JP2019117330A - 撮影装置、及び撮影システム - Google Patents
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Abstract
Description
図1乃至図18を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。まずは、図1を用いて、特殊撮影装置1aの外観を説明する。図1は、第1の実施形態に係る特殊撮影装置の外観図であり、(a)は特殊撮影装置の左側面図であり、(b)は特殊撮影装置の背面図であり、(c)は特殊撮影装置の平面図であり、(d)は特殊撮影装置の底面図である。
次に、図2を用いて、特殊撮影装置1aの回動状態について説明する。図2は、特殊撮影装置の回動状態を示した図である。図2(a),(b)は、撮影ユニット171a、171bがお互いに接触し、2つのレンズ102a、102bを反対側に配置した場合の状態を示している。なお、図2(a)の撮影ユニット171bの位置を基準位置とする。
図3を用いて、特殊撮影装置の回動部の回動機構について説明する。図3は、第1の実施形態に係る特殊撮影装置の回動部の回動機構を説明する図である。
図4は、第1の実施形態に係る特殊撮影装置の回動部の回動状態を検出する検出機構である。図4を用いて、特殊撮影装置1aの回動部の回動状態を検出する方法について説明する。撮影ユニット171aにスイッチ190を、撮影ユニット171bにスイッチ190を押すスイッチ用凸部191を設けることにより、スイッチ出力によって回動状態が閉じた状態(図2(a))であるか、開いた状態(図2(c)、(e))であるかの判別を行うことができる。また、任意角度(図2(e))の場合には、回転軸にロータリーエンコーダやポテンショメータを設けることにより角度の取得を行うことで、回動機構の回動角度の度合いを検知することが可能である。
図5は、第1の実施形態に係る特殊撮影装置の電気的なハードウェア構成図である。図5に示されているように、特殊撮影装置1aは、撮像ユニット101a、画像処理ユニット104、撮像制御ユニット105、マイク108、音処理ユニット109、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、SRAM(Static Random Access Memory)113、DRAM(Dynamic Random Access Memory)114、操作部115、ネットワークI/F116、通信部117、アンテナ117a、電子コンパス118、
ジャイロセンサ119、加速度センサ120、スイッチ190、及びポテンショメータ193によって構成されている。
次に、図6を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図6は、本実施形態の撮影システムの一部を構成する、特殊撮影装置1aの各機能ブロック図である。
まず、図6を用いて、特殊撮影装置1aの機能構成について詳細に説明する。図6に示されているように、特殊撮影装置1aは、受付部12、撮像部13、集音部14、画像・音処理部15、切替部16、判断部17,出力部18及び記憶・読出部19を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、SRAM113からDRAM114上に展開された特殊撮影装置用のプログラムに従ったCPU111からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、特殊撮影装置1aは、図5に示されているROM112、SRAM113、及びDRAM114によって構築される記憶部1000を有している。
次に、図5及び図6を用いて、特殊撮影装置1aの各機能構成について更に詳細に説明する。
次に、特殊撮影装置1aの撮影モードについて説明する。特殊撮影装置1aの撮影モードとして、全天球モード、ステレオモードの2つが存在する。全天球モードは、例えば回動状態が図2(a)の場合に適した撮影モードであり、ステレオモードは、例えば回動状態が図2(b)の場合に適した撮影モードである。撮影モードは、後述する特殊撮影装置1aの回動状態から設定するようにしてもよいし、ユーザが任意に撮影モードを設定するようにしてもよい。各撮影モードにおける特殊撮影装置1aからのデータ出力形式については後述する。
次に、図7を用いて、特殊撮影装置1aの使用状況を説明する。なお、図7は、特殊撮影装置1aの使用イメージ図である。特殊撮影装置1aは、図7に示されているように、例えば、ユーザが手に持ってユーザの周りの被写体を撮影するために用いられる。この場合、図1に示されている撮像素子103a及び撮像素子103bによって、それぞれユーザの周りの被写体が撮像されることで、2つの半球画像を得ることができる。
