JP2019128459A - 算数学習教具 - Google Patents

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Abstract

【課題】数の感覚を育て易く、また数の合成と分解の理解が容易となり、さらに数のかたまりとして足し算、引き算が可能となる算数学習教具を提供する。【解決手段】10個のマス目25内に1から10の数に対応した個数の丸印26が付された10個の数図20を含むベース数図カード10と、10個のマス目45内に1から10の数に対応した個数の丸印46が付された10個の数図40を含む、前記ベース数図カード10上に載置し使用する重ね合せ数図カード30と、を有し、前記重ね合せ数図カード30の基材35が透明である。【選択図】図4

Description

本発明は、数や数字の学習に使用する算数学習教具に関する。
小学一年生が数や数字を学習するための教具に、数図カードや数図ブロックがある。一般的な数図カードは、10枚の同一の大きさ、同一形状のカードからなり、各カードに数に対応した赤丸が付されたものである。例えば、3であれば1枚のカードに3個の塗り潰された赤丸が、7であれば1枚のカードに、上段に5個、下段に2個、計7個の塗り潰された赤丸が付されている。数図カードを使用することで視覚を通じて数の感覚を養うことができる。
一般的な数図ブロックは、同一の10個の立方体のブロックからなり、各ブロックの表面には塗り潰された1個の丸印が印刷されている。数図ブロックは、複数個のブロックを並べたり、並べたブロックからいくつかのブロックを取り去ったりすることができるので数の合成などには適している。
また数図カードとブロックとを使用し、繰り上がりのある足し算、繰り下がりのある引き算を理解させるための教具もある(例えば特許文献1参照)。また数図カードに類似のカードを使用した教具(例えば特許文献2参照)、さらには掛け算、足し算、引き算を体験学習するための算数学習用教材が提案されている(例えば特許文献3参照)。
実用新案登録第3190842号公報 実用新案登録第3139060号公報 特開2017−134299号公報
従来の一般的な数図カードは、カード毎に数に応じた丸印が付されているため、視覚を通じて数の感覚を養うことができるが、数の合成や数の分解を理解させる教具としては使い易いとは言い難い。また一般的な数図ブロックは、数の合成、分解の学習には適しているが、バラバラとなって机から落ちたり無くなったりする。また積み木、手悪さの対象となる。
特許文献3に記載の算数学習用教材は、掛け算、足し算、引き算、特に九九の学習に有効とあるが、形態の異なる複数のカードを使用する必要があるなど、小学一年生が数や数字を学習するための教具としては取り扱いが難しい。
以上のように現状、数図カード、数図ブロック、これらを組合わせたもの、あるいはこれらに類するものが開発されているが、幼児や小学校低学年の児童が数や数字を効果的に学習する教具とするには更なる改善が望まれる。
本発明の目的は、数の感覚を育て易く、また数の合成と分解の理解が容易となり、さらに数のかたまりとして足し算、引き算が可能となる算数学習教具を提供することである。
本発明は、10個のマス目内に1から10の数に対応した個数の標記が付された10個の数図を含むベース数図カードと、10個のマス目内に1から10の数に対応した個数の標記が付された10個の数図を含む、前記ベース数図カード上に載置し使用する重ね合せ数図カードと、を有し、前記重ね合せ数図カードの基材が透明であることを特徴とする算数学習教具である。
本発明の算数学習教具において、前記ベース数図カードは、さらに10個のマス目を有する1個の数図を含み、前記重ね合せ数図カードは、さらに10個のマス目を有する1個の数図を含むことを特徴とする。
本発明の算数学習教具において、前記ベース数図カードは、1つの基材に前記数図がすべて描かれ、前記重ね合せ数図カードは、1つの基材に対して前記数図が1つ描かれていることを特徴とする。
本発明の算数学習教具において、前記ベース数図カードは、1つの基材に対して前記数図が1つ描かれ、各基材をめくることができるように前記基材が固定手段を介して固定されており、前記重ね合せ数図カードは、1つの基材に対して前記数図が1つ描かれていることを特徴とする。
本発明の算数学習教具において、前記ベース数図カードの数図の標記と前記重ね合せ数図カードの数図の標記とは、形状及び大きさが同一であることを特徴とする。
