次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず図1、図2を参照して、電子部品実装装置1の構造を説明する。図1において、基台1aの上面には、基板搬送部2がX方向(基板搬送方向)に配設されている。基板搬送部2は、実装対象の基板3を搬送して、所定位置である実装作業位置に位置決めする。基板搬送部2の両側方にはそれぞれ供給装置保持部4A、4Bが配設されている。
図2に示すように、供給装置保持部4Aには、複数のチップ型電子部品供給装置であるテープフィーダ5が並列に装着された台車13が配置されている。また供給装置保持部4Bには、複数のテープフィーダ5とともに複数(ここでは2基)(図1参照)のラジアルリード型電子部品供給装置であるラジアル部品フィーダ6が並列に装着された台車13が配置されている。すなわち供給装置保持部4A、4Bには、チップ型電子部品16(図3参照)やラジアルリード型電子部品26(図4参照)を供給する複数の電子部品供給装置(テープフィーダ5、ラジアル部品フィーダ6)が装着可能となっている。
テープフィーダ5は、実装対象のチップ型電子部品16を実装ヘッド10Aによる取り出し位置に供給する機能を有している。すなわち台車13には実装対象のチップ型電子部品16を保持した電子部品保持テープ15を巻回収納した供給リール14がセットされている。供給リール14から引き出された電子部品保持テープ15はテープフィーダ5に装填され、テープフィーダ5において電子部品保持テープ15をピッチ送りすることにより、電子部品保持テープ15に保持されたチップ型電子部品16が供給位置に順次供給される。すなわちチップ型電子部品供給装置であるテープフィーダ5は、供給装置保持部4Aに装着され、複数のチップ型電子部品16とチップ型電子部品16を保持したテープ本体15a(図3参照)とを備える電子部品保持テープ15が装填されて、チップ型電子部品16を順次供給位置に供給する。
ラジアル部品フィーダ6は、実装対象のラジアルリード型電子部品26を実装ヘッド10Bによる取り出し位置に供給する機能を有している。すなわち台車13には実装対象のラジアルリード型電子部品を保持した電子部品保持テープ25を収納したテープ収納部27が付随している。テープ収納部27から引き出された電子部品保持テープ25はラジアル部品フィーダ6に装填され、ラジアル部品フィーダ6において電子部品保持テープ25テープ送りすることにより、電子部品保持テープ25に保持されたラジアルリード型電子部品26が供給される。すなわちラジアルリード型電子部品供給装置であるラジアル部品フィーダ6は、供給装置保持部4Bに装着され、複数のラジアルリード型電子部品26とラジアルリード型電子部品26を保持したテープ本体25a(図4参照)とを備える電子部品保持テープ25が装填されて、ラジアルリード型電子部品26を順次供給位置に供給する。
基台1aのX方向の一端部には、リニアモータ駆動のY軸移動ビーム7がY方向に配設されており、Y軸移動ビーム7には2基のX軸移動ビーム8がY方向に移動自在に結合されている。それぞれのX軸移動ビーム8には、ヘッドユニット9がリニア駆動機構によってX方向に移動自在に装着されている。ヘッドユニット9は、実装ヘッド10A、10Bのいずれか一方またはこれら双方を複数備えた多連型ヘッドである。実装ヘッド10Aの下端部には、チップ型電子部品16を吸着保持する吸着ノズル10aが交換自在に装着されている。実装ヘッド10Bの下端部には、ラジアルリード型電子部品26をチャッキングにより保持するチャックユニット10bが交換自在に装着されている。
Y軸移動ビーム7およびX軸移動ビーム8を駆動することにより、ヘッドユニット9はそれぞれの供給装置保持部4A、4Bと基板搬送部2に保持された基板3との間で水平移動し、実装ヘッド10A、10Bによってチップ型電子部品16やラジアルリード型電子部品26を保持して取り出し、基板搬送部2に位置決めされた基板3に実装する。それぞれのヘッドユニット9には、X軸移動ビーム8の下面側に位置してヘッドユニット9と一体的に移動する基板認識カメラ11が設けられている。基板認識カメラ11はヘッドユニット9と一体的に基板3の上方に移動し、ここで基板認識カメラ11によって基板3を撮像することにより、基板3の位置認識が行われる。
