JP2019127242A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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達矢 樋口
Tatsuya Higuchi
達矢 樋口
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Abstract

【課題】低圧時の操縦安定性能と通常空気圧時のウエット制動性能とを両立させることのできるランフラットタイヤを提供する。【解決手段】本ランフラットタイヤは、タイヤ幅方向両側のサイドウォール部に子午断面が略三日月形状の補強ゴム層が配置されるランフラットタイヤであり、タイヤの内圧が低下した時にトレッド部2のトレッド面において接地圧が高くなる高接地圧領域26に設けられたラグ溝24、25と、ラグ溝24、25に設けられた凸部B1およびB2とを有し、凸部B1およびB2は、トレッド部2のトレッド面の平面視において溝の溝壁の一方から他方に向けて突出する形状である。高接地圧領域26は、正規内圧および正規荷重が付与されている状態においてタイヤ赤道面から接地端まで距離の90%以上120%以下の領域である。【選択図】図2

Description

本発明は、ランフラットタイヤに関する。
空気入りタイヤは、リムに組み付けられ、内部に空気を充填した状態で車両に装着され、内部の空気圧によって車両走行時の荷重を受ける。空気入りタイヤは、パンクなどによって内部の空気が漏出した低圧状態の場合、荷重を受けることが困難になる。つまり、空気圧によって支持していた荷重をサイドウォール部で支持することになるため、サイドウォール部が大きく変形し、走行が困難になる。
このため、パンクなどによって空気が漏出した状態における走行、いわゆるランフラット走行が可能な空気入りタイヤとして、ランフラットタイヤが知られている(例えば、特許文献1)。ランフラットタイヤは、サイドウォール部の内側に補強ゴム層を配設し、サイドウォール部の曲げ剛性を向上させたタイヤである。すなわち、空気入りタイヤに充填された空気が漏出し、大きな荷重がサイドウォール部に作用する場合でも、サイドウォール部の変形を抑制することで走行を行うことができる。
特開2012−171373号公報
ところで、ランフラットタイヤでは空気圧が適正である通常空気圧時のみでなく、空気圧が低下した低圧状態においても安全に走行できる必要がある。しかし、一般的に低圧状態においてはトレッド部がタイヤ周方向内側に凹むバックリングが発生する。
また、ランフラットタイヤについては、低圧状態での操縦安定性能が向上しても、通常空気圧時にウエット制動性能などが低下することは好ましくない。上述したランフラットタイヤは、低圧時の操縦安定性能と通常空気圧時のウエット制動性能とを両立させることについて改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、低圧時の操縦安定性能と通常空気圧時のウエット制動性能とを両立させることのできるランフラットタイヤを提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のある態様によるランフラットタイヤは、タイヤ幅方向両側のサイドウォール部に子午断面が略三日月形状の補強ゴム層が配置されるランフラットタイヤであって、タイヤの内圧が低下した低下状態でトレッド面において接地圧が高くなる高接地圧領域に設けられた溝と、前記溝に設けられた凸部とを有し、前記凸部は、前記トレッド面の平面視において前記溝の溝壁の一方から他方に向けて突出する形状である。
前記高接地圧領域は、正規内圧および正規荷重が付与されている状態においてタイヤ赤道面から接地端まで距離の90%以上120%以下の領域である。
前記溝は、ラグ溝であってもよい。
同一ブロックにおける周方向ブロック長の最大値Lmaxと最小値Lminとの関係は、1.05≦Lmax/Lmin≦1.25を満たすことが好ましい。
前記溝において、前記凸部が設けられて溝幅が他の部分よりも狭い部分の前記溝の延在方向に垂直な方向の断面積S1と、前記他の部分の前記溝の延在方向に垂直な方向の断面積S0との関係は、0.9≦S1/S0≦1.1を満たすことが好ましい。
前記狭い部分の溝深さH1と、前記他の部分の溝深さH0との関係は、1.1≦H1/H0を満たすことが好ましい。
前記溝のタイヤ周方向長さの最小値Xminと前記溝の溝幅X0との関係は、0.3≦Xmin/X0≦0.8を満たすことが好ましい。
前記凸部は、前記溝の両側の溝壁のうちの一方のみから突出し、かつ、前記溝の両側の溝壁同士の間の中心線を越えて突出していてもよい。
前記凸部は、前記溝の両側の溝壁からそれぞれ突出していてもよい。
前記溝の両側の溝壁からそれぞれ突出している前記凸部は、タイヤ幅方向の位置が互いに異なり、かつ、前記両側の溝壁同士の間の中心線を越えて突出していてもよい。
本発明によれば、低圧時の操縦安定性能と通常空気圧時のウエット制動性能とを両立させることができる。
