本発明の一態様に係る充放電装置について、以下の各実施形態において説明する。なお、本願において「充放電装置」は、(1)充電及び放電の両方を行うことが可能な充放電装置、(2)充電のみを行う充電装置、並びに、(3)放電動作のみを行う放電装置のいずれかの装置を指す。換言すれば、本願の充放電装置は、充放電装置、充電装置及び放電装置を含む概念である。また、本願において「充放電」は、充電及び放電の両方の動作を包括的に含むものである。つまり、本願の「充放電」は、充電及び放電の少なくともいずれかの動作を指すものである。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
<充放電システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る電力供給システムの一例を示す図である。なお、図1において、実線は電力が供給される電力供給線であり、破線は制御信号が伝送される制御線である。
図1に示すように、電力供給システムは、例えば、商用電力系統1(商用系統)と、分電盤2と、EMS(Energy Management System)コントローラ3と、複数の負荷4と、充放電装置10と、電動車両50とを含む。
商用電力系統1は、電力会社からの電力系統である。電力系統は電力を供給するための、発電・変電・送電及び配電を統合したシステムである。また、複数の負荷4は、例えば、コンセントに接続される負荷機器である。
分電盤2は、商用電力系統1に接続される。商用電力系統1から分電盤2に規定の電圧(100V/200V)の商用交流電力が供給される。交流電力は、分電盤2を通じて、複数の負荷4及び充放電装置10に供給される。負荷4及び充放電装置10は、分電盤2を通じて供給される交流電力(または交流電力から変換された直流電力)を用いて動作する。
EMSコントローラ3は、充放電装置10を制御及び管理するコントローラである。具体的には、EMSコントローラ3は、充放電装置10に、例えば通信ケーブル(例:LAN(Local Area Network)ケーブル)を介して接続される。EMSコントローラ3と充放電装置10とは無線により接続されても構わない。EMSコントローラ3は、充放電装置10の各動作モードを制御する。
なお、ネットワークに接続されたサーバの集中コントローラ(図示省略)が、充放電装置10を制御及び管理しても構わない。この場合、例えば、集中コントローラは、充放電動作に関する指示、又は、充放電量に関する指示をEMSコントローラ3に送信することで、EMSコントローラ3に充放電装置10を制御及び管理させる。
また、電力供給システムが家庭用として用いられる場合、EMSコントローラ3はHEMS(Home Energy Management System)コントローラとして機能する。電力供給システムがビル用として用いられる場合、EMSコントローラ3はBEMS(Building Energy Management System)コントローラとして機能する。電力供給システムが工場用として用いられる場合、EMSコントローラ3はFEMS(Factory Energy Management System)コントローラとして機能する。電力供給システムが地域用として用いられる場合、EMSコントローラ3はCEMS(Community Energy Management System)コントローラとして機能する。但し、EMSコントローラ3は、充放電装置10を制御及び管理するコントローラであればよく、上記各コントローラに限られない。
EMSコントローラ3は、ネットワークを介して各種サーバと接続される。各種サーバは、例えば、商用電力系統1から供給を受ける電力の購入単価、商用電力系統1に対して供給する電力の売却単価、及び燃料ガスの購入単価などの情報を格納する。
電動車両50は、車載蓄電池52を搭載する。商用電力系統1の停電時、車載蓄電池52内の電力は、充放電装置10により複数の負荷4に供給される。電動車両50は、駆動用の蓄電池を搭載しており、当該蓄電池内の電力を駆動力に変換して走行可能な各種の車両を含む。当該車両としては、例えば、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHV:Plug in Hybrid Vehicle、PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又は燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)が挙げられる。
車載蓄電池52は、走行時に用いられる電力を蓄えるための大容量の蓄電池、及び、電動車両50のシステム駆動等に用いられる、周知の補機バッテリ301(図2参照)を含む。また、車載蓄電池52は、駆動用の蓄電池を含んでも構わない。
なお、上記停電時の電力供給処理は、特に、充放電装置10の自立運転と称される。一方、非停電時にも、車載蓄電池52内の電力を複数の負荷4に供給できる。この場合、商用電力系統1及び充放電装置10の双方から複数の負荷4へ、交流電力が供給される。この非停電時の電力供給処理は、特に、充放電装置10の系統連系運転と称される。
また、電力供給システムは、EMSコントローラ3の制御対象として、通信機能を備えた機器、太陽光の受光に応じて発電を行うPV(太陽光発電)装置、及び/又は、燃料(ガス)を用いて電力を発電するFC(燃料電池)装置を含んでも構わない。上記機器としては、例えばエアコン、冷蔵庫又はIH(Induction Heating)クッキングヒータが挙げられる。
<充放電装置の概要>
充放電装置10は、電動車両50が搭載する車載蓄電池52に対する充放電を制御するものであり、図1に示すように、充放電装置本体11、コネクタ12及びケーブル13を備える。充放電装置10は、例えば、公共施設、民間事業者の施設、マンションの駐車場、又は一般住宅の駐車場に設置される。
充放電装置本体11は、車載蓄電池52に対する充放電を制御するものである。充放電装置本体11は、EMSコントローラ3の他、例えば、ユーザによる入力操作、又は電動車両50からの指示に基づき、車載蓄電池52に対する充放電を行う。
コネクタ12は、電動車両50の充電口51に接続されるものである。充放電装置10は、コネクタ12の充電口51への接続により、車載蓄電池52に対する充放電を行うことが可能となる。コネクタ12は、充放電中に充電口51から外れないように、充電口51とロックされる機構を備える。この機構によるロックは、充放電装置10の充放電動作の停止により、解除される。これに限らず、上記ロックは、充放電動作の停止後のストップボタンの押下時、停電時、その他任意のタイミングで解除されても構わない。
ケーブル13は、一端が充放電装置本体11に接続され、他端にコネクタ12が設けられている。ケーブル13には、例えば、動力線、アナログ線及びCAN信号線が含まれる。動力線は、車載蓄電池52を充放電するために、充放電装置本体11からコネクタ12に、又はコネクタ12から充放電装置本体11に電力を供給するものである。アナログ線及びCAN信号線は、車載蓄電池52の充放電時に、充放電装置本体11とコネクタ12との間でやり取りされる各種の信号を送受信するものである。
<充放電システムの詳細>
図2は、コネクタ12が充電口51に接続された場合における、コネクタ12と充電口51との間のインタフェース構成の一例を示す概略図である。図2に示したインタフェース構成のうち公知の構成及びその動作については詳細な説明を省略し、充放電装置10の詳細な構成を説明するために参照すべき個所を中心に説明する。
図2に示すように、充放電装置10には、抵抗素子(R1)101、フォトカプラ(j)102及びCAN回路103が設けられている。また、充放電装置10には、上述のアナログ線として、充放電コネクタ12V線32a、第1作業開始停止線32b、第2作業開始停止線32c、充放電コネクタ接続確認線32d、作動許可禁止線32e及び接地線32fが設けられている。
電動車両50には、車両コンタクタ201、フォトカプラ(f)202、フォトカプラ(g)203、フォトカプラ(h)204、フォトカプラ(k)205、及びCAN回路206が設けられている。なお、図2中の抵抗素子(R4)が設けられない構成であっても構わない。
また、電動車両50には、動力線に接続される正電位側ライン31a’及び負電位側ライン31b’が、電動車両50の動力線として設けられている。また、充放電装置10のアナログ線の各線に接続される、充放電コネクタ12V線32a’、第1作業開始停止線32b’、第2作業開始停止線32c’、充放電コネクタ接続確認線32d’、作動許可禁止線32e’及び接地線32f’が、電動車両50のアナログ線として設けられている。さらに、電動車両50には、CAN信号線33に接続されるCAN信号線33’が設けられている。
充放電コネクタ12V線32a・32a’は、選択的に付加されるオプション機能構成300に含まれるものである。
充放電コネクタ12V線32aは、充電口51にコネクタ12が接続されることにより、充放電コネクタ12V線32a’を介して補機バッテリ301と接続される信号線である。車両12V(VB)は、例えば補機バッテリ301から供給される。
充放電コネクタ12V線32a’は、補機バッテリ301の電力を充放電装置10に供給する信号線である。充放電コネクタ12V線32a’にはスイッチ302が設けられている。通常、スイッチ302はオンとなっており、例えば停電時に、補機バッテリ301に蓄えられた電力が充放電コネクタ12V線32a・32a’を介して充放電装置10に供給される。スイッチ302は、例えば、電動車両50の制御回路(不図示)からの指示によってオフすることも可能である。
回り込み防止回路303は、充放電装置12V(VA)から充放電コネクタ12V線32a・32a’を介して電動車両50に電力が供給されてしまうことを防止するための回路である。
充放電コネクタ接続確認線32dは、充電口51にコネクタ12が接続されたときに電動車両50の電源電圧(車両12V(VB))が供給される信号線である。充放電コネクタ接続確認線32dの途中には、抵抗素子(R1)101が配置されている。充放電コネクタ接続確認線32d’は、充放電コネクタ接続確認線32dに、電動車両50の車両12V(VB)を供給する信号線である。充放電コネクタ接続確認線32d・32d’は、充放電装置10及び電動車両50の双方で相手機器との接続を確認することが可能な信号線である。
接地線32fは、充電口51にコネクタ12が接続されることで、電動車両50において接地される信号線である。接地線32f’は、接地線32fを接地する信号線である。
<充放電装置の詳細>
図1に示すように、充放電装置10は、充放電回路21、制御回路22、電源回路23、補助バッテリ24、駆動回路25、及び起動ボタン26を備える。
