以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、遊技機の概略構成について説明する。なお、以下では遊技機の一つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
まず、発明が適用されるスロットマシンMの概略構成について説明する。
図1はスロットマシンMを示す斜視図である。このスロットマシンMは、筐体1を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、図示は省略するが、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット等が設けられている。
また、筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられており、この前扉3は、前記正面開口部の開口上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、開口下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
前記筐体1内には、図示は省略するが、交換ユニットが着脱可能に設けられている。交換ユニットは、種々の部品を設置あるいは固定するための支持体としての枠体と、この枠体に固定されたリールユニットおよび基板ユニットとから構成されている。ここで、リールユニットは、周囲に複数の図柄を表示した3個の回転リールと、回転リールを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)を有している。また、基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、基板ユニットは、スロットマシンMの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
図1に示すように、上扉30の下部中央には、表示窓31が設けられ、この表示窓31の奥には、前記3個の回転リールが横一列に設けられている。各回転リールの外周面には複数種類の図柄が配列されており、回転リールが停止すると表示窓を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシンMでは、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ラインが設定されている。
そして、3個の回転リールが停止したときに入賞有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
また、上扉30の上部中央には、表示窓31の上方に表示窓32が設けられている。この表示窓32は上扉30に設けられた液晶パネルを有する画像表示装置の表示面を見るために設けられたものであり、この画像表示装置では、その表示面に遊技機における演出用の画像が表示されるようになっている。なお、画像表示装置は、演出用の画像を表示できるものであれば、液晶ディスプレイ以外のディスプレイであってもよい。
また、上扉30の表示窓32の上部には、報知や演出などを行うための照明装置34が設けられ、表示窓32と表示窓31との間には報知や演出などを行うための横長の照明装置36が設けられている。
また、上扉30の左右両側部には、報知や演出などを行うための照明装置37が設けられている。
また、上扉30は、筐体1内に設けられた前記交換ユニットにヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉40は筐体1にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
なお、このスロットマシンMは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、遊技店における機種の交換時に、上扉30が回動自在に取り付けられた交換ユニットを交換するようになっており、機種の交換時に筐体1、下扉40および筐体1内の電源ユニットやホッパーユニット等は、遊技店の島設備に取り付けられたままで、交換されないようになっている。また、スロットマシンMは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。この場合に、前扉3を上扉30と下扉40とに分けない一体の構造としてもよい。また、上扉30と下扉40とに分ける場合に、上扉30を、筐体1の側板にヒンジを介して回動自在に取り付けてもよい。
