JP2019125766A - 太陽電池用シリコン基板、太陽電池用シリコン基板の製造方法及び太陽電池 - Google Patents
太陽電池用シリコン基板、太陽電池用シリコン基板の製造方法及び太陽電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 シリコン基板表面での可視光領域の低反射率と、シリコン表面の少数キャリアライフタイムの向上を達成したシリコン基板を作製し、太陽電池の低コスト、特性向上を実現する。【解決手段】 シリコン基板の表面に化学的構造転写法(SSCT法)でSiナノクリスタル層を前処理として形成した後、ウエットエッチングを行い、微細凹凸構造を形成し、さらにSiN膜を形成し、加熱アニール処理することにより、シリコン基板表面での可視光領域の極低反射率を実現するとともに、シリコン基板表面での少数キャリアライフタイムの向上並びに高い表面パッシベーション効果を得るとともに、低コスト、高効率、高性能な太陽電池を達成することができた。【選択図】図2
Description
本発明は太陽電池用シリコン基板(以下、シリコン基板ともいう。)と太陽電池用シリコン基板の低反射化及びシリコン窒化膜(SiN膜)による表面パッシベーション効果及び太陽電池に関する。
太陽電池デバイスの作製に使用する結晶シリコン表面の反射率は、可視領域で30〜50%と高く、これをそのまま用いて高効率の太陽電池を作製するためには受光面に低反射処理を施すことが必要である。
従来の太陽電池における受光面の低反射処理法の1つとして、単結晶シリコン基板の場合にはアルカリウエットエッチング処理を用いて表面をピラミッドテクスチャ構造にする方法が知られている。この場合、処理時間に20〜30分程度を要す上、基板表面の反射率は20%〜30%のオーダーであり、更なる低反射化のために、上記ピラミッドテクスチャ構造の表面に反射防止膜等が付加形成されている。太陽電池の低コスト化のためには、多結晶シリコン基板を用いることが必要とされる。そのためには遊離砥粒法によるシリコン基板が用いられているが、切断処理に時間がかかり、そのスラリーの廃液処理にも費用がかかり、かつその処理による環境への負荷が大きく課題となっている。一方、低コストで環境負荷が小さく高速に切断可能な固定砥粒法を用いて切断された多結晶シリコン基板はこれらの課題を解決しうるものではあるが、低反射構造を形成するためのアルカリウエットエッチング処理を行う場合、その表面の結晶面の欠陥が極めて少なくきれいなため、低反射構造を形成することができずに、酸ウエットエッチンッグ処理を用いても、同様であり実用化に至っていない。実用化のためには、低反射構造を形成するためのドライエッチ技術のような高額な設備・プロセスが必要となり、高コストとなり、課題となっている。
他方、本願の発明者らは、先に、白金等をローラーに装着して用いて、シリコン基板を酸化しかつ溶解し得る,例えば上述のフッ化水素酸・過酸化水素水(HF・H2O2)混合溶液等の処理溶液中で、上記白金等を処理対象のシリコン基板に対向配置して接触又は近接させたとき、同白金等が、その表面形状を処理対象のシリコン基板表面の広い面積において、酸化と溶解との反応における触媒作用をなして、短時間に、そのシリコン基板表面を微細なSiナノクリスタル層に作り替える,転写用部材となること、すなわち、同白金等を転写用部材として利用する技術(以下、この種の技術を化学的構造転写(Surface Structure Chemical Transfer=SSCTと略記)法と称する)を提示し、それにより、シリコン基板を低反射光特性の表面になして、高い光電変換性能の太陽電池を製造することを提案している(特許文献1)。
また、本願の発明者らは、転写用部材の形状として、白金等の触媒材を用い得ること、さらに、上述の処理溶液中に1%以下の銀イオンなど少量の金属イオンが含まれていてもよいことを提示した(特許文献2)。
