JP2019123100A - 除熱性複合材料及びこれを用いた保護容器 - Google Patents

除熱性複合材料及びこれを用いた保護容器 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば電池や電池パック等のように、発熱性、発火性及び爆発性から選択される少なくとの一つの特性を有し得る製品が、高温に発熱した場合に、簡便かつ効率的に除熱すること、そのような製品から火炎が噴出した場合でも、製品周囲への延焼を簡便に防止することを課題の一つとする。【解決手段】繊維で構成されたシート状の基材部と、前記基材部に含浸された及び/又は前記基材部の表面に設けられた、含水粘着型除熱剤組成物と、を含む、除熱性複合材。【選択図】図1

Description

本発明は、除熱性複合材料及びこれを用いた保護容器に関するものである。
例えばノート型パソコン、携帯電話、スマートホン、デジタルカメラ、デジタルビデオ等の携帯端末等の開発とともに、各種の電池が開発され、使用されている。近年、これらの携帯端末等では、その機能の向上等の観点から、電池の高容量化、高出力化、高電圧化が求められている。このような要求に応える電池として、例えばリチウムイオン電池等の二次電池等が広く使用されるようになっている。このような二次電池は、過充電や短絡時等に、電池内圧が上昇したり、極めて高温となったり、極端な場合は、火炎が噴出し、電池等の製品ひいてはその周辺のものを損傷することがある。特に、リチウムイオン電池は、電解液として有機溶媒を使用することから、何らかの異常により温度が上昇すると、発火し易い傾向にある。また、高温になると気化した有機溶媒が、可燃性ガスとして噴出しやすい傾向にある。そのため、リチウムイオン電池には、ガスを放出する通気孔や弁が設けられる。また、リチウムイオン電池や複数のリチウムイオン電池を組み合わせた電池パック等には、温度ヒューズ、保護回路、放充電を制御する制御回路等の保護手段が適用される場合がある。
しかし、このような保護手段を備えていたとしても、電池が暴走状態等の異常状態に陥ると、電池が極めて高温になったり、高温の可燃性ガスや火炎が噴出したりすることがある。また、電池パックのように複数の電池が近接して配置されている場合、1つの電池が暴走状態になると、周囲の電池が高温に晒される結果、周囲の電池も暴走状態に陥る。その結果、電池パックの筐体が高熱や火炎によって大きく損傷したり、可燃性ガスが暴発したり、その際に生じる火炎が周囲の可燃物に延焼したりする可能性が高くなる。
そこで、異常時の電池内の圧力を外部に放出して内圧を低下させるとともに火炎の外部への噴出を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。特許文献1には、電池と電池を収容する筐体を備えた電池パックにおいて、筐体に、その内外に連通する通気孔及びそれを覆う金属製メッシュ部材を設けることが記載されている。特許文献2には、電池から噴出され得る火炎ないしガスの放出方向に防火板が配され、防火板には、電池が配される第一空間と防火板を境として第一空間とは反対側に形成される第二空間とを連通する連通部が設けられ、連通部には、両空間との連通を維持しつつ、火炎の噴出を防止する覆部が設けられた電池用防火装置が記載されている。特許文献3には、主電源として電池を利用する携帯機器を収容可能な火災封じ込めケースであって、携帯機器を受容する機器需要絶縁ケースと直接連通する第一の消化要素、ケースの内外と連通するガスフィルタを備えたものが開示されています。この火災封じ込めケースでは、第一の消化要素として、無機塩に基づいて相電荷された変化材料である相変化絶縁材料が開示されている。また、ガスフィルタからケース内部で発生した危険なガス中の有毒成分を補足し処理されたガスを外部に放出することが開示されている。
特開2009−212081号公報 特開2013−165013号公報 特開2015−533609号公報
特許文献1に記載の電池パックによれば、電池内で発生したガスを電池パックの外側に放出することは可能であるが、火炎も同時に放出される可能性が高い。そのため、電池パック周辺の可燃物等へ延焼する可能性がある。筐体が高温に加熱される可能性もある。また、電池パックの筐体内に複数の電池が配置されている場合は、1つの電池の暴走に起因して他の電池の連鎖暴走を抑制することはできない。特許文献2に記載の電池用防火装置によれば、外部への火炎の噴出はある程度抑制できる可能性はあるが、複数の電池による連鎖暴走を抑制することはできないため、覆部から火炎や高温の可燃性ガスの噴出を抑制できない可能性がある。特許文献3に記載の火災封じ込めケースによれば、内部に相変化絶縁材料が使用されているものの、収容される電子機器によっては、電子機器の主電源として用いられる1個又は2個以上の電池の暴走を抑制することは困難であると推測される。
そこで、本発明の目的の第一は、例えば電池や電池パック等のように、発熱性、発火性及び爆発性から選択される少なくとの一つの特性を有し得る製品が、高温に発熱した場合に、簡便かつ効率的に除熱すること、そのような製品から火炎が噴出した場合でも、製品周囲への延焼を簡便に防止することにある。目的の第二は、例えば、2以上の電池を含む電池パック等のような製品において、ある電池が暴走状態になった場合でも、簡便かつ効率的に除熱するとともに、その電池に隣接する電池が連鎖的に暴走状態になることを抑制し、火炎が噴出した場合でも、簡便に製品周囲への延焼を防止することにある。
本発明者が鋭意検討を行ったところ、繊維で構成されたシート状の基材と含水粘着型除熱剤組成物とを組み合わせて用いることで、前述の第一の目的又は第一及び第二の目的を達成可能であることを見出した。本発明の要旨は下記のとおりである。
本発明の第一は、繊維で構成されたシート状の基材部と、前記基材部に含浸された及び/又は前記基材部の表面に設けられた、含水粘着型除熱剤組成物と、を含む、除熱性複合材に関する。
本発明の実施形態では、基材部の表面が、第1面と、該第1面とは反対側の第2面とを有し、第1面と第2面のうちの少なくとも一方の面に含水粘着型除熱剤組成物の層が設けられていてもよい。