充放電回路21は、車載蓄電池52を充電する(充電運転)。また、充放電回路21は、自立運転時又は系統連系運転時、車載蓄電池52から直流電力を取り出す。充放電回路21は、車載蓄電池52から取り出した直流電力を交流電力に変換し、複数の負荷4に供給する。複数の負荷4は、充放電装置10から供給される交流電力を用いて動作する。
制御回路22は、充放電回路21を制御することで、車載蓄電池52の充放電を制御する。制御回路22は、電源回路23からの電力供給により立ち上がる(起動する)。また、制御回路22は、電源回路23による充放電装置10の各部(制御回路22を含む)に対する電力供給の開始又は停止するための制御信号の、電源回路23への入力を制御する。この制御は、駆動回路25を介して行われる。この制御回路22の制御により、制御回路22は電力供給を停止する。
電源回路23は、制御回路22を含む充放電装置10が備える各部に対して電力供給を行うことで、当該各部を作動させる。また、電源回路23は、制御信号が入力される入力端子232(図3及び図6参照)を備える。各部への電力供給の開始するための制御信号(以降、開始制御信号と称する)は、制御回路22の制御又は起動ボタン26の押下により、駆動回路25を介して電源回路23に入力される。電源回路23は、入力された制御信号に基づき、各部への電力供給を開始又は維持する。
電源回路23は、駆動回路25からの、開始制御信号を受けて、例えば12Vの電力(車両12V)を生成する。その他、電源回路23は、商用電力系統1からの電力、又は補助バッテリ24からの電力に基づき、例えば12Vの電力を生成する。電源回路23は、生成した電力を、充放電装置10の各部に供給する。
また、制御回路22は、所定の条件を満たした場合に、充放電装置10の各部への電力供給を停止するための制御信号(以降、停止制御信号と称する)を入力端子232に入力する。
所定の条件とは、例えば、以下の(1)〜(3)のいずれかの条件を指す。
(1)制御回路22が、コネクタ12のロックが解除されたと判定した場合。
(2)制御回路22が、電動車両50の充放電に関連する車両情報の、EMSコントローラ3への提供が完了したと判定した場合。
(3)制御回路22が、制御回路22の各種パラメータの変更が完了したと判定した場合。
ここで、充放電装置10は、以下の(A)〜(C)のいずれかの場合に駆動している。
(A)コネクタ12のロックがオンの状態で電動車両50と接続されている場合。
(B)制御回路22がEMSコントローラ3と接続されており、コネクタ12のロックがオフの状態で電動車両50と接続されている場合。
(C)制御回路22の各種パラメータが変更されている場合。
つまり、上記(A)〜(C)に該当しない場合には、充放電装置10は作動していないため、制御回路22に電力を供給しておく必要が無い。従来の充放電装置は、上述の通り、制御回路への電力供給が常時行われていた。一方、充放電装置10の前記の構成によれば、上記(A)〜(C)に該当しない場合に、制御回路22への電力供給を停止することで、充放電装置10の待機電力を低減できる。
電源回路23では、制御回路22が上記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たしたと判定した場合に、入力端子232に停止制御信号が入力される。これにより、電源回路23は、制御回路22への電力供給を停止すると共に、充放電装置10の各部への電力供給も停止する。つまり、上記条件を満たした場合には、充放電装置10はオフとなる。
但し、上記条件を満たした場合、電源回路23は、充放電装置10の各部に対する電力供給(電源回路23による電力供給)を行わないが、駆動回路25からの開始制御信号を受付けることが可能な待機状態となっている。そのため、電源回路23は、待機状態において、開始制御信号を受付ける部分に対して少なくとも電力供給を行う制御電源23a(例:5V電源)を備えている。制御電源23aは、電源回路23が待機状態を維持するための、電源回路23への電力供給源ともいえる。制御電源23aは、電源回路23の外部に備えられ、電源回路23と接続されていても構わない。また、制御電源23aは、待機中でも、補助バッテリ24へのトリクル充電を継続していても構わない。
補助バッテリ24は、電源回路23による電力供給を補助する充放電補助蓄電池である。例えば、停電時に、又は起動ボタン26が押下されたときに、電源回路23は、補助バッテリ24の電力を充放電装置10の各部に供給することで、制御回路22を起動する(つまり、充放電装置10を起動する)。
駆動回路25は、制御回路22の制御又は起動ボタン26の押下により、入力端子232に対して制御信号を入力する。この制御信号の入力を実現するために、本実施形態では、駆動回路25は、前記制御又は押下により、入力端子232に対する所定電圧の印加の状態を切替える。
具体的には、駆動回路25は、入力端子232に所定電圧を印加しているときに、入力端子232に開始制御信号を入力している。電源回路23は、入力端子232に所定電圧が印加された状態で、充放電装置10の各部に対する電力供給を行う。なお、所定電圧は、待機状態の電源回路23を起動する、及び電源回路23の作動を維持することが可能な程度の電圧値を有していればよい。
一方、駆動回路25は、入力端子232に印加した所定電圧を切断することで、入力端子232を所定電圧印加前の電圧(電位)に戻す。この所定電圧印加前に入力端子232に電圧が印加されている状態が、入力端子232に停止制御信号が入力されている状態である。電源回路23は、所定電圧が切断された状態で、充放電装置10の各部に対する電力供給を停止する。
起動ボタン26は、制御回路22の作動を開始するための作動開始操作を受け付ける操作部である。起動ボタン26は、作動開始操作を受付けることで、入力端子232に開始制御信号を入力する。
なお、充放電装置本体11は、充放電装置10による充放電運転を開始するための充放電開始操作を受付けるスタートボタン(不図示)、及び、当該充放電運転を停止するための充放電停止操作を受付けるストップボタン(不図示)を備えている。起動ボタン26は、スタートボタンと共通の構成であっても構わない。この場合、例えば、スタートボタンは、押下されることで充放電開始操作と作動開始操作とを一度に受付ける2a接点で実現されている。
<駆動回路の詳細>
図3の(a)及び(b)は、駆動回路25の詳細を説明するための回路図である。
図3の(a)に示すように、電源回路23は、入力端子232の他、電源回路23の外部に12Vの電力(電源出力12V)を供給するための電源出力端子231と、電源回路23を接地する接地端子233(−VIN)とを備える。
なお、本明細書では、電源回路23内において、入力端子232及び接地端子233がフォトカプラを介して接続されているが、あくまで一例である。電源回路23は、リモートコントロールとしての制御信号を受付けることが可能な入力端子232及び接地端子233を有し、かつ、受け付けた制御信号に基づき充放電装置10の各部に対する電力供給を開始、維持又は停止することが可能な構成であればよい。つまり、電源回路23の内部構成は、当該構成を有していればどのような構成であっても構わない。
駆動回路25は、電源出力端子231及び入力端子232に接続され、接地端子233を介して接地される。これにより、入力端子232に電流が流れ込むことで、入力端子232及び接地端子233の間に所定電圧が印加される。つまり、入力端子232は、電源出力端子231から印加される所定電圧を開始制御信号として受付ける。入力端子232に所定電圧が印加された結果、電源回路23は起動する。
なお、入力端子232及び接地端子233は、駆動回路25により所定電圧が印加された場合にオンとなり、所定電圧の印加が切断された場合にオフとなるリモートコントロール端子(RC)として機能する。
また、駆動回路25は、入力端子232に印加されている所定電圧を切断する電源キープ素子251(切断素子)を備える。電源キープ素子251は、電源出力端子231と入力端子232とを結ぶ経路上に設けられている。電源キープ素子251は、制御回路22の制御を受けて、電源出力端子231から供給される所定電圧の、入力端子232への供給有無を切替えるスイッチング素子である。換言すれば、制御回路22は、電源キープ素子251を制御して、入力端子232に印加されている所定電圧を切断することによって充放電装置10の各部に対する電力供給を停止する。
図3の(a)では、電源キープ素子251としてリレーが用いられているが、これに限らず、トランジスタが用いられても構わない。リレー及びトランジスタのいずれを用いてもよいが、実用性の観点からはトランジスタが選択される。
また、駆動回路25は、補助バッテリ24に接続されている。具体的には、電源キープ素子251を含む経路と並列な経路を介して、補助バッテリ24と入力端子232とが接続されている。補助バッテリ24と入力端子232とを結ぶ経路上に、起動ボタン26が設けられている。
なお、上記2つの経路のそれぞれには、入力端子232から電源出力端子231又は補助バッテリ24へと電流が流れ込まないように、ダイオードが設けられている。
充放電装置10では、起動ボタン26が押下されることで作動開始操作を受付けた場合、駆動回路25に補助バッテリ24から所定電圧が供給される。つまり、駆動回路25には、電源回路23による電力供給(つまり充放電装置10の各部に対する電力供給)とは連動せず作動開始操作によって所定電圧が供給される。その結果、駆動回路25は、補助バッテリ24からの所定電圧を入力端子232に印加する。換言すれば、駆動回路25は、入力端子232に開始制御信号を入力することで、リモートコントロール端子をオンにする。これにより、電源回路23が作動する結果、制御回路22が起動する。
電源回路23を起動した後、制御回路22は、入力端子232に開始制御信号を入力するために、入力端子232に所定電圧を印加するための電圧印加信号を駆動回路25に送信することで、電源キープ素子251をオンにする。これにより、駆動回路25には、電源回路23による電力供給と連動して所定電圧が供給される。その結果、駆動回路25は、電源出力端子231からの所定電圧を入力端子232に印加する。換言すれば、駆動回路25は、入力端子232に開始制御信号を入力することで、リモートコントロール端子のオンの状態を維持する。そのため、起動ボタン26の押下が解除されることで、補助バッテリ24からの所定電圧が入力端子232に供給されなくなった後でも、リモートコントロール端子がオンのままとなるため、電源回路23の作動は維持される。
一方、起動ボタン26の押下が解除された状態において、制御回路22は、入力端子232に停止制御信号を入力するために、入力端子232に印加されている所定電圧を切断するための電圧切断信号を駆動回路25に送信する。これにより、制御回路22は、電源キープ素子251をオフにする。つまり、駆動回路25は入力端子232に印加されている所定電圧を切断する。これにより、電源出力端子231からの所定電圧が入力端子232に供給されなくなるため、リモートコントロール端子はオフとなる。換言すれば、駆動回路25から入力端子232に停止制御信号が入力されることで、リモートコントロール端子がオフとなる。そのため、電源回路23は待機状態となる。結果として、充放電装置10の各部への電力供給が停止される。
