JP2019126709A - 撮影制御装置、放射線撮影装置及び放射線撮影システム - Google Patents

撮影制御装置、放射線撮影装置及び放射線撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】プレ曝射画像に基づいて本曝射の撮影条件を決定する放射線撮影システムにおいて、ポジショニング不良の状態で本曝射が行われるのを防ぐ。【解決手段】放射線撮影システム100は、放射線撮影装置2から画像データを取得することが可能な画像取得手段と、被写体に対しプレ曝射線量にてプレ曝射を行うことにより放射線撮影装置2が生成したプレ画像データに基づいて、診断用画像データを得るのに必要となる総線量を算出する総線量算出手段と、総線量に基づく本曝射線量を、放射線撮影装置に出力することが可能な線量出力手段と、本曝射線量にて本曝射を行うことにより放射線撮影装置が生成した本画像データにプレ画像データを合成して、診断用画像データを生成する画像合成手段と、備える。【選択図】図4

Description

本発明は、撮影制御装置、放射線撮影装置及び放射線撮影システムに関する。
放射線画像を撮影する際、後で行う本曝射よりも低い線量でプレ曝射を行い、得られたプレ曝射画像及び当該プレ曝射画像に紐づけられた付帯情報に基づいて、本曝射を行う際の線量等の撮影条件を決定する自動露出制御機能を有したものが知られている。
例えば、特許文献1には、X線を曝射するX線曝射手段と、検出面に入射したX線を検出するX線平面撮影装置と、検出されたX線に基づいてX線画像を生成する画像生成手段と、生成されたX線画像に基づいて撮影条件を決定する決定手段と、決定された撮影条件に従ってX線が曝射されるように前記X線曝射手段を制御する制御手段と、を具備する乳房撮影用X線診断装置について記載されている。
また、特許文献2には、放射線源と放射線撮影装置とを備え、プレ曝射および本曝射を行う撮影部と、撮影部で撮影された画像をユーザーに閲覧可能に表示する表示部と、画像を保存する保存部と、画像を出力する出力部と、放射線撮影装置を制御する制御部と、を有し、制御部が、プレ曝射により得られたプレ画像を保存部に保存して、本曝射により得られた本画像のみを出力部に出力する放射線撮影装置について記載されている。
特開2007−236804号公報 特開2009−297284号公報
特許文献1に記載された装置では、ポジションングの良否の確認を、プレ曝射画像ではなく本曝射画像を用いて行うようになっている。ポジショニングが良好でない状態で撮影された本曝射画像は診断に用いることが難しく、場合によって再撮影を行うことになり、被写体は本曝射一回分だけ無駄に被曝することになってしまう。
また、特許文献2に記載の技術では、プレ曝射画像を被写体の位置決めに用いている。すなわち、本曝射前に本曝射のためのポジショニングを行うため、そのポジショニングが良好であったか否かは本曝射後に分かる。つまり、ポジショニングが良好でない状態で本曝射が行われ、再撮影が必要になる可能性がある。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、プレ曝射により得られるプレ曝射画像に基づいて本曝射の撮影条件を決定する放射線撮影システムにおいて、ポジショニング不良の状態で本曝射が行われるのを防ぐことを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の撮影制御装置は、
外部の放射線照射装置から被写体を介して放射線の曝射を受けることで当該被写体の画像データを生成する外部の放射線撮影装置から画像データを取得することが可能な画像取得手段と、
前記被写体に対し、後から行われる本曝射よりも低いプレ曝射線量にてプレ曝射を行うことにより前記外部の放射線撮影装置が生成し前記画像取得手段が取得したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総線量を算出する総線量算出手段と、
前記総線量算出手段が算出した総線量に基づく本曝射線量を、前記外部の放射線照射装置及び前記外部の放射線撮影装置に出力することが可能な線量出力手段と、
前記被写体に対し、前記本曝射線量にて前記本曝射を行うことにより前記外部の放射線撮影装置が生成し前記画像取得手段が取得した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成手段と、備えることを特徴とする。
また、本発明の放射線撮影装置は、
外部の放射線照射装置から被写体を介して放射線の曝射を受けることで当該被写体の画像データを生成することが可能な画像生成手段と、
前記被写体に対し、後から行われる本曝射よりも低いプレ曝射線量にてプレ曝射を行うことにより前記画像生成手段が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総線量を算出する総線量算出手段と、
前記総線量算出手段が算出した総線量に基づく本曝射線量を、前記外部の放射線照射装置に出力するとともに前記画像生成手段に設定することが可能な線量出力設定手段と、
前記被写体に対し、前記本曝射線量にて前記本曝射を行うことにより前記画像生成手段が生成した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成手段と、備えることを特徴とする。
本発明によれば、ポジショニング不良の状態で本曝射が行われるのを防ぐことができる。
本発明の第一実施形態(第三,第四実施形態)に係る放射線撮影システムの構成を示すブロック図である。 図1の放射線撮影システムが備える放射線撮影装置の具体的構成を表すブロック図である。 第一実施形態に係る放射線撮影システムが備えるコンソール(第二実施形態に係る放射線撮影システムが備える撮影制御装置、第四実施形態に係る放射線撮影システムが備えるコンソール)の具体的構成を表すブロック図である。 図3のコンソールが実行する撮影制御処理のフローチャートである。 図4の撮影制御処理における総線量算出処理のフローチャートである。 図4の撮影制御処理における画像合成処理のフローチャートである。 第一実施形態に係る放射線撮影システムの動作を表すラダーチャートである。 第一実施形態に係る放射線撮影システムの他の動作を表すタイミングチャートである。 第一実施形態に係る放射線撮影システムの他の動作を表すタイミングチャートである。 本発明の第二実施形態に係る放射線撮影システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第三実施形態に係る放射線撮影システムの動作を表すラダーチャートである。 本発明の第四実施形態に係る放射線撮影システムが備えるコンソールが実行する撮影制御処理のフローチャートである。 図12のコンソールが出力するアナトミカルコードの一例である。
