JP2019123703A - ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
現在、CML及び同種造血幹細胞移植の適応とならないPh+ALLに対する薬物療法としては、Bcr−Ablチロシンキナーゼ活性を阻害するイマチニブメシル酸塩(以下、イマチニブと略す。)が用いられているが、Bcr−Ablのキナーゼ領域内における点突然変異によりイマチニブの結合親和性が低下することが報告されており、当該変異がイマチニブへの治療抵抗性の要因の一つであると考えられている。
ダサチニブは、Ablキナーゼの立体構造への結合様式がイマチニブと一部異なることから、イマチニブ抵抗性CML及びPh+ALLの治療薬として用いられており、スプリセル(登録商標)の商品名にて提供されている。
本発明は、L−アスコルビン酸塩、L−グルタミン酸塩、ケイ酸塩、酢酸塩、L−酒石酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩を含む医薬錠剤を用いることにより、pH5.0の溶液中における優れた溶出抑制効果を有することが可能となる。
[2] 塩がL−アスコルビン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、酢酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩である[1]に記載の医薬錠剤。
[3] 塩が医薬錠剤内部に分散している[1]又は[2]に記載の医薬錠剤。
[4] アミノ基修飾高分子添加剤を含む[1]〜[3]の何れか一項に記載の医薬錠剤。
本発明は、ダサチニブと前記塩に、更にアミノ基修飾高分子添加剤を用いることで、更なる溶出の抑制をすることが可能となる。
また、本発明は、ダサチニブと前記塩に、更にアミノ基修飾高分子添加剤を用いることで、pH4.0の溶液中における優れた溶解度向上効果を有することが可能となる。
[5] アミノ基修飾高分子添加剤が医薬錠剤内部に分散している[4]に記載の医薬錠剤。
[6] ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤の製造方法であって、
(工程1)(A)ダサチニブと、(B)L−アスコルビン酸塩、L−グルタミン酸塩、ケイ酸塩、酢酸塩、L−酒石酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩と、(C)その他の医薬添加剤、を混合する工程、
(工程2)(工程1)で得られた混合物を圧縮成型し錠剤にする工程、
を含む医薬錠剤の製造方法。
[7] ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤の製造方法であって、[6]に記載の(工程1)が、
(工程1−1)(A)ダサチニブと、(B)L−アスコルビン酸塩、L−グルタミン酸塩、ケイ酸塩、酢酸塩、L−酒石酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩を混合する工程、
(工程1−2)(工程1−1)で得られた混合物と(C)その他の医薬添加剤を混合する工程、
を含む[6]に記載の医薬錠剤の製造方法。
[8] 前記(工程1)において、(A)ダサチニブと、(B)L−アスコルビン酸塩、L−グルタミン酸塩、ケイ酸塩、酢酸塩、L−酒石酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩を混合した後に、水又はアミノ基修飾高分子添加剤の分散液を添加し混合する造粒工程を含む、[6]又は[7]の何れか一項に記載の医薬錠剤の製造方法。
[9] ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤であって、アミノ基修飾高分子添加剤を含む医薬錠剤。
本発明は、アミノ基修飾高分子添加剤を含む医薬錠剤を用いることにより、pH5.0の溶液中における優れた溶出抑制効果を有することが可能となる。
また、本発明は、アミノ基修飾高分子添加剤を含む医薬錠剤を用いることにより、pH4.0の溶液中における優れた溶解度向上効果を有することが可能となる。
[10] アミノ基修飾高分子添加剤が医薬錠剤内部に分散している[9]に記載の医薬錠剤。
[11] ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤の製造方法であって、
(工程1´)(A)ダサチニブと、(B´)アミノ基修飾高分子添加剤と、(C)その他の医薬添加剤、を混合する工程、
(工程2´)(工程1´)で得られた混合物を圧縮成型し錠剤にする工程、
を含む医薬錠剤の製造方法。
[12] ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤の製造方法であって、[11]に記載の(工程1´)が、
(工程1´−1)(A)ダサチニブと、(B´)アミノ基修飾高分子添加剤を混合する工程、
(工程1´−2)(工程1´−1)で得られた混合物と(C)その他の医薬添加剤を混合する工程、
を含む[11]に記載の医薬錠剤の製造方法。
ダサチニブは医薬品の有効成分として用いることができる品質レベルの化合物を用いることが望ましい。
有効成分であるダサチニブは、当該医薬錠剤総量に対し5質量%以上60質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは10質量%以上50質量%以下である。
当該塩は、医薬品添加剤として用いられる品質のものであれば、特に制限することなく用いることができる。