続いて、図8乃至図10を用いて、出力画像の例を説明する。図8乃至図10は、特殊撮影装置1aの出力画像の例を示した図である。
図11を用いて、特殊撮影装置1aで撮影された画像から正距円筒射影画像(全天球画像)が作成されるまでの処理の概略を説明する。なお、図11(a)は特殊撮影装置で撮影された半球画像(前側)、図11(b)は特殊撮影装置で撮影された半球画像(後側)、図11(c)は正距円筒射影画像を示した図である。
次に、ステレオグラムに関して簡単に説明する。ステレオグラムとは2つのカメラの視差を利用することで画像を立体的に見せることを目的とした2次元の画像である。また、人間が2次元の画像を3次元的に見る方法を立体視という。平面ステレオ(Planar Stereo)における視差とは、2つの画像上における投影点の横方向のずれ量であり、視差を生じている2枚の画像を横に並べたものがステレオグラム画像である。また、このときの視差の意味合いとしては、奥行き(の逆数)を示し、2つの画像の各対応位置における視差を数値として記録したものが視差画像となる。一方で、本実施形態における全天球ステレオ(Spherical Stereo)の視差とは、一般的な透視射影方式の画像とは異なるため、平面ステレオの場合の視差とは異なるものである。視差の定義に関しては、以下の文献に記載されているので詳細は述べないが、意味合いとしては撮影点からの距離(の逆数)に相当する。平面ステレオ、全天球ステレオは、ともに遠くの被写体になるほど視差は0に近づく。これに関しては、非特許文献(Shigang Li. “Binocular Spherical Stereo” IEEE Transactions on Intelligent Transportation Systems. Vol. 9, Issue. 4, 2008, pp. 589-600.)に詳細に記載されている。
次に、シングル及びデュアルフィッシュアイ画像について説明する。シングル画像、デュアルフィッシュアイ画像は、特殊撮影装置1aにおける2つの(魚眼)レンズ102a,102bを通して撮影された画像の射影方式を変更せずに、そのまま魚眼画像として出力された画像である。特殊撮影装置1aは2つの魚眼レンズを用いているので、2つの魚眼画像が生成され、左右に並べて1枚の画像として出力したものがデュアルフィッシュアイ画像である。また、シングルフィッシュアイ画像は、2つの魚眼画像のうち、どちらかに相当する魚眼画像を示している。
次に、カメラ座標系の説明と、回動角度による光軸に関して説明を行う。
図12は、カメラ座標系について説明する図である。ここでカメラ座標系とは特殊撮影装置のレンズ102aの焦点位置を原点とし、筐体の水平方向をX軸、鉛直方向をY軸、光軸方向をZ軸とし、カメラの姿勢により変化するローカル座標系である。
図14は、撮影モードと出力形式の例を説明する図である。ここでは、特殊撮影装置1aの回動状態と、この回動状態の場合に選択可能な撮影モードおよび出力画像の対応関係の例を示している。以下回動角度に応じて選択可能な撮影モードと、出力画像についての説明を行う。
まず、回動角度が0度の場合の例を説明する。回動角度が0度の時は、図13(a)で示したように、それぞれのレンズ102a,102bの光軸が反対方向を向くこととなるので、例えば(魚眼)レンズ102a,102bの画角が180度であるとした場合には2つの(魚眼)レンズ102a,102bを通して撮影される画像において重なる部分がないということとなる。そのため2つの魚眼画像間における視差を取得することはできない。また画角が180度を超える場合は撮影対象が重なる部分は存在するがレンズ102a,102b周辺部の限定された領域となるためステレオ画像を生成する目的としては不向きである。そのため、回動状態が0度の時に選択可能な撮影モードを全天球モードに限定している。この時の出力形式としては、正距円筒射影画像が扱いやすく便利であるため、図14(1)のように正距円筒射影画像を出力形式としている。なお、180度を超える(魚眼)レンズ102a,102bを使用している場合等にそれぞれの180度を超える領域の画像データを取得する必要があるならばデュアルフィッシュアイ画像出力を選択できるようにすれば良い。もちろん出力形式は排他でなく、複数の形式で出力してもよい。