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態について、図1〜9を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、ここでは、撮影対象となる被写体の詳細について説明を省くが、本発明は、人体のあらゆる部位の撮影に用いることができるし、動物等の人体以外の被写体の撮影にも用いることができる。
〔放射線撮影システム〕
まず、本実施形態に係る放射線撮影システムの構成について説明する。図1は放射線撮影システム100の構成を表すブロック図である。なお、図1の括弧書きで示された符号は、後述する第三,第四実施形態のものである。
本実施形態の放射線撮影システム100は、図1に示したように、放射線照射装置1や、放射線撮影装置2、コンソール3を備えて構成されている。
また、放射線撮影システム100は、図示しない放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)や、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)等と接続可能となっている。
放射線照射装置1は、コンソール3と有線又は無線で通信可能に接続されている。
また、放射線照射装置1は、ジェネレーター11や、曝射スイッチ12、放射線源13を備えて構成されている。
ジェネレーター11は、曝射スイッチ12が操作されたことに基づいて、予め設定された放射線曝射条件(管電圧や管電流、照射時間(mAs値)等)に応じた電圧を放射線源13に印加することが可能に構成されている。
放射線源13(管球)は、図示しない回転陽極やフィラメント等を有している。そして、ジェネレーター11から電圧が印加されると、フィラメントが印加された電圧に応じた電子ビームを回転陽極に向けて照射し、回転陽極が電子ビームの強度に応じた線量の放射線X(X線等)を発生させるようになっている。
なお、図1には、各部11〜13が別々に分かれたものを例示したが、これらは一体となっていてもよい。
また、図1には、曝射スイッチ12がジェネレーター11に接続されたものを例示したが、曝射スイッチ12は他の装置(例えば図示しない操作卓)に備えられていてもよい。
また、放射線照射装置1は、撮影室内に据え付けてもよいし、回診車等に組み込むことで移動可能に構成してもよい。
放射線撮影装置2は、コンソール3と有線又は無線で通信可能に接続されている。
また、放射線撮影装置2は、放射線照射装置1から被写体を介して放射線Xの曝射を受けることで当該被写体の画像データを生成することが可能に構成されている。
なお、放射線撮影装置2の詳細については後述する。
コンソール3は、PCや携帯端末、あるいは専用の装置によって構成されており、放射線照射装置1や放射線撮影装置2等と有線又は無線で通信可能に接続されている。
また、コンソール3は、外部装置(RIS等)からの撮影オーダーやユーザーによる操作に基づいて、放射線照射装置1や放射線撮影装置2の撮影条件や撮影対象部位等を設定することが可能となっている。
なお、コンソール3の詳細については後述する。
〔放射線撮影装置の構成〕
次に、上記放射線撮影システム100が備える放射線撮影装置2の詳細について説明する。図2は放射線撮影装置2の具体的構成を表すブロック図である。なお、図2の括弧書きで示された符号は、後述する第三実施形態のものである。
放射線撮影装置2は、図2に示したように、制御部21、放射線検出部22、読出し部23、通信部24、記憶部25、各部21〜25を接続するバス26を備えて構成されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory
)等により構成される。制御部21のCPUは、コンソール3等の外部機器からの制御信号等を受信したことに基づいて、記憶部25に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、放射線撮影装置2各部の動作を集中制御する。
放射線検出部22は、放射線Xを受けることで線量に応じた電荷を発生させる放射線検出素子やスイッチ素子を備えた画素が二次元状(マトリクス状)に配列された基板によって構成されている。
読出し部23は、各画素から放出された電荷の量を信号値として読出し、複数の信号値から画像データを生成することが可能に構成されている。
通信部24は、外部機器から各種制御信号や各種データ等を受信したり、各種制御信号や生成した画像データ等を外部機器へ送信したりすることが可能に構成されている。
記憶部25は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、制御部21が実行する各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター等を記憶している。
また、記憶部25は、読出し部23が生成した画像データや、制御部21が処理した各種データを記憶することが可能となっている。
このように構成された放射線撮影装置2は、制御部21が放射線検出部22の各スイッチ素子をオフにした状態で放射線の曝射を受けると、各画素に放射線の線量に応じた電荷を蓄積する。そして、制御部21が各スイッチ素子をオンにして各画素から電荷が放出されると、読出し部23が各電荷量を信号値に変換し、画像データとして読み出す。すなわち、放射線撮影装置2の制御部21、放射線検出部22及び読出し部23は、本発明における画像生成手段をなす。
なお、放射線撮影装置2は、シンチレーター等を内蔵し、照射された放射線Xをシンチレーターで可視光等の他の波長の光に変換し、変換した光に応じた電荷を発生させるもの(いわゆる間接型)であってもよいし、シンチレーター等を介さずに放射線Xから直接電荷を発生させるもの(いわゆる直接型)であってもよい。
また、放射線撮影装置2は、撮影台と一体化された専用機型のものでも、可搬型(カセッテ型)のものであってもよい。
〔コンソールの構成〕
次に、上記放射線撮影システム100が備えるコンソール3の詳細について説明する。図3はコンソール3の具体的構成を表すブロック図である。なお、図3の括弧書きで示された符号は、後述する第二,第四実施形態のものである。
コンソール3は、図3に示したように、制御部31、通信部32、記憶部33、表示部34、操作部35、各部31〜35を接続するバス36を備えて構成されている。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory
)等により構成される。制御部31のCPUは、操作部35の操作に応じて、記憶部33に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、コンソール3各部の動作を集中制御する。
通信部32は、LANアダプターやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
記憶部33は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、制御部31が実行する各種プログラム(後述する撮影制御処理を行うためのプログラムを含む)やプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター等を記憶している。
また、記憶部33は、放射線撮影装置2から受信した画像データや制御部31が処理した画像データを、付帯情報と紐づけて記憶することが可能となっている。
表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、操作部35からの入力指示やデータ等を表示する。
操作部35は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。
また、操作部35は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
〔撮影制御処理〕
次に、上記コンソール3が実行する処理の一つである、撮影制御処理の詳細について説明する。図4はコンソール3が実行する撮影制御処理のフローチャート、図5は図4の撮影制御処理における総線量算出処理のフローチャート、図6は図4の撮影制御処理における画像合成処理のフローチャートである。
本実施形態のコンソール3の制御部31は、所定の開始条件(例えば、操作部35に開始操作がなされたことや、曝射スイッチ12が押下されたこと、放射線照射装置1や放射線撮影装置2が撮影動作を行ったこと、放射線撮影装置2から画像データを受信したこと等)が成立したことを契機として、撮影制御処理を実行するようになっている。
具体的には、図4に示したように、まず、被検者に対し、後から行われる本曝射よりも低いプレ曝射線量にてプレ曝射を行うことにより放射線撮影装置2が生成したプレ画像データを取得する(ステップS1)。プレ画像データを取得すると、当該プレ画像データに紐づけられた付帯情報も取得される。
付帯情報には、プレ曝射におけるプレ曝射線量(管電圧、管電流、照射時間等を設定することにより導出される)や、撮影対象部位等が含まれる。
このような処理を実行することにより、制御部31や通信部32は、本発明における画像取得手段をなす。
なお、プレ画像データ及び付帯情報の取得方法としては、通信部32を介して有線又は無線で受信するのが好ましいが、USBメモリー等のメディアを介して取得するようにしてもよい。
また、取得する際には、放射線撮影装置2へデータ送信を要求する信号を送信する等して、コンソール3がデータ送信を要求するようにしても良いし、放射線撮影装置2がデータを送信してくるまで待機する(このステップS1の処理を繰り返す)ようにしても良い。
プレ画像データを取得した後、制御部31は、補正処理を行う(ステップS2)。具体的には、ステップS1で取得したプレ画像データにオフセット補正を施す。
オフセット補正に用いるオフセット(暗画像)データは、プレ曝射を行う前に予め取得しておくのが好ましい。
なお、この処理において、他の補正(LOG変換等)を施すようにしてもよい。
また、放射線撮影装置2として、生成した画像データに当該補正処理を実行する機能を有するものを用いる場合には、プレ曝射後、放射線撮影装置2でオフセット補正を行い、ステップS1においてオフセット補正後のプレ画像データを取得すれば済むため、このステップS2の処理は不要となる。
次に、制御部31は、画像解析処理を行う(ステップS3)。具体的には、プレ画像データ及び当該プレ画像データに紐づけられた付帯情報に基づいて、プレ画像における異常(撮影対象部位(肺野やKUB)の欠けや、異物(グリッドのミスアライメントによる縞模様等)の写り込み等)の有無等を解析する。
撮影対象部位の欠けを解析する場合には、例えば特開2011−255061に記載されているような技術を用いることができる。すなわち、特定された照射野を複数の小領域に分割し、照射野境界における各小領域の特徴量を抽出し、その特徴量の配列に基づいて撮影対象部位が照射野の境界をはみ出していないかどうかを判定する。
なお、被検者が過去に同じ部位の撮影を行っている場合には、過去の画像との対比に基づいて解析するようにしてもよい。その場合、過去撮影における放射線入射角度の相違に起因する比較読影が困難になる程の写り方の相違の有無等も解析対象の異常となる。
次に、制御部31は、プレ曝射を適切に行うことができたか否かを判定する(ステップS4)。具体的には、ステップS3で画像解析処理を行った結果、プレ画像に上記のような異常があったか否かを判定する。
ここで、異常がなかった、すなわちプレ曝射を適切に行うことができたと判定した場合(ステップS4:Yes)には、引き続き本曝射を行うための各種処理を行う(ステップS5〜S9)。これらの処理については後述する。
一方、異常があった、すなわちプレ曝射を適切に行うことができなかったと判定した場合(ステップS4:No)には、撮影中止処理を行って(ステップS10)、撮影制御処理を終了する。
ステップS10の撮影中止処理では、放射線照射装置1や放射線撮影装置2の動作を停止させる処理や、ユーザーに本曝射を中止すべき旨の警告(表示部34への表示、音声出力等)を行う処理等を行う。
このステップS3,S4を行うことで、制御部31は、本発明における撮影判定手段として機能することとなり、被曝量の多い本曝射を行う前にプレ画像を用いてポジショニングの良否(再撮影の要否)を判定することができる。このため、ポジショニング不良の状態で本曝射が行われ、被検者が無駄に被曝してしまうのを防ぐことができる。
また、プレ曝射を適切に行うことができた場合には、ユーザーがプレ画像を確認することなく本曝射に移行できるため、撮影におけるユーザーの手間を低減することができる。
一方、プレ曝射を適切に行うことができなかった場合には、再度プレ曝射を行うことになるが、プレ曝射の際の線量は本曝射の際の線量に比べて低いため、従来のように本曝射をやり直す場合に比べて被曝量を抑えることができる。
なお、ステップS3において、プレ画像データを自動解析するのではなく、ユーザーに画像の解析を行ってもらうようにしてもよい。その場合、ステップS3の処理は不要となり、ステップS4は、ユーザーによる解析結果を受け付ける処理となる。
また、ステップS10の処理の後に、所定条件が成立したか否か(例えば、ユーザーによる撮影再開を指示する操作があったか否か等)を判断する処理を入れ、所定条件が成立した場合には、ステップS5以降の処理に移行するようにしてもよい。