当該塩は、当該医薬錠剤総量に対し1質量%以上45質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは3質量%以上15質量%以下である。
本発明において、前記アミノ基修飾高分子添加剤は当該医薬錠剤総量に対して1質量%以上45質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは3質量%以上15質量%以下である。
前記アミノ基修飾高分子添加剤の分散液は、水に対しアミノ基修飾高分子添加剤、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムを添加することにより調製することが好ましい。
前記アミノ基修飾高分子添加剤の分散液の成分の比率は任意であり、アミノ基修飾高分子添加剤の濃度は限定されないが、アミノ基修飾高分子添加剤10%、ラウリル硫酸ナトリウム1%、ステアリン酸1.5%、ステアリン酸マグネシウム3.5%、水84%の比率で調製することが好ましい。
本発明において、前記非イオン性高分子添加剤は当該医薬錠剤総量に対して1質量%以上45質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは1質量%以上15質量%以下である。
本発明は錠剤や口腔内崩壊錠といった錠剤形態である。すなわち本発明の医薬錠剤は、有効成分としてダサチニブとL−アスコルビン酸塩、L−グルタミン酸塩、ケイ酸塩、酢酸塩、L−酒石酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩を用い、その他の医薬添加剤として水、アミノ基修飾高分子添加剤もしくはアミノ基修飾高分子添加剤の分散液、及び任意の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の製剤用添加剤と併せて混合し、成型することで調製される錠剤である。 当該錠剤を調製するためには、任意に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、可溶化剤、流動化剤、コーティング剤、安定化剤、保存剤、矯味剤、着色剤等の、医薬製剤を調製するための通常の医薬製剤用添加剤を用いても良い。
賦形剤を用いる場合は、当該医薬錠剤総量に対し5質量%以上90質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは10質量%以上80質量%以下である。
結合剤を用いる場合は、当該医薬錠剤総量に対し1質量%以上60質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは2質量%以上50質量%以下である。
崩壊剤を用いる場合は、当該医薬錠剤総量に対し1質量%以上20質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
滑沢剤を用いる場合は、当該医薬錠剤総量に対し0.1質量%以上20質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは0.2質量%以上10質量%以下である。
本発明において流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素等が挙げられる。
本発明においてコーティング剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルセルロース等が挙げられる。
本発明において安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、亜硫酸塩等が挙げられる。
本発明において保存剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類等が挙げられる。
本発明において矯味剤としては、白糖、D−ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。
本発明において着色剤としては、酸化チタン、黄酸化鉄、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、褐色酸化鉄、タルク、食用黄色素類、食用青色素類、食用赤色素類等が挙げられる。
これらの添加剤は、医薬品製剤用途で許容される純度であれば特に制限されることなく用いることができる。これらの添加剤は1種のみを用いても良く、これらの混合物として用いても良い。当該医薬組成物又は医薬製剤を調製する際に、任意に使用される。
当該医薬錠剤は、ダサチニブ及びL−アスコルビン酸塩、L−グルタミン酸塩、ケイ酸塩、酢酸塩、L−酒石酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩、並びに任意の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬製剤用添加剤を配合して、場合によって任意に顆粒体を調製した後、これを圧縮成型することにより医薬錠剤を調製することができる。圧縮成型する前に、滑沢剤を別に添加して錠剤形に成型しても良い。
アミノ基修飾高分子添加剤を用いる場合も同様に、ダサチニブ、並びに任意の添加剤と共に配合して、圧縮成型することで当該医薬錠剤を調製することができる。
フィルムコーティング錠を調製する場合は、前記の圧縮成型した医薬錠剤に、コーティング剤及び、任意の可塑剤、隠蔽剤や着色剤を、水又は水と任意の割合で混合し得る有機溶剤を含む水性溶剤にて溶解又は懸濁させたコーティング剤水性溶液を、スプレー等により錠剤表面付着させ、その後、熱風を送り錠剤表面から溶媒を除去乾燥させる方法により、調製することができる。