本発明の算数学習教具において、前記重ね合せ数図カードの各数図の標記には色が付されており、色が付された前記標記が透明であることを特徴とする。
本発明の算数学習教具において、前記重ね合せ数図カードの各数図の標記には1から10の数図毎に異なる色が付されており、色が付された前記標記が透明であることを特徴とする。
本発明の算数学習教具において、前記重ね合せ数図カードを前記ベース数図カード上に載置し、各々の数図を重ね合せ視認したとき、前記重ね合せ数図カードの数図の標記の色が、重ね合せ前に比較して異なった色に見えることを特徴とする。
本発明の算数学習教具において、前記ベース数図カードの基材が白色であることを特徴とする。
本発明の算数学習教具は、さらに前記重ね合せ数図カードを収納する収納具を備えることを特徴とする。
本発明によれば数の感覚を育て易く、また数の合成と分解の理解が容易となり、さら
に数のかたまりとして足し算、引き算が可能となる算数学習教具を提供することができる。
本発明の第1実施形態の算数学習教具1の構成を説明するための図である。 図1の算数学習教具1のベース数図カード10の構成を説明するための図である。 図1の算数学習教具1の重ね合せ数図カード30の構成を説明するための図である。 図1の算数学習教具1の使用例であって、足し算、引き算を学習する要領を示す図である。 本発明の第2実施形態の算数学習教具2の構成を説明するための図である。 本発明の第3実施形態の算数学習教具3の構成を説明するための図である。 本発明の算数学習教具の変形例を説明するための図である。
図1は、本発明の第1実施形態の算数学習教具1の構成を示す図である。図2は、算数学習教具1のベース数図カード10の構成を説明するための図であり、一部の数図20は省略している。図3は、算数学習教具1の重ね合せ数図カード30の構成を説明するための図であり、一部の数図40は省略している。図4は、算数学習教具1の使用例であって、足し算、引き算を学習する要領を示す図であり、一部の数図20は省略している。
本発明の第1実施形態の算数学習教具1は、数や数字を学習するための教具であって、ベース数図カード10と、ベース数図カード10上に載置し使用する重ね合せ数図カード30と、重ね合せ数図カード30を収納する収納ケース51とを備える。
ベース数図カード10は、基材13である白色の紙に描かれた1から10の数に対応した10個の数図20と、0に対応した1個の数図21と含む。基材13は、白色に限定されるものではないが、白色とすることで数図20、21が明確になり、さらに重ね合せ数図カード30を重ね合せたときも数図40の着色された丸印46の色が明確になり好ましい。
ベース数図カード10の数図20は、それぞれ矩形の枠線23内に罫線24が付され形成された2段5列からなる10個の正方形のマス目25を有する。1から10の数に対応した10個の数図20の枠線23、10個の正方形のマス目25の大きさ及び配列は同じである。
枠線23は、赤色の線で描かれている。枠線23の色は、赤に限定されるものではないが、重ね合せ数図カード30の数図40、41の枠線43の色と異なっていることがよい。ベース数図カード10の数図20、21の枠線23の色と重ね合せ数図カード30の数図40、41の枠線43の色を変えることで、10の集合を見つけ易くなる。またベース数図カード10、重ね合せ数図カード30を、例えば赤枠、黒枠と呼ぶことで説明し易くなる。
ベース数図カード10の各数図20には、正方形のマス目25内に1から10の数に対応した個数の丸印26が描かれている。丸印26は、上段の左端のマス目25を起点に上段、下段の順に描かれる。例えば2の数図20には、上段のマス目25に左から2個の丸印26が描かれ、7の数図20には、上段のマス目25に5個と下段のマス目25に左から2個の丸印26が描かれている。
1から10の各数図20に描かれた丸印26は、同じ大きさであり、丸印26内が同じ色で塗り潰されている。数図20の丸印26内を塗り潰す色は、特に限定されるものではないが、灰色、黒が好ましく濃い灰色がより好ましい。また各数図20の丸印26内を塗り潰す色は同一であることが好ましい。例えば各数図20の丸印26を塗り潰された濃い灰色等に統一することで、ベース数図カード10に対して元の数という意識を持たせることができる。