また、ステップS4の後に、プレ画像を表示部34に表示させるようにしてもよい。
また、その際には、プレ画像として、解像度を下げた間引き画像を表示するようにしてもよい。
また、プレ画像を必ず表示するのではなく、表示するかどうかや表示するための条件を、ユーザーが選択できるようにしてもよい。このようにすれば、ユーザーによる確認が必要となった場合(例えば、ポジショニングが良好でないと判定した場合等)のみプレ画像を表示させるような設定が可能となり、ユーザーの利便性が向上する。
上記ステップS4において、プレ曝射を適切に行うことができたと判定した場合(ステップS4:Yes)には、制御部31は、総線量算出処理を行う(ステップS5)。この処理では、プレ画像データ、及び当該プレ画像データに紐づけられた付帯情報に基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総線量を算出する。
総線量の算出には、例えば国際公開第2006/62013号に記載されたような技術を用いることができる。具体的には、図5に示したように、まず、プレ画像における関心領域(ROI)を設定する(ステップS51)。
次に、S値(感度)を算出する(ステップS52)。ここでは、関心領域内の複数の画素信号値のヒストグラムを生成し、当該ヒストグラムのダイナミックレンジの中央値を求める。ここで得られる中央値がS値となる。
次に、総線量を算出する(ステップS53)。ここでは、メーカーやユーザーが予め設定しておいたターゲットS値、及び撮影時の線量とS値とが反比例する関係に基づいて、この後に撮影を行うことで得られる画像から求められるS値がターゲットS値と一致することとなるような線量を算出する。ここで算出される線量が総線量となる。
このような処理を実行することにより、制御部31は、本発明における総線量算出手段をなす。
総線量を算出した後、制御部31は、図4に示したように、本撮影条件を出力する(ステップS6)。この処理では、ステップS2で算出した総線量に基づく本曝射線量を、本撮影条件として放射線照射装置1及び放射線撮影装置2に出力する。
なお、ここでは、総線量をそのまま本曝射線量としてもよいし、総線量に所定の演算を行って得られた値を本曝射線量としてもよい。
また、本実施形態においては、本曝射線量の他にも、例えば撮影対象部位、体厚、撮影方向等を本撮影条件として出力する。
このような処理を実行することにより、制御部31は、本発明における線量出力手段をなす。
なお、この本撮影条件の出力処理(ステップS6)では、算出した総線量からプレ曝射線量を差し引いた値を本曝射線量として出力するようにしてもよい。
従来の自動露出制御機能を用いた撮影では、この機能を用いない撮影に比べ、プレ曝射の分だけ合計の被曝量が増えてしまっていた。しかし、このようにすれば、1回のプレ撮影における被曝量と1回の本撮影における被曝量とを合わせてようやく従来の本撮影1回分の被曝量となるため、従来の診断用画像の撮影よりも被曝量を増やすことなく診断用画像を得ることができる。
また、この本撮影条件の出力処理(ステップS6)では、本曝射線量の値を直接出力するのではなく、本曝射線量の放射線を発生させるために必要な管電圧、管電流、照射時間を出力するようにしてもよい。
本撮影条件を出力してから次のステップS7の処理までの間に、放射線照射装置1は被検者に対し本曝射線量にて本曝射を行い、放射線撮影装置2は本画像データを生成することになる。
放射線撮影装置2が本画像データを生成した後、制御部31は、放射線撮影装置2が生成した本画像データを取得する。
本画像データの具体的な取得方法(本ステップS7における処理の内容)は、上述したプレ画像データの取得(ステップS1)と同様である。
本画像データを取得した後、制御部31は、補正処理(ステップS8)を行う。具体的には、本画像データにオフセット補正を施す。
本画像データにオフセット補正を施す際に用いるオフセットデータは、本曝射を行う直前又は直後に取得するのが好ましい。
なお、この処理において、他の補正(LOG変換等)を施すようにしてもよい。
また、放射線撮影装置2として、生成した画像データに当該補正処理を実行する機能を有するものを用いる場合には、このステップS8の処理は、ステップS2の処理と同様に不要となる。
次に、制御部31は、画像合成処理を行う(ステップS9)。この処理では、本曝射線量にて本曝射を行うことにより放射線撮影装置2が生成した本画像データに、プレ画像データを合成して診断用画像データを生成する。
画像の合成には、例えば特開2015−092913号公報に記載されたような技術を用いることができる。具体的には、図6に示したように、まず、本曝射画像とプレ曝射画像の位置合わせを行う(ステップS91)。ここでは、各画像に写った被検者の輪郭が重なるように一方の画像を移動させる。
次に、画像のエッジを認識する(ステップS92)。
次に、加算処理(ステップS93)を行う。ここでは、本画像データにプレ画像データを合成して、診断用画像データを生成する。具体的には、本画像データを構成する各画素の信号値に、プレ画像データを構成する各画素の信号値を加算する。
本実施形態においては、本画像データの信号値とプレ画像データの信号値をそのまま加算するのではなく、プレ画像データにおけるエッジ部の信号値を相対的に下げて(エッジ部以外の平坦部の信号値を相対的に上げて)加算する。具体的には、例えば、下記(1)で表される加算式を用いて加算する。
(x,y)={β(x,y)×Ipre(x,y)+Ipost(x,y)}/{1+β(x,y)}・・(1)
(x,y):加算後(診断用画像)の座標(x,y)の画素における信号値
β(x,y):座標(x,y)の画素に適用する加算係数
pre(x,y):プレ画像の座標(x,y)の画素における信号値
post(x,y):本画像の座標(x,y)の画素における信号値
座標(x,y)は、いずれも位置合わせ後のもの
βの値は、エッジ部の座標において0<β<1、かつ平坦部の座標においてβ=1としてもよいし、エッジ部の座標においてβ=1、かつ平坦部の座標において1<βとしてもよい。また、エッジ部の座標において0<β<1、かつ平坦部の座標において1<βとすることもできる。
各座標(x,y)におけるβの値は、ステップS92において予め算出しておくのが好ましい。
プレ画像における撮影対象部位の輪郭を本画像における撮影対象部位の輪郭と一致させることができても、撮影対象部位の回転やねじれ等によりエッジは一致しないことが多い。しかし、上述したような方法で信号値を加算することにより、プレ画像のエッジが弱められるため、本画像とプレ画像のエッジのずれにより診断用画像のエッジがぼけてしまうのを防ぐことができる。
