JP2019119147A - 樹脂補強金属部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属部品にCFRP補強材を押し付けて接着剤を加圧する際に、接着剤の内部にエアポケットが発生するのを防止する。【解決手段】 第1工程で、金属部品11の表面に未硬化の熱硬化型の接着剤12を少なくとも2本のビード状に塗布し、第2工程で、金属部品11にCFRP補強材13を押し付けて接着剤12を加圧し、第3工程で、接着剤12を加熱硬化させる。第1工程において、2本のビード状の接着剤12は、それ等の長手方向中央部において相互に接近して長手方向両端部において相互に離間するようにアーチ形状に塗布され、第2工程において、2本のビード状の接着剤12は、それ等の長手方向中央部から長手方向両端部に向かって順次加圧されるので、2本のビード状の接着剤12の間に存在する空気を効率的に押し出してエアポケットの発生を阻止することで、第3工程で接着剤12を加熱硬化させるときに、エアポケット内の空気が膨張して金属部品11からCFRP補強材13が剥がれるのを防止することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、金属部品の表面に未硬化の熱硬化型の接着剤を少なくとも2本のビード状に塗布する第1工程と、前記金属部品にCFRP補強材を押し付けて前記接着剤を加圧する第2工程と、前記接着剤を加熱硬化させて前記金属部品に前記CFRP補強材を接着する第3工程とを含む樹脂補強金属部品の製造方法に関する。
金属部品の表面に熱硬化型の接着剤でCFRP補強材を接着して樹脂補強金属部品を製造する場合に、CFRP補強材の端部に臨む金属部品の表面に凹部を形成し、凹部の部分で接着剤の厚さを局部的に増加させることで、金属部品およびCFRP補強材の熱膨張率差により発生する接着剤の残留剪断応力を低減し、接着剤の剥離を防止するものが、下記特許文献1により公知である。
WO2016/129360
従来、金属部品の表面に接着剤でCFRP補強材を接着するには、ロボットアームの先端に保持したノズルを移動させながら、金属部品01の表面に2本のビード状の接着剤02を平行に塗布し(図7(A)参照)、金属部品01の上からCFRP補強材03を重ね合わせた後(図7(B)参照)、CFRP補強材03を長手方向中央部から長手方向両端部へと順次金属部品01に押し付けて接着剤02を押し潰していた(図7(C)参照)。CFRP補強材03を長手方向中央部から長手方向両端部へと押し付ける理由は、2本の接着剤02の間に空気が取り残されてエアポケット04が発生するのを防止するためである。
しかしながら、移動するノズルで金属部品01の表面に接着剤02をビード状に塗布するとき、ノズルの移動速度が低下する始端部および終端部でビード幅が局部的に増加し、始端部および終端部で2本の接着剤02間の距離が狭まることが避けられない。そのため、CFRP補強材03を長手方向中央部から両端部に向かって押圧する過程で、押圧位置が長手方向両端部に達する手前で2本のビード状の接着剤02が長手方向両端部において相互に繋がってしまい(図7(C)参照)、空気が取り残されてエアポケット04が形成されてしまう問題があった。このようにして、一旦エアポケット04が形成されると、CFRP補強材03の押し付けが完了した状態でもエアポケット04は消滅せず(図7(D)参照)、接着剤02を硬化させるべく金属部品01およびCFRP補強材03を加熱したときに、エアポケット04の空気が熱膨張してCFRP補強材03を金属部品01から引き剥がしてしまい、接着強度が著しく低下する可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、金属部品にCFRP補強材を押し付けて接着剤を加圧する際に、接着剤の内部にエアポケットが発生するのを防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、金属部品の表面に未硬化の熱硬化型の接着剤を少なくとも2本のビード状に塗布する第1工程と、前記金属部品にCFRP補強材を押し付けて前記接着剤を加圧する第2工程と、前記接着剤を加熱硬化させて前記金属部品に前記CFRP補強材を接着する第3工程とを含む樹脂補強金属部品の製造方法であって、前記第1工程において、前記2本のビード状の接着剤は、それ等の長手方向中央部において相互に接近して長手方向両端部において相互に離間するようにアーチ形状に塗布され、