JP2019119433A - 鉄道車両用の前面作業台で、固定方法に永久磁石あるいは電磁石を利用し、レールに固定される作業台。 - Google Patents

Abstract

【課題】鉄道車両の前面作業を実施する際、作業台を確実に固定することが可能で、高い安全性を確保でき、汎用性の高い鉄道車両用前面作業台を提供する。【解決手段】レールＢ上を作業台が移動する際には当該固定機構Ｅは、レールＢ上面との間に数センチのクリアランスを保ち、所定の位置に来た際に固定機構ＥをレールＢ上面に接するまで降下させ、永久磁石Ｄの場合はそれぞれの装置のレバーＧを固定方向に移動させることによって、また、電磁石Ｄの場合は外部電源と接続したのち、電源スイッチをオンにすることによってレールＢに吸着し、固定機構Ｅ上部のＬ型部がフレームＡをレールＢ側に押し下げることにより、フレームＡとレールＢが強固に固定される。【選択図】図１

Description

本考案は鉄道車両用の前面作業台に関する。

従来、鉄道車両基地などに於いて車両の前面窓ガラスやワイパーなどを交換する際に、レール上面から２メーター前後の高所で作業する必要があり、その高さを有する作業台を、車両前面までレール上を移動させて使用されてきた。車両前面まで作業台を移動させた後、作業中に当該作業台が作業者の意思とは関係なく動き出したり、傾いたりして作業者に危険が及ばないよう、車両に装備された連結器を利用し、あるいはレールに機械的な装置を介して、あるいはワイヤー等を利用するなどの手段で車両と作業台の固定が為されてきた。

前項に述べた固定方法を採用する作業台に於いて、車両に装備された連結器を作業台の固定手段として利用するものは、車両の連結器の種類によっては作業台側の固定装置の交換を要する場合があり、適合する固定装置がない場合は作業台の使用が不可能であった。また、レールと作業台を機械的な装置を介して固定する方法では、固定装置の複雑化やレール間に設置されている渡り板の形状によっては、固定装置のレバーがレール下部に届かず、作業台の使用が不可能であるという問題が発生する場合もある。ワイヤー等を利用した固定方法は確実性が期待できず、安全性の面から問題が多く、ほとんど採用されていない。
故に現状では車両形式や連結器の形状、使用環境に左右されにくい高い汎用性を有し、安全で確実な固定方法を備えた作業台がなかった。

上記課題を解決するための手段として、永久磁石あるいは電磁石の吸着作用によって、作業台をレール上面に固定する方法を採用する。

鉄などの強磁性体金属のワークに機械加工を施す際、フライス盤などにワークを固定するために永久磁石あるいは電磁石を利用したマグネットチャックが使用され、強力な吸着力で切削作業を可能としてきた。

本考案は前項に述べた磁石の強力な吸着力を、作業台の固定方法に利用したものである。

図１は本考案の実施例で作業台下部の車輪部フレームであり、固定時の状態であるが、中央のレール上面に位置する部分に永久磁石あるいは電磁石を組み込んだ固定機構を備え、レール上を作業台が移動する際には当該固定機構は図２のごとく、レール上面との間に数センチのクリアランスを保ち、所定の位置に来た際に固定機構をレール上面に接するまで降下させ、永久磁石の場合はそれぞれの装置のレバーを固定方向に移動させることによって、電磁石の場合は外部電源と接続したのち、電源スイッチをオンにすることによってレールに吸着し、固定機構上部のＬ型部がフレームをレール側に押し下げることにより、フレームとレールが強固に固定される。
固定時に、固定機構とレールとのクリアランスが数ミリ程度ある場合も、磁石の吸引作用によって作業台の固定が可能であるが、より強固な固定を望む場合は磁石の吸着作用を利用する。故に本考案では永久磁石を有した固定機構をレール上面に接触させ、期待通りの固定効果を得るものである。
固定機構に装備されているレバーは固定機構の昇降と磁石のオン・オフ機能−電磁石の場合は電源スイッチ−を兼ね備えている。

本考案の固定機構は前各項に述べられている通りであるが、永久磁石を利用した固定機構の場合、図３のごとく、短冊状に加工された永久磁石のそれぞれの間に継鉄をはさみ、レールと接する面には短冊状に加工された永久磁石と同じ幅の継鉄に非磁性体を挟んだ板が当該永久磁石に取り付けられており、この板と永久磁石の位相をずらすことにより、磁力がレールに伝わり、強力な吸着力を発生する。
吸着力を解放する場合は再度、位相をずらすことにより容易になされる。
電磁石を利用した場合は外部電源からの電力をオン・オフすることによって固定・解放が行われる。

故に、本固定機構の可動部分は固定機構の上下動部、永久磁石あるいは継鉄板の横移動部であり、電磁石を利用した場合は固定機構の上下動部のみであり、構造面でも単純化が図れ、故障の発生原因を少なくすることが可能である。

考案の効果

本考案により、作業対象の車両の形式や連結器の種類に拘わらず、作業台を確実にレールに固定することが可能である。

永久磁石を利用した固定機構は外部からの動力源が不要であり、電磁石を利用した固定機構は外部電源を必要とするが、共に機構的に簡素であるため、摺動部分の摩耗の恐れが少なく、補修を必要とする機械部品の点数が少ないため長期にわたる使用が可能となる。

は、本考案作業台下部の車輪部フレーム、磁力部分が下降し、レールに固定された状態を示す。 は、本考案作業台下部の車輪部フレームであるが、作業台移動時の磁石部分が上昇している状態を示す。 は、永久磁石の磁力をオン・オフさせる原理図である。磁化の保持力が小さい軟鉄によって作られた継鉄を挟んで並べられた永久磁石とレールの間には継鉄板があり、この継鉄板をスライドさせることによって磁力線の経路が変わり、レールに対する磁力がオン・オフされる。

［図１］［図２］の、▲Ａ▼・・・・・・車輪部フレームを示す。
［図１］［図２］の、▲Ｂ▼・・・・・・レールを示す。
［図１］［図２］の、▲Ｃ▼・・・・・・レール上移動用車輪を示す
［図１］［図２］の、▲Ｄ▼・・・・・・磁石部を示す。
［図１］［図２］の、▲Ｅ▼・・・・・・固定機構昇降ユニットを示す。
［図１］［図２］の、▲Ｆ▼・・・・・・昇降ガイド棒を示す。
［図１］［図２］の、▲Ｇ▼・・・・・・昇降及びオン・オフ操作レバーを示す。

Claims (3)

1. 鉄道車両の前面作業を実施する際に使用する、磁石の吸着力を利用しレールに固定する方法を備えた作業台。
2. 請求項１の作業台で、電気等の外部からの動力源を使用せずに、永久磁石の吸着力を利用した物。
3. 請求項１の作業台で、外部からの電源を利用した電磁石の吸着力を利用した物。

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