また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
また、下扉40の上部には、スロットマシンMを操作するための操作部50が設けられている。操作部50には、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ52、ゲームを開始させるためのスタートレバー53、回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチ54、メダルを投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン55、最大数の3枚のメダルをゲームに投資するときに操作されるMAXベットスイッチボタン56等が設けられる他、遊技の演出等を選択するための操作盤57や、表示ユニット58が設けられている。操作盤57は操作部50の幅方向(左右方向)の略中央部に配置され、メダル投入口42およびリジェクトボタン55を挟んで、右側に表示ユニット58が配置されている。なお、操作盤57には、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を有している。
また、下扉40の下部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが形成されている。また、操作部50とメダル受け皿43との間には液晶表示パネル45が取り付けられている。また、この液晶表示パネル45の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行うための照明装置46が設けられている。
前記照明装置34は、図2に示すように、装飾物100とベース部材110とを備えている。
装飾物100は、図3に示すように、遊技者から見て最前部(図3おいて左斜め下)に設けられた不透明または後方を視認困難な程度の透光性を有する前側装飾部材101と、この前側装飾部材101より後方に設けられ、かつ前後に重ね合された透光性を有する複数の透光性装飾部材(レンズ部材)102〜105とを有している。図2に示すように、ベース部材110の前面には、光源としてのLED(発光素子)140aが実装されたLED基板(発光素子基板)140が設けられている。このように照明装置34は、装飾物100と、LED140aが実装されたLED基板140を有するベース部材110とを備えている。さらに、照明装置34は、後述するLED163aが実装されたLED基板163を備えている。
前側装飾部材101は、図3に示すように、ベース部材101aと、ベース部材101aの前面および側面を覆うようにして当該ベース部材101aに取り付けられたカバー部材101bとを備えており、内部には、LED(発光素子)が実装されたLED基板、静電気防止部材およびロゴ等が施された透光性を有する装飾シートが設けられている。
カバー部材101bは透明な樹脂によって形成されており、その前壁は平坦に形成され、外周壁101dの表面には前後方向に延びる凹凸条が周方向に沿って複数形成され、これら凹凸条の表面に例えば金の蒸着膜が形成されている。また、カバー部材101bの前壁には後面側から透光性を有する前記装飾シートが密着している。この金の蒸着膜はその裏面側を視認困難な程度の透光性を有している。つまり、蒸着膜は半透明となっている。
また、図3に示すように、ベース部材101aは、その底板の後面に、後方に向けて突出する4本の突出部106を有している(図中、1本は見えない)。4本の突出部106は、先端部側ほど小径なっており、その先端部106aの先端面にねじ孔106bを有している。この先端部106aはLED基板140に設けられた貫通部140bに挿通されるようになっている。また、突出部106の長さは、前後に重ね合された複数の透光性装飾部材102〜105を貫通するに十分な長さとなっている。
また、図3に示すように、ベース部材101aの底板の裏面(後面)には後方に向けて突出する四角形筒状の筒状突出部(筒状通路部)107が設けられており、この筒状突出部107も突出部106と同様に先端部側ほど小径なっている。
また、筒状突出部(筒状通路部)107は樹脂によって白色不透明に形成され、当該筒状突出部(筒状通路部)107には、前記底板の前面側に取り付けられるLED基板の後面に設けられた接続端子に一端部が接続されて後方に向けて延びる図示しないハーネス(接続ケーブル)が挿通されている。したがって、筒状突出部(筒状通路部)107に挿通されているハーネスが筒状突出部107によって隠されてその外側から見ることはできない。