ベース数図カード10の0に対応した数図21は、丸印26が描かれていない数図であり、数図20と同じ大きさ、形状の枠線23、罫線24、10個の正方形のマス目25を備える。数図20は、数図21に塗り潰された丸印26が描かれたものということもできる。
本実施形態のベース数図カード10では、基材13に対し、0を表す数図21、1〜5を表す数図20が左の列に、6〜10を表す数図20が右の列に描かれている。基材13に対する数図カード20、21の配置は、本実施形態に示す配置に限定されるものではないが、規則性を持たせて配置するのがよい。
また隣り合う数図20、21との間には、スペースを設けるのがよい。詳細は後述するが、本算数学習教具1では、ベース数図カード10上に重ね合せ数図カード30を重ね合せるように載置し使用するため、隣り合う数図20、21が接し、あるいは隣り合う数図20、21との間隔が極端に狭いと重ね合せ数図カード30を重ね合せるように載置した際に隣りの数図20、21がじゃまになる。
重ね合せ数図カード30は、1から10の数に対応した10個の数図40と、0に対応した1個の数図41とを含む。重ね合せ数図カード30は、ベース数図カード10とは異なり11個のカードとして存在する。
重ね合せ数図カード30は、基材35が無色透明な合成樹脂の板である。重ね合せ数図カード30の基材35は、薄い色であれば有色透明でもよいが、塗り潰した丸印46がはっきりとする点等において無色透明が好ましい。
重ね合せ数図カード30の数図40、41は、ベース数図カード10の数図20、21と同様に、矩形の枠線43内に罫線44が付され形成された2段5列からなる10個の正方形のマス目45を有する。枠線43の色は、黒色である。枠線43の色は、黒に限定されるものではないが、ベース数図カード10の数図20、21の枠線23の色と異なっていることがよい。
重ね合せ数図カード30の各数図40、41の枠線43、10個の正方形のマス目45の大きさ及び配列は同じであり、重ね合せ数図カード30の数図40、41の枠線43、罫線44及びマス目45は、大きさ、形状、配置等がベース数図カード10の数図20、21と同一である。
重ね合せ数図カード30の各数図40には、ベース数図カード10の数図20と同様に正方形のマス目45内に1から10の数に対応した個数の丸印46が描かれている。重ね合せ数図カード30の数図40の丸印46の大きさ、配置は、ベース数図カード10の数図20の丸印26と同じであるが、丸印46を塗り潰す色がベース数図カード10の数図20と異なる。
ベース数図カード10の数図20は、丸印26内が同じ色で塗り潰されているが、重ね合せ数図カード30の数図40は、丸印46内が数図40毎に異なる色で塗り潰されている。重ね合せ数図カード30の数図40に対して、丸印46内を全て同じ色で塗り潰してもよいが、カード毎に異なる色を付すれば、数を色と関連付けて覚え易くなり好ましい。
重ね合せ数図カード30の数図40には赤、青など目立ち易い色で、数字の大きい数図40には黄色など淡い色を用いて丸印46内を塗り潰すのが好ましい。この算数学習教具1を使用する者は、主に幼児や小学校低学年の児童であるから丸印46内を塗り潰す色は、呼びやすく分かりやすいものが好ましく、例えば12色の色鉛筆、クレヨン等で使用されている色がよい。
重ね合せ数図カード30の数図40は、塗り潰された後の丸印46が透明であることが好ましい。さらに数図40の丸印46内の色は、ベース数図カード10の数図20の丸印26内の色と異なる色とするのがよい。重ね合せ数図カード30は、ベース数図カード10上に重ね合せて使用するため、重ね合せ数図カード30の数図40の塗り潰された後の丸印46が透明で、ベース数図カード10の数図20の丸印26内の色と異なっていれば重ね合せたとき重なった部分の丸印の色が変わって見える。この点については、後述の使用方法のところで詳述する。
本実施形態の重ね合せ数図カード30の数図40の丸印46には、黒の輪郭線47が付されているが、輪郭線47はなくてもよい。逆にベース数図カード10の数図20の丸印26にも輪郭線を設けてもよい。要すれば数図20、40に描かれた丸印26、46が明確であればよい。
重ね合わせ数図カード30の0に対応した数図41は、丸印46が描かれていない数図であり、丸印46が描かれていない点を除き、重ね合わせ数図カード30の数図40と同じである。
収納ケース51は、重ね合せ数図カード30を構成する11枚のカードを収納するケースである。本実施形態に示す収納ケース51は、ファスナー付きの半透明なケースであるが、収納ケース51は、11枚のカードからなる重ね合せ数図カード30を収容できればよくこれに限定されるものではない。