[0003]で少し述べたように、固定砥粒法を用いて切断された多結晶シリコン基板にアルカリウエットエッチング処理を行う場合、その表面の結晶面に欠陥が極めて少なくきれいなため、低反射構造を形成することができずに、実用化に至っていない。
SSCT法によると、HF+H2O2混合溶液に浸漬したシリコン基板表面に白金等の触媒材を接触させ、処理時間数十秒程度の短時間でシリコン表面に厚さ100nmオーダーのSiナノクリスタル層を形成できる.一方、本願発明者らは、このSiナノクリスタル層は空孔から成る結晶欠陥層ともなるため、固定砥粒法で切断された多結晶シリコン基板の結晶面にその欠陥層を形成し、それを前処理として利用すれば、ウエットエッッチングが可能となり、多結晶シリコン基板の実用化が進展すると発想し、鋭意検討を行った。また、その後の処理として、シリコン窒化膜の形成により、表面パッシベーションが可能となり、少数キャリアライフタイム(以下、ライフタイムともいう。)の向上により太陽電池用シリコン基板(以下シリコン基板ともいう)を実現でき、太陽電池の低コスト化、高性能化を図れる。
SSCT法によると、HF+H2O2混合溶液に浸漬したシリコン基板表面に白金等の触媒材を接触させ、処理時間数十秒程度の短時間でシリコン表面に厚さ100nmオーダーのSiナノクリスタル層を形成できる.一方、本願発明者らは、このSiナノクリスタル層は空孔から成る結晶欠陥層ともなるため、固定砥粒法で切断された多結晶シリコン基板の結晶面にその欠陥層を形成し、それを前処理として利用すれば、ウエットエッッチングが可能となり、多結晶シリコン基板の実用化が進展すると発想し、鋭意検討を行った。また、その後の処理として、シリコン窒化膜の形成により、表面パッシベーションが可能となり、少数キャリアライフタイム(以下、ライフタイムともいう。)の向上により太陽電池用シリコン基板(以下シリコン基板ともいう)を実現でき、太陽電池の低コスト化、高性能化を図れる。
本発明のシリコン基板では、シリコン基板表面にSSCT法でSiナノクリスタル層を前処理として形成し、その後、ウエットエッチングによりSiナノクリスタル層をエッチし低反射構造を形成し、さらに高濃度硝酸中に浸漬して、シリコン酸化膜を形成し、さらにSiN膜を形成し、アニール処理するものであり、これにより、表面パッシベーション効果を得るとともに、シリコン基板表面の少数キャリアライフタイムを著しく増大させた多結晶シリコン基板を作製提供することが可能となる。このシリコン基板を用いて、太陽電池の低コスト、高効率、高性能特性を達成することが可能となる。
本発明のシリコン基板の製造方法では、シリコン基板表面にSSCT法でSiナノクリスタル層を前処理として形成し、その後、ウエットエッチングによりSiナノクリスタル層をエッチし低反射構造を形成し、さらに高濃度硝酸中に浸漬して、シリコン酸化膜を形成し、さらにSiN膜を形成し、アニール処理するものであり、これにより、表面パッシベーション効果を得るとともに、シリコン基板表面の少数キャリアライフタイムを著しく増大させて、太陽電池の高効率、高性能特性を達成する製造方法に寄与するものである。
本発明の太陽電池では、シリコン基板表面にSSCT法でSiナノクリスタル層を前処理として形成し、その後、ウエットエッチングによりSiナノクリスタル層をエッチし低反射構造を形成し、さらに高濃度硝酸中に浸漬して、シリコン酸化膜を形成し、さらにSiN膜を形成し、アニール処理するものであり、これにより、表面パッシベーション効果を得るとともに、シリコン基板表面の少数キャリアライフタイムを著しく増大させて、低コスト、高効率、高性能特性を有する太陽電池を実現することに寄与するものである。
本発明によって、固定砥粒法で作製されたシリコン基板面にSSCT法でSiナノクリスタル層(構造層ともいう。)を前処理として形成した後、ウエットエッッチングにより、Siナノクリスタル層をエッチして、高濃度硝酸中に浸漬して化学的酸化膜形成によりシリコン酸化膜を形成し、さらにSiN膜を形成し、アニール処理を施すことにより、低反射特性を有するとともに、高い表面パッシベーション効果を得ることにより、シリコン基板表面での少数キャリアライフタイムを著しく増大させるという効果を有するシリコン基板を得ることができ、太陽電池の低コスト、高効率、高性能な特性を実現することができる。
