JP2019128082A - 蓄冷型冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成により、冷却に要する時間を短縮することが可能な蓄冷型冷凍機を提供すること。【解決手段】蓄冷型冷凍機10は、第一シリンダ部11aの低温端側に固定されて第二シリンダ部11bよりも大径の第一コールドヘッド11cと、第二シリンダ部11bの超電導磁石4に熱的に接触する低温端側に固定されて第二シリンダ部11bよりも大径の第二コールドヘッド11dと、の間の温度差によって対流する作動流体Rが封入された対流室Dを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、蓄冷型冷凍機に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に開示された冷凍機冷却型超電導磁石装置が知られている。この従来の冷凍機冷却型超電導磁石装置は、二段型のGM(ギフォード・マクマホン)冷凍機を用い、GM冷凍機の一段冷却ステージが熱シールド板に接続されて冷却し、第二段冷却ステージが伝熱板を介して超電導コイルを冷却するようになっている。
又、従来から、例えば、下記特許文献2に開示された低温冷却装置も知られている。この従来の低温冷却装置は、超電導コイルを液体ヘリウムで冷却し、熱シールド板を液体窒素で冷却されるようになっている。具体的に、従来の低温冷却装置では、超電導コイルはヘリウム液化機で液化された液体ヘリウムで冷却され、超電導コイルの周囲に配置される熱シールド板は液体窒素用冷凍機で冷却、再液化された液体窒素で冷却される。
更に、従来から、例えば、下記特許文献3に開示されたGM冷凍機も知られている。この従来のGM冷凍機は、二段型のシリンダを備えており、大径の第一シリンダ部と、小径の第二シリンダ部と、第一シリンダ部の低温端側に固定された第一コールドヘッドと、第二シリンダ部の低温端側に固定された第二コールドヘッドと、を備えている。
上記従来の冷凍機冷却型超電導磁石装置のように、被冷却物である超電導コイル(超電導磁石)は、一般に、熱容量が大きい。このため、超電導コイル(超電導磁石)を速やかに冷却するためには、第一冷却ステージ(第一コールドヘッド)の冷却能力を増加させて熱シールド板(輻射シールド)の温度を下げ、超電導コイル(超電導磁石)への熱進入量を低減する必要がある。
ここで、上記従来のGM冷凍機等の蓄冷型冷凍機に要求される極低温温度、吸熱量(冷却能力)を達成する場合は、作動ガス(主としてヘリウムガス)の圧力、駆動周波数の他に、膨張空間容積と蓄冷材容積、材質等を適切に選択する必要がある。このため、例えば、上記従来の冷凍機冷却型超電導磁石装置に対して上記従来のGM冷凍機を用いて超電導コイル(超電導磁石)を冷却する場合を想定すると、第一冷却ステージ(第一コールドヘッド)側の膨張空間容積を大きくすることが有効である。
しかしながら、この場合には、第二冷却ステージ(第二コールドヘッド)側の膨張空間容積が相対的に小さくなり、その結果、超電導コイル(超電導磁石)の冷却中(特に、予冷却中)における第二冷却ステージ(第二コールドヘッド)の冷却能力が低下して、超電導コイル(超電導磁石)の冷却(予冷却)に要する時間が長くなる可能性がある。冷却に要する時間を短縮する場合、上記従来の低温冷却装置のように、液体ヘリウムや液体窒素を用いることが可能であるが、装置の複雑化が懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。即ち、本発明の目的は、簡素な構成により、冷却に要する時間を短縮することが可能な蓄冷型冷凍機を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る蓄冷型冷凍機の発明は、大径の第一シリンダ部、及び、被冷却物に熱的に接触して第一シリンダ部よりも小径の第二シリンダ部を有する多段シリンダと、多段シリンダの内部を往復動可能に配置されて、作動ガスを膨張させて膨張仕事をさせるディスプレーサと、ディスプレーサを多段シリンダに対して相対的に移動させる駆動源と、を備えた蓄冷型冷凍機であって、第一シリンダ部の低温端側に固定されて第二シリンダ部よりも大径の第一コールドヘッドと、第二シリンダ部の被冷却物に熱的に接触する低温端側に固定されて第二シリンダ部よりも大径の第二コールドヘッドと、の間の温度差によって対流する作動流体が封入された対流室を備える。
これによれば、第一シリンダ部の低温端側に固定された第一コールドヘッドの冷却速度(単位時間当たりの温度低下割合)は、第二シリンダ部の低温端側、即ち、被冷却物に熱的に接触する第二コールドヘッドの冷却速度よりも速くなる。このため、被冷却物を冷却する場合、第一コールドヘッドは、第二コールドヘッドに比べて、早く冷却されて安定温度に達することができる。このように、第一コールドヘッドが第二コールドヘッドよりも早く冷却される状況において、対流室の内部に封入された作動流体のうち、第一コールドヘッドの近傍に存在する作動流体は、第二コールドヘッドの近傍に存在する作動流体よりも低温になる。
これにより、対流室に封入された作動流体は、第一コールドヘッドと第二コールドヘッドとの間の温度差によって対流室の内部にて対流を生じ、第一コールドヘッド側と第二コールドヘッド側との間で熱交換を促進し、第二コールドヘッドの冷却速度を速めることができる。従って、作動流体を封入する対流室を設けた簡素な構成によって、蓄冷型冷凍機の冷却に要する時間を大幅に短縮することができる。
