JP2019123178A - ジョイント糊の製造方法 - Google Patents

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JP2019123178A JP2018006271A JP2018006271A JP2019123178A JP 2019123178 A JP2019123178 A JP 2019123178A JP 2018006271 A JP2018006271 A JP 2018006271A JP 2018006271 A JP2018006271 A JP 2018006271A JP 2019123178 A JP2019123178 A JP 2019123178A
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田中 博之
Hiroyuki Tanaka
博之 田中
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Abstract

【課題】分散度が十分高く、タイヤ用ゴム部材に均一な粘着力を十分に付与することができるジョイント糊を製造することができるジョイント糊の製造方法を提供する。【解決手段】空気入りタイヤの製造に際して、タイヤ用ゴム部材のジョイント部に塗布して、ジョイント部における粘着力を付与するジョイント糊の製造方法であって、天然ゴムを含有するジョイント糊用ゴム組成物を、有機溶剤に浸漬して膨潤させる浸漬工程と、混練機を用いて、常温下、膨潤したジョイント糊用ゴム組成物を混練して、ジョイント糊用ゴム組成物にせん断力を加えながら有機溶剤中に分散させる混練工程とを備えているジョイント糊の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤの製造工程において、タイヤ用ゴム部材のジョイント部における接着性の向上を目的として使用されるジョイント糊の分散性を向上させるジョイント糊の製造方法に関する。
空気入りタイヤの製造工程においては、トレッドゴムなどのシート状ゴム部材を円筒状のドラムに巻回して、両端をジョイントしている。このとき、端面同士が十分に接着されていないと、加硫されて製品タイヤとなった時点でジョイント開きが発生する恐れがあるため、従来より、端面同士の接着性を向上させることを目的として、両端面にジョイント糊を塗布して粘着性を付与してジョイントしている(例えば 、特許文献1)。
このようなジョイント糊は、シート状に加工されたジョイント糊用ゴム組成物を適度な長さに切り取り、有機溶剤中に浸漬して膨潤させた後、加熱しながら撹拌して溶解させることにより製造されている。
図6は、従来のジョイント糊を製造する工程を模式的に説明する図であり、上段(a)から下段(c)へと工程が進行していく。まず、図6(a)に示すように、ジョイント糊用ゴム組成物19を加熱しながら押出機18から押出してシート状に加工した後、冷却ドラム20で冷却しながら搬送し、ベルトコンベア22上でオートカッター21を用いて所定の長さに切り取り、ライナー23と重ね合わせた状態で巻き取りロール24に巻き取る。
その後、巻き取られたシートからジョイント糊用ゴム組成物19を巻出して、図6(b)に示すように、浸漬容器27に入れ有機溶剤28中に浸漬する。所定の時間浸漬してジョイント糊用ゴム組成物を膨潤させた後、図6(c)に示すように、有機溶剤28を吸収して膨潤したジョイント糊用ゴム組成物19を撹拌装置32に移し、必要に応じてさらに有機溶剤を添加して加熱しながら撹拌することによりジョイント糊33を製造している。
特開2006−241346号公報
上記した従来のジョイント糊の製造工程においては、加熱して撹拌しているため製造時間を短くでき、その面からは効率的であるが、出来上がったジョイント糊は均一に分散されているとは言えず(分散度が低い)、均一な粘着力を付与することができないという問題があった。
そこで、本発明は、分散度が十分高く、タイヤ用ゴム部材に均一な粘着力を十分に付与することができるジョイント糊を製造することができるジョイント糊の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題の解決について鋭意検討を行い、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、
空気入りタイヤの製造に際して、タイヤ用ゴム部材のジョイント部に塗布して、ジョイント部における粘着力を付与するジョイント糊の製造方法であって、
天然ゴムを含有するジョイント糊用ゴム組成物を、有機溶剤に浸漬して膨潤させる浸漬工程と、