このステップS9の処理を行うことにより、制御部31は、本発明における画像合成手段をなすこととなり、本画像データにプレ画像データを合成して診断用画像データを生成するため、線量を落として本撮影を行っても診断用画像の画質(S/N)が低下するのを防ぐことができる。
なお、この画像合成処理は、補正処理(ステップS8)の前に行うようにしてもよい。
また、被検者の撮影対象部位を冶具で固定する等、プレ曝射のときと本曝射のときとでエッジのずれが生じないような撮影を行うことができる場合には、ステップS92の処理は不要であり、ステップS93では、本画像の信号値とプレ画像の信号値を単純に足し合わせればよい。
また、この画像合成処理では、プレ画像データ及び本画像データに基づいて、プレ曝射から本曝射までの間における被検者の動作量を部分的に測定し、プレ画像データにおける動作量の少ない部分の信号値を相対的に大きくして加算したり、動作量が所定以上の部分の信号値を加算しないようにしたりするのが好ましい。
具体的には、画像を複数の小領域に分割し、小領域毎に動作量を測定する。
このようにすれば、制御部31は、本発明における動作量測定手段をなすこととなり、プレ曝射と本曝射との間に被検者の体動があった場合でも、合成による画像のボケを抑制することができる。
以上が、撮影制御処理の流れである。
この撮影制御処理を実行することにより、本実施形態のコンソール3は、本発明における撮影制御装置をなす。
なお、コンソール3に、放射線の照射を制御する機能を持たせるようにしてもよい。具体的には、放射線照射の許可/不許可をオン(unlock)/オフ(lock)により指示する曝射指示信号を放射線照射装置1へ出力するよう構成するとともに、設定されたプレ撮影条件や本撮影条件に応じたタイミングで曝射指示信号のオン/オフに切り替える処理を実行するようにする。
この処理は、上述した撮影制御処理の中で(ステップS1とS2の間やステップS6とS7の間に)実行してもよいし、撮影制御処理とは別の処理として実行してもよい。
〔撮影の流れ〕
次に、上記放射線撮影システム100の動作について説明する。図7は、撮影時における放射線撮影システム100の動作を表すラダーチャートである。
本実施形態の放射線撮影システム100を用いた被検者の撮影では、まず、ユーザーがコンソール3にプレ撮影条件を入力すると、図7に示したように、コンソール3が、入力されたプレ撮影条件を放射線照射装置1及び放射線撮影装置2へ出力する(ステップS0)。
放射線照射装置1及び放射線撮影装置2は、プレ撮影条件が入力されると、そのプレ撮影条件をそれぞれ設定し、プレ曝射線量にてプレ曝射を行うための準備をそれぞれ行う(ステップA1,B1)。
その後、ユーザーが曝射スイッチ12を押下すると、放射線照射装置1が被検者及びその背後の放射線撮影装置2へ放射線をプレ曝射線量にて曝射する(ステップA2)。
放射線撮影装置2は、放射線の曝射を受けると、放射線の線量に基づいて各放射線検出素子が発生させた電荷を各画素に蓄積し(ステップB2)、各画素の電荷量を信号値に変換してプレ画像データとして読出し、それをコンソール3へ送信する(ステップB3)。
コンソール3は、プレ画像データを取得すると(ステップS1)、受信したプレ画像データに補正処理を行う(ステップS2)。
そして、補正後のプレ画像データに画像解析処理を行う(ステップS3)。ここで、解析結果に問題が無ければ、総線量算出処理を行い(ステップS5)、算出した総線量に基づく本曝射線量を含む本撮影条件を放射線照射装置1及び放射線撮影装置2へ出力する(ステップS6)。
放射線照射装置1及び放射線撮影装置2は、本撮影条件が入力されると、その本撮影条件をそれぞれ設定し、本曝射線量にて本曝射を行うための準備をそれぞれ行う(ステップA3,B4)。
その後、ユーザーが曝射スイッチ12を押下すると、放射線照射装置1が被検者及びその背後の放射線撮影装置2へ放射線を本曝射線量にて曝射する。
放射線撮影装置2は、放射線を受けると、放射線の線量に基づいて各放射線検出素子が発生させた電荷を各画素に蓄積し(ステップB5)、各画素の電荷量を信号値に変換して本画像データとして読出し、それをコンソール3へ送信する(ステップB6)。
ステップB5,B6の直前又は直後(図7には直後の場合を例示した)、放射線撮影装置2は、各画素に暗電荷を蓄積し(ステップB7)、各画素の暗電荷量を信号値に変換してオフセットデータとして読出し、それをコンソール3へ送信する(ステップB8)。
コンソール3は、本画像データ及びオフセットデータを取得すると(ステップS7,S8A)、受信した本画像データに補正処理を行う(ステップS8)。
そして、補正後のプレ画像データを用いて補正後の本画像データに画像合成処理を行う(ステップS9)。
こうして、診断用画像データが生成され、撮影が終了する。
なお、上述した放射線の照射を制御する機能をコンソール3に持たせた場合には、上述した撮影の流れの際、コンソール3及び放射線照射装置1は、例えば図8又は図9に示したように動作する。
例えば、プレ曝射と本曝射を併せて一曝射として扱う場合には、図8に示したように、放射線照射装置1にプレ撮影条件(mAs値や、放射線照射開始から終了までの期限であるバックアップタイム)が設定されたら(ステップA1)、放射線照射装置1がコンソール3へ設定がなされた旨の信号を送信する。
設定がなされた旨の信号を受信すると、コンソール3が撮影許可信号をオン(unlock)にする(ステップS11)。
ここで、ユーザーが曝射スイッチ12を押下すると、放射線照射装置1が、曝射スイッチ12が押下された旨の信号をコンソール3へ送信するとともに、被検者及びその背後の放射線撮影装置2へ放射線をプレ曝射線量にて曝射する(ステップA2)。
曝射スイッチ12が押下された旨の信号を受信すると、コンソール3が計時を開始し、予め設定されていたプレ曝射時間が経過したら撮影許可信号をオフ(lock)にする(ステップS12)。すると、放射線照射装置1が放射線の照射を停止する。
撮影許可信号をオフにしてから所定時間が経過するまでの間に、コンソール3が放射線照射装置1へ本撮影条件を出力し(ステップS6)、放射線照射装置1が本撮影条件を設定する(ステップA3)。そして、所定時間が経過すると、コンソール3が撮影許可信号を再びオンにする(ステップS13)。すると、放射線照射装置1が被検者及びその背後の放射線撮影装置2へ放射線を本曝射線量にて曝射する(A4)。
撮影許可信号をオンにしてから予め設定されていた本曝射時間が経過すると、コンソール3が撮影許可信号を再びオフにする(ステップS14)。すると、放射線照射装置1が放射線の照射を停止する。