以下、本発明の実施形態に係る蓄冷型冷凍機について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態及び変形例の相互において、互いに同一又は均等である部分には、同一の符号を付してある。又、説明に用いる各図は、概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
本実施形態において、蓄冷型冷凍機10は、図1に示すように、超電導磁石装置1に用いられる。超電導磁石装置1は、図示を省略する支持部材に固定された真空容器2と、真空容器2の内部に収容された輻射シールド3と、輻射シールド3の内部に収容された被冷却物である超電導磁石4と、超電導磁石4に熱的に接触する伝熱部材5と、から構成される。尚、以下の説明においては、超電導磁石装置1の構成及び作動についての詳細な説明を省略する。
真空容器2は、金属材料(例えば、ステンレス材)から形成されて内部が所定の真空度となるように真空に維持されており、収容している輻射シールド3、超電導磁石4及び伝熱部材5を真空により断熱するようになっている。輻射シールド3は、金属材料(例えば、アルミ材)から形成されて真空容器2と超電導磁石4との間に配置されており、真空容器2の外部即ち常温からの輻射による熱進入を防止する。超電導磁石4は、例えば、銅酸化物系の超電導線材を円環状に巻回して形成されており、冷却されることにより超電導状態で磁力を発生するものである。伝熱部材5は、高熱伝導性を有する金属材料(例えば、銅)から板状且つ円環状に形成されており、鉛直方向にて超電導磁石4の上面に配置されている。これにより、伝熱部材5は、冷却に際して、超電導磁石4の熱を蓄冷型冷凍機10に効率よく伝熱することができる。尚、超電導線材は、銅酸化物系に限らず、例えば、金属系超電導線材(二ホウ化マグネシウム等)であっても良い。
本実施形態の蓄冷型冷凍機10は、ギフォード・マクマホン冷凍機(GM冷凍機)であり、図1に示すように、鉛直方向に沿った軸線Jを有する略軸状に形成されている。蓄冷型冷凍機10は、真空容器2に対して、図示を省略する真空フランジを介して、気密的に組み付けられている。蓄冷型冷凍機10は、図2に示すように、多段シリンダ11と、ディスプレーサ12と、外筒13と、を備えている。又、蓄冷型冷凍機10は、図2及び図3に示すように、ディスプレーサ12を往復動させる駆動源20が接続されており、駆動源20は、クランクケース21と、連結ロッド22と、カムシャフト23と、駆動軸24と、駆動装置25と、圧力切替弁機構26と、圧縮機27と、を備えている。
多段シリンダ11は、金属材料(例えば、ステンレス材)から形成されており、有底筒状で内径が大径の第一シリンダ部11aと、有底筒状で第一シリンダ部11aよりも内径が小径の第二シリンダ部11bと、第一シリンダ部11aの低温端側に固定された第一コールドヘッド11cと、第二シリンダ部11bの低温端側に固定された第二コールドヘッド11dと、を備えている。第一コールドヘッド11c及び第二コールドヘッド11dは、高熱伝導性を有する金属材料(例えば、銅)から板状且つ円盤状に形成されている。第二コールドヘッド11dは、第一コールドヘッド11cに対して鉛直方向にて下側に配置され、伝熱部材5を介して超電導磁石4に熱的に接触している。
第一シリンダ部11aは、高温側にフランジ部11a1が設けられている。第一シリンダ部11aのフランジ部11a1と、後述するクランクケース21のフランジ部21aとが複数のボルト(図2を参照)により気密的に固定されている。
ディスプレーサ12は、樹脂材料から形成されており、大径の第一ピストン部121と、第一ピストン部121に一体に連結された小径の第二ピストン部122と、を有している。第一ピストン部121は、第一シリンダ部11aの内部に往復動可能に収容されている。第二ピストン部122は、第二シリンダ部11bの内部に往復動可能に収容されている。
第一ピストン部121は、有底筒状のピストン本体121aと、ピストン本体121aの開口を覆うようにピストン本体121aに固定されるキャップ121bと、を有している。第一ピストン部121の内部には、ピストン本体121aとキャップ121bとにより第一内部空間Aが形成されている。第一内部空間Aには、第一蓄冷器121cが収容されている。第一蓄冷器121cは、第一内部空間Aにおいて、複数の金網等の蓄冷材等によって構成されている。
ピストン本体121aは、高温側に壁部121a1を有し、壁部121a1には第一内部空間Aと外部(第一シリンダ部11aの高温端側の内部空間B0)とを連通させる貫通孔121a2が形成されている。ピストン本体121aの低温側の外周部には、第一内部空間Aと外部(第一シリンダ部11aの低温端側の内部空間B1)に連通する貫通孔121a3が形成されている。キャップ121bは、第二ピストン部122と気密的に連結した状態で、ピストン本体121aの第一内部空間Aと後述する第二ピストン部122の第二内部空間Cとを連通させる貫通孔121b1が形成されている。