供給装置保持部4A、4Bと基板搬送部2との間には、部品認識カメラ12が配設されている。チップ型電子部品16やラジアルリード型電子部品26を保持したヘッドユニット9が部品認識カメラ12の上方を移動することにより、部品認識カメラ12はこれらのチップ型電子部品16やラジアルリード型電子部品26を撮像し、この撮像結果を認識処理することにより、ヘッドユニット9に保持された状態におけるチップ型電子部品16やラジアルリード型電子部品26の識別や位置認識が行われる。
供給装置保持部4A、4Bにおいてテープフィーダ5、ラジアル部品フィーダ6の部品取り出し側の前縁部には、各部品供給装置に共通のテープ案内通路4bが、供給装置保持部4A、4Bの全体幅に亘って配設されている。テープ案内通路4bは、電子部品が取り出された後の空のテープ本体15a、25a(図3、図4参照)を導く機能を有する。
次に、図3を参照してテープフィーダ5の構成および機能を説明する。図3に示すように、テープフィーダ5は当該テープフィーダ5の全体形状を構成するフィーダ本体部5aおよびフィーダ本体部5aの下面から下方に凸設された装着部5bを備えた構成となっている。フィーダ本体部5aの下面をフィーダ装着ベース4aに沿わせて、装着部5bをフィーダ装着ベース4aに嵌合させることにより、テープフィーダ5は部品供給部4に固定装着される。
フィーダ本体部5aの内部には、フィーダ本体部5aのテープ送り方向における上流端部に開口するテープ走行路5cが、実装ヘッド10Aによる部品吸着位置まで連通して設けられている。テープ走行路5cは、供給リール14から引き出されてフィーダ本体部5a内に導入された電子部品保持テープ15のテープ送りをフィーダ本体部5aの上流側から実装ヘッド10Aによる部品吸着位置までガイドする機能を有している。
電子部品保持テープ15は、テープ本体15aにチップ型電子部品16を収納保持する部品ポケット15bおよび電子部品保持テープ15をピッチ送りするための送り孔15dを所定ピッチで設けた構成となっている。テープ本体15aの下面において部品ポケット15bに対応した位置は、下方に突出したエンボス部15cとなっている。テープ本体15aの上面は、部品ポケット15bからチップ型電子部品16が脱落するのを防止するために、部品ポケット15bを覆ってトップテープ15eによって封止されている。
フィーダ本体部5aには、電子部品保持テープ15をピッチ送りするためのテープ送り部17が内蔵されている。テープ送り部17は、スプロケット20、スプロケット20を回転駆動する駆動機構19および駆動機構19を制御するフィーダ制御部18を備えている。スプロケット20の外周に設けられた送りピンを電子部品保持テープ15の送り孔15dに係合させた状態で駆動機構19を駆動することにより、電子部品保持テープ15はテープ走行路5cに沿ってピッチ送りされる。
スプロケット20の手前側は、部品ポケット15b内のチップ型電子部品16を、実装ヘッド10Aの吸着ノズル10aによって吸着して取り出す部品吸着位置となっている。スプロケット20近傍のフィーダ本体部5aの上面側には、押さえ部材21が配設されており、押さえ部材21には吸着ノズル10aによる部品吸着位置に対応して吸着開口部22が設けられている。吸着開口部22の上流端は、トップテープ15eを剥離するためのトップテープ剥離部22aとなっている。
電子部品保持テープ15が押さえ部材21の下方を走行する過程において、トップテープ15eをトップテープ剥離部22aを周回させて上流側に引き出すことによって、部品吸着位置の上流側のテープ剥離位置にてトップテープ15eがテープ本体15aから剥離され、上流側へ折り返される。折り返されたトップテープ15eは、トップテープ送り機構24によってテープ回収部23内へ送り込まれる。これにより、部品ポケット15b内のチップ型電子部品16は吸着開口部22において上方へ露呈され、吸着ノズル10aによる取り出しが可能な状態となる。そしてチップ型電子部品16が取り出された後の空のテープ本体15aは、押さえ部材21の下面側を介して前方に排出され、テープフィーダ5の前縁側に配設されたテープ案内通路4bを介して下方に導かれる(図6も参照)。
