JP2019128213A - 放射線防護メガネ - Google Patents

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【課題】 放射線が眼に入ることを遮蔽することが出来る放射線防護メガネの提供。【解決手段】 防護メガネのフロント部6は放射線の遮蔽処理を施した上フレーム2に同じく放射線遮蔽処理をしたレンズ1を取付けて構成し、レンズ側部は湾曲して後方へ延ばして顔の側面を被覆する側端部7を設け、また、下部は湾曲して後方へ延びて顔表面に近接する下縁部8を形成し、レンズの中央部下側に形成した概略逆V形の切欠き部には放射線遮蔽処理を施した鼻当てパット20を取付けている。【選択図】 図1

Description

本発明は放射線が目に入ることを遮蔽することが出来る放射線防護メガネに関するものである。
常日頃着用しているメガネは、近視であったり老眼である場合に着用し、これらのメガネは近視及び老眼を矯正する機能を備えている。毎日、仕事をする際になくてはならないものであり、該メガネはレンズを入れたフロント部の両側にツルを取付け、該ツルが蝶番などの継手を介して折畳み出来る構造としている。
一般的にメガネの基本形態はフロント部と両ツルから成っているが、その具体的な形態はデザインが考慮されて色々ある。
ところで、メガネは近眼用のメガネや老眼用のメガネのみならず、近年では春先に使用する花粉症用メガネが知られ、また粉塵が発生する作業時に掛ける防塵用メガネ、さらに放射線を遮蔽する効果がある放射線防護用メガネも一部で使われている。
放射線を取り扱う場合、放射線による障害が起こらないように該放射線に照射されないことが望ましい。しかし、日常生活においても、自然の放射線や医療行為に由来する放射線を受けている。また、職業上放射線作業に従事する場合には、人工放射線による被曝を皆無にすることは不可能である。放射線障害が問題となる被曝レベルは、国際放射線防護委員会の勧告にある最大許容量に基づいて作られている。
そして、この勧告に基づき作業者の被曝の管理には法的な義務を課している。勧告における最大許容線量はあくまで最大の値であって、この線量まで被曝しても良いと言うことではなく、また、あらゆる線量をできるだけ低く保ち、不必要な被曝をすべて避けるようにすることが好ましい。
特に眼球は皮膚よりも放射線物質を吸収しやすいとされている。被曝の量が多い時は数カ月して、少ない時は数年して白内障がおきる虞がある。水晶体に濁りが出るのが白内障であり、放射線が水晶体の上皮細胞に当たると細胞が死んで水晶体の後ろに移動し、濁りが溜まると見えにくくなる。勿論、白内障になっても老人性の白内障と同じく手術することで視力を回復することは可能ではある。
特開2015−152548号に係る「放射線防護用眼鏡」は、放射線から人間の眼を防護する場合、放射線が眼に進入する率が低く、しかも、人間の前方の視野が良く見えるようにした放射線防護用眼鏡である。放射線防護用眼鏡を装着したときに、装着者の眼の前面に設置される放射線遮蔽物と、上記装着者の前面の視野からの可視光を反射し、放射線を反射しない第1の反射手段と、上記第1の反射手段が反射した光を反射し、この反射光を上記装着者の眼に導く第2の反射手段であって、上記放射線遮蔽物と上記装着者の眼との間に設けられている第2の反射手段とを有している。
しかし、この放射線防護用眼鏡は一般的な眼鏡とは異なり重くて着用し難く、常に装着するには無理がある。また、その機能は十分ではなく、上下左右のあらゆる方向から入射する放射線を遮蔽・軽減することは出来ない。
特開2015−152548号に係る「放射線防護用眼鏡」
このように、従来の放射線防護メガネには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、正面はもとより、上下並びに左右のあらゆる方向からの放射線の入射を遮って眼を守ることが出来る放射線防護メガネを提供する。
本発明の放射線防護メガネはあらゆる方向からの放射線を遮蔽することが出来るようにフロント部を構成している。レンズ、フレーム、鼻当てパットはタングステンや鉛を含んだ構造とし、例えばレンズは鉛を含むアクリルレンズが使用され、また放射線遮蔽シートを貼り付けることが出来る。