本発明の他の実施形態では、基材部が複数設けられ、隣接する基材部の間に含水粘着型除熱剤組成物の層が設けられていてもよい。
本発明の他の実施形態では、全ての基材部と含水粘着型除熱剤組成物とで構成される本体部の外側に、当該本体部の少なくとも一部を被覆する非透水性の被覆層が設けられていてもよい。当該被覆層が設けられている場合、被覆層の外側の少なくとも一部に、耐火繊維及び難燃繊維から選択される少なくとも1種を含む補強層が設けられていてもよい。
本発明の他の実施形態では、前記基材部を構成する繊維が、耐火繊維及び難燃繊維から選択される少なくとも1種であってもよい。この場合、耐火繊維が、炭素繊維、金属繊維、鉱物繊維から選択される少なくとも一種であってもよい。また、補強層は、織物、編物、不織布から選択される少なくとも一種の形態を含有してもよい。
本発明の他の実施形態では、前記基材部が、織物であってもよい。
本発明の他の実施形態では、含水粘着型除熱剤組成物が、水溶性樹脂及び/又は水膨潤性鉱物を含んでいてもよい。
本発明の第二は、発熱性、発火性及び爆発性から選択される少なくとの一つの特性を有し得る製品を収容する保護容器であって、該保護容器を構成する壁部の少なくとの一部に、前述の除熱性複合材が設けられた、保護容器に関する。
本発明の第三は、発熱性、発火性及び爆発性から選択される少なくとの一つの特性を有し得る製品を収容する保護容器であって、該保護容器を構成する壁部の少なくとの一部に、請求項2〜7の何れか1項に記載の除熱性複合材が設けられ、該除熱性複合材は、基材部と含水粘着型除熱剤組成物とのうち、含水粘着型除熱剤組成物が前記製品に最近接するように構成される、保護容器に関する。
本発明の第二及び第三の実施形態では、前記壁部の少なくとも一部は、金属(但し、金属繊維を除く。)及び耐火繊維から選択される少なくとも1種を含む耐火部材と、前記除熱性複合材と、により形成され、除熱性複合材が、壁部の少なくとも一部の内壁面を構成するように設置されていてもよい。
本発明の第二及び第三の実施形態では、除熱性複合材が設けられている部分の耐火部材は、通気孔を備えていてもよい。
本発明の第二及び第三の実施形態では、保護容器の内側と外側とをつなぐ貫通孔が壁部に設けられていてもよい。
本願発明の除熱性複合材及びそれを用いる保護容器によれば、例えば電池や電池パック等のように、発熱性、発火性及び爆発性から選択される少なくとの一つの特性を有し得る製品が、高温に発熱した場合に、簡便かつ効率的に除熱することができる。また、前述のような製品から火炎が噴出した場合でも、簡便に周囲への延焼を防止することができる。
また、除熱性複合材が、繊維で構成されたシート状の基材部の少なくとも一方の面に粘着型除熱剤組成物の層が形成されている場合は、例えば2個以上の電池を含む電池パックのような製品において、ある電池が暴走状態になった場合でも、簡便かつ効率的に除熱するとともに、簡便に、その電池に隣接する電池が連鎖的に暴走状態になることを抑制することができ、製品から火炎が噴出した場合でも、簡便に製品周囲への延焼を防止することができる。
保護容器の実施形態を示す斜視図である。 図1のI−I方向の断面図である。 図2の符号30の切り欠き拡大断面図である。 (a)保護容器の実施形態の変形例の使用状態を示した説明図である。(b)図4(a)中のIIで示された部分の拡大断面図である。 リチウムイオン電池を治具に設置した時の状態を模式的に示した斜視図である。 除熱性複合材を治具に設置し、リチウムイオン電池を被覆した時の状態を模式的に示した斜視図である。 リチウムイオン電池の釘刺し試験を行って、リチウムイオン電池に釘が突き刺さっている時の状態を模式的に示した斜視図である。 複合材を用いずに、リチウムイオン電池の釘刺し試験を行った時の、リチウムイオン電池の設置状態を模式的に示した斜視図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
(除熱性複合材)
本発明の実施形態に係る除熱性複合材(以下、単に「複合材」と称する場合がある。)は、繊維で構成されたシート状の基材部と、前記基材部に含浸された及び/又は前記基材部の表面に設けられた、含水粘着型除熱剤組成物(以下単に「除熱剤組成物」と称する場合がある。)と、を含む。
シート状の基材部を構成する繊維としては、天然繊維、人造繊維何れでもよい。天然繊維としては、例えば、綿、麻、マニラ麻等の植物繊維、絹、羊毛等の動物繊維等が挙げられる。人造繊維としては、(a)ビスコースレーヨン、ベンベルグ等の再生繊維、(b)ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、フェノール系、フッ素系等の合成繊維、(c)炭素繊維、金属繊維、鉱物繊維等の無機繊維等が挙げられる。このうち、人造繊維が好ましく、耐火性、難燃性等の観点からは、無機繊維がより好ましく、炭素繊維がさらに好ましい。合成繊維としては、難燃性の観点から、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、リン系化合物又はハロゲン系化合物を前述の繊維高分子中に共重合させたもの、ポリエーテルイミド、アラミド、フェノール系等の芳香族系高分子が好ましい。これらは、難燃繊維とも称される。尚、難燃繊維で構成されたシート状基材部には、合成繊維を用いて形成されたシート状の基材部に難燃処理(防炎処理とも称する。)が施されたものも含むものとする。
炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系、フェノール系、何れでもよいが、耐熱性の観点からは、フェノール系が好ましい。
金属繊維としては、ステンレス、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅などの金属糸が挙げられる。
鉱物繊維としては、ガラス繊維、ロックウール、セラミック繊維等が挙げられる。セラミック繊維としては、シリカ・アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ムライト繊維、ジルコニア繊維、炭化ケイ素繊維等が挙げられる。