算数学習教具1の使用方法を説明する。以下に示す算数学習教具1の使用方法は、基本的な使用方法であり、算数学習教具1の使用方法はこれに限定されるものではない。図4は、算数学習教具1の使用例であって、図4(A)が足し算を学習する要領を示す図、図4(B)が、引き算を学習する要領を示す図である。
ベース数図カード10又は重ね合せ数図カード30を視認することにより、数の感覚を養うことができる。特に重ね合せ数図カード30は、従来の数図カードと異なり、数図40毎に異なる色で塗り潰された丸印46が描かれているので、数と色とを関連付けて記憶することができるので記憶しやすい。丸印46内を塗り潰す色を呼び易く分かり易いものとすればより記憶し易くなる。
またベース数図カード10の数図21、重ね合せ数図カード30の数図41を視認することで零の概念を学習することができる。ベース数図カード10の数図21、重ね合せ数図カード30の数図41には丸印26、46が描かれていないので零とは何もないことを意味することを理解することができる。
足し算を学習する場合には、ベース数図カード10上に重ね合せ数図カード30を重ねる。このときベース数図カード10の数図20の丸印26と重ね合せ数図カード30の数図40の丸印46とが重ならないようにし、数図20の丸印26と数図40の丸印46とが左右、上下に並ぶようにするのがよい(図4(A)参照)。
例えば、ベース数図カード10の2の数図20上に重ね合せ数図カード30の3の数図40を、2つの数図の丸印26、46が並ぶように配置すると、2と3とを足すことで5になることを視覚的に理解することができる。重ね合せ数図カード30は、透明であるから2つの数図の丸印26、46が並ぶように重ね合わせることも容易であり、さらに重ね合せる際に上下のみならず裏表反転も可能なため使い易い。
引き算を学習する場合には、ベース数図カード10上に重ね合せ数図カード30を重ねる。このときベース数図カード10上の数図20の丸印26と重ね合せ数図カード30の数図40の丸印46とが重なるようにする。例えば、9引く7の引き算を学習する場合、上段の丸印26、46が重なるようにベース数図カード10の9の数図20上に重ね合せ数図カード30の7の数図40を重ねる(図4(B)参照)。
重ね合せ数図カード30は、透明であるから2つの数図カードの丸印26、46が重なるように重ね合せることも容易であり、さらに重ね合せる際に上下のみならず裏表反転も可能なため使い易い。また重ね合せ数図カード30の塗り潰された丸印46を透明とし、ベース数図カード10の塗り潰された丸印26と色を変えておくことで、重なった7つの丸印は、色が変わって見えるので引き算を容易に理解することができる。
数の合成と分解を学習する場合には、引き算と同様に、ベース数図カード10上に重ね合せ数図カード30を重ねる。重ね合せ数図カード30の数図40の塗り潰された丸印46を透明とし、ベース数図カード10の数図20の塗り潰された丸印26と色を変えておくことで、例えば、ベース数図カード10の5の数図20に重ね合せ数図カード30の3の数図40を重ねると色が変わった3と元の色の2の見分けがつく。これにより5は3と2でできていると理解したり、5は3と2に分けられると理解したりしやすい。特に10の補数を簡単に見つけることができるため、その後に学習する繰り上がりの足し算や繰り下がりの引き算の理解、習熟の素地の力を身につけさせることに有効である。
以上のように算数学習教具1を使用することで以下のような作用効果が得られる。
(1)数を色と関連付けて記憶することができ、数の感覚を育て易い。
(2)数の合成と分解の理解が容易となる。
(3)数のかたまりとしての足し算、引き算が可能となるので数え足しをしなくてもよい。
(4)引き算の答えを見つけるのに有効な手段である。差を求めるとき引き算を使えばよいことを理解しやすい。
(5)数図ブロックと異なりバラバラとなって机から落ちたり、なくなったりする可能性が低い。また数図ブロックと異なり手悪さの対象となり難い。
図5は、本発明の第2実施形態の算数学習教具2の構成を説明するための図である。図5(A)は、算数学習教具2の外観図、(B)は、算数学習教具2のベース数図カード11を示す図、(C)は、収納ケース52を示す図、(D)は、算数学習教具2の使用例を示す図である。図1から図4に示す本発明の第1実施形態の算数学習教具1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