混練機を用いて、常温下、膨潤した前記ジョイント糊用ゴム組成物を混練して、前記ジョイント糊用ゴム組成物にせん断力を加えながら前記有機溶剤中に分散させる混練工程とを備えていることを特徴とするジョイント糊の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、
前記浸漬工程における前記ジョイント糊用ゴム組成物の浸漬時間が、8〜85時間であることを特徴とする請求項1に記載のジョイント糊の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、
前記混練工程における前記膨潤したジョイント糊用ゴム組成物の混練時間が、5〜15時間であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のジョイント糊の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、
前記混練工程が、ニーダーを回転数15〜20rpmで稼働させて混練する工程であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のジョイント糊の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、
さらに、前記混練工程において得られた混練物に、前記有機溶剤を添加して、常温下で撹拌する撹拌工程を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のジョイント糊の製造方法である。
請求項6に記載の発明は、
前記撹拌工程が、5〜15時間撹拌を行う工程であることを特徴とする請求項5に記載のジョイント糊の製造方法である。
請求項7に記載の発明は、
前記撹拌工程の後に、前記有機溶剤をさらに添加して、常温下で撹拌し、所定の粘度に調整する粘度調整工程を備えていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のジョイント糊の製造方法である。
請求項8に記載の発明は、
前記粘度調整工程が、粘度を60〜70mPa・sに調整する工程であることを特徴とする請求項7に記載のジョイント糊の製造方法である。
請求項9に記載の発明は、
前記浸漬工程の手前に、
前記ジョイント糊用ゴム組成物を混練するゴム組成物混練工程と、
混練された前記ジョイント糊用ゴム組成物を、複数の円形の吐出口を有するダイプレートから棒状に押出す押出工程と、
棒状に押出された前記ジョイント糊用ゴム組成物を冷却する冷却工程と、
冷却された前記ジョイント糊用ゴム組成物を所定の寸法でカットして、円柱状のゴムペレットに細分化する細分化工程とを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のジョイント糊の製造方法である。
請求項10に記載の発明は、
前記ジョイント糊用ゴム組成物を押出すダイプレートの吐出口の径が、3〜6mmであることを特徴とする請求項9に記載のジョイント糊の製造方法である。
請求項11に記載の発明は、
前記細分化工程が、ロータリーカッターを用いて、前記ジョイント糊用ゴム組成物を、径3〜6mm、長さ5〜10mmのゴムペレットに加工する工程であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のジョイント糊の製造方法である。
請求項12に記載の発明は、
前記有機溶剤に、トルエンまたはナフサを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のジョイント糊の製造方法である。
本発明によれば、分散度が十分高く、タイヤ用ゴム部材に均一な粘着力を十分に付与することができるジョイント糊を製造することができるジョイント糊の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態においてジョイント糊を製造する工程を模式的に説明する図である。 本発明の一実施の形態において使用される押出機のダイプレートの口金に形成された吐出口の形状を説明する図である。 本発明の他の実施の形態においてジョイント糊を製造する工程を模式的に説明する図である。 本発明の他の実施の形態において使用される押出機のダイプレートの口金に形成された吐出口の形状を説明する図である。 本発明の他の実施の形態において細分化されたゴムペレットの側面図である。 従来のジョイント糊を製造する工程を模式的に説明する図である。
[1]本発明に至る経緯
本発明の実施の形態について説明する前に、本発明を完成するに至った経緯について説明する。
