以下、ルーツポンプを具体化した一実施形態を図1〜図15にしたがって説明する。本実施形態のルーツポンプは、電動モータを駆動源とする電動ルーツポンプである。
図1に示すように、電動ルーツポンプ10のハウジング11は、モータハウジング12、ギアハウジング13、ロータハウジング14、及びカバー部材15を有する筒状である。モータハウジング12は、板状の底壁12aと、底壁12aの外周部から筒状に延びる周壁12bと、を有する有底筒状である。ギアハウジング13は、板状の底壁13aと、底壁13aの外周部から筒状に延びる周壁13bと、を有する有底筒状である。ギアハウジング13は、モータハウジング12の周壁12bの開口側に連結されている。ギアハウジング13の底壁13aは、モータハウジング12の周壁12bの開口を閉塞している。
ロータハウジング14は、板状の底壁14aと、底壁14aの外周部から筒状に延びる周壁14bと、を有する有底筒状である。ロータハウジング14は、ギアハウジング13の周壁13bの開口側に連結されている。ロータハウジング14の底壁14aは、ギアハウジング13の周壁13bの開口を閉塞している。カバー部材15は、板状である。カバー部材15は、ロータハウジング14の周壁14bの開口側に連結され、周壁14bを閉塞している。モータハウジング12の周壁12bの軸心方向、ギアハウジング13の周壁13bの軸心方向、及びロータハウジング14の周壁14bの軸心方向はそれぞれ一致している。
電動ルーツポンプ10は、ハウジング11に互いに平行に配置された状態で回転可能に支持される駆動軸16及び従動軸17を有している。駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向は、各周壁12b,13b,14bの軸心方向に一致している。駆動軸16には、円板状の駆動ギア18が固定されている。従動軸17には、駆動ギア18と噛合する円板状の従動ギア19が固定されている。駆動軸16には駆動ロータ20が設けられている。従動軸17には駆動ロータ20と噛合する従動ロータ21が設けられている。
電動ルーツポンプ10は、駆動軸16を回転させる電動モータ22を備えている。電動モータ22は、ハウジング11内に形成されたモータ室23に収容されている。モータ室23は、モータハウジング12の底壁12a、モータハウジング12の周壁12b、及びギアハウジング13の底壁13aによって区画されている。電動モータ22は、駆動軸16に一体回転可能に止着された円筒状のモータロータ22aと、モータハウジング12の周壁12bの内周面に固定されるとともにモータロータ22aを取り囲む円筒状のステータ22bと、を有している。ステータ22bは、図示しないティースに捲回されたコイル22cを有している。そして、電動モータ22は、コイル22cに電力が供給されることにより駆動して、モータロータ22aが駆動軸16と一体的に回転する。
ハウジング11内には、駆動ギア18及び従動ギア19を収容するギア室24が形成されている。ギア室24は、ギアハウジング13の底壁13a、ギアハウジング13の周壁13b、及びロータハウジング14の底壁14aによって区画されている。駆動ギア18及び従動ギア19は、互いに噛合した状態でギア室24に収容されている。ギア室24には、オイルが封入されている。オイルは、駆動ギア18及び従動ギア19の潤滑及び温度上昇の抑制に寄与する。駆動ギア18及び従動ギア19は、オイルに浸されながら回転することにより、焼き付いたり磨耗したりすることなく高速回転が可能になっている。
ハウジング11内には、駆動ロータ20及び従動ロータ21を収容するロータ室25が形成されている。ロータ室25は、ロータハウジング14の底壁14a、ロータハウジング14の周壁14b、及びカバー部材15によって区画されている。駆動ロータ20及び従動ロータ21は、互いに噛合した状態でロータ室25に収容されている。本実施形態において、モータ室23、ギア室24、及びロータ室25は、駆動軸16の回転軸線方向においてこの順に並んで配置されている。
ギアハウジング13の底壁13aは、駆動軸16の回転軸線方向でギア室24とモータ室23とを隔てている。ロータハウジング14の底壁14aは、駆動軸16の回転軸線方向でギア室24とロータ室25とを隔てる隔壁として機能している。よって、ハウジング11は、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向でギア室24とロータ室25とを隔てる隔壁を有している。
駆動軸16は、ギアハウジング13の底壁13a及びロータハウジング14の底壁14aを貫通している。従動軸17は、ロータハウジング14の底壁14aを貫通している。ギアハウジング13の底壁13aの内底面13eは、ギア室24における駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向でのモータ室23側の壁面を形成している。ロータハウジング14の底壁14aの外面14eは、ギア室24における駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向でのロータ室25側の壁面を形成する隔壁の端面である。
