その一方、取得した点群データに基づいて行われる、3次元見通し判定処理部23の3次元の見通し判定処理において、「見通しなし」の処理結果が得られた場合や、遮蔽率算出部24の遮蔽率の算出処理において「高い遮蔽率」の処理結果が得られたとする。この場合、得られた処理結果は、正しい処理結果であるということができるので、この点において、「ケースb」の場合であっても、3次元の見通し判定処理の処理結果や遮蔽率の算出処理の処理結果は、一応の信頼性を有しているということができる。
図12に示す位置関係構成200dによって示される「ケースd」の場合、端末局候補位置70dは、建物310a-1の壁面に位置しており、建物310a-1が構築されている敷地300aには、街路樹や庭木などの樹木320a-1,320a-2,320a-3が植えられている。このうち、樹木320a-3の位置は、基地局候補位置60dと端末局候補位置70dの間のフレネルゾーン80dを遮蔽する位置になっている。
図14は、図12に示した位置関係構成200dを含む領域の平面図と、当該領域を3次元で示した鳥瞰図とを示した図である。平面図と鳥瞰図において、対応関係にある物体や位置などには同一の符号を付している。図14から分かるように、樹木320a-3は、フレネルゾーン80dを遮蔽する位置であって、測定可能範囲110の範囲内に位置している。樹木320a-3については、測定可能範囲110の範囲内に位置しているため、点群データを取得することができている。
一般的に、樹木の点群データ、特に、樹木の枝や葉の部分の点群データには多くの隙間が存在する。例えば、葉の厚みは数mm程度であり、これに対して、走行軌跡50から近くない場合の点群データの取得の間隔は、例えば、数cm~十数cmである。そのため、樹木の枝葉の茂り具合によっては、樹木の点群データには、多くの隙間が存在することになる。
3次元見通し判定処理部23が、多くの隙間がある点群データに基づいて、3次元の見通し判定処理を行うと、処理結果が「見通しあり」になる場合がある。また、遮蔽率算出部24が、多くの隙間がある点群データに基づいて、遮蔽率の算出処理を行うと、処理結果が「低い遮蔽率」を示す場合がある。この場合、置局支援装置1aの利用者は誤った判断をしてしまう可能性がある。
その一方、取得した点群データに基づいて行われる、3次元見通し判定処理部23の3次元の見通し判定処理において、「見通しなし」の処理結果が得られた場合や、遮蔽率算出部24の遮蔽率の算出処理において「高い遮蔽率」の処理結果が得られたとする。この場合、得られた処理結果は、正しい処理結果であるということができるので、この点において、「ケースd」の場合であっても、3次元の見通し判定処理の処理結果や遮蔽率の算出処理の処理結果は、一応の信頼性を有しているということができる。
ここで、図4に戻り、第2の実施形態の点群データ処理部6aの構成について説明する。点群データ処理部6aは、3次元候補位置選定部20、位置関係特定部21a、信頼係数特定部22a、3次元見通し判定処理部23、遮蔽率算出部24、及び記憶部25を備える。記憶部25は、信頼係数テーブル25-1,25-2を予め記憶する。
位置関係特定部21aは、測定可能範囲特定部30、測定可能範囲存在判定部31、近傍範囲特定部32、近傍範囲存在判定部33、及び判定結果記憶部34を備える。位置関係特定部21aにおいて、測定可能範囲特定部30は、走行軌跡データ記憶部14が記憶する走行軌跡データと、予め定められる測定可能距離とに基づいて、測定可能範囲110を示す測定可能範囲データを生成する。
測定可能範囲存在判定部31は、測定可能範囲特定部30が生成した測定可能範囲データと、3次元候補位置選定部20が選定した基地局候補位置データとに基づいて、基地局候補位置60が測定可能範囲110の範囲内に存在するか否かを判定する。測定可能範囲存在判定部31は、判定した結果を示す基地局位置関係特定データを生成する。基地局位置関係特定データには、基地局候補位置60が測定可能範囲110の範囲内に存在することを示す情報、または、基地局候補位置60が測定可能範囲110の範囲外に存在することを示す情報のいずれかが含まれる。測定可能範囲存在判定部31は、生成した基地局位置関係特定データを判定結果記憶部34に書き込んで記憶させる。
また、測定可能範囲存在判定部31は、測定可能範囲特定部30が生成した測定可能範囲データと、3次元候補位置選定部20が選定した端末局候補位置データとに基づいて、端末局候補位置70が測定可能範囲110の範囲内に存在するか否かを判定する。測定可能範囲存在判定部31は、判定した結果を示す端末局位置関係特定データを生成する。端末局位置関係特定データには、端末局候補位置70が測定可能範囲110の範囲内に存在することを示す情報、または、端末局候補位置70が測定可能範囲110の範囲外に存在することを示す情報のいずれかが含まれる。測定可能範囲存在判定部31は、生成した端末局位置関係特定データを判定結果記憶部34に書き込んで記憶させる。
近傍範囲特定部32は、走行軌跡データ記憶部14が記憶する走行軌跡データと、予め定められている近傍距離とに基づいて、近傍範囲100を示す近傍範囲データを生成する。近傍範囲存在判定部33は、近傍範囲特定部32が生成した近傍範囲データと、3次元候補位置選定部20が選定した基地局候補位置データとに基づいて、基地局候補位置60が近傍範囲100の範囲内に存在するか否かを判定する。近傍範囲存在判定部33は、判定した結果を示す情報を基地局位置関係特定データに書き加える。すなわち、近傍範囲存在判定部33は、基地局候補位置60が近傍範囲100の範囲内に存在することを示す情報、または、基地局候補位置60が近傍範囲100の範囲外に存在することを示す情報を、判定結果記憶部34が記憶する基地局位置関係特定データに書き加える。
また、近傍範囲存在判定部33は、近傍範囲特定部32が生成した近傍範囲データと、3次元候補位置選定部20が選定した端末局候補位置データとに基づいて、端末局候補位置70が近傍範囲100の範囲内に存在するか否かを判定する。近傍範囲存在判定部33は、判定した結果を示す情報を端末局位置関係特定データに書き加える。すなわち、近傍範囲存在判定部33は、端末局候補位置70が近傍範囲100の範囲内に存在することを示す情報、または、端末局候補位置70が近傍範囲100の範囲外に存在することを示す情報を、判定結果記憶部34が記憶する端末局位置関係特定データに書き加える。
信頼係数特定部22aは、判定結果記憶部34が記憶する基地局位置関係特定データと、端末局位置関係特定データとに基づいて、記憶部25が記憶する信頼係数テーブル25-1、または、信頼係数テーブル25-2を参照して、点群データに基づいて行われる所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示す信頼係数を特定する。
図5は、記憶部25が記憶する信頼係数テーブル25-1のデータ構成を示す図である。信頼係数テーブル25-1は、「位置関係パターン」、「基地局候補位置」、「端末局候補位置」、「信頼係数」の項目を有している。「基地局候補位置」の項目には、基地局候補位置60が、近傍範囲100の範囲内に位置している、または、近傍範囲100の範囲外であるが測定可能範囲110の範囲内に位置している、または、測定可能範囲110の範囲外に位置しているいずれかを示す3通りの位置関係を示す情報が予め書き込まれる。
「端末局候補位置」の項目には、端末局候補位置70が、近傍範囲100の範囲内に位置している、または、近傍範囲100の範囲外であるが測定可能範囲110の範囲内に位置している、または、測定可能範囲110の範囲外に位置しているいずれかを示す3通りの位置関係を示す情報が予め書き込まれる。
基地局候補位置60と端末局候補位置70の各々において、3通りの位置関係が存在するため、全部で9通りの位置関係のパターンができることになる。「位置関係パターン」の項目には、9通りの位置関係のパターンのそれぞれに対して付したpt1~pt9の符号が予め書き込まれる。「信頼係数」の項目には、9通りの位置関係パターンpt1~pt9ごとに予め定められる信頼係数の値が予め書き込まれる。
位置関係パターンpt1は、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が近傍範囲100の範囲内に位置するパターンである。位置関係パターンpt1の場合、基地局候補位置60と端末局候補位置70との間の空間の全ての点群データが、確実に、すなわち高い確率で取得できていると想定することができ、取得した点群データの信頼性も高くなる。そのため、点群データに基づいて行われる所定の評価処理の信頼性も高くなるので、信頼係数として「100」が書き込まれる。また、信頼係数「100」を示すマークとして「◎」が書き込まれる。
位置関係パターンpt2は、基地局候補位置60が、近傍範囲100の範囲内に位置しており、端末局候補位置70が近傍範囲100の範囲外であるが、測定可能範囲110の範囲内に位置しているパターンである。位置関係パターンpt2の場合、基地局候補位置60と端末局候補位置70との間の空間の点群データが概ね取得できていると想定することができる。ただし、点群データの詳細性という観点でみると、MMSから遠方になると点群データの詳細性は低下するので、端末局候補位置70が走行軌跡50から離れている分、位置関係パターンpt1よりも低くなる。したがって、このような点群データに基づいて行われる所定の評価処理の信頼性は位置関係パターンpt1ほどでないにしても、ある程度高いので、信頼係数として「80」が書き込まれる。また、信頼係数「80」を示すマークとして「〇」が書き込まれる。
位置関係パターンpt3は、基地局候補位置60が近傍範囲100の範囲内に位置しているが、端末局候補位置70が測定可能範囲110の範囲外に位置しているパターンである。位置関係パターンpt3の場合、基地局候補位置60と端末局候補位置70との間の空間の点群データは、部分的にしか取得できていないと想定される。そのため、点群データに基づいて行われる所定の評価処理の信頼性は低くなる。ただし、所定の評価処理、すなわち3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理の処理結果が「見通しなし」であったり、遮蔽率算出部24による遮蔽率の算出処理の処理結果が「高い遮蔽率」を示していたりする場合、実際には、得られた結果以上に伝搬環境はよくないと、利用者が判断する参考情報にはなる。そのため、位置関係パターンpt3の場合、所定の評価処理による処理結果は、利用者の置局設計における参考情報となり得るため、信頼係数として「50」が書き込まれる。また、信頼係数「50」を示すマークとして「△」が書き込まれる。
位置関係パターンpt4は、基地局候補位置60が近傍範囲100の範囲外であるが、測定可能範囲110の範囲内に位置しており、端末局候補位置70が近傍範囲100の範囲内に位置しているパターンである。位置関係パターンpt4は、位置関係パターンpt2において、基地局候補位置60と端末局候補位置70の位置関係を入れ替えたパターンに相当する。したがって、位置関係パターンpt4の場合、位置関係パターンpt2と同じく、信頼係数として「80」が書き込まれ、信頼係数「80」を示すマークとして「〇」が書き込まれる。
位置関係パターンpt5は、基地局候補位置60及び端末局候補位置70の両方が、近傍範囲100の範囲外であるが、測定可能範囲110の範囲内に位置しているパターンである。位置関係パターンpt5の場合、基地局候補位置60と端末局候補位置70との間の空間の点群データが取得できていると想定することができる。ただし、位置関係パターンpt5は、基地局候補位置60、または、端末局候補位置70のいずれもが、測定可能範囲110の範囲内には位置しているが、近傍範囲100の範囲内には位置していない。そのため、点群データの詳細性や正確性といった観点でみると、基地局候補位置60、または、端末局候補位置70のいずれかが近傍範囲100に位置している位置関係パターンpt2,pt4よりも低くなると考えられる。したがって、このような点群データに基づいて行われる所定の評価処理の信頼性は、位置関係パターンpt2,pt4ほどでないにしても、ある程度高いので、信頼係数として「60」が書き込まれる。また、信頼係数「60」を示すマークとして「●」が書き込まれる。
位置関係パターンpt6は、基地局候補位置60が近傍範囲100の範囲外であるが、測定可能範囲110の範囲内に位置しており、端末局候補位置70が測定可能範囲110の範囲外に位置しているパターンである。基地局候補位置60が近傍範囲100に位置していないことから、部分的に取得できる点群データの信頼性は、位置関係パターンpt3よりも低くなることになる。ただし、所定の評価処理、すなわち3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理の処理結果が「見通しなし」であったり、遮蔽率算出部24による遮蔽率の算出処理の処理結果が「高い遮蔽率」を示していたりする場合、実際には、得られた結果以上に伝搬環境はよくないと、利用者が判断する参考情報にはなる。そのため、位置関係パターンpt6の場合、所定の評価処理による処理結果は、利用者の置局設計における参考情報となり得るため、信頼係数として、位置関係パターンpt3よりも小さい値である「30」が書き込まれる。また、信頼係数「30」を示すマークとして「▲」が書き込まれる。