繊維は、耐火性及び難燃性の観点から、耐火繊維及び難燃繊維から選択される少なくとも一種であるのが好ましい。これらの繊維を2種以上組み合わせたものであってもよい。耐火繊維としては、例えば、前述の無機繊維が挙げられる。難燃繊維は前述のとおりである。また、前述のように、難燃繊維以外の合成繊維を用いてシート状に形成した基材部に難燃処理を施したものであってもよい。
繊維の形態は、モノフィラメント、マルチフィラメント、トウ何れでもよい。また、フィラメントは、繊維の原料に応じて、長繊維であってもよいし、単繊維(ステープル)を撚ったものでもよい。また、基材部の形態や製造法によっては単繊維を用いてもよい。シート状の基材部に除熱剤組成物を含浸させる観点からは、マルチフィラメント、トウが好ましく、トウがより好ましい。マルチフィラメントやトウは、撚ったものでもよいし、撚っていないものでもよい。
基材部は、前述の繊維をシート状に形成したものである。シート状に形成する場合の形態としては、繊維の織物、編物、不織布等が挙げられる。織物の組織は、特に限定はなく、各種の織物組織が採用され得る。例えば、一重組織、重ね組織、添毛組織、からみ組織等が挙げられる。一重組織としては、平織、綾織、朱子織の3原組織、これらの変化組織、3原組織と変化組織を混ぜた組織である混合組織、3原組織及び変化組織によらない組織、模様を浮き出した紋織が挙げられる。重ね組織としては、経二重織、緯二重織、二重織等が挙げられる。添毛組織としては、ビロード組織、タオル組織等が挙げられる。からみ組織としては、絽織、紗織等が挙げられる。編物としては、例えば、緯編、経編等が挙げられる。緯編としては、例えば、平編、ゴム編、パール編、タック編、浮き編、レース編、ペレリン編、両面編、振り編、添え糸編等が挙げられる。経編としては、例えば、デンビー編、バンダイク編、コード編、鎖編、タック編、二目編、ダブル・デンビー編、ダブル・アトラス編、ダブル・コード編、ハーフ・トリコット編、サテン編、シャークスキン編、クイーンズ・コード編、パイル編、パイナップル編、インレイ編、ミラニーズ編等が挙げられる。このような形態のうち、織物が好ましく、朱子織またはその変化組織を含む組織の織物がより好ましく、朱子織を含む組織の織物がさらに好ましく、朱子織の織物が特に好ましい。不織布は、例えば、JISL0222のa)に規定される用語に基づく各種のものを採用することができる。尚、JISL0222のa)では、縮じゅう(絨)フェルトが除かれるが、本発明では、不織布には各種のフェルトが含まれるものとする。即ち、例えば、羊毛等の獣毛を使用せず、合成繊維及び無機繊維から選択される少なくとも一種を用いてフェルトのように形成したもの等も含まれる。
基材部の厚みは、後述する保護容器内に収容される製品の特性等に応じて選択することができる。概ね0.1〜3.0mmである。
除熱剤組成物は、水が効率的に保持され、製品への粘着性を有するものであれば特に限定はない。このような除熱剤組成物としては、例えば、水溶性樹脂及び/又は水膨潤性鉱物を含むものが好ましい。即ち、(i)水溶性樹脂、(ii)水膨潤性鉱物、又は、(iii)水溶性樹脂及び水膨潤性鉱物、を含むものが好ましい。水溶性樹脂及び膨潤性鉱物は、水を膨潤して粘着性が発現され、製品に対する貼着性の付与に寄与する。
水溶性樹脂としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂、メチロール化ユリア(尿素)樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、アクリル酸系水溶性樹脂、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらのうち、水膨潤性の観点からは、アクリル酸系水溶性樹脂が好ましい。アクリル酸系水溶性樹脂としては、ポリアクリル酸又はその共重合体及びそれらの塩であれば、特に限定はなく、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム系樹脂、ポリアクリル酸アンモニウム系樹脂等が挙げられる。このうち、ポリアクリル酸ナトリウム系樹脂が好ましく、架橋した3次元網目構造を持つポリアクリル酸ナトリウム系樹脂がより好ましい。当該ポリアクリル酸ナトリウム系樹脂としては、ポリアクリル酸ナトリウム、又は、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム及び架橋性モノマーの共重合体等が挙げられる。
水膨潤性鉱物としては、例えば、水膨潤性粘土鉱物であるスメクタイトやベントナイト等が挙げられる。スメクタイトとは、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト等の膨潤性を有する粘土鉱物の総称であり、ベントナイトは、スメクタイトの代表的粘土鉱物であるモンモリロナイトを主成分とし、クォーツ、クリストバライト、ゼオライト、長石、方解石等の鉱物を含む粘土鉱物である。また、スメクタイトとしては、天然のもでも良いし、合成したものでも良い。
除熱剤組成物には、必要に応じて、油分、ノニオン系界面活性剤、グラファイト、断熱助剤、着色剤、防カビ・防腐剤等が含まれていてもよい。油分としては、ワセリン、ラノリン等が挙げられる。グラファイトとしては、粉末状のものが好ましい。断熱助剤としては、例えば、炭化ケイ素、窒化アルミ、酸化亜鉛、ジルコニア等が挙げられる。
除熱剤組成物には、水が含まれる。使用可能な水としては、例えば、水道水、純水、超純水等が挙げられる。
水溶性樹脂の含量は、水膨潤性鉱物を含まない場合は、除熱剤組成物中3.0〜30.0重量%が好ましい。水膨潤性鉱物を含む場合は、除熱剤組成物中0.1〜30.0重量%が好ましい。水膨潤性鉱物の含量は、除熱剤組成物中3〜20重量%が好ましい。水溶性樹脂及び水膨潤性鉱物を含む場合は、水溶性樹脂(A)と膨潤性鉱物(B)の混合比(A/B;重量基準)は、例えば、0.2重量%/4.5重量%〜6重量%/18重量%が好ましい。