前記したように、従来のジョイント糊の製造方法では、ジョイント糊用ゴム組成物を有機溶剤中に浸漬して膨潤させた後、加熱しながら撹拌することによりジョイント糊を製造しているが、この方法では、ジョイント糊用ゴム組成物の有機溶剤中への分散性は十分とは言えず、ジョイント部を均一に接着できない場合があった。
本発明者は、従来の方法では、何故に、分散度が上がらないのか、その原因について、種々の実験と検討を行った結果、加熱しながらの撹拌ではゴムが熱でスコーチが進み固形化するために、ジョイント糊用ゴム組成物が十分に潰れず、十分な分散度が得られていないことが分かった。
この知見に基づき、本発明者は、分散度の向上についてさらに検討を行い、その結果、分散度が十分高いジョイント糊を得るためには、熱をかけずに時間をある程度かけてジョイント糊を製造する必要があることが分かり、本発明を完成するに至った。
具体的には、天然ゴムを含有するジョイント糊用ゴム組成物を、有機溶剤に浸漬して膨潤させた後、混練機を用いて、常温下、時間をかけて、膨潤したジョイント糊用ゴム組成物にせん断力を加えながら混練することにより、分散度が十分高く、タイヤ用ゴム部材に均一な粘着力を十分に付与することができるジョイント糊が得られることが分かった。
[2]本発明の実施の形態
1.本発明の基本的な実施の形態
最初に、本発明の基本的な実施の形態について説明する。
本発明に係るジョイント糊の製造方法は、以下の工程を備えていることを特徴としている。
・浸漬工程:天然ゴムを含有するジョイント糊用ゴム組成物を、有機溶剤に浸漬して膨潤
させる工程
・混練工程:混練機を用いて、常温下、膨潤したジョイント糊用ゴム組成物を混練して、
ジョイント糊用ゴム組成物にせん断力を加えながら有機溶剤中に分散させる
工程
本発明は、天然ゴムを含有するジョイント糊用ゴム組成物を有機溶剤に浸漬して膨潤させる浸漬工程を備えている点においては、従来と同様であるが、上記した通り、膨潤したジョイント糊用ゴム組成物を、常温下、好ましくは5〜15時間、より好ましくは5〜10時間と適切な時間をかけて混練して、ジョイント糊用ゴム組成物にせん断力を加えながら有機溶剤中に分散させる混練工程を備えている点において、従来の方法とは異なっている。
このように、熱をかけずに時間をある程度かけながら膨潤したジョイント糊用ゴム組成物にせん断力を加えることにより、有機溶剤を吸収して膨潤したジョイント糊用ゴム組成物を有機溶剤中に十分に分散させて(高い分散度)、ジョイント糊用ゴム組成物の固形物が残らず、均一なジョイント糊を得ることができ、このようなジョイント糊を使用することにより、タイヤ用ゴム部材に均一な粘着力を十分に付与することができる。
なお、上記した浸漬工程における浸漬時間についても好ましくは8〜85時間、より好ましくは12〜80時間と適切な時間をかけた場合、ジョイント糊用ゴム組成物を十分に膨潤させることができ、より高い分散度のジョイント糊を得ることができる。
そして、必要に応じては、混練工程において得られた混練物に、有機溶剤を添加して常温下で撹拌する撹拌工程、そして、撹拌工程の後に、有機溶剤をさらに添加して常温下で撹拌し、所定の粘度に調整する粘度調整工程を備えていることが好ましい。
2.第1の実施の形態
以下、本実施の形態に係るジョイント糊の具体的な製造方法について、工程毎に説明する。図1は、本実施の形態においてジョイント糊を製造する工程を模式的に説明する図であり、上段(a)から下段(d)へと工程が進行していく。
(1)ゴム組成物混練工程
最初に、ジョイント糊用ゴム組成物を混練により製造する。なお、本実施の形態においては、従来と同様に、ジョイント糊用ゴム組成物として、天然ゴムを含有するゴム組成物を混練により製造する。
具体的には、天然ゴムを含むゴム成分に、粘着付与剤や老化防止剤などを配合して混練する。具体的には、例えば、10〜30重量部の天然ゴムと70〜90重量部の合成ゴム(主としてSBR)からなるゴム成分100重量部に対して、15〜20重量部の粘着付与剤(主としてフェノール樹脂系粘着付与剤)、1〜3重量部の老化防止剤(主として耐オゾン性老化防止剤)、その他の配合剤(カーボンブラック、酸化亜鉛、硫黄、加硫促進剤など)をニーダーなどの混練機に投入して混練し、ジョイント糊用ゴム組成物6を得る。
(2)押出工程
次に、上記で得られたジョイント糊用ゴム組成物6を、図1(a)に示すように、押出機1を用いて押出す。具体的には、図2に示すように、ダイプレートの口金25の吐出口26が長方形状に形成された押出機1から押出すことにより、シート状に形成されたジョイント糊用ゴム組成物6を得る。
(3)冷却工程
次に、シート状に形成されたジョイント糊用ゴム組成物6を、従来と同様に、冷却ドラム20で冷却しながら搬送し、ベルトコンベア22上でオートカッター21を用いて所定の長さに切り取り、ライナー23と重ね合わせた状態で巻き取りロール24に巻き取る。