内部空間BOは、第一シリンダ部11aの内部において、ピストン本体121aの壁部121a1と第一シリンダ部11aの高温端壁11a2との間に形成される空間であり、背面室B0と称する。内部空間B1は、第一シリンダ部11aの内部において、キャップ121bと第一シリンダ部11aの低温端壁11a3及び第一コールドヘッド11cとの間に形成される空間であり、第一膨張室B1と称呼する。
第二ピストン部122は、筒状のピストン本体122aと、ピストン本体122aの低温側の開口を覆うようにピストン本体122aに固定されるキャップ122bと、を有している。第二ピストン部122の内部には、ピストン本体122a、キャップ122b及び第一ピストン部121のキャップ121bにより、第二内部空間Cが形成されている。第二内部空間Cには、第二蓄冷器122cが収容されている。第二蓄冷器122cは、第二内部空間Cにおいて、微小な球状の蓄冷材や網状の蓄冷材等によって構成されている。
ピストン本体122aの低温側の外周部には、第二内部空間Cと外部(第二シリンダ部11bの低温端側の内部空間B2)とを連通させる貫通孔122a1が形成されている。内部空間B2は、第二シリンダ部11bの内部において、キャップ122bと第二シリンダ部11bの低温端壁11b1及び第二コールドヘッド11dとの間に形成される空間であり、第二膨張室B2と称する。
外筒13は、金属材料(例えば、ステンレス材)から形成されており、多段シリンダ11の第二シリンダ部11bの外径よりも大径となる内径を有している。外筒13は、図2に示すように、多段シリンダ11の第一コールドヘッド11cと第二コールドヘッド11dとを気密的に連結するように設けられており、少なくとも、第二シリンダ部11b、第一コールドヘッド11c及び第二コールドヘッド11dとともに対流室Dを構成している。対流室Dには、外筒13に設けられた封入管(図示省略)を介して作動流体Rが封入される。
作動流体Rは、具体例として、不活性ガスであるネオン(Ne)及びアルゴン(Ar)、並びに、窒素(N2)及び酸素(O2)のうちの少なくとも一つが選択される。尚、これら各物質の混合物を作動流体Rとすることも可能である。
これらの作動流体Rは、それぞれ、蒸発及び凝縮に関連する物理特性が異なる。これにより、作動流体Rが対流室Dの内部にて対流を生じ、凝縮して液化した作動流体Rが蒸発によって気化する際に放出(放熱)する放熱量の大きさ、及び、気化した作動流体Rが凝縮によって液化する際に吸収(吸熱)する吸熱量の大きさは、対流室Dの内部に封入される作動流体Rによって異なる。従って、被冷却物である超電導磁石4を作動前に予め冷却する温度である予冷却温度及び超電導磁石4を作動させる温度である作動温度に応じて、対流室Dの内部に封入される作動流体Rを適宜選択することにより、第一コールドヘッド11cと第二コールドヘッド11dとの間で行われる熱交換、即ち、熱輸送特性を調整することができる。
クランクケース21は、第一シリンダ部11aの高温端部であるフランジ部11a1及び高温端壁11a2に固定された金属製容器であって、内部に主に連結ロッド22及びカムシャフト23を収容している。クランクケース21には、内部と背面室B0とを連通させる貫通孔21a1が形成されている。貫通孔21a1は、軸線Jに沿ったディスプレーサ12の延伸方向(長手方向)、即ち、多段シリンダ11の低温側から高温側(又は高温側から低温側)に向かう方向に延びている。
クランクケース21は、ディスプレーサ12の延伸方向に直交する方向(後述する駆動軸24の軸方向)に対面する一方の側壁位置に開口部21bを有するとともに、開口部21bに対向する側壁21cに支持部21dを有している。開口部21bには、駆動装置25が嵌合されて固定されている。支持部21dは、側壁21cに設けられた窪みである。尚、後述するが、クランクケース21又は駆動装置25には、図3に示すように、高圧ポート31と、低圧ポート32と、背面室B0に繋がる流路33,34と、が形成されている。
連結ロッド22は、金属製のロッドヨークであって、貫通孔21a1を通って第一ピストン部121と後述するカムシャフト23の偏心部23bとを連結している。連結ロッド22は、図2に示すように、棒状の第一本体22aと、棒状の第二本体22bと、環状の環状部22cと、を備えている。第一本体22aの一端は、第一ピストン部121に固定され、第一本体22aの他端は、環状部22cと一体になっている。第二本体22bの一端は、環状部22cと一体になっており、第二本体22bの他端は、クランクケース21の支持部21dに設けられた凹部21eの内部に往復動可能に収容されている。環状部22cは、第一本体22aと第二本体22bとの間で且つクランクケース21の内部に位置している。環状部22cは、クランクケース21の開口部21bから支持部21dに向かって貫通する四角枠状に形成されている。
カムシャフト23は、鉄製の冷凍機カムであって、接続部23aと、偏心部23bと、延長部23cと、を備えている。接続部23aは、棒状の部材であって、一旦に駆動軸24が同軸的に嵌合する凹部23a1を有し、他端の回転中心から偏心した位置に偏心部23bに向かう方向に延びている。本実施形態では、接続部23aの一端は、クランクケース21の内部空間に位置している。
