JP2019124561A - 変位取得装置、変位取得方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】投影装置から見た計測点の方向と面外変位の計測方向とのなす角度、カメラから見た計測点の方向と面外変位の計測方向とのなす角度、及び、対称表面の模様のピッチを計測しなくても面外変位を算出可能にする。【解決手段】位相変化計測装置3は、計測点での模様に関する位相変化量をサンプリングモアレ法を用いて求める。記憶部5は、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離の変化量と、距離の変化による計測点での模様に関する位相変化量を表わす値との比率を記憶する。位相変化計測装置3により、基準時と計測時にそれぞれ模様に関する位相が求められ、両位相の差が位相変化量として求められた場合に、面外変位算出装置11は、計測時に位相変化計測装置3により求められた計測点での模様に関する位相変化量と、記憶部5の比率とに基づいて、計測点の面外変位を算出する。【選択図】図3
Description
本発明は、サンプリングモアレ法を用いて物体における表面の面外変位を計測する技術に関する。面外変位とは、対象表面と交差(例えば直交)する方向の変位である。
対象表面の面外変位は、次のようにサンプリングモアレ法を用いて求めることができる。サンプリングモアレ法では、例えば、格子模様のような規則性のある模様を計測対象の物体の表面(以下で対象表面という)に投影する。投影された格子模様を撮像する。これにより得た画像データに基づいて、対象表面の面外変位を計測する。すなわち、格子模様の画像データにおいて、一定の周期で画素を間引く処理を行い、この処理を、画素の間引き開始点を変えて複数回だけ行うことにより、複数のモアレ縞画像を取得する。これらのモアレ縞画像により生じるモアレ縞の位相変化量に基づいて、対象表面の面外変位を求める。
(位相変化量の計測)
図1は、サンプリングモアレ法により位相変化量を求める方法の説明図である。図1は簡単のため1次元の場合を示す。図1(A)は、対象表面に張り付けた格子模様を示し、図1(B)は、この格子模様を撮像して得た画像データを示す。図1(B)の画像データにおける輝度分布Iは、次の式(1)で表わされる。
図1は、サンプリングモアレ法により位相変化量を求める方法の説明図である。図1は簡単のため1次元の場合を示す。図1(A)は、対象表面に張り付けた格子模様を示し、図1(B)は、この格子模様を撮像して得た画像データを示す。図1(B)の画像データにおける輝度分布Iは、次の式(1)で表わされる。
式(1)において、I(x)は、対象表面内の1点の1次元座標xの輝度を示す。φ(x)は座標xにおける位相である。Iaは格子模様の輝度振幅であり、Ibは背景輝度である。画像においてモアレ縞(すなわち新たな縞模様)を発生させるために、間引き処理と輝度補間処理を行う。なお、対象表面は、2次元の広がりを有するが、ここでは、簡単のため、対象表面の座標を1次元座標(x)で表わす。
図1(C)は、間引き処理後の画像を示す。間引き処理では、画像における格子模様の周期Qに近い周期Tで画素をサンプリングし、他の位置にある画素を間引く。間引き処理は、複数回行われる。複数回の間引き処理の間で、サンプリング周期Tは同じであるが、間引きの開始点を変えている。複数回の間引き処理に対してそれぞれ間引き後の複数の画像が得られる(図1では、開始点をk=0,1,2,または3で示している)。
輝度補間処理では、各間引き処理後の画像において、間引かれた画素の輝度を図1(D)のように線形補間する。これにより、複数のモアレ縞画像データが得られる。各モアレ縞画像データにおける輝度分布の周期は、図1(B)の画像データにおける格子模様の輝度分布の周期よりも大きい。各モアレ縞画像データの輝度分布は、次の式(2)で表わされる。
式(2)において、kは間引き開始点であり、k=0,1,2,または3である。φm(x)は座標xにおけるモアレ縞の位相である。また、Qは、図1(B)の画像データにおける格子模様のピッチ(すなわち隣接する格子同士の間隔)であり、Tは、間引き処理におけるサンプリング周期である。このような位相が互いに異なる複数のモアレ縞画像データを用いて、次の式(3)の離散フーリエ変換によりモアレ縞の位相φm(x)を算出する。
このモアレ縞の位相φm(x)を、基準時の時と、その後の計測時で求める。基準時でのφm(x)と計測時でのφm(x)との差をモアレ縞の位相変化量として求める。このように位相変化量を求める方法は、例えば特許文献1に記載されている。
(面外変位)
上述した位相変化量Δφm(x)に基づいて、次の方法で、対象表面の面外変位を求めることが考えられる。図2は、この方法の説明図である。
上述した位相変化量Δφm(x)に基づいて、次の方法で、対象表面の面外変位を求めることが考えられる。図2は、この方法の説明図である。
図2において、対象表面に格子模様を投影する投影装置と、対象表面に投影された模様を撮像するカメラとは静止体に固定されているとする。図2において、互いに直交するx軸とy軸とz軸を有するxyz座標系を示す。図2に示すように、計測時において、対象表面は、実線で示す基準時の位置から、破線で示す位置にz軸方向にΔZだけ変位したとする。この面外変位ΔZは、次式(4)で求められる。
式(4)のΔφm(x)は、次のように求められる。まず、基準時において、対象表面に投影された格子模様をカメラで撮像する。これにより得た画像データに基づいて、上述のように基準時の計測点xでのモアレ縞の位相φm(x)を求める。同様に、計測時において、計測点xでのモアレ縞の位相φm(x)を求める。基準時でのφm(x)と計測時でのφm(x)との差が、Δφm(x)である。