有機溶媒としては、エタノールやアセトン、ヘプタン等の低毒性の溶媒が挙げられる。
本発明において、水もしくは添加剤の分散液を用いることが好ましく、添加剤の分散液としては、前述したアミノ基修飾高分子添加剤の分散液を用いることが好ましい。
その他の添加剤としては、任意の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、可溶化剤、流動化剤、コーティング剤、安定化剤、保存剤、矯味剤、着色剤等が挙げられ、これらの添加剤は前述した添加剤と同義である。
その他の添加剤としては、任意の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤を用いることが好ましい。より好ましくは、賦形剤として乳糖一水和物、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース、崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウム、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムである。
混合する際は、滑沢剤を除く添加剤を混合した後、滑沢剤を添加し混合することが好ましい。
錠剤の硬度は約20〜120Nとすることが好ましい。より好ましくは約50〜90Nである。
前記の試験液900mLを用いて、日本薬局方溶出試験第2法(パドル法)による溶出試験法により、本発明により調製される医薬錠剤から有効成分を試験液中へ溶出させ、紫外可視吸光度計もしくは液体クロマトグラフィーを用いて試験液への溶出率を評価することで、本発明の特徴である優れた溶出抑制効果を確認することができる。
前記の試験液900mLを用いて、日本薬局方溶出試験第2法(パドル法)による溶出試験法により、本発明により調製される医薬錠剤から有効成分を試験液中へ溶出させ、紫外可視吸光度計もしくは液体クロマトグラフィーを用いて試験液への溶出率を評価することで、本発明の特徴である優れた溶解度向上効果を確認することができる。
本発明において、前記アミノ基修飾高分子添加剤は当該医薬錠剤総量に対して1質量%以上45質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは1質量%以上15質量%以下である。
前記アミノ基修飾高分子添加剤の分散液は、水に対しアミノ基修飾高分子添加剤、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムを添加することにより調製することが好ましい。
前記アミノ基修飾高分子添加剤の分散液の成分の比率は任意であり、アミノ基修飾高分子添加剤の濃度は限定されないが、アミノ基修飾高分子添加剤10%、ラウリル硫酸ナトリウム1%、ステアリン酸1.5%、ステアリン酸マグネシウム3.5%、水84%の比率で調製することが好ましい。
本発明において、前記非イオン性高分子添加剤は当該医薬錠剤総量に対して1質量%以上45質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは1質量%以上15質量%以下である。
本発明は錠剤や口腔内崩壊錠といった錠剤形態である。すなわち本発明の医薬錠剤は、有効成分としてダサチニブとアミノ基修飾高分子添加剤もしくはアミノ基修飾高分子添加剤の分散液を用い、その他の医薬添加剤として任意の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の製剤用添加剤と併せて混合し、成型することで調製される錠剤である。 当該錠剤を調製するためには、任意に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、可溶化剤、流動化剤、コーティング剤、安定化剤、保存剤、矯味剤、着色剤等の、医薬製剤を調製するための通常の医薬製剤用添加剤を用いても良い。
賦形剤を用いる場合は、当該医薬錠剤総量に対し5質量%以上90質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは10質量%以上80質量%以下である。
結合剤を用いる場合は、当該医薬錠剤総量に対し1質量%以上60質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは2質量%以上50質量%以下である。
崩壊剤を用いる場合は、当該医薬錠剤総量に対し1質量%以上20質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
滑沢剤を用いる場合は、当該医薬錠剤総量に対し0.1質量%以上20質量%以下で使用することが好ましい。好ましくは0.2質量%以上10質量%以下である。
本発明において流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素等が挙げられる。
本発明においてコーティング剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルセルロース等が挙げられる。
本発明において安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、亜硫酸塩等が挙げられる。
本発明において保存剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類等が挙げられる。