図1は、本実施形態に係るランフラットタイヤの子午断面図である。 図2は、本実施形態のランフラットタイヤのトレッド面の例を示す平面図である。 図3Aは、ランフラットタイヤの通常空気圧時の接地形状の例を示す図である。 図3Bは、ランフラットタイヤの低圧状態での接地形状の例を示す図である。 図4Aは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図4Bは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図4Cは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図4Dは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図4Eは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図4Fは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図5Aは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図5Bは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図5Cは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図5Dは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図5Eは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図5Fは、ラグ溝に配置される凸部の例を示す図である。 図6は、ラグ溝同士の間の陸部の周方向長さを示す図である。 図7は、ラグ溝同士の間の陸部の周方向長さを示す図である。 図8Aは、凸部の断面の一例を示す図である。 図8Bは、凸部の断面の他の例を示す図である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の各実施形態の説明において、他の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。各実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の省略、置換又は変更を行うことができる。
図1は、本実施形態に係るランフラットタイヤの子午断面図である。図2は、本実施形態のランフラットタイヤのトレッド面の例を示す平面図である。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、ランフラットタイヤ1の回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、ランフラットタイヤ1の回転軸に直交するとともに、ランフラットタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあってランフラットタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。なお、本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
本実施形態のランフラットタイヤ1(以下、タイヤ1と略称することがある)は、図1に示すように、トレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4およびビード部5とを有している。また、このタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8と、インナーライナー層9と、補強ゴム層10aおよび10bと、を備えている。
トレッド部2は、トレッドゴム2Aからなり、タイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面がタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面には、トレッド面21が形成されている。トレッド面21は、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行な方向に延在する複数(本実施形態では4本)の主溝22が設けられている。そして、トレッド面21は、これら複数の主溝22により、タイヤ周方向に沿って延びるリブ状の陸部23が複数形成される。なお、主溝22は、タイヤ周方向に沿って延在しつつ屈曲や湾曲して形成されていてもよい。
主溝とは、JATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、一般に、5.0[mm]以上の溝幅および6.5[mm]以上の溝深さを有する。また、ラグ溝とは、タイヤ幅方向に延在する横溝であり、一般に1.0[mm]以上の溝幅および3.0[mm]以上の溝深さを有する。
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における左右の溝壁の距離の最大値として測定される。陸部が切欠部や面取部をエッジ部に有する構成では、溝長さ方向を法線方向とする断面視にて、トレッド踏面と溝壁の延長線との交点を基準として、溝幅が測定される。また、溝がタイヤ周方向にジグザグ状あるいは波状に延在する構成では、溝壁の振幅の中心線を基準として、溝幅が測定される。溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。また、溝が部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