式(4)のθ1は、投影装置から見た計測点(x)の方向と、面外変位の計測方向(図2では、計測方向はカメラの光軸と平行な方向に一致している)とのなす角度である。式(4)のθ2は、カメラから見た計測点(x)の方向と、面外変位の計測方向とのなす角度である。なす角θ1,θ2について、図2において計測点(x)の左側と右側のなす角をそれぞれ正と負にしているので、θ1は正の値であり、θ2は負の値である。式(4)のPは、対象表面に投影された模様(例えば格子模様)の実際のピッチである。なお、投影装置およびカメラと対象表面との距離は、ΔZに対して十分に大きいことにより、なす角度θ1,θ2は変位ΔZの前後で同じであるとみなしている。したがって、式(4)は近似式である。
しかし、θ1とθ2とPの値を正確に計測することは困難である。例えば、θ1とθ2とPは、投影装置またはカメラに固有の誤差により、正確に計測することは困難である。
そこで、本発明の目的は、投影装置で対象表面に規則性のある模様を投影し、投影された模様を撮像した画像データに基づいて、対象表面における計測点の面外変位を計測する場合に、投影装置から見た対象表面の計測点の方向と面外変位の計測方向とのなす角度、カメラから見た対象表面の計測点の方向と面外変位の計測方向とのなす角度、及び、対象表面における模様の実際のピッチを計測しなくても、計測点の面外変位を求めることができるようにすることにある。
上述の目的を達成するため、本発明による変位取得装置は、物体の対象表面と交差する計測方向における対象表面の変位を面外変位として計測する装置であって、
規則性のある模様を前記対象表面に投影する投影装置と、前記対象表面を撮像して画像データを生成するカメラと、該画像データに基づいて前記対象表面における計測点での前記模様に関する位相変化量をサンプリングモアレ法を用いて求めるデータ処理部とを含む位相変化計測装置と、
前記投影装置および前記カメラと前記対象表面との距離の変化量と、前記距離の変化による前記計測点での前記模様に関する位相変化量を表わす値との比率を記憶する記憶部と、
前記位相変化計測装置により、基準時と計測時にそれぞれ前記模様に関する位相が求められ、両位相の差が位相変化量として求められた場合に、当該位相変化量と、前記比率に基づいて、前記計測点の面外変位を算出する面外変位算出装置と、を備える。
規則性のある模様を前記対象表面に投影する投影装置と、前記対象表面を撮像して画像データを生成するカメラと、該画像データに基づいて前記対象表面における計測点での前記模様に関する位相変化量をサンプリングモアレ法を用いて求めるデータ処理部とを含む位相変化計測装置と、
前記投影装置および前記カメラと前記対象表面との距離の変化量と、前記距離の変化による前記計測点での前記模様に関する位相変化量を表わす値との比率を記憶する記憶部と、
前記位相変化計測装置により、基準時と計測時にそれぞれ前記模様に関する位相が求められ、両位相の差が位相変化量として求められた場合に、当該位相変化量と、前記比率に基づいて、前記計測点の面外変位を算出する面外変位算出装置と、を備える。
また、本発明による変位取得方法は、物体の対象表面と交差する計測方向における対象表面の変位を面外変位として計測する方法であって、
(a)計測時に、規則性のある模様を前記対象表面に投影装置で投影し、前記対象表面をカメラで撮像して画像データを生成し、
(b)該画像データに基づいて前記対象表面における計測点での前記模様に関する位相をサンプリングモアレ法で求め、
(c)基準時に予め求めておいた前記模様に関する位相と前記(b)で求めた前記位相との差を位相変化量として求め、
(d)前記(c)で求めた前記位相変化量と、予め求めた面外変位算出用の比率とに基づいて、前記計測点の面外変位を算出し、
前記比率は、前記投影装置および前記カメラと前記対象表面との距離の変化量と、前記距離の変化による前記計測点での前記模様に関する位相変化量を表わす値との比率である。
(a)計測時に、規則性のある模様を前記対象表面に投影装置で投影し、前記対象表面をカメラで撮像して画像データを生成し、
(b)該画像データに基づいて前記対象表面における計測点での前記模様に関する位相をサンプリングモアレ法で求め、
(c)基準時に予め求めておいた前記模様に関する位相と前記(b)で求めた前記位相との差を位相変化量として求め、
(d)前記(c)で求めた前記位相変化量と、予め求めた面外変位算出用の比率とに基づいて、前記計測点の面外変位を算出し、
前記比率は、前記投影装置および前記カメラと前記対象表面との距離の変化量と、前記距離の変化による前記計測点での前記模様に関する位相変化量を表わす値との比率である。
さらに、本発明によるプログラムは、物体の対象表面と交差する計測方向における対象表面の変位を面外変位として計測するための処理を実行するプログラムであって、
前記プログラムは、
計測時に、規則性のある模様を前記対象表面に投影装置で投影し該対象表面をカメラで撮像した画像データに基づいて、前記対象表面における計測点での前記模様に関する位相をサンプリングモアレ法で求める処理と、
基準時に予め求めておいた前記模様に関する位相と前記計測時において求めた前記位相との差を位相変化量として求める処理と、
該位相変化量と予め求めた面外変位算出用の比率とに基づいて、前記計測点の面外変位を算出する処理とをコンピュータに実行させ、
前記比率は、前記投影装置および前記カメラと前記対象表面との距離の変化量と、前記距離の変化による前記計測点での前記模様に関する位相変化量を表わす値との比率である。
前記プログラムは、