なお、本願では主として、電源回路23の作動を維持するための所定電圧が、電源出力端子231を介して電源回路23から供給されるものとして説明している。しかし、当該所定電圧の供給が行えるのであれば、電源回路23からの供給でなくても構わない。
図3の(b)は、図3の(a)の変形例に係る回路構成である。図3の(b)では、駆動回路25は、入力端子232に所定電圧を印加することで、入力端子232及び接地端子233を短絡させることで、電源回路を作動させる駆動素子252(短絡素子)を備える。この短絡により、電源回路23は起動する。
具体的には、上記2つの経路が接続された経路上に、抵抗R100を介して駆動素子252の入力部分が設けられると共に、接地されている。駆動素子252の出力部分は、入力端子232及び接地端子233に接続されている。図3の(b)では、駆動素子252としてフォトカプラ252a(図4の(a)参照)を用いている。
電源出力端子231又は補助バッテリ24から駆動素子252の入力部分に所定電圧が供給されると、出力部分が接続された入力端子232へと電流が流れ込んだ結果として、入力端子232及び接地端子233が短絡する。つまり、入力端子232及び接地端子233(リモートコントロール端子)がオンの状態となる。その結果、電源回路23は起動する。一方、電源出力端子231及び補助バッテリ24から駆動素子252への所定電圧の供給が途絶えた場合、入力端子232に電流が流れ込まなくなるため、リモートコントロール端子はオフの状態となる。
図4の(a)〜(d)は、駆動素子252の一例を示す図である。図4の(a)に示すフォトカプラ252a以外にも、トランジスタ252b(図4の(b)参照)が駆動素子252として用いられる。その他、絶縁アンプ252c(図4の(c)参照)又はリレー252d(図4の(d)参照)が駆動素子252として用いられても構わない。
<充放電装置の処理>
次に、充放電装置10の処理の一例について、図5を用いて説明する。図5は、充放電装置10の処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの開始時には、充放電装置10の電源はオフになっているものとする(実施形態2の図10及び図12に示すフローチャートにおいても同じ)。つまり、電源回路23による充放電装置10の各部への電力供給は行われていないものとする。また、スタートボタンが起動ボタン26と共通であり、かつモーメンタリースイッチで実現されているものとして説明する。
ユーザがスタートボタンを押下すると(S1)、補助バッテリ24からの所定電圧が入力端子232に印加される。つまり、リモートコントロール端子がオンとなる(S2)。その結果、電源回路23は起動する(S3)。
その後、電源回路23は、充放電装置10の各部へ電力供給を行う。これにより、制御回路22が起動する(S4)。制御回路22は、起動後、電源キープ素子251をオンにする(S5)。これにより、補助バッテリ24及び電源出力端子231からの所定電圧により、リモートコントロール端子がオンの状態となる(S6)。
ユーザは、報知部(不図示)を介して、押下解除の報知があるまでスタートボタンの押下を維持している。S6の状態となった後、制御回路22は、報知部を介して押下解除の報知を行うことで、ユーザはスタートボタンの押下を解除する(S7)。これにより、入力端子232は補助バッテリ24と切断され、電源出力端子231とのみ接続されている状態となる。つまり、電源出力端子231からの所定電圧により、リモートコントロール端子がオンの状態となる(S8)。
なお、ユーザは、報知部を介しての報知解除の報知ではなく、充放電装置10がオンとなったことを示す報知があるまで(充放電装置10がオンになったことが明確になるまで)、スタートボタンの押下を維持しても構わない。当該報知は、例えば、タッチパネル又はLED(Light Emitting Diode)(共に不図示)を介して行われる。
その後、制御回路22は、スタートボタンが再度押下されたか否かを判定する(S9)。制御回路22は、スタートボタンが押下されたと判定した場合(S9でYES)、充放電運転を開始する(S10)。充放電運転中、制御回路22は、停止条件が成立したか否かを判定する(S11)。制御回路22は、例えば、車載蓄電池52が満充電となった場合、設定された充電量まで充電された場合、設定された放電量まで放電された場合、又は、所定時間充放電が行われた場合に、停止条件が成立したと判定する。停止条件が成立した場合(S11でYES)、S9に戻る。
スタートボタンが再度押下されない場合(S9でNO)、制御回路22は、入力操作を何ら受付けない所定無操作時間が経過したか否かを判定する(S12)。制御回路22は、所定無操作時間が経過したと判定した場合(S12でYES)、電源キープ素子251をオフにする(S14)。これにより、入力端子232は、電源出力端子231と切断される結果、印加されている所定電圧が切断される。そのため、リモートコントロール端子がオフとなる(S15)。その結果、電源回路23からの充放電装置10の各部への電力供給が停止されるので、制御回路22を含む充放電装置10の各部がオフとなる(S16)。
以上のように、制御回路22は、S11で停止条件が成立して、所定無操作時間が経過した場合、コネクタ12のロックを解除する。この場合、上述した所定の条件(1)を満たす。なお、S9でスタートボタンが押下された場合には、制御回路22は、S11で停止条件が成立した時点から、所定無操作時間の計時を開始する。
また、制御回路22は、S9でスタートボタンが押下されない場合、EMSコントローラ3への車両情報の提供を行うか、又は各種パラメータの変更を行っている可能性がある。この場合も、所定無操作時間が経過した場合、制御回路22は、車両情報の提供完了、又は各種パラメータの変更完了と判定する。この場合、上述した所定の条件(2)又は(3)を満たす。なお、S9でスタートボタンが押下されなかった場合には、制御回路22は、S8の処理完了から、又は、上記提供もしくは上記変更の完了から所定無操作時間の計時を開始する。
<駆動回路の詳細の別例>
図6は、駆動回路25の詳細の別例を説明するための回路図である。図6に示す駆動回路25は、電源回路23の待機状態を維持するために、制御電源23aが電源回路23の少なくとも一部に電力供給を行っていることを利用した構成となっている。
図6に示すように、制御電源23aは、例えば5Vの電力(制御電源出力5V)を、電源回路23の少なくとも一部、又は駆動回路25に供給するための制御電源出力端子234を備える。
駆動回路25は、制御電源出力端子234及び入力端子232に接続され、接地端子233を介して接地される。つまり、図6では、駆動回路25は補助バッテリ24に接続される代わりに、制御電源23aに接続されている。そして、駆動回路25において、制御電源出力端子234と入力端子232とを結ぶ経路上に、電源キープ素子251が設けられている。また、この経路上には、電源キープ素子251と並列に、起動ボタン26が設けられている。
このように、図6では、電源キープ素子251と起動ボタン26とが同一経路上に並列に接続されているため、図3のようにダイオードを設ける必要が無い。つまり、図3の場合に比べ、部品点数を削減できる。
図6では、起動ボタン26が作動開始操作を受付けた場合に、駆動回路25に制御電源23aから所定電圧が供給される。つまり、駆動回路25には、電源回路23による電力供給とは連動せず作動開始操作によって所定電圧が供給される。その結果、駆動回路25は、制御電源23aからの所定電圧を入力端子232に印加する。これにより、電源回路23が作動する結果、制御回路22が起動する。
電源回路23を起動した後、制御回路22は、電源キープ素子251をオンにする。これにより、駆動回路25には、電源回路23による電力供給と連動して所定電圧が供給される。図6では、充放電装置10の各部への電力供給と連動した、駆動回路25への所定電圧の供給も、制御電源23aによって行われる。その結果、駆動回路25は、制御電源出力端子234からの所定電圧を入力端子232に印加する。そのため、起動ボタン26の押下が解除された後であっても、リモートコントロール端子がオンのままとなるため、電源回路23の作動は維持される。
一方、起動ボタン26の押下が解除された状態において、制御回路22は、電源キープ素子251をオフにする。これにより、制御電源出力端子234からの所定電圧が入力端子232に供給されなくなるため、リモートコントロール端子はオフとなる。そのため、電源回路23は待機状態となる。結果として、充放電装置10の各部への電力供給が停止される。
<主たる効果>
上述のとおり、充放電装置が用いられるのは一日のうちの数時間程度であるにもかかわらず、従来の充放電装置の電源回路は常時オンとなっていた。そのため、大きな待機電力が発生していた。また一般に、充放電装置は、他の家電製品よりも待機電力が大きいため、待機電力の低減は重要な課題の一つであった。
本実施形態の充放電装置10によれば、制御回路22は、所定の条件を満たした場合に、電源回路23による制御回路22への電力供給を停止する。具体的には、電源キープ素子251をオフとすることで、電源回路23の作動を停止する。そのため、制御回路22への電力供給が必要無い場合(例:電動車両50と非接続時)に、当該電力供給を停止できるので、充放電装置10の待機電力を低減できる。また、待機電力を低減できることから、電気代も安価となる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図7は、本実施形態に係る電力供給システムの一例を示す図である。図7に示すように、本実施形態の電力供給システムは、充放電装置10Aの充放電装置本体20Aが起動ボタン26を備えない点、及び、駆動回路25Aが電動車両50から電力供給を受けて電源回路23を起動する点において、実施形態1とは異なる。
<駆動回路の詳細>
図8の(a)及び(b)は、駆動回路25Aの詳細を説明するための回路図である。図9の(a)及び(b)は、駆動回路25Aの詳細を説明するための、別例に係る回路図の別例である。
図8及び図9では、図3の(a)と同様、電源回路23の入力端子232及び接地端子233に、電源出力端子231が直接接続されている構成を示している。しかし、これに限らず、図3の(b)のように、電源出力端子231が、駆動素子252を介して入力端子232及び接地端子233に接続されている構成であっても構わない。また、図6に示すように、入力端子232が制御電源出力端子234と接続されていても構わない。駆動回路25が駆動素子252を設けていても構わない点、及び制御電源23aに接続されていても構わない点については、図11においても同様である。