本発明を、以下、太陽電池等に使用のシリコン基板に適用の実施例により詳細に述べる。
固定砥粒法で切断した厚さ200μm、比抵抗1.2Ωcm、156mm角のP型多結晶シリコン基板を複数枚用意して、面積5×5cm2に裁断装置で裁断し、面積5×5cm2の試料を実験に必要な所定枚数準備した。全試料をキャリアに装着して、フッ素樹脂製の容器内において、フッ硝酸ダメージエッチングを行う。薬液は60wt%の酢酸と50%のフッ酸と70wt%の硝酸と純水を280ml、84ml、336ml、84mlの784mlの混合溶液を用いた。反応時間は5分とした。反応温度は実験開始時15℃で最終的に25℃となった。 引続きパイレックスビーカーでリンス洗浄1分間と1分間の超純水による流水洗浄処理(以下リンス・流水洗浄という。)、及び窒素(N2)ブローによる約20秒〜30秒間の乾燥処理を行った。この条件でのダメージ層のエッチングは約10μ程度であった。引き続き、石英容器のなかで、通常のRCA洗浄を行った。処理温度は80℃、処理時間は10分行った。その後、パイレックスビーカーにて上記条件で超純水でリンス・流水洗浄を行い、その後、上記条件の窒素ブローで乾燥処理した。
つづいて、塩化ビニール製の容器(バット)内に、濃度50wt%のフッ化水素(HF)水180mlと濃度30wt%の過酸化水素(H2O2)水180mlとの混合液に銀イオン(Ag+イオン)1ppmを含ませた薬液360ml(以下、本実施例で使用のSSCT薬液という)を用意して、このSSCT薬液中で、筒状ローラーに白金薄膜を巻き付けた状態で、その白金薄膜面を上記処理済の試料のシリコン基板表面に一枚ごとに接触させて、そのシリコン基板の片面にSiナノクリスタル構造層を形成した。
上記ローラー及び白金薄膜の接触操作は、試作した半自動機を用いて、ローラーの圧力0.02MPaで、上記シリコン基板の表面を、白金薄膜面の移動速度4cm/sで、約15秒間往復6回反復移動させて行った。この処理条件でSiナノクリスタル層が約300nm形成された。この処理後、パイレックスビーカーで約2分間リンス・流水洗浄を行った。その後、フッ素樹脂容器中で70wt%硝酸200ml中で室温、5分間の処理を行い、引続き2分間の超純水によるリンス・流水洗浄処理を行った。これにより、本実施例でのSSCT法処理において試料のシリコンの基板表面に付着可能性のある銀(Ag金属またはAg+イオン)が除去できる。
その後、フッ素樹脂容器中で、5wt%のフッ酸溶液200mlに2分間室温で浸漬し、硝酸処理で形成された酸化膜を除去した。その後、パイレックスビーカー中で2分間のリンス・流水洗浄を行った。
次に、KOH粉末(純度86%)7.8gを超純水800mlに溶かし、アルカリのKOHエッチング液としてパイレックスガラス容器に入れた。この溶液中で試料を30秒、60秒、90秒、120秒室温で順次反応させて、エッチング処理を行った。その後、フッ硝酸ダメージエッチング処理後と同様な条件でパイレックスビーカー中でリンス・流水洗浄、窒素ブロー乾燥を行った。
図1にKOHエッチング処理し、乾燥後のSSCT処理側のシリコン基板表面のSEM観察を行い、得られたSEM像を示す。(a)は比較のためにエッチなし(0秒)、(b)は30秒エッチ、(c)は60秒エッチ、(d)は90秒エッチ、(e)は120秒エッチ後の表面状態を示している。表面に多数のホール(図中黒い部分)を有する突起状の凹凸構造の微細構造が形成され、エッチ時間の増大とともに、ホールの径が大きくなるとともに、その数が少なくなった突起が滑らかとなる凹凸構造の微細構造が形成されていることが分かった。
30秒以上のエッチングで、Siナノクリスタル層が前処理層として、ほとんどエッチされると同時に、Siナノクリスタル層中の空孔からなる欠陥及び銀によりエッチングされて形成された孔がエッチングされ、これらの微細凹凸構造が形成されると考えられる。得られた微細凹凸構造が可視光領域で有効な低反射構造となると期待できる。得られた微細構造の層厚は100nm〜200nm程度である。