(4)浸漬工程
次に、巻き取られたジョイント糊用ゴム組成物を所定の長さ巻出して、図1(b)に示すように、有機溶剤28中に浸漬する。具体的には、有機溶剤28が蓄えられた浸漬容器27中に、ジョイント糊用ゴム組成物6を投入する。投入されたジョイント糊用ゴム組成物6は、時間の経過に伴って、有機溶剤28を吸収して膨潤していく。
有機溶剤としては、ジョイント糊用ゴム組成物を膨潤、溶解させることができる有機溶剤であれば、特に限定されず、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ゴム揮発油、沸点範囲が80〜160℃の石油留分、ナフサなどを使用することができる。これらの内でも、引火性などの危険性が低く、適度な溶解性と乾燥性を有するナフサやトルエンを好ましく使用することができる。
なお、浸漬時間としては、前記したように、8〜85時間であることが好ましく、12〜80時間であることがより好ましい。
(5)混練工程
所定の時間、ジョイント糊用ゴム組成物6を有機溶剤28中に浸漬したら、次に、図1(c)に示すように、膨潤したゴム31をニーダーなどの混練機30に投入し、常温下、好ましくは5〜15時間、より好ましくは5〜10時間、混練を行う。これにより、膨潤したゴム31にせん断力が加わって、ジョイント糊用ゴム組成物が小さく潰れて、有機溶剤中に分散していくため、分散度が高くなり、ジョイント糊用ゴム組成物が均一に分散した混練物をジョイント糊として得ることができる。このとき、ニーダーの回転数は、十分なせん断力を発揮させるという観点から、15〜20rpmであることが好ましい。
(6)撹拌工程および粘度調整工程
本実施の形態において、上記した混練工程において得られた混練物の粘度が、ジョイント糊として不十分である場合、必要に応じて、撹拌工程、粘度調整工程を設けることが好ましい。
(a)撹拌工程
撹拌工程は、図1(d)に示すように、混練工程において得られた混練物34を撹拌装置32に投入し、さらに有機溶剤を追加投入して、常温下で撹拌することにより、混練物の粘度を低下させる工程であり、具体的には、5〜15時間、撹拌を行うことが好ましい。
(b)粘度調整工程
撹拌工程によっても、適切な粘度に到達できなかった場合には、所望する粘度、例えば、60〜70mPa・sの粘度となるまで、有機溶剤をさらに追加投入して、常温下で撹拌を行う。
以上の工程を経て製造されたジョイント糊は、十分高い分散度であるため、タイヤ用ゴム部材に均一な粘着力を十分に付与することができる。
3.第2の実施の形態
上記した第1の実施の形態によれば、十分高い分散度のジョイント糊を得ることができるが、それに要する時間が長いため、決して効率的とは言えない、そこで、本発明者は、より効率的な製造方法について検討を進め、以下に説明する本実施の形態に思い至った。
即ち、基本的には、上記した第1の実施の形態と同じ工程でジョイント糊を製造するが、押出機からの押出に際してジョイント糊用ゴム組成物を細い棒状に押出し、その後ゴムペレットに細分化して、有機溶剤への浸漬時、有機溶剤と十分に接触できるようにすることにより、短時間で、ジョイント糊用ゴム組成物を膨潤させることができ、効率的にジョイント糊を製造することができる。
具体的には、第1の実施の形態に示した浸漬工程の手前に、以下の各工程を設けることにより、十分高い分散度のジョイント糊を、効率的に製造することができる。
・ゴム組成物混練工程:ジョイント糊用ゴム組成物を混練する工程
・押出工程 :混練されたジョイント糊用ゴム組成物を、複数の円形の吐出口を
有するダイプレートから棒状に押出す工程
・冷却工程 :棒状に押出されたジョイント糊用ゴム組成物を冷却する工程
・細分化工程 :冷却されたジョイント糊用ゴム組成物を所定の寸法でカットして
円柱状のゴムペレットに細分化する工程
図3は本実施の形態においてジョイント糊を製造する工程を模式的に説明する図であり、上段(a)から下段(d)へと工程が進行していく。図3に示すように、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に工程が進行しているが、上記したように、押出工程の内容が第1の実施の形態と異なっており、また細分化工程を新たに設けている。
以下、この押出工程と細分化工程について、詳細に説明する。
(1)押出工程
本実施の形態における押出工程は、混練されたジョイント糊用ゴム組成物6を押出機1を用いて押出す点においては、第1の実施の形態と同様であるが、本実施の形態においては、ダイプレートの口金に形成された吐出口の形状が異なっている。