ギアハウジング13の底壁13aの内底面13eには、駆動軸16を回転可能に支持する第1軸受26を収容する円孔状の第1軸受収容凹部27が形成されている。駆動軸16は、第1軸受収容凹部27を貫通している。また、第1軸受収容凹部27の底面27aには、駆動軸16が貫通するとともにギア室24とモータ室23との間をシールする環状の第1シール部材28が収容される円孔状の第1シール収容凹部29が形成されている。第1シール収容凹部29は、第1軸受収容凹部27に連通している。また、駆動軸16の回転軸線方向における第1軸受26と第1軸受収容凹部27の底面27aとの間には、環状の第1スペーサ30が配置されている。
ロータハウジング14の底壁14aの外面14eには、駆動軸16及び従動軸17をそれぞれ回転可能に支持する軸受である第2軸受31及び第3軸受36を収容する軸受収容凹部である円孔状の第2軸受収容凹部32及び第3軸受収容凹部37がそれぞれ形成されている。駆動軸16は、第2軸受収容凹部32を貫通している。従動軸17は、第3軸受収容凹部37を貫通している。
第2軸受収容凹部32の底面32aには、駆動軸16が貫通するとともにギア室24とロータ室25との間をシールするシール部材である環状の第2シール部材33が収容されるシール収容孔である円孔状の第2シール収容凹部34が形成されている。第2シール収容凹部34は、第2軸受収容凹部32に連通している。また、駆動軸16の回転軸線方向における第2軸受31と第2軸受収容凹部32の底面32aとの間には、環状のスペーサとしての第2スペーサ35が配置されている。
第3軸受収容凹部37の底面37aには、従動軸17が貫通するとともにギア室24とロータ室25との間をシールするシール部材である環状の第3シール部材38が収容されるシール収容孔である円孔状の第3シール収容凹部39が形成されている。第3シール収容凹部39は、第3軸受収容凹部37に連通している。また、従動軸17の回転軸線方向における第3軸受36と第3軸受収容凹部37の底面37aとの間には、環状のスペーサとしての第3スペーサ40が配置されている。
ギアハウジング13の底壁13aの内底面13eには、従動軸17の一端部を回転可能に支持する第4軸受41を収容する円孔状の第4軸受収容凹部42が形成されている。従動軸17の一端部は、第4軸受収容凹部42内に配置され、第4軸受41に回転可能に支持されている。従動軸17の他端部は、第3軸受収容凹部37及び第3シール収容凹部39を貫通してロータ室25に突出している。従動軸17の他端部には従動ロータ21が取り付けられており、従動軸17の他端部は自由端になっている。よって、従動軸17は、ハウジング11に片持ち支持されている。
モータハウジング12の底壁12aの内底面12eには、駆動軸16の一端部を回転可能に支持する第5軸受43を収容する円筒状の軸受部44が形成されている。駆動軸16の一端部は、軸受部44の内側に配置され、第5軸受43に回転可能に支持されている。駆動軸16の他端部は、第1シール収容凹部29、第1軸受収容凹部27、ギア室24、第2軸受収容凹部32、及び第2シール収容凹部34を貫通してロータ室25に突出している。駆動軸16の他端部には駆動ロータ20が取り付けられており、駆動軸16の他端部は自由端になっている。よって、駆動軸16は、ハウジング11に片持ち支持されている。
図2に示すように、駆動ロータ20及び従動ロータ21は、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向に直交する断面視が二葉状(瓢箪状)に形成されている。駆動ロータ20は、二条の山歯20aと、両山歯20aの間に形成された谷歯20bと、を有している。従動ロータ21は、二条の山歯21aと、両山歯21aの間に形成された谷歯21bと、を有している。
そして、駆動ロータ20及び従動ロータ21は、駆動ロータ20の山歯20aと従動ロータ21の谷歯21bとの噛合、及び駆動ロータ20の谷歯20bと従動ロータ21の山歯21aとの噛合を繰り返しながらロータ室25内を回転可能になっている。駆動ロータ20は、図2に示す矢印R1の方向に回転し、従動ロータ21は、図2に示す矢印R2の方向へ回転する。
ロータハウジング14の周壁14bにおける重力方向Z1の下部には、吸入口45が形成されている。また、ロータハウジング14の周壁14bにおける重力方向Z1の上部には、吐出口46が形成されている。
電動モータ22の駆動によって駆動軸16が回転すると、互いに噛合された駆動ギア18及び従動ギア19のギア連結を介して従動軸17が駆動軸16に対して逆回転する。これにより、駆動ロータ20及び従動ロータ21が互いに噛合された状態でそれぞれ逆回転し、電動ルーツポンプ10は、駆動ロータ20及び従動ロータ21の回転によって、吸入口45を介したロータ室25への流体の吸入、及び吐出口46を介したロータ室25からの流体の吐出を行う。
図3に示すように、ギアハウジング13の底壁13aの内底面13eには、第1凹部51が形成されている。また、ロータハウジング14の底壁14aの外面14eには、第1凹部51と駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向で対向する第2凹部52が形成されている。
図4に示すように、第1凹部51は、ギアハウジング13の底壁13aの内底面13eにおいて、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線L1,L2よりも重力方向Z1の上側の部位に形成されている。