しかも、これらのエッチング処理は数分の短時間で多数枚のバッジ処理が可能であり、極めて低コスト化ができる。
これらの試料を日本分光(株)製の紫外可視分光光度計を用いて、平均反射率(350nm〜1050nmの波長領域での反射率の平均。単に反射率ともいう)を測定した結果、図示しないが、(a)で2.38%、(b)で12.18%、(c)で16.76%、(d)で19.98%、(e)で22.69%を得た。これらの反射率は、フッ酸ダメージエッチング直後の得られた反射率は33.78%であり、得られた微細凹凸構造が有効な低反射構造となっていることを示している。なお、アルカリKOHエッチングの代わりに、フッ硝酸薬液を用いた酸エッチング処理によっても同様な凹凸微細構造を得ることが可能と考えられる。
図1にKOHエッチング処理し、乾燥後のSSCT処理側のシリコン基板表面のSEM観察を行い、得られたSEM像を示す。(a)は比較のためにエッチなし(0秒)、(b)は30秒エッチ、(c)は60秒エッチ、(d)は90秒エッチ、(e)は120秒エッチ後の表面状態を示している。表面に多数のホール(図中黒い部分)を有する突起状の凹凸構造の微細構造が形成され、エッチ時間の増大とともに、ホールの径が大きくなるとともに、その数が少なくなった突起が滑らかとなる凹凸構造の微細構造が形成されていることが分かった。
30秒以上のエッチングで、Siナノクリスタル層が前処理層として、ほとんどエッチされると同時に、Siナノクリスタル層中の空孔からなる欠陥及び銀によりエッチングされて形成された孔がエッチングされ、これらの微細凹凸構造が形成されると考えられる。得られた微細凹凸構造が可視光領域で有効な低反射構造となると期待できる。得られた微細構造の層厚は100nm〜200nm程度である。
しかも、これらのエッチング処理は数分の短時間で多数枚のバッジ処理が可能であり、極めて低コスト化ができる。
これらの試料を日本分光(株)製の紫外可視分光光度計を用いて、平均反射率(350nm〜1050nmの波長領域での反射率の平均。単に反射率ともいう)を測定した結果、図示しないが、(a)で2.38%、(b)で12.18%、(c)で16.76%、(d)で19.98%、(e)で22.69%を得た。これらの反射率は、フッ酸ダメージエッチング直後の得られた反射率は33.78%であり、得られた微細凹凸構造が有効な低反射構造となっていることを示している。なお、アルカリKOHエッチングの代わりに、フッ硝酸薬液を用いた酸エッチング処理によっても同様な凹凸微細構造を得ることが可能と考えられる。
その後、得られた試料を石英容器中で通常のRCA洗浄を実施し、その後、フッ硝酸ダメージエッチング処理後と同様な条件でリンス・流水洗浄し、乾燥処理を行った。引き続き、フッ素樹脂容器中で5wt%のフッ酸200mlで中で処理をし、続いて、パイレックスビーカー中で同様な条件でリンス・流水洗浄した。
次に、本実施例では、フッ素樹脂容器中でシリコン基板(試料)を濃度70wt%の室温硝酸200ml中で、5分間浸漬して、その表面に化学的処理により二酸化シリコン主体の酸化膜を形成した。この酸化膜の形成は、シリコン基板の表面パッシベーションに有効である。その後、パイレックスビーカーにて、同様な条件でリンス・流水洗浄を行った。
太陽電池のセル形成プロセスにおいて、SiN膜が低反射膜として用いられるため、得られたこれらの微細凹凸構造を有する試料にPECVD(プラズマCVD)法により、屈折率約2のSiN膜を90nmの膜厚で形成し、その後RTA(Rapid Thermal Anneal)法により、焼結処理を意図したアニール処理(熱処理炉で750℃約3秒)を行った。