一方、プレ曝射と本曝射をそれぞれ一曝射として扱う場合には、図9に示したように、放射線照射装置1にプレ撮影条件を設定する際に本撮影条件も設定する(ステップA1)。すると、放射線照射装置1がコンソール3へ設定がなされた旨の信号を送信する。
設定がなされた旨の信号を受信すると、コンソール3が撮影許可信号をオン(unlock)にする(ステップS11)。
ここで、ユーザーが曝射スイッチ12を押下すると、放射線照射装置1が、曝射スイッチ12が押下された旨の信号をコンソール3へ送信するとともに、被検者及びその背後の放射線撮影装置2へ放射線をプレ曝射線量にて曝射する(ステップA2)。
曝射スイッチ12が押下された旨の信号を受信すると、コンソール3が計時を開始し、予め設定されていたプレ曝射時間が経過したら撮影許可信号をオフ(lock)にする(ステップS12)。すると、放射線照射装置1が放射線の照射を停止する。
撮影許可信号をオフにしてから所定時間が経過するまでの間に、コンソール3が画像解析処理(ステップS3)を行い、本撮影条件の修正が必要と判断した場合には、放射線照射装置1へ修正を指示する信号を送信する。
修正を指示する信号を受信すると、放射線照射装置1が本撮影条件を設定する(ステップA3A)。そして、所定時間が経過すると、コンソール3が撮影許可信号を再びオンにする(ステップS13)。すると、放射線照射装置1が被検者及びその背後の放射線撮影装置2へ放射線を本曝射線量にて曝射する(A4)。
撮影許可信号をオンにしてから予め設定されていた本曝射時間が経過すると、コンソール3が撮影許可信号を再びオフにする(ステップS14)。すると、放射線照射装置1が放射線の照射を停止する。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について、図10,3を参照しながら説明する。ここでは、第一実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第一実施形態の放射線撮影システム100は、コンソール3が本発明における撮影制御装置をなすものであったが、本実施形態の放射線撮影システム100Aは、コンソール3Aに上述した撮影制御処理を行う機能を持たせておらず、代わりに、図10に示したような撮影制御装置4を備え、この撮影制御装置4に撮影制御処理を行う機能を持たせている。
撮影制御装置4は、コンソール3Aを介して放射線照射装置1及び放射線撮影装置2と有線又は無線で通信可能に接続されている。
撮影制御装置4は、図3に示したように、制御部41、通信部42、記憶部43、表示部44、操作部45、各部を接続するバス46を備えて構成されている。
記憶部43には、上記撮影制御処理と同様の処理を行うためのプログラムが記憶されている。
記憶部43以外の制御部41、通信部42、表示部44、操作部45は、第一実施形態のコンソール3と同様のものとすることができる。
そして、本実施形態の撮影制御装置4は、第一実施形態と同様の開始条件が成立したことを契機として撮影制御処理を実行するようになっている。
なお、本実施形態では、撮影制御装置4をコンソール3Aに接続する場合について説明したが、コンソール3を介さずに、放射線照射装置1及び放射線撮影装置2と直接接続するようにしてもよい。
また、本実施形態では、撮影制御装置4に表示部44や操作部45を備えた場合について説明したが、表示部44や操作部45を備えずに、コンソール3の表示部34や操作部45を利用するようにしてもよい。
以上説明してきたように、上記第一、第二実施形態の放射線撮影システム100,100Aが備えるコンソール3、撮影制御装置4は、外部の放射線照射装置1から被写体を介して放射線の曝射を受けることで画像データを生成する外部の放射線撮影装置2から画像データを取得することが可能な画像取得手段と、被写体に対し、後から行われる本曝射よりも低いプレ曝射線量にてプレ曝射を行うことにより外部の放射線撮影装置が生成し画像取得手段が取得したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総線量を算出する総線量算出手段と、総線量算出手段が算出した総線量に基づく本曝射線量を、外部の放射線照射装置1及び前記外部の放射線撮影装置2に出力することが可能な線量出力手段と、被写体に対し、本曝射線量にて本曝射を行うことにより外部の放射線撮影装置が生成し画像取得手段が取得した本画像データにプレ画像データを合成して、診断用画像データを生成する画像合成手段と、備えたものとなっている。
これにより、本実施形態の放射線撮影システム100Aを用いた撮影では、被曝量の多い本曝射を行う前にプレ画像を用いてポジショニングの良否(再撮影の要否)を判定することができる。よって、ポジショニング不良の状態で本曝射が行われ、被検者が無駄に被曝してしまうのを防ぐことができる。
更に、本画像データにプレ画像データを合成して診断用画像データを生成するため、線量を落として本撮影を行っても診断用画像の画質(S/N)が低下するのを防ぐことができる。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について、図1,2を参照しながら説明する。ここでは、第一実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第一実施形態の放射線撮影システム100は、コンソール3が本発明における撮影制御装置をなすものであったが、本実施形態の放射線撮影システム100B(図1参照)は、コンソール3Aがこの撮影制御装置としての機能を有しておらず、代わりに放射線撮影装置2Aがこの機能を有している。
放射線撮影装置2Aは、図2に示したように、制御部21、放射線検出部22、読出し部23、通信部24、記憶部25A、各部を接続するバス26を備えて構成されている。
記憶部25Aは、第一実施形態の放射線撮影装置2が記憶しているプログラムに加え、上記撮影制御処理と同様の処理を行うためのプログラムを記憶している。
そして、本実施形態の放射線撮影装置2Aは、所定の開始条件が成立したこと(曝射スイッチ12が押下されたこと、放射線照射装置1から放射線の照射を受けたこと、自らが画像データを生成したこと等)を契機として撮影制御処理を実行するようになっている。
なお、本実施形態では、放射線撮影装置2が撮影制御処理を行うため、本発明における画像取得手段が不要である。すなわち、読出し部23がプレ画像データや本画像データを生成することが、ステップS1,S8の処理(画像データ取得)となる。
また、放射線撮影装置2Aは、図2に示したように、表示部や音声出力手段を備えていないため、ステップS10の処理(撮影中止処理)において、ユーザーへ警告を行うことを指示する信号をコンソール3等へ送信することとなる。