本発明において矯味剤としては、白糖、D−ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。
本発明において着色剤としては、酸化チタン、黄酸化鉄、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、褐色酸化鉄、タルク、食用黄色素類、食用青色素類、食用赤色素類等が挙げられる。
これらの添加剤は、医薬品製剤用途で許容される純度であれば特に制限されることなく用いることができる。これらの添加剤は1種のみを用いても良く、これらの混合物として用いても良い。当該医薬組成物又は医薬製剤を調製する際に、任意に使用される。
当該医薬錠剤は、ダサチニブ及びアミノ基修飾高分子添加剤、並びに任意の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬製剤用添加剤を配合して、場合によって任意に顆粒体を調製した後、これを圧縮成型することにより医薬錠剤を調製することができる。圧縮成型する前に、滑沢剤を別に添加して錠剤形に成型しても良い。
フィルムコーティング錠を調製する場合は、前記の圧縮成型した医薬錠剤に、コーティング剤及び、任意の可塑剤、隠蔽剤や着色剤を、水又は水と任意の割合で混合し得る有機溶剤を含む水性溶剤にて溶解又は懸濁させたコーティング剤水性溶液を、スプレー等により錠剤表面付着させ、その後、熱風を送り錠剤表面から溶媒を除去乾燥させる方法により、調製することができる。
有機溶媒としては、エタノールやアセトン、ヘプタン等の低毒性の溶媒が挙げられる。
本発明において、水もしくは添加剤の分散液を用いることが好ましく、添加剤の分散液としては、前述したアミノ基修飾高分子添加剤の分散液を用いることが好ましい。
その他の添加剤としては、任意の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、可溶化剤、流動化剤、コーティング剤、安定化剤、保存剤、矯味剤、着色剤等が挙げられ、これらの添加剤は前述した添加剤と同義である。
その他の添加剤としては、任意の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤を用いることが好ましい。より好ましくは、賦形剤として乳糖一水和物、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース、崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウム、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムである。
混合する際は、滑沢剤を除く添加剤を混合した後、滑沢剤を添加し混合することが好ましい。
錠剤の硬度は約20〜120Nとすることが好ましい。より好ましくは約50〜90Nである。
前記の試験液900mLを用いて、日本薬局方溶出試験第2法(パドル法)による溶出試験法により、本発明により調製される医薬錠剤から有効成分を試験液中へ溶出させ、紫外可視吸光度計もしくは液体クロマトグラフィーを用いて試験液への溶出率を評価することで、本発明の特徴である優れた溶出抑制効果を確認することができる。
前記の試験液900mLを用いて、日本薬局方溶出試験第2法(パドル法)による溶出試験法により、本発明により調製される医薬錠剤から有効成分を試験液中へ溶出させ、紫外可視吸光度計もしくは液体クロマトグラフィーを用いて試験液への溶出率を評価することで、本発明の特徴である優れた溶解度向上効果を確認することができる。
[実施例1]
ダサチニブ200mg、L−グルタミン酸ナトリウム40mgを混合した。この混合物に水を0.4mL添加し、混合し減圧乾燥した。この混合物60mg、乳糖一水和物67.5mg、結晶セルロース57.5mg、ヒドロキシプロピルセルロース6mg、クロスカルメロースナトリウム8mgを混合した。この混合物に、ステアリン酸マグネシウム1mgを加えて打錠することで、実施例1に係る錠剤を調製した。
実施例1において、L−グルタミン酸ナトリウム40mgに代えてメタケイ酸アルミン酸マグネシウム40mgを用い、その他は実施例1と同様の操作を行うことにより実施例2に係る錠剤を調製した。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE10g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、ステアリン酸1.5g、ステアリン酸マグネシウム3.5gを水84gに添加し、分散液を調製した。ダサチニブ300mg、L−アスコルビン酸ナトリウム60mgを混合した。この混合物に分散液を0.6mL添加し、混合し減圧乾燥した。この混合物76mg、乳糖一水和物67.5mg、結晶セルロース47.5mg、ヒドロキシプロピルセルロース6mg、クロスカルメロースナトリウム8mgを混合した。この混合物に、ステアリン酸マグネシウム1mgを加えて打錠することで、実施例3に係る錠剤を調製した。