水の含量は、残部として含有すれば良い。他の成分組成にもよるが、除熱性、貼着性等の観点からは、例えば、除熱剤組成物中50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましい。
グラファイトの含量は、除熱剤組成物中5〜30重量%が好ましい。断熱助剤の含量は、除熱剤組成物中1〜15重量%が好ましい。グラファイトと断熱助剤を併用する場合は、グラファイト(C)と断熱助剤(D)の混合比(C/D;重量基準)は、特に限定はないが、断熱性及び貼着性の観点からは、30重量%/1重量%〜5重量%/15重量%が好ましい。
油分の含量は、除熱剤組成物中0.01〜5.0重量%が好ましい。ノニオン系界面活性剤の含量は、除熱剤組成物中0.01〜5.0重量%が好ましい。
除熱剤組成物は、前述した成分を混合することで得ることができる。その際、減圧脱泡してもよい。脱泡することにより、除熱時に気泡の急激な膨張による組成物の飛散を抑制することができる。減圧条件は、概ね5kPa〜80kPaである。
除熱性複合材の第一実施形態は、繊維で構成されたシート状の基材部と、基材部に含浸された除熱剤組成物とで構成される。このように、除熱剤組成物が繊維に含浸されていることで、除熱剤組成物に含まれる水の蒸発潜熱の効果により、高温の製品から効果的に熱を除去し冷却することができる。そのため、製品から火炎が噴出した場合でも、基材部を構成する繊維及び除熱剤組成物により火炎を包囲して製品周囲への延焼を防止することができる。尚、第一実施形態においては、除熱剤組成物が含浸された基材部を本体部と称する。
基材への除熱剤組成物の含浸は、例えば、シート状に形成した基材部と除熱剤組成物とを減圧下で接触させることで行うことができる。必要に応じてシート状の基材部の表面に残存する除熱剤組成物を除去する。第一実施形態では、除熱剤組成物を繊維に含浸させるため、基材は、繊維の材質によっては、繊維はマルチフィラメントまたはトウを用いてシート状に形成されたものであるのが好ましい。
ここで、シート状の基材部の表面は、第1面と、この第1面とは反対側の第2面を有する。即ち、例えば、第1面がシートの表側、第2面がシートの裏側の場合である。この場合、第1面と第2面との間の距離はシートの厚みとなる。
第一実施形態において、除熱剤組成物が含浸された基材部は、1層のみでもよいが、2層以上厚み方向に積層したものでもよい。この際、除熱剤組成物は、同じものであってもよいし、異なる成分組成のものであってもよい。また、基材部も繊維種やシートの構成が同じでも、異なってもよい。
除熱性複合材の第二実施形態は、繊維で構成されたシート状の基材部と、基材部の表面に設けられた、除熱剤組成物とで構成される。第一実施形態と異なり、基材部には除熱剤組成物を含浸させず、基材部の表面に除熱剤組成物を設けたものである。除熱剤組成物が基材部の表面に設けられた複合材は、除熱剤組成物の量に応じて、第一実施形態と同等以上の効果を奏することができる。除熱剤組成物の層から除熱剤組成物が製品表面に落下して付着することで、空気を遮断して燃焼を抑制する効果や除熱効果が発揮し易い点で、第一の実施形態以上の効果が期待できる。第一実施形態は、基材部の表面に除熱剤組成物を塗布することで得ることができる。
第二実施形態では、複合材の用途に応じて、シート状の基材部の第1面と第2面のうちの少なくとも一方に除熱剤組成物の層が設けられているのが好ましい。第1面及び/又は第2面の面全体に設けられるのがより好ましい。この時、除熱剤組成物の層の厚みは、除熱の対象となる製品に応じて適宜決定することができる。厚みは、概ね、0.1〜10mmとすることができる。
除熱性複合材の第三実施形態は、第一実施形態と第二実施形態を組み合わせたものである。即ち、繊維に含浸された除熱剤組成物を有するシート状の基材部の表面にさらに除熱剤組成物が設けられたものである。除熱剤組成物が基材部に含浸されるとともに、基材部の表面に設けられることで、第一及び二実施形態より除熱効果が一層向上し、例えば複数の電池を含む電池パックのような製品において、複数の電池が連鎖的に暴走状態になることを抑制することができる。第三実施形態は、除熱剤組成物を含浸させたシート状の基材部の表面に除熱剤組成物を塗布したり、シート状の基材部の表面に除熱剤組成物を塗布した後減圧したりすることで得ることができる。第三実施形態でも、基材部の第1面と第2面のうちの少なくとも一方の面に除熱剤組成物の層が設けられるのが好ましく、面全体に設けられるのがより好ましい。除熱剤組成物の層の厚みは第二実施形態と同じである。
除熱性複合材の第二及び三実施形態においても、除熱の対象となる製品に応じて、基材部が複数設けられていてもよい。この場合、隣接する基材部の間に除熱剤組成物の層が設けられているのが好ましい。このように、複合材は基材部と除熱剤組成物の層とが、基材部の厚み方向に交互に積層されたものであってもよい。また、複数の基材部のうち、少なくとも1つの厚み方向の末端の基材部は、その第1面及び第2面の両方に除熱剤組成物の層が設けられるのが好ましい。この場合、後述する保護容器において、除熱剤組成物の層が、除熱の対象となる製品側に面するように複合材を配置することができる。
基材部と除熱剤組成物の層との積層は、第二実施形態では、例えば、基材部(第1基材部)の第2面に除熱剤組成物を塗布し、その塗布した塗布面に他の基材部(第2基材部)を、その第1面が塗布面と接するように積層し、必要に応じて、第2基材部の第2面に除熱剤組成物を塗布することにより行うことができる。第三実施形態では、例えば、除熱剤組成物を含浸させた基材部を用いて第二実施形態と同様に積層してもよいし、第二実施形態と同様にして積層した後、又は、積層時に減圧することで行うことができる。
基材部と除熱剤組成物の層を積層する場合、それぞれの厚みは、除熱する対象となる製品に応じて適宜決定することができる。例えば、除熱剤組成物の層のうち、対象製品に近接する部分の層は、他の層に比べて相対的に厚くすることができる。逆に相対的に薄くすることもできる。また、基材部及び除熱剤組成物の構成は、同じでもよいし異なってもよい。