次に、図3を参照しながら透光性装飾部材102〜105について説明する。
図示のように、透光性装飾部材102は、透光性装飾部材103〜105の少なくとも前面側および上面側を覆うカバー部材であり、樹脂射出成形によって形成され、無色透明となっている。また、透光性装飾部材103〜105は形状および色が異なるレンズ部材103〜105である。
透光性装飾部材102は全体として横長の形状となっており、その前面の左右方向(横方向)の中央部に前側装飾部材101を装着するための装着座102aが設けられている。この装着座102aに前側装飾部材101のベース部材101aが設置されている。また、装着座102aの外周部には、周方向に沿って立壁102bが形成されている。この立壁102bの先端部に前側装飾部材101のカバー部材101bの外周壁101dの先端部が係合している。
また、装着座102aには、その略中央部に矩形の開口部102cが装着座102aを貫通して形成され、開口部102cより外側の装着座102aには、4つの円形状の挿通孔102dが装着座102aを貫通して形成されている。開口部102cおよび4つの挿通孔102dは、それぞれ装着座102aに設置された前側装飾部材101の筒状突出部107および4本の突出部106と同軸に配置されている。そして、開口部102cに前側装飾部材101の筒状突出部107が挿通され、4つの挿通孔102dにそれぞれ前側装飾部材101の突出部106が挿通されている。
また、透光性装飾部材102は、その装着座102aの周囲の立壁102bの外面および内面に前後方向に延びる凹凸条が立壁102bの周方向に複数形成されることで装飾されている。さらに、透光性装飾部材102は、その装着座102aの左右外側の部位が横断面凸曲面状に形成されることで装飾されているとともに、アウターレンズとしての機能を有するものとなっている。したがって、レンズ部材である透光性装飾部材(インナーレンズ)103〜105に加えて透光性装飾部材102もレンズ部材として機能するようになっている。
透光性装飾部材103は、樹脂射出成形によって形成され、例えば全体が青色透明となっている。この透光性装飾部材103は、全体として横長でかつ、上縁部側と下縁部側が後方に向けて湾曲し、上下方向中央部が前側に向けて湾曲した形状となっている。また、透光性装飾部材103の上縁部は左右の中央部を境として、互いに逆方向に斜め上方に突出した炎形状となっており、左右側ほど斜め上方に突出する炎形状の傾きが水平に近づいている。
また、透光性装飾部材103の前面には樹脂射出成形によって複数のレンズカット面が形成されている。レンズカット面は透光性装飾部材103の厚さ方向に対して様々な角度で傾斜するとともに、上述した炎形状に沿って延在している。
また、透光性装飾部材103の中央部には、4つの挿通孔111が透光性装飾部材103を貫通して設けられている。これらの4つの挿通孔111は、透光性装飾部材102の装着座102aに設けられた4つの挿通孔102dと同軸に設けられている。挿通孔111には前記前側装飾部材101の突出部106が挿通され、当該突出部106は挿通孔111の内周面にほぼ密接している。また、挿通孔111はストレート状の孔であってもよいし、突出部106の外周面に対応させて、先細りとなるテーパ状の孔であってもよい。
また、透光性装飾部材103にはその略中央部に矩形状の開口部112が透光性装飾部材103を貫通して形成されており、この開口部112には前記筒状突出部(筒状通路部)107が挿通されている。また、透光性装飾部材103には複数の開口部113が透光性装飾部材103を貫通して形成されている。これら開口部113は透光性装飾部材103の後方に配置される透光性装飾部材104の一部を透光性装飾部材103の前面側に露出させるもので、透光性装飾部材103の全域に亘って散在するようにして形成され、様々な形状となっているが、これら複数の開口部113によって透光性装飾部材103が全体的に炎の形状に形成されている。このような構成の透光性装飾部材103はその前面をカバー部材である透光性装飾部材102の後面側に向けて当該透光性装飾部材102の内側に挿入される。