図4は、図3に示した押出機1において、ダイプレートの口金に形成された吐出口の形状を説明する図である。図4に示すように、ダイプレートの口金2には円形に形成された吐出口3が複数設けられている。このように複数の円形の吐出口を有するダイプレートを用いて押出すことにより、細い棒状にジョイント糊用ゴム組成物を押出すことができる。
このとき、円形状の吐出口3の径は、細すぎるとスムーズな押出しができなくなり、太過ぎると有機溶剤によるジョイント糊用ゴム組成物の膨潤に時間がかかるため、3〜6mmであることが好ましい。
(2)細分化工程
上記押出工程において、押出機1により棒状に押出されたジョイント糊用ゴム組成物6は、図3(a)に示すように、冷却水が蓄えられた冷却水槽4中を通過させて冷却した後、ゴムペレットへと細分化する。
図5は、本実施の形態において細分化されたゴムペレットの側面図である。図5に示すように、ゴムペレット17は断面が円形状(図示せず)で側面が長方形の細い棒状である。なお、図5においてaは長さであり、bは径である。
このように、ゴムペレットに細分化することにより、図3(b)に示すように、浸漬容器27内の有機溶剤28に浸漬したとき、細分化されたジョイント糊用ゴム組成物6と有機溶剤28との接触面積が大きくなり、短時間で十分にゴムペレットを膨潤させて、膨潤したゴム31とすることができ、混練工程以降の工程に短時間で引き渡すことができるため、効率的に、ジョイント糊を製造することができる。
なお、カット方法については特に限定されないが、図3(a)に示すロータリーカッター5を用いてカットすることが好ましい。このようなロータリーカッター5を用いることにより、工程の流れを止めることなく連続的に、棒状に押出されたジョイント糊用ゴム組成物をカットすることができるため、生産効率上有利である。カットされたジョイント糊用ゴム組成物は、その後、受容器7中に蓄えられる。
カットされたゴムペレットのサイズとしては、長すぎると十分な表面積を確保できず、有機溶剤によるジョイント糊用ゴム組成物の膨潤に時間がかかり、短すぎるとカットが煩雑になるため、長さaは5〜10mmであることが好ましい。なお、径bは押出径と同じで3〜6mmであることが好ましい。
次に、実施例により、本発明をより具体的に説明する。
[1]実施例
1.ジョイント糊の製造
(1)ゴム組成物混練工程
最初に、混練機に、SBR70質量部、NR30質量部、タッキロール18質量部、老化防止剤3質量部、ステアリン酸3質量部、酸化亜鉛2質量部、マルカレッツ2質量部、セイミ硫黄3質量部を投入して、150℃で0.3時間混練し、ジョイント糊用ゴム組成物を製造した。
(2)押出工程
次に、ジョイント糊用ゴム組成物を、押出機を用いて押出した。
(a)実施例1、2
厚み1.0mm(実施例1)、0.5mm(実施例2)の吐出口(幅300mm)が形成されたダイプレートを用いて、シート状にジョイント糊用ゴム組成物を押出した。
(b)実施例3〜10
径が10mm(実施例3、4)、7mm(実施例5、6)、5mm(実施例7〜10)の円形の吐出口が形成されたダイプレートを用いて、棒状にジョイント糊用ゴム組成物を押出した。
(3)冷却工程
次に、押出した各ジョイント糊用ゴム組成物を冷却水槽で冷却した。
(4)細分化工程
次に、実施例3〜10の棒状に押出された各ジョイント糊用ゴム組成物について、ロータリーカッターを使用して、長さ10mmにカットしてペレット化した。
(5)浸漬工程
次に、各ジョイント糊用ゴム組成物の28kgを、ナフサ40kgが蓄えられた浸漬容器に投入し、表1に示す浸漬時間、浸漬した。
(6)混練工程
次に、上記で得られた浸漬ゴムの全量68kgをニーダーに投入すると共に、ナフサ22kgを投入して、回転数15rpm〜20rpmで7時間、混練りした(常温下)。
(7)撹拌工程
次に、上記で得られた混練物の全量90kgを撹拌機に投入すると共に、ナフサ142kgを投入して、8時間、撹拌した(常温下)。
(8)粘度調整工程
次に、撹拌機にナフサを適宜投入して、60〜70mPa・sに粘度調整し(常温下)、各実施例のジョイント糊を製造した。
[2]比較例
別途、同じジョイント糊用ゴム組成物を用いて、厚み1.0mm、幅50mmに成形し、ナフサに12時間浸漬し、100℃の加熱をしながら混練(7時間)して、その後8時間撹拌し、比較例のジョイント糊を製造した。
[3]評価
1.評価項目
製造された各例のジョイント糊について、以下の項目について評価した。
(1)溶け残りの有無
各ジョイント糊をろ紙でこし取り、溶け残りの有無について評価した。
(2)分散度
各ジョイント糊をカーボン分散測定して、分散度を測定し、評価した。
2.評価結果
評価結果を表1に示す。なお、表1には、併せて、各実施例におけるジョイント糊の製造効率を評価するために、製造に要した浸漬開始からの時間を総時間として示し、実施例1からの短縮時間を示している。
Figure 2019123178