また、トレッド面21は、陸部23において、タイヤ周方向に交差する方向に延在するラグ溝24、25が設けられている。図2に示すように、ラグ溝24は主溝22に交差していてもよく、またはラグ溝25は、少なくとも一端が主溝22に交差せず陸部23内で終端していてもよい。図2に示すように、ラグ溝24の端部が主溝22に交差する場合、陸部23がタイヤ周方向で複数に分割されたブロック状の陸部が形成される。なお、ラグ溝24、25は、図2に示すように、タイヤ幅方向に対して傾斜して延在しつつ屈曲や湾曲して形成されていてもよい。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。すなわち、ショルダー部3は、トレッドゴム2Aからなる。また、サイドウォール部4は、タイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。このサイドウォール部4は、サイドゴム4Aからなる。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。このビード部5は、リム(図示省略)と接触する外側部分に露出するリムクッションゴム5Aを有する。リムクッションゴム5Aは、ビード部5の外周をなすもので、ビード部5のタイヤ内側から下端部を経てタイヤ外側のビードフィラー52を覆う位置(サイドウォール部4)まで至り設けられている。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示省略)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられ、本実施形態では2層で設けられている。図1において、カーカス層6は、2層の折り返された端部の内側がビードフィラー52全体を覆ってサイドウォール部4まで延在して設けられ、外側がビードフィラー52の途中までを覆うように設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト71、72を積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト71、72は、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20°〜30°)で複数並設されたコード(図示省略)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。また、重なり合うベルト71、72は、互いのコードが交差するように配置されている。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に略平行(±5°)でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示省略)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。図1で示すベルト補強層8は、ベルト層7全体を覆う1層と、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆う1層とを有する。ベルト補強層8の構成は、上記に限らず、図には明示しないが、例えば、2層でベルト層7全体を覆うように配置されていたり、2層でベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されていたりしてもよい。また、ベルト補強層8の構成は、図には明示しないが、例えば、1層でベルト層7全体を覆うように配置されていたり、1層でベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されていたりしてもよい。すなわち、ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なるものである。また、ベルト補強層8は、帯状(例えば幅10[mm])のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けて設けられている。
インナーライナー層9は、タイヤ内面、すなわち、カーカス層6の内周面であって、各タイヤ幅方向両端部が一対のビード部5のビードコア51の位置まで至り、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されて貼り付けられている。インナーライナー層9は、タイヤ外側への空気分子の透過を抑制するためのものである。なお、インナーライナー層9は、図1に示すようにビード部5のタイヤ内側に至り設けられているが、ビードコア51の下部(タイヤ径方向内側)に至り設けられていてもよい。
補強ゴム層10aおよび10bは、サイドウォール部4の内部に設けられたもので、タイヤ内側やタイヤ外側にあらわれない。補強ゴム層10aは、カーカス層6のタイヤ内側であってカーカス層6とインナーライナー層9との間に設けられて子午断面が三日月形状に形成されている。補強ゴム層10bは、カーカス層6のタイヤ外側であってカーカス層6とサイドゴム4Aやリムクッションゴム5Aとの間に設けられて子午断面が三日月形状に形成されている。これらの補強ゴム層10aおよび10bは、サイドウォール部4を形成するサイドゴム4Aやビード部5を形成するリムクッションゴム5Aよりも強度が高いゴム材料により形成されている。また、補強ゴム層10aおよび10bは、異なるゴム材料で形成されていてもよい。
このようなタイヤ1は、ビード部5をリムに組み付けた内部に所定の空気圧で空気が充填された状態で車両(図示省略)に装着される。そして、車両が走行すると、トレッド面21が路面に接触しながらタイヤ1は回転する。車両走行時には、このようにトレッド面21が路面に接触するため、トレッド面21には車両の重量などによる荷重が作用する。トレッド面21に荷重が作用した場合、タイヤ1は、荷重の作用の仕方や各部の硬度などに応じて弾性変形をするが、内部に充填された空気により内部から外側方向に押し広げようとする力が与えられる。これにより、タイヤ1は、トレッド面21に荷重が作用しても、内部に充填された空気による付勢力で過度の変形が抑制される。このため、タイヤ1は、荷重を受けながら回転することができ、車両の走行を可能にする。