また、ステップS6の処理(本撮影条件の設定)では、本撮影条件を、放射線照射装置1に出力するとともに制御部21に設定することになる。すなわち、本実施形態の放射線撮影装置2の制御部21は、本発明における線量出力設定手段をなす。
本実施形態の放射線撮影システム100Bを用いた被検者の撮影では、図11に示したように、ステップS0〜B2を、第一実施形態の放射線撮影システム100を用いた撮影と同様に行う。
そして、放射線撮影装置2Aは、各画素の電荷量を信号値に変換してプレ画像データとして読み出す(ステップB3A)。その際、プレ画像データのコンソール3Aへの送信は行わない。
その後、放射線撮影装置2は、第一実施形態の撮影制御処理と同様のステップS2〜S5を行い、本撮影条件を自身に設定するとともに、放射線照射装置1へ出力する(ステップS6A)。
その後の放射線照射装置1の動作は第一実施形態と同様である。
その後、放射線撮影装置2Aは、各画素の電荷量を信号値に変換して本画像データとして読み出す(ステップB6A)。その際、本画像データのコンソール3への送信は行わない。
ステップB5,B6Aの直前又は直後(図11には直後の場合を例示した)、放射線撮影装置2は、各画素の暗電荷量を信号値に変換してオフセットデータとして読み出す(ステップB8A)。その際、オフセットデータのコンソール3への送信は行わない。
その後、放射線撮影装置2Aは、第一実施形態の撮影制御処理と同様のステップS8,S9を行い、生成された診断用画像データをコンソール3へ送信する(ステップB9)。
以上説明してきたように、上記第四実施形態の放射線撮影システム100Bが備える放射線撮影装置2Aは、外部の放射線照射装置1から被写体を介して放射線の曝射を受けることで当該被写体の画像データを生成することが可能な画像生成手段と、被写体に対し、後から行われる本曝射よりも低いプレ曝射線量にてプレ曝射を行うことにより画像生成手段が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総線量を算出する総線量算出手段と、総線量算出手段が算出した総線量に基づく本曝射線量を、外部の放射線照射装置に出力するとともに画像生成手段に設定することが可能な線量出力設定手段と、被写体に対し、本曝射線量にて本曝射を行うことにより画像生成手段が生成した本画像データにプレ画像データを合成して、診断用画像データを生成する画像合成手段と、備えたものとなっている。
これにより、本実施形態の放射線撮影システム100Bを用いた撮影でも、第一実施形態と同様、ポジショニング不良の状態で本曝射が行われるのを防ぐことができる。
また、第一実施形態と同様、線量を落として本撮影を行っても診断用画像の画質(S/N)が低下するのを防ぐことができる。
<第四実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について、図1,3,12,13を参照しながら説明する。ここでは、第一実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態に係る放射線撮影システム100C(図1参照)は、コンソール3Bの実行する撮影制御処理の内容が、第一実施形態の放射線撮影システム100のコンソール3が実行するものと異なっている。
すなわち、コンソール3Bの記憶部33A(図3参照)に記憶されているプログラムが、第一実施形態のものと異なっている。
また、記憶部33Aには、撮影制御処理で用いるアナトミカルコードC(詳細後述)が複数種類記憶されている。
本実施形態のコンソール3Bの制御部31は、第一実施形態のコンソール3と同様、所定の開始条件が成立したことを契機として、撮影制御処理を実行するようになっている。
本実施形態の撮影制御処理は、図12に示したように、ステップS1〜ステップS4の処理、及びステップS4でNoと判定した場合に行われるステップS10の処理は第一実施形態と共通している。
また、本実施形態の撮影制御処理では、ステップS4において、異常がなかった、すなわちプレ曝射を適切に行うことができたと判定した場合(ステップS4:Yes)には、体厚情報推定処理を行う(ステップS5A)。この処理では、プレ画像データ、及び当該プレ画像データに紐づけられた付帯情報に基づいて、被写体の体厚情報を推定する。
推定する体厚情報は、「細」、「中」、「太」等の体型であってもよいし、体厚の数値であってもよい。
被写体の体厚情報の推定には、例えば特開2016−0202219号公報や特開2011−104103号公報に記載されたような技術を用いることができる。具体的には、放射線画像に設定された関心領域に属する画素に対応する信号値をヒストグラムに投票した際にヒストグラムより算出される特徴量に基づいて体厚情報を推定する、放射線画像に撮影されている被写体の横幅と体厚との相関関係に基づいて体厚情報を推定する、放射線画像の被写体領域の信号値と非被写体領域の信号値とに基づいて体厚情報を推定する、といったものがある。
このような処理を実行することにより、制御部31は、本発明における体厚情報推定手段をなす。
体厚情報を推定した後、制御部31は、アナトミカルコードCを出力する(ステップS6A)。この処理では、制御部33Aに記憶されている複数種類のアナトミカルコードCの中から、ステップS2で推定した体厚情報に基づくアナトミカルコードCを選択し、それを放射線照射装置1及び放射線撮影装置2に出力する。
本実施形態におけるアナトミカルコードCは、例えば図13に示したように、本曝射を行う際の管電圧や管電流、照射時間等を含んでいる。
また、各アナトミカルコードCは、それぞれ撮影部位と体厚情報の組合せに対応したものとなっており、制御部31は、予め設定されている撮影部位及びステップS2で推定した体厚情報の組合せと一致するアナトミカルコードCを選択する。
このような処理を実行することにより、制御部31は、本発明におけるコード出力手段をなす。
アナトミカルコードCを出力してから次のステップS7の処理までの間に、放射線照射装置1は被検者に対しアナトミカルコードCに基づく撮影条件にて本曝射を行い、放射線撮影装置2は本画像データを生成することになる。
放射線撮影装置2が本画像データを生成した後に行われるステップS7以降の処理は、図12に示したように第一実施形態と共通している。
以上説明してきたように、上記第四実施形態の放射線撮影システム100Cが備えるコンソール3Bは、外部の放射線照射装置1から被写体を介して放射線の曝射を受けることで画像データを生成する外部の放射線撮影装置2から画像データを取得することが可能な画像取得手段と、被写体に対し、後から行われる本曝射よりも低いプレ曝射線量にてプレ曝射を行うことにより外部の放射線撮影装置が生成し画像取得手段が取得したプレ画像データに基づいて、被写体の体厚情報を推定する体厚情報推定手段と、体厚情報推定手段が推定した体厚情報に基づくアナトミカルコードCを、外部の放射線照射装置1及び前記外部の放射線撮影装置2に出力することが可能なコード出力手段と、被写体に対し、アナトミカルコードCに基づく撮影条件にて本曝射を行うことにより外部の放射線撮影装置が生成し画像取得手段が取得した本画像データにプレ画像データを合成して、診断用画像データを生成する画像合成手段と、備えたものとなっている。