第一乃至三実施形態において、全ての基材部と、全ての除熱剤組成物とで構成される部分を本体部と称するものとすると、本体部の外側には、当該本体部の少なくとも一部を被覆する非透水性の被覆層が設けられていてもよい。好ましくは、本体部のうち、基材部の第1面に対応する面及び/又は基材部の第2面に対応する面の全体に被覆層が設けられているのが好ましく、これらの面に加えて、基材部の厚み方向に対応する面に被覆層が設けられているのがより好ましく、これら全ての面に被覆層が設けられているのがさらに好ましい。被覆層を設けることで、除熱剤組成物に含まれる水分が蒸発して失われるのを防止することができる。本体部の厚み方向の末端に除熱剤組成物の層が設けられている場合に特に好適である。
被覆層は、非透水性を有する。水蒸気を透過しないものが好ましい。例えば、非水溶性の合成樹脂のシート、合成樹脂のシートの表面にアルミを蒸着したアルミ蒸着シート、合成樹脂シートとアルミ箔の積層シート等が挙げられる。また、除熱対象となる製品が発火、加熱した際に、被覆層が破れやすいものが好ましい。これにより、除熱剤組成物が対象製品の表面に付着して、空気を遮断して燃焼を抑制する効果や、除熱効果を発揮し易くなる。合成樹脂を構成し得る樹脂としては、例えば、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等が挙げられる。また、合成樹脂のシートは、単層でもよいし、異種の樹脂で形成された層が複数積層された複層でもよい。シートの厚みは、概ね0.002〜0.120mmである。このような被覆層は市販のものを使用することができる。
被覆層を設ける方法は、特に限定はない。例えば、本体部を形成した後、被覆層を積層することで得ることができる。本体部の全体を被覆層で被覆する場合は、本体部を被覆層で被覆した後、例えば、基材部の周縁部近傍で被覆層同士を接合し、封止することで得ることができる。被覆層を設ける際は、気泡の混入を防止する場合は、減圧条件下で、被覆層により本体部を封止するとよい。
被覆層を設ける場合、被覆層の外表面の少なくとも一部に、更に補強層を設けることができる。補強層を設けることで、本体部、必要に応じて設けられる被覆層を保護し、例えば、後述する対象製品の爆発による損傷を抑制することができる。また、保護容器を形成する際に行う、縫製等の加工を容易に行うことができる。補強層は、被覆層の外表面のうち、基材部の第1面又は第2面に対応する面に設けるのが好ましい。後述する対象製品と面する側とは反対側の外表面に設けるのがより好ましい。補強層は、耐火繊維及び難燃繊維から選択される少なくとも1種を含むのが好ましい。耐火繊維及び難燃繊維は、例えば、前述のものを採用することができる。このうち、耐火繊維としては、炭素繊維、金属繊維、鉱物繊維から選択される少なくとも一種であるのが好ましい。補強層の形態としては、例えば、前述の耐火繊維及び/又は難燃繊維を用いて形成したシート、この耐火繊維のシートの外側をアルミ蒸着フィルムで被覆したシート等が挙げられる。このうち、それらの繊維を用いて形成したシートの形態としては、例えば、各種繊維を用いて形成された織物、編物、不織布から選択される一種の形態を含有するものを採用することができる。織物、編物、不織布としては、前述の基材部と同様のものを採用することができる。このような補強層としては、例えば、耐火繊維の織物、編物、不織布等が挙げられる。このうち、金属繊維の織物又は編物、炭素繊維の不織布が好ましい。炭素繊維の不織布としては、炭素繊維製フェルトがより好ましい。補強層の厚みは、概ね0.7〜2mmである。補強層の形成方法としては、例えば、予め、被覆層を構成するシートの表面に結合させる方法、本体部の表面を被覆層で被覆した後に、被覆層の表面の少なくとも一部に補強層を接合させる方法等を用いることができる。
例えば、以上のような実施形態の除熱性複合材は、軽量でありながら、対象製品の発火や高熱時において優れた除熱性を有する。また、実施形態によっては、複数の電池を含む電池パックのような製品において、2つ以上の電池の暴走の抑制効果に優れる。したがって、後述するような保護容器の構成部材として好適である。
(保護容器)
本発明の実施形態に係る保護容器は、発熱性、発火性及び爆発性から選択される少なくとの一つの特性を有し得る製品を収容する保護容器であって、該保護容器を構成する壁部の少なくとの一部に、前述の除熱性複合材が設けられたものである。
保護容器に収容し得る製品は、二次電池、二次電池を1つ又は2つ以上含む電池パック、これらを主電源として用いる電子機器、その他の発熱性、発火性、爆発性を有する製品である。このうち、二次電池及び電池パックに有効である。二次電池としては、各種のものが対象になるが、高温の発熱、発火、爆発の危険性が他よりも高いリチウムイオン電池に特に有効である。
保護容器は、壁部により区画される空間を有する。この空間に対象製品の全体を収容し、その外表面全体を覆うことができる。保護容器は、対象製品を出し入れするための開口部を有し、対象製品を収容する収容体と、この収容体の開口部を封止する蓋体とを備える。収容体及び蓋体の形状、構成は特に限定はない。対象製品の形状等に応じて適宜選択することができる。蓋体と収容体は、開閉可能に一体的に形成されていてもよいし、別々に形成してもよい。また、蓋体が容易に開かないように、固定手段により収容体に固定されていてもよい。固定手段としては、例えば、ネジ止め、固定帯、樹脂接合、ジッパーやチャック等の線ファスナー、マジックテープ(登録商標)等の面ファスナー等が挙げられる。
保護容器の外観形態は、対象製品の形状、数量等応じて選択すればよく、特に限定はない。例えば、箱状、袋状等が挙げられる。箱状の形態としては、例えば、立方体、直方体等の多面体、円筒体、円錐体、角錐体、球体、半球体、楕円体、半楕円体等が挙げられる。袋状としては、例えば、(a)軸方向両端で開口する筒状のシートの一端を例えば直線状に封止し、他端が開口したもの、(b)軸方向両端で開口する筒状のシートの両端を例えば直線状に封止し、両端の間に開口部を設けたもの等が挙げられる。また、袋状の場合、例えば(a)の例の場合、開口する部分を含む部分を折り畳んで壁部により囲まれる空間が形成され得る。この袋状の形態も収容体と蓋体が開閉可能に一体的に形成される形態に含まれる。
