JP2019119893A - 金属ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

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【課題】マイクロ波が反応場に選択的に吸収されるように反応液を調製することで、均一な粒径の金属ナノ粒子を生成することができる金属ナノ粒子の製造方法を提供する。【解決手段】(i)非極性溶媒と、極性溶媒と、極性溶媒に溶解可能な金属材料と、還元剤と、分散剤と、ハンセン溶解度パラメーター(HSP値)が4.0〜9.0である乳化剤とを混合して逆相ミセルを形成させて、反応液を調製するステップ、及び(ii)(i)で調製した反応液にマイクロ波を照射するステップを含む、金属ナノ粒子の製造方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、金属ナノ粒子の製造方法に関する。
近年、バルク材料と異なる性質を有することがある金属ナノ粒子は、例えば触媒、電子部品部材など、様々な用途に使用されている。
また、金属ナノ粒子を製造するための方法も様々なものが考案されており、その中でも、マイクロ波を利用する金属ナノ粒子の製造方法は、金属ナノ粒子を短時間で大量に合成できるものとして注目が集まっている。
例えば、特許文献1には、銅化合物及び塩基をポリオール溶媒中に溶解することにより得られる原料溶液にマイクロ波を照射しながら加熱還流を行うことを特徴とする銅ナノ粒子の製造方法について記載されており、溶液中に塩基を含有することにより、分散剤や界面活性剤を使用せずに単分散の銅ナノ粒子を製造することができると記載されている。
特許文献2には、少なくとも硝酸銅と水酸化銅と分散剤としてのポリカルボン酸とドデカン(C1226)と還元剤とを含む反応溶液を、マイクロ波を照射する空間を通過(流通)させることを特徴とする銅ナノ粒子の製造方法であって、マイクロ波照射領域をドデカンで水相を包み込んで銅イオン及び/又は銅粒子を含む水相と反応管の管壁を隔離し、反応管内壁への銅の析出を防ぐようにする前記製造方法について記載されている。
特開2014−224276号公報 特開2015−59243号公報
しかしながら、特許文献1及び2を含む従来技術では、得られる金属ナノ粒子の粒径が不均一になるという問題があった。
マイクロ波は、材料を構成する分子の極性部分で吸収され、マイクロ波を吸収した分子は、回転・振動することでマイクロ波を熱エネルギーに変換し、発熱する。特許文献1に記載の方法では、極性溶媒に極性原料を溶解させて反応液をつくり、反応液にマイクロ波を照射することで、反応液を加熱し、反応を進行させる。ここで、反応液は極性物質から構成されているため、反応液全体がマイクロ波を吸収する。そうすると、反応液に照射されたマイクロ波は、マイクロ波照射口近傍に存在する極性物質によってそのほとんどが吸収されてしまい、マイクロ波照射口から遠い箇所に存在する極性物質まで届かない。したがって、マイクロ波照射口近傍に存在する極性物質は加熱されるが、マイクロ波照射口から遠い箇所に存在する極性物質は加熱されない状態となり、反応液に加熱ムラが生じる。その結果、不均一な反応が進行し、得られる銅ナノ粒子の粒径もまた、不均一なものになる。
特許文献2に記載の方法では、マイクロ波照射領域において、ドデカンで水相を包み込むことで、銅イオン及び/又は銅粒子を含む水相と反応管の管壁を隔離し、反応管内壁への銅の析出を防ぐようにしている。この反応は流通式であり、マイクロ波照射領域では、マイクロ波は配管壁付近でそのほとんどが吸収されてしまい、配管中央まで届かない。したがって、配管壁付近の反応液は加熱されるが、配管中央の反応液は加熱されない状態になり、反応液に加熱ムラが生じる。その結果、不均一な反応が進行し、得られる銅ナノ粒子の粒径もまた、不均一なものになる。