偏心部23bは、一端が接続部23a(凹部23a1)に一体に固定され、接続部23a及び駆動軸24の軸線に対して連結ロッド22の軸線Jの方向に沿って偏心(図2において上下方向に偏心)するようになっている。偏心部23bは、連結ロッド22の環状部22cの内側に挿通して係合しており、駆動軸24及び接続部23aの回転に伴って偏心して回転することにより連結ロッド22を軸線Jに沿った方向に移動させるようになっている。
延長部23cは、棒状の部材であって、偏心部23bの他端からクランクケース21の支持部21dまで、駆動軸24及び接続部23aと同軸的に延びている。延長部23cは、一端が偏心部23bの他端に固定され、他端が支持部21dに挿入されたベアリング21fを介して回転可能に支持されている。
駆動軸24は、鉄製のモータシャフトであって、モータである駆動装置25の駆動力をカムシャフト23に伝達するものである。駆動軸24は、カムシャフト23の接続部23aの凹部23a1に挿入されて嵌合固定される。駆動軸24は、接続部23a及び延長部23cと同軸上に配置されている。
駆動装置25は、モータであり、このモータのハウジング25aがクランクケース21の開口部21bに嵌合されて固定されている。これにより、ハウジング25aは、クランクケース21の側壁を構成する。駆動装置25は、ハウジング25aに対向するハウジング25bを有し、ロータ25cが一体に固定された駆動軸24の両端が、ハウジング25aに設けられたベアリング25d及びハウジング25bに設けられたベアリング25eによって回転可能に支持されている。
駆動装置25が駆動軸24を回転させると、駆動軸24の回転に連動してカムシャフト23が回転する。これにより、カムシャフト23の偏心部23bの回転に連動して連結ロッド22が往復動(図2において上下動)し、連結ロッド22の往復動に連動してディスプレーサ12が多段シリンダ11の内部で往復動する。
圧力切替弁機構26は、公知の構造を有しており、多段シリンダ11と圧縮機27との間に配置されていて、偏心部23bの回転に応じて開閉するバルブ機構である。圧力切替弁機構26は、図3に示すように、高圧側切替弁26aと、低圧側切替弁26bと、を備えている。高圧側切替弁26a及び低圧側切替弁26bは、それぞれ、カム26a1及びカム26b1を有している。カム26a1及びカム26b1は、カムシャフト23、より詳しくは、偏心部23bの回転に伴って押圧されることにより、開閉される。一サイクルにおいて、高圧側切替弁26aが開状態では低圧側切替弁26bが閉状態となり、高圧側切替弁26aが閉状態では低圧側切替弁26bが開状態となる。
高圧側切替弁26aは、高圧ポート31と流路33を接続し、カム26a1の押圧状態に応じて両者間の弁を開閉する。高圧ポート31は、作動ガス(例えば、ヘリウムガス)を圧縮する圧縮機27の吐出口27aと高圧側切替弁26aとを接続するための流路である。高圧側切替弁26aが開状態になると、高圧の作動ガスが圧縮機27から高圧ポート31、高圧側切替弁26a及び流路33を介して背面室B0に供給される。
低圧側切替弁26bは、クランクケース21の内部空間と流路34とを接続し、カム26b1の押圧状態に応じて両者間の弁を開閉する。クランクケース21の内部空間は、ハウジング25a内及び低圧ポート32を介して圧縮機27の吸入口27bに連通している。ここで、低圧ポート32は、圧縮機27の吸入口27bとクランクケース21の内部空間とを接続するための流路である。低圧側切替弁26bが開状態になると、低圧の作動ガスが、背面室B0から流路34、低圧側切替弁26b、クランクケース21の内部空間、及び、低圧ポート32を介して圧縮機27の吸入口27bに導入される。尚、圧縮機27は、作動ガスを圧縮する装置である。
蓄冷型冷凍機10即ちGM冷凍機の冷凍過程については公知であるため、以下に簡単に説明する。駆動装置25が作動すると、駆動軸24の回転がカムシャフト23に伝達される。これにより、カムシャフト23の偏心部23bに連結された連結ロッド22が往復動し、連結ロッド22に連結されたディスプレーサ12即ち第一ピストン部121及び第二ピストン部122が往復動する。又、カムシャフト23の偏心部23bによって圧力切替弁機構26のカム26a1及びカム26b1が押圧されることにより、背面室B0に圧縮機27によって圧縮されて高圧とされた作動ガスが給気又は排気される。
ディスプレーサ12が多段シリンダ11即ち第一シリンダ部11a及び第二シリンダ部11bの内部において往復動すると、第一膨張室B1及び第二膨張室B2において、作動ガスがそれぞれ膨張仕事(PV仕事)を行う。これにより、第一膨張室B1及び第二膨張室B2において、作動ガスが冷却作用を発揮する。そして、作動ガスが第一膨張室B1及び第二膨張室B2において冷却作用を発揮することにより、第一膨張室B1及び第二膨張室B2の外周側に設けられた第一コールドヘッド11c及び第二コールドヘッド11dが冷却される。
尚、この場合、PV仕事を行った作動ガスは、第一ピストン部121に設けられた貫通孔121a3を介して第一膨張室B1から第一内部空間Aに進入し、第一内部空間Aに収容された第一蓄冷器121cを冷却する。又、PV仕事によって冷却された作動ガスは、第二ピストン部122に設けられた貫通孔122a1を介して第二膨張室B2から第二内部空間Cに進入し、第二内部空間Cに収容された第二蓄冷器122cを冷却する。