除熱性複合材は、収容体及び蓋体の壁部の少なくとも一部に設置されていればよい。後述する対象製品等に応じて、壁部の一部に設置されていてもよいし、全ての壁部に設置されていてもよい。また、除熱性複合材は、壁部の内壁面を構成するように設けられるのが望ましい。これにより、除熱剤組成物の機能を発揮させ易くなる。また、第二及び三実施形態の複合材を用いる場合は、複合材は、基材部と除熱剤組成物とのうち、除熱剤組成物が対象製品に最近接するように構成されるのが好ましい。また、壁部の一部に複合材を設ける場合は、例えば、(a)基材部の第1面又は第2面に対応する複合材の面が、製品の発熱、発火、爆発する可能性のある部分の表面積が最大となる位置に面するように、複合材が設置される、(b)基材部の第1面又は第2面に対応する複合材の面が、製品から火炎やガスが噴出する位置に面するように、複合材が設置される、のが好ましい。
保護容器の壁部の少なくとも一部に複合材が設けられていればよい。複合材以外の壁部を構成する部材としては、例えば、金属(但し、金属繊維を除く。)及び耐火繊維から選択される少なくとも1種を含む耐火部材が挙げられる。このような耐火部材としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属板、パンチングメタル、金網、前述の耐火繊維で構成されたシート部材等が挙げられる。これらの耐火部材のうち、複合材と組み合わせて用いる場合は、通気孔を備えるものが好ましい。このような通気孔を備えるものとしては、例えば、パンチングメタル、金網、耐火繊維の織物や編物等が挙げられる。複合材と組み合わせた場合に、通気孔を有することで、複合材を通過して放出されるガスを容易に外部に放出することができる。そのため、保護容器の破裂を防止することができる。
保護容器の壁部には、その内側と外側とに連通する貫通孔が設けられていてもよい。これにより、対象製品が例えば充電器に接続された二次電池やその電池パックである場合に、貫通孔に導線を通して外部電源と充電器を接続し保護容器内にそれらを収容した状態で充電することができる。貫通孔には、封止機構が設けられていてもよい。
以下、図面を用いて、保護容器の実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る保護容器1の斜視図を示したものである。保護容器1は、収容体10と蓋体20とを備えた直方体の形状を有する。図2は、図1に示す保護容器1のI−I方向の断面図である。収容体10は、底面部11、側面部12、上面部に開口部13を備える。開口部13には、蓋体20が着脱可能に設置される。蓋体20は、外壁部21と内壁部30とを備える。収容体10の底面部11、側面部12、蓋体20の内壁部30により画される空間15に対象製品が収容され、その全体が覆われる。蓋体20と収容体10とは、固定手段で固定されていてもよい。固定手段は、保護容器の形態、構成材料、対象製品等を考慮して決定することができる。例えば、ネジ止め、固定帯、樹脂接合、溶接等が挙げられる。樹脂接合には、アウトサート成形、超音波溶着等が含まれ得る。
収容体10は、平面状の底面部11、角筒状の側面部12を備え、上方が開口した直方体状の構造を有する。底面部11、側面部12は金属板で構成されている。また、開口部13を形成する内周部には、蓋体20を受け入れて、その外壁部21の周縁部と係合して係止する段部14が形成されている。蓋体20を、例えば、螺子止めする場合は、段部14に雌ネジ穴を設けてもよい。
蓋体20は、長方形状で平板状の外壁部21、長方形状で平板状の内壁部30を備える。外壁部21は、長方形状の金網22と、その周縁部に設けられ、金網22と連結された金属製の枠部23とを備える。内壁部30は、枠部23を介して外壁部21と連結されている。外壁部21と内壁部30との連結は、例えば、環状の留め具を介してネジ止め等により行うことができる。
内壁部30は、図3に示す断面構造を有する除熱性複合材である。内壁部30は、繊維の編物で構成されたシート状の基材部31、基材部31の第1面に形成された除熱剤組成物の層32、基材部31の第2面に形成された除熱剤組成物の層33、層32の表面を被覆する被覆層34、層33の表面を被覆する被覆層35、被覆層35の外表面を被覆する補強層36を備える。本実施形態では、基材部31、層32、33で構成される本体部の全体が被覆層34、35により被覆されている。また、基材部31には除熱剤組成物が含浸されている。
図1〜3に示される構成の保護容器1の空間15に対象製品が収容される。そして、対象製品に何らかの異常が生じ、高温状態になったり、発火したり、爆発したりしたとしても、その結果、除熱剤組成物が製品の外表面に落下付着することで、空気を遮断して燃焼を抑制するとともに、除熱効果を発揮して、製品の冷却や消火を迅速に行うことができる。そのため、例えば、複数の二次電池を含む製品の場合でも、2以上の電池の連鎖暴走を抑制することもできる。また、爆発した場合でも、繊維の編物で構成された基材部31により内圧を吸収することができる。また、除熱剤組成物が含浸されていることで繊維は損傷することがない。一方、被覆層34、35は爆発の作用により部分的に通気可能となる。これらの結果、爆発による飛散物を保護容器内で捕捉するとともに、保護容器1の内部のガスを徐々に外部に放出し、保護容器1の内圧を低く抑えることができる。保護容器1は、このような作用を有するため、安全に、製品を保管し、輸送することが可能になる。
図4(a)は、図1〜3に示す実施形態の変形例の使用状態を示した説明図である。図4に示す実施形態に係る保護容器2は、図1〜3に示す保護容器1において、蓋体21と収容体10の側面部12に、保護容器2の内外をつなぐ貫通孔70を形成するための切り欠き部44、57を設けたものである。それ以外は、同じ構成を有する。図4(b)は、図4(a)中のIIで示される貫通孔が形成されている部分の拡大断面図である。以下では、保護容器2と異なる部分のみ説明する。また、保護容器1と同じ構成については同じ符号を付して説明は省略する。