実施例3において、L−アスコルビン酸ナトリウム60mgに代えて表1に挙げる塩を用い、その他は実施例3と同様の操作を行うことにより実施例4〜10に係る錠剤を調製した。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE10g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、ステアリン酸1.5g、ステアリン酸マグネシウム3.5gを水84gに添加し、分散液を調製した。ダサチニブ300mg、L−グルタミン酸ナトリウム105mgを混合した。この混合物に分散液を0.6mL添加し、混合し減圧乾燥した。この混合物83.5mg、乳糖一水和物67.5mg、結晶セルロース40.0mg、ヒドロキシプロピルセルロース6mg、クロスカルメロースナトリウム8mgを混合した。この混合物に、ステアリン酸マグネシウム1mgを加えて打錠することで、実施例11に係る錠剤を調製した。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE10g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、ステアリン酸1.5g、ステアリン酸マグネシウム3.5gを水84gに添加し、分散液を調製した。ダサチニブ300mg、L−グルタミン酸ナトリウム150mgを混合した。この混合物に分散液を0.6mL添加し、混合し減圧乾燥した。この混合物91mg、乳糖一水和物67.5mg、結晶セルロース32.5mg、ヒドロキシプロピルセルロース6mg、クロスカルメロースナトリウム8mgを混合した。この混合物に、ステアリン酸マグネシウム1mgを加えて打錠することで、実施例12に係る錠剤を調製した。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE10g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、ステアリン酸1.5g、ステアリン酸マグネシウム3.5gを水84gに添加し、分散液を調製した。ダサチニブ300mg、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム150mgを混合した。この混合物に分散液を0.6mLおよび水を0.9mL添加し、混合し減圧乾燥した。この混合物91mg、乳糖一水和物67.5mg、結晶セルロース32.5mg、ヒドロキシプロピルセルロース6mg、クロスカルメロースナトリウム8mgを混合した。この混合物に、ステアリン酸マグネシウム1mgを加えて打錠することで、実施例13に係る錠剤を調製した。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE10g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、ステアリン酸1.5g、ステアリン酸マグネシウム3.5gを水84gに添加し、分散液を調製した。ダサチニブ300mg、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム150mgを混合した。この混合物に分散液を1.5mL添加し、混合し減圧乾燥した。この混合物115mg、乳糖一水和物67.5mg、結晶セルロース17.5mg、ヒドロキシプロピルセルロース6mg、クロスカルメロースナトリウム8mgを混合した。この混合物に、ステアリン酸マグネシウム1mgを加えて打錠することで、実施例14に係る錠剤を調製した。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE10g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、ステアリン酸1.5g、ステアリン酸マグネシウム3.5gを水84gに添加し、分散液を調製した。ダサチニブ200mg、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム40mgを混合した。この混合物に分散液を1.0mL添加し、混合し減圧乾燥した。この混合物100mg、乳糖一水和物67.5mg、結晶セルロース32.5mg、ヒドロキシプロピルセルロース6mg、クロスカルメロースナトリウム8mgを混合した。この混合物に、ステアリン酸マグネシウム1mgを加えて打錠することで、実施例15に係る錠剤を調製した。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE10g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、ステアリン酸1.5g、ステアリン酸マグネシウム3.5gを水84gに添加し、分散液を調製した。ダサチニブ300mgにこの分散液を0.3mL添加し、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液を0.1mL添加し、混合し減圧乾燥した。この混合物63mg、乳糖一水和物67.5mg、結晶セルロース57.5mg、ヒドロキシプロピルセルロース6mg、クロスカルメロースナトリウム8mgを混合した。この混合物に、ステアリン酸マグネシウム1mgを加えて打錠することで、実施例16に係る錠剤を調製した。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE10g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、ステアリン酸1.5g、ステアリン酸マグネシウム3.5gを水84gに添加し、分散液を調製した。ダサチニブ390mgにこの分散液を0.39mL添加し、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液を0.2mL添加し、混合し減圧乾燥した。この混合物65.5mg、乳糖一水和物67.5mg、結晶セルロース55.0mg、ヒドロキシプロピルセルロース6mg、クロスカルメロースナトリウム8mgを混合した。この混合物に、ステアリン酸マグネシウム1mgを加えて打錠することで、実施例17に係る錠剤を調製した。