位置関係パターンpt7は、基地局候補位置60が測定可能範囲110の範囲外に位置しており、端末局候補位置70が近傍範囲100の範囲内に位置しているパターンである。位置関係パターンpt7は、位置関係パターンpt3において、基地局候補位置60と端末局候補位置70の位置関係を入れ替えたパターンに相当する。したがって、位置関係パターンpt7の場合、位置関係パターンpt3と同じく、信頼係数として「50」が書き込まれ、信頼係数「50」を示すマークとして「△」が書き込まれる。
位置関係パターンpt8は、基地局候補位置60が測定可能範囲110の範囲外に位置しており、端末局候補位置70が近傍範囲100の範囲外に位置しているが、測定可能範囲110の範囲内に位置しているパターンである。位置関係パターンpt8は、位置関係パターンpt6において、基地局候補位置60と端末局候補位置70の位置関係を入れ替えたパターンに相当する。したがって、位置関係パターンpt8の場合、位置関係パターンpt6と同じく、信頼係数として「30」が書き込まれ、信頼係数「30」を示すマークとして「▲」が書き込まれる。
位置関係パターンpt9は、基地局候補位置60及び端末局候補位置70の両方が、測定可能範囲110の範囲外に位置しているパターンである。位置関係パターンpt9の場合、基地局候補位置60と端末局候補位置70の間の空間の点群データが取得できていないと想定される。したがって、位置関係パターンpt9の場合、信頼係数として最も小さい値である「0」が書き込まれ、信頼係数「0」を示すマークとして「×」が書き込まれる。
図6は、記憶部25が記憶する信頼係数テーブル25-2のデータ構成を示す図である。図5に示した信頼係数テーブル25-1は、近傍範囲100と測定可能範囲110という2つの範囲に位置しているか否かで位置関係のパターンが分類されており、9通りの位置関係パターンpt1~pt9に関する情報を記憶する。これに対して、図6に示す信頼係数テーブル25-2は、測定可能範囲110に位置しているか否かで位置関係のパターンが分類されており、4通りの位置関係パターンptA,ptB,ptC,PtDに関する情報を記憶する。
信頼係数テーブル25-2は、「位置関係パターン」、「基地局候補位置」、「端末局候補位置」、「信頼係数」、「対応する位置関係パターン」の項目を有している。「位置関係パターン」の項目には、4通りの位置関係のパターンのそれぞれに対して付したptA~ptDの符号が予め書き込まれる。
「基地局候補位置」の項目には、基地局候補位置60が、測定可能範囲110の範囲内に位置している、または、測定可能範囲110の範囲外に位置しているいずれかを示す2通りの位置関係を示す情報が予め書き込まれる。「端末局候補位置」の項目には、端末局候補位置70が、測定可能範囲110の範囲内に位置している、または、測定可能範囲110の範囲外に位置しているいずれかを示す2通りの位置関係を示す情報が予め書き込まれる。
「信頼係数」の項目には、位置関係パターンptA~ptDの各々に対して予め定められた信頼係数と、信頼係数の値に対応するマークとが書き込まれる。「対応する位置関係パターン」の項目には、図5に示した信頼係数テーブル25-1の位置関係パターンpt1~pt9を示す符号pt1~pt9が書き込まれる。
位置関係パターンptAは、基地局候補位置60及び端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲内に位置しているパターンである。そのため、「対応する位置関係パターン」の項目には、位置関係パターンptAの分類に含まれる位置関係パターンpt1,pt2,pt4,pt5の符号が書き込まれる。「信頼係数」の項目には、位置関係パターンpt1,pt2,pt4,pt5の信頼係数の中で最高値の「100」と、「100」に対応する「◎」のマークとが書き込まれる
位置関係パターンptBは、基地局候補位置60が測定可能範囲110の範囲内に位置しており、端末局候補位置70が測定可能範囲110の範囲外に位置しているパターンである。そのため、「対応する位置関係パターン」の項目には、位置関係パターンptBの分類に含まれる位置関係パターンpt3,pt6の符号が書き込まれる。「信頼係数」の項目には、位置関係パターンpt3,pt6の信頼係数の中で最高値の「50」と、「50」に対応する「△」のマークとが書き込まれる。
位置関係パターンptCは、基地局候補位置60が測定可能範囲110の範囲外に位置しており、端末局候補位置70が測定可能範囲110の範囲内に位置しているパターンである。そのため、「対応する位置関係パターン」の項目には、位置関係パターンptBの分類に含まれる位置関係パターンpt7,pt8の符号が書き込まれる。「信頼係数」の項目には、位置関係パターンpt7,pt8の信頼係数の中で最高値の「50」と、「50」に対応する「△」のマークとが書き込まれる。
位置関係パターンptDは、基地局候補位置60及び端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲外に位置しているパターンである。そのため、「対応する位置関係パターン」の項目には、位置関係パターンptDの分類に含まれる位置関係パターンpt9の符号が書き込まれる。「信頼係数」の項目には、位置関係パターンpt9の信頼係数である「0」と、「0」に対応する「×」のマークとが書き込まれる。
(第2の実施形態による処理)
図15は、第2の実施形態の点群データ処理部6aによる処理の流れを示すフローチャートであり、当該処理は、図2に示した置局支援方法の(5)3次元点群データを用いた通信可否判定の処理に相当する処理である。図15に示すフローチャートでは、点群データ処理部6aが行う所定の評価処理として、3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理を適用した例を示している。
以下の処理が行われる前に、置局支援装置1aの利用者は、近傍範囲100を考慮する処理、すなわち、基地局候補位置60と端末局候補位置70が、近傍範囲100の範囲内に位置しているか、または、近傍範囲100の範囲外に位置しているかを判定する処理を行うか否かを予め選択する。利用者が当該処理を行う選択をした場合、操作処理部10は、利用者の操作を受けて「近傍範囲を考慮する」を示す指示信号を出力する。
3次元候補位置選定部20は、基地局候補位置60と、端末局候補位置70とを選定し、基地局候補位置60を示す基地局候補位置データと、端末局候補位置70を示す端末局候補位置データとを位置関係特定部21aに出力する(ステップSa1)。これにより、処理対象となる基地局候補位置60と、端末局候補位置70とが指定される。
測定可能範囲特定部30は、走行軌跡データ記憶部14から走行軌跡データを読み出す(ステップSa2)。測定可能範囲特定部30は、読み出した走行軌跡データと、予め定められる測定可能距離とに基づいて、測定可能範囲110を示す測定可能範囲データを生成する(ステップSa3)。測定可能範囲特定部30は、生成した測定可能範囲データを測定可能範囲存在判定部31に出力する。
測定可能範囲存在判定部31は、3次元候補位置選定部20が出力する基地局候補位置データと、端末局候補位置データと、測定可能範囲特定部30が出力する測定可能範囲データとを取り込む。測定可能範囲存在判定部31は、測定可能範囲データと、基地局候補位置データとに基づいて、基地局候補位置60が、測定可能範囲110の範囲内に位置するか、または、測定可能範囲110の範囲外に位置するかを判定する。測定可能範囲存在判定部31は、判定した結果を基地局位置関係特定データとして生成し、生成した基地局位置関係特定データを判定結果記憶部34に書き込んで記憶させる。
また、測定可能範囲存在判定部31は、測定可能範囲データと、端末局候補位置データとに基づいて、端末局候補位置70が、測定可能範囲110の範囲内に位置するか、または、測定可能範囲110の範囲外に位置するかを判定する。測定可能範囲存在判定部31は、判定した結果を端末局位置関係特定データとして生成し、生成した端末局位置関係特定データを判定結果記憶部34に書き込んで記憶させる(ステップSa4)
測定可能範囲存在判定部31は、判定した結果が、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲内に存在することを示しているか否かを判定する(ステップSa5)。測定可能範囲存在判定部31は、判定した結果が、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲内に存在することを示していると判定した場合(ステップSa5、Yes)、3次元見通し判定処理部23に処理対象の基地局候補位置データと端末局候補位置データとを含む処理の開始を指示する指示信号を出力する。
ステップSa5において、測定可能範囲存在判定部31が「Yes」の判定をする場合は、信頼係数テーブル25-1,25-2において、信頼係数「100」~「60」の場合に対応しており、点群データの信頼性が高いため、3次元の見通し判定処理を行うことに意味がある。
3次元見通し判定処理部23は、測定可能範囲存在判定部31から指示信号を受けると、指示信号に含まれる基地局候補位置データに対応する基地局候補位置60と、端末局候補位置データに対応する端末局候補位置70との間の空間の点群データを点群データ記憶部13から読み出し、読み出した点群データに基づいて3次元の見通し判定処理を行う(ステップSa6)。
一方、測定可能範囲存在判定部31は、判定した結果が、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲内に位置しないを示していると判定した場合、すなわち信頼係数テーブル25-1,25-2において、信頼係数「50」~「0」の場合(ステップSa5、No)、判定した結果が、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲外に存在することを示しているか否かを判定する(ステップSa7)。
測定可能範囲存在判定部31は、判定した結果が、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲外に存在することを示していると判定した場合(ステップSa7、Yes)、測定可能範囲存在判定部31は、処理をステップSa8に進める。ステップSa7において、測定可能範囲存在判定部31が「Yes」の判定をする場合は、信頼係数テーブル25-1,25-2において、信頼係数「0」の場合に対応するため、基地局候補位置60と端末局候補位置70との間の空間の点群データが取得できていない。そのため、3次元の見通し判定処理を行っても意味がないので、ステップSa6の処理を行わないようにしている。
一方、測定可能範囲存在判定部31は、判定した結果が、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲外に位置しないを示していると判定した場合(ステップSa7、No)、処理をステップSa6に進める。ステップSa7において、測定可能範囲存在判定部31が「No」の判定をする場合は、信頼係数テーブル25-1,25-2において、信頼係数が「50」~「30」の場合に対応するため、3次元の見通し判定処理を行うことに一応の意味があるため、ステップSa6の処理を行うようにしている。
測定可能範囲存在判定部31は、操作処理部10が「近傍範囲を考慮する」を示す指示信号を出力しているか否かを判定する(ステップSa8)。測定可能範囲存在判定部31は、操作処理部10が「近傍範囲を考慮する」を示す指示信号を出力していないと判定した場合(ステップSa8、No)、処理をステップSa11に進める。
一方、測定可能範囲存在判定部31は、操作処理部10が「近傍範囲を考慮する」を示す指示信号を出力していると判定した場合(ステップSa8、Yes)、基地局候補位置データと、端末局候補位置データとを含む処理の開始を指示する指示信号を近傍範囲特定部32に出力する。近傍範囲特定部32は、測定可能範囲存在判定部31が出力する指示信号を受けると、走行軌跡データ記憶部14から走行軌跡データを読み出す。近傍範囲特定部32は、読み出した走行軌跡データと、予め定められる近傍距離とに基づいて、近傍範囲100を示す近傍範囲データを生成する(ステップSa9)。近傍範囲特定部32は、指示信号に含まれる基地局候補位置データと、端末局候補位置データと、生成した近傍範囲データとを近傍範囲存在判定部33に出力する。
近傍範囲存在判定部33は、近傍範囲特定部32が出力する基地局候補位置データと、端末局候補位置データと、近傍範囲データとを取り込む。近傍範囲存在判定部33は、近傍範囲データと、基地局候補位置データとに基づいて、基地局候補位置60が、近傍範囲100の範囲内に位置するか、または、近傍範囲100の範囲外に位置するかを判定する。近傍範囲存在判定部33は、判定した結果を判定結果記憶部34が記憶する基地局位置関係特定データに書き加える。
また、近傍範囲存在判定部33は、近傍範囲データと、端末局候補位置データとに基づいて、端末局候補位置70が、近傍範囲100の範囲内に位置するか、または、近傍範囲100の範囲外に位置するかを判定する。近傍範囲存在判定部33は、判定した結果を判定結果記憶部34が記憶する端末局位置関係特定データに書き加える(ステップSa10)。
ステップSa11については、近傍範囲100を考慮するか否かで処理が異なるため、以下に、場合分けして処理の流れを示す。
(利用者が「近傍範囲を考慮する」を選択している場合」