また、タイヤ1は、内部に充填された空気の圧力により変形し難くなるが、車両の走行時に、例えば、トレッド面21に異物が刺さってパンクするなどにより、タイヤ1の内部の空気が漏出する場合がある。内部の空気が漏出すると、タイヤ1は、内部から外側方向への空気による付勢力が低減することになる。内部の空気が漏出した状態のタイヤ1は、トレッド面21に荷重が作用した場合、サイドウォール部4に対してタイヤ径方向の荷重が作用する。これにより、サイドウォール部4は、タイヤ径方向に弾性変形し易くなるが、このサイドウォール部4には補強ゴム層10aおよび10bが設けられている。上述したように、補強ゴム層10aおよび10bは、サイドウォール部4を形成するサイドゴム4Aよりも強度が高いゴム材料により形成されている。このため、補強ゴム層10aおよび10bは、サイドウォール部4に対してタイヤ径方向の荷重が作用した場合でも、このサイドウォール部4のタイヤ径方向の変形を抑える。この結果、タイヤ1は、補強ゴム層10aおよび10bにより、サイドウォール部4のタイヤ径方向の変形を抑えることで、車両を走行させることができ、タイヤ1の内部の空気が漏出した状態における走行、いわゆるランフラット走行を可能にする。
なお、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。なお、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
(接地形状の例)
図3Aは、ランフラットタイヤの通常空気圧時の接地形状の例を示す図である。図3Bは、ランフラットタイヤの低圧状態での接地形状の例を示す図である。
図3Aに示す接地形状30aは、タイヤ幅方向の長さがWa、タイヤ周方向の長さがCaである。図3Bに示す接地形状30bは、タイヤ幅方向の長さがWb、タイヤ周方向の長さがCbである。通常空気圧時の長さWaよりも低圧状態での長さWbの方が大きい。また、通常空気圧時の長さCaよりも低圧状態での長さCbの方が大きい。
図3Bにおいて、接地形状30bのタイヤ幅方向の両端部の領域260は、低圧時に接地圧が高まる高接地圧領域に対応する領域である。ランフラットタイヤにおいて、略三日月形状の補強ゴム層10aおよび10bに対応する領域260は、低圧時に接地圧が高まる高接地圧領域に対応する領域である。このため、本実施形態のランフラットタイヤでは、図2に示すトレッド面21において、図3Bの領域260に対応する部分に凸部B1およびB2を設けることにより、接地面積を増加させて接地圧を低減させる。
(凸部)
図4Aから図4Fは、ラグ溝24に配置される凸部の例を示す図である。図4Aから図4Fは、図2に示すトレッド面21のショルダー部のラグ溝24を拡大して示す平面図である。
図4Aにおいて、ラグ溝24の接地端Tのタイヤ幅方向内側、すなわち通常空気圧時に接地する領域内で、一定の溝幅を有する部分において一方の溝壁上に点P1、点P2および点P3を設定し、点P1、点P2および点P3を通る円弧を仮想線R1として定義する。また、ラグ溝24の接地端Tのタイヤ幅方向内側、すなわち通常空気圧時に接地する領域内で、一定の溝幅を有する部分において一方の溝壁上に点P4、点P5および点P6を設定し、点P4、点P5および点P6を通る円弧を仮想線R2として定義する。さらに、仮想線R1と仮想線R2との間の距離のタイヤ周方向の中点を結ぶ線を中心線RC1として定義する。このとき、図4Aに示すように、ラグ溝24は、両側の溝壁からそれぞれ突出する凸部B1およびB2を有する。
凸部B1は仮想線R1側の溝壁から仮想線R2側の溝壁に向かって突出している。凸部B1は仮想線R1に対し、中心線RC1に接近するように突出している。凸部B1の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。
凸部B2は仮想線R2側の溝壁から仮想線R1側の溝壁に向かって突出している。凸部B2は仮想線R2に対し、中心線RC1に接近するように突出している。凸部B2の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。高接地圧領域26に凸部B1およびB2を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
図4Bにおいて、図4Aの場合と同様に、仮想線R1、仮想線R2および中心線RC1を定義する。このとき、図4Bに示すように、ラグ溝24は、両側の溝壁からそれぞれ突出する凸部B1およびB2を有する。凸部B1は仮想線R1側の溝壁から仮想線R2側の溝壁に向かって突出している。凸部B1は仮想線R1に対し、中心線RC1に接近するように突出している。凸部B1の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。凸部B2は仮想線R2に対し、中心線RC1に接近するように突出している。凸部B2の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。図4Bの場合、ラグ溝24の延在方向に沿った凸部B1、B2の長さは、図4Aの場合よりも長い。ラグ溝24の延在方向に沿った長さが長い場合でも、高接地圧領域26に凸部B1およびB2を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