次に、回動角度が180度の場合の例を説明する。回動角度が180度の時は、図13(b)で示したような、2つの光軸の関係となっている。2つのレンズ102a,102bの焦点を通る直線に対し光軸oa1と光軸oa2は垂直な方向を向いており、製造上の組み付け誤差を除けば2つの光軸は平行関係にある。つまりこの状態は平行ステレオとなる配置状態であり、従ってレンズの距離分だけ視差画像が取得でき、ステレオモードで撮影するのに好適である。また、2つのレンズ102a,102b間で露出などの撮影条件を変えて撮影することにより、HDR(ハイダイナミックレンジ)画像を作成するための画像を取得することができる。ここでは2つのレンズ102a,102bを通して露出の異なる2枚の画像を同時に取得するモードを「HDRモード」と呼ぶこととする。以上より、回動状態が180度の場合はステレオモードまたはHDRモードで撮影することに適しており、どちらかを選択できるとした。またステレオモードの場合は、さらに平面ステレオもしくは全天球ステレオのデータ処理の選択肢を設けている。魚眼レンズの特性を活かした広い画角の距離データを算出したい用途においては全天球ステレオを使用し、ステレオグラム画像を作成したい場合は平面ステレオを選択すれば良い。なお、撮影モード及びデータ処理の選択は、予めユーザが操作部115を介して撮影モード及びデータ処理を指定し、特殊撮影装置のCPU111が、ユーザによって選択された撮影モード及びデータ処理に従った撮影及びデータ処理を行う。画像の出力形式は、平面ステレオの場合は図14(2)のようにステレオグラム画像、全天球ステレオの場合は図14(3)のようにシングルフィッシュアイ画像、図14(4)のようにHDRモードの場合は、正距円筒射影画像もしくはデュアルフィッシュアイ画像が選択できるようになっている。ここでHDRモード時に正距円筒射影画像と、デュアルフィッシュアイの選択を設けた理由としてはデュアルフィッシュアイ画像として出力した場合は表示のアプリケーション側で露出を調整した画像を生成することができるためである。1枚の正距円筒射影画像で出力するときは画像生成時に露出の異なる2枚の画像から高ダイナミックレンジの画像を特殊装置内で作成し、半球分の正距円筒射影画像を生成することとする。
次に、回動角度が任意の場合の例を説明する。本実施形態では、回動角度が任意の場合は、0度より大きく180度未満の回動角度であるものとする。本実施形態では、回動角度が135度の場合について説明を行う。回動角度が135度の場合は、それぞれの光軸は平行にならない。そのためこのままではステレオ撮影に不向きである。一般的に任意のカメラ配置のステレオ画像を、平行ステレオのステレオ画像に変換する処理は、ステレオ画像の平行化(stereo image rectification)と呼ばれる。(引用:ディジタル画像処理[改定新版] CG-ARTS協会)
ここで、回動角度が135度の場合について詳細に説明する。図15および図16は、回動角度が135度の特殊撮影装置において、平行ステレオ状態とするために撮影画像に対し視線軸の補正を行う処理を説明する図である。視線軸を補正する前の画像では、それぞれのレンズ102a,102bの光軸oa1,2がそれぞれ取得される画像の視線軸sa1,2となっている。ここで、レンズ102a,102bの焦点を結ぶ軸をX’軸とする。そしてX’軸に対してそれぞれのレンズ102a,102bの焦点から垂直となる任意の方向を視線軸sa1,sa2とする。任意の方向としたのはX’軸に対する垂直な視線軸はX’軸の周りに無数存在するためである。無数存在はするが、1つ選べばよくここではそれぞれのレンズ102a,102bの焦点を通り、X’軸と、Y軸に直行する方向を視線軸sa1,視線軸sa2とする。そして光軸oa1,光軸oa2を視線軸sa1,視線軸sa2に変換した場合に撮影される画像は画像変換することで作成される。
続いて、図19を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成及び機能は同一の符号を付して、その説明を省略し、相違点のみ説明する。
続いて、図20を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成及び機能は同一の符号を付して、その説明を省略し、相違点のみ説明する。
続いて、図21を用いて、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成及び機能は同一の符号を付して、その説明を省略し、相違点のみ説明する。
図21は、第4の実施形態である特殊撮影装置1dのレンズ間距離の調整機構について示した図である。第4の実施形態の特殊撮影装置1dには、第1の実施形態に対し、撮影ユニット171a,171bの間のレンズ102a,102bの距離を調整する距離調整部178が追加となっている点が異なっている。距離調整部178は、図示を省略するがスライド機構等を設ける事により、レンズ間距離を変更できる機構を備えているものとする。
続いて、図22乃至図26を用いて、本発明の第5の実施形態について説明する。第1の実施形態と同一の構成及び機能は同一の符号を付して、その説明を省略し、相違点のみ説明する。図22は、特殊撮影装置1aを走行ロボットに搭載した場合の撮影システムの概略図である。
続いて、図27乃至34を用いて、本発明の第6の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成及び機能は同一の符号を付して、その説明を省略し、相違点のみ説明する。