次に、図4を参照してラジアル部品フィーダ6の構成および機能を説明する。図4に示すように、ラジアル部品フィーダ6は全体形状を構成するフレームであるフィーダ本体部6aに各種の機能部を配設した構成となっており、テープフィーダ5と同様に、フィーダ本体部6aから下方に凸設された装着部(図示省略)を備えた構成となっている。フィーダ本体部6aを下面をフィーダ装着ベース4aに沿わせて、装着部をフィーダ装着ベース4aに嵌合させることにより、ラジアル部品フィーダ6は供給装置保持部4Bに固定装着される。ここで、テープフィーダ5、ラジアル部品フィーダ6は装着互換性を有しており、供給装置保持部4A、4Bの任意の位置にラジアル部品フィーダ6を装着することが可能となっている。
実装対象のラジアルリード型電子部品26は、ラジアル方向に延出したリード26aを有しており、複数のラジアルリード型電子部品26のリード26aをテープ本体25aによって整列状態でテーピングすることによりテーピング部品連とした電子部品保持テープ25の形態で供給される。すなわち、電子部品保持テープ25は、複数のラジアルリード型電子部品26とこれらの複数のラジアルリード型電子部品26を保持したテープ本体25aとを備える形態となっている。そしてテープ本体25aには、以下に説明するテープ送り機構31によるテープ送りに際して使用するための送り孔25bが定ピッチで形成されている。
フィーダ本体部6aには、テープ収納部27(図2,図7参照)に収納された電子部品保持テープ25を引き出して、テープ送り方向に搬送するテープ搬送部30が設けられている。A−A断面に示すように、テープ搬送部30は垂直の1対のガイド部材30aの間の隙間にテープ本体25aを保持することにより、ラジアルリード型電子部品26が上面側に直立姿勢となった形態で搬送する構成となっている。テープ搬送部30におけるテープ送りは、テープ搬送部30に設けられたテープ送り機構31(図7、図8参照)を、フィーダ本体部6aに配設されたテープ送り駆動シリンダ32によって駆動することにより行われる。
テープ搬送部30の前縁端部には、実装ヘッド10Bのチャックユニット10bによってラジアルリード型電子部品26を保持して取り出す供給位置36が設定されている。供給位置36に到達したラジアルリード型電子部品26は、部品検出センサ40によって検出される。供給位置36には、テープ搬送部30によって搬送されて供給位置36に到達したラジアルリード型電子部品26のリード26aをカットするリードカット機構33が配設されている。リードカット機構33は、フィーダ本体部6aに配設された駆動伝達機構35を介してリードカットシリンダ34によって駆動される。
リードカット機構33は、供給位置36に到達して実装ヘッド10Bによって保持された状態のラジアルリード型電子部品26のリード26aを挟断して、ラジアルリード型電子部品26を分離させる。そしてラジアルリード型電子部品26が取り出された後のテープ本体25aは、ラジアル部品フィーダ6の前縁端部に供給位置36よりもテープ案内通路4b側に設けられた姿勢変換部37によって垂直姿勢から水平姿勢に姿勢変換された後、テープ案内通路4bによって下方に導かれる。
次に図5を参照して、姿勢変換部37の構成および機能について説明する。図5(a)に示すように、姿勢変換部37は、曲げ加工した複数の金属薄板を組み合わせて構成されている。すなわち姿勢変換部37は、フィーダ本体部6aの前面に固着されて水平方向に延出したベース部材37aの上面に、いずれも屈曲面形状の第1側面部材37b、第2側面部材37cを配置し、更にベース部材37aの先端部分を屈曲延出させた頂面部37dによって、第1側面部材37b、第2側面部材37cの上面を覆った構成となっている。この構成において、上側を頂面部37dによって、また両側面を第1側面部材37b、第2側面部材37cによって閉囲された空隙部は、テープ搬送部30によって搬送されて供給位置36まで到達しリード26aがカットされた後のテープ本体25aの姿勢を変換するガイド隙間部Sとなっている。