保護容器2は、収容体50と蓋体40とを備えた直方体の形状を有する。収容体50は、底面部11、側面部52、上面部に開口部53を備える。開口部53には、蓋体40が着脱可能に設置される。蓋体40は、外壁部41と内壁部30とを備える。収容体50の底面部11、側面部52、蓋体40の内壁部30により画される空間55に対象製品が収容され、その全体が覆われる。蓋体40と収容体50とは、保護容器1と同様に、固定手段で固定されていてもよい。
収容体50は、底面部11、角筒状の側面部52を備え、上方が開口した直方体状の構造を有する。側面部52は金属板で構成されている。また、開口部53を形成する内周部56には、蓋体40を受け入れて、その外壁部41の周縁部と係合して係止する段部54が形成されている。図4(b)に示すように、段部54には、切り欠き部57が形成される。切り欠き部57は、後述する蓋体40の枠部43に形成される切り欠き部44に対応するように形成される。蓋体40を、例えば、螺子止めする場合は、段部54に雌ネジ穴を設けてもよい。
蓋体40は、長方形状で平板状の外壁部41、内壁部30を備える。外壁部41は、金網22と、その周縁部に設けられ、金網22と連結された金属製の枠部43とを備える。内壁部30は、枠部43を介して外壁部41と連結されている。枠部43の周縁部には、切り欠き部44が設けられている。切り欠き部44は、前述の収容体50の段部54に形成された切り欠き部57と連続し、収容体50の開口部53を形成する内周部56とで、保護容器2の内側と外側をつなぐ貫通孔70が形成される。
図4(a)に示すように、保護容器2の空間55に、4本の二次電池60が充電器61に設置される。導線62は、貫通孔70を通って充電器61と差し込みプラグ63とに接続されている。そして、差し込みプラグ63をプラグ受け64に差し込むことで、保護容器1の場合と同様に、二次電池54の充電を保護容器2の内部で安全に行うことができる。
以下、実施例により、除熱性複合材の実施形態を詳細に説明する。
(実施例1)
被覆層1、除熱剤組成物の層1、除熱剤組成物が含浸された基材部1、除熱剤組成物の層2、除熱剤組成物が含浸された基材部2、除熱剤組成物の層3、被覆層2、補強層が、この順に積層された複合材を次のようにして作製した。尚、対象製品に近い側を第1面側、遠い側を第2面側とした。
厚み約0.75mmの炭素繊維製の織物で構成されたシート状の基材部1、2(群栄化学工業株式会社製、C509、フェノール系炭素繊維の織物)をA4サイズに裁断した。また、被覆層1、2として、株式会社マルアイ製、厚み0.112mmの合成樹脂製の複層シートを用い、基材部1、2を覆うことが可能な大きさの四角形のシートを2枚準備した。この同等の形状を有する両シートを重ね合わせ、対応する三辺を熱溶着して、一辺が開口する袋を作製した。この株式会社マルアイ製の複層シートは、厚さ0.012mmのポリエチレンテレフタレート(PET)の層、厚さ0.015mmのポリアミドの層、厚さ0.015mmのPETの層、厚さ0.070mmのポリエチレンの層をこの順に積層したものであった。各複層シートのPETの層が外側になるようにして複層シートの袋を作製した。
この袋内に、基材部1、2を挿入し、基材部1、2の第1、2面側に除熱剤組成物(PDM株式会社製、ヒートバスターTK2)を塗布した。塗布量は、被覆層1と基材部1の第1面の間、被覆層2と基材部2の第2面の間が概ね等量とし、基材部1と基材部2の間は、概ねその3〜8倍量とした。その後、減圧装置付きのラミネーター機を用いて、減圧処理し、複層シートの袋の開口した一辺を熱シールした。この減圧処理の際に、除熱剤組成物の一部が、基材部1、2に含浸される。そして、表面がアルミ蒸着された、耐火繊維であるシリカ繊維のクロス(布帛)(厚み概ね0.65mm)を被覆層2の外表面に貼り付けて、除熱性複合材を得た。後述する評価においては、被覆層1が後述するリチウムイオン電池に面するように配置された。除熱性複合材において、尚、減圧処理後の除熱性複合材においては、除熱剤組成物の層1、3の厚みは概ね0.5〜1mm、除熱剤組成物の層2の厚みは概ね3〜4mmであった。
(実施例2)
炭素繊維製の織物で構成されたシート状の基材部に替えて、フェノール樹脂製の繊維の織物で構成されたシート状の基材部(群栄化学工業株式会社製、カイノール CC509、紡績糸使用、8枚朱子織、クロス)を用いた以外は、実施例1と同様にして、除熱性複合材を作製した。
(比較例1)
基材部を用いず、補強層を形成せず、除熱剤組成物の厚みを5mmとした以外は、実施例1と同様にして複合材を作製した。即ち、この複合材は、被覆層1、除熱剤組成物の層1、被覆層2をこの順で積層し、除熱剤組成物の層1を被覆層1、2により密封されたものとした。
(比較例2)
実施例1で用いた基材部1の第1面に被覆層3(厚み0.050mm、ポリプロピレン製シート)、基材部1の第2面に被覆層4(厚み0.050mm、ポリエチレン製シート)が配置されるように、減圧装置付きのラミネーター機を用いて積層し、複合材を得た。
(評価)
実施例1、2及び比較例1、2を用いて、対象製品がリチウムイオン電池であるとして、リチウムイオン電池の釘刺し試験を行った。また、ブランクとして、リチウムイオン電池のみを用いて同様に釘刺し試験を行った。試験は、性能評価機関であるテュフラインランドジャパン株式会社関西テクノロジーセンターにおいて行われた。
リチウムイオン電池として、一般に入手が可能な、18650型(円筒)、電圧3.7V、容量2600mAhの産業用二次電池を満充電して用いた。全ての試験において、全て同じ型のものを用いた。
先ず、図5に示すように、チャンバー内に設置されている治具80に5本のリチウムイオン電池90を長手方向が平行になるように密着させて並列させて配置した。治具80は、電池を5本設置することが可能な凹部86が形成された架台部81、架台部81の周縁部に配置され、複合材を架台部81に密着させる環状の留め具82、架台部81と留め具82とを固定するための複数の固定部83を備える。架台部81には、試験中の電池90の温度を測定するための熱電対に連結された導線84、85を通すための貫通孔87、88が設けられている。釘刺しされる中央の電池90及びこれに隣接する一方の電池90に熱電対を固定し、導線84、85を貫通孔87、88に通して、計測器側に接続した。