得られたSiN形成しアニール処理後の各試料の平均反射率(波長350nmから1050nmの領域での反射率の平均値、以下単に反射率という)と少数キャリアライフタイム特性の測定評価を行った、その結果を反射率は点線で、少数キャリアライフタイムは斜線を有するグラフで図2に示す。反射率は30秒〜120秒で約4〜6%となり、実用的に十分な低反射率特性が得られている。なお、反射率は日本分光(株)製の紫外可視分光光度計を用いて行った。少数キャリアライフタイムはシントン社製の測定装置(WCT−120)を用いて行った。
反射率は約30秒以上で約4〜6%となり、少数キャリアライフタイムも90秒以上で約10μs〜22μsと向上し、得られた。従って、本実施例で作製されたシリコン基板は低反射特性と少数キャリアライフタイムの向上の両立が可能となり、その効果、優位性は明らかである。
特に、120秒のエッチング処理で反射率6.35%、少数キャリアライフタイム22.12μsを達成した。これらのライフタイムの向上はSiN膜をアニール処理し、SiNに含まれている水素による微細凹凸構造のSiダングリングボンドを水素終端させるいわゆる水素パッシベーション効果が有効に働いていることによるものと考えられる。
なお、フッ硝酸ダメージエッチングのみにSiN形成した場合は図示していないが、反射率11.77%でライフタイムは18.03μsであった。
反射率は約30秒以上で約4〜6%となり、少数キャリアライフタイムも90秒以上で約10μs〜22μsと向上し、得られた。従って、本実施例で作製されたシリコン基板は低反射特性と少数キャリアライフタイムの向上の両立が可能となり、その効果、優位性は明らかである。
特に、120秒のエッチング処理で反射率6.35%、少数キャリアライフタイム22.12μsを達成した。これらのライフタイムの向上はSiN膜をアニール処理し、SiNに含まれている水素による微細凹凸構造のSiダングリングボンドを水素終端させるいわゆる水素パッシベーション効果が有効に働いていることによるものと考えられる。
なお、フッ硝酸ダメージエッチングのみにSiN形成した場合は図示していないが、反射率11.77%でライフタイムは18.03μsであった。
本発明は、実施例で使用のP型多結晶シリコン基板に限らず、N型多結晶シリコン基板、P型又はN型結晶シリコン基板を用いるものにも適用可能であり、さらに、シリコン基板の処理過程で、薬液や処理溶液の種類、その濃度や温度、処理時間、あるいは使用容器等を目的達成に合うよう随意に設定することも、最適化のために適宜選定し得ることである。
本発明は、シリコン基板の表面に対して、シリコンを酸化しかつ溶解し得る処理溶液、例えばフッ酸および過酸化水素水の混合の処理溶液中で転写用部材の表面で触媒金属を作用させて、または触媒機能を有する第1の金属による転写用部材を、シリコンを酸化しかつ溶解し得る処理溶液中でシリコン基板上に接触ないし接近させることにより、上記シリコン基板の表面にナノクリスタル構造層を形成する過程を前処理として持つ,すべての半導体装置及びその製造方法に利用することができること、並びに、光電変換作用を利用する半導体デバイスで、表面反射率の低減を図り、併せて、少数キャリアライフタイムの向上を得ることができるシリコン基板及びその製造方法として、広範囲の半導体機能デバイスおよびその製造方法への利用、応用を可能にするものである。
Claims (4)
- シリコン基板表面にSiナノクリスタル層を備え、前記Siナノクリスタル層を前処理層とする太陽電池用シリコン基板
- シリコン基板表面にSiナノクリスタル層を備え、前記Siナノクリスタル層にウエットエッチングを行い形成された微細凹凸構造を有する太陽電池用シリコン基板
- 表面にSiナノクリスタル層及び前記Siナノクリスタル層にウエットエッチングを行い、シリコン窒化膜を形成し、アニール処理を行う請求項1及び2に記載の太陽電池用シリコン基板の製造方法。
- シリコン基板表面にSiナノクリスタル層及び前記Siナノクリスタル層にウエットエッチングを行い、形成された微細凹凸構造を有する太陽電池用シリコン基板を用いた太陽電池
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