前記第2工程において、前記2本のビード状の接着剤は、それ等の長手方向中央部から長手方向両端部に向かって順次加圧されることを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記金属部品は自動車の車体骨格部品であり、加圧後の前記接着剤は充填率が80%〜100%、最大はみ出し量が3.5mm以下、厚さが0.5mm±0.1mmであることを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記接着剤はビード幅が40mm以下で塗布され、保持時間が20秒以上で加圧されることを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項2または請求項3の構成に加えて、未硬化の前記接着剤は粘度が40Pa・s〜170Pa・sであることを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記接着剤はエポキシ系あるいはウレタン系の高粘度接着剤であり、硬化後にダンベル物性が1500MPa以上の初期弾性率と、前記金属部品に対する密着性が20MPa以上の剪断強度とを備えることを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記CFRP補強材は長手方向に配向されたカーボン連続繊維を含むことを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法が提案される。
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、前記金属部品は中空閉断面部材の少なくとも一部を構成し、引張荷重が作用する表面に前記CFRP補強材が接着されることを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法が提案される。
また請求項8に記載された発明によれば、請求項1〜請求項7の何れか1項の構成に加えて、前記CFRP補強材を前記金属部品に仮固定した状態で前記接着剤を加熱硬化させることを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法が提案される。
また請求項9に記載された発明によれば、請求項1〜請求項8の何れか1項の構成に加えて、前記CFRP補強材はオートクレーブ法あるいはRTM法により製造されることを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法が提案される。
また請求項10に記載された発明によれば、請求項1〜請求項9の何れか1項の構成に加えて、前記金属部品が相互に交差する複数の面を備える場合、各々の面に対して前記第2工程を行うことを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法が提案される。
また請求項11に記載された発明によれば、請求項1〜請求項10の何れか1項の構成に加えて、前記第2工程は、前記金属部品に前記CFRP補強材を押し付ける複数の加圧シリンダを直線上に配置した加圧機を用い、中央側の前記加圧シリンダから両端側の前記加圧シリンダを順次作動させて行われることを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法が提案される。
請求項1の構成によれば、第1工程で、金属部品の表面に未硬化の熱硬化型の接着剤を少なくとも2本のビード状に塗布し、第2工程で、金属部品にCFRP補強材を押し付けて接着剤を加圧し、第3工程で、接着剤を加熱硬化させて金属部品にCFRP補強材を接着して樹脂補強金属部品を製造する。第1工程において、2本のビード状の接着剤は、それ等の長手方向中央部において相互に接近して長手方向両端部において相互に離間するようにアーチ形状に塗布され、第2工程において、2本のビード状の接着剤は、それ等の長手方向中央部から長手方向両端部に向かって順次加圧されるので、2本のビード状の接着剤の間に存在する空気を効率的に押し出してエアポケットの発生を阻止することで、第3工程で接着剤を加熱硬化させるときに、エアポケット内の空気が膨張して金属部品からCFRP補強材が剥がれるのを防止することができる。