そこで、本発明は、マイクロ波が反応場(化学反応が起こる局所的な部分)に選択的に吸収されるように反応液を調製することで、均一な粒径の金属ナノ粒子を生成することができる金属ナノ粒子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、反応液にマイクロ波を照射することで金属ナノ粒子を製造する方法において、反応液として、非極性溶媒と、極性溶媒と、極性溶媒に溶解可能な金属材料と、還元剤と、分散剤と、ハンセン溶解度パラメーター(HSP値)が特定の値を有する乳化剤とを有する、逆相ミセルが形成された反応液を使用して反応を実施したところ、マイクロ波が反応場に選択的に吸収され、反応により得られた金属ナノ粒子が均一な粒径を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)(i)非極性溶媒と、極性溶媒と、極性溶媒に溶解可能な金属材料と、還元剤と、分散剤と、ハンセン溶解度パラメーター(HSP値)が4.0〜9.0である乳化剤とを混合して逆相ミセルを形成させて、反応液を調製するステップ、及び
(ii)(i)で調製した反応液にマイクロ波を照射するステップ
を含む、金属ナノ粒子の製造方法。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法を使用することにより、マイクロ波は、反応液中の反応場に選択的に吸収され、反応に関与しない部分に吸収されず、反応液中の反応場全体にいき渡ることができる。その結果、反応液中の加熱ムラがなくなり、均一な粒径の金属ナノ粒子を生成することが可能になる。
本発明の一実施形態を示す。 実験例3において形成された逆相ミセルの光学顕微鏡写真を示す。 実施例1で調製した銀ナノ粒子のTEM写真を示す。 実施例2で調製した銀ナノ粒子のTEM写真を示す。 比較例1で調製した銀ナノ粒子のTEM写真を示す。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。なお、本発明の金属ナノ粒子の製造方法は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
本発明は、(i)非極性溶媒と、極性溶媒と、極性溶媒に溶解可能な金属材料と、還元剤と、分散剤と、ハンセン溶解度パラメーター(HSP値)が特定の値である乳化剤とを混合して逆相ミセルを形成させて、反応液を調製するステップ、及び(ii)(i)で調製した反応液にマイクロ波を照射するステップを含む、金属ナノ粒子の製造方法に関する。
以下に、(i)及び(ii)の各ステップについて説明する。
(i)非極性溶媒と、極性溶媒と、極性溶媒に溶解可能な金属材料と、還元剤と、分散剤と、ハンセン溶解度パラメーター(HSP値)が特定の値である乳化剤とを混合して逆相ミセルを形成させて、反応液を調製するステップ
本発明の(i)のステップでは、以下に説明する材料を準備し、それらを混合して逆相ミセルを形成させることにより、反応液を調製する。
非極性溶媒とは、マイクロ波を照射しても、マイクロ波をほとんど吸収しない材料であり、これは、非極性溶媒が、分子内に極性部分を有さないためである。
非極性溶媒としては、限定されないが、例えば、ヘキサン、デカンなどのアルカン系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒などを挙げることができる。
極性溶媒とは、マイクロ波を照射すると、マイクロ波を吸収し、熱エネルギーに変換することで発熱する材料であり、これは、極性溶媒が分子内に極性部分を有するためである。
極性溶媒としては、限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、アセトンなどのケトン系溶媒、DMSO、DMF、エチレングリコールなどの多価アルコール系溶媒などを挙げることができる。
極性溶媒に溶解可能な金属材料は、極性溶媒に溶解することができる金属塩であればよい。また、極性溶媒に溶解可能な金属材料は、材料自体が極性を有し、マイクロ波を照射すると、マイクロ波を吸収し、熱エネルギーに変換することで発熱する。
極性溶媒に溶解可能な金属材料としては、限定されないが、例えば、金属ナノ粒子を構成する金属、例えば金、銀、白金、銅、ニッケル、鉄、コバルトなどの、塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などの有機塩、を挙げることができる。
還元剤とは、極性溶媒に溶解可能な金属材料における正の酸化数を有する金属を、酸化還元反応により、酸化数が0である金属まで還元することができる材料である。また、還元剤は、材料自体が極性を有し、極性溶媒に溶解し、さらにマイクロ波を照射すると、マイクロ波を吸収し、熱エネルギーに変換することで発熱する。
還元剤としては、還元する金属の酸化還元電位により異なり、限定されないが、例えば、クエン酸三ナトリウム、シュウ酸、アスコルビン酸などを挙げることができる。