これにより、本実施形態の放射線撮影システム100Cを用いた撮影でも、第一実施形態と同様、ポジショニング不良の状態で本曝射が行われるのを防ぐことができる。
また、第一実施形態と同様、線量を落として本撮影を行っても診断用画像の画質(S/N)が低下するのを防ぐことができる。
なお、本実施形態に係る放射線撮影システム100Cは、上述した撮影制御処理を、コンソール3Bで実行するように構成されていたが、コンソールから独立して設けられた撮影制御装置や、放射線撮影装置が実行するように構成してもよい。
100,100A,100B,100C 放射線撮影システム
1 放射線照射装置
11 ジェネレーター
12 曝射スイッチ
13 放射線源
2,2A 放射線撮影装置
21 制御部
22 放射線検出部
23 読出し部
24 通信部
25 記憶部
26 バス
3,3B コンソール(撮影制御装置)
3A コンソール
31 制御部
32 通信部
33,33A 記憶部
34 表示部
35 操作部
36 バス
4 撮影制御装置
41 制御部
42 通信部
43 記憶部
44 表示部
45 操作部
46 バス
C アナトミカルコード
X 放射線

Claims (9)

  1. 外部の放射線照射装置から被写体を介して放射線の曝射を受けることで当該被写体の画像データを生成する外部の放射線撮影装置から画像データを取得することが可能な画像取得手段と、
    前記被写体に対し、後から行われる本曝射よりも低いプレ曝射線量にてプレ曝射を行うことにより前記外部の放射線撮影装置が生成し前記画像取得手段が取得したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総線量を算出する総線量算出手段と、
    前記総線量算出手段が算出した総線量に基づく本曝射線量を、前記外部の放射線照射装置及び前記外部の放射線撮影装置に出力することが可能な線量出力手段と、
    前記被写体に対し、前記本曝射線量にて前記本曝射を行うことにより前記外部の放射線撮影装置が生成し前記画像取得手段が取得した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成手段と、備えることを特徴とする撮影制御装置。
  2. 前記線量出力手段は、前記総線量算出手段が算出した総線量から前記プレ曝射線量を差し引いた値を前記本曝射線量として出力することを特徴とする請求項1に記載の撮影制御装置。
  3. 前記画像合成手段は、前記本画像データを構成する各画素の信号値に、前記プレ画像データを構成する各画素の信号値を加算することにより前記本画像データに前記プレ画像データを合成することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮影制御装置。
  4. 前記プレ画像データ及び前記本画像データに基づいて、前記プレ曝射から前記本曝射までの間における前記被写体の動作量を部分的に測定する動作量測定手段を備え、
    前記画像合成手段は、
    前記プレ画像データにおける動作量の少ない部分の信号値を相対的に大きくして加算することを特徴とする請求項3に記載の撮影制御装置。
  5. 前記プレ画像データ及び付帯情報に基づいて、前記プレ曝射を適切に行うことができたか否かを判定する撮影判定手段を備え、
    前記線量出力手段は、前記撮影判定手段がプレ曝射を適切に行うことができたと判定した場合に、前記本曝射線量を出力することを特徴と請求項1から3のいずれか一項に記載の撮影制御装置。
  6. 外部の放射線照射装置から被写体を介して放射線の曝射を受けることで当該被写体の画像データを生成する外部の放射線撮影装置から画像データを取得することが可能な画像取得手段と、
    前記被写体に対し、後から行われる本曝射よりも低いプレ曝射線量にてプレ曝射を行うことにより前記外部の放射線撮影装置が生成し前記画像取得手段が取得したプレ画像データに基づいて、被写体の体厚情報を推定する体厚情報推定手段と、
    前記体厚情報推定手段が推定した体厚情報に基づくアナトミカルコードを、前記外部の放射線照射装置及び前記外部の放射線撮影装置に出力することが可能なコード出力手段と、
    前記被写体に対し、前記アナトミカルコードに基づく撮影条件にて前記本曝射を行うことにより前記外部の放射線撮影装置が生成し前記画像取得手段が取得した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成手段と、備えることを特徴とする撮影制御装置。
  7. 外部の放射線照射装置から被写体を介して放射線の曝射を受けることで当該被写体の画像データを生成することが可能な画像生成手段と、
    前記被写体に対し、後から行われる本曝射よりも低いプレ曝射線量にてプレ曝射を行うことにより前記画像生成手段が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総線量を算出する総線量算出手段と、
    前記総線量算出手段が算出した総線量に基づく本曝射線量を、前記外部の放射線照射装置に出力するとともに前記画像生成手段に設定することが可能な線量出力設定手段と、
    前記被写体に対し、前記本曝射線量にて前記本曝射を行うことにより前記画像生成手段が生成した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成手段と、備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  8. 放射線を曝射する放射線照射装置と、
    放射線の曝射を受けることで放射線画像の画像データを生成する放射線照射装置と、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の撮影制御装置と、を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
  9. 放射線を曝射する放射線照射装置と、
    請求項7に記載の放射線撮影装置と、を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
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