駆動回路25Aは、補助バッテリ24に接続されない代わりに、電動車両50が充放電装置10Aに接続されたときに、補機バッテリ301の所定電圧を電源回路23に供給することで、電源回路23を起動する。具体的には、コネクタ12が充電口51に接続されたときに、又は、電動車両50が備える電源ソケット53(図9の(b)参照)に駆動回路25Aが接続されたときに、駆動回路25Aへの補機バッテリ301からの所定電圧の供給が開始される。
なお、本実施形態では、補機バッテリ301からの所定電圧が駆動回路25Aに供給されるものとして説明する。しかしこれに限らず、補機バッテリ301以外の車載蓄電池52に駆動回路25Aが接続されることで、当該車載蓄電池52からの所定電圧が駆動回路25Aに供給されても構わない。
図8の(a)は、コネクタ12が充電口51に接続されたときの回路構成の一例を示す図である。図8の(a)に示すように、駆動回路25Aは、充放電コネクタ接続確認線32d及び接地線32fに接続されている。
具体的には、駆動回路25Aは、入力端子232と接続された経路を含み、当該経路に充放電コネクタ接続確認線32dが接続されている。これにより、入力端子232と充放電コネクタ接続確認線32dとが接続されている。なお、駆動回路25Aから電動車両50に電流が流れ込むことを防止するために、上記経路上にはダイオードが設けられている。また、駆動回路25Aは、接地端子233と接続された経路を含み、当該経路に接地線32fが接続されている。これにより、接地端子233と接地線32fとが接続されている。
ここで、充放電装置10A及び電動車両50は、所定の規格で定められたシーケンスに従って車載蓄電池52の充放電を行う。また、ケーブル13に印加される電圧又は電流は、所定の規格において予めその範囲が定められている。例えば、上記2つの経路に流れる電流値、及び上記2つの経路のそれぞれにおける地点X及びYの間の電圧値について、その範囲が予め定められている。
本実施形態では、ケーブル13に対して、新規な駆動回路25Aが接続されている。そのため、コネクタ12が充電口51に接続されたときに、駆動回路25Aが存在しない場合よりも、上記2つの経路に大きい、又は小さい電流が流れる可能性がある。つまり、地点X及びYの間に、駆動回路25Aが存在しない場合よりも、大きい、又は小さい電圧が印加される可能性がある。これは、上記規格で定められた範囲外の電流及び電圧が上記2つの経路に印加される可能性があることを意味する。
この場合、上記シーケンスに従った動作が行われずに、車載蓄電池52への充放電が行えなくなる可能性がある。そこで、図8の(a)では、地点X及びYの間に印加される電圧が上記規格で定められた範囲内となるよう、電源回路23に設けられた抵抗R100の抵抗値が設定される。これにより、ケーブル13に駆動回路25Aを接続にしても、上記シーケンスに従い車載蓄電池52の充放電を行うことが可能となると共に、コネクタ12が充電口51に接続されたときの電動車両50における消費電力の変化を抑制できる。
図8の(b)は、コネクタ12が充電口51に接続されたときの回路構成の別例を示す図である。図8の(b)に示す駆動回路25Aでは、地点X及びYの間に抵抗R200が設けられている。この場合、地点X及びYの間に印加される電圧が上記規格で定められた範囲内となるよう、抵抗R100及びR200の合成抵抗値が設定される。
なお、地点X及びYの間に印加される電圧が上記規格で定められた範囲内となるよう合成抵抗値が設定されれば、抵抗R200の設置箇所は地点X及びYの間に限らず、例えば入力端子232と接続された経路上であっても構わない。
図8の(a)及び(b)において、コネクタ12が充電口51に接続された場合、補機バッテリ301からの所定電圧が、充放電コネクタ接続確認線32d・32d’を介して駆動回路25Aに供給される。つまり、駆動回路25Aには、電源回路23による電力供給とは連動せず、電動車両50が充放電装置10Aに接続されることによって、電動車両50から所定電圧が供給される。その結果、駆動回路25Aは、電動車両50からの所定電圧を入力端子232に印加する。換言すれば、駆動回路25Aは、入力端子232に開始制御信号を入力することで、リモートコントロール端子をオンにする。これにより、電源回路23が作動する結果、制御回路22が起動する。
電源回路23を起動した後、制御回路22は、電圧印加信号を駆動回路25Aに送信することで、電源キープ素子251をオンにする。これにより、駆動回路25Aには、電源回路23による電力供給と連動して所定電圧が供給される。その結果、駆動回路25Aは、電源出力端子231からの所定電圧を入力端子232に印加する。換言すれば、駆動回路25Aは、入力端子232に開始制御信号を入力することで、リモートコントロール端子のオンの状態を維持する。そのため、補機バッテリ301からの所定電圧が供給されなくなった場合であっても、リモートコントロール端子がオンのままとなるため、電源回路23の作動は維持される。
制御回路22は、電動車両50との接続が解除された状態において、入力端子232に対する制御信号の入力を制御することによって電力供給を停止する。具体的には、制御回路22は、電圧切断信号を駆動回路25Aに送信することで、電源キープ素子251をオフにする。これにより、補機バッテリ301及び電源出力端子231から入力端子232に所定電圧が供給されなくなるため、リモートコントロール端子がオフとなる。換言すれば、駆動回路25から入力端子232に停止制御信号が入力されることで、リモートコントロール端子がオフとなる。そのため、電源回路23は待機状態となる。結果として、充放電装置10Aの各部への電力供給が停止される。
但し、上記の場合、電動車両50との接続が解除された状態において、入力端子232が補機バッテリ301以外の電源から電力供給を受ける必要がある。この状態において、入力端子232に、例えば電源出力端子231又は制御電源出力端子234から所定電圧が供給されている場合には、制御回路22は起動している。そのため、上記状態となったときに、電源キープ素子251をオフすることができ、電源回路23を待機状態とすることができる。一方、上記状態となったときに入力端子232が補機バッテリ301以外の電源から電力供給を受けていない場合、上記状態となったときに入力端子232には所定電圧が印加されない状態となる。そのためこの場合、上記状態となったことをトリガーとして、入力端子232に対する所定電圧の供給が停止されることで、リモートコントロール端子がオフとなり、電源回路23は待機状態となる。換言すれば、電源回路23は、電動車両50の接続が解除されたときに、制御回路22への電力供給を停止する。
図9の(a)は、コネクタ12が充電口51に接続されたときの回路構成の更なる別例を示す図である。図9の(a)に示すように、駆動回路25Aは、充放電コネクタ12V線32a及び接地線32fに接続されている。つまり、図9の(a)は、充放電コネクタ接続確認線32d・32d’に代えて、充放電コネクタ12V線32a・32a’を用いることにより、補機バッテリ301からの所定電圧を電源回路23の起動に用いている。基本的な回路構成は図8の(a)及び(b)と同様であるため、図9の(a)の具体的な説明は省略する。
なお、図2に示すように、充放電コネクタ12V線32a’にはスイッチ302が設けられており、このスイッチ302は電動車両50側でオン及びオフを切替えることができる。そのため、電動車両50側においてスイッチ302がオフとなった場合には、充放電運転中又は車両情報の伝送中に、制御回路22が意図せず停止してしまうことになる。上述のように、補機バッテリ301からの所定電圧を用いて電源回路23を起動した後、電源キープ素子251をオンにしておくことで、スイッチ302のオフによる制御回路22の停止を防止できる。
図9の(b)は、電源ソケット53に駆動回路25Aが接続されたときの回路構成の別例を示す図である。図9の(b)は、補機バッテリ301の代わりに、電源ソケット53を用いて電源回路23を起動する例を示している。
駆動回路25Aの、入力端子232及び接地端子233のそれぞれと接続された2つの経路を含む端子が、電源ソケット53に差し込まれることで、図9の(b)に示すように、当該2つの経路と電源ソケット53が接続される。このとき、電源ソケット53からの所定電圧が入力端子232に供給されることで、リモートコントロール端子はオンとなる。電源ソケット53が引き抜かれ、かつ電源キープ素子251がオフになった場合、リモートコントロール端子はオフになる。
<充放電装置の処理>
次に、充放電装置10Aの処理の一例について、図10を用いて説明する。図10は、充放電装置10Aの処理の一例を示すフローチャートである。
コネクタ12が充電口51に接続されると(S21)、補機バッテリ301と駆動回路25Aとが接続される。そのため、補機バッテリ301からの所定電圧が入力端子232に印加される。つまり、リモートコントロール端子がオンとなる(S22)。その結果、電源回路23は起動する(S23)。
その後、電源回路23は、充放電装置10Aの各部へ電力供給を行う。これにより、制御回路22が起動する(S24)。制御回路22は、起動後、電源キープ素子251をオンにする(S25)。これにより、補機バッテリ301及び電源出力端子231からの所定電圧により、リモートコントロール端子がオンの状態となる(S26)。
その後、図5のS9〜S14の処理が行われる。S14において、制御回路22は、電源キープ素子251をオフにした後、充放電装置10Aが電動車両50と接続している状態であるか否かを判定する(S27)。制御回路22は、電動車両50と接続している状態であると判定した場合(S27でYES)、電源キープ素子251を再度オンにする(S28)。S28の処理後、S9の処理に戻る。電源キープ素子251を再度オンにすることで、電動車両50との切断により制御回路22における処理がその途中で中止されることを防止できる。なお、実施形態1で述べたように、S12の処理後、コネクタ12のロックは解除されるが、S27でYESの場合には、コネクタ12のロックも再度オンとなる。
S14で制御回路22が電源キープ素子251をオフにした後、充放電装置10Aが電動車両50と接続されていない場合(S27でNO)、入力端子232は、電源出力端子231及び補機バッテリ301の両方と切断されることになる。そのため、リモートコントロール端子がオフとなる結果(S15)、制御回路22を含む充放電装置10Aの各部がオフとなる(S16)。
電源キープ素子251をオフにした後、電動車両50と接続されている場合には、電源回路23は補機バッテリ301からの所定電圧により作動したままの状態であるため、制御回路22も作動している状態である。一方、電源キープ素子251をオフにしたときに、電動車両50と接続されていない場合には、上述のとおり、電源回路23と電源出力端子231及び補機バッテリ301との切断により、制御回路22の作動も停止する。そのため、S27においては、制御回路22が作動していれば接続有り、制御回路22が停止していれば接続無しと、制御回路22が判定しているものとする。また、電源回路23が、電動車両50との接続が解除になったときの、入力端子232への所定電圧の供給の停止をトリガーとして、電動車両50との接続無しと判定し、制御回路22への電力供給を停止するものと捉えても構わない。