信頼係数特定部22aは、操作処理部10が「近傍範囲を考慮する」を示す指示信号を出力している場合、判定結果記憶部34が記憶する基地局位置関係特定データを参照して、基地局候補位置60が、近傍範囲100の範囲内に位置しているか、または、近傍範囲100の範囲外であるが測定可能範囲110の範囲内に位置しているか、または、測定可能範囲110の範囲外に位置しているかのいずれの位置関係であるかを検出する。
信頼係数特定部22aは、判定結果記憶部34が記憶する端末局位置関係特定データを参照して、端末局候補位置70が、近傍範囲100の範囲内に位置しているか、または、近傍範囲100の範囲外であるが測定可能範囲110の範囲内に位置しているか、または、測定可能範囲110の範囲外に位置しているかのいずれの位置関係であるかを検出する。
信頼係数特定部22aは、記憶部25が記憶する信頼係数テーブル25-1を参照し、検出した基地局候補位置60の位置関係、及び端末局候補位置70の位置関係に対応する信頼係数と、当該信頼係数に対応するマークとを「信頼係数」の項目から読み出して、信頼係数とマークとを特定する(ステップSa11)。
(利用者が「近傍範囲を考慮する」を選択していない場合」
信頼係数特定部22aは、操作処理部10が「近傍範囲を考慮する」を示す指示信号を出力していない場合、判定結果記憶部34が記憶する基地局位置関係特定データを参照して、信頼係数特定部22aは、基地局候補位置60が、測定可能範囲110の範囲内に位置している、または、測定可能範囲110の範囲外に位置しているいずれの位置関係であるかを検出する。信頼係数特定部22aは、判定結果記憶部34が記憶する端末局位置関係特定データを参照して、端末局候補位置70が、測定可能範囲110の範囲内に位置している、または、測定可能範囲110の範囲外に位置しているいずれの位置関係であるかを検出する。
信頼係数特定部22aは、記憶部25が記憶する信頼係数テーブル25-2を参照し、検出した基地局候補位置60の位置関係、及び端末局候補位置70の位置関係に対応する信頼係数と、当該信頼係数に対応するマークとを「信頼係数」の項目から読み出して、信頼係数とマークとを特定する(ステップSa11)。
上記の2通りのステップSa11のいずれかが行われた後、信頼係数特定部22aは、判定結果記憶部34が記憶する基地局候補位置データ及び端末局候補位置データと、特定した信頼係数、及びマークを画面に表示し、3次元見通し判定処理部23は、3次元見通し判定処理の処理結果を画面に表示する。
これに対して、ステップSa6の処理が行われていないために3次元見通し判定処理部23が処理結果を出力していない場合、信頼係数特定部22aは、基地局候補位置データ及び端末局候補位置データと、信頼係数及びマークとを画面に表示するとともに、3次元見通し判定処理が「処理不可」であったことを表示する(ステップSa12)。
上記の第2の実施形態の置局支援装置1aの位置関係特定部21aにおいて、測定可能範囲特定部30は、走行軌跡データと、測定可能距離とに基づいて、測定可能範囲を示す測定可能範囲データを生成する。測定可能範囲存在判定部31は、測定可能範囲データと、基地局候補位置データとに基づいて、基地局候補位置が測定可能範囲の範囲内に存在するか否か判定し、判定した結果を基地局位置関係特定データとして生成し、測定可能範囲データと、端末局候補位置データとに基づいて、端末局候補位置が測定可能範囲の範囲内に存在するか否か判定し、判定した結果を端末局位置関係特定データとして生成する。
また、位置関係特定部21aにおいて、近傍範囲特定部32は、走行軌跡データと、測定可能距離よりも短い予め定められる近傍距離とに基づいて、近傍範囲を示す近傍範囲データを生成する。近傍範囲存在判定部33は、近傍範囲データと、基地局候補位置データとに基づいて、基地局候補位置が近傍範囲の範囲内に存在するか否か判定し、判定した結果を測定可能範囲存在判定部31が生成した基地局位置関係特定データに加え、近傍範囲データと、端末局候補位置データとに基づいて、端末局候補位置が近傍範囲の範囲内に存在するか否か判定し、判定した結果を測定可能範囲存在判定部31が生成した端末局位置関係特定データに加える。
これにより、利用者が「近傍範囲を考慮する」を選択している場合、「◎:100」、「〇:80」、「●:60」、「△:50」、「▲:30」、「×:0」の6つの段階のいずれかの信頼係数が画面に表示される。これに対して、利用者が「近傍範囲を考慮する」を選択していない場合、「◎:100」、「△:50」、「×:0」の3つの段階のいずれかの信頼係数が画面に表示される。画面に表示された信頼係数の数値の大きさ、または、マークの種別により、置局支援装置1aの利用者は、「近傍範囲を考慮する」を選択した場合、3次元見通し判定処理部23の処理結果の信頼性の度合いを、6段階の信頼係数によって判断することができる。また、置局支援装置1aの利用者は、「近傍範囲を考慮する」を選択しなかった場合、3次元見通し判定処理部23の処理結果の信頼性の度合いを、3段階の信頼係数によって判断することができる。
また、上記の第2の実施形態の構成では、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が、測定可能範囲110の範囲外に位置している場合、所定の評価処理、すなわち、ステップSa6の3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理を行わないようにしており、3次元の見通し判定処理が行われなかったことを画面に「処理不可」として表示するようにしている。信頼係数及びマークと、3次元の見通し判定処理の「処理不可」とを示すことにより、利用者は、走行軌跡50、基地局候補位置60、及び端末局候補位置70の各々の位置関係の状態を把握することができるようになっている。したがって、基地局候補位置60と、端末局候補位置70との間の空間の点群データの取得の状態が良好でない場合であっても、利用者が適切な置局設計を行うことが可能になる。
なお、上記の第2の実施形態では、所定の評価処理として、3次元見通し判定処理部23による3次元見通し判定処理を適用した例を示したが、所定の評価処理として、遮蔽率算出部24による遮蔽率の算出処理を適用してもよく、その場合、ステップSa6では、遮蔽率算出部24が、点群データ記憶部13から読み出した基地局候補位置60と端末局候補位置70の間の空間の点群データに基づいて遮蔽率の算出処理を行うことになる。
また、上記の第2の実施形態では、ステップSa7において、測定可能範囲存在判定部31は、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲外に存在することを示しているか否かを判定するようにしているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。ステップSa7の条件、すなわち、3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理を行うか否かの条件は、適宜変更してもよく、例えば、基地局候補位置60と端末局候補位置70のいずれか一方が測定可能範囲110の範囲外に位置している場合に、ステップSa6の3次元の判定処理を行わないという条件を適用するようにしてもよい。この場合、信頼係数が「50」以下の位置関係パターンpt3,pt6~pt9の場合に、ステップSa6の3次元の判定処理が行われないことになる。
また、ステップSa7の処理において、測定可能範囲存在判定部31は、走行軌跡50、基地局候補位置60、及び端末局候補位置70の位置関係を、例えば、画面に表示し、利用者が、画面を参照して、ステップSa6の3次元の見通し判定処理を実行するか否かを判断し、当該判断に応じて、操作処理部10を操作し、測定可能範囲存在判定部31に対して「Yes」、「No」のいずれかの判定をさせる指示信号を与えるようにしてもよい。
また、ステップSa4とステップSa5の間に、信頼係数特定部22aが、測定可能範囲存在判定部31の判定結果に基づいて、信頼係数テーブル25-2に基づいて、信頼係数を特定し、特定した信頼係数に基づいて、ステップSa5,Sa7の判定処理が行われるようにしてもよい。この場合、ステップSa5の判定条件は、「信頼係数が『100』であるか?」という判定条件になり、ステップSa7の判定条件は、「信頼係数が『0』であるか?」という判定条件になる。
また、ステップSa5,Sa6,Sa7の処理を、ステップSa11の後に行うように処理の順序を入れ替え、信頼係数特定部22aが、信頼係数を特定した後に、信頼係数特定部22aが、ステップSa5,Sa6,Sa7の処理を行うようにしてもよい。この場合、例えば、ステップSa7の判定条件を、「基地局候補位置60と端末局候補位置70のいずれか一方が近傍範囲100の範囲内に位置しているか否か」という判定条件とし、「基地局候補位置60と端末局候補位置70のいずれか一方が近傍範囲100の範囲内に位置している」場合にステップSa6の3次元の見通し判定処理を行うようにしてもよい。この判定条件を適用することにより、信頼係数が「50」以上の位置関係パターンpt1~pt5,pt7の場合には、ステップSa6の3次元の見通し判定処理が行われるが、信頼係数が「30」以下の位置関係パターンpt6,pt8,pt9については、ステップSa6の3次元の見通し判定処理が行われないことになる。
また、上記の第2の実施形態において、信頼係数テーブル25-1,25-2の「信頼係数」の項目に予め書き込まれる信頼係数の数値は、一例であり、数値の大きさの順が維持されていれば、どのような数値であってもよい。
(第3の実施形態)
図16は、第3の実施形態に適用される点群データ処理部6bの内部構成を示すブロック図である。第3の実施形態において、第1及び第2の実施形態と同一の構成については同一の符号を付している。また、図には示していないが、以下の説明では、第3の実施形態の置局支援装置に対して「1b」の符号を付し、置局支援装置1bという。置局支援装置1bは、第1の実施形態の置局支援装置1において、点群データ処理部6を、図16に示す点群データ処理部6bに置き換えた構成を備える。点群データ処理部6bは、3次元候補位置選定部20、位置関係特定部21b、信頼係数特定部22b、3次元見通し判定処理部23、遮蔽率算出部24、及び記憶部25bを備える。
位置関係特定部21bは、基地局距離算出部35と端末局距離算出部36を備える。基地局距離算出部35は、走行軌跡データ記憶部14が記憶する走行軌跡データと、3次元候補位置選定部20が選定した基地局候補位置データとに基づいて、走行軌跡50と、基地局候補位置60との最短距離を算出し、算出した最短距離を示すデータを基地局位置関係特定データとして生成する。基地局距離算出部35が算出する走行軌跡50から基地局候補位置60までの最短距離とは、基地局候補位置60の垂直方向の座標成分を捨象した2次元平面上の位置と、走行軌跡50の線分の任意の点との間の距離の中で最短の長さとなる距離である。
端末局距離算出部36は、走行軌跡データ記憶部14が記憶する走行軌跡データと、3次元候補位置選定部20が選定した端末局候補位置データとに基づいて、走行軌跡50と、端末局候補位置70との最短距離を算出し、算出した最短距離を示すデータを端末局位置関係特定データとして生成する。端末局距離算出部36が算出する走行軌跡50から端末局候補位置70までの最短距離とは、端末局候補位置70の垂直方向の座標成分を捨象した2次元平面上の位置と、走行軌跡50の線分の任意の点との間の距離の中で最短の長さとなる距離である。
記憶部25bは、関数定義データ25-3を予め記憶する。関数定義データ25-3が示す関数とは、走行軌跡50からの距離が近いほど、高い信頼指標値を示す関数であって、測定可能距離を超える距離において、「0」になる関数である。関数定義データ25-3が示す関数として、例えば、図17に示す傾きを有する関数が適用される。
信頼係数特定部22bは、基地局距離算出部35が生成した基地局位置関係特定データが示す距離の値に、関数定義データ25-3に示される関数を適用して信頼指標値を求める。以下の説明では、基地局位置関係特定データが示す距離の値から得られる信頼指標値を、第1の信頼指標値という。信頼係数特定部22bは、端末局距離算出部36が生成した端末局位置関係特定データが示す距離の値に、関数定義データ25-3に示される関数を適用して信頼指標値を求める。以下の説明では、端末局位置関係特定データが示す距離の値から得られる信頼指標値を、第2の信頼指標値という。
信頼係数特定部22bは、第1の信頼指標値と、第2の信頼指標値とに基づいて、信頼係数を算出する。例えば、信頼係数特定部22bは、第1の信頼指標値と、第2の信頼指標値との平均値を信頼係数として算出する。
(第3の実施形態による処理)
図18は、第3の実施形態の点群データ処理部6bによる処理の流れを示すフローチャートであり、当該処理は、図2に示した置局支援方法の(5)3次元点群データを用いた通信可否判定の処理に相当する処理である。図18に示すフローチャートでは、点群データ処理部6bが行う所定の評価処理として、3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理を適用した例を示している。
3次元候補位置選定部20は、基地局候補位置60と、端末局候補位置70とを選定し、基地局候補位置60を示す基地局候補位置データと、端末局候補位置70を示す端末局候補位置データとを位置関係特定部21bに出力する(ステップSb1)。これにより、処理対象となる基地局候補位置60と、端末局候補位置70とが指定される。