まず、第1の実施形態の特殊撮影装置1aで利用する撮像素子について説明する。図27は利用する撮像素子の分光感度特性の例である。撮像素子は画素毎に分光感度特性に応じて、受け取った光を電気信号に変換し、信号データとして出力することができる。なお、撮像素子から出力された画像処理等の加工されていない信号データをRAWデータと呼ぶ。
特殊撮影装置1aで用いる撮像素子は、可視領域から近赤外領域までの一部又は全域に波長感度を備えている。可視領域とはおよそ380nm〜750nmの波長範囲であり、近赤外領域とはおよそ750nm〜1400nmの波長範囲である。なお、200nm〜380nmの波長範囲である紫外領域に波長感度をもっていてもよい。
次に、後述の特殊撮影装置1eで利用する各種フィルターについて説明する。
まずは、図28を用いて赤外カットフィルターの特性について説明する。赤外カットフィルターは可視領域の光のみを透過する特性を持ったフィルターあり、例えば図28(a)のような特性をしている。図28(b)の実線部は、図28(a)の赤外カットフィルターを図27に示された分光感度特性の撮像素子に装着した場合の分光感度特性を示したものである。すなわち、赤外カットフィルターによって分光感度特性を変更した場合、撮像素子はR、G、Bの3つのバンドに波長感度をもつことになる。なお、図28(b)の点線部は図27と同じ撮像素子の分光感度特性を表す。また、図28(b)の実線部の3つの山は、それぞれ低波長側から順に図28(b)の点線部のB、G、Rに対応する。
次に、図29を用いてデュアルバンドフィルターaについて説明する。デュアルバンドフィルターaは、可視領域と近赤外領域の一部のみの光を透過する特性を持ったフィルターであり、例えば図29(a)のような特性をしている。図29(b)の実線部は、図29(a)のデュアルバンドフィルターaを図27に示された分光感度特性の撮像素子に装着した場合の分光感度特性を示したものである。なお、図29(b)の点線部は図27と同じ撮像素子の分光感度特性を表す。また、図29(b)の実線部の4つの山のうち低波長側の3つの山は、それぞれ低波長側から順に図29(b)の点線部のB、G、Rに対応する。また、最も長波長側にある山は、図29(b)の点線部のうち、近赤外領域の一部に対応する。
次に、図30を用いてデュアルバンドフィルターbの特性について説明する。デュアルバンドフィルターbは、可視領域の一部と近赤外領域のみの光を透過する特性を持ったフィルターであり、例えば図30(a)のような特性をしている。図30(b)の実線部は、図28(b)の実線部の赤外カットフィルターを装着した分光感度特性の撮像素子に、さらに図30(a)のデュアルバンドフィルターbを重ねて装着した場合の分光感度特性を示したものである。なお、図30(b)の点線部は、図28(b)の実線部の分光感度特性を表す。また、図30(b)の実線部の3つの山は、それぞれ低波長側から順に図30(b)の点線部B、G、Rに対応する。
次に、本実施形態に係る特殊撮影装置1e,1fの分光感度特性変更手段について説明する。特殊撮影装置1e,1fは、撮影ユニット101で分光感度特性を変更できる機構を備えている。以下、図31及び図32を用いて分光感度特性変更手段の例として、フィルター着脱方式、可変波長フィルター方式について説明する。
図31は、フィルター着脱方式を用いる特殊撮影装置1eの電気的なハードウェア構成を示したものである。特殊撮影装置1eは、特殊撮影装置1aに対して、更に、モーター制御ユニット106a、モーター107a,107bを備えている。また、特殊撮影装置1eは、特殊撮影装置1aの撮影ユニット101aに替えて、撮影ユニット101bを備えている。この撮影ユニット101bは、レンズ102aと撮像素子103aとの間に挿脱可能なフィルター108aを備えると共に、レンズ102bと撮像素子103bとの間に挿脱可能なフィルター108bを備える点で、撮影ユニット101aの構成とは異なる。また、モーター制御ユニット106aは、モーター107a及びモーター107bの駆動を制御する。モーター107aはフィルター108aの挿脱を制御し、モーター107bはフィルター108bの挿脱を制御する。
図32は、可変波長フィルター方式を用いる特殊撮影装置1fの電気的なハードウェア構成を示したものである。特殊撮影装置1fは、特殊撮影装置1aに対して、更に、フィルター制御ユニット106b、可変波長フィルター121a,121bを備えている。また、特殊撮影装置1fは、特殊撮影装置1aの撮影ユニット101aに替えて、撮影ユニット101cを備えている。この撮影ユニット101cは、レンズ102aと撮像素子103aとの間に可変波長フィルター121aを備えると共に、レンズ102bと撮像素子103bとの間に可変波長フィルター121bを備える点で、撮影ユニット101aの構成とは異なる。また、フィルター制御ユニット106bは、電気信号におって、可変波長フィルター121a,121bの透過する波長を可変させる制御を行う。これにより、撮像素子103a,103bが受光する光の波長の感度を個別に変更できるようにする。