図5(b)は、図5(a)におけるB−B断面、C−C断面、D−D断面をそれぞれ示している。B−B断面においては、第1側面部材37b、第2側面部材37cは垂直姿勢にあって上面を覆われておらず、第1側面部材37bと第2側面部材37cとの間は、隙間中心線l1が垂直な、第1ガイド隙間部S(1)となっている。またB−B断面より手前側に位置するC−C断面においては、第1側面部材37b、第2側面部材37cは幾分傾斜姿勢にあって上面を頂面部37dによって覆われており、頂面部37d、第1側面部材37b、第2側面部材37cとで閉囲された空隙部は、隙間中心線l2が幾分傾斜した、第2ガイド隙間部S(2)となっている。そしてC−C断面よりも手前のD−D断面においては、第1側面部材37b、第2側面部材37cは更に傾斜姿勢となっており、頂面部37d、第1側面部材37b、第2側面部材37cとで閉囲された空隙部は、隙間中心線l3が水平面により近い姿勢まで傾斜した、第3ガイド隙間部S(3)となっている。
供給位置36(図4参照)においてラジアルリード型電子部品26が取り出された後のテープ本体25aは、テープ搬送部30の前縁端部から姿勢変換部37に垂直姿勢で送り込まれ(矢印a)、図5(a)に示すガイド隙間部S内を送られる。そしてこのテープ送りの過程において、ガイド隙間部Sの形状の変化(第1ガイド隙間部S(1)、第2ガイド隙間部S(2)、第3ガイド隙間部S(3))によって、テープ本体25aの姿勢が変換され、姿勢変換部37からテープ案内通路4b(図4、図6参照)に送り出される際(矢印b)には、一旦水平な姿勢に変換された後、下垂してテープ案内通路4bに導かれる。すなわち、ラジアル部品フィーダ6は、ラジアルリード型電子部品26が取り出された後のテープ本体25aの姿勢を、水平面に対して垂直な姿勢から水平面に対して平行な姿勢に変換して、テープ案内通路4bへ導入する姿勢変換部37を含む構成となっている。
次に図6を参照して、供給装置保持部4A、4Bに備えられたテープ切断部の構成および機能について説明する。なお図6においては、実線にて供給装置保持部4Aに装着されたテープフィーダ5を示し、破線にて供給装置保持部4Bに装着されたラジアル部品フィーダ6をそれぞれ示している。テープフィーダ5には供給リール14から引き出された電子部品保持テープ15が装填され、テープフィーダ5内をピッチ送りされて部品吸着位置にてチップ型電子部品16が取り出された後のテープ本体15aは、テープ案内通路4bによって下方に案内される。またラジアル部品フィーダ6にはテープ収納部27から引き出された電子部品保持テープ25が装填され、ラジアル部品フィーダ6内を搬送されて供給位置36にてラジアルリード型電子部品26が取り出された後のテープ本体25aは、同様にテープ案内通路4bによって下方に案内される。そしてこのようにして下方に案内されたテープ本体15a、テープ本体25aは、下方に配置されたテープ切断部41に案内される。
テープ切断部41は、テープフィーダ5、ラジアル部品フィーダ6から排出されたテープ本体15a、テープ本体25aを短尺寸法に切断する機能を有する。すなわち、テープ切断部41は、可動刃42a、固定刃42bを有し固定刃42bに対して可動刃42aを水平方向に往復動(矢印c)させる構成の切断機構42を備えており、テープ案内通路4bによってテープ切断部41内に導かれたテープ本体15a、テープ本体25aは、切断機構42によって小片のテープ屑15*、25*に切断され、下方に落下する(矢印e)。
テープ切断部41の下面には、下面側が開口して設けられたダクト状部材であるテープ排出ダクト43が連結されている。テープ排出ダクト43は、切断されたテープ屑15*、25*を下方に排出する機能を有している。テープ切断部41内を落下したテープ屑15*、25*は下方へ移動し、排出開口部43aから落下して上面が開放された箱形状のテープ排出箱44内に落下回収される。