第1凹部51は、ギア室24の内周面を形成するギアハウジング13の周壁13bの内周面13cにおける重力方向Z1の上側の面131cに連続して駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向に延びる第1内面51aを有している。第1内面51aは、第1凹部51を駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たときに、ギアハウジング13の周壁13bの内周面13cにおける重力方向Z1の上側の面131cに沿って延びている。第1凹部51を駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たときの、第1内面51aの一端縁E1は、第4軸受収容凹部42に対して、重力方向Z1の上側に位置しており、第1内面51aの他端縁E2は、第1軸受収容凹部27に対して、重力方向Z1の上側に位置している。
第1凹部51は、第1内面51aの一端縁E1に連続するとともに一端縁E1から離間するにつれて第4軸受収容凹部42に向けて弧状に湾曲して延びる第2内面51bを有している。第2内面51bは、第1凹部51を駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たとき、第1内面51aの他端縁E2に対して離間する方向へ膨出する湾曲面である。
第1凹部51は、第2内面51bにおける第1内面51aとは反対側の端縁に連続するとともに第2内面51bから離間するにつれて第1軸受収容凹部27に向けて延びる第3内面51cを有している。第3内面51cは、第4軸受収容凹部42の内周面42bに沿って延びる弧状に湾曲する湾曲面である。
第1凹部51は、第1内面51aの他端縁E2に連続するとともに他端縁E2から離間するにつれて第1軸受収容凹部27に向けて弧状に湾曲して延びる第4内面51dを有している。第4内面51dは、第1凹部51を駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たとき、第1内面51aの一端縁E1に対して離間する方向へ膨出する湾曲面である。
第1凹部51は、第4内面51dにおける第1内面51aとは反対側の端縁に連続するとともに第4内面51dから離間するにつれて第4軸受収容凹部42に向けて延びる第5内面51eを有している。第5内面51eは、第1軸受収容凹部27の内周面27bに沿って延びる弧状に湾曲する湾曲面である。
第1凹部51は、第3内面51cにおける第2内面51bとは反対側の端縁と第5内面51eにおける第4内面51dとは反対側の端縁とを繋ぐ第6内面51fを有している。第6内面51fは、第1内面51aに対して離間する方向へ膨出する湾曲面である。第1凹部51を駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たときの第6内面51fの頂点は、第1凹部51における重力方向の最下部51gである。
図5に示すように、第2凹部52は、ロータハウジング14の底壁14aの外面14eにおいて、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線L1,L2よりも重力方向Z1の上側の部位に形成されている。
第2凹部52は、ギアハウジング13の周壁13bの内周面13c(図5において二点鎖線で示す)における重力方向Z1の上側の面131cに連続して駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向に延びる第1内面52aを有している。第1内面52aは、第2凹部52を駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たときに、ギアハウジング13の周壁13bの内周面13cにおける重力方向Z1の上側の面131cに沿って延びている。第2凹部52を駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たときの、第1内面52aの一端縁E11は、第2軸受収容凹部32に対して、重力方向Z1の上側に位置しており、第1内面52aの他端縁E12は、第3軸受収容凹部37に対して、重力方向Z1の上側に位置している。
第2凹部52は、第1内面52aの一端縁E11に連続するとともに一端縁E11から離間するにつれて第2軸受収容凹部32に向けて弧状に湾曲して延びる第2内面52bを有している。第2内面52bは、第2凹部52を駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たとき、第1内面52aの他端縁E12に対して離間する方向へ膨出する湾曲面である。
第2凹部52は、第2内面52bにおける第1内面52aとは反対側の端縁に連続するとともに第2内面52bから離間するにつれて第3軸受収容凹部37に向けて延びる第3内面52cを有している。第3内面52cは、第2軸受収容凹部32の内周面32bに沿って延びる弧状に湾曲する湾曲面である。
第2凹部52は、第1内面52aの他端縁E12に連続するとともに他端縁E12から離間するにつれて第3軸受収容凹部37に向けて弧状に湾曲して延びる第4内面52dを有している。第4内面52dは、第2凹部52を駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たとき、第1内面52aの一端縁E11に対して離間する方向へ膨出する湾曲面である。
第2凹部52は、第4内面52dにおける第1内面52aとは反対側の端縁に連続するとともに第4内面52dから離間するにつれて第2軸受収容凹部32に向けて延びる第5内面52eを有している。第5内面52eは、第3軸受収容凹部37の内周面37bに沿って延びる弧状に湾曲する湾曲面である。