透光性装飾部材104は、樹脂射出成形によって形成され、例えば透明ではないが白色でかつ透光性を有し、さらに透光性装飾部材104には光を拡散させるための拡散剤が含まれている。この透光性装飾部材104は全体として横長でかつ、上縁部側と下縁部側が後方に向けて湾曲し、上下方向中央部が前側に向けて湾曲した形状となっている。また、透光性装飾部材104の上縁部は左右の中央部を境として、互いに逆方向に斜め上方に突出した炎形状となっており、左右側ほど斜め上方に突出する炎形状の傾きが水平に近づいている。
また、透光性装飾部材104の前面には樹脂射出成形によって複数のレンズカット面が形成されている。レンズカット面は透光性装飾部材104の厚さ方向に対して様々な角度で傾斜するとともに、上述した炎形状に沿って延在している。また、透光性装飾部材104は、透光性装飾部材103の後面側に重ね合された状態において、上縁部が透光性装飾部材103の上縁部より斜め上方にはみ出しており、正面(前面)側から見た際に透光性装飾部材104の上縁部を見ることができるようになっている。
また、透光性装飾部材104の中央部には、4つの挿通孔121が透光性装飾部材104を貫通して設けられている。これらの4つの挿通孔121は、透光性装飾部材103に設けられた4つの挿通孔111と同軸に設けられている。挿通孔121には前記前側装飾部材101の突出部106が挿通され、当該突出部106は挿通孔121の内周面にほぼ密接している。また、挿通孔121はストレート状の孔であってもよいし、突出部106の外周面に対応させて、先細りとなるテーパ状の孔であってもよい。
また、透光性装飾部材104にはその略中央部に矩形状の開口部122が透光性装飾部材104を貫通して形成されており、この開口部122には前記筒状突出部107が挿通されている。また、透光性装飾部材104には複数の開口部123が形成されている。これら開口部123は透光性装飾部材104の後方に配置される透光性装飾部材105の一部を透光性装飾部材104の前面側に露出させるもので、透光性装飾部材104の全域に亘って散在するようにして形成され、様々な形状となっている。さらに、透光性装飾部材104の左右両端部の前面には、位置決め用の位置決孔104a,104aが設けられている。
このような構成の透光性装飾部材104はその前面を透光性装飾部材103の後面側に向けて当該透光性装飾部材103と重ね合されている。この状態において、透光性装飾部材103の後面に設けられている位置決突起が透光性装飾部材104の位置決孔104a,104aに嵌め込まれることによって、透光性装飾部材103に対する透光性装飾部材104の位置決めがなされている。なお、この場合、透光性装飾部材103の開口部113には透光性装飾部材104の一部が露出している。
透光性装飾部材105は、樹脂射出成形によって形成され、例えば全体が水色透明または薄い青色透明となっている。この透光性装飾部材105は全体として横長でかつ、上縁部側と下縁部側が後方に向けて湾曲し、上下方向中央部が前側に向けて湾曲した形状となっている。また、透光性装飾部材105の前面には樹脂射出成形によって複数のレンズカット面が形成されている。レンズカット面は透光性装飾部材105の厚さ方向に対して様々な角度で傾斜するとともに、上述した炎形状に沿って延在している。さらに、透光性装飾部材105の後面には樹脂射出成形によって多数の細かいレンズカット面が形成されている。また、透光性装飾部材105は、透光性装飾部材104の後面側に重ね合された状態において、上縁部が透光性装飾部材104の上縁部より斜め上方にはみ出しており、正面(前面)側から見た際に透光性装飾部材105の上縁部を見ることができるようになっている。
また、透光性装飾部材105の中央部には、4つの挿通孔131が透光性装飾部材105を貫通して設けられている。これらの4つの挿通孔131は、透光性装飾部材103に設けられた4つの挿通孔111および透光性装飾部材104に設けられた4つの挿通孔121と同軸に設けられている。挿通孔131には前記前側装飾部材101の突出部106が挿通され、当該突出部106は挿通孔131の内周面にほぼ密接している。また、挿通孔131はストレート状の孔であってもよいし、突出部106の外周面に対応させて、先細りとなるテーパ状の孔であってもよい。
また、透光性装飾部材105にはその略中央部に矩形状の開口部132が透光性装飾部材105を貫通して形成されており、この開口部132には前記筒状突出部107が挿通されている。また、透光性装飾部材105には複数の開口部133が形成されている。これら開口部133は透光性装飾部材105の前方に配置される透光性装飾部材104の一部を透光性装飾部材105の後面側に露出させるもので、透光性装飾部材105の全域に亘って散在するようにして形成され、様々な形状となっているが、これら複数の開口部133によって全体的に炎の形状が形成されている。さらに、透光性装飾部材105の左右両端部の前面には、位置決め用の位置決溝105a,105aが設けられている。