このように、補機バッテリ301を用いた場合であっても、実施形態1と同様に、充放電装置10Aの処理が必要となされない状態において制御回路22をオフにすることで、充放電装置10Aの待機電力を低減できる。
また、本実施形態では、コネクタ12を充電口51に接続することで、制御回路22が起動する。そのため、制御回路22は、制御回路22が起動したか否かによって、電動車両50との接続を確認できる。
<変形例>
次に、図11及び図12を用いて、充放電装置10Aの変形例について説明する。図11は、変形例に係る駆動回路25Aの詳細を説明するための回路図である。
図11に示すように、駆動回路25Aは、電動車両50から供給される所定電圧の、入力端子232への印加を遮断する車両電源遮断素子253(遮断素子)を備える。車両電源遮断素子253は、補機バッテリ301からの所定電圧を入力端子232に供給する経路上に設けられ、制御回路22の制御を受けて、補機バッテリ301からの所定電圧を遮断する。
具体的には、車両電源遮断素子253は、充放電コネクタ12V線32aと接続される経路上に設けられたスイッチング素子である。電源キープ素子251と同様、車両電源遮断素子253として、リレーでなくトランジスタが用いられても構わない。但し、車両電源遮断素子253は、平常時がオン(閉状態)であり、動作時にオフ(開状態)となる機構(例:ブレーク接点)を有する。
図12は、本変形例に係る充放電装置10Aの処理の一例を示すフローチャートである。なお、S21〜S26の処理については図10を用いて説明したので、その説明を省略する。また、S9〜S14及びS15〜S16の処理については図5を用いて説明したので、その説明を省略する。
図12に示すように、S26において補機バッテリ301及び電源出力端子231からの所定電圧を用いてリモートコントロール端子がオンとした状態において、制御回路22は、車両電源遮断素子253をオフにする(S41)。これにより、入力端子232は補機バッテリ301と切断され、電源出力端子231とのみ接続されている状態となる。つまり、電源出力端子231からの所定電圧により、リモートコントロール端子がオンの状態となる(S42)。
その後、S9〜S14の処理が行われる。制御回路22は、S14において電源キープ素子251をオフにする。このとき、制御回路22は、車両電源遮断素子253をオンにする(S43)。そして、制御回路22は、充放電装置10Aが電動車両50と接続している状態であるか否かを判定する(S27)。制御回路22は、電動車両50と接続している状態であると判定した場合(S27でYES)、電源キープ素子251を再度オンにする(S25)。
S43で車両電源遮断素子253をオンにすることで、充放電装置10Aが電動車両50と接続されている場合には、電源キープ素子251がオフとなった場合であっても、電源回路23への所定電圧の供給を維持できる。また、S43で車両電源遮断素子253をオンにすることで、充放電装置10Aと電動車両50とが非接続となり、その結果制御回路22が停止した後であっても、そのオンの状態を維持できる。そのため、充放電装置10A及び電動車両50の次回の接続時に、電動車両50からの所定電圧を電源回路23に印加することができ、ひいては制御回路22を起動できる。
一方、充放電装置10Aが電動車両50と接続されていない場合(S27でNO)、入力端子232は、電源出力端子231及び補機バッテリ301の両方と切断されることになる。そのため、リモートコントロール端子がオフとなる結果(S15)、制御回路22を含む充放電装置10Aの各部がオフとなる(S16)。
このように、補機バッテリ301からの所定電圧を用いて電源回路23を起動させた後に、電源キープ素子251をオンにして電源回路23の作動を維持する。その後、車両電源遮断素子253をオフにすることで、補機バッテリ301からの所定電圧を用いずに電源回路23の作動を維持できる。そのため、補機バッテリ301の消費電力を低減できる。
なお、本変形例に係る構成は、電源ソケット53からの所定電圧を用いて電源回路23を起動する構成にも適用できる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図13は、制御回路22が起動した後の処理の別例を示すフローチャートである。つまり、本フローチャートは、実施形態1及び2の制御回路22が起動した後の処理について、電動車両50との通信接続可否の観点から具体的な処理の一例を示したものである。本フローチャートの開始時には、電源出力端子231(もしくは制御電源出力端子234)、補機バッテリ301又は電源ソケット53の電力を用いて電源回路23を起動した後、電源キープ素子251がオンとなっているものとする。
コネクタ12が充電口51に接続されると、制御回路22は、所定のシーケンスに従って電動車両50との通信接続を試みる(S51)。制御回路22は、電動車両50との通信接続がなされたか否かを判定する(S52)。制御回路22は、電動車両50の通信接続がなされたと判定した場合(S52でYES)、車両情報を読取ると共にコネクタ12をロックする(S53)。その後、制御回路22は、EMSコントローラ3に、通信接続が完了したことを示す立ち上がり通知と共に、車両情報を送信する(S54)。この状態において、制御回路22は、充放電運転の待機状態となる(S55)。
その後、制御回路22は、EMSコントローラ3からの充放電指示に従い、車載蓄電池52に対する充放電を行う(S56;EMS運転モードでの運転)。または、制御回路22は、予め設定された予約時刻になった時点で、車載蓄電池52に対する充放電を行う(S56;予約運転モードでの運転)。
一方、S52において、制御回路22は、電動車両50の通信接続がなされていないと判定した場合(S52でNO)、ユーザの各種入力操作を受付けるユーザ設定受付モードに移行する(S58)。この状態において、制御回路22は、スタートボタンが押下された否かを判定する(S59)。
スタートボタンが押下された場合(S59でYES)、再度S51の処理に戻る。つまり、S52で電動車両50と通信接続がなされたと判定された場合には、制御回路22は、EMSコントローラ3への車両情報の送信、及び充放電運転を行うことが可能となる。一方、スタートボタンが押下されない場合(S59でNO)、制御回路22は、ユーザ設定受付モードに移行してから所定時間(所定無操作時間)が経過したか否かを判定する(S60)。
所定無操作時間が経過した場合(S60でYES)、制御回路22が電源キープ素子251をオフにすることで(S61)、リモートコントロール端子がオフとなる(S62)。その結果、制御回路22はオフとなる(S63)。つまり、スタートボタンの押下でEMSコントローラ3への車両情報の送信、及び充放電運転が行われた場合、又は、通信接続がなされず、かつ各種入力操作を受付けなかった場合に、制御回路22はオフとなる。所定無操作時間が経過するまで(S60でNO)、S58及びS59の処理が行われる。
なお、ユーザ設定受付モードでは、入力操作としてパラメータ設定変更操作を受付けても構わない。この場合、パラメータ設定変更操作を受付けてから所定無操作時間が計時される。
また、S56で充放電運転中に、制御回路22は、ストップボタンが押下された否かを判定する(S57)。ストップボタンが押下された場合(S57でYES)、制御回路22は、ユーザ設定受付モードに移行する。ストップボタンが押下されるまで(S57でNO)、S56の処理が続行される。なお、制御回路22は、停止条件を満たした場合にユーザ設定受付モードに移行しても構わない。
S52において電動車両50との通信接続がなされた場合、ユーザ設定受付モードでスタートボタンが押下されることは無い。そのため、所定無操作時間経過後、電源キープ素子251がオフされることで、制御回路22がオフされる。
この処理においても、電源キープ素子251のオフで制御回路22がオフとなる。つまり、充放電装置10又は10Aの処理が必要となされない状態において制御回路22をオフにすることで、充放電装置10又は10Aの待機電力を低減できる。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
<充放電装置の詳細>
図14は、充放電装置10Bが備える駆動回路25B及びその周辺の回路の詳細を説明するための回路図である。駆動回路25Bは、図6と同様に、電源回路23の待機状態を維持するために、制御電源23a(内部電源)が電源回路23の少なくとも一部に電力供給を行っていることを利用した構成となっている。
図14に示すように、本実施形態の駆動回路25Bは、トランジスタ260(第2切断素子)を備える点で、図6に示す駆動回路25と異なる。また、本実施形態の充放電装置10Bは、接続検出回路27を備えている点で、充放電装置10と異なる。充放電装置10Bでは、トランジスタ260のベース側に、電源キープ素子251(切替素子)、起動ボタン26及び接続検出回路27が並列に接続されると共に接地されている。なお、本実施形態では、電源キープ素子251は、制御回路22による切替え制御に基づき、トランジスタ260の切替え制御を行うものとして機能する。
トランジスタ260は、制御電源出力端子234と入力端子232とを結ぶ経路上に設けられている。トランジスタ260は、電動車両50の充電口51に充放電装置10Bのコネクタ12が接続されることにより接続検出回路27から電圧が印加されることでオンになる。トランジスタ260はオンとされることで、制御電源出力端子234からの所定電圧を入力端子232に印加する。つまり、駆動回路25Bには、コネクタ12が充電口51に接続されることによって、制御電源23aから所定電圧が供給される。また、トランジスタ260は、電源キープ素子251が制御回路22によりオンとされることにより、又は、起動ボタン26が押下されることにより(つまり作動開始操作を受付けることにより)、オンとなる。トランジスタ260はオンとされることで、制御電源出力端子234からの所定電圧を入力端子232に印加する。
一方、トランジスタ260は、電動車両50が接続されていないため接続検出回路27から電圧が印加されていないとき、オフとなっている。このとき、トランジスタ260は、入力端子232に印加されている所定電圧を切断している。換言すれば、トランジスタ260は、コネクタ12が充電口51に接続されている状態からその接続が解除されたときに(つまりコネクタ12が充電口51から取り外されたときに)、所定電圧を切断する。また、トランジスタ260は、制御回路22により電源キープ素子251がオンの状態からオフとされたとき、又は、起動ボタン26が押下された状態からその押下が解除となったときにオフとなることで、所定電圧を切断する。