第2凹部52は、第3内面52cにおける第2内面52bとは反対側の端縁と第5内面52eにおける第4内面52dとは反対側の端縁とを繋ぐ第6内面52fを有している。第6内面52fは、第1内面52aに対して離間する方向へ膨出する湾曲面である。第2凹部52を駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たときの第6内面52fの頂点は、第2凹部52における重力方向の最下部52gである。
図6に示すように、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向において、第1凹部51の第6内面51fと第2凹部52の第6内面52fとは、その一部分が交差している。そして、第1凹部51における重力方向の最下部51gと第2凹部52における重力方向の最下部52gとは、重力方向Z1において同じ高さに位置している。さらに、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たときに、両最下部51g,52gは、駆動ギア18と従動ギア19との噛合部47に対して重力方向Z1の上側に位置している。
駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たときに、第1凹部51の第1内面51aの一端縁E1と他端縁E2との間に第2凹部52の第1内面52aの他端縁E12が位置している。駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向から見たときに、第2凹部52の第1内面52aの一端縁E11と他端縁E12との間に第1凹部51の第1内面51aの他端縁E2が位置している。よって、第1凹部51の第4内面51dは、第2凹部52の第2内面52bよりも噛合部47に近い位置にあり、第2凹部52の第4内面52dは、第1凹部51の第2内面51bよりも噛合部47に近い位置にある。
本実施形態において、駆動ギア18は、図6に示す矢印R3の方向に回転し、従動ギア19は、図6に示す矢印R4の方向へ回転する。つまり、駆動ギア18及び従動ギア19は、ギアハウジング13の周壁13bの内周面13cにおける重力方向Z1の上側の面131cと下側の面132cとを接続する左右一対の円弧状の接続面133c,134cに対して、重力方向Z1の下側から上側に向けてそれぞれ回転するように、電動モータ22の駆動が制御されている。
ギア室24に封入されているオイルは、駆動ギア18及び従動ギア19の回転により、駆動ギア18と接続面133cとの隙間、及び従動ギア19と接続面134cとの隙間を介してギア室24の重力方向Z1の上側に向けて掻き上げられる。駆動ギア18によって掻き上げられたオイルと、従動ギア19によって掻き上げられたオイルとは、ギア室24内において、噛合部47に対して重力方向Z1の上方で互いに衝突して第1凹部51及び第2凹部52にそれぞれ流入する。
図7に示すように、第1凹部51の内面は、第1凹部51の底面51hと第6内面51fとを繋ぐ平坦面51kを有している。また、ギアハウジング13の底壁13aには、第1凹部51から第1シール収容凹部29へオイルを供給する第1油供給通路53が形成されている。第1油供給通路53は、第1孔53a及び第1溝53bから構成されている。第1孔53aは、直線状に延びるとともに一端が平坦面51kに開口し、他端が第1軸受収容凹部27の内周面27bにおける底面27a側の端部に開口している。第1孔53aの他端は、第1スペーサ30の外周面に対して駆動軸16の径方向で重なっている。第1溝53bは、第1軸受収容凹部27の底面27aに形成されており、一端が第1孔53aの他端に連通するとともに他端が第1シール収容凹部29に連通している。そして、第1凹部51内のオイルは、第1孔53a及び第1溝53bを介して第1シール収容凹部29に供給される。なお、第1孔53aの孔径は、第1凹部51に流入したオイルが第1凹部51に貯留可能な孔径に絞られている。
図8に示すように、ロータハウジング14の底壁14aには、第2凹部52から第2シール収容凹部34へオイルを供給する第2油供給通路54が形成されている。第2油供給通路54は、第2孔54a及び第2溝54bから構成されている。第2孔54aは、直線状に延びるとともに一端が第2凹部52の第6内面52fにおける第3内面52c寄りに開口し、他端が第2軸受収容凹部32の内周面32bにおける底面32a側の端部に開口している。第2孔54aの他端は、第2スペーサ35に対して駆動軸16の径方向で重なっている。第2溝54bは、第2軸受収容凹部32の底面32aに形成されており、一端が第2孔54aの他端に連通するとともに他端が第2シール収容凹部34に連通している。そして、第2凹部52内のオイルは、第2孔54a及び第2溝54bを介して、第2軸受収容凹部32及び第2シール収容凹部34に供給される。よって、第2油供給通路54は、第2軸受収容凹部32の内周面32bであって第2軸受31と第2シール部材33との間にある部位に一端が繋がっているとともに第2軸受収容凹部32内にオイルを供給する油供給通路である。なお、第2孔54aの孔径は、第2凹部52に流入したオイルが第2凹部52に貯留可能な孔径に絞られている。