計測時に、規則性のある模様を前記対象表面に投影装置で投影し該対象表面をカメラで撮像した画像データに基づいて、前記対象表面における計測点での前記模様に関する位相をサンプリングモアレ法で求める処理と、
基準時に予め求めておいた前記模様に関する位相と前記計測時において求めた前記位相との差を位相変化量として求める処理と、
該位相変化量と予め求めた面外変位算出用の比率とに基づいて、前記計測点の面外変位を算出する処理とをコンピュータに実行させ、
前記比率は、前記投影装置および前記カメラと前記対象表面との距離の変化量と、前記距離の変化による前記計測点での前記模様に関する位相変化量を表わす値との比率である。
上述した本発明によると、投影装置および前記カメラと対象表面との距離の変化量と、対象表面における計測点での模様に関する位相変化量を表わす値との比率が求められる。面外変位の計測時に、計測点での模様に関する位相変化量を計測し、この位相変化量と上記比率とに基づいて、面外変位を算出する。この比率には、投影装置から見た対象表面の計測点の方向と面外変位の計測方向とのなす角度、カメラから見た対象表面の計測点の方向と面外変位の計測方向とのなす角度、及び、対象表面における模様の実際のピッチが反映されている。したがって、これらのなす角度とピッチを計測しなくても、面外変位を求めることができる。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
[変位取得装置の構成]
図3は、本発明の実施形態による変位取得装置10の構成を示す。変位取得装置10は、計測対象の物体1の表面(以下で単に対象表面1aという)と交差する計測方向(以下で単に計測方向ともいう)における対象表面1aの変位を面外変位として計測する。この面外変位は、例えば、物体1に荷重が作用したことによる変位、または、物体1の振動による変位であってよいが、これらに限定されない。変位取得装置10は、位相変化計測装置3、記憶部5、駆動装置7、比率算出装置9、および面外変位算出装置11を備える。
図3は、本発明の実施形態による変位取得装置10の構成を示す。変位取得装置10は、計測対象の物体1の表面(以下で単に対象表面1aという)と交差する計測方向(以下で単に計測方向ともいう)における対象表面1aの変位を面外変位として計測する。この面外変位は、例えば、物体1に荷重が作用したことによる変位、または、物体1の振動による変位であってよいが、これらに限定されない。変位取得装置10は、位相変化計測装置3、記憶部5、駆動装置7、比率算出装置9、および面外変位算出装置11を備える。
位相変化計測装置3は、規則性のある模様を対象表面1aに投影し、対象表面1aに投影した模様を撮像し、撮像した画像データに基づいて対象表面1aにおける計測点での模様に関する位相変化量(すなわち後述のモアレ縞の位相の変化量)を求める。位相変化計測装置3は、投影装置3aとカメラ3bとデータ処理部3cを備える。
投影装置3aは、上記模様を対象表面1aに投影する。この模様は、例えば格子模様であるが、後述するモアレ縞画像データを生成できれば、他の模様であってもよい。投影装置3aは、投影装置3aから見て同じ投影方向に投影した模様の位相は、当該模様が投影された位置と投影装置3aとの距離にかかわらず同じになる。
カメラ3bは、対象表面1aに投影された模様を撮像することにより、この模様の画像データを取得する。カメラ3bの向き(すなわち光軸C2方向)は、面外変位の計測方向と平行であってよいし平行でなくてもよい。カメラ3bは、計測方向と交差する方向に投影装置3aから間隔をおいて配置される。また、カメラ3bの向きは、図3のように、投影装置3aの向き(すなわち光軸C1方向)とずれていてもよい。
投影装置3aとカメラ3bは、結合部材2を介して互いに結合されている。投影装置3aとカメラ3bが計測方向と交差する方向に互いに間隔をおいて配置され、かつ、投影装置3aの向きとカメラ3bの向きが互いにずれている状態で、結合部材2に取り付けられている。これにより、投影装置3aとカメラ3bとの間隔は一定に保たれ、かつ、投影装置3aの向きとカメラ3bの向きとは互いに対して固定される。結合部材2は、例えば、上記計測方向に移動可能な移動ステージであってよく、移動ステージ2に投影装置3aとカメラ3bが取り付けられている。
データ処理部3cは、カメラ3bが撮像した模様の画像データに基づいてサンプリングモアレ法を用いて対象表面1aにおける計測点における模様に関する位相変化量を求める。
カメラ3bが取得した画像データの輝度分布I(x,y)は、次式(5)で表わされる。ここで、xとyは、それぞれ、カメラ3bに対して固定されたxyz座標系におけるx座標とy座標に相当する座標である。このxyz座標系を図3に示す。xyz座標系のz軸は、計測方向に平行である。図3の例では、z軸は、カメラ3bの光軸C2と平行である。以下において、x方向とy方向とz方向は、それぞれ、上述のxyz座標系におけるx軸と平行な方向とy軸に平行な方向とz軸に平行な方向に相当する方向を意味する。以下において、(x,y)は、対象表面1a上の2次元座標を意味する。また、以下において、xz平面に平行な1つの平面について、すなわち、y座標を固定した場合について説明する。
式(5)において、I(x,y)は、対象表面1a内の1点の座標(x,y)の輝度を示す。
φ0(x,y)は初期位相である。Qは、上述の画像データにおける上記模様(格子模様)のx方向のピッチQ(x,y)である。また、Iaは輝度の振幅であり、Ibは背景輝度である。
φ0(x,y)は初期位相である。Qは、上述の画像データにおける上記模様(格子模様)のx方向のピッチQ(x,y)である。また、Iaは輝度の振幅であり、Ibは背景輝度である。