次に、図6に示すように、電池90を覆うように実施例及び比較例で得られた複合材91を架台部81に設置し、架台部81と留め具82との間で複合材91を挟み込み、複数の固定部により固定した。これをチャンバー内に設置した。そして、図7に示すように、チャンバー内に設置されているφ3mmの釘85を、10mm/秒の速度で、中央の電池90を貫通するまで降下させ、釘刺し試験を行った。
ブランクとしてリチウムイオン電池のみを用いた場合は、図8に示すようにして5本の電池をチャンバー内の架台部86に固定して、同じ条件で釘刺し試験を行った。先ず、5本のリチウムイオン電池90を長手方向が平行になるように密着させて並列させて、φ0.35mmのステンレスワイヤ89を用いて2カ所で束ねたものを、2カ所のテープ92により架台部86に固定した。また、実施例1等の複合材を用いる場合と同様にして、5本の電池90のうち、中央の電池90及びこれに隣接する一方の電池90に熱電対を固定し、これに連結する導線83、84を計測器側に接続した。次いで、チャンバー内に設置されているφ3mmの釘を、10mm/秒の速度で、中央の電池90を貫通するまで降下させ、釘刺し試験を行った。
評価は、外部から観察されるスパーク及び発火の有無、隣接セルの熱暴走(隣接セルによるスパーク)の有無、により行った。また、試験時の到達温度を測定した。試験結果を表1に示す。
Figure 2019123100
表1に示すように、ブランク、比較例1(除熱剤組成物を被覆層1、2で封止)、比較例2(炭素繊維製の基材部のみ)では、釘刺し直後に外部からスパークが観察され、外部から発火も観察された。また、隣接セル到達温度からも分かるように、隣接セルも暴走しスパークが観察された。このように、比較例2のように耐火性、耐熱性が高いとされる炭素繊維であっても、それのみでは、リチウムイオン電池が異常状態に陥った場合に、対処は困難である可能性が高いことが分かる。また、比較例1のように、除熱性の高い除熱剤組成物用いた場合、セルの温度の上昇を若干抑えることは可能であるが、それのみを樹脂シートに封止したものは、比較例2と同様であることが分かる。一方、実施例1、2では、図7に示すように、針刺し後に、複合材91が膨らんだが、外部からスパーク及び発火は観察されなかった。また、隣接セルの到達温度が140℃に到達することがなく、隣接セルは暴走しなかったことが分かる。尚、実施例1では、実施例2の場合より、針刺し後の複合材91の膨らみが小さかった。
1、2 保護容器
10、50 収容体
11 底面部
12、52 側面部
13、53 開口部
14、54 段部
15、55 空間
20、40 蓋体
21、41 外壁部
22 金網
23、43 枠部
44、57 切り欠き部
30 内壁部
31 基材部
32、33 除熱剤組成物の層
34、35 被覆層
36 補強層
56 内周部
60 二次電池
61 充電器
62 導線
63 差し込みプラグ
64 プラグ受け
70 貫通孔
80 治具
81、86 架台部
82 留め具
83 固定部
84、85 導線
87、88 貫通孔
89 ステンレスワイヤ
90 リチウムイオン電池
91 複合材
92 テープ

Claims (15)

  1. 繊維で構成されたシート状の基材部と、
    前記基材部に含浸された及び/又は前記基材部の表面に設けられた、含水粘着型除熱剤組成物と、
    を含む、除熱性複合材。
  2. 基材部の表面が、第1面と、該第1面とは反対側の第2面とを有し、第1面と第2面のうちの少なくとも一方の面に含水粘着型除熱剤組成物の層が設けられた請求項1記載の除熱性複合材。
  3. 基材部が複数設けられ、隣接する基材部の間に含水粘着型除熱剤組成物の層が設けられた請求項1又は2記載の除熱性複合材。
  4. 全ての基材部と含水粘着型除熱剤組成物とで構成される本体部の外側に、当該本体部の少なくとも一部を被覆する非透水性の被覆層が設けられる請求項1〜3の何れか1項に記載の除熱性複合材。
  5. 被覆層の外側の少なくとも一部に、耐火繊維及び難燃繊維から選択される少なくとも1種を含む補強層が設けられる請求項4記載の除熱性複合材。
  6. 補強層に含まれる耐火繊維が、炭素繊維、金属繊維、鉱物繊維から選択される少なくとも一種である請求項5記載の除熱性複合材。
  7. 補強層が、織物、編物、不織布から選択される少なくとも一種の形態を含有する請求項5又は6に記載の除熱性複合材。
  8. 前記基材部を構成する繊維が、耐火繊維及び難燃繊維から選択される少なくとも1種である請求項1〜7の何れか1項に記載の除熱性複合材。
  9. 前記基材部が、織物である請求項1〜8の何れか1項に記載の除熱性複合材。
  10. 含水粘着型除熱剤組成物が、水溶性樹脂及び/又は水膨潤性鉱物を含む請求項1〜9の何れか1項に記載の除熱性複合材。
  11. 発熱性、発火性及び爆発性から選択される少なくとの一つの特性を有し得る製品を収容する保護容器であって、
    該保護容器を構成する壁部の少なくとの一部に、請求項1〜10の何れか1項に記載の除熱性複合材が設けられた、保護容器。
  12. 発熱性、発火性及び爆発性から選択される少なくとの一つの特性を有し得る製品を収容する保護容器であって、
    該保護容器を構成する壁部の少なくとの一部に、請求項2〜10の何れか1項に記載の除熱性複合材が設けられ、
    該除熱性複合材は、基材部と含水粘着型除熱剤組成物とのうち、含水粘着型除熱剤組成物が前記製品に最近接するように構成される、保護容器。
  13. 前記壁部の少なくとも一部は、金属(但し、金属繊維を除く。)及び耐火繊維から選択される少なくとも1種を含む耐火部材と、前記除熱性複合材と、により形成され、
    除熱性複合材が、壁部の少なくとも一部の内壁面を構成するように設置される、請求項11又は12記載の保護容器。
  14. 除熱性複合材が設けられている部分の耐火部材は、通気孔を備える請求項13記載の保護容器。
  15. 保護容器の内側と外側とをつなぐ貫通孔が壁部に設けられている請求項11〜14の何れか1項に記載の保護容器。
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