JPH0755995A - 調光ガラスを用いた放射線遮蔽材 - Google Patents
調光ガラスを用いた放射線遮蔽材Info
- Publication number
- JPH0755995A JPH0755995A JP20334593A JP20334593A JPH0755995A JP H0755995 A JPH0755995 A JP H0755995A JP 20334593 A JP20334593 A JP 20334593A JP 20334593 A JP20334593 A JP 20334593A JP H0755995 A JPH0755995 A JP H0755995A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】従来用いられている鉛よりも軽量でありなが
ら、優れた放射線遮蔽効果を有する遮蔽材の提供。 【構成】２枚のガラス（１、５）、２枚の透明電極層
（２、４）に挟持された電子調光素子層（３）で構成さ
れ、電子調光素子層に電圧を加えることによって着色及
び消色する調光ガラスを用いた放射線遮蔽材。
ら、優れた放射線遮蔽効果を有する遮蔽材の提供。 【構成】２枚のガラス（１、５）、２枚の透明電極層
（２、４）に挟持された電子調光素子層（３）で構成さ
れ、電子調光素子層に電圧を加えることによって着色及
び消色する調光ガラスを用いた放射線遮蔽材。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波、荷電粒子線又
は非荷電粒子線のようなイオン化放射線（以下、放射線
と略称する。）の遮蔽材に関する。
は非荷電粒子線のようなイオン化放射線（以下、放射線
と略称する。）の遮蔽材に関する。
【０００２】
【従来の技術】Ｘ線、γ線（電磁波）、宇宙線、α線、
β線（荷電粒子線）のような放射線は、直接これを人体
に受けると有害であることはよく知られており、これら
を被曝する機会の多い人達は、遮蔽材によって自らの体
を被曝から保護し、法で定められた瞬間的な、又は限ら
れた期間内（例えば年間）の被曝量を超えないように注
意しなければならない。
β線（荷電粒子線）のような放射線は、直接これを人体
に受けると有害であることはよく知られており、これら
を被曝する機会の多い人達は、遮蔽材によって自らの体
を被曝から保護し、法で定められた瞬間的な、又は限ら
れた期間内（例えば年間）の被曝量を超えないように注
意しなければならない。
【０００３】このような放射線用の遮蔽材としては、一
般に鉛が広く用いられているが、鉛は金属の中でも特に
重いものの一つであるから、これを身につける場合はも
ちろん、単に取扱う場合であっても非常に面倒なことで
あった。そのため、ついつい遮蔽材による十分な防護を
怠ることもあって、微量の被曝量が蓄積される恐れがあ
った。また、特に人間にとってもっとも弱い部分の一つ
であって、しかも遮蔽材で保護することが困難な眼の水
晶体の被曝をどのようにして防止するかも大きな問題で
あった。
般に鉛が広く用いられているが、鉛は金属の中でも特に
重いものの一つであるから、これを身につける場合はも
ちろん、単に取扱う場合であっても非常に面倒なことで
あった。そのため、ついつい遮蔽材による十分な防護を
怠ることもあって、微量の被曝量が蓄積される恐れがあ
った。また、特に人間にとってもっとも弱い部分の一つ
であって、しかも遮蔽材で保護することが困難な眼の水
晶体の被曝をどのようにして防止するかも大きな問題で
あった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なこれまでの放射線遮蔽材の欠点をできるだけ除き、鉛
よりも遥かに軽量で、しかも効果的に放射線を遮蔽する
材料を提供することを目的としている。またこの材料
は、眼の水晶体の保護にも有効である。
なこれまでの放射線遮蔽材の欠点をできるだけ除き、鉛
よりも遥かに軽量で、しかも効果的に放射線を遮蔽する
材料を提供することを目的としている。またこの材料
は、眼の水晶体の保護にも有効である。
【０００５】
【課題を解決するための手段】そのため本発明による放
射線遮蔽材は、２枚のガラス、２枚の透明電極層に挟持
された電子調光素子層で構成され、電子調光素子層に電
圧を加えることによって着色及び消色する調光ガラスを
用いることを特徴としている。
射線遮蔽材は、２枚のガラス、２枚の透明電極層に挟持
された電子調光素子層で構成され、電子調光素子層に電
圧を加えることによって着色及び消色する調光ガラスを
用いることを特徴としている。
【０００６】
【作用】本発明の放射線遮蔽材に用いられる調光ガラス
とは、発色効果のある物質を含み、その物質を発色させ
て光の透過率を制御することのできるガラスである。発