このような構成の透光性装飾部材105はその前面を透光性装飾部材104の後面側に向けて当該透光性装飾部材104と重ね合されている。この状態において、透光性装飾部材104の後面に設けられている位置決突起が透光性装飾部材105の前面に設けられている位置決溝105a,105aに嵌め込まれることによって、透光性装飾部材104に対する透光性装飾部材105の位置決めがなされている。なお、この場合、透光性装飾部材105の開口部133には透光性装飾部材104の一部が露出している。
図2に示すように、ベース部材110は、樹脂射出成形によって形成され、例えば全体が青色透明となっている。このベース部材110は、複数のLED140aが実装されたLED基板140が取り付けられる取付板部141と、この取付板部141の左右両側部に設けられた側壁部142,142と、側壁部142,142に架け渡された底板部143とを備えており、取付板部141の前面側にLED基板140が取り付けられている。また、底板部143の基端部には断面略L字形の壁部144が設けられており、この壁部144の上端部は取付板部141に接続されている。壁部144はベース部材110の幅方向(左右方向)に延在しており、当該壁部144の表面には細かい溝が多数形成されている。壁部144および底板部143はLED基板140より前側に位置しているので、LED140aの光の一部は壁部144および底板部143に照射されるようになっている。
LED基板140には、4つの貫通部140bが透光性装飾部材105の4つの挿通孔131とほぼ同軸に形成されている。なお、一例として、左下側の貫通部140bは半長円状の切欠部であり、その他の3つの貫通部140bは円形の貫通孔である。また、LED基板140の略中央部には、略矩形状の開口部140dがLED基板140を貫通して形成されている。
また、取付板部141の上縁部には左右に延在する帯板状の壁部141a,141bが設けられている。壁部141aは取付板部141の上縁部から前方に突出し、壁部141bは取付板部141の上縁部から上方に突出し、これら壁部141a,141bが直角に配置されている。一方、図3に示すように、透光性装飾部材105の上縁部には左右に延在する帯板状の突出板部105dが設けられている。また、図2に示すように、ベース部材110の底板部143の先端部には略波形に形成された係合部143aが形成されている。また、図示しないが、透光性装飾部材102の下縁部には、略波形に形成された係合部が形成されている。そして、ベース部材110の係合部143aに透光性装飾部材102の前記係合部が係合され、さらにベース部材110の壁部141aより上方側に透光性装飾部材105の突出板部105dが配置され、この突出板部105dの先端部が壁部141bに当接している。
このようにして、前後に重ね合された透光性装飾部材102〜105は、前側装飾部材101とベース部材110とによって挟み付けられている。すなわち、透光性装飾部材102の装着座102aに装着されている前側装飾部材101の4本の突出部106は、装着座102aに形成されている4つの挿通孔102d、透光性装飾部材103に形成されている4つの挿通孔111、透光性装飾部材104に形成されている4つの挿通孔121および透光性装飾部材105に形成されている4つの挿通孔131に挿通されたうえで、ベース部材110に取り付けられているLED基板140の4つの貫通部140bに挿通され、さらに、ベース部材110の取付板部141に形成されている4つの貫通孔に挿入されている。
そして、ベース部材110の背面(後面)側からねじを前記4つの貫通孔に挿入したうえで、前側装飾部材101の4つの突出部106に形成されているねじ孔にねじ込むことによって、ベース部材110と前側装飾部材101とによって、透光性装飾部材102〜105が挟み付けられて固定されている。
また、前側装飾部材101の筒状突出部(筒状通路部)107は、装着座102aに形成されている開口部102c、透光性装飾部材103に形成されている開口部112、透光性装飾部材104に形成されている開口部122および透光性装飾部材105に形成されている開口部132に挿通されたうえで、ベース部材110に取り付けられているLED基板140の開口部140dの開口縁部まで挿通され、筒状突出部107の先端部に設けられている係止部が開口部140dの左右両側に形成された切欠部に挿入されて係止している。