ところで、図2に示すように、第一膨張室B1は大径の第一ピストン部121に対応して設けられ、第二膨張室B2は小径の第二ピストン部122に対応して設けられる。又、第二シリンダ部11bに設けられる第二コールドヘッド11dは、被冷却物である超電導磁石4に熱的に接触している。これらにより、作動ガスが第一膨張室B1及び第二膨張室B2のそれぞれにおいてPV仕事を行った場合、第一膨張室B1は第二膨張室B2に比べて単位時間当たりの冷却の変化を表す冷却速度が大きくなる。即ち、第一膨張室B1は、第二膨張室B2に比べて、早く温度が低下する。その結果、第一コールドヘッド11cは、第二コールドヘッド11dに比べて、早く冷却される。
蓄冷型冷凍機10においては、外筒13、第二シリンダ部11b、第一コールドヘッド11c及び第二コールドヘッド11dによって、対流室Dが画定される。そして、対流室Dには、作動流体Rとして、例えば、窒素(N2)が封入されている。上述したように、第一コールドヘッド11cが第二コールドヘッド11dよりも早く冷却されると、第一コールドヘッド11cが低温側になり第二コールドヘッド11dが相対的に高温側になる。
この場合、図4に示すように、対流室Dに封入された窒素(N2)は、高温側の第二コールドヘッド11dに接触して蒸発することによって気化し、上昇気流により低温側の第一コールドヘッド11cに向けて移動(上昇)する。上昇した窒素(N2)は、低温側の第一コールドヘッド11cに接触して冷却され凝縮することによって液化し、下降気流により高温側の第二コールドヘッド11dに向けて移動(降下)する。そして、降下した窒素(N2)は、高温側の第二コールドヘッド11dに接触することにより、再び気化し、低温側の第一コールドヘッド11cに向けて移動(上昇)する。
即ち、第一コールドヘッド11c及び第二コールドヘッド11dに温度差が生じている場合には、対流室Dの内部において、作動流体Rである窒素(N2)の対流が生じる。この対流において、液化した窒素(N2)が高温側の第二コールドヘッド11dに接触することにより蒸発によって潜熱を吸収して気化することにより、第二コールドヘッド11dの熱を吸熱する。即ち、対流室Dの内部に対流が生じた状況においては、作動流体Rである窒素(N2)の蒸発及び凝縮によって熱輸送が行われ、第一コールドヘッド11cに比べて高温の第二コールドヘッド11dが速やかに冷却される。
一方、第二コールドヘッド11dが窒素(N2)の蒸発によって冷却されると、液化した窒素(N2)の蒸発が抑えられる。これにより、図5に示すように、液化した窒素(N2)又は第二コールドヘッド11d温度低下に伴って一部が固化した窒素(N2)が、第二コールドヘッド11dの側に貯留される。そして、液化又は固化した窒素(N2)が第二コールドヘッド11dの側に貯留される状況においては、第一コールドヘッド11cに向けて移動(上昇)する気化した窒素(N2)が少なくなる。即ち、第一コールドヘッド11c及び第二コールドヘッド11dの間の温度差が小さくなると、対流室Dにおける対流が徐々に生じなくなる。
このように、第二コールドヘッド11dの冷却に伴って対流が生じなくなると、第一コールドヘッド11c及び第二コールドヘッド11dの温度変化が小さくなって冷却温度が安定する。ここで、対流室Dにおける対流が徐々に生じなくなる状態では、作動流体Rである窒素(N2)は、対流室Dにおいて液相、固相及び気相が存在するようになる。
従って、外筒13を設けることによって画定された対流室Dを有する蓄冷型冷凍機10においては、超電導磁石装置1の超電導磁石4を短時間で冷却し、超電導磁石4の立ち上げ時間を短縮することができる。以下、蓄冷型冷凍機10に外筒13を用いた対流室Dを設け、超電導磁石4を常温から冷却する過程での第一コールドヘッド11c及び第二コールドヘッド11dの温度推移について、図6を用いて説明する。尚、以下の説明において、外筒13の有無、即ち、対流室Dの有無を比較するために、外筒13を省略した(対流室Dを有していない)蓄冷型冷凍機を比較品として採用する。
図6において、a線(長破線)は比較品における第一コールドヘッドの温度推移を示し、b線(細破線)は比較品における第二コールドヘッドの温度推移を示す。又、図6において、c線(細実線)は作動流体Rとして窒素(N2)を蓄冷型冷凍機10の対流室Dの内部に封入した場合の第一コールドヘッド11cの温度推移を示し、d線(太実線)は作動流体Rとして窒素(N2)を対流室Dの内部に封入した場合の第二コールドヘッド11dの温度推移を示す。
一般に、超電導磁石4の熱容量は、輻射シールド3の熱容量に比べて極めて大きい。このため、図6のa線及びb線により示すように、対流室Dを有していない比較品の場合、超電導磁石4の予冷却において、蓄冷型冷凍機10の第一コールドヘッドの温度が安定してから、超電導磁石4に熱的に接触する第二コールドヘッドの温度が安定するまでに長時間を要する。即ち、比較品においては、図6にて時間t1として示すように、超電導磁石4の冷却に要する時間、具体的には、超電導磁石4の予冷却に要する時間が長くなる。