基地局距離算出部35と端末局距離算出部36は、走行軌跡データ記憶部14から走行軌跡データを読み出す(ステップSb2)。基地局距離算出部35は、3次元候補位置選定部20が出力する基地局候補位置60を示す基地局候補位置データを取り込む。基地局距離算出部35は、走行軌跡データと、基地局候補位置データとに基づいて、走行軌跡50から基地局候補位置60までの最短距離を算出し、算出した最短距離を示すデータを基地局位置関係特定データとして生成する(ステップSb3)。基地局距離算出部35は、生成した基地局位置関係特定データと、基地局候補位置データとを信頼係数特定部22bに出力する。
端末局距離算出部36は、3次元候補位置選定部20が出力する端末局候補位置70を示す端末局候補位置データを取り込む。端末局距離算出部36は、走行軌跡データと、取り込んだ端末局候補位置データとに基づいて、走行軌跡50から端末局候補位置70までの最短距離を算出し、算出した最短距離を示すデータを端末局位置関係特定データとして生成する(ステップSb4)。端末局距離算出部36は、生成した端末局位置関係特定データと、端末局候補位置データとを信頼係数特定部22bに出力する。
信頼係数特定部22bは、基地局距離算出部35が出力する基地局位置関係特定データと、基地局候補位置データとを取り込む。信頼係数特定部22bは、端末局距離算出部36が出力する端末局位置関係特定データと、端末局候補位置データとを取り込む。
信頼係数特定部22bは、記憶部25bを参照し、関数定義データ25-3に示される関数を、基地局位置関係特定データが示す距離の値に適用して、第1の信頼指標値を求める。信頼係数特定部22bは、関数定義データ25-3に示される関数を、端末局位置関係特定データが示す距離の値に適用して、第2の信頼指標値を求める(ステップSb5)。信頼係数特定部22bは、求めた第1の信頼指標値と第2の信頼指標値の平均値を算出し、算出した平均値を信頼係数とする(ステップSb6)。
図17に示す関数の場合、走行軌跡50から基地局候補位置60までの最短距離、及び走行軌跡50から端末局候補位置70までの最短距離の両方が、測定可能距離以下の距離である場合、第1の信頼指標値と第2の信頼指標値は、共に「100」になる。そのため、信頼係数特定部22bが算出する信頼係数は、「100」になる。
また、走行軌跡50から基地局候補位置60までの最短距離、及び走行軌跡50から端末局候補位置70までの最短距離のいずれか一方が、測定可能距離以下の距離であり、他方が、測定可能距離を超える距離である場合、第1の信頼指標値と第2の信頼指標値のいずれか一方が「100」となり、他方が「0」になる。そのため、信頼係数特定部22bが算出する信頼係数は、「50」になる。
また、走行軌跡50から基地局候補位置60までの最短距離、及び走行軌跡50から端末局候補位置70までの最短距離の両方が、測定可能距離を超える距離である場合、第1の信頼指標値と第2の信頼指標値の両方が「0」になる。そのため、信頼係数特定部22bが算出する信頼係数は、「0」になる。
信頼係数特定部22bは、信頼係数が「0」であるか否かを判定する(ステップSb7)。信頼係数特定部22bは、算出した信頼係数が「0」であると判定した場合(ステップSb7、Yes)、処理をステップSb9に進める。一方、信頼係数特定部22bは、信頼係数が「0」でないと判定した場合(ステップSb7、No)、3次元見通し判定処理部23に処理対象の基地局候補位置データと端末局候補位置データとを含む処理の開始を指示する指示信号を出力する。
3次元見通し判定処理部23は、信頼係数特定部22bから指示信号を受けると、指示信号に含まれる基地局候補位置データに対応する基地局候補位置60と、端末局候補位置データに対応する端末局候補位置70との間の空間の点群データを点群データ記憶部13から読み出し、読み出した点群データに基づいて3次元の見通し判定処理を行う(ステップSb8)。
信頼係数特定部22bは、基地局候補位置データ及び端末局候補位置データと、算出した信頼係数とを画面に表示し、3次元見通し判定処理部23は、3次元見通し判定処理の処理結果を画面に表示する。これに対して、ステップSb8の処理を行っていないために3次元見通し判定処理部23が処理結果を出力していない場合、信頼係数特定部22bは、基地局候補位置データ及び端末局候補位置データと、信頼係数とを画面に表示するとともに、3次元見通し判定処理が「処理不可」であったことを表示する(ステップSb9)。
上記の第3の実施形態では、関数定義データ25-3が示す関数が、図17に示す関数である例について説明した。図17に示す関数の場合、関数の出力として得られる信頼指標値は、「100」か「0」のいずれかの値である。そのため、図17に示す関数を用いた場合、図15に示した第2の実施形態のステップSa8の処理において、近傍範囲特定部32が、「No」の判定を行った場合、すなわち「近傍範囲を考慮しない」場合に、信頼係数特定部22aが信頼係数テーブル25-2に基づいて特定する信頼係数と同一の信頼係数が求められることになる。
関数定義データ25-3に適用される関数は、図17に示す関数に限られない。例えば、図19~図22に示すような関数を適用してもよい。図19に示す関数は、関数の出力として得られる信頼指標値が「100」、「50」、「0」のいずれかの値であり、関数に与えられる距離が、第2の実施形態において示した近傍範囲100を定める近傍距離以下の距離である場合に、「100」となり、近傍距離を超える距離であるが、測定可能距離以下の距離である場合に、「50」となり、測定可能距離を超える距離の場合「0」になる。この場合、信頼係数特定部22bが算出する信頼係数は、「100」、「75」、「50」、「25」、「0」の5個の値のいずれかとなり、5段階の信頼係数を示すことが可能となる。
図20に示す関数は、距離が「0」から測定可能距離までの間に、単調減少する関数であり、距離の値を与えることにより得られる信頼指標値は、距離に応じた連続値になる。そのため、図17や図19に示した関数とは異なり、信頼係数特定部22bが算出する信頼係数は、離散値ではなく、連続値になる。
図21に示す関数は、累積分布関数であり、図20に示す関数に比べて、距離が短いほど、より大きな信頼指標値が得られる。そのため、距離が短いほど、大きな連続値の信頼係数が得られることになる。
図19~図21に示す関数では、測定可能距離より短い距離であれば、どのような距離であっても、最低「50」の信頼指標値が得られるようになっていた。これに対して、図22に示す関数は、図21に示す関数と同じく累積分布関数であり、距離が短いほど、より大きな信頼指標値が得られる関数であり、更に、距離が、「0」から測定可能距離までの範囲において、「0」~「100」の間で連続的に変化する信頼指標値が得られることになる。
なお、上記の第3の実施形態では、ステップSb7において、信頼係数特定部22bは、信頼係数が「0」であるか否かを判定するようにしているが、「0」以外の値を閾値にしてもよいし、例えば、信頼係数が「30」以下であるか否かといった、閾値に基づく判定にしてもよい。
また、上記の第3の実施形態では、信頼係数特定部22bは、基地局候補位置データと、端末局候補位置データとに対して、同一の関数を適用するようにしているが、各々に対して異なる関数を適用するようにしてもよい。
また、上記の第3の実施形態では、信頼係数特定部22bは、第1の信頼指標値と、第2の信頼指標値との平均を算出して信頼係数を求めるようにしているが、平均以外の演算によって信頼係数を求めるようにしてもよい。
例えば、信頼係数特定部22bは、平均を算出する式に替えて、次式(1)のような演算により信頼係数を算出するようにしてもよい。
信頼係数=(aX+bY+cXY)/d・・・(1)
式(1)においてXは、第1の信頼指標値であり、Yが第2の信頼指標値である。また、式(1)において、a,b,c,dは、適宜定められる定数であり、例えば、係数パターン1(a=b=1,c=0,d=200)、係数パターン2(a=b=7,c=2,d=1600)、係数パターン3(a=7,b=5,c=2,d=1400)といった値が適用される。
図23は、第1の信頼指標値と第2の信頼指標値の組み合わせと、信頼係数との関係を示す図である。信頼係数の項目の「平均」の列には、第1の信頼指標値と第2の信頼指標値の平均を信頼係数として算出する場合に得られる信頼係数を示している。また、信頼係数の項目の「係数パターン1」の列には、係数パターン1におけるa,b,c,dを式(1)に適用して算出される信頼係数を示している。また、信頼係数の項目の「係数パターン2」の列には、係数パターン2におけるa,b,c,dを式(1)に適用して算出される信頼係数を示している。また、信頼係数の項目の「係数パターン3」の列には、係数パターン3におけるa,b,c,dを式(1)に適用して算出される信頼係数を示している。
上述したように、第1の信頼指標値と第2の信頼指標値の平均値と信頼係数とした場合には、信頼係数を5段階に分けて示すことができていた。これに対して、係数パターン1及び係数パターン2の場合、信頼係数を6段階で示すことができる。また、係数パターン3のようにa≠bとすることで、更に多くの段数で信頼係数を示すことが可能になる。このように段階を増やすことで、所定の評価処理の信頼性の度合いをより詳細に示すことが可能となる。
また、図17、図19、図20のような関数を適用する場合、第1の信頼指標値と第2の信頼指標値は、離散的な値となる。この場合、第2の実施形態の図5,図6のようなテーブルを用いて信頼係数を求めるようにしてもよい。
また、上記の図17,図19~図22に示す関数は、距離が測定可能距離を超えると信頼指標値が「0」になっていたが、走行軌跡50からの距離が近いほど、高い信頼指標値を示す関数であれば、測定可能距離を超える距離において「0」にならない関数であってもよい。
また、上記の第3の実施形態では、所定の評価処理として、3次元見通し判定処理部23による3次元見通し判定処理を適用した例を示したが、所定の評価処理として、遮蔽率算出部24による遮蔽率の算出処理を適用してもよい。その場合、ステップSb8において、遮蔽率算出部24が、点群データ記憶部13から読み出した点群データに基づいて遮蔽率の算出処理を行うことになる。
上記の第3の実施形態の置局支援装置1bの位置関係特定部21bにおいて、基地局距離算出部35は、走行軌跡データと、基地局候補位置データとに基づいて、走行軌跡から基地局候補位置までの距離を算出し、算出した距離を基地局位置関係特定データとして生成する。端末局距離算出部36は、走行軌跡データと、端末局候補位置データとに基づいて、走行軌跡から端末局候補位置までの距離を算出し、算出した距離を端末局位置関係特定データとして生成する。信頼係数特定部22bは、走行軌跡からの距離が近いほど、高い信頼指標値を示す第1の関数を距離算出ステップにおいて算出された基地局位置関係特定データに適用して基地局候補位置に対する第1の信頼指標値を算出し、走行軌跡からの距離が近いほど、高い信頼指標値を示す第2の関数を距離算出ステップにおいて算出された端末局位置関係特定データに適用して端末局候補位置に対する第2の信頼指標値を算出し、算出した第1の信頼指標値と、第2の信頼指標値とに基づいて、信頼係数を特定する。ここで、第1の関数と第2の関数は、同一の関数であってもよいし、異なる関数であってもよく、例えば、図17、図19~図22に示す関数が適用される。
上記の第3の実施形態の構成に対して、図17や図19に示すような関数を適用することで、第2の実施形態の構成と、ほぼ同様の離散的な信頼係数を得ることができる。また、第3の実施形態の構成に対して、図20~図22に示すような関数を適用することにより、信頼係数が連続値として得られることになるため、第2の実施形態の構成よりも、所定の評価処理の信頼性の度合いをより詳細に示すことが可能となる。これにより、基地局候補位置60と、端末局候補位置70との間の空間の点群データの取得の状態が良好でない場合であっても、利用者が適切な置局設計を行うことが可能になる。
(第4の実施形態)
図24は、第4の実施形態に適用される点群データ処理部6cの内部構成を示すブロック図である。第4の実施形態において、第1から第3の実施形態と同一の構成については同一の符号を付している。また、図には示していないが、以下の説明では、第4の実施形態の置局支援装置に対して「1c」の符号を付し、置局支援装置1cという。置局支援装置1cは、第1の実施形態の置局支援装置1において、点群データ処理部6を、図24に示す点群データ処理部6cに置き換えた構成を備える。
第4の実施形態の点群データ処理部6cは、第2の実施形態において特定した信頼係数の精度を向上させる構成を備えており、当該構成の概要について以下に説明する。
図25は、図8に示した「ケースa」の位置関係構成200aに対して、基地局候補位置60と端末局候補位置70とを接続する接続線分90を追加して示した図である。「ケースa」では、図8を参照して説明したように、基地局候補位置60は、近傍範囲100の範囲内に位置している。端末局候補位置70は、近傍範囲100の範囲外であるが、測定可能範囲110の範囲内に位置している。
したがって、基地局候補位置60と端末局候補位置70との間の空間に形成されるフレネルゾーン80は、測定可能範囲110の範囲内に存在する。そのため、所定の評価処理、すなわち3次元の見通し判定処理や遮蔽率の算出処理に利用する点群データは、概ね取得できていると想定される。「ケースa」は、図5に示した信頼係数テーブル25-1における分類では、位置関係パターンpt2に相当するケースである。