ダサチニブ50mg、乳糖一水和物67.5mg、結晶セルロース67.5mg、ヒドロキシプロピルセルロース6mg、クロスカルメロースナトリウム8mgを混合した。この混合物に、ステアリン酸マグネシウム1mgを加えて打錠することで、比較例1に関わる錠剤を調製した。
実施例1〜14並びに比較例1の錠剤を、薄めたMcIlvaineの緩衝液を用い調製したpH5.0の水性溶液を用い、日本薬局方溶出試験第2法(パドル法)により溶出率を評価した。また、実施例15〜17の錠剤も、薄めたMcIlvaineの緩衝液を用い調製したpH5.0の水性溶液を用い、日本薬局方溶出試験第2法(パドル法)により溶出率を評価した。
溶出試験器(NTR−6400A、富山産業株式会社製)を用い、試験液量を900mL、試験液温を37±0.5℃、パドル回転数を50rpmとして溶出率を評価した。
経時点は5分、10分、15分、20分、30分とし、サンプリング量を3mLとし、液体クロマトグラフィーにて測定した。
得られた結果を表2に示す。
実施例10、15〜17並びに比較例1の錠剤を、薄めたMcIlvaineの緩衝液を用い調製したpH4.0の水性溶液を用い、日本薬局方溶出試験第2法(パドル法)により溶出率を評価した。
溶出試験器(NTR−6400A、富山産業株式会社製)を用い、試験液量を900mL、試験液温を37±0.5℃、パドル回転数を50rpmとして溶出率を評価した。
経時点は30分、60分、120分、240分、360分とし、サンプリング量を3mLとし、液体クロマトグラフィーにて測定した。
得られた結果を表3に示す。
Claims (12)
- ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤であって、
L−アスコルビン酸塩、L−グルタミン酸塩、ケイ酸塩、酢酸塩、L−酒石酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩
を含む医薬錠剤。 - 塩がL−アスコルビン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、酢酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩である請求項1に記載の医薬錠剤。
- 塩が医薬錠剤内部に分散している請求項1又は請求項2に記載の医薬錠剤。
- アミノ基修飾高分子添加剤を含む請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の医薬錠剤。
- アミノ基修飾高分子添加剤が医薬錠剤内部に分散している請求項4に記載の医薬錠剤。
- ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤の製造方法であって、
(工程1)(A)ダサチニブと、(B)L−アスコルビン酸塩、L−グルタミン酸塩、ケイ酸塩、酢酸塩、L−酒石酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩と、(C)その他の医薬添加剤、を混合する工程、
(工程2)(工程1)で得られた混合物を圧縮成型し錠剤にする工程、
を含む医薬錠剤の製造方法。 - ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤の製造方法であって、請求項6に記載の(工程1)が、
(工程1−1)(A)ダサチニブと、(B)L−アスコルビン酸塩、L−グルタミン酸塩、ケイ酸塩、酢酸塩、L−酒石酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩を混合する工程、
(工程1−2)(工程1−1)で得られた混合物と(C)その他の医薬添加剤を混合する工程、
を含む請求項6に記載の医薬錠剤の製造方法。 - 前記(工程1)において、(A)ダサチニブと、(B)L−アスコルビン酸塩、L−グルタミン酸塩、ケイ酸塩、酢酸塩、L−酒石酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上の塩を混合した後に、水又はアミノ基修飾高分子添加剤の分散液を添加し混合する造粒工程を含む、請求項6又は請求項7の何れか一項に記載の医薬錠剤の製造方法。
- ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤であって、アミノ基修飾高分子添加剤を含む医薬錠剤。
- アミノ基修飾高分子添加剤が医薬錠剤内部に分散している請求項9に記載の医薬錠剤。
- ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤の製造方法であって、
(工程1´)(A)ダサチニブと、(B´)アミノ基修飾高分子添加剤と、(C)その他の医薬添加剤、を混合する工程、
(工程2´)(工程1´)で得られた混合物を圧縮成型し錠剤にする工程、
を含む医薬錠剤の製造方法。 - ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤の製造方法であって、請求項11に記載の(工程1´)が、
(工程1´−1)(A)ダサチニブと、(B´)アミノ基修飾高分子添加剤を混合する工程、
(工程1´−2)(工程1´−1)で得られた混合物と(C)その他の医薬添加剤を混合する工程、
を含む請求項11に記載の医薬錠剤の製造方法。
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