図4Cにおいて、図4Aの場合と同様に、仮想線R1、仮想線R2および中心線RC1を定義する。このとき、図4Cに示すように、ラグ溝24は、両側の溝壁からそれぞれ突出する凸部B1およびB2を有する。凸部B1は仮想線R1側の溝壁から仮想線R2側の溝壁に向かって突出している。凸部B1は仮想線R1に対し、中心線RC1に接近するように突出している。凸部B1の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。凸部B2は仮想線R2に対し、中心線RC1に接近するように突出している。凸部B2の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。図4Cの場合、ラグ溝24の延在方向に沿った凸部B1、B2の長さは、図4Aの場合よりも短い。高接地圧領域26に凸部B1およびB2を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
図4Dにおいて、図4Aの場合と同様に、仮想線R1、仮想線R2および中心線RC1を定義する。このとき、図4Dに示すように、ラグ溝24は、両側の溝壁からそれぞれ突出する凸部B1およびB2を有する。凸部B1は仮想線R1側の溝壁から仮想線R2側の溝壁に向かって突出している。凸部B1は仮想線R1に対し、中心線RC1に接近するように突出している。凸部B1の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。凸部B2は仮想線R2に対し、中心線RC1に接近するように突出している。凸部B2の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。高接地圧領域26に凸部B1およびB2を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
なお、図4Dの場合、凸部B1、B2は、ラグ溝24の延在方向に沿って中心線RC1との距離が短くなったり長くなったりして変化している。このため、高接地圧領域26の内側端261と外側端262との間に、凹部241が形成される。この凹部241により、ラグ溝24における排水性能を高めることができる。
図4Eにおいて、図4Aの場合と同様に、仮想線R1、仮想線R2および中心線RC1を定義する。このとき、図4Eに示すように、ラグ溝24は、両側の溝壁からそれぞれ突出する凸部B1およびB2を有する。凸部B1およびB2は、タイヤ幅方向の位置が互いに異なり、かつ、両側の溝壁同士の間の中心線RC1を越えて突出している。凸部B1の一部および凸部B2の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。高接地圧領域26に凸部B1およびB2を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
図4Fにおいて、図4Aの場合と同様に、仮想線R1、仮想線R2および中心線RC1を定義する。このとき、図4Fに示すように、ラグ溝24は、両側の溝壁のうちの一方のみから突出する凸部B2を有する。凸部B2は仮想線R2に対し、中心線RC1を越えて仮想線R1側の溝壁に接近するように突出している。凸部B2は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。図4Fの場合、ラグ溝24の延在方向に沿った凸部B2の長さは、図4Aの場合よりも短い。ラグ溝24の延在方向に沿った長さが短い場合でも、高接地圧領域26に凸部B2を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
なお、図4Aから図4Fにおいて、すべてのラグ溝24について高接地圧領域26に凸部を設けなくてもよい。少なくとも一部のラグ溝24について高接地圧領域26に凸部を設ければ、設けた凸部によってその部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
図5Aから図5Fは、ラグ溝25に配置される凸部の例を示す図である。図5Aから図5Fは、図2に示すトレッド面21のショルダー部のラグ溝25を拡大して示す平面図である。
図5Aにおいて、ラグ溝25の接地端Tのタイヤ幅方向内側、すなわち通常空気圧時に接地する領域内で、一定の溝幅を有する部分において一方の溝壁上に点P7、点P8および点P9を設定し、点P7、点P8および点P9を通る円弧を仮想線R3として定義する。また、ラグ溝25の接地端Tのタイヤ幅方向内側、すなわち通常空気圧時に接地する領域内で、一定の溝幅を有する部分において一方の溝壁上に点P7、点P8および点P9を設定し、点P7、点P8および点P9を通る円弧を仮想線R4として定義する。さらに、仮想線R3と仮想線R4との間の距離のタイヤ周方向の中点を結ぶ線を中心線RC2として定義する。このとき、図5Aに示すように、ラグ溝25は、両側の溝壁からそれぞれ突出する凸部B3およびB4を有する。
凸部B3は仮想線R3側の溝壁から仮想線R4側の溝壁に向かって突出している。凸部B3は仮想線R3に対し、中心線RC2に接近するように突出している。凸部B3の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。
凸部B4は仮想線R4側の溝壁から仮想線R3側の溝壁に向かって突出している。凸部B4は仮想線R4に対し、中心線RC2に接近するように突出している。凸部B4の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。高接地圧領域26に凸部B3およびB4を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