図25に示すように、基地局候補位置60は、走行軌跡50の左側に位置しており、端末局候補位置70は、走行軌跡の右側に位置している。言い換えると、基地局候補位置60と、端末局候補位置70とは、走行軌跡50を挟んで左右に位置している。
図26は、図25に示す位置関係構成200aを、3次元空間で観察した場合の位置関係を示す図である。実際には、基地局装置は、電柱などに設置され、端末局装置は、建物の壁面に設置されるため、各々の設置高度は異なることになる。したがって、実際の基地局候補位置60と端末局候補位置70とを接続する接続線分90は、図26に示すように、走行軌跡50の垂直面140と交点150の位置で交差することになる。このような位置関係を、以下、接続線分90と走行軌跡50とが交差するという。
基地局候補位置60を示す基地局候補位置データ、及び端末局候補位置70を示す端末局候補位置データは、3次元のデータであるため、接続線分90は、3次元のデータとなる。そのため、接続線分90のデータの垂直方向の座標成分を捨象した2次元のデータとすることにより、2次元平面上での演算により、接続線分90と走行軌跡50とが交差しているか否かを判定することができる。
図25に示す位置関係構成200a、すなわち「ケースa」の場合、基地局候補位置60と端末局候補位置70とを接続する接続線分90は、走行軌跡50と交差する。この場合、接続線分90において近傍範囲100の範囲内に含まれる部分については、走行軌跡50から近いため、フレネルゾーン80内において信頼性の高い点群データが取得できていることになる。このことから、接続線分90が走行軌跡50と交差している場合、信頼性の高い点群データが取得できることから、所定の評価処理の処理結果についても信頼性の度合いが大きくなると考えられる。
図27は、図11に示した位置関係構成200dで示される「ケースd」に対して、基地局候補位置60と端末局候補位置70とを接続する接続線分90を追加して示した図である。「ケースd」では、図11を参照して説明したように、基地局候補位置60と端末局候補位置70の両方が測定可能範囲110の範囲内に位置しており、基地局候補位置60は、さらに、近傍範囲100の範囲内に位置している。ただし、「ケースd」は、「ケースa」と異なり、基地局候補位置60と、端末局候補位置70とが、走行軌跡50の左側、または、右側のいずれか一方の側に存在するケースである。図27では、走行軌跡50の右側に基地局候補位置60と、端末局候補位置70とが位置している。したがって、「ケースd」の場合、接続線分90は、走行軌跡50とは交差しない。
「ケースd」の場合、「ケースa」に比べると、接続線分90が走行軌跡50よりも離れることから、フレネルゾーン80内において取得できる点群データの信頼性は、「ケースa」に比べると低くなってしまう傾向がある。このことから、接続線分90が走行軌跡50と交差していない場合、取得できる点群データの信頼性が低くなる。そのため、「ケースd」の場合、「ケースa」の場合よりも点群データの信頼性が低くなる分、所定の評価処理の処理結果についても信頼性の度合いが小さくなると考えられる。
次に、接続線分90が走行軌跡50と交差する場合に、測定可能範囲110の範囲内に含まれる割合と、点群データの信頼性との関係について図28に示す位置関係構成200aの「ケースa」と、図29に示す位置関係構成200bの「ケースb」とを比較して説明する。図28に示すように「ケースa」の場合、基地局候補位置60と端末局候補位置70とを接続する接続線分90は、全て、すなわち100%の割合で測定可能範囲110の範囲内に位置している。
これに対して、図29に示す位置関係構成200bの「ケースb」の場合、図9を参照して説明したように、基地局候補位置60は、近傍範囲100の範囲内に位置しているが、端末局候補位置70は、測定可能範囲110の範囲外に位置している。「ケースb」の場合、基地局候補位置60は、走行軌跡50の左側に位置しており、端末局候補位置70は、走行軌跡50の右側に位置しているため、接続線分90は、走行軌跡50と交差する。ただし、「ケースb」の場合、接続線分90の一部は、測定可能範囲110の範囲外に位置することになる。そのため、「ケースb」の場合、接続線分90が走行軌跡50と交差しているものの、「ケースa」の場合に得られる点群データの信頼性と、「ケースb」の場合に得られる点群データの信頼性とが同等になるという考え方は妥当ではない。
ここで、図29に示すように、接続線分90の垂直方向の座標成分を捨象した二次元平面上の線分が、測定可能範囲110の範囲内に存在する長さを「u」とし、測定可能範囲110の範囲外に存在する長さを「v」とする。この場合、測定可能範囲110の範囲内に存在する割合X[%]は、次式(2)で表すことができる。
X=u/(u+v)×100[%]・・・(2)
「ケースb」の場合、「u」の部分については、測定可能範囲110の範囲内に存在するため、取得できる点群データの信頼性は、「ケースa」の場合に取得できる点群データの信頼性と同等の信頼性を有しているといえる。
これに対して、「v」の部分については、測定可能範囲110の範囲外に存在するため、点群データを取得することができていない。そのため、「ケースb」の場合、点群データの全体をみた場合、「ケースa」の場合よりも点群データの信頼性が低くなる。この場合、所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合い、すなわち信頼係数が減少する割合を、接続線分90が測定可能範囲110に存在する割合、すなわちX[%]分だけ減少すると考えるのが妥当である。
ここで、図24に戻り、第4の実施形態の点群データ処理部6cの構成について説明する。点群データ処理部6cは、3次元候補位置選定部20、位置関係特定部21a、信頼係数特定部22c、記憶部25、接続線分特定部26、交差判定部27、測定可能範囲割合算出部28、3次元見通し判定処理部23、及び遮蔽率算出部24を備える。
接続線分特定部26は、信頼係数特定部22cが信頼係数を特定した、基地局候補位置60を示す基地局候補位置データと、端末局候補位置70を示す端末局候補位置データとに基づいて、基地局候補位置60と端末局候補位置70を接続する接続線分90を示す接続線分データを生成する。
交差判定部27は、接続線分特定部26が生成した接続線分データと、走行軌跡データ記憶部14が記憶する走行軌跡データとに基づいて、接続線分90と走行軌跡50とが交差するか否かを判定する。測定可能範囲割合算出部28は、交差判定部27が交差すると判定した場合、接続線分90のうち、測定可能範囲110の範囲内に存在する接続線分90の割合を算出する。
信頼係数特定部22cは、第2の実施形態の信頼係数特定部22aが備える構成に加えて、以下の構成を備える。信頼係数特定部22cは、交差判定部27の判定結果に基づいて、特定した信頼係数に対して重み付けを行い、新たな信頼係数を算出する。
また、信頼係数特定部22cは、測定可能範囲割合算出部28が測定可能範囲110の範囲内に存在する接続線分90の割合を算出している場合、交差判定部27の判定結果と、算出された測定可能範囲110の範囲内に存在する接続線分90の割合とに基づいて、特定した信頼係数に対して重み付けを行い、新たな信頼係数を算出する。
(第4の実施形態による処理)
図30は、第4の実施形態の点群データ処理部6cによる処理の流れを示すフローチャートであり、当該処理は、図2に示した置局支援方法の(5)3次元点群データを用いた通信可否判定の処理に相当する処理である。図30に示すフローチャートでは、点群データ処理部6cが行う所定の評価処理として、3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理を適用した例を示している。
以下の処理が行われる前に、置局支援装置1cの利用者は、交差判定部27による走行軌跡50と接続線分90との交差判定処理を行うか否かを予め選択する。利用者が当該処理を行う選択をした場合、操作処理部10は、利用者の操作を受けて「走行軌跡と接続線分の交差を考慮する」を示す指示信号を出力する。
また、以下の処理が行われる前に、置局支援装置1cの利用者は、測定可能範囲割合算出部28が測定可能範囲110の範囲内に存在する接続線分90の割合を算出する処理を行うか否かを予め選択する。利用者が当該処理を行う選択をした場合、操作処理部10は、利用者の操作を受けて「接続線分が測定可能範囲内に存在する割合を考慮する」を示す指示信号を出力する。
また、以下の処理が行われる前に、置局支援装置1cの利用者は、近傍範囲100を考慮する処理、すなわち、基地局候補位置60と端末局候補位置70が、近傍範囲100の範囲内に位置しているか、または、近傍範囲100の範囲外に位置しているかを判定する処理を行うか否かを予め選択する。利用者が当該処理を行う選択をした場合、操作処理部10は、利用者の操作を受けて「近傍範囲を考慮する」を示す指示信号を出力する。
図30の処理の最初に位置関係特定部21a及び信頼係数特定部22cは、信頼係数特定処理のサブルーチンの処理を行う(ステップSc1)。信頼係数特定処理のサブルーチンの処理は、図15に示した第2の実施形態の処理におけるステップSa1~ステップSa11の処理と同一の処理であり、ステップSa11の処理の後、サブルーチンを抜けるReturn文の処理が行われる。
信頼係数特定処理のサブルーチンでは、第2の実施形態と同様に、3次元候補位置選定部20が、ステップSa1の処理を行い、位置関係特定部21aが、ステップSa2~ステップSa10までの処理を行い、信頼係数特定部22cが、ステップSa11の処理を行う。
信頼係数特定部22cは、操作処理部10が、「走行軌跡と接続線分の交差を考慮する」を示す指示信号を出力しているか否かを判定する(ステップSc2)。信頼係数特定部22cは、操作処理部10が、「走行軌跡と接続線分の交差を考慮する」を示す指示信号を出力していないと判定した場合(ステップSc2、No)、ステップSc3の処理を行う。
一方、信頼係数特定部22cは、操作処理部10が、「走行軌跡と接続線分の交差を考慮する」を示す指示信号を出力していると判定した場合(ステップSc2、Yes)、信頼係数特定部22cは、位置関係特定部21a(図4)が備える判定結果記憶部34が記憶する基地局候補位置データと、端末局候補位置データとを接続線分特定部26に出力する。接続線分特定部26に出力した後、信頼係数特定部22cは、交差判定部27または測定可能範囲割合算出部28からの出力指示信号を待機する。
接続線分特定部26は、信頼係数特定部22cが出力する基地局候補位置データと、端末局候補位置データとを取り込む。接続線分特定部26は、取り込んだ基地局候補位置データと、端末局候補位置データとに基づいて、基地局候補位置60と端末局候補位置70を接続する接続線分90を示す接続線分データを生成する(ステップSc4)。接続線分特定部26は、生成した接続線分データを交差判定部27に出力する。
交差判定部27は、接続線分特定部26が出力する接続線分データを取り込む。交差判定部27は、走行軌跡データ記憶部14から走行軌跡データを読み出し、読み出した走行軌跡データと、取り込んだ接続線分データとに基づいて、走行軌跡50と接続線分90とが交差するか否かを判定し、判定した結果を信頼係数特定部22cに出力する。信頼係数特定部22cは、既に特定した信頼係数と当該信頼係数に対応するマークを、交差判定部27の判定結果に基づいて、重み付けを行い、新たな信頼係数を算出し、新たなマークを生成する(ステップSc5)。
交差判定部27は、走行軌跡50と接続線分90とが交差すると判定した場合、操作処理部10が「接続線分が測定可能範囲内に存在する割合を考慮する」を示す指示信号を出力しているか否かを判定する(ステップSc6)。交差判定部27は、操作処理部10が「接続線分が測定可能範囲内に存在する割合を考慮する」を示す指示信号を出力していないと判定した場合(ステップSc6、No)、出力指示信号を信頼係数特定部22cに出力する。待機していた信頼係数特定部22cは、当該出力指示信号を受けると、ステップSc3の処理を行う。
一方、交差判定部27は、操作処理部10が「接続線分が測定可能範囲内に存在する割合を考慮する」を示す指示信号を出力していると判定した場合(ステップSc6、Yes)、測定可能範囲割合算出部28に接続線分データを出力する。
測定可能範囲割合算出部28は、交差判定部27が出力する接続線分データを取り込む。測定可能範囲割合算出部28は、走行軌跡データ記憶部14から走行軌跡データを読み出し、読み出した走行軌跡データと、接続線分データと、予め定められる測定可能距離とに基づいて、接続線分90において測定可能範囲110の範囲内の長さ「u」と、接続線分90において測定可能範囲110の範囲外の長さ「v」とを算出する。測定可能範囲割合算出部28は、接続線分90が測定可能範囲110の範囲内に存在する割合X[%]を式(2)により算出する。測定可能範囲割合算出部28は、算出したX[%]の値のデータと、出力指示信号とを信頼係数特定部22cに出力する。
待機していた信頼係数特定部22cは、測定可能範囲割合算出部28からX[%]の値のデータと、出力指示信号とを受けると、X[%]の値のデータを取り込む。信頼係数特定部22cは、ステップSc5において、交差判定部27の判定結果に基づいて新たに算出した信頼係数、及び新たに生成したマークに対して、取り込んだX[%]の値に基づいて、重み付けを行い、更に新たな信頼係数を算出し、更に新たなマークを生成し(ステップSc7)、ステップSc3の処理を行う。