上述のように、本実施の形態に示す電子部品実装装置1においては、テープフィーダ5、ラジアル部品フィーダ6が混載された供給装置保持部4Bが備えたテープ切断部41は、テープ案内通路4bに導入されたラジアルリード型電子部品26を保持していたテープ本体25aと、同様にテープ案内通路4bに導入されたチップ型電子部品16を保持していたテープ本体15aとを一括して切断するようにしている。これにより、チップ型電子部品16を実装対象とする従来設備に既に備えられている空テープ処理機能を活用して、ラジアルリード型電子部品26を実装対象とするラジアル部品フィーダ6から排出されるテープ本体25aを処理することができる。したがって、ラジアルリード型電子部品の専用のテープ戻し機構を必要としていた従来技術と比較して、簡便な構成で過大なスペースを占有することなく、電子部品分離後のテープ処理を行うことが可能となっている。
次に図7を参照して、テープ搬送部30に設けられたテープ送り機構31の構成について説明する。図7(a)において、テープ送り駆動シリンダ32のロッド32aには、連結部材38が結合されている。連結部材38は、テープ搬送部30の下方を反対面側(図7(a)に示す面の裏面側)まで延出しており、連結部材38には図7(b)に示す移動部材39が結合されている。テープ送り駆動シリンダ32を駆動してロッド32aを突没させる(矢印f)ことにより、移動部材39はテープ送り方向(矢印g)および戻り方向(矢印h)に移動する。そしてこの移動部材39の往復動により、テープ送り機構31はテープ収納部27から引き出されてラジアル部品フィーダ6に装填された電子部品保持テープ25を、テープ送り方向に供給位置36に向かってピッチ送りする。
図7(b)に示すように、移動部材39にはいずれもテープ本体25aの送り孔25bに係合する第1送り爪54、第2送り爪58を備えた第1送り部材50、第2送り部材51が、それぞれ軸支部50a、51aを介して回動自在に配設されている。第1送り部材50、第2送り部材51の位置は、第1送り爪54、第2送り爪58が送り孔25bの4ピッチ分を隔てた間隔となっており、第1送り爪54、第2送り爪58はそれぞれ圧縮バネである第1バネ部材55、第2バネ部材59によって送り孔25bに係合する方向に付勢されている。
ここで、第1送り爪54の形状は、テープ送り方向(矢印g)についてはテープ本体25aの表面に直交する方向の第1面54aを有し、戻り方向(矢印h)については、テープ本体25aの表面に対して鈍角をなす第2面54bを有する形状となっている。第2送り爪58についても、第1送り爪54と同様の形状である。第1送り爪54、第2送り爪58がこのような形状を有することにより、移動部材39をテープ送り方向(矢印g)に移動させる際には、送り孔25bに係合した状態の第1送り爪54、第2送り爪58によってテープ本体25aをテープ送り方向(矢印g)に移動させることができる。そして、テープ本体25aが位置固定された状態で移動部材39を戻り方向(矢印h)に移動させる際には、第1送り爪54、第2送り爪58は、第1バネ部材55、第2バネ部材59の付勢力に抗して送り孔25bから離脱し、移動部材39の戻り動作が阻害されない。
テープ搬送部30における固定部30bには、テープ本体25aの送り孔25bに係合する第1固定爪56、第2固定爪60を備えた第1固定部材52、第2固定部材53が、それぞれ軸支部52a、53aを介して回動自在に配設されている。第1固定部材52の位置は、第1送り爪54より送り孔25bの1ピッチ分だけ戻り方向側に位置しており、第1固定爪56は圧縮バネである第3バネ部材57によって送り孔25bに係合する方向に付勢されている。ここで、第1固定爪56の形状は、第1送り部材50における第1送り爪54と同様の形状となっている。