図9に示すように、ロータハウジング14の底壁14aには、第2凹部52から第3シール収容凹部39へオイルを供給する第3油供給通路55が形成されている。第3油供給通路55は、第3孔55a及び第3溝55bから構成されている。第3孔55aは、直線状に延びるとともに一端が第2凹部52の第6内面52fにおける第5内面52e寄りに開口し、他端が第3軸受収容凹部37の内周面37bにおける底面37a側の端部に開口している。第3孔55aの他端は、第3スペーサ40に対して従動軸17の径方向で重なっている。第3溝55bは、第3軸受収容凹部37の底面37aに形成されており、一端が第3孔55aの他端に連通するとともに他端が第3シール収容凹部39に連通している。そして、第2凹部52内のオイルは、第3孔55a及び第3溝55bを介して、第3軸受収容凹部37及び第3シール収容凹部39に供給される。よって、第3油供給通路55は、第3軸受収容凹部37の内周面37bであって第3軸受36と第3シール部材38との間にある部位に一端が繋がっているとともに第3軸受収容凹部37内にオイルを供給する油供給通路である。なお、第3孔55aの孔径は、第2凹部52に流入したオイルが第2凹部52に貯留可能な孔径に絞られている。
次に、本実施形態の第2スペーサ35及び第3スペーサ40の構成について説明する。なお、第2スペーサ35の構成と第3スペーサ40の構成とは同じであるため、以下の説明では、第2スペーサ35の構成のみを説明し、第3スペーサ40の構成の説明を省略する。
図10、図11及び図12に示すように、第2スペーサ35は、第2軸受収容凹部32の底面32a及び第2軸受31のうち一方に接触する第1接触面61aを有する第1外層部61と、第2軸受収容凹部32の底面32a及び第2軸受31のうち他方に接触する第2接触面62aを有する第2外層部62と、を有している。第1外層部61及び第2外層部62は、平板状である。第1外層部61及び第2外層部62は、第2スペーサ35の周方向に交互に3つずつ配置されるとともに第2スペーサ35の中心軸線方向において互いに異なる位置にあるよう離れている。第2スペーサ35の中心軸線方向とは、第2スペーサ35の中心軸線L3が延びる方向である。第2スペーサ35の中心軸線方向は、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向に一致する。
また、第2スペーサ35は、第2スペーサ35の周方向で第1外層部61と第2外層部62との間に位置する中間層部63を6つ有している。各中間層部63は、第2スペーサ35の中心軸線方向で第1外層部61に対して第2軸受収容凹部32の底面32a及び第2軸受31の一方とは反対側であって、且つ第2外層部62に対して第2軸受収容凹部32の底面32a及び第2軸受31の他方とは反対側に位置する。つまり、中間層部63は、第2スペーサ35の中心軸線方向で第1外層部61と第2外層部62との間に位置している。中間層部63は、平板状である。第1外層部61、第2外層部62、及び中間層部63における第2スペーサ35の中心軸線方向の厚みは同じであって、それぞれの外周面における中心軸線方向の幅も同じである。第1外層部61、第2外層部62、及び中間層部63それぞれの外周面における第2スペーサ35の中心軸線方向の幅は、第2軸受収容凹部32の内周面32bにある第2油供給通路54の開口部54e(図8参照)の駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向における長さH1よりも短い。つまり、第2スペーサ35の外周面における中心軸線方向の幅は、どの部位においても、第2軸受収容凹部32の内周面32bにある第2油供給通路54の開口部54eの駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向における長さH1よりも短い。
第2スペーサ35は、各第1外層部61における第2スペーサ35の周方向両側にそれぞれ位置する端縁と、第2スペーサ35の周方向で各第1外層部61の両側に位置する各中間層部63とをそれぞれ連結する一対の連結部64を有している。一対の連結部64は湾曲板状である。
第2スペーサ35は、各第2外層部62における第2スペーサ35の周方向両側にそれぞれ位置する端縁と、第2スペーサ35の周方向で各第2外層部62の両側に位置する各中間層部63とをそれぞれ連結する一対の連結部65を有している。一対の連結部65は湾曲板状である。
第2スペーサ35は、第1外層部61、連結部64、中間層部63、連結部65、第2外層部62、連結部65、中間層部63、及び連結部64からなる組が、第2スペーサ35の周方向で3組存在することにより環状に形成されている。
各中間層部63の外周面には、第2軸受収容凹部32の内周面32bに接することでガイドされるガイド部66が突出している。各ガイド部66は、その外周面における中心軸線方向の幅が各中間層部63におけるそれと同じ幅である平板状である。各ガイド部66の外周面66aは、第2軸受収容凹部32の内周面32bに沿って延びている。
第2スペーサ35は、第2シール部材33に接しているとともに第2シール部材33における第2シール収容凹部34から第2軸受31に向けた動きを拘束する抜け止め部67を内周側に有している。抜け止め部67は、各第1外層部61及び各第2外層部62の内周面の双方からそれぞれ突出している。各抜け止め部67は、その外周面における中心軸線方向の幅が各第1外層部61及び各第2外層部62におけるそれと同じ幅である平板状である。本実施形態の第2スペーサ35は、平板状の金属板をプレス成型することにより形成されている。