信頼係数特定部22cは、位置関係特定部21a(図4)が備える判定結果記憶部34が記憶する基地局候補位置データ及び端末局候補位置データと、最終的に得られる信頼係数及び信頼係数に対応するマークとを画面に表示し、3次元見通し判定処理部23は、3次元見通し判定処理の処理結果を画面に表示する。これに対して、ステップSc1の信頼係数特定処理のサブルーチンにおけるステップSa6の処理が行われていないために3次元見通し判定処理部23が処理結果を出力していない場合、信頼係数特定部22cは、基地局候補位置データ及び端末局候補位置データと、最終的に得られる信頼係数及び信頼係数に対応するマークとを画面に表示するとともに、3次元見通し判定処理が「処理不可」であったことを表示する(ステップSc3)。
ここで、画面に表示される最終的に得られる信頼係数及び信頼係数に対応するマークとは、以下の3つの表示パターンのいずれかになる。
(第1の表示パターン)
利用者が「走行軌跡と接続線分の交差を考慮する」を選択しなかった場合、すなわちステップSc2の処理において「No」の判定がされた場合、信頼係数特定部22cが、ステップSc1の信頼係数特定処理のサブルーチンのステップSa11において特定した信頼係数とマークが画面に表示されることになる。この場合、第2の実施形態と同一の処理が行われることになるので、第2の実施形態と同一の信頼係数とマークが画面に表示されることになる。
(第2の表示パターン)
利用者が「走行軌跡と接続線分の交差を考慮する」を選択している(ステップSc2で「Yes」)が、「接続線分が測定可能範囲内に存在する割合を考慮する」を選択しなかった場合、すなわちステップSc6の処理において「No」の判定がされた場合、信頼係数特定部22cが、ステップSc5において、交差判定部27の判定結果に基づいて、重み付けを行った信頼係数とマークが画面に表示されることになる。
例えば、図25に示した位置関係構成200aの「ケースa」、及び図27に示した位置関係構成200dの「ケースd」の場合、基地局候補位置60と端末局候補位置70は、測定可能範囲110の範囲内に位置しており、基地局候補位置60は、さらに、近傍範囲100の範囲内に位置している。このとき、近傍範囲100を考慮する場合の処理が行われ、信頼係数特定部22cが、図5に示す信頼係数テーブル25-1を参照したとする。「ケースa」と「ケースd」は、信頼係数テーブル25-1に示す位置関係パターンpt2に対応する。
そのため、ステップSc1の信頼係数特定処理のサブルーチンのステップSa11の処理において、信頼係数特定部22cは、信頼係数として、「80」を読み出し、対応するマークとして「〇」を読み出す。「ケースa」については、交差判定部27は、交差すると判定するため、信頼係数特定部22cは、ステップSc5において、例えば、信頼係数の値を維持して「80」とし、マークを「〇」として生成し、画面に「〇:80」を表示する。
これに対して、「ケースd」については、交差判定部27は、交差しないと判定するため、信頼係数特定部22cは、ステップSc5において、例えば、信頼係数の値を減少させて「70」とし、マークを「〇」として生成し、画面に「〇:70」を表示する。
(第3の表示パターン)
利用者が「走行軌跡と接続線分の交差を考慮する」を選択し、更に「接続線分が測定可能範囲内に存在する割合を考慮する」を選択した場合、すなわちステップSc6の処理において「Yes」の判定がされた場合、信頼係数特定部22cが、ステップSc7において、交差判定部27の判定結果と、測定可能範囲割合算出部28が算出した接続線分90が測定可能範囲110の範囲内に存在する割合X[%]とに基づいて、重み付けを行った信頼係数とマークが画面に表示される。
例えば、図28に示した位置関係構成200aの「ケースa」の場合、基地局候補位置60と端末局候補位置70は、測定可能範囲110の範囲内に位置しており、基地局候補位置60は、さらに、近傍範囲100の範囲内に位置している。このとき、近傍範囲100を考慮する場合の処理が行われ、信頼係数特定部22cが、図5に示す信頼係数テーブル25-1を参照したとする。
「ケースa」は、信頼係数テーブル25-1に示す位置関係パターンpt2に対応する。そのため、「ケースa」の場合、ステップSc1の信頼係数特定処理のサブルーチンのステップSa11の処理において、信頼係数特定部22cは、信頼係数として、「80」を読み出し、対応するマークとして「〇」を読み出す。「ケースa」については、交差判定部27は、交差すると判定するため、信頼係数特定部22cは、ステップSc5において、例えば、信頼係数の値を維持して「80」とし、マークを「〇」として生成する。ステップSc7において、測定可能範囲割合算出部28は、X=100[%]を算出するため、信頼係数特定部22cは、ステップSc5において算出した「80」と生成した「〇」とを維持し、画面に「〇:80」を表示する。
これに対して、図29に示した位置関係構成200bの「ケースb」の場合、基地局候補位置60は、近傍範囲100の範囲内に位置しているが、端末局候補位置70は、測定可能範囲110の範囲外に位置している。したがって、「ケースb」は、信頼係数テーブル25-1に示す位置関係パターンpt3に対応する。
そのため、「ケースb」の場合、ステップSc1の信頼係数特定処理のサブルーチンのステップSa11の処理において、信頼係数特定部22cは、信頼係数として、「50」を読み出し、対応するマークとして「△」を読み出す。「ケースb」については、交差判定部27は、交差すると判定するため、信頼係数特定部22cは、ステップSc5において、例えば、信頼係数の値を維持して「50」とし、マークを「△」として生成する。ステップSc7において、測定可能範囲割合算出部28は、例えば、X=70[%]を算出した場合、信頼係数特定部22cは、ステップSc5において算出した「50」の70[%]分の「35」を新たな信頼係数として算出し、信頼係数「50」に対応するマーク「△」よりも小さい信頼性の度合いを示す「△」を新たなマークとして生成し、画面に「△:35」を表示する。
なお、利用者が、「近傍範囲を考慮する」を選択しなかった場合、信頼係数特定部22cは、図6に示す信頼係数テーブル25-2を参照することになる。この場合、信頼係数特定部22cは、信頼係数テーブル25-2が記憶する4通りの信頼係数とマークに基づいて、上述した重み付けを行い、新たな信頼係数を算出し、新たなマークを生成することになる。
上記の第4の実施形態の置局支援装置1cにおいて、接続線分特定部26は、基地局候補位置データと、端末局候補位置データとに基づいて、基地局候補位置と端末局候補位置とを接続する接続線分を示す接続線分データを生成する。交差判定部27は、走行軌跡データと、接続線分データとに基づいて、走行軌跡が接続線分と交差するか否かを判定する。信頼係数特定部22cは、交差判定部27が判定した判定結果に基づいて、特定した信頼係数に重み付けを行う。更に、測定可能範囲割合算出部28を備える場合、測定可能範囲割合算出部28は、交差判定部27が走行軌跡と、接続線分とが交差すると判定した場合、接続線分のうち測定可能範囲の範囲内に存在する割合を算出する。信頼係数特定部22cは、交差判定部27が判定した判定結果と、測定可能範囲割合算出部28が算出した測定可能範囲の範囲内に存在する割合とに基づいて、特定した信頼係数に重み付けを行う。
これにより、上記の第4の実施形態では、第2の実施形態の構成より得られる信頼係数と、当該信頼係数に対応するマークとを、走行軌跡50と接続線分90とが交差するか否かに応じて変更し、また、走行軌跡50と接続線分90とが交差する場合、さらに、接続線分90が測定可能範囲110に含まれる割合に応じて変更する。そのため、第2の実施形態の構成よりも、更に詳細に所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示すことが可能になる。また、利用者が、走行軌跡50と接続線分90とが交差するか否かを考慮すること、及び走行軌跡50と接続線分90とが交差する場合、さらに、接続線分90が測定可能範囲110に含まれる割合を考慮することを任意に選択することができるので、状況に応じて、3段階の精度を選択して、信頼係数と、当該信頼係数に対応するマークとを確認することができる。
また、第4の実施形態の置局支援装置1cを用いることにより、利用者は、第2の実施形態よりも精度の高い、信頼係数と、当該信頼係数に対応するマークとを確認することができることになる。そのため、利用者は、置局支援装置1cが出力した基地局候補位置60と端末局候補位置70とをそのまま利用するか、または、別の条件で検討し直すか、または、新たに置局を検討するエリアを追加して点群データを収集して信頼係数を特定した上で検討を行うかといったことを、より厳密に判断することが可能となる。したがって、基地局候補位置60と、端末局候補位置70との間の空間の点群データの取得の状態が良好でない場合であっても、利用者が適切な置局設計を行うことが可能になる。
なお、上記の第4の実施形態では、所定の評価処理として、3次元見通し判定処理部23による3次元見通し判定処理が適用した例を示したが、所定の評価処理として、遮蔽率算出部24による遮蔽率の算出処理が適用されてもよい。その場合、ステップSc1の信頼係数特定処理のサブルーチンのステップSa6において、遮蔽率算出部24が、点群データ記憶部13から読み出した点群データに基づいて遮蔽率の算出処理を行うことになる。
また、上記の第4の実施形態では、第2の実施形態の位置関係特定部21aと、第2の実施形態の信頼係数特定部22aの構成を有する信頼係数特定部22cと、記憶部25とを備えるようにしていたが、これに替えて、第3の実施形態の位置関係特定部21b、信頼係数特定部22b、及び記憶部25bを備えるようにしてもよい。この場合、図30のステップSc1の信頼係数特定処理のサブルーチンは、図18に示すフローチャートのステップSb1~ステップSb8までが適用されることになり、信頼係数特定部22bが、ステップSc5,Sc7における信頼係数と、当該信頼係数に対応するマークを、重み付けして更新する処理を行うことになる。
また、上記の第4の実施形態では、測定可能範囲割合算出部28が、接続線分90のうち測定可能範囲110の範囲内に含まれる割合を算出し、信頼係数特定部22cが、当該割合に基づいて、信頼係数やマークを変更するようにしているが、更に、接続線分90が近傍範囲100の範囲内に含まれる割合を考慮して、信頼係数やマークを変更するようにしてもよい。
(第5の実施形態)
図31は、第5の実施形態に適用される点群データ処理部6dの内部構成を示すブロック図である。第5の実施形態において、第1から第4の実施形態と同一の構成については同一の符号を付している。また、図には示していないが、以下の説明では、第5の実施形態の置局支援装置に対して「1d」の符号を付し、置局支援装置1dという。置局支援装置1dは、第1の実施形態の置局支援装置1において、点群データ処理部6を、図31に示す点群データ処理部6dに置き換えた構成を備える。
点群データ処理部6dは、3次元候補位置選定部20d、位置関係特定部21d、信頼係数特定部22a、記憶部25、3次元見通し判定処理部23、及び遮蔽率算出部24を備える。
3次元候補位置選定部20dは、第1の実施形態の3次元候補位置選定部20と同様に、いずれか1つの基地局候補位置60を示す基地局候補位置データの選定を行う。また、3次元候補位置選定部20dは、選定した基地局候補位置データが示す基地局候補位置60から2次元で見通しのある建物の中で利用者が選択したいずれか1つの建物の見通しのある壁面上の位置であって、利用者が選択した複数の端末局候補位置70の位置の各々を示すデータを、複数の端末局候補位置データとして選定する。
例えば、置局支援装置1dの利用者が、操作処理部10を操作して、2次元見通し判定結果記憶部15から、3次元候補位置選定部20dが選定した基地局候補位置データに対応する2次元基地局候補位置データに関連付けられている建物識別データの中からいずれか1つの建物識別データを選択する。3次元候補位置選定部20dは、利用者が選択した建物識別データに対応する建物の見通し範囲を示すデータが示す範囲の点群データを点群データ記憶部13から読み出し、読み出した点群データを画面に表示する。これにより、画面には、利用者が選択した1つの建物の2次元において見通しがある部分の壁面の点群データが表示されることになる。利用者は操作処理部10を操作して、画面に表示された点群データの中から、複数の端末局を設置する候補になる複数の3次元の位置を選択して3次元候補位置選定部20dに出力する。3次元候補位置選定部20dは、操作処理部10が出力する複数の3次元の位置を取り込み、取り込んだ複数の3次元の位置の各々を端末局候補位置データとする。
また、3次元候補位置選定部20dは、選定した複数の端末局候補位置データの中から、信頼係数特定部22aが特定した信頼係数に基づいて、最適な端末局候補位置70を示すいずれか1つの端末局候補位置データを選定する。
位置関係特定部21dは、測定可能範囲特定部30、測定可能範囲存在判定部31d、近傍範囲特定部32、近傍範囲存在判定部33、及び判定結果記憶部34を備える。測定可能範囲存在判定部31dは、第2の実施形態の測定可能範囲存在判定部31が行う処理のうち図15に示す3次元見通し判定処理部23に対して処理の実行をさせるか否かを判定するステップSa5,Sa6,Sa7の処理の構成を備えない他は、第2の実施形態の測定可能範囲存在判定部31と同一の構成を有する。