また請求項2の構成によれば、金属部品は自動車の車体骨格部品であり、加圧後の接着剤は充填率が80%〜100%、最大はみ出し量が3.5mm以下、厚さが0.5mm±0.1mmであるので、接着剤の消費量を最小限に抑えながら自動車の車体骨格部品の強度を最大限に高めることができる。接着剤の充填率が80%未満であれば接着強度が不足し、接着剤の充填率が100%を超えれば接着剤が無駄になり、接着剤の最大はみ出し量が3.5mmを超えれば周囲の物品に接着剤が付着して作業環境を悪化させ、接着剤の厚さが0.5mm±0.1mmの範囲を外れれば接着強度が低下する。
また請求項3の構成によれば、接着剤はビード幅が40mm以下で塗布され、保持時間が20秒以上で加圧されるので、必要最小限の接着剤量で充填率80%を達成することができる。
また請求項4の構成によれば、未硬化の接着剤は粘度が40Pa・s〜170Pa・sであるので、加圧による接着剤の拡散をコントロールして充填率80%を達成することができる。
また請求項5の構成によれば、接着剤はエポキシ系あるいはウレタン系の高粘度接着剤であり、硬化後にダンベル物性が1500MPa以上の初期弾性率と、金属部品に対する密着性が20MPa以上の剪断強度とを備えるので、第2工程から第3工程への搬送中に接着剤が飛び散ったり、金属部品からCFRP補強材が脱落したりするのを防止し、確実な接着剤を可能にして樹脂補強金属部品の強度を高めることができる。
また請求項6の構成によれば、CFRP補強材は長手方向に配向されたカーボン連続繊維を含むので、CFRP補強材の引張強度を効果的に高めることができる。
また請求項7の構成によれば、金属部品は中空閉断面部材の少なくとも一部を構成し、引張荷重が作用する表面にCFRP補強材が接着されるので、金属部品の引張荷重が作用する部分を引張強度が高いCFRP補強材で補強することで、樹脂補強金属部品を効果的に補強することができる。
また請求項8の構成によれば、CFRP補強材を金属部品に仮固定した状態で接着剤を加熱硬化させるので、第2工程から第3工程への搬送中に金属部品からCFRP補強材がずれたり脱落したりするのを防止して確実な接着を可能にすることができる。
また請求項9の構成によれば、CFRP補強材はオートクレーブ法あるいはRTM法により製造されるので、CFRP補強材の内部にボイドが発生するのを防止して曲げ強度を高めることができる。
また請求項10の構成によれば、金属部品が相互に交差する複数の面を備える場合、各々の面に対して第2工程を行うので、複雑な形状のCFRP補強材を確実に接着することができる。
また請求項11の構成によれば、第2工程は、金属部品にCFRP補強材を押し付ける複数の加圧シリンダを直線状に配置した加圧機を用い、中央側の加圧シリンダから両端側の加圧シリンダを順次作動させて行われるので、CFRP補強材の接着作業を容易かつ確実に行うことができる。
金属部品に対するCFRP補強材の接着方法の説明図である。(第1の実施の形態) 加圧機の斜視図である。(第1の実施の形態) センターピラーインナーおよびセンターピラーアウターの部分斜視図である。(第1の実施の形態) 図3の4方向矢視図である。(第1の実施の形態) 図4の5−5線断面図である。(第1の実施の形態) 図1(A)に対応する図である。(第2〜第4の実施の形態) 図1(A)〜図1(D)に対応する図である。(比較例)
第1の実施の形態
以下、図1〜図5に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1(A)に示すように、鋼板のような金属部品11にCFRP(カーボン繊維強化樹脂)補強材13を接着するために、金属部品11の表面に未硬化のエポキシ系あるいはウレタン系の熱硬化型の接着剤12が2本のビード状に塗布される。2本のビード状の接着剤12は、長手方向中央部では相互の間隔W1が狭く、長手方向両端部では相互の間隔W2が広くなるように半径Rのアーチ状に湾曲している。図1(B)に示すように、金属部品11に塗布された2本のビード状の接着剤12の上に被接着物であるCFRP補強材13を重ね合わせた後、図1(C)、(D)に示すように、金属部品11に向けてCFRP補強材13を押し付け、接着剤12を押し潰して拡散した後に、金属部品11およびCFRP補強材13を加熱して接着剤12を硬化させることで、金属部品11にCFRP補強材13を接着する。
図2には、金属部品11に向けてCFRP補強材13を押し付けるための加圧機14が示される。加圧機14は、平坦な基台15と、基台15に立設した一対の支柱16と、一対の支柱16の上端間を接続する直線状の支持部材17と、支持部材17に下向きに支持されて直線上に配置される複数の加圧シリンダ18と、複数の加圧シリンダ18の出力ロッド19の下端に接続された可撓性を有する平板状の加圧板20とを備える。加圧シリンダ18は支持部材17および加圧板20に沿って取付間隔を任意に調整可能である。