算数学習教具2の基本構成は、算数学習教具1と同一であり、ベース数図カード11と、ベース数図カード11上に載置し使用する重ね合せ数図カード30と、重ね合せ数図カード30を収納する収納ケース52とを備える。
算数学習教具2のベース数図カード11は、算数学習教具1のベース数図カード10と同じ数図20、21を有するが、ベース数図カード11の形態が異なる。算数学習教具1のベース数図カード10は、基材13である1枚の紙に11個の数図20、21が描かれているが、算数学習教具2のベース数図カード11は、ノートのように一辺が閉じられた白色の紙を基材14とし、各頁に数図20、21が1個ずつ描かれている(図6(B)参照)。
ベース数図カード11の基材14である白色の紙は、計11枚であり、基材14の表裏に各々表紙17及び裏表紙18が添えられ、各基材が捲れるように一辺がリングパイプ状の固定具61で固定されている。
白紙に描かれた数図20、21の構成、形状等は、算数学習教具1のベース数図カード10の数図20、21と同じである。基材14の大きさ、基材14に対する数図20、21の配置は特に限定されるものではないが、図5(D)に示すようにベース数図カード11に重ね合せた重ね合せ数図カード30が、基材14から落ちないようなスペースがあるのがよい。本実施形態では、基材14に対して数図20、21が左寄りに描かれ、基材14の右側に空間部が設けられている。
収納ケース52は、裏表紙18の内側に取付けられている。ここでは収納ケース52に内部を視認できるように透明で、収納した重ね合せ数図カード30が落ちないようにフラップ付きのケースが使用されている。但し、収納ケース52はこれに限定されるものではない。
図5(D)は、足し算の学習に算数学習教具2を使用する例を示すものである。これからも分かるように算数学習教具2の使用方法は、基本的に算数学習教具1と同じであり、算数学習教具2の作用効果も基本的に算数学習教具1と同じである。算数学習教具2は、形態がポケット付きのノート、あるいはポケット付きの手帳のような形態であるからコンパクトであるという長所もある。
図6は、本発明の第3実施形態の算数学習教具3の構成を説明するための図である。図6(A)は、算数学習教具3の外観図、(B)は、算数学習教具3のベース数図カード12を示す図、(C)は、収納ケース53を示す図、(D)は、算数学習教具3の使用例を示す図である。図1から図4に示す本発明の第1実施形態の算数学習教具1、図5に示す本発明の第2実施形態の算数学習教具2と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
算数学習教具3は、算数学習教具2と類似した形態を有している。算数学習教具3は、ベース数図カード12と、ベース数図カード12上に載置し使用する重ね合せ数図カード30と、重ね合せ数図カード30を収納する収納ケース53とを備え、基本的構成は算数学習教具2と同一である。
算数学習教具3のベース数図カード12も、算数学習教具2のベース数図カード11と同様に基材15である白色の紙に各数図20、21が1個ずつ描かれている(図6(B)参照)。算数学習教具3のベース数図カード12は、基材15の一端部に貫通孔16が穿設され、表紙17及び裏表紙18と共に、開閉自在なリング62に挿通されている(図6(A)〜(C)参照)。
上記のように算数学習教具3のベース数図カード12と算数学習教具2のベース数図カード11とは類似した構成からなるが、算数学習教具2のベース数図カード11がカード(基材14)をばらばらにすることができないのに対して、算数学習教具3のベース数図カード12はカード(基材15)をリング62から外しばらばらにすることができる。リング62は、保管時にベース数図カード12がばらばらにならないようにするためのものであり、ベース数図カードの紛失防止につながる。
算数学習教具3を使用する際には、リング62から各数図20、21を取外し、これを机の上に置き使用することができる。このため図6(D)に示すように数図20の枠線23の外側のスペースを小さくしても重ね合せ数図カード30を安定して重ね合せることができる。
収納ケース53は、裏表紙18の内側に取付けられている。収納ケース53は、収納ケース52と同様の構成を採用することができる。