これに対して、蓄冷型冷凍機10は、作動流体Rである窒素(N2)が対流可能な対流室Dを備えている。これにより、上述したように、超電導磁石4から伝熱部材5を介して伝わった熱によって第二コールドヘッド11dの温度が窒素(N2)の沸点及び三重点よりも高い場合には、窒素(N2)が第二コールドヘッド11dの潜熱を吸収して気化して対流室Dの内部を第一コールドヘッド11cに向けて上昇し、窒素(N2)が第二コールドヘッド11dよりも低温の第一コールドヘッド11cに接触することにより潜熱を放出して液化する。そして、液化した窒素(N2)は対流室Dの内部を第二コールドヘッド11dに向けて下降し、再び、第二コールドヘッド11dの潜熱を吸収して第一コールドヘッド11cに向けて上昇する。即ち、作動流体Rである窒素(N2)が対流室Dの内部で対流を生じることにより、第二コールドヘッド11dの潜熱が第一コールドヘッド11cに向けて熱輸送される。
従って、図6のc線及びd線により示すように、蓄冷型冷凍機10が対流室Dを有する場合には、窒素(N2)の対流が生じることにより、第二コールドヘッド11dが第一コールドヘッド11cによって冷却されるため、第二コールドヘッド11dに伝熱部材5を介して熱的に接続された超電導磁石4が速やかに予冷却される。従って、図6にて時間t2として示すように、対流室Dを有する場合は、対流室Dを有していない比較品に比べて、温度が安定するまでの時間、換言すれば、超電導磁石4を予冷却する時間が大幅に短縮される。
ここで、第二コールドヘッド11dの温度が安定した後は、対流室Dの内部にて作動流体Rである窒素(N2)の対流が停止する。従って、図6にてd線により示すように、第二コールドヘッド11dの温度が所定の冷却温度まで低下した後は、第二コールドヘッド11dの温度が安定して推移する。
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態の蓄冷型冷凍機10は、大径の第一シリンダ部11a、及び被冷却物である超電導磁石4に熱的に接触して第一シリンダ部よりも小径の第二シリンダ部11bを有する多段シリンダ11と、多段シリンダ11の内部を往復動可能に配置されて、作動ガス(ヘリウムガス)を膨張させて膨張仕事(PV仕事)をさせるディスプレーサと12と、ディスプレーサ12を多段シリンダ11に対して相対的に移動させる駆動源20と、を備えた蓄冷型冷凍機であって、第一シリンダ部11aの低温端側に固定されて第二シリンダ部11bよりも大径の第一コールドヘッド11cと、第二シリンダ部11bの超電導磁石4に熱的に接触する低温端側に固定されて第二シリンダ部11bよりも大径の第二コールドヘッド11dと、の間の温度差によって対流する作動流体Rが封入された対流室Dを備える。この場合、対流室Dは、少なくとも、第二シリンダ部11bと、第一コールドヘッド11cと、第二コールドヘッド11dと、第二シリンダ部11bよりも大径で第一コールドヘッド11c及び第二コールドヘッド11dに気密的に接続される外筒13と、によって構成される。
又、この場合、ディスプレーサ12は、第一シリンダ部11aの内部を往復動可能に配置された大径の第一ピストン部121及び第二シリンダ部11bの内部を往復動可能に配置された小径の第二ピストン部122を有して作動ガスを膨張させて膨張仕事をさせるとともに、第一ピストン部121の内部に設けられた第一内部空間Aに収容されて作動ガスの膨張仕事によって冷却される蓄冷材を含んでなる第一蓄冷器121c及び第二ピストン部122の内部に設けられた第二内部空間Cに収容されて作動ガスの膨張仕事によって冷却される蓄冷材を含んでなる第二蓄冷器122cを有し、駆動源20は、多段シリンダ11の第一シリンダ部11aの側に固定されたクランクケース21と、クランクケース21に収容されるとともに、回転中心から偏心した偏心部23bを有するカムシャフト23と、ディスプレーサ12と偏心部23bとを連結させる連結ロッド22と、ディスプレーサ12を多段シリンダ11に対して相対的に移動させる駆動力を発生する駆動装置25(モータ)と、カムシャフト23と連結し駆動装置25の駆動力をカムシャフト23に伝達する駆動軸24と、作動ガスを圧縮する圧縮機27と、多段シリンダ11と圧縮機27との間に配置された圧力切替弁機構26と、を備える。
これらによれば、駆動源20の駆動力によってディスプレーサ12が多段シリンダ11に対して相対的に移動し、作動ガスが膨張仕事をして第一シリンダ部11a及び第二シリンダ部11bの低温端を冷却することができる。これにより、第一シリンダ部11aの低温端部に固定された第一コールドヘッド11c及び第二シリンダ部11bの低温端部に固定された第二コールドヘッド11dが冷却され、第二コールドヘッド11dに熱的に接触した超電導磁石4を冷却することができる。
対流室Dに封入された作動流体Rは、第一コールドヘッド11cと第二コールドヘッド11dとの間の温度差によって対流室Dの内部にて対流を生じ、第一コールドヘッド11c側と第二コールドヘッド11d側との間で熱交換を促進し、第二コールドヘッド11dの冷却速度を速めることができる。従って、外筒13を用いた簡素な構成によって作動流体Rを封入する対流室Dを形成することにより、蓄冷型冷凍機10の冷却に要する時間、具体的には、予冷却する時間を大幅に短縮することができる。
又、対流室Dの内部における作動流体Rの対流によって第二コールドヘッド11dが冷却されて、第一コールドヘッド11cと第二コールドヘッド11dとの間の温度差が小さくなると、対流室Dの内部における作動流体Rの対流が抑制される。具体的に、第二コールドヘッド11dの温度が低下することにより、作動流体Rの一部が液化又は固化することにより気化している作動流体Rが相対的に少なくなり、その結果、作動流体Rの対流が抑制される。これにより、第一コールドヘッド11c側と第二コールドヘッド11d側との間における作動流体Rによる熱交換は抑制されるため、第二コールドヘッド11dの温度を定常温度で安定的に維持することができる。