メガネとしての基本的な形態は従来と共通し、フロント部とツルにて構成されている。フロント部及びツルの具体的な形態は特に限定しないが、該メガネを着用した場合に顔との間の隙間を極力小さくしている。
本発明のメガネは上記フロント部は大きく湾曲し、顔を包み込むような形状とし、レンズは顔の側面も被覆するように後方(背後)へ延びる側端部を設けている。また、レンズ下側には後方(背後)に湾曲して延びる下縁部を有している。
そこで、顔との間に大きな隙間はなく、フロント部の外周は顔面に接近した形状と成っている。
また、フロント部を支える為に中央部に取付ける鼻当てパットも放射線を遮蔽することが出来るようにタングステンや鉛を含む構造としている。
フロント部は上フレームとレンズで構成され、上フレームにレンズが取付けられるが、その取付け構造は特に限定しない。ネジ止めしたり、ピン止したり、時には接着剤にて固着することもある。
フロント部を構成するレンズは顔の正面との間に多少の隙間を有しているが、その隙間を無くすために上フレームはほぼ水平に位置して両側へ延びる所定幅の平板部を有し、上フレームの背面は顔の額に接し、又は近接することが出来るように湾曲している。したがって、レンズ上方の隙間は塞がれる。
レンズは中央部に隙間を残さないように、一般的に左右のレンズ部は連結部にて繋がっている。ただし、中央部下側は鼻当てパットを取付けることが出来るように山形(概略逆V形)に切欠かれている。そして、レンズ側部は背面側へ湾曲した側端部を形成し、下縁部も背面側に湾曲して延びている。また、上フレームの両先端にはツルが折畳まれるように継手を設けている。
一方、レンズに側端部を形成することでレンズ側部と顔の隙間は塞がれ、またレンズに下縁部を設けることでレンズ下部と顔の隙間は塞がれる。したがって、レンズの側方並びに下方からの放射線を遮蔽することが出来るが、必要に応じてこの側端部及び下縁部に鉛などを含んだ放射線遮蔽シートを貼り付けることも可能である。
本発明の放射線防護メガネは、近眼や老眼の人が視力矯正用として常日頃着用するメガネとその形態に大きな違いがなく、その為に手軽に掛けることが出来る。
そして、常日頃視力矯正用の眼鏡を着用している人は、該眼鏡の上に本発明の放射線防護メガネを掛けることが可能である。
特開2015−152548号に係る「放射線防護用眼鏡」のように重くはなく、長時間着用しても疲れることはなく、該メガネを着用することで放射線から眼を守ることが出来る。
すなわち、その形態は一般的な眼鏡であるが、着用した状態では顔との間に隙間を限りなく無くし、あらゆる方向からの放射線が遮蔽される。
放射線遮蔽機能を有すレンズを取付ける上フレームはレンズ上縁と顔との間の隙間を塞ぎ、レンズ側部は後方(背面側)へ大きく湾曲して延びる側端部を形成し、また、レンズ下縁は後方側(背面側)へ延びる下縁部を設けていることで、放射線は遮蔽されて眼を守ることが出来る。すなわち、該メガネを着用することで正面はもとより、上下並びに左右のあらゆる方向からの放射線も遮蔽して眼を守ることが出来る。
本発明の放射線防護メガネを示す正面図。 本発明の放射線防護メガネを示す平面図。 本発明の放射線防護メガネを示す底面図。 本発明の放射線防護メガネを構成するレンズで、(a)は平面図、(b)は正面図。 フロントの中央に取付けられる鼻当てパットの具体例。
図1、図2は本発明に係る放射線防護メガネを示す実施例で、正面図と平面図をそれぞれ表わしている。同図の1はレンズ、2は上フレーム、3はツルを示し、上記レンズ1は左右の両レンズ部4a,4bを有し、レンズ部4a,4bは中央の連結部5にて繋がって連続している。したがって、連続して形成されている両レンズ部4a,4bから成るレンズ1は上フレーム2に取付けられてフロント部6が構成されている。
上記レンズ部4a,4bが連続して形成したレンズ1は顔正面を大きく被覆し、しかも滑らかに湾曲することで顔の正面になじみ、また両側端部7,7は顔の側面を被覆する為に後方(背面側)へ大きく延びている。さらに、下縁部8も後方へ湾曲し、顔との隙間が大きくならないような形状としている。
また、レンズ1の中央部下側には概略逆V形の切欠き部9を形成しており、この切欠き部9に鼻当てパットを取付けている。
図3はレンズ1の底面を表しているが、同図に示すように後方へ湾曲して顔に近接することが出来る下縁部を設けている。