例えば、図32は、図11と同じく、ある市街地の地図を表示した図であり、道路400の領域により格子状に区切られた敷地300に、矩形形状で示される建物310が構築されている。建物310には、3つの端末局候補位置70x,70y,70zが設定されている。3次元候補位置選定部20dは、信頼係数特定部22aが特定した信頼係数に基づいて、この3つの端末局候補位置70x,70y,70zの中から最適な端末局装置の設置を行う位置を特定する。
図32では、端末局候補位置70x,70yは、測定可能範囲110の範囲外に位置している。これに対して、端末局候補位置70zは、測定可能範囲110の範囲内に位置している。基地局候補位置60は、近傍範囲100の範囲内に位置している。
図32に示すように、端末局候補位置70x,70y,70zは、いずれも基地局候補位置60から見通しがあるため、3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理の処理結果は、「見通しあり」となり、遮蔽率算出部24による遮蔽率の算出処理の処理結果も無線通信に十分な「低い遮蔽率」を示すことになる。そのため、3次元見通し判定処理部23及び遮蔽率算出部24の処理結果に基づいて、端末局候補位置70x,70y,70zのいずれが最適な設置位置であるかということは判定することができない。これに対して、信頼係数を考慮すると、端末局候補位置70x,70yは、測定可能範囲110の範囲外に位置しており、端末局候補位置70zは、測定可能範囲110の範囲内に位置している。したがって、端末局候補位置70x,70yの信頼係数と、端末局候補位置70zの信頼係数とは異なる信頼係数になるため、信頼係数に基づいて判定することにより、端末局候補位置70zを最適な端末局候補位置であるという判定が可能になる。
(第5の実施形態による処理)
図33は、第5の実施形態の点群データ処理部6dによる処理の流れを示すフローチャートであり、当該処理は、図2に示した置局支援方法の(5)3次元点群データを用いた通信可否判定の処理に相当する処理である。図33に示すフローチャートでは、点群データ処理部6dが行う所定の評価処理として、3次元見通し判定処理部23による3次元の見通し判定処理を適用した例を示している。
以下の処理が行われる前に、置局支援装置1dの利用者は、近傍範囲100を考慮する処理、すなわち、基地局候補位置60と端末局候補位置70が、近傍範囲100の範囲内に位置しているか、または、近傍範囲100の範囲外に位置しているかを判定する処理を行うか否かを予め選択する。利用者が当該処理を行う選択をした場合、操作処理部10は、利用者の操作を受けて「近傍範囲を考慮する」を示す指示信号を出力する。
3次元候補位置選定部20dは、1つの基地局候補位置データを選定する(ステップSd1)。3次元候補位置選定部20dは、選定した基地局候補位置データが示す基地局候補位置60から2次元で見通しのある建物の中で利用者が選択したいずれか1つの建物の見通しのある壁面上の位置であって、利用者が選択した複数の端末局候補位置70の位置の各々を示すデータを、複数の端末局候補位置データとして選定する(ステップSd2)。3次元候補位置選定部20dは、いずれか1つの未処理の端末局候補位置データを選択する(ステップSd3)。
3次元候補位置選定部20dは、選択した基地局候補位置データ及び端末局候補位置データを含む処理の開始を指示する指示信号を3次元見通し判定処理部23に出力する。3次元見通し判定処理部23は、3次元候補位置選定部20dから当該指示信号を受けると、指示信号に含まれる基地局候補位置データ及び端末局候補位置データを取り込み、基地局候補位置データが示す基地局候補位置60と、端末局候補位置データが示す端末局候補位置70との間の空間の点群データを点群データ記憶部13から読み出し、読み出した点群データに基づいて3次元の見通し判定処理を行い、判定結果を3次元候補位置選定部20dに出力する(ステップSd4)。
3次元候補位置選定部20dは、選択した基地局候補位置データ及び端末局候補位置データを位置関係特定部21dの測定可能範囲存在判定部31dに出力するとともに、位置関係の特定の処理の開始を指示する指示信号を測定可能範囲特定部30に出力する。測定可能範囲特定部30は、3次元候補位置選定部20dから位置関係の特定の処理の開始を指示する指示信号を受けると、図34に示す信頼係数特定処理(所定の評価処理なし)のサブルーチンを行う(ステップSd5)。
図34に示すように、測定可能範囲存在判定部31dは、3次元候補位置選定部20dが出力する基地局候補位置データ及び端末局候補位置データを取り込む(ステップSe1)。ステップSe2,Se3は、図15のステップSa2,Sa3と同一の処理が、測定可能範囲特定部30によって行われる。ステップSe4は、ステップSa4と同一の処理が測定可能範囲存在判定部31dによって行われる。
ステップSe5については、ステップSa8と同一の処理が、測定可能範囲存在判定部31dによって行われる。ステップSe6,Se7については、それぞれステップSa9,Sa10と同一の処理が近傍範囲特定部32と近傍範囲存在判定部33によって行われる。ステップSe8,Se9については、ステップSa11,Sa12と同一の処理が信頼係数特定部22aによって行われ、ステップSe9において、信頼係数特定部22aは、特定した信頼係数を3次元候補位置選定部20dに出力し、サブルーチンを抜ける。
3次元候補位置選定部20dは、3次元見通し判定処理部23の処理結果が「見通しあり」であり、かつ信頼係数が予め定められる基準閾値を超過するか否かを判定する(ステップSd6)。
3次元候補位置選定部20dは、3次元見通し判定処理部23の処理結果が「見通しあり」であり、かつ信頼係数が予め定められる基準閾値を超過していると判定した場合(ステップSd6、Yes)、処理対象の端末局候補位置データを、「見通しありであり、かつ信頼係数が基準閾値を超過している端末局候補位置70」、すなわち、最適な端末局候補位置70を示す端末局候補位置データとして画面に表示する(ステップSd7)。
一方、3次元候補位置選定部20dは、3次元見通し判定処理部23の処理結果が「見通しなし」であるか、または、信頼係数が予め定められる基準閾値を超過していないと判定した場合(ステップSd6、No)、他の未処理の端末局候補位置70が存在するか否かを判定する(ステップSd8)。
3次元候補位置選定部20dは、他の未処理の端末局候補位置70が存在すると判定した場合(ステップSd8、Yes)、処理をステップSd3に進める。一方、3次元候補位置選定部20dは、他の未処理の端末局候補位置70が存在しないと判定した場合(ステップSd8、No)、処理済みの端末局候補位置70の中で信頼係数が基準閾値を超過していないが見通しありの端末局候補位置70が存在したか否かを判定する(ステップSd9)。
3次元候補位置選定部20dは、処理済みの端末局候補位置70の中で信頼係数が基準閾値を超過していないが見通しありの端末局候補位置70が存在したと判定した場合(ステップSd9、Yes)、信頼係数が基準閾値を超過していないが見通しありの端末局候補位置70の端末局候補位置データを、「信頼係数が基準閾値を超過していないが見通しありの端末局候補位置70」を示す端末局候補位置データとして画面に表示する(ステップSd10)。
一方、3次元候補位置選定部20dは、処理済みの端末局候補位置70の中で信頼係数が基準閾値を超過していないが見通しありの端末局候補位置70が存在しないと判定した場合(ステップSd9、No)、「見通しなし」の結果を画面に表示する(ステップSd11)。
例えば、3次元候補位置選定部20dが、基地局候補位置60として、図32に示す位置を選定し、基地局候補位置60から2次元で見通しがあるいずれか1つの建物として、図32に示す建物310を選択し、選択した建物の見通しのある壁面において3つの端末局候補位置70x,70y,70zを選定したとする。
信頼係数特定部22aは、端末局候補位置70x,70y,70zの順に図33の処理を行ったとする。このとき、近傍範囲100を考慮する場合の処理が行われると、信頼係数特定部22aは、端末局候補位置70x,70yについては、図5の信頼係数テーブル25-1において、位置関係パターンpt3に対応するため、信頼係数「50」を特定する。これに対して、信頼係数特定部22aは、端末局候補位置70zについては、図5の信頼係数テーブル25-1において、位置関係パターンpt2に対応するため、信頼係数「80」を特定する。したがって、3次元候補位置選定部20dは、信頼係数が大きい方の端末局候補位置70zを、最適な設置位置として選定することが可能になる。
また、仮に、3次元候補位置選定部20dが端末局候補位置70zを選定していない場合には、処理は、ステップSd8を経て、ステップSd9に進むことになり、3次元候補位置選定部20dは、ステップSd9において、「Yes」の判定、すなわち、信頼係数が基準閾値を超過していないが、見通しありの端末局候補位置70x,70yが存在すると判定する。そのため、3次元候補位置選定部20dは、ステップSd10において、端末局候補位置70x,70yの各々の端末局候補位置データを画面に表示する。
また、仮に、端末局候補位置70x,70y,70zのいずれもが、基地局候補位置60との間で3次元の見通しがない場合、処理は、ステップSd8を経て、ステップSd9に進むことになり、3次元候補位置選定部20dは、ステップSd9において、「No」の判定を行い、「見通しなし」の結果を画面に表示することになる。
(第5の実施形態の他の構成例)
図33に示したフローチャートでは、3次元候補位置選定部20dは、複数の端末局候補位置70の中から予め定めた順番にしたがって1つずつ選択して、最適であるかの評価を行うようにしていたが、図35に示すフローチャートの処理を行うことにより、最適な端末局候補位置70を選定するようにしてもよい。なお、当該処理も図2に示した置局支援方法の(5)3次元点群データを用いた通信可否判定の処理に相当する処理である。
以下の処理が行われる前に、置局支援装置1dの利用者は、近傍範囲100を考慮する処理、すなわち、基地局候補位置60と端末局候補位置70が、近傍範囲100の範囲内に位置しているか、または、近傍範囲100の範囲外に位置しているかを判定する処理を行うか否かを予め選択する。利用者が当該処理を行う選択をした場合、操作処理部10は、利用者の操作を受けて「近傍範囲を考慮する」を示す指示信号を出力する。
3次元候補位置選定部20dは、1つの基地局候補位置データを選定する(ステップSf1)。3次元候補位置選定部20dは、選定した基地局候補位置データが示す基地局候補位置60から2次元で見通しのある建物の中で利用者が選択したいずれか1つの建物の見通しのある壁面上の位置であって、利用者が選択した複数の端末局候補位置70の位置の各々を示すデータを、複数の端末局候補位置データとして選定する(ステップSf2)。
3次元候補位置選定部20dは、選定した端末局候補位置データの数が、予め定められる基準個数以下であるか否かを判定する(ステップSf3)。3次元候補位置選定部20dは、選定した端末局候補位置データの数が、予め定められる基準個数以下であると判定した場合(ステップSf3、Yes)、基地局候補位置データと、複数の端末局候補位置データとを含む処理の開始を指示する指示信号を3次元見通し判定処理部23に出力し、処理をステップSf5に進める。
一方、3次元候補位置選定部20dは、選定した端末局候補位置データの数が、予め定められる基準個数以下でないと判定した場合(ステップSf3、No)、基準個数内になるように、端末局候補位置データの間引きを行い、端末局候補位置データの数を減少させ(ステップSf4)、基地局候補位置データと、数を減少させた後の複数の端末局候補位置データとを含む処理の開始を指示する指示信号を3次元見通し判定処理部23に出力し、処理をステップSf5に進める。
3次元見通し判定処理部23は、3次元候補位置選定部20dから指示信号を受けると、指示信号に含まれる基地局候補位置データが示す基地局候補位置60と、複数の端末局候補位置データの各々が示す端末局候補位置70との間の空間の点群データを点群データ記憶部13から読み出し、基地局候補位置60と、複数の端末局候補位置70の各々との間の3次元の見通し判定処理を行う。3次元見通し判定処理部23は、3次元の見通し判定処理の処理結果を3次元候補位置選定部20dに出力する(ステップSf5)。
3次元候補位置選定部20dは、3次元見通し判定処理部23が出力する3次元の見通し判定処理の処理結果を取り込み、取り込んだ3次元の見通し判定処理の処理結果が、全て「見通しなし」であるか否かを判定する(ステップSf6)。
3次元候補位置選定部20dは、3次元の見通し判定処理の処理結果が、全て「見通しなし」であると判定した場合(ステップSf6、Yes)、「見通しなし」の結果を画面に表示する(ステップSf7)。
一方、3次元候補位置選定部20dは、3次元の見通し判定処理の処理結果が、全て「見通しなし」でないと判定した場合(ステップSf6、No)、基地局候補位置データと、複数の端末局候補位置データの各々との組み合わせを生成する。3次元候補位置選定部20dは、生成した複数の組み合わせを1つずつ位置関係特定部21dの測定可能範囲存在判定部31dに出力するとともに位置関係の特定の処理の開始を指示する指示信号を測定可能範囲特定部30に出力することを、組み合わせの数、繰り返して行う(ループL1s~L1e)。位置関係特定部21dと信頼係数特定部22aは、図34に示す信頼係数特定処理(所定の評価処理なし)のサブルーチンを、3次元候補位置選定部20dが生成した組み合わせの数、繰り返して行う(ステップSf8)。信頼係数特定部22aは、組み合わせごとの信頼係数を3次元候補位置選定部20dに出力する。