分散剤とは、生成した金属ナノ粒子を、溶液中に分散させることができる材料である。分散剤により、反応液中に金属ナノ粒子が生成しても、反応液を均一な状態に保つことができる。また、分散剤は、材料自体が極性を有し、極性溶媒に溶解し、さらにマイクロ波を照射すると、マイクロ波を吸収し、熱エネルギーに変換することで発熱する。
分散剤としては、生成する金属ナノ粒子の種類によって好ましいものが異なる場合があり、限定されないが、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、クエン酸、アミン類、チオール類などを挙げることができる。
乳化剤とは、分子中に親水性部分と疎水性部分を有する材料であり、界面活性剤とも称される。乳化剤のハンセン溶解度パラメーターは、4.0〜9.0である。
ここで、ハンセン溶解度パラメーターとは、物質の溶解性を示す物性値であり、分散力項δd、双極子項δp、水素結合項δhを用いて、3次元空間の点(δd、δp、δh)で表される。
HSP値=(δd+δp+δh1/2
物質のハンセン溶解度パラメーターにおける分散力項δd、双極子項δp、水素結合項δhは、その物質に固有のものであり、例えばhttps://www.pirika.com/NewHP−J/JP/10reason.htmlや、特開2015−113367号公報に記載の方法により求めることができる。
乳化剤は、好ましくは、以下の式により表される界面張力指数が、0.5以下になるような乳化剤である。
界面張力指数=1−(乳化剤を加える前の反応液の界面張力γ−乳化剤を加えた後の反応液の界面張力γ’)/乳化剤を加える前の反応液の界面張力γ
乳化剤としては、例えばモノオレイン酸ソルビタン(例えば、花王株式会社製レオドールSP−O10)、モノステアリン酸ソルビタン(例えば、花王株式会社製レオドールSP−S10)、モノパルミチン酸ソルビタン(例えば、花王株式会社製レオドールSP−P10)、ヤシ油脂肪酸ソルビタン(例えば、花王株式会社製レオドールSP−L10)などを挙げることができる。
乳化剤として前記で説明するものを使用することにより、非極性溶媒中に、均一で、安定な逆相ミセルを形成させることができる。
なお、逆相ミセルとは、非極性溶媒中で、乳化剤の分子が、極性の大きな部分(親水性部分)を内側に、極性の小さな部分(疎水性部分)を外側にして粒状に会合した状態をいう。したがって、極性の大きな部分と親和性の高い極性の大きな材料、すなわち極性溶媒、極性溶媒に溶解可能な金属材料、還元剤、及び分散剤は、逆相ミセルの内側に存在しやすい。
反応液の総体積は、照射するマイクロ波の条件などにより異なり、限定されないが、通常0.01L〜10L、好ましくは0.1L〜5Lになるように調整される。
得られた反応液では、逆相ミセルは、1〜10μmの粒径である。
本発明の(i)のステップでは、各材料の添加順序、添加温度、混合方法、混合時間などは限定されず、均一で、安定な逆相ミセルが形成している反応液が調製されるように混合される。例えば、本発明の(i)のステップでは、例えば15℃〜30℃において、まず、容器中に極性溶媒と、極性溶媒に溶解可能な金属材料と、還元剤と、分散剤と、乳化剤とを加えて、各材料を溶解し、均一な混合溶液を調製する。その後、非極性溶媒を含む容器中に、撹拌しながら、混合溶液を少しずつ加えて、例えば1分〜15分間撹拌することで、均一で、安定な逆相ミセルを形成させ、反応液を調製してもよい。
(ii)(i)で調製した反応液にマイクロ波を照射するステップ
本発明の(ii)のステップでは、(i)で調製した反応液にマイクロ波を照射し、反応を進行させる。
(i)で調製した反応液を収容する容器の材質は、反応液にマイクロ波を均一に照射することができれば限定されず、例えば、反応器の外部から反応器を介して反応液にマイクロ波を照射する場合、マイクロ波を透過する材質、例えばセラミックス、ガラスなどを使用することができ、反応液の上部から反応液に直接マイクロ波を照射する場合、マイクロ波を反射する材質、例えばアルミニウム、ステンレスなどの金属などを使用することができる。
マイクロ波は、マイクロ波照射源(マイクロ波発振器(マグネトロン))から発生し、マイクロ波照射源は、シングルモードシステム、マルチモードシステムのどちらでも使用することができる。