図5Bにおいて、図5Aの場合と同様に、仮想線R3、仮想線R4および中心線RC2を定義する。このとき、図5Bに示すように、ラグ溝25は、両側の溝壁からそれぞれ突出する凸部B3およびB4を有する。凸部B3は仮想線R3側の溝壁から仮想線R4側の溝壁に向かって突出している。凸部B3は仮想線R3に対し、中心線RC2に接近するように突出している。凸部B3の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。凸部B4は仮想線R4に対し、中心線RC2に接近するように突出している。凸部B4の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。図5Bの場合、ラグ溝25の延在方向に沿った凸部B3、B4の長さは、図5Aの場合よりも長い。ラグ溝25の延在方向に沿った長さが長い場合でも、高接地圧領域26に凸部B3およびB4を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
図5Cにおいて、図5Aの場合と同様に、仮想線R3、仮想線R4および中心線RC2を定義する。このとき、図5Cに示すように、ラグ溝25は、両側の溝壁からそれぞれ突出する凸部B3およびB4を有する。凸部B3は仮想線R3側の溝壁から仮想線R4側の溝壁に向かって突出している。凸部B3は仮想線R3に対し、中心線RC2に接近するように突出している。凸部B3の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。凸部B4は仮想線R4に対し、中心線RC2に接近するように突出している。凸部B4の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。図5Cの場合、ラグ溝25の延在方向に沿った凸部B3、B4の長さは、図5Aの場合よりも短い。高接地圧領域26に凸部B3およびB4を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
図5Dにおいて、図5Aの場合と同様に、仮想線R3、仮想線R4および中心線RC2を定義する。このとき、図5Dに示すように、ラグ溝25は、両側の溝壁からそれぞれ突出する凸部B3およびB4を有する。凸部B3は仮想線R3側の溝壁から仮想線R4側の溝壁に向かって突出している。凸部B3は仮想線R3に対し、中心線RC2に接近するように突出している。凸部B3の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。凸部B4は仮想線R4に対し、中心線RC2に接近するように突出している。凸部B4の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。高接地圧領域26に凸部B3およびB4を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
なお、図5Dの場合、凸部B3、B4は、ラグ溝25の延在方向に沿って中心線RC2との距離が短くなったり長くなったりして変化している。このため、高接地圧領域26の内側端261と外側端262との間に、凹部251が形成される。この凹部251により、ラグ溝25における排水性能を高めることができる。
図5Eにおいて、図5Aの場合と同様に、仮想線R3、仮想線R4および中心線RC2を定義する。このとき、図5Eに示すように、ラグ溝25は、両側の溝壁からそれぞれ突出する凸部B3およびB4を有する。凸部B3およびB4は、タイヤ幅方向の位置が互いに異なり、かつ、両側の溝壁同士の間の中心線RC2を越えて突出している。凸部B3の一部および凸部B4の一部は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。高接地圧領域26に凸部B3およびB4を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
図5Fにおいて、図5Aの場合と同様に、仮想線R3、仮想線R4および中心線RC2を定義する。このとき、図5Fに示すように、ラグ溝25は、両側の溝壁のうちの一方のみから突出する凸部B4を有する。凸部B4は仮想線R4に対し、中心線RC2を越えて仮想線R3側の溝壁に接近するように突出している。凸部B4は、接地圧が高まる高接地圧領域26の内側端261と高接地圧領域26の外側端262との間に設けられている。図5Fの場合、ラグ溝25の延在方向に沿った凸部B4の長さは、図5Aの場合よりも短い。ラグ溝25の延在方向に沿った長さが短い場合でも、高接地圧領域26に凸部B4を設けることにより、その部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
なお、図5Aから図5Fにおいて、すべてのラグ溝25について高接地圧領域26に凸部を設けなくてもよい。少なくとも一部のラグ溝25について高接地圧領域26に凸部を設ければ、設けた凸部によってその部分の接地圧を低減でき、低圧状態での操縦安定性能を向上できる。
(凸部の面積)
図4Aに戻り、接地端Tのタイヤ幅方向内側に、高接地圧領域26の内側端261がある。タイヤ赤道線CL(図2参照)から内側端261までの距離は、例えば、タイヤ赤道線CLから接地端Tまでの距離の90%から95%の距離である。また、接地端Tのタイヤ幅方向外側に、高接地圧領域26の外側端262がある。タイヤ赤道線CLから外側端262までの距離は、例えば、タイヤ赤道線CLから接地端Tまでの距離の105%から120%の距離である。接地圧が高まる高接地圧領域26において、凸部を設けて接地面積を大きくすることにより、接地圧を低減することができる。また、接地圧が高まる高接地圧領域26のみに凸部を設けるため、排水性能などの低下を最小限に抑えることができる。