データ処理部3cは、上述の画像データに対して間引き処理と輝度補間処理を行う。本実施形態では、データ処理部3cは、x方向について、間引き処理と輝度補間処理を行う。間引き処理では、データ処理部3cは、x方向について、所定のサンプリング周期(この例では模様の周期に近い周期T)で、画像データの画素をサンプリングして維持し、他の位置にある画素を間引いて削除する。輝度補間処理では、データ処理部3cは、間引いた画素の輝度を、この画素の周囲に存在する画素の輝度に基づいて補間(例えば線形補間)する。
データ処理部3cは、このような間引き処理と輝度補間処理を複数回行う。複数回の間引き処理の間で、サンプリング周期Tは同じであるが、間引きの開始点を変えている。データ処理部3cは、複数回の間引き処理と輝度補間処理を上述の画像データに行うことにより、複数回のそれぞれに対応する複数枚のモアレ縞画像データを生成する。
この例では、データ処理部3cは、x方向の間引き処理と輝度補間処理によりT枚のモアレ縞画像データを生成する。これらのモアレ縞画像データは、次式(6)で表わされる。
この例では、データ処理部3cは、x方向の間引き処理と輝度補間処理によりT枚のモアレ縞画像データを生成する。これらのモアレ縞画像データは、次式(6)で表わされる。
式(6)において、kはx方向における間引きの開始点を示す。kは、0、1、2、・・・、T−1の値をとる。
データ処理部3cは、式(6)に離散フーリエ変換を適用して、次式(7)により、モアレ縞の位相φm(x,y)を求める。
データ処理部3cは、式(6)に離散フーリエ変換を適用して、次式(7)により、モアレ縞の位相φm(x,y)を求める。
データ処理部3cは、このモアレ縞の位相φm(x,y)の変化Δφm(x,y)を求める。基準時(例えば対象表面1aの初期状態の時)と、その後の計測時との各々において、投影装置3aが対象表面1aに投影した模様をカメラ3bが撮像し、これにより得た画像データに基づいて、データ処理部3cは、上述のように対象表面1aにおける計測点(x,y)での位相φm(x,y)を求める。基準時において求められたφm(x,y)をφm0(x,y)とし、計測時において求められたφm(x,y)をφm2(x,y)として、データ処理部3cは、計測点(x,y)での位相変化量Δφm(x,y)を、Δφm(x,y)=φm2(x,y)−φm0(x,y)により求める。なお、計測点(x,y)の(x,y)は、xy平面と平行な平面における当該計測点のx座標とy座標を意味し,φm(x,y)やΔφm(x,y)などの(x,y)は、座標(x,y)におけるφmやΔφmの値を意味する。なお、投影装置3aおよびカメラ3bは、計測点(x,y)を含む、xz平面に平行な平面(以下で計測点平面という)上に配置されてもよいし、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離に比べて十分に小さい量だけ計測点平面からずれた位置に配置されてもよい。
記憶部5は、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの、計測方向の距離の変化量と、計測点(x,y)での模様の位相変化量を表わす値との比率を、面外変位算出用の比率として記憶する。この比率は、予め求められて記憶部5に記憶されてよい。
図4は、上記比率を取得する処理の説明図である。図4において、xyz座標系は、図3の場合と同じである。図4において、対象表面1aにおける計測点(x,y)がカメラ3bから見た設定方向に位置している。
投影装置3aおよびカメラ3bを一体で計測方向(図4ではz軸方向)に移動させることにより、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離を計測方向に変化させる。この距離の変化量をΔZ0とする。この距離の変化により、図4において、投影装置3aおよびカメラ3bとの対象表面1aとの位置関係は、投影装置3aおよびカメラ3bと実線で示す対象表面1aとの位置関係から、投影装置3aおよびカメラ3bと破線で示す対象表面1aとの位置関係に変化する。その結果、投影装置3aにより対象表面1aに投影される模様は、カメラ3bから見て設定方向に存在する計測点(x,y)において、位相がΔφm0(x,y)だけ変化する。このΔφm0(x,y)について、次の近似式(8)が成り立つ。
この式(8)の各記号は次の通りである。θ1は、投影装置3aから見た計測点(x,y)の方向(図4の例では光軸C1)と、面外変位の計測方向(図4では光軸C2と平行な方向であるが、これに限定されない)とのなす角度である。θ2は、カメラ3bから見た計測点(x,y)の方向(設定方向)と、面外変位の計測方向とのなす角度である。ただし、図4において計測点(x,y)の左側と右側のなす角をそれぞれ正と負にするので、θ1は正の値であり、θ2は負の値である。図4は一例を示しているので、θ1とθ2は、正と負のいずれの値であってもよい。Pは、対象表面1aに投影された格子模様のピッチであり、ΔZ0は、投影装置3aおよびカメラ3bを移動した距離である。なお、なす角度θ1,θ2とピッチPとは、それぞれ、上述のxyz座標系におけるxz平面に平行な1つの平面(計測点平面)における角度とピッチとであってよい。
ここで、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離は、ΔZ0に対して十分に大きいことにより、なす角度θ1,θ2とピッチPは、投影装置3aおよびカメラ3bを移動させる前と後とで同じであるとみなしている。したがって、ピッチPと(tanθ1−tanθ2)との比率が一定であるとみなせる。当該比率(tanθ1−tanθ2)/Pに2πを乗算したものは、式(8)を変形した次式(9)で表わされる。