なお、制御電源出力端子234と入力端子232との間に接続される素子は、トランジスタ260に限られない。接続検出回路27、電源キープ素子251又は起動ボタン26の切替え制御により、入力端子232への所定電圧の供給有無を切替えることが可能なスイッチング素子であればよい。つまり、トランジスタ260は、電源キープ素子251が制御回路22の制御を受けて、又は、コネクタ12と充電口51との接続が解除されたときに、入力端子232に印加されている所定電圧を切断することによって充放電装置10Bの各部に対する電力供給を停止する。
接続検出回路27は、コネクタ12が充電口51に接続されたことを検出する。本実施形態では、接続検出回路27は、リレー271及びトランジスタ272を備えている。接続検出回路27は、トランジスタ272のオン/オフの切替えに応じてリレー271をオン/オフさせることで、トランジスタ260への電圧の印加を制御する。
トランジスタ272は、ベースが充放電コネクタ接続確認線32dの途中に接続され、コネクタ12と充電口51との接続前後における、充放電コネクタ接続確認線32dに発生する電位変動を検出する。トランジスタ272は、コネクタ12が充電口51に接続されたときに生じる電位変動に伴うベース電圧がベースに印加されることで、オンとなる。
また、トランジスタ272は、リレー271のコイルに接続されると共に接地されている。リレー271のコイルは、トランジスタ272と、充放電装置10Bの内部電源と接続される端子(例:制御電源23aと接続される制御電源出力端子234)との間に設けられている。リレー271のスイッチング素子は、トランジスタ260のベースに接続されると共に接地されている。そのため、コネクタ12が充電口51に接続されたとき、トランジスタ272がオンとなり、リレー271のコイルに電流が流れることで、リレー271のスイッチング素子がオンとなる。その結果、トランジスタ260がオンとなり、所定電圧が入力端子232に印加される。一方、コネクタ12と充電口51との接続が解除されたとき、トランジスタ272がオフとなることで、リレー271のスイッチング素子がオフとなる。その結果、トランジスタ260がオフとなり、入力端子232への所定電圧の供給が解除される。換言すれば、接続検出回路27は、電動車両50の接続を検出したときにトランジスタ260をオンにし、電動車両50との接続の解除を検出したときにトランジスタ260をオフにする。
なお、接続検出回路27には、リレー271に代えて、フォトカプラ、デジタルアイソレータ、絶縁アンプ等の絶縁素子が設けられても構わない。また、トランジスタ272と同様の機能を有するのであれば、トランジスタ272に代えて、トランジスタ以外のスイッチング素子が設けられても構わない。
このように、充放電装置10Bでは、起動ボタン26が押下されることにより作動開始操作を受付けた場合、又は、コネクタ12が充電口51に接続された場合に、トランジスタ260がオンになることで、駆動回路25Bに制御電源23aから制御電源出力端子234を通じて所定電圧が供給される。つまり、駆動回路25Bには、電源回路23による電力供給とは連動せず、作動開始操作、又はコネクタ12の充電口51への接続によって所定電圧が供給される。その結果、駆動回路25Bは、制御電源23aからの所定電圧を入力端子232(つまりリモートコントロール端子)に印加する。これにより、電源回路23が作動する結果、制御回路22が起動する。
制御回路22は、その起動後、電圧印加信号を駆動回路25Bに送信することで、電源キープ素子251をオンにする。これにより、駆動回路25Bには、電源回路23による電力供給と連動して所定電圧の供給が維持される。そのため、起動ボタン26の押下が解除されても、リモートコントロール端子がオンのままとなるため、電源回路23の作動(つまり制御回路22の作動)は維持される。
但し、本実施形態では、コネクタ12が充電口51に接続されている間、トランジスタ260がオンの状態に維持されるため、電源キープ素子251の状態に依らず、制御回路22の作動は維持される。しかし、制御回路22の起動後に電源キープ素子251をオンとすることで、充電口51とコネクタ12との接続が解除された状態でも、制御回路22の作動を維持できる。
一方、制御回路22により電源キープ素子251がオフとなった場合、又は、コネクタ12と充電口51との接続が解除された場合、トランジスタ260はオフとなる。そのため、リモートコントロール端子がオフとなるため、電源回路23は待機状態となる。結果として、充放電装置10Bの各部への電力供給が停止される。
なお、充放電装置10Bは、図3の(b)と同様、制御電源出力端子234が、駆動素子252を介して入力端子232及び接地端子233に接続されている構成であっても構わない。また、トランジスタ260が接続される電源は、制御電源23aに限られず、電源回路23の待機中にトランジスタ260がオンとなったときに、入力端子232に所定電圧を印加できる電源であればよい。後述の充放電装置10C〜10Eについても同様である。
<充放電装置の処理>
次に、充放電装置10Bの処理の一例について、図15を用いて説明する。図15は、充放電装置10Bの処理の一例を示すフローチャートである。なお、S9〜S16、及びS27〜S28の処理については、図10を用いて説明したので、その説明を省略する。また、本処理例においても、フローチャートの開始時には、充放電装置10Bの電源はオフになっているものとする(変形例の図17、図19及び図21に示すフローチャートにおいても同じ)。また、スタートボタンが起動ボタン26と共通であり、かつモーメンタリースイッチで実現されているものとして説明する(変形例の図17に示すフローチャートにおいても同じ)。
ユーザがスタートボタンを押下する、又はコネクタ12が充電口51に接続されると(S71)、トランジスタ260がオンとなることで、制御電源出力端子234と駆動回路25Bとが接続される。そのため、制御電源出力端子234からの所定電圧が入力端子232に印加される。つまり、リモートコントロール端子が制御電源23aからの電力供給を受けてオンとなる(S72)。その結果、電源回路23は起動する(S73)。
その後、電源回路23は、充放電装置10Bの各部へ電力供給を行う。これにより、制御回路22が起動する(S74)。制御回路22は、起動後、電源キープ素子251をオンにする(S75)。これにより、起動ボタン26に加え、電源キープ素子251によっても、制御電源出力端子234からの所定電圧が入力端子232に印加される。つまり、リモートコントロール端子のオンの状態が継続される(S76)。
S71において、ユーザがスタートボタンを押下した場合、ユーザは、報知部(不図示)を介して、押下解除の報知があるまでスタートボタンの押下を維持している。S76の状態となった後、制御回路22は、報知部を介して押下解除の報知を行うことで、ユーザはスタートボタンの押下を解除する(S77)。しかし、電源キープ素子251によりトランジスタ260のオンの状態が継続されるため、リモートコントロール端子のオンの状態が継続される(S78)。
なお、S71においてコネクタ12が充電口51に接続される操作が行われた場合、S77は省略される。この場合、コネクタ12が充電口51に接続された時点から、トランジスタ260がオンとなるため、リモートコントロール端子のオンの状態が継続される。
その後、図10を用いて説明した処理と同様に、S9〜S16、及びS27〜S28の処理が行われる。但し、本実施形態では、リモートコントロール端子への所定電圧の供給先は、制御電源出力端子234である。そのため、S27でNOの場合、コネクタ12と充電口51との接続が解除されることにより、トランジスタ260が制御電源出力端子234と切断される結果、リモートコントロール端子がオフとなる(S15)。
このように、充放電装置10Bでは、トランジスタ260を設け、かつ、トランジスタ260に電源キープ素子251及び接続検出回路27が接続されている。そのため、制御回路22の制御により電源キープ素子251がオフとなったとき、又は、コネクタ12と充電口51との接続が解除されたときに、電源回路23を待機状態とすることができる。
なお、コネクタ12と充電口51との接続が解除された状態において電源キープ素子251のオンの状態を維持しても構わない。この場合、制御回路22の起動後に、コネクタ12と充電口51との接続が解除されたとしても、制御回路22の起動状態を維持できる。そのため、コネクタ12が充電口51に接続されていなくても、充放電装置10Bにおける各種処理を実行できる。なお、充放電装置10Aにおいても、コネクタ12と充電口51との接続が解除された状態において電源キープ素子251のオンの状態を維持することにより、コネクタ12と充電口51との接続状態に依らず充放電装置10Aにおける各種処理を実行できるという同様の効果を奏する。
<変形例1>
次に、図16及び図17を用いて、充放電装置10Bの変形例である充放電装置10Cについて説明する。
図16は、充放電装置10Cが備える駆動回路25B及びその周辺の回路の詳細を説明するための回路図である。図16に示すように、充放電装置10Cは、接続検出回路27を備えていない点において、充放電装置10Bと異なる。つまり、トランジスタ260は、電源キープ素子251又は起動ボタン26がオンになったときのみオンになり、電源キープ素子251がオフになったときのみオフになる。
図17は、充放電装置10Cの処理の一例を示すフローチャートである。なお、S72〜S78については、図15を用いて説明した処理と同様であるため、その説明を省略する。また、S9〜S16については、図5を用いて説明した処理と同様であるため、その説明を省略する。
まず、ユーザにスタートボタンを押下されると(S81)、制御電源出力端子234からの所定電圧が入力端子232に印加される結果、トランジスタ260がオンになる。その後、S72以降の処理が行われる。但し、本実施形態では、S14において、電源キープ素子251がオフとなることによりトランジスタ260が制御電源出力端子234と切断される結果、リモートコントロール端子がオフとなる(S15)。
充放電装置10Cは、制御回路22の制御により電源キープ素子251の切替え制御を行うことで、充放電装置10と同様、制御回路22への電力供給を制御できる。そのため、制御回路22の制御により電源キープ素子251をオフにすることで、電源回路23を待機状態とすることができる。
<変形例2>
次に、図18及び図19を用いて、充放電装置10Bの更なる変形例である充放電装置10Dについて説明する。
図18は、充放電装置10Dが備える駆動回路25D及びその周辺の回路の詳細を説明するための回路図である。図18に示すように、充放電装置10Dは、電源キープ素子251を備えていない駆動回路25Dを備える点、及び起動ボタン26を備えていない点において、充放電装置10Bと異なる。充放電装置10Dでは、トランジスタ260は、接続検出回路27がコネクタ12の充電口51への接続状態を検出しているか否かに応じてのみ切替え制御される。