色物質を発色させるには、紫外線や電気によって起こさ
れる化学反応を利用しているが、本発明の放射線遮蔽材
としては、上記のような構成を有し、その電子調光素子
層に電圧を加える種類のものが用いられる。
とは、発色効果のある物質を含み、その物質を発色させ
て光の透過率を制御することのできるガラスである。発
色物質を発色させるには、紫外線や電気によって起こさ
れる化学反応を利用しているが、本発明の放射線遮蔽材
としては、上記のような構成を有し、その電子調光素子
層に電圧を加える種類のものが用いられる。
【０００７】本発明者は、このような電子調光素子層を
備えた調光ガラス製のサングラス、及び普通のガラス製
のサングラスをＸ線撮影したところ、図１のネガフィル
ムによる画像が得られた。Ｘ線照射は、４０ｋＶピー
ク、５ｍＡ秒であった。図１において、左は普通のサン
グラス、右は調光ガラス製のサングラスであり、上部中
程の矢印は、Ｘ線撮影に際に通常用いる薄い（厚さ３ｍ
ｍ）鉛板である。この図から明らかなように、調光ガラ
ス製の眼鏡レンズは、鉛の矢印と同等又はそれ以上の遮
蔽性能を有していることがわかった。このことから、本
発明の構成をもった調光ガラスが、厚さ３ｍｍの鉛板と
同等又はそれよりも優れた放射線遮蔽材として使用可能
であることがわかる。以下、本発明の一実施例としての
放射線遮蔽眼鏡について説明する。
備えた調光ガラス製のサングラス、及び普通のガラス製
のサングラスをＸ線撮影したところ、図１のネガフィル
ムによる画像が得られた。Ｘ線照射は、４０ｋＶピー
ク、５ｍＡ秒であった。図１において、左は普通のサン
グラス、右は調光ガラス製のサングラスであり、上部中
程の矢印は、Ｘ線撮影に際に通常用いる薄い（厚さ３ｍ
ｍ）鉛板である。この図から明らかなように、調光ガラ
ス製の眼鏡レンズは、鉛の矢印と同等又はそれ以上の遮
蔽性能を有していることがわかった。このことから、本
発明の構成をもった調光ガラスが、厚さ３ｍｍの鉛板と
同等又はそれよりも優れた放射線遮蔽材として使用可能
であることがわかる。以下、本発明の一実施例としての
放射線遮蔽眼鏡について説明する。
【０００８】
【実施例】図２に示すように、本発明による放射線遮蔽
眼鏡のレンズは、一方の表面から他方に向って、ガラス
層１、透明電極層２、酸化タングステンを主成分とする
電子調光素子層３、透明電極層４、ガラス層５によって
構成されている。透明電極層２に電圧をかけて電子調光
素子層３に電流を流すことによって、素子内の水分が電
離して水素イオンを生成し、これに電流の電子と結合し
て水素分子となるので、電子調光素子の主成分である酸
化タングステンがこの水素と化合して、タングテンブロ
ンズという青色の物質に変化する。
眼鏡のレンズは、一方の表面から他方に向って、ガラス
層１、透明電極層２、酸化タングステンを主成分とする
電子調光素子層３、透明電極層４、ガラス層５によって
構成されている。透明電極層２に電圧をかけて電子調光
素子層３に電流を流すことによって、素子内の水分が電
離して水素イオンを生成し、これに電流の電子と結合し
て水素分子となるので、電子調光素子の主成分である酸
化タングステンがこの水素と化合して、タングテンブロ
ンズという青色の物質に変化する。
【０００９】成層圏あるいは大気圏外において、眼を宇
宙放射線の被曝から防護する場合には、強烈な太陽光も
避ける必要があるので、上記のようにして電子調光素子
層３を着色させ、所望の濃度になるまで電圧を継続して
かければよい。光の透過度は、荷電継続時間に応じて２
１〜７５％の範囲で変化させることができる。一旦着色
したガラスを消色するには、電流を反対側から流す、す
なわち透明電極層４に電圧をかければよい。このよう
に、本発明による眼鏡を使用することによって、太陽か
らの可視光線及び紫外線を減じるだけでなく、宇宙線の
ような放射線も遮蔽することができるので、放射線被曝
を大幅に軽減又は防止することが可能となる。
宙放射線の被曝から防護する場合には、強烈な太陽光も
避ける必要があるので、上記のようにして電子調光素子
層３を着色させ、所望の濃度になるまで電圧を継続して
かければよい。光の透過度は、荷電継続時間に応じて２
１〜７５％の範囲で変化させることができる。一旦着色
したガラスを消色するには、電流を反対側から流す、す
なわち透明電極層４に電圧をかければよい。このよう
に、本発明による眼鏡を使用することによって、太陽か
らの可視光線及び紫外線を減じるだけでなく、宇宙線の
ような放射線も遮蔽することができるので、放射線被曝
を大幅に軽減又は防止することが可能となる。
【００１０】
【発明の効果】本発明による放射線遮蔽材は、これまで
に述べたような構成及び作用を有することから、実施例
で述べた宇宙飛行士用や高高度を飛行するパイロット用