この場合、作動流体Rは、例えば、不活性ガスであるネオン(Ne)及びアルゴン(Ar)、並びに、窒素(N2)及び酸素(O2)のうちの少なくとも一つである。
これによれば、被冷却物である超電導磁石4の作動に必要な冷却温度に応じて作動流体Rを適宜選択することができ、対流室Dの内部を対流する作動流体Rの熱輸送効率(冷却効率)を適宜調整することができる。
又、これらの場合、第二コールドヘッド11dは、第一コールドヘッド11cに対して、鉛直方向にて下側に配置される。
これによれば、第一コールドヘッド11cの近傍に存在する作動流体Rが冷却されて凝縮して液化した場合、凝縮(液化)した作動流体Rは自重により速やかに第二コールドヘッド11dに向けて降下することができる。これにより、対流室Dの内部に気化した作動流体Rの上昇気流と凝縮(液化)した作動流体Rの下降気流とを確実に生じさせることができて、対流室Dの内部に対流を効率よく生じさせることができる。従って、第二コールドヘッド11dの冷却速度が大きくなり、超電導磁石4を速やかに且つ効率よく冷却することができるため、超電導磁石4を、例えば、液体ヘリウム等を用いて別途冷却する必要がなく、蓄冷型冷凍機10の構造を簡素化することができる。
(変形例)
上記実施形態の蓄冷型冷凍機10においては、対流室Dを形成する外筒13が軸線に沿った方向における径が一定となるようにした。これに代えて、蓄冷型冷凍機10が、図7に示すように、軸線に沿った方向において外径及び内径が周期的に変化する波形状(又は、螺旋状に変化するコルゲート形状)を有する外筒40を有することも可能である。このように、外筒40を、周期的に外径及び内径が変化する波形状(又は、螺旋状に外径及び内径が変化するコルゲート形状)に形成することにより、対流室Dの内部において作動流体Rの増大した圧力に対する剛性が増すため、外筒40の板厚(肉厚)を、例えば、外筒13の板厚(肉厚)に対して薄くすることができる。
上記実施形態の蓄冷型冷凍機10においては、対流室Dを形成する外筒13が軸線に沿った方向における径が一定となるようにした。これに代えて、蓄冷型冷凍機10が、図7に示すように、軸線に沿った方向において外径及び内径が周期的に変化する波形状(又は、螺旋状に変化するコルゲート形状)を有する外筒40を有することも可能である。このように、外筒40を、周期的に外径及び内径が変化する波形状(又は、螺旋状に外径及び内径が変化するコルゲート形状)に形成することにより、対流室Dの内部において作動流体Rの増大した圧力に対する剛性が増すため、外筒40の板厚(肉厚)を、例えば、外筒13の板厚(肉厚)に対して薄くすることができる。
本発明の実施に当たっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態及び上記変形例においては、蓄冷型冷凍機10が多段シリンダ11及びディスプレーサ12を有するギフォード・マクマホン(GM)冷凍機であるとした。これに代えて、多段シリンダを有するとともに他の駆動源を有する機械式冷凍機を備えた蓄冷型冷凍機、例えば、スターリング冷凍機や図8に示すパルス管冷凍機等を用いることが可能である。この場合においても、スターリング冷凍機やパルス管冷凍機が外筒13又は外筒40を用いて形成される対流室Dを有し、対流室Dの内部において作動流体Rが対流することにより、上記実施形態及び上記変形例と同等の効果が得られる。
又、上記実施形態及び上記変形例においては、軸線Jに直交する平面における断面円形の外筒13及び外筒40が第一コールドヘッド11cと第二コールドヘッド11dとを気密的に接続し、対流室Dを形成するようにした。これに代えて、外筒13及び外筒40の断面形状を、扁平(楕円状)に形成したり、多角形に形成したりすることも可能である。このように、外筒13及び外筒40の断面形状を変更した場合であっても、対流室Dの内部において作動流体Rを対流させて第一コールドヘッド11cと第二コールドヘッド11dとの間の熱交換を促進することができるため、上記実施形態及び上記変形例と同等の効果が期待できる。
1…超電導磁石装置、2…真空容器、3…輻射シールド、4…超電導磁石、5…伝熱部材、10…蓄冷型冷凍機、11…多段シリンダ、11a…第一シリンダ部、11a1…フランジ部、11a2…高温端壁、11a3…低温端壁、11b…第二シリンダ部、11b1…低温端壁、11c…第一コールドヘッド、11d…第二コールドヘッド、12…ディスプレーサ、121…第一ピストン部、121a…ピストン本体、121a1…壁部、121a2…貫通孔、121a3…貫通孔、121b…キャップ、121b1…貫通孔、121c…第一蓄冷器、122…第二ピストン部、122a…ピストン本体、122a1…貫通孔、122b…キャップ、122c…第二蓄冷器、13…外筒、20…駆動源、21…クランクケース、21a…フランジ部、21a1…貫通孔、21b…開口部、21c…側壁、21d…支持部、21e…凹部、21f…ベアリング、22…連結ロッド、22a…第一本体、22b…第二本体、22c…環状部、23…カムシャフト、23a…接続部、23a1…凹部、23b…偏心部、23c…延長部、24…駆動軸、25…駆動装置、25a…ハウジング、25b…ハウジング、25c…ロータ、25d…ベアリング、25e…ベアリング、26…圧力切替弁機構、26a…高圧側切替弁、26a1…カム、26b…低圧側切替弁、26b1…カム、27…圧縮機、27a…吐出口、27b…吸入口、31…高圧ポート、32…低圧ポート、33…流路、34…流路、40…外筒、R…作動流体、A…第一内部空間、B0…内部空間、B0…背面室、B1…第一膨張室、B1…内部空間、B2…第二膨張室、B2…内部空間、BO…内部空間、C…第二内部空間、D…対流室、J…軸線、t1…時間、t2…時間