第2スペーサ35は、各中間層部63のガイド部66が第2軸受収容凹部32の内周面32bにガイドされながら、第2軸受収容凹部32内に収容される。そして、図13に示すように、各第1外層部61の第1接触面61aが第2軸受収容凹部32の底面32aに接触するとともに、図14に示すように、各第2外層部62の第2接触面62aが第2軸受31に接触した状態で、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向における第2軸受31と第2軸受収容凹部32の底面32aとの間に配置される。
このとき、図8に示すように、各中間層部63は、第2スペーサ35における第2スペーサ35の中心軸線方向で各第1外層部61に対して第2軸受収容凹部32の底面32aとは反対側であって、且つ各第2外層部62に対して第2軸受31とは反対側に位置している。つまり、中間層部63は、第2スペーサ35の中心軸線方向で第1外層部61と第2外層部62との間に位置している。よって、第2軸受収容凹部32の内周面32bと底面32aとの間の角部68がアール形状になっていても、各中間層部63は、第2軸受収容凹部32の角部68に干渉してしまうことが回避されている。
そして、図13に示すように、各第1外層部61の内周面から突出している抜け止め部67は、第2シール部材33に接しているとともに第2シール部材33における第2シール収容凹部34から第2軸受31に向けた動きを拘束する。よって、ロータ室25の圧力が上昇しても、第2シール部材33が第2軸受31に向けて移動して、第2シール部材33が第2軸受31に接触してしまうことが抑制されている。
図15(a)に示すように、例えば、第1外層部61が第2油供給通路54の開口部54eと駆動軸16の径方向で重なっていたとしても、第2油供給通路54の開口部54eから流出するオイルは、第1外層部61と第2軸受31との間を介して第2軸受31と第2シール部材33との間に供給される。
図15(b)に示すように、例えば、第2外層部62が第2油供給通路54の開口部54eと駆動軸16の径方向で重なっていたとしても、第2油供給通路54の開口部54eから流出するオイルは、第2外層部62と第2軸受収容凹部32の底面32aとの間を介して第2軸受31と第2シール部材33との間に供給される。
図15(c)に示すように、例えば、中間層部63が第2油供給通路54の開口部54eと駆動軸16の径方向で重なっていたとする。この場合であっても、第2油供給通路54の開口部54eから流出するオイルは、中間層部63と第2軸受31との間、及び中間層部63と第2軸受収容凹部32の底面32aとの間を介して第2軸受31と第2シール部材33との間に供給される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
電動ルーツポンプ10の運転時では、駆動ギア18及び従動ギア19がギア室24内のオイルを掻き上げることにより、オイルが第1凹部51及び第2凹部52に流入する。具体的には、ギア室24に封入されているオイルは、駆動ギア18及び従動ギア19の回転により、駆動ギア18と接続面133cとの隙間、及び従動ギア19と接続面134cとの隙間を介してギア室24の重力方向Z1の上側に向けて掻き上げられる。駆動ギア18によって掻き上げられたオイルと、従動ギア19によって掻き上げられたオイルとは、ギア室24内において、噛合部47に対して重力方向Z1の上方で互いに衝突して第1凹部51及び第2凹部52にそれぞれ流入する。
このとき、第1凹部51の第4内面51dは、第2凹部52の第2内面52bよりも噛合部47に近い位置にあり、第2凹部52の第4内面52dは、第1凹部51の第2内面51bよりも噛合部47に近い位置にある。よって、第1凹部51の第4内面51d及び第2凹部52の第4内面52dは、噛合部47に対して重力方向Z1の上方で互いに衝突して飛散したオイルを受け止めて、第1凹部51及び第2凹部52における駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向への流れを促進させる。これにより、第1凹部51及び第2凹部52にオイルが貯留され易くなる。
図6において仮想線で示すように、電動ルーツポンプ10の運転停止時において、ギア室24内のオイルの液面L10が、例えば、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線L1,L2付近に位置するまで、ギア室24内にオイルが封入されていたとする。この場合であっても、電動ルーツポンプ10の運転時においては、ギア室24内のオイルが第1凹部51及び第2凹部52に流入する分だけ、図6において実線で示すように、ギア室24内のオイルの液面L10が下がる。したがって、駆動ギア18及び従動ギア19の撹拌抵抗が低減される。
第1凹部51に流入したオイルは第1油供給通路53を介して第1シール収容凹部29に供給され、第2凹部52に流入したオイルは第2油供給通路54を介して第2シール収容凹部34に供給されるとともに第3油供給通路55を介して第3シール収容凹部39に供給される。このとき、第1凹部51における重力方向Z1の最下部51gと第2凹部52における重力方向Z1の最下部52gとが重力方向Z1において同じ高さに位置しているため、ギア室24から第1凹部51及び第2凹部52にオイルが均等に分配され易くなっている。よって、第1シール収容凹部29、第2シール収容凹部34、及び第3シール収容凹部39にそれぞれ収容されている第1シール部材28、第2シール部材33、及び第3シール部材38へオイルが安定供給される。