接着剤12を挟んで重ね合わせた金属部品11およびCFRP補強材13を加圧機14の基台15上に設置し、CFRP補強材13上に加圧板20を重ね合わせた状態で、加圧シリンダ18を長手方向中央のものから長手方向両端のものへと順番に伸長駆動し、加圧板20でCFRP補強材13を長手方向中央部から長手方向両端部へ順次押圧することで、接着剤12を押し潰して金属部品11およびCFRP補強材13の接着面に拡散させるとともに、2本のビード状の接着剤12の間に存在する空気を長手方向中央部から長手方向両端部に向かって押し出すことができる。
このとき、図1(A)に示すように、2本のビード状の接着剤12はアーチ状に湾曲して長手方向両端部の間隔W2が広がっているので、その長手方向両端部のビード幅W3が他の部分に比べて拡大していても、CFRP補強材13を長手方向中央部から長手方向両端部に向かって順次金属部品11に押し付ける過程で、2本のビード状の接着剤12が長手方向両端部において相互に繋がることがなくなり(図1(C)参照)、接着剤12はエアポケットを形成することなく均等に押し潰される。
よって、金属部品11およびCFRP補強材13を加熱して接着剤12を硬化させるとき、エアポケット内の空気が膨張してCFRP補強材13が金属部品11から引き剥がされるのを防止し、CFRP補強材13を確実に接着して金属部品11およびCFRP補強材13の積層体の強度および剛性を高めることができる。
接着剤12の充填率、すなわち金属部品11に対向するCFRP補強材13の接着面の面積(図1(D)の鎖線四角形の面積)のうち、圧縮された接着剤12が充填される面積(図1(D)の網かけ部分の面積)の比率は、80%〜100%とするのが好適である。充填率が80%未満であれば接着面積の不足により接着強度が不足し、充填率が100%を超えれば接着剤がはみだして無駄になる。
また接着剤12の最大はみだし量、すなわち圧縮された接着剤12がCFRP補強材13の縁から外部にはみだす距離の最大値は3.5mm以下とするのが好適である。これにより、はみだした接着剤12が周囲の物品に付着して作業環境を悪化させるのを防止することができる。また圧縮後の接着剤12の厚さは、0.5mm±0.1mmとするのが好適であり、これにより最大の接着強度を得ることができる。
また金属部品11に塗布された接着剤12のビード幅は40mm以下に設定され、かつ接着剤12を塗布した後の保持時間(加圧状態を保持する時間)は20秒以上に設定される。保持時間が増加すると充填率が増加するが、保持時間が20秒以上になっても充填率は頭打ちになるため、接着剤12の量を最小限に抑えながら最大の充填量を確保して接着強度を高めるには、保持時間を20秒以上にすることが望ましい。保持時間を20秒以上としたとき、接着剤12のビード幅が40mmを超えると、充填率が100%を超えて接着剤12が無駄になるため、ビード幅は40mm以下にすることが望ましい。
また未硬化の接着剤12は粘度が40Pa・s〜170Pa・sに設定される。これにより、加圧による接着剤12の拡散をコントロールして80%以上の充填率を達成することができる。
図3〜図5には、自動車のセンターピラーの車幅方向内側部分を構成するセンターピラーインナーである金属部品11が示される。金属部品11は鋼板を概略ハット状断面にプレス成形したもので、前後方向両端に位置する一対の溶接フランジ11aと、一対の溶接フランジ11aから車幅方向内側に起立する一対の側壁11bと、一対の側壁11bを前後方向に接続する底壁11cと、底壁11cに形成されて車幅方向外側に溝状に突出する隆起部11dとを備える。金属部品11の一対の溶接フランジ11aは、ハット状断面を有するセンターピラーアウターである他の金属部品21の一対の溶接フランジ21aに溶接され、中空閉断面のセンターピラーを構成する。
金属部品11の底壁11cおよび隆起部11dの車幅方向外面には、ハット状断面を有するCFRP補強材13が上述した接着剤12を用いて接着される。CFRP補強材13は、その長手方向に引き揃えられた多数のカーボン連続繊維をマトリクス樹脂内に埋設したもので、長手方向に高い引張強度を有している。CFRP補強材13の長手方向両端部に対向する金属部品11の底壁11cおよび隆起部11dに跨がるように、上下一対の溝状の凹部11eが形成される。