Claims (5)
- 大径の第一シリンダ部、及び、被冷却物に熱的に接触して前記第一シリンダ部よりも小径の第二シリンダ部を有する多段シリンダと、
前記多段シリンダの内部を往復動可能に配置されて、作動ガスを膨張させて膨張仕事をさせるディスプレーサと、
前記ディスプレーサを前記多段シリンダに対して相対的に移動させる駆動源と、を備えた蓄冷型冷凍機であって、
前記第一シリンダ部の低温端側に固定されて前記第二シリンダ部よりも大径の第一コールドヘッドと、前記第二シリンダ部の前記被冷却物に熱的に接触する低温端側に固定されて前記第二シリンダ部よりも大径の第二コールドヘッドと、の間の温度差によって対流する作動流体が封入された対流室を備えた、蓄冷型冷凍機。 - 前記対流室は、少なくとも、
前記第二シリンダ部と、前記第一コールドヘッドと、前記第二コールドヘッドと、前記第二シリンダ部よりも大径で前記第一コールドヘッド及び前記第二コールドヘッドに気密的に接続される外筒と、によって構成される、請求項1に記載の蓄冷型冷凍機。 - 前記外筒は、
外径及び内径が軸線に沿った方向において周期的に又は螺旋状に変化する波形状を有する、請求項2に記載の蓄冷型冷凍機。 - 前記第二コールドヘッドは、
前記第一コールドヘッドに対して、鉛直方向にて下側に配置される、請求項1に記載の蓄冷型冷凍機。 - 前記ディスプレーサは、
前記第一シリンダ部の内部を往復動可能に配置された大径の第一ピストン部及び前記第二シリンダ部の内部を往復動可能に配置された小径の第二ピストン部を有して作動ガスに前記膨張仕事をさせるとともに、前記第一ピストン部の内部に設けられた第一内部空間に収容されて前記作動ガスの前記膨張仕事によって冷却される蓄冷材を含んでなる第一蓄冷器及び前記第二ピストン部の内部に設けられた第二内部空間に収容されて前記作動ガスの前記膨張仕事によって冷却される前記蓄冷材を含んでなる第二蓄冷器を有し、
前記駆動源は、
前記多段シリンダの前記第一シリンダ部の側に固定されたクランクケースと、
前記クランクケースに収容されるとともに、回転中心から偏心した偏心部を有するカムシャフトと、
前記ディスプレーサと前記偏心部とを連結させる連結ロッドと、
前記ディスプレーサを前記多段シリンダに対して相対的に移動させる駆動力を発生する駆動装置と、
前記カムシャフトと連結し前記駆動装置の前記駆動力を前記カムシャフトに伝達する駆動軸と、
前記作動ガスを圧縮する圧縮機と、
前記多段シリンダと前記圧縮機との間に配置された圧力切替弁機構と、
を備える、請求項1に記載の蓄冷型冷凍機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018009132A JP2019128082A (ja) | 2018-01-23 | 2018-01-23 | 蓄冷型冷凍機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018009132A JP2019128082A (ja) | 2018-01-23 | 2018-01-23 | 蓄冷型冷凍機 |
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JP2019128082A true JP2019128082A (ja) | 2019-08-01 |
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Family Applications (1)
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JP2018009132A Pending JP2019128082A (ja) | 2018-01-23 | 2018-01-23 | 蓄冷型冷凍機 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114829746A (zh) * | 2019-12-23 | 2022-07-29 | 松下知识产权经营株式会社 | 旋转机械及使用了该旋转机械的制冷装置 |
CN115461582A (zh) * | 2020-04-23 | 2022-12-09 | 住友重机械工业株式会社 | 超导磁铁装置、超低温制冷机及超导磁铁装置的冷却方法 |
-
2018
- 2018-01-23 JP JP2018009132A patent/JP2019128082A/ja active Pending
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