第2固定部材53の位置は、第2送り爪58より送り孔25bの2ピッチ分だけ戻り方向側に位置しており、第2固定爪60は引張りバネである第4バネ部材61によって送り孔25bに係合する方向に付勢されている。ここで、第2固定爪60の形状は、戻り方向(矢印h)についてはテープ本体25aの表面に直交する方向の第1面60aを有し、テープ送り方向(矢印g)については、テープ本体25aの表面に対して鈍角をなす第2面60bを有する形状となっている。第1固定爪56、第2固定爪60がこのような形状を有することにより、第1固定爪56、第2固定爪60がいずれも送り孔25bに係合した状態において、テープ本体25aにテープ送り方向(矢印g)の力が作用しない限り、第1固定爪56、第2固定爪60によってテープ本体25aの移動を規制することができ、テープ本体25aの位置が固定される。
次に図8を参照して、テープ送り機構31によるテープ送り動作について説明する。まず図8(a)は、第1送り部材50の第1送り爪54、第1固定部材52の第1固定爪56、第2送り部材51の第2送り爪58および第2固定部材53の第2固定爪60がいずれも送り孔25bに係合して、テープ本体25aが停止した状態を示している。
次に図8(b)は、図7に示すテープ送り駆動シリンダ32を駆動して移動部材39をテープ送り方向(矢印g)に移動させた状態を示している。この状態では、第1送り部材50、第2送り部材51がいずれも移動部材39とともに移動し(矢印i、j)、これにより、送り孔25bに係合した第1送り爪54、第2送り爪58を介してテープ本体25aにはテープ送り方向への力が作用し、テープ本体25aはテープ送りされる(矢印k)。このとき、第1固定爪56、第2固定爪60は、第3バネ部材57、第4バネ部材61の付勢力に抗して送り孔25bから離脱し、テープ本体25aの移動を阻害しない。
図8(c)は、移動部材39が送り孔25bの1ピッチに相当する所定量だけ移動した状態を示している。すなわちこの状態では、テープ本体25aが1ピッチ分だけテープ送りされることにより、第1固定部材52の第1固定爪56、第2固定部材53の第2固定爪60がそれぞれ1ピッチ分だけ移動した次の送り孔25bに係合し、これによりテープ本体25aの位置が固定された状態となる。
次いで移動部材39を1ピッチに相当する所定量だけ戻す動作が行われる。これにより、図8(d)に示すように、第1送り部材50、第2送り部材51が戻り方向へそれぞれ移動する(矢印l、m)。このとき、テープ本体25aは第1固定部材52、第2固定部材53によって位置が固定されていることから、第1送り部材50、第2送り部材51の戻り方向への移動時には、第1送り爪54、第2送り爪58が第1バネ部材55、第2バネ部材59の付勢力に抗して送り孔25bから離脱し、第1送り部材50、第2送り部材51の移動が阻害されない。そして移動部材39が1ピッチに相当する所定量だけ戻り方向に移動することにより、第1送り爪54、第2送り爪58が送り孔25bに係合し、図8(a)に示す状態に戻る。これにより、テープ送り機構31による1ピッチのテープ送り動作が完了する。
次に図9を参照して、供給位置36にてラジアルリード型電子部品26のリード26aをカットするリードカット機構33の構成について説明する。図9(a)は、供給位置36の近傍におけるリードカット機構33の断面を示している。図9(a)において、フィーダ本体部6aのベース部の上面には、固定フレーム部材71が立設されており、固定フレーム部材71から中央側に延出して設けられたヒンジ部71bには、可動カット部材70が軸支部72を介して軸支されている。
軸支部72の上方において可動カット部材70と固定フレーム部材71の間には、テープ搬送部30が延出している。テープ搬送部30のガイド部材30aは、ラジアルリード型電子部品26のリード26aをテーピングしたテープ本体25aが垂直姿勢で保持されている。可動カット部材70の頂部70a、固定フレーム部材71の頂部71aには、実装ヘッド10Bによって保持された状態のラジアルリード型電子部品26のリード26aを挟断する可動刃73、固定刃74が装着されている。