かかるCFRP補強材13をオートクレーブ法あるいはRTM(Resin Transfer Molding)法により製造することで、その内部にボイドが発生するのを防止して曲げ強度を高めることができる。
金属部品11にCFRP補強材13を接着するとき、未硬化の接着剤12を圧縮した状態で、CFRP補強材13の四隅および金属部品11の底壁11cを貫通する4個のクリップ22が装着され、このクリップ22で金属部品11に対してCFRP補強材13が仮固定される。
金属部品11およびCFRP補強材13は、ハット状断面を成すように連続する五つの接着面で接着されるが、各々の接着面にそれぞれ2本のビード状の接着剤12がアーチ状に塗布される。金属部品11に対するCFRP補強材13の押し付けも、各々の接着面毎に行われる。接着剤12の塗布および圧縮は自動車の製造ラインの溶接区で行われ、その後の接着剤12の加熱硬化は自動車の製造ラインの塗装区で行われる。
各々の接着面に2本のビード状の接着剤12がアーチ状に塗布されるため、圧縮された接着剤12の内部にエアポケットが発生することがなく、金属部品11に対するCFRP補強材13の接着強度が高められる。また各々の接着面毎に接着剤12を圧縮するので、ハット状断面のような非平面形状のCFRP補強材13であっても、全ての接着面の接着剤12の圧縮を支障なく行うことができる。
しかも未硬化の接着剤12を挟んで重ね合わされた金属部品11およびCFRP補強材13をクリップ22で仮固定するので、製造ラインの溶接区から塗装区への搬送中に、金属部品11からCFRP補強材13が位置ずれしたり脱落したりするのを確実に防止することができる。
また接着剤12を硬化させるべく金属部品11およびCFRP補強材13を加熱した後に冷却するとき、熱膨張率が大きい金属部品11と熱膨張率が小さいCFRP補強材13とに挟まれた接着剤12には剪断応力が作用し、その剪断応力は細長いCFRP補強材13の長手方向両端部で最大になり、その部分で硬化した接着剤12が破断して剥離する可能性がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、金属部品11に形成した凹部11eによりCFRP補強材13の長手方向両端部に臨む接着剤12の厚さが局部的に増加することで、前記剪断応力を緩和して接着剤12の破断および剥離を未然に防止することができる。
さて、自動車が側面衝突されてセンターピラーに衝突荷重が入力すると、上端および下端を固定されたセンターピラーの上下方向中間部は車幅方向内側に湾曲し、センターピラーインナーである金属部品11と、その金属部品11に接着されたCFRP補強材13とに引張荷重が作用する。このとき、CFRP補強材13のカーボン連続繊維は金属部品11の長手方向に沿うように配向されているため、衝突による引張荷重をCFRP補強材13のカーボン連続繊維で効率的に支持し、センターピラーの剛性および強度を効果的に高めることができる。
第2〜第4の実施の形態
図6(A)には本発明の第2の実施の形態が示される。第1の実施の形態では、CFRP補強材13を接着するために接着剤12を2本のアーチ状に塗布しているが、第2の実施の形態では、2本のアーチ状の接着剤12の間に、更に1本の直線状の接着剤12が塗布される。
図6(B)には本発明の第3の実施の形態が示される。第1の実施の形態では、CFRP補強材13を接着するために接着剤12を2本のアーチ状に塗布しているが、第3の実施の形態では、2本のアーチ状の接着剤12の外側に更に2本のアーチ状の接着剤12が塗布される。最初のアーチ状の接着剤12と追加されたアーチ状の接着剤12との間隔は、長手方向中央部で小さく、長手方向両端部で大きくなるように設定される。追加されるアーチ状の接着剤12の数は2本に限定されず、3本以上であっても良い。
図6(C)には本発明の第4の実施の形態が示される。第4の実施の形態は第1の実施の形態および第2の実施の形態の組み合わせであり、4本のアーチ状の接着剤12の中央に更に1本の直線状の接着剤12が塗布される。つまり、複数本の接着剤12の全塗布幅の中心線より外側の接着剤12を本願発明のアーチ状の塗布するのである。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明が適用される自動車の車体骨格の部位は実施の形態のセンターピラーインナーに限定されず、フロントピラー、リヤピラー、クロスメンバ、ルーフアーチ、サイドシル、タイヤパン等であっても良く、特に閉断面部材であって衝突荷重の入力時に引張荷重が加わる部分に適用すると効果的である。