図6(D)の左図は、足し算の学習に算数学習教具3を使用する例を、図6(D)の右図は、引き算の学習に算数学習教具3を使用する例を示すものである。これからも分かるように算数学習教具3の使用方法は、基本的に算数学習教具1と同じであり、算数学習教具3の作用効果も基本的に算数学習教具1と同じである。
以上、第1から第3実施形態の算数学習教具1、2、3を用いて本発明に係る算数学習教具の構成、使用方法等を説明したが、本発明に係る算数学習教具は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態の算数学習教具は、以下のように変更してもよい。
算数学習教具1、2、3は、0に対応した数図21、41を備え、零の概念を学習するのに有効なことは上記の通りであるが、算数学習教具1、2、3を足し算、引き算、数の合成と分解の学習教具として使用するような場合には、0に対応した数図21、41を省略してもよい。
算数学習教具1、2、3では、ベース数図カード10、11、12の基材13、14、15として白色の紙を使用しているが、白色の合成樹脂板、ラミネート加工された白色の紙などを使用することが可能である。合成樹脂板等を使用する場合も、色は白色が好ましいことは紙の場合と同じである。
これまでベース数図カード10、11、12、重ね合せ数図カード30の長手方向を横向きとして説明したため、マス目25、45の配置を2段5列としたが、ベースカード10、11、12、重ね合せ数図カード30は、長手方向を縦向きに使用することも可能であり、その場合、マス目25、45の配置は5段2列となる。
算数学習教具1、2、3では、ベース数図カード10、11、12、重ね合せ数図カード30において、マス目25、45が2段5列に配置されているが、マス目25、45の配列はこれに限定されるものではない。図7(A)に示すようにベース数図カード10のマス目25、重ね合せ数図カード30のマス目45の配列を横一列としてもよい。
算数学習教具1、2、3では、ベース数図カード10、11、12、重ね合せ数図カード30において、数を表すための標記として塗り潰された丸印26、46が使用されているが、数を表すための標記はこれに限定されるものではない。数を表す標記は、数を表していることが明確に分かるものであればよい。例えば丸印26、46を輪郭線のみとしてもよい。またマス目25、45と同じ大きさで内側を塗り潰した四角形28、48を、数を表すための標記としてもよい(図7(B)参照)。
上記算数学習教具1、2、3では、ベース数図カード10、11、12は、基材13、14、15上に直接、数図20、21が描かれているが、透明なフィルムに数図20、21を描き、白色の基材13、14、15にこれを貼付してもよい。要すればベース数図カード10、11、12は、基材13、14、15上に明確に数図カード20、21が付されていればよい。
同様に算数学習教具1、2、3では、重ね合せ数図カード30は、基材35上に直接、数図40、41が描かれているが、透明なフィルムに数図40、41を描き、透明な基材35にこれを貼付してもよい。要すれば重ね合せ数図カード30は、透明な基材35上に明確に数図40、41が付されていればよい。
上記実施形態の重ね合せ数図カード30においては、基材35と枠線43が近接している。このような場合、枠線43を省略し、罫線44のみでマス目45を設けてもよい。
重ね合せ数図カード30が透明であり、2つの数図カードの丸印26、46が重なるように重ね合せること、さらに重ね合せる際に上下のみならず裏表反転も可能なため使い易いことは既に説明の通りであるが、重ね合せ数図カード30の上下、裏表を表記した方が使い易いのであればそのような標記を付すればよい。
さらにベース数図カード10、11、12の数図20、21の傍に、各数図20、21が表す数(数字)を記してもよい。各数図20が表す数は、マス目25内に付された丸印26の数と同じであり、例えば図5(B)では3となる。数図21は、0を記すこととなる。各数図20、21が表す数(数字)を記する位置は、特に限定されるものではないが、例えば枠線23の外側であって枠線23の左上に記すればよい。ベース数図カード10、11、12の数図20、21の傍に、各数図20、21が表す数字を記すると、生徒は数(個数)と数字とを関連付けて記憶することができるので好ましい。