可動カット部材70において軸支部72より下方の下部70bには、ローラ部材75が軸支部75aを介して軸支されている。ローラ部材75は、以下に説明するように、リードカットシリンダ34によって駆動伝達機構35を介して水平外側方向(矢印r)へ駆動される。これにより頂部70aは軸支部72廻りに回動し、頂部70aに装着された可動刃73が固定刃74との間にリード26aを挟み込んで挟断する方向(矢印s)へ移動する。
図9(b)、(c)を参照して、駆動伝達機構35の構成および機能を説明する。図9(b)に示すように、リードカットシリンダ34のロッド34aにはテーパ面35bを有する略くさび形状の移動カム部材35aが結合されている。テーパ面35bには、フィーダ本体部6aにおいてリードカット機構33まで延出するアーム部材35dの一方側の端部に装着されたカムフォロア35cが当接している。アーム部材35dは、リードカット機構33に隣接した位置で軸支部35eによって水平面内での回動が自在に軸支されている。アーム部材35dの他方側の端部には、カムフォロア35fがローラ部材75と当接する位置に装着されている(図9(a)も参照)。
図9(c)に示すように、リードカットシリンダ34をロッド34aが突出する方向(矢印o)に駆動することにより、移動カム部材35aがともに移動する。そしてカムフォロア35cがテーパ面35bに倣って移動することにより、アーム部材35dはテーパ面35bによる横方向の変位分に応じて軸支部35e廻りに水平面内で回動する(矢印p)。このアーム部材35dの回動により、他方側の端部に装着されたカムフォロア35fは、水平外側方向(矢印q)へ移動する。これにより、図9(a)に示すように、カムフォロア35fと当接したローラ部材75が水平外側方向(矢印r)へ移動し、前述のリード26aの挟断が行われる。
次に図10を参照して、ラジアルリード型電子部品26を保持する機能を有する実装ヘッド10Bの構成について説明する。図10(a)に示すように、実装ヘッド10Bの下端部には、ラジアルリード型電子部品26をチャッキングによって保持するチャックユニット10bが装着されている。チャックユニット10bはチャック開閉機構81によって開閉駆動される第1チャックアーム84、第2チャックアーム85を備えており、第1チャックアーム84、第2チャックアーム85が閉方向に駆動されることにより、第1チャックアーム84、第2チャックアーム85のそれぞれの下端部に設けられた把持部84a、85aによってラジアルリード型電子部品26のリード26aを挟み込んで保持する。
チャック開閉機構81は、実装ヘッド10Bに内蔵されたチャック駆動源により駆動されるチャック駆動軸82によって動作し、チャック駆動軸82が下降することにより第1チャックアーム84、第2チャックアーム85は閉動作を行う。また実装ヘッド10Bは、第1チャックアーム84、第2チャックアーム85によって保持したラジアルリード型電子部品26のリード26aを基板の挿入孔に押し込むためのプッシャ駆動軸83を備えている。プッシャ駆動軸83は、実装ヘッド10Bに内蔵されたプッシャ駆動源により駆動されて昇降動作を行う。
図10(b)を参照して、チャック開閉機構81の構成および動作を説明する。図10(b)(1)に示すように、第1チャックアーム84、第2チャックアーム85はヒンジ機構88によって軸支されて、ヒンジ機構88廻りの回動が許容されている。第1チャックアーム84、第2チャックアーム85は、ヒンジ機構88から略直角方向外側に延出した開閉作動部84b、85bを有するL字形状の部材であり、開閉作動部84b、85bにはそれぞれカムフォロア84c、85cが装着されている。
チャック開閉機構81は、チャック駆動軸82と結合されて昇降する開閉駆動部材86を備えており、開閉駆動部材86の一方側の側面から延出した駆動伝達部86aには、カムフォロア85cが嵌入する嵌合部86bが形成されている。また開閉駆動部材86の一方側の側面には、駆動伝達部86aと同様の形状の伝達部材87が固着されており、伝達部材87に形成された嵌合部87aには、カムフォロア84cが嵌合している。図10(b)(1)は、チャック駆動軸82によって開閉駆動部材86を上昇させた状態を示しており、この状態では、開閉作動部84b、85bが引き上げられた位置にあり、したがって第1チャックアーム84、第2チャックアーム85は開状態にある。