また、第1油供給通路53の第1溝53bは、第1軸受収容凹部27の底面27aに形成されているため、重力に従って第1凹部51から第1孔53aを介して第1溝53bから流れ出るオイルは、第1軸受収容凹部27にも供給される。よって、第1軸受26へオイルが安定供給される。第2油供給通路54の第2溝54bは、第2軸受収容凹部32の底面32aに形成されているため、重力に従って第2凹部52から第2孔54aを介して第2溝54bから流れ出るオイルは、第2軸受収容凹部32にも供給される。よって、第2軸受31へオイルが安定供給される。第3油供給通路55の第3溝55bは、第3軸受収容凹部37の底面37aに形成されているため、重力に従って第2凹部52から第3孔55aを介して第3溝55bから流れ出るオイルは、第3軸受収容凹部37にも供給される。よって、第3軸受36へオイルが安定供給される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。なお、以下で説明する(1)〜(4)の効果は、第2スペーサ35に関する効果のみを記載しているが、第3スペーサ40に関する効果も(1)〜(4)と同様である。
(1)第1外層部61及び第2外層部62は、第2スペーサ35の周方向に交互に複数配置されるとともに第2スペーサ35の中心軸線において互いに異なる位置にあるよう離れている。さらに、第2スペーサ35の外周面における中心軸線方向の幅は、第1外層部61や第2外層部62を含めどの部位においても、第2軸受収容凹部32の内周面32bにある第2油供給通路54の開口部54eの駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向における長さH1よりも短い。このため、例えば、第1外層部61が第2油供給通路54の開口部54eと駆動軸16の径方向で重なっていたとしても、第2油供給通路54の開口部54eから流出するオイルが、第1外層部61と第2軸受31との間を介して第2軸受31と第2シール部材33との間に供給される。また、例えば、第2外層部62が第2油供給通路54の開口部54eと駆動軸16の径方向で重なっていたとしても、第2油供給通路54の開口部54eから流出するオイルは、第2外層部62と第2軸受収容凹部32の底面32aとの間を介して第2軸受31と第2シール部材33との間に供給される。よって、第2スペーサ35を配置する際には、第2油供給通路54の開口部54eに対して、第2スペーサ35の周方向で位置合わせしながら配置する必要が無いため、第2スペーサ35の配置作業が煩雑なものとなることが無い。そして、第2軸受31と第2シール部材33との間にオイルが供給されることにより、第2シール部材33へオイルが供給される。以上のことから、第2スペーサ35の配置作業を容易なものとしつつも、第2シール部材33へオイルを安定供給することができる。
(2)各中間層部63の外周面にはガイド部66が突出している。これによれば、各中間層部63のガイド部66が第2軸受収容凹部32の内周面32bに接することでガイドされることにより、第2軸受収容凹部32内での第2スペーサ35の径方向の位置精度が向上する。そして、中間層部63は、第2スペーサ35の中心軸線方向で第1外層部61と第2外層部62との間に位置している。よって、第2軸受収容凹部32の角部68がアール形状になっていても、各中間層部63が、第2軸受収容凹部32の角部68に干渉してしまうことを回避することができる。よって、第2軸受収容凹部32の角部68に干渉してしまうことを回避するために、例えば、第2スペーサ35の外周面に面取り加工を予め施す必要が無く、第2スペーサ35の製造を容易なものとすることができる。
(3)例えば、抜け止め部を、中間層部63の内周面から突出させる場合、抜け止め部の先端が、第1接触面61a又は第2接触面62aと同一平面上に位置するように、抜け止め部を屈曲形成する必要があるため、第2スペーサ35の製造が複雑なものとなる。しかし、本実施形態では、抜け止め部67が、第1外層部61及び第2外層部62の内周面から突出していることにより、抜け止め部67を屈曲形成する必要が無いため、第2スペーサ35の製造を容易なものとすることができる。
(4)抜け止め部67は、第1外層部61及び第2外層部62の内周面の双方から突出している。これによれば、第2スペーサ35を配置する際に、第2スペーサ35の表裏関係無く配置することができる。よって、第2スペーサ35の配置作業をさらに容易なものとすることができる。
(5)電動ルーツポンプ10の運転時においては、ギア室24内のオイルが第1凹部51及び第2凹部52に流入する分だけ、ギア室24内のオイルの液面L10が下がるため、駆動ギア18及び従動ギア19の撹拌抵抗を低減することができる。
(6)第1凹部51における重力方向Z1の最下部51gと第2凹部52における重力方向Z1の最下部52gとが重力方向Z1において同じ高さに位置しているため、ギア室24から第1凹部51及び第2凹部52にオイルを均等に分配し易くすることができる。