本発明に係る算数学習教具の大きさは、特に限定されるものではなく足し算、引き算等を学習する生徒が使い易い、取扱い易い大きさ(寸法)とすればよい。本発明に係る算数学習教具は、足し算、引き算等を学習する生徒の他に、それを教える教師が使用することとなる。本発明に係る算数学習教具の大きさは特に限定されるものでないので、教師が使用する算数学習教具は生徒が見え易いように大きくすることができる。
さらに第1実施形態の算数学習教具1において、ベース数図カード10の基材13を2つに分割可能としてもよく、また折り畳み可能としてもよい。また教師が使用する算数学習教具は、基材の裏面にマグネットを取付け、黒板に張り付けできるようにしてもよい。また上記第2実施形態の算数学習教具2は、基材14の一辺がリングパイプ状の固定具61で固定されているが、固定手段はリングパイプ状の固定具61に限定されるものではなく、例えば糊でもよい。また上記第3実施形態の算数学習教具3において、リング62は紐でもよい。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
1、2,3 算数学習教具
10、11、12 ベース数図カード
13、14、15 基材
20、21 数図
23 枠線
24 罫線
25 マス目
26 丸印
28 四角形
30 重ね合せ数図カード
35 基材
40、41 数図
43 枠線
44 罫線
45 マス目
46 丸印
47 輪郭線
48 四角形
51、52、53 収納ケース
61 固定具
62 リング

Claims (10)

  1. 10個のマス目内に1から10の数に対応した個数の標記が付された10個の数図を含むベース数図カードと、
    10個のマス目内に1から10の数に対応した個数の標記が付された10個の数図を含む、前記ベース数図カード上に載置し使用する重ね合せ数図カードと、
    を有し、
    前記重ね合せ数図カードの基材が透明であることを特徴とする算数学習教具。
  2. 前記ベース数図カードは、さらに10個のマス目を有する1個の数図を含み、
    前記重ね合せ数図カードは、さらに10個のマス目を有する1個の数図を含むことを特徴とする請求項1に記載の算数学習教具。
  3. 前記ベース数図カードは、1つの基材に前記数図がすべて描かれ、
    前記重ね合せ数図カードは、1つの基材に対して前記数図が1つ描かれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の算数学習教具。
  4. 前記ベース数図カードは、1つの基材に対して前記数図が1つ描かれ、各基材をめくることができるように前記基材が固定手段を介して固定されており、
    前記重ね合せ数図カードは、1つの基材に対して前記数図が1つ描かれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の算数学習教具。
  5. 前記ベース数図カードの数図の標記と前記重ね合せ数図カードの数図の標記とは、形状及び大きさが同一であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の算数学習教具。
  6. 前記重ね合せ数図カードの各数図の標記には色が付されており、色が付された前記標記が透明であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の算数学習教具。
  7. 前記重ね合せ数図カードの各数図の標記には1から10の数図毎に異なる色が付されており、
    色が付された前記標記が透明であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の算数学習教具。
  8. 前記重ね合せ数図カードを前記ベース数図カード上に載置し、各々の数図を重ね合せ視認したとき、前記重ね合せ数図カードの数図の標記の色が、重ね合せ前に比較して異なった色に見えることを特徴とする請求項6又は7に記載の算数学習教具。
  9. 前記ベース数図カードの基材が白色であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の算数学習教具。
  10. さらに前記重ね合せ数図カードを収納する収納具を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の算数学習教具。
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