図10(b)(2)は、図10(b)(1)に示す状態から、チャック駆動軸82を下降方向に駆動して(矢印t)、開閉駆動部材86を下降させた状態を示している。この開閉駆動部材86の下方への変位に伴い、嵌合部87a、86bにそれぞれ嵌入したカムフォロア84c、85cがともに下降し(矢印u)、これにより第1チャックアーム84、第2チャックアーム85は閉動作を行う(矢印v)。そしてこの状態では、第1チャックアーム84、第2チャックアーム85の下端部に設けられた把持部84a、85aによってラジアルリード型電子部品26のリード26aを挟み込んで保持することが可能となる。
次に実装ヘッド10Bによってラジアルリード型電子部品26を保持して取り出して基板3に実装する一連の動作について、図11、図12を参照して説明する。まず図11(a)は、実装ヘッド10Bを部品取り出し対象となるラジアル部品フィーダ6の上方へ移動させ、当該ラジアル部品フィーダ6の供給位置36の上方に位置合わせした状態を示している。このとき、供給位置36では、テープ本体25aにリード26aがテーピングされたラジアルリード型電子部品26が、直立姿勢で保持されている。そして実装ヘッド10Bでは、チャック開閉機構81を駆動するチャック駆動軸82が上昇位置にあって第1チャックアーム84、第2チャックアーム85は開状態にあり、プッシャ駆動軸83は上昇位置にある。
次いで、図11(b)に示すように、実装ヘッド10Bを下降させて(矢印w)、ラジアルリード型電子部品26を第1チャックアーム84、第2チャックアーム85によってチャッキング可能な状態とする。そして図11(c)に示すように、チャック駆動軸82を下降させてチャック開閉機構81を駆動し、第1チャックアーム84、第2チャックアーム85に閉動作を行わせる。これにより、ラジアルリード型電子部品26のリード26aは、第1チャックアーム84、第2チャックアーム85の下端部に設けられた把持部84a、85aによって挟持される。そして図9に示すリードカット機構33によるリード26aのカットはこの状態で行われる。これにより、ラジアルリード型電子部品26はテープ本体25aから分離して実装ヘッド10Bによって保持された状態となり、基板3への部品実装動作に移行する。
すなわちラジアルリード型電子部品26を保持した実装ヘッド10Bを基板3上へ移動させ、図12(a)に示すように、リード26aを実装対象となる挿入孔3aに位置合わせしながら実装ヘッド10Bを下降させる(矢印x)。そしてこの下降動作においてチャック駆動軸82によってチャック開閉機構81を駆動することにより、図12(b)に示すように、第1チャックアーム84、第2チャックアーム85を開状態としてリード26aの挟持を解除するとともに、プッシャ駆動軸83を下降させて(矢印y)、ラジアルリード型電子部品26を上面側から押圧することにより、リード26aを挿入孔3aに押し込む。これにより、1つのラジアルリード型電子部品26の基板3への実装が完了し、この後図12(c)に示すように、実装動作完了後の実装ヘッド10Bは基板3から上昇して(矢印z)、次の部品実装動作へ移行する。
上記説明したように、本実施の形態ではテープフィーダ5やラジアル部品フィーダ6などの複数の電子部品供給装置が装着可能な供給装置保持部4A、4Bを備え、実装ヘッド10Bによってラジアルリード型電子部品26を保持して基板搬送部2に位置決めされた基板3に実装する構成の電子部品実装装置1において、ラジアルリード型電子部品26が取り出された後のテープ本体25aを案内するテープ案内通路4bを備え、さらにラジアル部品フィーダ6は、ラジアルリード型電子部品26が取り出された後のテープ本体25aの姿勢を水平面に対して垂直な姿勢から水平面に対して平行な姿勢に変換してテープ案内通路4bへ導入する姿勢変換部37を含む構成としたものである。このような構成により、ラジアルリード型電子部品26が分離された後のテープ本体25aを戻り方向へテープ送りすることなく、簡便な構成で電子部品分離後のテープ処理を行うことができる。