3次元候補位置選定部20dは、信頼係数特定部22aが出力する組み合わせごとの信頼係数を取り込み、信頼係数が最も大きい組み合わせを選択し、選択した組み合わせに含まれる端末局候補位置データが示す位置を最適な端末局候補位置70として画面に表示する(ステップSf9)。
ここで、3次元候補位置選定部20dが、基地局候補位置60として、図32に示す位置を選定し、基地局候補位置60から2次元で見通しがあるいずれか1つの建物として、図32に示す建物310を選択し、選択した建物の見通しのある壁面において3つの端末局候補位置70x,70y,70zを選定しているとする。この場合、上記の図35の処理により、3次元候補位置選定部20dは、信頼係数が最も大きい端末局候補位置70zを最適な位置として選定することになる。
また、仮に、端末局候補位置70x,70y,70zのいずれもが、基地局候補位置60との間で3次元の見通しがない場合、3次元候補位置選定部20dは、ステップSf6において、「Yes」の判定を行い、「見通しなし」の結果を画面に表示することになる。
図33の処理と、図35の処理を比較すると、図33では、複数の端末局候補位置70を1つずつ処理していくため、処理の途中で、3次元での見通しがあって、かつ信頼係数が基準閾値を超過する端末局候補位置70があると、その端末局候補位置70を最適なものとして選定してしまう。したがって、未処理の端末局候補位置70の中で、更に大きい信頼係数であったとしても選定されることはない。これに対して、図35の処理では、3次元での見通しのある端末局候補位置70の全ての信頼係数を特定し、特定した信頼係数の中で信頼係数が最も大きい端末局候補位置70を最適なものとして選定するため、図33の処理に比べると時間を要するものの、より正確に最適な端末局候補位置70を選定できることになる。
上記の第5の実施形態の置局支援装置1dにおいて、3次元候補位置選定部20dは、建物の壁面の複数の端末局候補位置70が選定されている場合、信頼係数特定部22aが特定した複数の端末局候補位置70の各々に対応する信頼係数に基づいて、複数の端末局候補位置70の中から最適な端末局候補位置70を特定する。これにより、基地局候補位置60と、端末局候補位置70との間の空間の点群データの取得の状態が良好でない場合であっても、利用者が適切な置局設計を行うことが可能になる。
なお、上記の第5の実施形態の構成及び他の構成例では、所定の評価処理として、3次元見通し判定処理部23による3次元見通し判定処理が適用した例を示したが、所定の評価処理として、遮蔽率算出部24による遮蔽率の算出処理が適用されてもよい。その場合、ステップSd6の3次元候補位置選定部20dによる判定処理は、「遮蔽率が無線通信を行うのに十分な低さであり、かつ信頼係数が基準閾値を超過するか否か」という判定処理になる。また、ステップSf6の3次元候補位置選定部20dによる判定処理は、「全ての端末局候補位置の遮蔽率が無線通信を行うのに十分な低さではないか否か」を判定する処理になる。
なお、上記の第5の実施形態の構成及び他の構成例の位置関係特定部21dと、信頼係数特定部22aと、記憶部25とに替えて、第3の実施形態の位置関係特定部21bと、信頼係数特定部22bと、記憶部25bとを備えるようにしてもよい。この場合、図34に示す信頼係数特定処理(所定の評価処理なし)のサブルーチンとして、図18のステップSb1~Sb6の処理が適用され、ステップSb1の処理において、基地局距離算出部35が、3次元候補位置選定部20dが出力する基地局候補位置データを取り込み、端末局距離算出部36が、3次元候補位置選定部20dが出力する端末局候補位置データを取り込む処理を行うことになる。
また、上記の第5の実施形態の構成及び他の構成例において、第4の実施形態の接続線分特定部26及び交差判定部27を加えて、接続線分90と走行軌跡50の交差を考慮して信頼係数特定部22aが信頼係数を求めるようにしてもよい。また、上記の第5の実施形態の構成において、第4の実施形態の接続線分特定部26、交差判定部27、及び測定可能範囲割合算出部28を加えて、接続線分90と走行軌跡50の交差、及び接続線分90が測定可能範囲110の範囲内に含まれる割合を考慮して信頼係数特定部22aが信頼係数を求めるようにしてもよい。
なお、上記の第1から第5の実施形態において、基地局候補位置60に設置される基地局装置と、端末局候補位置70に設置される端末局装置とが行う無線通信として、ミリ波無線を一例として示していたが、ミリ波無線通信以外の地上波デジタル通信、衛星電波による通信、UHF(Ultra High Frequency)を用いた通信であってもよい。
また、上記の第5の実施形態では、図33のステップSd6,Sd9、図35のステップSf3に示す処理において、不等号または、等号付き不等号を用いた判定処理を行っている。しかしながら、本発明は、当該実施の形態に限られるものではなく、「超過するか否か」、「未満であるか否か」、「以上であるか否か」、「以下であるか否か」という判定処理は一例に過ぎず、閾値の定め方に応じて、それぞれ「以上であるか否か」、「以下であるか否か」、「超過するか否か」、「未満であるか否か」という判定処理に置き換えられてもよい。また、判定処理に用いた閾値についても、一例を示したものであり、それぞれにおいて異なる閾値が適用されてもよい。
上述した実施形態における置局支援装置1,1a,1b,1c,1dをコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
点群データを活用し,無線の基地局と端末局を設置する場所を決める置局設計において、電柱など屋外設備に置く基地局から建物の壁面に設置する端末局までの見通し判定や遮蔽率の算出に適用できる。
1…置局支援装置、2…設計エリア指定部、3…基地局候補位置抽出部、4…端末局候補位置抽出部、5…2次元見通し判定処理部、6…点群データ処理部、7…局数算出部、10…操作処理部、11…地図データ記憶部、12…設備データ記憶部、13…点群データ記憶部、14…走行軌跡データ記憶部、15…2次元見通し判定結果記憶部、20…3次元候補位置選定部、21…位置関係特定部、22…信頼係数特定部、23…3次元見通し判定処理部、24…遮蔽率算出部

Claims (8)

  1. 予め定められる測定可能距離以内の3次元空間に存在する物体を測定し、測定した前記物体の前記3次元空間における位置を示す点群データを取得する移動体の走行軌跡を示す走行軌跡データと、前記測定可能距離と、基地局装置を設定する候補となる位置を示す基地局候補位置データと、端末局装置を設定する候補となる位置を示す端末局候補位置データとに基づいて、前記走行軌跡と基地局候補位置との位置関係を示す基地局位置関係特定データと、前記走行軌跡と端末局候補位置との位置関係を示す端末局位置関係特定データとを生成する位置関係特定ステップと、
    前記基地局位置関係特定データと、前記端末局位置関係特定データとに基づいて、前記点群データに基づいて行われる所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示す信頼係数を特定する信頼係数特定ステップと、
    を有する置局支援方法。
  2. 前記位置関係特定ステップは、
    前記走行軌跡データと、前記測定可能距離とに基づいて、測定可能範囲を示す測定可能範囲データを生成する測定可能範囲特定ステップと、
    前記測定可能範囲データと、前記基地局候補位置データとに基づいて、基地局候補位置が前記測定可能範囲の範囲内に存在するか否か判定し、判定した結果を前記基地局位置関係特定データとして生成し、前記測定可能範囲データと、前記端末局候補位置データとに基づいて、端末局候補位置が前記測定可能範囲の範囲内に存在するか否か判定し、判定した結果を前記端末局位置関係特定データとして生成する測定可能範囲存在判定ステップと、
    有する請求項1に記載の置局支援方法。
  3. 前記位置関係特定ステップは、
    前記走行軌跡データと、前記測定可能距離よりも短い予め定められる近傍距離とに基づいて、近傍範囲を示す近傍範囲データを生成する近傍範囲特定ステップと、
    前記近傍範囲データと、前記基地局候補位置データとに基づいて、前記基地局候補位置が前記近傍範囲の範囲内に存在するか否か判定し、判定した結果を前記測定可能範囲存在判定ステップにおいて生成された基地局位置関係特定データに加え、前記近傍範囲データと、前記端末局候補位置データとに基づいて、前記端末局候補位置が前記近傍範囲の範囲内に存在するか否か判定し、判定した結果を前記測定可能範囲存在判定ステップにおいて生成された前記端末局位置関係特定データに加える近傍範囲存在判定ステップと、
    を有する請求項2に記載の置局支援方法。
  4. 前記位置関係特定ステップは、
    前記走行軌跡データと、前記基地局候補位置データとに基づいて算出した前記走行軌跡から前記基地局候補位置までの距離を前記基地局位置関係特定データとして生成する基地局距離算出ステップと、
    前記走行軌跡データと、前記端末局候補位置データとに基づいて算出した前記走行軌跡から前記端末局候補位置までの距離を前記端末局位置関係特定データとして生成する端末局距離算出ステップとを有し、
    前記信頼係数特定ステップは、
    前記走行軌跡からの距離が近いほど、高い信頼指標値を示す第1の関数を前記基地局位置関係特定データに適用して前記基地局候補位置に対する第1の信頼指標値を算出し、前記走行軌跡からの距離が近いほど、高い信頼指標値を示す第2の関数を前記端末局位置関係特定データに適用して前記端末局候補位置に対する第2の信頼指標値を算出し、算出した前記第1の信頼指標値と、前記第2の信頼指標値とに基づいて、前記信頼係数を特定する
    請求項1に記載の置局支援方法。
  5. 前記基地局候補位置データと、前記端末局候補位置データとに基づいて、前記基地局候補位置と前記端末局候補位置とを接続する接続線分を示す接続線分データを生成する接続線分特定ステップと、
    前記走行軌跡データと、前記接続線分データとに基づいて、前記走行軌跡が前記接続線分と交差するか否かを判定する交差判定ステップと、を有し、
    前記信頼係数特定ステップは、
    前記交差判定ステップにおける判定結果に基づいて、特定した前記信頼係数に重み付けを行うか、
    または、
    前記接続線分特定ステップと、前記交差判定ステップと、
    前記交差判定ステップにおいて、前記走行軌跡と、前記接続線分とが交差すると判定された場合、前記接続線分のうち、前記走行軌跡データと、前記測定可能距離とに基づいた測定可能範囲の範囲内に存在する割合を算出する測定可能範囲割合算出ステップとを有し、
    前記信頼係数特定ステップは、
    前記交差判定ステップにおける判定結果と、前記測定可能範囲の範囲内に存在する割合とに基づいて、特定した前記信頼係数に重み付けを行う
    請求項1から4のいずれか一項に記載の置局支援方法。
  6. 建物の壁面の複数の前記端末局候補位置が選定されている場合、前記信頼係数特定ステップによって特定された複数の前記基地局候補位置に対応する前記信頼係数に基づいて、複数の前記端末局候補位置の中から最適な前記端末局候補位置を特定する3次元候補位置選定ステップ
    を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の置局支援方法。
  7. 予め定められる測定可能距離以内の3次元空間に存在する物体を測定し、測定した前記物体の前記3次元空間における位置を示す点群データを取得する移動体の走行軌跡を示す走行軌跡データと、前記測定可能距離と、基地局装置を設定する候補となる位置を示す基地局候補位置データと、端末局装置を設定する候補となる位置を示す端末局候補位置データとに基づいて、前記走行軌跡と基地局候補位置との位置関係を示す基地局位置関係特定データと、前記走行軌跡と端末局候補位置との位置関係を示す端末局位置関係特定データとを生成する位置関係特定部と、
    前記基地局位置関係特定データと、前記端末局位置関係特定データとに基づいて、前記点群データに基づいて行われる所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示す信頼係数を特定する信頼係数特定部と、
    を備える置局支援装置。
  8. コンピュータに、予め定められる測定可能距離以内の3次元空間に存在する物体を測定し、測定した前記物体の前記3次元空間における位置を示す点群データを取得する移動体の走行軌跡を示す走行軌跡データと、前記測定可能距離と、基地局装置を設定する候補となる位置を示す基地局候補位置データと、端末局装置を設定する候補となる位置を示す端末局候補位置データとに基づいて、前記走行軌跡と基地局候補位置との位置関係を示す基地局位置関係特定データと、前記走行軌跡と端末局候補位置との位置関係を示す端末局位置関係特定データとを生成する位置関係特定ステップと、
    前記基地局位置関係特定データと、前記端末局位置関係特定データとに基づいて、前記点群データに基づいて行われる所定の評価処理の処理結果の信頼性の度合いを示す信頼係数を特定する信頼係数特定ステップと、
    を実行させるための置局支援プログラム。
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