高接地圧領域26の内側端261と外側端262とに挟まれ、かつ、仮想線R1と仮想線R2とに挟まれた領域を、高接地領域A1と定義する。このとき、高接地領域A1の面積SA1に対する、凸部B1と凸部B2とを合わせた面積SBの比SB/SA1は、0.5≦SB/SA1≦3.0であることが好ましい。
なお、特に図4Eの場合、凸部B1およびB2の両方が中心線RC1を越えて突出しているため、図4Aの場合に比べて比SB/SA1を大きな値に設定することができ、低圧状態での操縦安定性能をより向上できる。
図5Aの場合においても同様に、正規内圧・正規荷重下における接地端Tのタイヤ幅方向内側に、高接地圧領域26の内側端261がある。タイヤ赤道線CL(図2参照)から内側端261までの距離は、例えば、タイヤ赤道線CLから接地端Tまでの距離の90%から95%の距離である。また、正規内圧・正規荷重下における接地端Tのタイヤ幅方向外側に、高接地圧領域26の外側端262がある。タイヤ赤道線CLから外側端262までの距離は、例えば、タイヤ赤道線CLから接地端Tまでの距離の105%から120%の距離である。
また、接地圧が高まる領域の内側端261と外側端262とに挟まれ、かつ、仮想線R3と仮想線R4とに挟まれた領域を、高接地領域A2と定義する。このとき、高接地領域A2の面積SA2に対する、凸部B3と凸部B4とを合わせた面積SBの比SB/SA2は、0.5≦SB/SA2≦3.0であることが好ましい。
なお、図5Eの場合、凸部B3およびB4の両方が中心線RC2を越えて突出している。このため、図5Eの場合、図5Aの場合に比べて比SB/SA2を大きな値に設定することができ、低圧状態での操縦安定性能をより向上できる。
(陸部のタイヤ周方向長さ)
図6は、ラグ溝24同士の間の陸部の周方向長さを示す図である。ラグ溝24同士の間の陸部のタイヤ周方向長さの最大値をLmaxと定義し、その最小値をLminと定義する。このとき、同一ブロックにおける最大値Lmaxと最小値Lminとの関係は、1.05≦Lmax/Lmin≦1.25を満たすことが好ましい。
図7は、ラグ溝25同士の間の陸部の周方向長さを示す図である。ラグ溝25同士の間の陸部のタイヤ周方向長さの最大値をLmaxと定義し、その最小値をLminと定義する。このとき、同一ブロックにおける最大値Lmaxと最小値Lminとの関係は、1.05≦Lmax/Lmin≦1.25を満たすことが好ましい。
(ラグ溝の幅)
図6に戻り、仮想線R1と仮想線R2との間隔をラグ溝24の溝幅X0とする。また、凸部B1およびB2が設けられて溝幅が狭い部分(ラグ溝幅狭部)のラグ溝24の溝幅の最小値を溝幅Xminとする。このとき、溝幅X0に対する溝幅Xminの比Xmin/X0は、0.3≦Xmin/X0≦0.8であることが好ましい。
また図7において、仮想線R3と仮想線R4との間隔をラグ溝25の溝幅X0とする。また、凸部B3およびB4が設けられて溝幅が狭い部分(ラグ溝幅狭部)のラグ溝25の溝幅の最小値を溝幅Xminとする。このとき、溝幅X0に対する溝幅Xminの比Xmin/X0は、0.3≦Xmin/X0≦0.8であることが好ましい。
(凸部の断面)
図8Aは、凸部B1およびB2の断面の一例を示す図である。図8Aは、図4Aのラグ溝24において、凸部B1およびB2が設けられている部分の断面の一例を示す図である。図8Aは、ラグ溝24の延在方向に垂直な方向の、凸部B1およびB2の断面を示す。
図8Aにおいて、凸部が設けられている部分の溝の断面積をS1と定義する。また、図8Aにおいて、凸部が設けられていない部分(図8Aの破線部分)の溝の断面積をS0と定義する。断面積S0は、断面積S1に凸部B1およびB2の断面積、すなわち図中のハッチング部分の断面積を加えた面積である。図8Aにおいて、凸部が設けられて溝幅が狭い部分の溝深さをH1とし、その他の部分すなわち凸部が設けられていない部分の溝深さをH0とする。図8Aに示すように溝深さH1が溝深さH0に等しい場合、断面積S0に対する断面積S1の比S1/S0は、S1/S0≦1となる。
図8Bは、凸部B1およびB2の断面の他の例を示す図である。図8Bは、図4Aのラグ溝24において、凸部B1およびB2が設けられている部分の断面の他の例を示す図である。図8Bは、ラグ溝24の延在方向に垂直な方向の、凸部B1およびB2の断面を示す。
図8Bにおいて、凸部が設けられている部分の溝の断面積をS1と定義する。また、図8Bにおいて、凸部が設けられていない部分(図8Bの破線部分)の溝の断面積をS0と定義する。断面積S0は、断面積S1に凸部B1およびB2の断面積、すなわち図中のハッチング部分の断面積を加えた面積である。図8Bにおいて、凸部が設けられて溝幅が狭い部分の溝深さをH1とし、その他の部分すなわち凸部が設けられていない部分の溝深さをH0とする。図8Bに示すように溝深さH1が溝深さH0より大きい場合、断面積S0に対する断面積S1の比S1/S0を、0.9≦S1/S0≦1.1とすることができる。すなわち、図8Bに示すように溝深さH1が溝深さH0より大きい場合、凸部B1およびB2が設けられている部分においても溝の断面積を他の部分と同等に確保できる。
比S1/S0が0.9≦S1/S0≦1.1であれば、ラグ溝24の断面積を均一にすることができ、ラグ溝24による排水性能を維持することができる。このため、図8Bの場合、図8Aの場合よりも排水性能が向上する。なお、ラグ溝24による排水性能を維持しつつ高接地圧領域の接地面積を確保するためには、図8Bにおいて、溝深さH1と溝深さH0との関係は、1.1≦H1/H0を満たすことが好ましい。
(変形例)
以上は、ラグ溝に凸部を設ける場合について説明したが、他の溝に凸部を設けてもよい。その場合においても、凸部を設けた部分の接地圧を低下させることができる。