また実施の形態では金属部品11にCFRP補強材13をクリップ22で仮固定しているが、仮固定の手段はクリップ22に限定されず、リベットやセルフピアスナットであっても良い。
11 金属部品
12 接着剤
13 CFRP補強材
14 加圧機
18 加圧シリンダ

Claims (11)

  1. 金属部品(11)の表面に未硬化の熱硬化型の接着剤(12)を少なくとも2本のビード状に塗布する第1工程と、前記金属部品(11)にCFRP補強材(13)を押し付けて前記接着剤(12)を加圧する第2工程と、前記接着剤(12)を加熱硬化させて前記金属部品(11)に前記CFRP補強材(13)を接着する第3工程とを含む樹脂補強金属部品の製造方法であって、
    前記第1工程において、前記2本のビード状の接着剤(12)は、それ等の長手方向中央部において相互に接近して長手方向両端部において相互に離間するようにアーチ形状に塗布され、前記第2工程において、前記2本のビード状の接着剤(12)は、それ等の長手方向中央部から長手方向両端部に向かって順次加圧されることを特徴とする樹脂補強金属部品の製造方法。
  2. 前記金属部品(11)は自動車の車体骨格部品であり、加圧後の前記接着剤(12)は充填率が80%〜100%、最大はみ出し量が3.5mm以下、厚さが0.5mm±0.1mmであることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂補強金属部品の製造方法。
  3. 前記接着剤(12)はビード幅が40mm以下で塗布され、保持時間が20秒以上で加圧されることを特徴とする、請求項2に記載の樹脂補強金属部品の製造方法。
  4. 未硬化の前記接着剤(12)は粘度が40Pa・s〜170Pa・sであることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の樹脂補強金属部品の製造方法。
  5. 前記接着剤(12)はエポキシ系あるいはウレタン系の高粘度接着剤であり、硬化後にダンベル物性が1500MPa以上の初期弾性率と、前記金属部品(11)に対する密着性が20MPa以上の剪断強度とを備えることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の樹脂補強金属部品の製造方法。
  6. 前記CFRP補強材(13)は長手方向に配向されたカーボン連続繊維を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の樹脂補強金属部品の製造方法。
  7. 前記金属部品(11)は中空閉断面部材の少なくとも一部を構成し、引張荷重が作用する表面に前記CFRP補強材(13)が接着されることを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の樹脂補強金属部品の製造方法。
  8. 前記CFRP補強材(13)を前記金属部品(11)に仮固定した状態で前記接着剤(12)を加熱硬化させることを特徴とする、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の樹脂補強金属部品の製造方法。
  9. 前記CFRP補強材(13)はオートクレーブ法あるいはRTM法により製造されることを特徴とする、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の樹脂補強金属部品の製造方法。
  10. 前記金属部品(11)が相互に交差する複数の面を備える場合、各々の面に対して前記第2工程を行うことを特徴とする、請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の樹脂補強金属部品の製造方法。
  11. 前記第2工程は、前記金属部品(11)に前記CFRP補強材(13)を押し付ける複数の加圧シリンダ(18)を直線上に配置した加圧機(14)を用い、中央側の前記加圧シリンダ(18)から両端側の前記加圧シリンダ(18)を順次作動させて行われることを特徴とする、請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の樹脂補強金属部品の製造方法。
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