図19は、充放電装置10Dの処理の一例を示すフローチャートである。なお、S9〜S11、S15〜S16、及びS27については、図10及び図15を用いて説明したので、その説明を省略する。
本処理では、コネクタ12が充電口51に接続されると(S91)、S72以降の処理が行われる。但し、駆動回路25Dは、電源キープ素子251を備えていない。そのため、本処理では、図15で説明した処理の、起動ボタン26または電源キープ素子251に関わる処理、つまりS75、S77、S78、S12、S13、S14及びS28は省略されている。また、充放電装置10Dは、起動ボタン26を備えていない。そのため、充放電装置10Dでは、スタートボタンが起動ボタン26と共通でなく、別途設けられている。
充放電装置10Dは、電源キープ素子251及び起動ボタン26を備えずとも、コネクタ12と充電口51との接続状態に応じて、リモートコントローラ端子の切替え制御を行うことができる。具体的には、コネクタ12と充電口51との接続が解除されたときに、リモートコントローラ端子をオフにすることで、電源回路23を待機状態とすることができる。
<変形例3>
次に、図20及び図21を用いて、充放電装置10Bの更なる変形例である充放電装置10Eについて説明する。
図20は、充放電装置10Eが備える駆動回路25B及びその周辺の回路の詳細を説明するための回路図である。充放電装置10Eは、起動ボタン26を備えていない点において、充放電装置10Bと異なる。つまり、充放電装置10Eでは、トランジスタ260は、電源キープ素子251がオンになったとき、又はコネクタ12が充電口51に接続されたときのみオンになる。
図21は、充放電装置10Eの処理の一例を示すフローチャートである。なお、S9〜S16、及びS27〜S28の処理については、図10及び図15を用いて説明したので、その説明を省略する。また、S91の処理は、図19を用いて説明したので、その説明を省略する。さらに、充放電装置10Eは、起動ボタン26を備えていない。そのため、本処理では、図15で説明した処理の、起動ボタン26に関わる処理、つまりS77及びS78は省略されている。
充放電装置10Eは、起動ボタン26を備えずとも、制御回路22の制御により電源キープ素子251がオンとなったとき、又は、コネクタ12が充電口51に接続されたときに、リモートコントローラ端子をオンにして、制御回路22を起動できる。また、充放電装置10Eは、充放電装置10Bと同様、制御回路22の制御により電源キープ素子251がオフとなったとき、又は、コネクタ12と充電口51との接続が解除されたときに、電源回路23を待機状態とすることができる。
〔実施形態5〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
<充放電装置の詳細>
図22は、本実施形態に係る充放電装置10Fの、コネクタ12が充電口51に接続された場合における、コネクタ12と充電口51との間のインタフェース構成の一例を示す概略図である。
充放電装置10Fでは、充放電コネクタ接続確認線32d(接続確認線)の途中に、リレー400(第2切替素子)が配置されている点で、図2に示すインタフェース構成と異なる。
リレー400は、コネクタ12が充電口51に接続されたときに、充放電コネクタ接続確認線32dから供給される、電動車両50の電源電圧(車両12V(VB))を切断する。リレー400は、平常時がオン(閉状態)であり、動作時にオフ(開状態)となる機構(例:ブレーク接点)を有する。また、リレー400は、制御回路22からの指示によってオン/オフを切り替えることが可能である。なお、リレー400と同様の切替え動作を行うことが可能であれば、リレー400に代えてトランジスタ等のスイッチング素子が用いられても構わない。
ここで、電動車両50の種類によっては、コネクタ12が充電口51に接続されたときに通信を行い、充放電装置10F側からの応答を待つことが考えられる。充放電装置10Fでは、電源回路23がオンになった後に制御回路22が起動するため、制御回路22の起動が間に合わず、電動車両50からの通信に対して応答ができない、又は電動車両50からの通信を受け取れない可能性がある。
充放電装置10Fでは、電源回路23がオンとなり制御回路22が起動した後、制御回路22は、リレー400を一旦オフにし、所定時間経過後オンにする。換言すれば、制御回路22は、充電口51にコネクタ12が接続され、かつ、制御回路22への電力供給の停止状態から電力供給が開始された場合に、充放電コネクタ接続確認線32dを一旦切断した後、再度接続する。
これにより、電動車両50は、コネクタ12が物理的に充電口51に接続されているにもかかわらず、リレー400のオフにより、コネクタ12と充電口51との接続が一旦解除されたと認識する。その後、所定時間経過後にリレー400がオンとなるため、電動車両50は、コネクタ12が充電口51に再度接続されたと認識し、再度通信を行う。この所定時間中に制御回路22の起動が完了しているため、制御回路22は、電動車両50から再度通信が行われたときには、電動車両50からの通信に対して応答できる。
なお、駆動回路及びその周辺の構成としては、充放電装置10A〜10Eのいずれの構成が採用されても構わない。また、起動ボタン26及び電源キープ素子251により制御回路22を起動させる場合には、駆動回路及びその周辺の構成は、充放電装置10の構成が採用されても構わない。
<充放電装置の処理>
次に、充放電装置10Fの処理の一例について、図23を用いて説明する。図23は、充放電装置10Fの処理の一例を示すフローチャートである。なお、S72〜S74及びS91は、図15又は図19を用いて説明したため、その説明を省略する。また、本処理例においても、フローチャートの開始時には、充放電装置10Fの電源はオフになっているものとする。
S74の処理にて制御回路22の起動が開始された後、電動車両50から充放電装置10Fへの通信があった場合(S92でYES)、制御回路22は、電動車両50からの通信に対する応答を試みる(S93)。また、制御回路22は、電動車両50との通信処理が正常に進められているかを確認する(S94)。
上記通信を受けたときに制御回路22の起動が完了している場合には、制御回路22は、上記通信処理が正常に進められているかを確認でき、正常に通信処理が進められた場合に上記応答を行うことができる。制御回路22は、電動車両50へ応答できた場合(S94でYES)、本処理を終了する。このとき、電動車両50は、充放電装置10Fからの応答を受けることができる。
一方、上記通信を受けたときに制御回路22の起動が完了しておらず、制御回路22が電動車両50へ応答できなかった場合(S94でNO)、制御回路22は、その起動の完了後にリレー400をオフにする(S95)。また、制御回路22は、電動車両50からの通信がなかった場合も(S92でNO)、その起動の完了後にリレー400をオフにする(S95)。リレー400がオフになることで、充放電コネクタ接続確認線32dが切断され、電動車両50は、充電口51からコネクタ12が取り外されたと認識する。
その後、制御回路22は、リレー400がオフになってから所定時間が経過したか否かを判定する(S96)。制御回路22は、所定時間経過したと判定した場合(S96でYES)、リレー400をオンにする(S97)。リレー400がオンになることで、充放電コネクタ接続確認線32dが接続され、電動車両50は、充電口51にコネクタ12が接続されたと認識する。なお、制御回路22は、所定時間が経過するまで、リレー400をオフにしたまま待機する(S96でNOの場合)。
S97でリレー400をオンにした後、電動車両50からの通信があった場合(S98でYES)、制御回路22は、電動車両50からの通信に対する応答を試みる(S99)。S95で充放電コネクタ接続確認線32dを一旦切断し、S97で再度接続しているため、S99では、制御回路22は、S94で電動車両50からの通信に応答ができなかった場合でも、その起動の完了後に、電動車両50から再度の通信を受けて、電動車両50に対して応答を行うことができる。一方、電動車両50からの通信がなかった場合には(S98でNO)、本処理を終了する。
なお、S94の処理は省略されても構わない。つまり、電動車両50からの通信の応答可否に関わらず、S93の処理後にS95の処理へと移行しても構わない。但し、上述の通り、充放電装置10Fは、電動車両50からの通信を受けたとしても、その通信に対して応答ができない場合がある。S94の処理を追加することで、充放電装置10Fは、電動車両50からの通信に応答できなかった場合にS95の処理を行うことができる。一方、充放電装置10Fは、当該通信に応答できた場合には、S95以降の処理を行わずに本処理を終了できる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
充放電装置10、10A〜10Fの制御ブロック(特に制御回路22)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、充放電装置10、10A〜10Fは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔付記事項〕
本発明の一態様に係る充放電装置は、電動車両に対する充放電を制御する充放電装置であって、前記充放電を制御する制御回路と、前記制御回路を作動させるための電力供給を行うと共に、前記制御回路による制御によって、又は前記電動車両の接続が解除されたときに前記電力供給を停止する電源回路と、を備える。
一般に、充放電装置は商用電力系統と接続されるため、一旦商用電力系統と接続されると、充放電装置の電源回路は常時オンとなる。つまり、当該充放電装置では、制御回路に常時電力が供給されている。一方、電動車両に対する充放電制御等で充放電装置が作動するのは、一日のうち数時間程度(例:8時間程度)である。つまり、充放電装置は、一日のうちの多くの時間において未使用であるにもかかわらず作動状態にある。そのため、充放電装置では、多くの待機電力が発生している。
本発明の一態様に係る前記の構成によれば、制御回路による制御により、又は電動車両の接続が解除されたときに、制御回路に対する電力供給を停止することで、制御回路の作動を停止できる。そのため、例えば所定の条件を満たした場合(つまり、制御回路への電力供給が必要無い場合)に、充放電装置の待機電力を低減できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記電源回路は、前記電力供給の開始又は停止するための制御信号が入力される入力端子を有し、前記制御回路は、前記入力端子に対する前記制御信号の入力を制御することによって前記電力供給を停止しても構わない。