マイクロ波照射源の出力は、反応の条件、例えば反応の種類などにより適宜変更することができ、限定されないが、反応液の総体積に基づいて、通常100W/L〜2000W/L、好ましくは500W/L〜1500W/Lである。
マイクロ波照射源から発生するマイクロ波の周波数は、適宜変更することができ、限定されないが、通常1GHz〜10GHz、好ましくは2GHz〜6GHzである。本発明では、マイクロ波の周波数として、工業用マイクロ波電源の周波数である2.45GHzを使用することがより好ましい。
マイクロ波の照射によって昇温される反応液の温度は、反応の条件により適宜変更することができ、限定されない。溶媒の沸点以下であればよい。
反応液へのマイクロ波の照射時間は、反応の条件により適宜変更することができ、限定されないが、通常0.5分〜100分、好ましくは1分〜60分である。あるいは、目的とする反応液の温度を維持するように、マイクロ波を反応液に照射することができる。
マイクロ波の照射時間を含む反応の総時間は、反応の条件により適宜変更することができ、限定されないが、例えば0.5分〜100分、好ましくは1分〜60分である。
反応液へのマイクロ波の照射の際には、反応液を、撹拌機構、例えばプロペラ式撹拌機、音波などにより、撹拌することが好ましい。反応液を撹拌することにより、反応液中に生成した金属ナノ粒子を均一に分散することができ、反応液を均一に保つことができる。
本発明の(ii)のステップは、バッチ式で実施しても、流通式で実施してもよい。本発明の(ii)のステップは、バッチ式で実施することが好ましい。バッチ式で実施することにより、合成反応自体を完了させることができ、得られる金属ナノ粒子の歩留まりをよくすることができる。また、反応液の濃度を高濃度にすることができ、流通式で起こり得る金属ナノ粒子の閉塞の問題がおこらない。
本発明の(ii)のステップでは、反応液にマイクロ波を照射すると、マイクロ波の大部分が、反応液中の極性材料が存在する逆相ミセルの内側のみ、すなわち、化学反応が起こる局所的な部分である反応場で吸収される。したがって、マイクロ波によって、反応場近傍のみが加熱される。その結果、反応液の加熱ムラがなく、反応効率が向上し、系内で、積極的に、均一な核生成を起こさせることができる。
本発明の(ii)のステップにより得られた金属ナノ粒子を含む溶液は、当該技術分野において知られる方法により、分離、精製(例えば塩析や遠心分離)などを実施し、目的とする金属ナノ粒子及び/又は金属ナノ粒子を含む分散液を得ることができる。
本発明の一実施形態を図1に示す。
図1では、本発明の(i)のステップにおいて、非極性溶媒と、極性溶媒と、極性溶媒に溶解可能な金属材料と、還元剤と、分散剤と、ハンセン溶解度パラメーター(HSP値)が4.0〜9.0である乳化剤とを混合して逆相ミセルを形成させて、反応液を調製し、本発明の(ii)のステップにおいて、調製した反応液に、マイクロ波を反応器の外部から照射している。マイクロ波は、反応液中の極性材料が存在する逆相ミセルの内側、すなわち、極性溶媒、極性溶媒に溶解可能な金属材料、還元剤、及び分散剤が存在する部分で吸収され、該部分近傍が加熱される。その結果、反応液の加熱ムラがなく、反応効率が向上し、均一な金属ナノ粒子が生成される。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法により製造された金属ナノ粒子は、粒径が均一である。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法により製造された金属ナノ粒子は、従来の触媒、電子部品部材などに加え、塗料として使用することができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
1.逆相ミセル形成実験
非極性溶媒としてヘキサン1Lを使用し、極性溶媒として水0.01L又はエチレングリコール0.1Lを使用して、乳化剤の種類による逆相ミセルの形成実験を行った。各乳化剤の量は、0.005gであった。(極性溶媒が水の実験:比較実験例1〜6及び実験例1〜4、極性溶媒がエチレングリコールの実験:比較実験例7〜12及び実験例5〜8)