式(9)において位相変化量Δφm0(x,y)と移動量ΔZ0は計測可能であるので、2π(tanθ1−tanθ2)/Pを求めることができる。すなわち、基準時において、投影装置3aおよびカメラ3bを移動した距離ΔZ0と、これによる計測点(x,y)での位相変化量Δφm0(x,y)を計測し、Δφm0(x,y)/ΔZ0を2π(tanθ1−tanθ2)/Pとして予め求めることができる。
記憶部5は、このように予め求めたK=Δφm0(x,y)/ΔZ0を面外変位算出用の比率として記憶している。したがって、基準時から時間が経過した計測時において、比率Kを用いて計測点(x,y)の面外変位ΔZを求めることができる。すなわち、式(9)において、ΔZ0を面外変位ΔZに置き換え、Δφm0(x,y)を計測時の位相変化量Δφm(x,y)に置き換えて、式(9)を変形した次式(10)により、計測点(x,y)の面外変位ΔZを求めることができる。ここで、Kは、上述のように2π(tanθ1−tanθ2)/Pに等しい。
なお、θ1、θ2、P、Kは、それぞれ、θ1(x,y)、θ2(x,y)、P(x,y)、K(x,y)と表現されるが、これらを、簡単のため、単にθ1、θ2、P、Kと表記している。
なお、θ1、θ2、P、Kは、それぞれ、θ1(x,y)、θ2(x,y)、P(x,y)、K(x,y)と表現されるが、これらを、簡単のため、単にθ1、θ2、P、Kと表記している。
駆動装置7は、比率Kを求めるために、投影装置3aとカメラ3bを一体で計測方向に基準位置から移動させることにより、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離を変化させる。図3の例では、駆動装置7は、投影装置3aとカメラ3bを一体的に結合している結合部材2(例えば移動ステージ)を計測方向に駆動するモータである。
比率算出装置9は、対象表面1aの基準時において、次のように比率Kを求める。まず、駆動装置7により、投影装置3aとカメラ3bを一体で計測方向に移動させる。投影装置3aおよびカメラ3bの当該移動量は、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離の変化量ΔZ0として、検出器8により検出され又は予め設定されている。また、この変化量ΔZ0による、計測点(x,y)での模様に関する上述の位相変化量Δφm0(x,y)が、位相変化計測装置3により上述のように計測される。次いで、比率算出装置9は、検出器8により検出された又は予め設定された変化量ΔZ0と、位相変化量Δφm0(x,y)との比率KをK=Δφm0(x,y)/ΔZ0により求める。比率算出装置9は、このように求めた比率Kを記憶部5に記憶させる。
面外変位算出装置11は、次のように面外変位ΔZを求める。まず、基準時から時間が経過した計測時において、上述のように、位相変化計測装置3により、計測点(x,y)における模様に関する位相変化量Δφm(x,y)が求められる。この位相変化量Δφm(x,y)は、基準時における計測点(x,y)での模様に関する位相φm0(x,y)と、計測時における当該計測点(x,y)の模様に関する位相φm2(x,y)との差である。すなわち、位相変化計測装置3のデータ処理部3cは、Δφm(x,y)=φm2(x,y)−φm0(x,y)により、Δφm(x,y)を求める。次いで、面外変位算出装置11は、この位相変化量Δφm(x,y)と、記憶部5に記憶されている比率Kとに基づいて、当該計測点(x,y)の面外変位ΔZを、上式(10)、すなわち、ΔZ=Δφm(x,y)/Kにより求める。なお、データ処理部3cは、基準時について求めた計測点(x,y)での上記位相φm0(x,y)を記憶している。
[変位取得方法]
図5は、本発明の実施形態による変位取得方法を示すフローチャートである。この変位取得方法は、上述した変位取得装置10を用いて行われる。この変位取得方法は、比率計測処理と変位計測処理とを有する。
図5は、本発明の実施形態による変位取得方法を示すフローチャートである。この変位取得方法は、上述した変位取得装置10を用いて行われる。この変位取得方法は、比率計測処理と変位計測処理とを有する。
比率計測処理は、基準時において行われ、ステップS1〜S5を有する。
ステップS1では、次のように、設定方向に存在する対象表面1aの計測点(x,y)において投影された模様に関する位相φm0(x,y)を求める。投影装置3aとカメラ3bが基準位置にある状態で、投影装置3aが対象表面1aに模様を投影し、カメラ3bが、投影された模様を撮像することにより画像データを生成する。データ処理部3cは、この画像データに対して、上述した間引き処理と輝度補間処理を、複数回行うことにより、複数のモアレ縞画像データを生成する。データ処理部3cは、生成した複数のモアレ縞画像データに基づいて、上述の式(7)により、計測点(x,y)におけるモアレ縞の位相φm(x,y)を、模様に関する位相φm0(x,y)として求める。
ステップS2では、駆動装置7が、投影装置3aとカメラ3bを、一体で、基準位置から変更位置へ計測方向にΔZ0だけ移動させる。この移動量は、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離の変化量ΔZ0として検出器8により検出されて比率算出装置9に入力される。あるいは、この移動量ΔZ0は、予め設定されており、駆動装置7は、設定されている移動量ΔZ0に従って、ステップS2を行ってもよい。駆動装置7は、例えば適宜の操作部(例えばボタン)を人が操作することにより制御されてよい。