前記の構成によれば、電源回路が備える入力端子への制御信号の入力によって、制御回路への電力供給を停止できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記入力端子に対する所定電圧を印加の状態を切替える駆動回路を備え、前記駆動回路は、前記所定電圧を切断する切断素子を備え、前記電源回路は、前記入力端子に前記所定電圧が印加された状態で前記電力供給を行い、前記所定電圧が切断された状態で前記電力供給を停止し、前記制御回路は、前記切断素子を制御して前記所定電圧を切断することによって、前記電源回路による前記電力供給を停止しても構わない。
前記の構成によれば、切断素子による所定電圧の切断により、制御回路への電力供給を停止できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記制御回路の作動を開始するための作動開始操作を受付ける操作部を備え、前記駆動回路には、前記電源回路による前記電力供給と連動して前記所定電圧が供給されると共に、前記電源回路による前記電力供給とは連動せず前記作動開始操作によって前記所定電圧が供給されても構わない。
前記の構成によれば、駆動回路に、電源回路による電力供給(つまり制御回路への電力供給)とは連動せず作動開始操作によって所定電圧が供給されることで、制御回路への電力供給を開始できる。そのため、作動開始操作によって制御回路を起動できる。
また、駆動回路には、電源回路による電力供給と連動して所定電圧が供給される。そのため、電源回路による電力供給が行われている間、切断素子が入力端子への所定電圧の印加を切断しない限り、入力端子への所定電圧の印加が維持される。つまり、切断素子が所定電圧の印加を切断しない限り、制御回路の作動を維持できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記電源回路による電力供給を補助する充放電補助蓄電池を備え、前記駆動回路には、前記操作部が前記作動開始操作を受付けた場合に、前記充放電補助蓄電池から前記所定電圧が供給されても構わない。
前記の構成によれば、電源回路が待機状態であっても、作動開始操作により電源回路を待機状態から立ち上げることができる。その結果、制御回路への電力供給が可能となるため、制御回路を起動させることができる。なお、電源回路の待機状態とは、制御回路への電力供給を行っていない状態であって、かつ、電源回路が作動開始操作を受付可能な状態を指す。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記電源回路の待機状態において、前記電源回路の少なくとも一部に電力を供給する制御電源を備え、前記駆動回路には、前記操作部が前記作動開始操作を受付けた場合に、前記制御電源から前記所定電圧が供給されても構わない。
前記の構成によれば、電源回路が待機状態であっても、作動開始操作により電源回路を待機状態から立ち上げることができる。その結果、制御回路への電力供給が可能となるため、制御回路を起動させることができる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記駆動回路には、前記電源回路による前記電力供給と連動して前記所定電圧が供給されると共に、前記電源回路による前記電力供給とは連動せず、前記電動車両が前記充放電装置に接続されることによって、前記電動車両から前記所定電圧が供給されても構わない。
前記の構成によれば、駆動回路に、電源回路による電力供給とは連動せず、電動車両が充放電装置に接続されることによって、電動車両から所定電圧が供給されることで、制御回路への電力供給を開始できる。そのため、電動車両との接続によって制御回路を起動できる。
また、上述のように、駆動回路には、電源回路による電力供給と連動して所定電圧が供給されるため、切断素子が所定電圧の印加を切断しない限り、制御回路の作動を維持できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記制御回路は、前記電動車両と前記充放電装置との接続が解除された状態で、前記入力端子に対する前記制御信号の入力を制御することによって前記電力供給を停止しても構わない。
前記の構成によれば、前記接続が解除され、かつ入力端子に対して停止を示す制御信号が入力されることで、制御回路への電力供給を停止できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記電動車両の充電口に接続されるコネクタを備え、前記コネクタが前記充電口に接続されたとき、又は、前記電動車両が備える電源ソケットに前記駆動回路が接続されたとき、前記駆動回路への前記所定電圧の供給が開始されても構わない。
前記の構成によれば、コネクタの充電口への接続、又は、電源ソケットの駆動回路への接続により、制御回路を起動できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記駆動回路は、前記電動車両から供給される前記所定電圧の、前記入力端子への印加を遮断する遮断素子を備えても構わない。
前記の構成によれば、遮断素子により、電動車両からの所定電圧の、入力端子への印加を遮断できる。電源回路による電力供給が維持されている状態で当該印加を遮断することで、制御回路の作動を維持しつつ、電動車両における消費電力を低減できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記駆動回路は、前記所定電圧を印加することで前記入力端子を短絡させる短絡素子を備えても構わない。
前記の構成によれば、入力端子を短絡させることによって電源回路を起動できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記電源回路が有する、前記電力供給の開始又は停止するための制御信号が入力される入力端子に対する、所定電圧の印加の状態を切替える駆動回路を備え、前記駆動回路は、前記所定電圧を切断する第2切断素子を備え、前記電源回路は、前記入力端子に前記所定電圧が印加された状態で前記電力供給を行い、前記所定電圧が切断された状態で前記電力供給を停止し、前記第2切断素子は、前記電動車両と前記充放電装置との接続が解除されたときに、前記所定電圧を切断しても構わない。
前記の構成によれば、電動車両と充放電装置との接続が解除されたときに、制御回路に対する電力供給を停止できる。そのため、充放電装置の待機電力を低減できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記駆動回路には、前記電動車両が前記充放電装置に接続されることによって、前記充放電装置の内部電源から前記所定電圧が供給されても構わない。
前記の構成によれば、電動車両が充放電装置に接続されることによって、駆動回路に所定電圧が供給されることで、制御回路への電力供給を開始できる。そのため、電動車両との接続によって制御回路を起動できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記電動車両が接続されたことを検出する接続検出回路を備え、前記接続検出回路は、前記電動車両の接続を検出したときに前記第2切断素子をオンにし、前記接続の解除を検出したときに前記第2切断素子をオフにしても構わない。
前記の構成によれば、接続検出回路の検出結果に応じて、第2切断素子の切替えを制御できる。そのため、電動車両が接続されていないときに、駆動回路への所定電圧を切断できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記駆動回路は、前記制御回路による切替え制御に基づき、前記第2切断素子の切替え制御を行う切替素子を備え、前記制御回路は、前記切替素子を制御することにより、前記第2切断素子をオフにしても構わない。
前記の構成によれば、制御回路は、切替素子を介して第2切断素子をオフにして、駆動回路への所定電圧を切断することもできる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記制御回路の作動を開始するための作動開始操作を受付ける操作部を備え、前記駆動回路には、前記作動開始操作によって前記充放電装置の内部電源から前記所定電圧が供給されても構わない。
前記の構成によれば、作動開始操作によって、駆動回路に所定電圧が供給されることで、制御回路への電力供給を開始できる。そのため、作動開始操作によって、制御回路を起動できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記電源回路が有する、前記電力供給の開始又は停止するための制御信号が入力される入力端子に対する、所定電圧の印加の状態を切替える駆動回路を備え、前記駆動回路は、前記所定電圧を切断する第2切断素子と、前記制御回路による切替え制御に基づき、前記第2切断素子の切替え制御を行う切替素子と、を備え、前記電源回路は、前記入力端子に前記所定電圧が印加された状態で前記電力供給を行い、前記所定電圧が切断された状態で前記電力供給を停止し、前記第2切断素子は、前記制御回路が前記切替素子を制御することにより、前記所定電圧を切断しても構わない。
前記の構成によれば、制御回路が切替素子を制御することにより、制御回路に対する電力供給を停止できる。そのため、充放電装置の待機電力を低減できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記制御回路の作動を開始するための作動開始操作を受付ける操作部を備え、前記駆動回路には、前記作動開始操作によって前記充放電装置の内部電源から前記所定電圧が供給されても構わない。
前記の構成によれば、作動開始操作によって、駆動回路に所定電圧が供給されることで、制御回路への電力供給を開始できる。そのため、作動開始操作によって、制御回路を起動できる。
さらに、本発明の一態様に係る充放電装置では、前記電動車両が前記充放電装置に接続されたときに前記電動車両側の電源電圧が供給される接続確認線を備え、前記接続確認線の途中には、前記接続確認線の切断及び接続の切替え制御を行う第2切替素子が設けられ、前記制御回路は、前記電動車両が前記充放電装置に接続され、かつ、前記電力供給の停止状態から前記電力供給が開始された場合に、前記第2切替素子を制御して前記接続確認線を一旦切断した後、再度接続しても構わない。
前記の構成によれば、制御回路が起動した後に、接続確認線が一旦切断されるので、電動車両に充放電装置との接続が解除されたと認識させることができる。また、接続確認線は切断後に再度接続されるため、再度の接続時に、電動車両に充放電装置と再度接続されたと認識させることができる。
電動車両によっては、充放電装置との接続後すぐに通信を行うことも考えられるが、充放電装置は、当該通信を受けたときに制御回路の起動が完了していないと、当該通信を受け取ったり、当該通信に対する応答を行ったりすることができない。前記の構成によれば、接続確認線を一旦切断した後に再度の接続を行っているため、再度の接続時に、電動車両から再度通信を行わせることができる。従って、充放電装置は、電動車両からの通信の受取り、及び当該通信に対する応答を確実に行うことが可能となる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。