表1より、全ての実施例において、比較例に比べて、分散度が高くなっていることが分かる。そして、溶け残りがなかった各実施例においては、特に、分散度が高くなっていることが分かる。
そして、このように分散度が高くなっているため、各実施例のジョイント糊をタイヤ用ゴム部材に塗布した場合、粘着力を十分に付与することができる。
また、実施例の内、ジョイント糊用ゴム組成物をペレット化してジョイント糊を製造した実施例では、製造時間の短縮が可能で、効率的にジョイント糊を製造できることが分かる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
1、18 押出機
2、25 ダイプレートの口金
3、26 吐出口
4 冷却水槽
5 ロータリーカッター
6、19 ジョイント糊用ゴム組成物
7 受容器
17 ゴムペレット
20 冷却ドラム
21 オートカッター
22 ベルトコンベア
23 ライナー
24 巻き取りロール
27 浸漬容器
28 有機溶剤
30 混練機
31 膨潤したゴム
32 撹拌装置
33 ジョイント糊
34 混練物
a ゴムペレットの長さ
b ゴムペレットの径

Claims (12)

  1. 空気入りタイヤの製造に際して、タイヤ用ゴム部材のジョイント部に塗布して、ジョイント部における粘着力を付与するジョイント糊の製造方法であって、
    天然ゴムを含有するジョイント糊用ゴム組成物を、有機溶剤に浸漬して膨潤させる浸漬工程と、
    混練機を用いて、常温下、膨潤した前記ジョイント糊用ゴム組成物を混練して、前記ジョイント糊用ゴム組成物にせん断力を加えながら前記有機溶剤中に分散させる混練工程とを備えていることを特徴とするジョイント糊の製造方法。
  2. 前記浸漬工程における前記ジョイント糊用ゴム組成物の浸漬時間が、8〜85時間であることを特徴とする請求項1に記載のジョイント糊の製造方法。
  3. 前記混練工程における前記膨潤したジョイント糊用ゴム組成物の混練時間が、5〜15時間であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のジョイント糊の製造方法。
  4. 前記混練工程が、ニーダーを回転数15〜20rpmで稼働させて混練する工程であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のジョイント糊の製造方法。
  5. さらに、前記混練工程において得られた混練物に、前記有機溶剤を添加して、常温下で撹拌する撹拌工程を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のジョイント糊の製造方法。
  6. 前記撹拌工程が、5〜15時間撹拌を行う工程であることを特徴とする請求項5に記載のジョイント糊の製造方法。
  7. 前記撹拌工程の後に、前記有機溶剤をさらに添加して、常温下で撹拌し、所定の粘度に調整する粘度調整工程を備えていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のジョイント糊の製造方法。
  8. 前記粘度調整工程が、粘度を60〜70mPa・sに調整する工程であることを特徴とする請求項7に記載のジョイント糊の製造方法。
  9. 前記浸漬工程の手前に、
    前記ジョイント糊用ゴム組成物を混練するゴム組成物混練工程と、
    混練された前記ジョイント糊用ゴム組成物を、複数の円形の吐出口を有するダイプレートから棒状に押出す押出工程と、
    棒状に押出された前記ジョイント糊用ゴム組成物を冷却する冷却工程と、
    冷却された前記ジョイント糊用ゴム組成物を所定の寸法でカットして、円柱状のゴムペレットに細分化する細分化工程とを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のジョイント糊の製造方法。
  10. 前記ジョイント糊用ゴム組成物を押出すダイプレートの吐出口の径が、3〜6mmであることを特徴とする請求項9に記載のジョイント糊の製造方法。
  11. 前記細分化工程が、ロータリーカッターを用いて、前記ジョイント糊用ゴム組成物を、径3〜6mm、長さ5〜10mmのゴムペレットに加工する工程であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のジョイント糊の製造方法。
  12. 前記有機溶剤に、トルエンまたはナフサを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のジョイント糊の製造方法。
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