ステップS3では、次のように、設定方向に存在する対象表面1aの計測点(x,y)において投影された模様に関する位相φm1(x,y)を求める。投影装置3aとカメラ3bが変更位置にある状態で、投影装置3aが対象表面1aに模様を投影し、カメラ3bが、投影された模様を撮像することにより画像データを生成する。データ処理部3cは、この画像データに基づいて、ステップS1の場合と同様に、複数のモアレ縞画像データを生成し、複数のモアレ縞画像データに基づいて、計測点(x,y)におけるモアレ縞の位相φm(x,y)を、模様に関する位相φm1(x,y)として求める。なお、ステップS3を終えたら、駆動装置7は、投影装置3aおよびカメラ3bを変更位置から基準位置へ移動させる。
ステップS4では、データ処理部3cは、ステップS1で求めた模様の位相φm0(x,y)と、ステップS3で求めた模様の位相φm1(x,y)との差Δφm0(x,y)を、Δφm0(x,y)=φm1(x,y)−φm0(x,y)により位相変化量として求める。
ステップS5では、比率算出装置9は、ステップS2における投影装置3aおよびカメラ3bの移動量ΔZ0と、ステップS4で求めた位相変化量Δφm0(x,y)との比率Kを、K=Δφm0(x,y)/ΔZ0により求める。ΔZ0が上述のように予め設定されている場合には、ΔZ0は比率算出装置9に予め記憶されている。比率算出装置9は、求めた比率Kを記憶部5に記憶させてよい。
変位計測処理は、基準時から時間が経過した計測時において行われ、ステップS6〜S8を有する。
ステップS6では、次のように、設定方向に存在する対象表面1aの計測点(x,y)において投影された模様に関する位相を求める。投影装置3aとカメラ3bが、ステップS1で投影と撮像を行った時と同じ基準位置にある状態で、投影装置3aが対象表面1aに模様を投影し、カメラ3bが、投影された模様を撮像することにより画像データを生成する。データ処理部3cは、この画像データに基づいて、ステップS1の場合と同様に、複数のモアレ縞画像データを生成し、複数のモアレ縞画像データに基づいて、計測点(x,y)におけるモアレ縞の位相φm(x,y)を、模様に関する位相φm2(x,y)として求める。
ステップS7では、データ処理部3cは、ステップS1で求めた模様の位相φm0(x,y)と、ステップS6で求めた模様の位相φm2(x,y)との差Δφm(x,y)を、Δφm(x,y)=φm2(x,y)−φm0(x,y)により位相変化量として求める。
ステップS8では、面外変位算出装置11は、ステップS5で求められ記憶部5に記憶されている比率Kと、ステップS7で求められた位相変化量Δφm(x,y)とに基づいて、計測点(x,y)の面外変位ΔZを、ΔZ=Δφm(x,y)/Kにより求める。
(面外変位分布の計測)
カメラ3bから見た1つの設定方向の計測点(x,y)について、変位取得装置10は、当該計測点(x,y)の面外変位ΔZを求めてもよいが、面外変位分布を求めてもよい。すなわち、カメラ3bから見た各設定方向の計測点(x,y)毎に、変位取得装置10は、当該計測点(x,y)の面外変位を求めて、これらの面外変位ΔZを面外変位分布として取得してもよい。すなわち、各計測点(x,y)についてステップS2のΔZ0が共通であり、各計測点(x,y)毎に、ステップS1のφm0(x,y)とステップ3のφm1(x,y)とステップS4のΔφm0(x,y)とステップS5のKとステップS6のφm2(x,y)とステップS7のΔφm(x,y)とステップS8のΔZが上述のように求められてよい。
カメラ3bから見た1つの設定方向の計測点(x,y)について、変位取得装置10は、当該計測点(x,y)の面外変位ΔZを求めてもよいが、面外変位分布を求めてもよい。すなわち、カメラ3bから見た各設定方向の計測点(x,y)毎に、変位取得装置10は、当該計測点(x,y)の面外変位を求めて、これらの面外変位ΔZを面外変位分布として取得してもよい。すなわち、各計測点(x,y)についてステップS2のΔZ0が共通であり、各計測点(x,y)毎に、ステップS1のφm0(x,y)とステップ3のφm1(x,y)とステップS4のΔφm0(x,y)とステップS5のKとステップS6のφm2(x,y)とステップS7のΔφm(x,y)とステップS8のΔZが上述のように求められてよい。
以上は、xz平面に平行な1つの平面における面外変位ΔZを求める場合の説明であった。ただし、変位取得装置10は、xz平面に平行な各平面について上述のように面外変位ΔZを求めてもよい。変位取得装置10は、このように求めた各平面の複数の計測点の面外変位ΔZを面外変位分布として取得してもよい。
(実施形態の効果)
本実施形態では、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離の変化量ΔZ0と、対象表面1aにおける計測点(x,y)での模様に関する位相変化量Δφm0(x,y)との比率Kを、予め求めておく。面外変位ΔZの計測時に、計測点(x,y)での模様に関する位相変化量Δφm(x,y)を計測し、この位相変化量Δφm(x,y)と上記比率Kとに基づいて、面外変位ΔZを算出する。この比率Kには、上述したなす角度θ1,θ2(図4)及び対象表面1aにおける模様の実際のピッチPが反映されている。したがって、これらのなす角度θ1,θ2とピッチPを計測しなくても、面外変位ΔZを求めることができる。