(7)第1凹部51の第4内面51dは、第2凹部52の第2内面52bよりも噛合部47に近い位置にあり、第2凹部52の第4内面52dは、第1凹部51の第2内面51bよりも噛合部47に近い位置にある。これによれば、第1凹部51の第4内面51d及び第2凹部52の第4内面52dは、噛合部47に対して重力方向Z1の上方で互いに衝突して飛散したオイルを受け止めて、第1凹部51及び第2凹部52における駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向への流れを促進させる。よって、第1凹部51及び第2凹部52にオイルを貯留し易くすることができる。
(8)第1油供給通路53の第1溝53bは、第1軸受収容凹部27の底面27aに形成されているため、第1凹部51から第1孔53aを介して第1溝53bから流れ出るオイルは、第1軸受収容凹部27にも供給される。また、第2油供給通路54の第2溝54bは、第2軸受収容凹部32の底面32aに形成されているため、第2凹部52から第2孔54aを介して第2溝54bから流れ出るオイルは、第2軸受収容凹部32にも供給される。さらに、第3油供給通路55の第3溝55bは、第3軸受収容凹部37の底面37aに形成されているため、第2凹部52から第3孔55aを介して第3溝55bから流れ出るオイルは、第3軸受収容凹部37にも供給される。よって、第1軸受26、第2軸受31、及び第3軸受36へオイルを安定供給することができ、第1軸受26、第2軸受31、及び第3軸受36の潤滑及び温度上昇の抑制がなされる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図16に示すように、抜け止め部67が、各中間層部63の内周面から突出していてもよい。この場合、各抜け止め部67の先端が、第1接触面61a又は第2接触面62aと同一平面上に位置するように、各抜け止め部67をそれぞれ屈曲形成するとよい。具体的には、複数の抜け止め部67の少なくとも一つを、その先端が第1接触面61aと同一平面上に位置するように屈曲形成するとともに、複数の抜け止め部67の少なくとも一つを、その先端が第2接触面62aと同一平面上に位置するように屈曲形成する。これによれば、例えば、第2スペーサ35を配置する際に、第2スペーサ35の表裏関係無く配置することができる。よって、第2スペーサ35の配置作業をさらに容易なものとすることができる。
○ 実施形態において、抜け止め部67は、第1外層部61の内周面から突出しており、第2外層部62の内周面から突出していなくてもよい。また、抜け止め部67は、第1外層部61の内周面から突出しておらず、第2外層部62の内周面から突出していてもよい。要は、抜け止め部67は、第1外層部61及び第2外層部62の少なくとも一方の内周面から突出していればよい。
○ 実施形態において、第1外層部61及び第2外層部62は、第2スペーサ35及び第3スペーサ40の周方向に交互に複数配置されていればよく、その数は特に限定されるものではない。よって、中間層部63の数も第1外層部61及び第2外層部62の数によって適宜変更される。
○ 実施形態において、第2スペーサ35及び第3スペーサ40は、中間層部63を有していなくてもよく、第1外層部61及び第2外層部62が周方向で繰り返し存在する環状であってもよい。
○ 実施形態において、第2スペーサ35及び第3スペーサ40は、例えば、周方向で第2外層部62と中間層部63との間に第4層部を有していてもよい。第4層部は、第2スペーサ35及び第3スペーサ40における中心軸線方向で、第1外層部61、第2外層部62、及び中間層部63に対してずれている。
○ 実施形態において、第1凹部51における重力方向Z1の最下部51gと第2凹部52における重力方向Z1の最下部52gとが重力方向Z1において互いに異なる高さに位置していてもよい。
○ 実施形態において、第1凹部51の第1内面51a及び第2凹部52の第1内面52aに多数の突起を設けて、第1凹部51及び第2凹部52に流入したオイルを、表面張力によって第1凹部51の第1内面51a及び第2凹部52の第1内面52aに付着させるようにしてもよい。これによれば、第1凹部51及び第2凹部52にオイルを貯留し易くすることができる。
○ 実施形態において、例えば、第1凹部51の第4内面51dが、第2凹部52の第2内面52bと駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向で重なる位置にあってもよい。また、例えば、第2凹部52の第4内面52dが、第1凹部51の第2内面51bと駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向で重なる位置にあってもよい。
○ 実施形態において、ギア室24内に封入されているオイルとは別のオイルが、第1油供給通路53、第2油供給通路54、及び第3油供給通路55を介して第1シール部材28、第2シール部材33、及び第3シール部材38へ供給される構成であってもよい。
○ 実施形態において、駆動ロータ20及び従動ロータ21は、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向に直交する断面視が、例えば、三葉状であったり、四葉状であったりしてもよい。
○ 実施形態において、駆動ロータ20及び従動ロータ21が、例えば、ヘリカル形状であってもよい。
○ 実施形態において、ロータ室25が、駆動軸16の回転軸線方向でモータ室23とギア室24との間に配置されていてもよい。すなわち、モータ室23、ロータ室25、及びギア室24が、駆動軸16の回転軸線方向においてこの順に並んで配置されていてもよい。
○ 実施形態において、例えば、エンジンを駆動源とするルーツポンプであってもよい。