ベース部材110および装飾物100を有する照明装置34は、上扉30(図1参照)の上端部に取り付けられている。すなわち、図1および図2に示すように、上扉30の上端部には上扉側取付ベース160が取り付けられ、この上扉側取付ベース160の前面に取付ベース161が取り付けられている。この取付ベース161は、取付ベース本体162と、この取付ベース本体162の左右方向中央部に設けられるベース部材110とを備えている。取付ベース本体162の前面の左右両側にそれぞれ複数のLED163aが実装されたLED基板163がその前面を前方に向けて取り付けられている。また、取付ベース本体162の前面の左右両側にそれぞれ基板押え部材164がLED基板163に被さるようにして取り付けられ、これによってLED基板163は取付ベース161の前面に固定されている。なお、基板押え部材164には、LED163aを前面側に露出するための開口部164aが複数形成されている。
また、ベース部材110は左右の基板押え部材164,164間において取付ベース本体162に取り付けられている。そして、このベース部材110と前側装飾部材101とによって透光性装飾部材102〜105(図2参照)が挟み付けられることで、装飾物100が上扉30の上端部に取り付けられている。そして、透光性装飾部材(レンズ部材)102〜105の左右中央部の部分に、ベース部材110に設けられているLED基板140のLED140aから光が照射され、透光性装飾部材(レンズ部材)102〜105の左右両側部の部分に、取付ベース161に設けられているLED基板163のLED163aから光が照射されるようになっている。
ところで、射出成形によって形成される前述した樹脂成形品としての透光性装飾部材102〜105においては、これらの透光性装飾部材を金型から抜き出すために押し出しピンが使用され、その押し出しピンの先端が透光性装飾部材に当接することによって透光性装飾部材の背面にはその痕跡として当て座が残存するが、本実施の形態では、この当て座が意匠を構成するようになっている。以下、これについて、図4ないし図6を参照しつつ、内側の2つの透光性装飾部材103,104を例にとって説明する。
図4には、前述した透光性装飾部材103の背面が示される。図示のように、この透光性装飾部材103の背面には、透光性装飾部材103を金型から抜き出すための押し出しピンの先端が透光性装飾部材103に当接することによってその痕跡として当て座90が残存する。この図では、当て座90が透光性装飾部材103の背面のほぼ全体にわたって存在するが、金型の設計態様や透光性装飾部材の形態によっては当て座を透光性装飾部材の外周端縁部に割り当てることも可能であり、したがって、図示のように当て座が透光性装飾部材103の背面のほぼ全体にわたって存在しない場合も考えられる。しかしながら。本実施の形態では、遊技者によって目視できない透光性装飾部材の部位に当て座を割り当てる(目視できない透光性装飾部材の部位に押し出しピンを押し当てる)ことが難しい場合を想定して、当て座90が透光性装飾部材103の背面のほぼ全体にわたって存在する場合について説明する(図6も同様)。
図4に示すように、少なくとも外部から遊技者が当て座90を視認可能な透光性装飾部材103の領域R10,R11,R12,R13,R14,R18,R19,R20,R21,R22では、当て座90が意匠を構成している。具体的には、本実施の形態において、透光性装飾部材103の左右両側のこれらの領域R10,R11,R12,R13,R14,R18,R19,R20,R21,R22(実線で囲まれる左側の5つの点在領域R10,R11,R12,R13,R14および実線で囲まれる右側の5つの点在領域R18,R19,R20,R21,R22)内に位置される当て座90の外周は、領域R12を拡大した図5に明確に示されるように、透光性装飾部材103の周縁部の炎形状に対応して炎形状または星形の意匠(デザイン)が施されて成る第1の意匠形態部92Aとして形成されている。
この第1の意匠形態部92Aは、例えば、当て座90の平面部位と面一の状態から透光性装飾部材103の背面部位と面一の状態へと滑らかに傾斜するように延びてもよく、その形成形態は任意に設定できる。また、第1の意匠形態部92Aが形成する炎は、意匠に違和感が生じないように、例えばその形成位置付近における透光性装飾部材103の外周縁部の炎の延在方向にほぼ沿って延びていることが好ましい。また、第1の意匠形態部92Aの表面は、図5に明確に示されるように凹凸を有してもよいが、滑らかな面として形成されてもよい。また、第1の意匠形態部92Aは、当て座90の外周全体にわたって形成されてもよいが、当て座90の外周の一部のみに形成されても構わない。また、第1の意匠形態部92Aは、図5に明確に示されるように当て座90から直接に延在していてもよいが、当て座90から所定の隙間を隔てて形成されてもよい。