また、以上は、溝壁の両側に1つずつまたは片側に1つの凸部を設ける場合について説明したが、溝壁の両側に2つ以上または片側に2つ以上の凸部を設けてもよい。その場合においても、凸部を設けた部分の接地圧を低下させることができる。
本実施例では、条件が異なる複数種類のランフラットタイヤについて、テストコース内にて、操縦安定性能およびウエット制動性能に関する性能試験が行われた(表1から表2を参照)。この性能試験では、タイヤサイズ195/65R15 91H(15×6J)のランフラットタイヤを、正規リムにリム組みし、1.8LのFF車に装着した。
操縦安定性能については、空気圧0kPa条件下にて1.8LのFF車にてパネラーによる官能評価を実施した。従来例のランフラットタイヤの官能評価を100とし、評価結果を指数で示した。指数の値が大きいほど好ましい。
ウエット制動性能については、空気圧230kPa条件下にて水膜1[mm]のウエット路面において、初速100km/hから制動を行って停止するまでの距離を測定した。従来例のランフラットタイヤの測定値を100とし、測定値の逆数を指数で示した。指数の値が大きいほど好ましい。
表1において、従来例のランフラットタイヤは、ラグ溝に凸部が無いランフラットタイヤである。表1において、比較例1のランフラットタイヤは、ラグ溝に凸部を有し、凸部の位置が、正規内圧時の接地幅に対して80%の位置であるランフラットタイヤである。表1において、比較例2のランフラットタイヤは、ラグ溝に凸部を有し、凸部の位置が、正規内圧時の接地幅に対して130%の位置である。
表1から表2の実施例1から実施例13によれば、ラグ溝に凸部を有し、凸部の位置が、正規内圧時の接地幅に対して90%以上120%以下である場合、ブロック長最大最小比Lmax/Lminが1.05以上1.25以下である場合、溝断面積の比S1/S0が0.9以上1.1以下である場合、ラグ溝幅狭部の深さの増加を有する場合、溝深さの比H1/H0が1.1以上である場合、ラグ溝幅比Xmin/X0が0.3以上0.8以下である場合に、良好な結果が得られることがわかる。
Figure 2019127242
Figure 2019127242
1 ランフラットタイヤ
2 トレッド部
2A トレッドゴム
3 ショルダー部
4 サイドウォール部
4A サイドゴム
5 ビード部
5A リムクッションゴム
6 カーカス層
7 ベルト層
8 ベルト補強層
9 インナーライナー層
10a、10b 補強ゴム層
21 トレッド面
22 主溝
23 陸部
24、25 ラグ溝
26 高接地圧領域
51 ビードコア
52 ビードフィラー
71、72 ベルト
241、251 凹部
260 領域
261 内側端
262 外側端
A1、A2 高接地領域
B1、B2、B3、B4 凸部
CL タイヤ赤道線
R1、R2、R3、R4 仮想線
RC1、RC2 中心線
T 接地端

Claims (10)

  1. タイヤ幅方向両側のサイドウォール部に子午断面が略三日月形状の補強ゴム層が配置されるランフラットタイヤであって、
    タイヤの内圧が低下した低下状態でトレッド面において接地圧が高くなる高接地圧領域に設けられた溝と、前記溝に設けられた凸部とを有し、
    前記凸部は、前記トレッド面の平面視において前記溝の溝壁の一方から他方に向けて突出する形状であるランフラットタイヤ。
  2. 前記高接地圧領域は、正規内圧および正規荷重が付与されている状態においてタイヤ赤道面から接地端まで距離の90%以上120%以下の領域である請求項1に記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記溝は、ラグ溝である請求項1または請求項2に記載のランフラットタイヤ。
  4. 同一ブロックにおける周方向ブロック長の最大値Lmaxと最小値Lminとの関係は、1.05≦Lmax/Lmin≦1.25を満たす請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記溝において、前記凸部が設けられて溝幅が他の部分よりも狭い部分の前記溝の延在方向に垂直な方向の断面積S1と、前記他の部分の前記溝の延在方向に垂直な方向の断面積S0との関係は、0.9≦S1/S0≦1.1を満たす請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のランフラットタイヤ。
  6. 前記狭い部分の溝深さH1と、前記他の部分の溝深さH0との関係は、1.1≦H1/H0を満たす請求項5に記載のランフラットタイヤ。
  7. 前記溝のタイヤ周方向長さの最小値Xminと前記溝の溝幅X0との関係は、0.3≦Xmin/X0≦0.8を満たす請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のランフラットタイヤ。
  8. 前記凸部は、前記溝の両側の溝壁のうちの一方のみから突出し、かつ、前記溝の両側の溝壁同士の間の中心線を越えて突出している請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のランフラットタイヤ。
  9. 前記凸部は、前記溝の両側の溝壁からそれぞれ突出している請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のランフラットタイヤ。
  10. 前記溝の両側の溝壁からそれぞれ突出している前記凸部は、タイヤ幅方向の位置が互いに異なり、かつ、前記両側の溝壁同士の間の中心線を越えて突出している請求項9に記載のランフラットタイヤ。
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