なお、界面張力指数の計算において、極性溶媒に水を使用した時の乳化剤を加える前の反応液の界面張力γは、ペンダントドロップ法(DropMaster300(協和界面科学社製)を使用)にて測定した結果から、43.7(mN/m)とし、極性溶媒にエチレングリコールを使用した時の乳化剤を加える前の反応液の界面張力γは、ペンダントドロップ法(DropMaster300(協和界面科学社製)を使用)にて測定した結果から、15.6(mN/m)とした。乳化剤を加えた後の反応液の界面張力γ’は、ペンダントドロップ法(DropMaster300(協和界面科学社製)にて測定)で求めた。
界面張力指数=1−(乳化剤を加える前の反応液の界面張力γ−乳化剤を加えた後の反応液の界面張力γ’)/乳化剤を加える前の反応液の界面張力γ
結果を表1及び表2に示し、実験例3において形成された逆相ミセルを光学顕微鏡で観察した写真を図2に示す。
Figure 2019119893
Figure 2019119893
表1及び表2より、極性溶媒が水又はエチレングリコールのいずれであっても、乳化剤のHSP値が実験例1〜8のように4.0〜9.0の範囲内であると、図2に示すような安定な逆相ミセルが形成され、乳化剤のHSP値が比較実験例1〜12のように4.0〜9.0から外れると、逆相ミセルを形成しないか、又は形成したとしても不安定な逆相ミセルになることが分かった。
さらに、界面張力指数は、0.5以下であることが好ましいことが分かった。
2.マイクロ波反応実験
1.逆相ミセル形成実験において、逆相ミセルが形成された実験例1及び3において使用した非極性溶媒としてのヘキサン、極性溶媒としての水、乳化剤としてのレオドールSP−O10及びレオドールSP−P10を使用して、以下の手順により銀ナノ粒子を調製した。
実施例1
(i)非極性溶媒と、極性溶媒と、極性溶媒に溶解可能な金属材料と、還元剤と、分散剤と、ハンセン溶解度パラメーター(HSP値)が4.0〜9.0である乳化剤とを混合して逆相ミセルを形成させて、反応液を調製するステップ
極性溶媒である水1Lに、撹拌しながら、極性溶媒に溶解可能な金属材料としての硝酸銀10mMと、還元剤としてのクエン酸三ナトリウム7mMと、分散剤としてのPVP5mMと、乳化剤としてのハンセン溶解度パラメーター(HSP値)が4.3であるレオドールSP−O10 20gとを添加し、各材料を水中に溶解して、混合溶液を調製した。続いて、非極性溶媒であるヘキサン中に、混合溶液を少しずつ添加し、逆相ミセルを形成させ、反応液を調製した。
(ii)(i)で調製した反応液にマイクロ波を照射するステップ
(i)で調製した反応液3Lをアルミ製の容器に入れ、マイクロ波(1000W/L、2.45GHz)を、反応液が60℃の温度で30分間維持されるように照射して、銀ナノ粒子を調製した。反応中は、撹拌を150rpmで実施した。
調製した銀ナノ粒子のTEM写真を、図3に示す。
図3より、実施例1では、粒径が揃った高品質の銀ナノ粒子(TEM写真から100nm〜200nm)が得られた。
実施例2
実施例1の(i)のステップにおいて、乳化剤としてのハンセン溶解度パラメーター(HSP値)が4.3であるレオドールSP−O10 20gを、乳化剤としてのハンセン溶解度パラメーター(HSP値)が6.7であるレオドールSP−P10 20gに変更した以外は、実施例1と同様にして銀ナノ粒子を調製した。
調製した銀ナノ粒子のTEM写真を、図4に示す。
図4より、実施例2では、粒径が揃った高品質の銀ナノ粒子(TEM写真から100nm〜180nm)が得られた。
比較例1
実施例1の(i)のステップにおいて、乳化剤と、非極性溶媒であるヘキサンとを添加しないこと以外は、実施例1と同様にして銀ナノ粒子を調製した。
調製した銀ナノ粒子のTEM写真を、図5に示す。
図5より、比較例1では、銀ナノ粒子の粒径(TEM写真から10nm〜400nm)は不均一であった。
図3〜5により、(i)のステップにおいて逆相ミセルが形成された実験例1及び3の反応液を使用して、(ii)のステップにおいてマイクロ波による反応を行うことにより、粒径の揃った金属ナノ粒子を調製できることが分かった。

Claims (1)

  1. (i)非極性溶媒と、極性溶媒と、極性溶媒に溶解可能な金属材料と、還元剤と、分散剤と、ハンセン溶解度パラメーター(HSP値)が4.0〜9.0である乳化剤とを混合して逆相ミセルを形成させて、反応液を調製するステップ、及び
    (ii)(i)で調製した反応液にマイクロ波を照射するステップ
    を含む、金属ナノ粒子の製造方法。
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