当て座90自体の形状は、本実施の形態では平坦であるが、任意の断面形状を有していても構わない。また、当て座90が構成する意匠、すなわち、第1の意匠形態部92Aの形状は、星形や炎形状以外の形状であってもよく、透光性装飾部材103が伴う装飾形態に対応して適宜決定されればよい。
また、このような当て座90の意匠、すなわち、第1の意匠形態部92Aは、透光性装飾部材103の成形時に同時に成形されてもよく、あるいは、透光性装飾部材103の成形後に加工等によって設けられてもよく、その形成形態も任意である。
また、透光性装飾部材103に残存する当て座90の全てがこのような意匠を構成してもよいが、例えば、外部から遊技者が当て座90を視認可能な透光性装飾部材103の領域10,R11,R12,R13,R14,R18,R19,R20,R21,R22でのみ当て座90が意匠を構成し、外部から遊技者が当て座90を視認不可能な透光性装飾部材103の中央領域(破線で示される領域)R15,R16,R17では当て座90が敢えて意匠を構成しなくてもよい。しかしながら、当て座90を視認可能な透光性装飾部材103の領域で当て座90が意匠を構成することとのバランスから、本実施の形態では、当て座90を視認不可能な透光性装飾部材103の中央の3つの点在領域R15,R16,R17に位置される当て座90に対して簡易な意匠、例えば円形等の形状の意匠(第2の意匠形態部92B)を当て座90の外周等に施している。
図6には、前述した別の透光性装飾部材104の背面が示される。図示のように、この透光性装飾部材104の背面にもそのほぼ全体にわたって当て座90が存在し、外部から遊技者が当て座90を視認可能な透光性装飾部材104の左右の実線で囲まれる領域R1,R2,R6,R7では、透光性装飾部材103と同様な形態で当て座90が意匠を構成し、すなわち、当て座90の外周を透光性装飾部材104の周縁部の炎形状に対応して炎形状または星形の意匠(デザイン)が施されて成る第1の意匠形態部92Aとして形成し、一方、外部から遊技者が当て座90を視認不可能な透光性装飾部材104の中央領域(破線で示される領域)R3,R4,R5では、当て座90に対して簡易な意匠、例えば円形等の形状の意匠(第2の意匠形態部92B)を当て座90の外周等に施している。
無論、このような当て座90の意匠化(デザイン化)は、他の2つの透光性装飾部材102,105に対して行なわれる。
以上説明したように、本実施の形態においては、成形品である透光性装飾部材102〜105に必然的に残存する押し出しピンの当て座90が意匠を構成しているため、透光性装飾部材102〜105が導光されて発光した際に、当て座90が遊技者から見えてしまう場合であっても、その発光した透光性装飾部材102〜105のデザイン(意匠性)が当て座90によって損なわれてしまうことがない。言い換えると、透光性装飾部材102〜105の意匠性を損なうことなく当て座90の割り当て位置を任意に設定できる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、前述の実施の形態では、前後に重ね合される透光性装飾部材として、4つの透光性装飾部材102〜105を例にとって説明したが、前後に重ね合される透光性装飾部材の数はこれに限ることなく、2つ以上であればよい。また、前述の実施の形態では、照明装置34の透光性装飾部材を例にとって説明したが、本発明は、遊技機を構成するあらゆる透光性装飾部材に対して適用できる。
また、前述の実施の形態では、当て座が意匠を構成する形態として、当て座の外周に意匠が施される形態について説明したが、当て座の意匠化は、透光性装飾部材自体が伴う意匠の一部を当て座が構成するような形態で実現されてもよい。また、当て座の意匠化は、遊技者が外側から見て当て座が意匠を構成していると認識できる状態、例えば、透光性装飾部材の背面に形成される当て座に直接に意匠を施さずに、当て座の位置に対応する透光性装飾部材の表面部位(当て座が位置する面とは反対側に位置する透光性装飾部材の面)で当て座またはその外周に対応する位置に意匠を施す形態で成されてもよい。