図4は互いに連続して形成しているレンズ部4a,4bを有しているレンズ1の具体例であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
このレンズ1は上フレーム2に取付けられるが、その為に中央の上縁部にはピン穴10が設けられ、また両側部の上端縁11にもピン穴12,12を設けている。そして、両側端部7,7は顔側面を被覆することが出来るように湾曲し、さらに上縁部先端には嵌入片13,13を形成している。
ところで、該レンズ1が上フレーム2に位置決めして取付けられるように、該上フレーム2の中央には支持片14を下方へ延ばし、該支持片14の背面には後方へ突出するピン15を設けている。上フレーム2の背面16は滑らかに湾曲し、メガネを着用した場合には該背面16が額に近接するように成っていて、背面16にはクッションゴム17が貼着されている。また、両先端はツル3,3を取付けて折畳むことが出来るように、軸ネジが挿通するネジ穴18,18を設けている。
また、上フレーム2の側部にはピン19,19を設けて下方へ延びている。そして上フレーム2の側端部には嵌入片13,13が嵌る嵌入穴を設けている。
そこで、支持片14に設けたピン15はレンズ中央のピン穴10に嵌り、側部の下方へ延びたピン19,19はレンズ1の上端縁11に設けたピン穴12,12に嵌められる。さらに上縁部先端の嵌入片13,13は上フレーム側端部の嵌入穴に嵌められる。
このようにして、レンズ1は上フレーム2に取付けられる。ただし、同図に示すレンズ1の取付け構造はあくまでも具体例であり、この実施例に限定はしない。
同図に示すレンズ1はレンズ部4a,4bが連続した1枚レンズとして構成しているが、それぞれに分離した形態のレンズ1とすることも可能であるが、この場合には支持片14には2本のピン15,15を設けることが必要である。勿論、ピン止めに限らず接着剤にて固定することも可能である。
図5は鼻当てパット20を示す具体例である。該鼻当てパット20は樹脂製で、タングステンや鉛を含んで射出成形され、その為に放射線を遮蔽する機能を有している。この鼻当てパット20は前記前記図1に示すようにレンズ1の中央部に設けた切欠き部9に嵌合して取付けられるが、具体的な形状は限定しない。
上記上フレーム2は鉛などを含んだ樹脂を成形することが出来るが、鉛やタングステンを含有したシートを上フレーム2に貼着することも可能である。そして、レンズ1は鉛を含有したアクリル樹脂を成形することで放射線が通過することが遮蔽される。
本発明ではこのレンズ1の側部を後方へ曲げ成形して側端部を形成し、またレンズ1の下部を後方へ曲げ成形して下縁部を形成していて、レンズ側方並びに下方からの放射線の透過を防止している。さらに、この側端部及び下縁部に放射線遮蔽シートを貼着することでその機能をより高めることも出来る。
1 レンズ
2 上フレーム
3 ツル
4 レンズ部
5 連結部
6 フロント部
7 側端部
8 下縁部
9 切欠き部
10 ピン穴
11 上端縁
12 ピン穴
13 嵌入片
14 支持片
15 ピン
16 背面
17 クッションゴム
18 ネジ穴
19 ピン
20 鼻当てパット

Claims (3)

  1. 放射線が眼に入ることを遮蔽することが出来る放射片防護メガネにおいて、該防護メガネのフロント部は放射線の遮蔽処理を施した上フレームに同じく放射線遮蔽処理をしたレンズを取付けて構成し、側部は湾曲して後方へ延ばして顔の側面を被覆する側端部を設け、また下部は湾曲して後方へ延びて顔表面に近接する下縁部を形成し、上フレームはほぼ水平な平坦部を有して両側へ延び、その背面は顔の額に接触又は近接するように滑らかに湾曲し、レンズの中央部下側に形成した概略逆V形の切欠き部には放射線遮蔽処理を施した鼻当てパットを取付けたことを特徴とした放射線防護メガネ。
  2. 上記レンズは左右のレンズ部が連結部を介して繋がった形状とした請求項1記載の放射線防護メガネ。
  3. 上記放射線遮蔽処理手段として、タングステン又は鉛を含んだ材料を使用した請求項1、又は請求項2記載の放射線防護メガネ。










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