の眼鏡（遮蔽材を含む）以外にも、各種の放射線（例え
ばＸ線やβ線、γ線等）用の次のような多くの用途で、
顕著な効果を発揮することできる。 １．医療用の放射線物質（廃棄物質を含む）の搬送・保
管用容器 ２．Ｘ線顕微鏡の照射又は遮蔽材 ３．核シェルター（折畳み式も可能） ４．原子炉作業者用の放射線遮蔽眼鏡及び遮蔽材
に述べたような構成及び作用を有することから、実施例
で述べた宇宙飛行士用や高高度を飛行するパイロット用
の眼鏡（遮蔽材を含む）以外にも、各種の放射線（例え
ばＸ線やβ線、γ線等）用の次のような多くの用途で、
顕著な効果を発揮することできる。 １．医療用の放射線物質（廃棄物質を含む）の搬送・保
管用容器 ２．Ｘ線顕微鏡の照射又は遮蔽材 ３．核シェルター（折畳み式も可能） ４．原子炉作業者用の放射線遮蔽眼鏡及び遮蔽材
【図１】本発明による電子調光素子層を備えた調光ガラ
ス製のサングラス（下）と、普通のガラス製のサングラ
スのＸ線撮影によるネガフィルム。
ス製のサングラス（下）と、普通のガラス製のサングラ
スのＸ線撮影によるネガフィルム。
【図２】電子調光素子層を備えた調光ガラスの構造を示
す略図。
す略図。
【符号の説明】 １、５ ガラス層 ２、４ 透明電極層 ３ 電子調光素子層
Claims (1)
- 【請求項１】 ２枚のガラス（１、５）、２枚の透明電
極層（２、４）に挟持された電子調光素子層（３）で構
成され、電子調光素子層に電圧を加えることによって着
色及び消色する調光ガラスを用いた放射線遮蔽材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20334593A JPH0755995A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | 調光ガラスを用いた放射線遮蔽材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20334593A JPH0755995A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | 調光ガラスを用いた放射線遮蔽材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0755995A true JPH0755995A (ja) | 1995-03-03 |
Family
ID=16472495
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20334593A Pending JPH0755995A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | 調光ガラスを用いた放射線遮蔽材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0755995A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102008009776A1 (de) * | 2008-02-19 | 2009-10-22 | Schott Ag | Element mit einem Schutzglas gegen ionisierende Strahlung |
| US8187682B2 (en) | 2007-09-06 | 2012-05-29 | Schott Ag | Protective glass against ionizing radiation |
| JP2019128213A (ja) * | 2018-01-24 | 2019-08-01 | 株式会社 エリカ オプチカル | 放射線防護メガネ |
-
1993
- 1993-08-17 JP JP20334593A patent/JPH0755995A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8187682B2 (en) | 2007-09-06 | 2012-05-29 | Schott Ag | Protective glass against ionizing radiation |
| DE102008009776A1 (de) * | 2008-02-19 | 2009-10-22 | Schott Ag | Element mit einem Schutzglas gegen ionisierende Strahlung |
| JP2019128213A (ja) * | 2018-01-24 | 2019-08-01 | 株式会社 エリカ オプチカル | 放射線防護メガネ |
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