本実施形態では、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離の変化量ΔZ0と、対象表面1aにおける計測点(x,y)での模様に関する位相変化量Δφm0(x,y)との比率Kを、予め求めておく。面外変位ΔZの計測時に、計測点(x,y)での模様に関する位相変化量Δφm(x,y)を計測し、この位相変化量Δφm(x,y)と上記比率Kとに基づいて、面外変位ΔZを算出する。この比率Kには、上述したなす角度θ1,θ2(図4)及び対象表面1aにおける模様の実際のピッチPが反映されている。したがって、これらのなす角度θ1,θ2とピッチPを計測しなくても、面外変位ΔZを求めることができる。
また、対象表面1aが傾いた面であっても、投影した規則性模様が著しく変化しない場合は、計測点(x,y)に対して、面外変位に対応する変位量ΔZ0と、この変位量による位相変化量φm0(x,y)との比率Kが予め求められる為、この比率Kに基づいて、計測点(x,y)での面外変位ΔZや、対象表面1aにおける面外変位分布を求めることができる。
基準時において、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離を計測方向に変化させる。位相変化計測装置3は、当該距離の変化による、計測点(x,y)での模様に関する位相変化量Δφm0(x,y)を求める。比率算出装置9は、当該距離の変化量ΔZ0と求めた位相変化量Δφm0(x,y)との比率Kを求める。このようにして、予め比率Kを求め記憶部5に記憶させておくことができる。
カメラ3bから見た各設定方向の計測点(x,y)毎に、予め比率Kを求めておくことにより、計測時に、各設定方向の計測点(x,y)毎に面外変位ΔZを求めることができる。
駆動装置7が、互いに結合された投影装置3aとカメラ3bを一体で計測方向に移動させることにより、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離を変化させて比率Kを求めることができる。
(コンピュータプログラム)
上述したデータ処理部3cと比率算出装置9と面外変位算出装置11は、例えば、コンピュータとプログラムと記憶媒体により実現可能である。この場合、プログラムは、データ処理部3cと比率算出装置9と面外変位算出装置11の上述した各処理をコンピュータに実行させる。この場合、記憶媒体は、プログラムを非一時的に記憶するコンピュータが読取可能な媒体(例えば、コンピュータのハードディスクやメモリ、CD−ROMなどの記憶媒体)であってよい。
上述したデータ処理部3cと比率算出装置9と面外変位算出装置11は、例えば、コンピュータとプログラムと記憶媒体により実現可能である。この場合、プログラムは、データ処理部3cと比率算出装置9と面外変位算出装置11の上述した各処理をコンピュータに実行させる。この場合、記憶媒体は、プログラムを非一時的に記憶するコンピュータが読取可能な媒体(例えば、コンピュータのハードディスクやメモリ、CD−ROMなどの記憶媒体)であってよい。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、次の変更例1、2の一方または両方を採用してもよい。この場合、以下において説明しない点は上述と同じであってよい。
(変更例1)
例えば、上述では、投影装置3aおよびカメラ3bを移動させることにより、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離を変化させたが、物体1を移動させることにより、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離を変化させてもよい。
例えば、上述では、投影装置3aおよびカメラ3bを移動させることにより、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離を変化させたが、物体1を移動させることにより、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの距離を変化させてもよい。
(変更例2)
上述では、記憶部5は、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの、計測方向の距離の変化量と、計測点(x,y)での模様の位相変化量を表わす値との比率として、Kを記憶していた。ここで、「計測点(x,y)での模様の位相変化量を表わす値」は、上述では、Δφm0(x,y)であったが、Δφm0(x,y)/2πであってもよい。この場合、記憶部5は、面外変位算出用の比率として、K’=K/2π、すなわち、(tanθ1−tanθ2)/Pを記憶する。この場合、上述のステップS5では、比率算出装置9は、Δφm0(x,y)/ΔZ0を2πで割った値を面外変位算出用の比率K’として記憶部5に記憶させてよい。また、上述のステップS8では、面外変位算出装置11は、記憶部5に記憶されているK’と、位相変化量Δφm(x,y)とに基づいて、計測点(x,y)の面外変位ΔZを、ΔZ=Δφm(x,y)/2πK’により求めてよい。
上述では、記憶部5は、投影装置3aおよびカメラ3bと対象表面1aとの、計測方向の距離の変化量と、計測点(x,y)での模様の位相変化量を表わす値との比率として、Kを記憶していた。ここで、「計測点(x,y)での模様の位相変化量を表わす値」は、上述では、Δφm0(x,y)であったが、Δφm0(x,y)/2πであってもよい。この場合、記憶部5は、面外変位算出用の比率として、K’=K/2π、すなわち、(tanθ1−tanθ2)/Pを記憶する。この場合、上述のステップS5では、比率算出装置9は、Δφm0(x,y)/ΔZ0を2πで割った値を面外変位算出用の比率K’として記憶部5に記憶させてよい。また、上述のステップS8では、面外変位算出装置11は、記憶部5に記憶されているK’と、位相変化量Δφm(x,y)とに基づいて、計測点(x,y)の面外変位ΔZを、ΔZ=Δφm(x,y)/2πK’により求めてよい。
1 物体、
1a 対象表面、
2 結合部材
3 位相変化計測装置
3a 投影装置
3b カメラ
3c データ処理部
5 記憶部
7 駆動装置
8 検出器
9 比率算出装置
10 変位取得装置
11 面外変位算出装置
C1 投影装置の光軸
C2 カメラの光軸
1a 対象表面、
2 結合部材
3 位相変化計測装置
3a 投影装置
3b カメラ
3c データ処理部
5 記憶部
7 駆動装置
8 検出器
9 比率算出装置
10 変位取得装置
11 面外変位算出装置
C1 投影装置の光軸
C2 カメラの光軸
Claims (6)
- 物体の対象表面と交差する計測方向における対象表面の変位を面外変位として計測する変位取得装置であって、
規則性のある模様を前記対象表面に投影する投影装置と、前記対象表面を撮像して画像データを生成するカメラと、該画像データに基づいて前記対象表面における計測点での前記模様に関する位相変化量をサンプリングモアレ法を用いて求めるデータ処理部とを含む位相変化計測装置と、
前記投影装置および前記カメラと前記対象表面との距離の変化量と、前記距離の変化による前記計測点での前記模様に関する位相変化量を表わす値との比率を記憶する記憶部と、
前記位相変化計測装置により、基準時と計測時にそれぞれ前記模様に関する位相が求められ、両位相の差が位相変化量として求められた場合に、当該位相変化量と、前記比率に基づいて、前記計測点の面外変位を算出する面外変位算出装置と、を備える、変位取得装置。 - 前記比率を求める比率算出装置を備え、
(A)前記比率を求めるために、前記投影装置および前記カメラと前記対象表面との距離を前記計測方向に変化させ、
(B)前記位相変化計測装置は、前記(A)での前記距離の変化による、前記計測点での前記模様に関する位相変化量を求め、
(C)前記比率算出装置は、前記(A)での前記距離の変化量と前記(B)で求めた前記位相変化量を表わす値との比率を前記記憶部に記憶する前記比率として求める、請求項1に記載の変位取得装置。 - 前記計測点は、前記カメラから見た設定方向に位置し、
前記(B)で、前記位相変化計測装置は、複数の前記計測点にそれぞれ対応する複数の前記設定方向の各々について、当該設定方向に存在する前記計測点での前記模様に関する位相変化量を求め、
前記(C)で、前記比率算出装置は、複数の前記設定方向の各々について、前記(A)での前記距離の変化量と前記(B)で求めた前記位相変化量を表わす値との前記比率を求め、
計測時に、複数の前記設定方向の各々について、
前記位相変化計測装置は、当該設定方向に存在する前記計測点での前記模様に関する位相変化量を求め、
前記面外変位算出装置は、当該位相変化量と、当該設定方向についての前記比率とに基づいて、当該設定方向に存在する前記計測点の面外変位を算出し、
複数の前記設定方向のそれぞれについて算出された複数の前記面外変位を面外変位分布として得る、請求項2に記載の変位取得装置。 - 前記投影装置と前記カメラは互いに結合されており、
前記投影装置と前記カメラを一体で前記計測方向に移動させることにより、前記距離を変化させる駆動装置を備え、
前記(A)での前記距離の変化量は、前記駆動装置による前記距離の変化量であり、
前記比率算出装置は、検出器により検出された又は予め設定されている前記距離の変化量と前記(B)で検出した前記位相変化量を表わす値との前記比率を求める、請求項2または3に記載の変位取得装置。 - 物体の対象表面と交差する計測方向における対象表面の変位を面外変位として計測する変位取得方法であって、
(a)計測時に、規則性のある模様を前記対象表面に投影装置で投影し、前記対象表面をカメラで撮像して画像データを生成し、
(b)該画像データに基づいて前記対象表面における計測点での前記模様に関する位相をサンプリングモアレ法で求め、
(c)基準時に予め求めておいた前記模様に関する位相と前記(b)で求めた前記位相との差を位相変化量として求め、
(d)前記(c)で求めた前記位相変化量と、予め求めた面外変位算出用の比率とに基づいて、前記計測点の面外変位を算出し、
前記比率は、前記投影装置および前記カメラと前記対象表面との距離の変化量と、前記距離の変化による前記計測点での前記模様に関する位相変化量を表わす値との比率である、変位取得方法。 - 物体の対象表面と交差する計測方向における対象表面の変位を面外変位として計測するための処理を実行するプログラムであって、
前記プログラムは、
計測時に、規則性のある模様を前記対象表面に投影装置で投影し該対象表面をカメラで撮像した画像データに基づいて、前記対象表面における計測点での前記模様に関する位相をサンプリングモアレ法で求める処理と、
基準時に予め求めておいた前記模様に関する位相と前記計測時において求めた前記位相との差を位相変化量として求める処理と、
該位相変化量と予め求めた面外変位算出用の比率とに基づいて、前記計測点の面外変位を算出する処理とをコンピュータに実行させ、
前記比率は、前記投影装置および前記カメラと前記対象表面との距離の変化量と、前記距離の変化による前記計測点での前記模様に関する位相変化量を表わす値との比率である、プログラム。
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JP2018004853A JP2019124561A (ja) | 2018-01-16 | 2018-01-16 | 変位取得装置、変位取得方法、およびプログラム |
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