次に、分光感度特性を変更するタイミングについて説明する。本実施形態では、装置の回動状態が変更された際、例えば全天球モードからステレオモードへの変更、ステレオモードから全天球モードへの変更を検知した際に、撮像素子103a、103bの分光感度特性を自動で変更できるようにする。また、定常的に特殊撮影装置1e,1fの回動状態を監視し回動状態に対応する撮影モードやユーザが選択した撮影モードに応じて自動で分光感度特性を変更するようにしてもよい。
特殊撮影装置1e,1fは、分光感度特性の状態に応じて、データ処理方法を自由に変更できるようにする。以下、分光感度特性に応じたデータ処理方法の実施形態について説明する。図33に撮影モードとフィルターの組み合わせ例について示す。また、図34に特殊撮影装置1e,1fのデータ処理から得られる擬似的な分光感度特性の一例を示す。
まず、図33の(11)のパターンについて説明する。本実施形態の特殊撮影装置1e,1fの回動状態が全天球モードである場合に、図28(a)の赤外カットフィルターを装着することで撮像素子103a、103bが図28(b)の実線部の分光感度特性となるようにする。このとき、特殊撮影装置1e,1fは、両方の撮像素子103a、103bから得られる2つの半球画像から正距円筒射影画像を作成することで可視領域に分光感度特性を持つ全天球カメラとして利用することができる。
次に、図33の(15)のパターンについて説明する。特殊撮影装置1e,1fの回動状態がステレオモードである場合に、撮像素子103aには図28(a)の赤外カットフィルターを装着して図28(b)の実線部の分光感度特性となるようにし、撮像素子103bにはフィルターを装着せず図28(b)の点線部の分光感度特性となるようにする。このとき、撮像素子103bの出力するRAWデータから撮像素子103aの出力するRAWデータを特殊撮影装置1e,1f内部の画像処理ユニット104または特殊撮影装置1e,1f外部のPC等の計算機で、画像の位置あわせや減算処理等を行うことによって、図34(a)の実線部のような分光感度特性を持つデータを擬似的に作成することができる。また、波長帯ごとに別々の単バンドデータとして分離する処理を行ってもよい。単バンドデータとは、特定の波長帯のみのデータである。たとえば、図28(b)の実線部のデータは低波長側から順にB、G、Rバンドに分離することができる。さらに、図34(a)の実線部のデータのうち、図28(b)の実線部のRに対応する部分は、可視領域の分光感度が非常に小さく、近赤外領域の分光感度が大きいため、近赤外領域のみに分光感度をもつNIRバンドのデータとみなすことができる。すなわち、Rバンド、Gバンド、Bバンド、NIRバンド(近赤外バンド)の4バンドスペクトルカメラとして利用することができる。なお、図34(a)の点線部は図27の撮像素子の分光感度特性を表している。
特殊撮影装置1e,1fは、撮像素子から得られるRAWデータ、画像データ、単バンドデータ、マルチスペクトル画像データ、マルチスペクトル構造化データなどを保存できるようにする。
画像データは、第1の実施形態でも述べたデュアルフィッシュアイまたはシングルフィッシュアイ、正距円筒射影画像などである。なお、全天球モード、ステレオモードで保存する画像を変更できるようにする。データを保存する際、メタ情報を追加で付与するようにしてよい。このとき付与されるメタ情報は、分光感度特性変更方式の種別(フィルター着脱方式/可変波長フィルター方式)、回動状態の種別(ステレオ/全天球/中間、回動角度など)、回動方向(縦方向/横方向)、撮像素子の区別(撮像素子103a/撮像素子103b)、装着されたフィルターの有無、分光特性の種別(R/G/B/NIR(Near Infrared:近赤外線)など)、スティッチ処理の有無などである。
次に、マルチスペクトルデータについて説明する。本実施形態の特殊撮影装置1e,1fでは、波長帯ごとに分離したデータを、特殊撮影装置1e,1f内部の画像処理ユニット104または外部のPC等の計算機でデータを構造化した形式に変換し、メタデータを付与することで、複数の波長帯のデータを1つにまとめたXML(Extensible Markup Language)等のマルチスペクトル構造化データを作成できるようにする。なお、XML以外の構造化データを作成してもよい。また、複数の波長帯のデータを1つにまとめ、メタデータを付与したマルチスペクトル画像データを作成してもよい。なお、マルチスペクトル構造化データ、マルチスペクトル画像データに付与されるメタデータは、例えば、波長帯、輝度の飽和判定、その他の情報等を含むものとする。
次に、特殊撮影装置1e,1fによって取得された画像データの利用方法について述べる。特殊撮影装置1e,1fによって取得したRAWデータ、画像データ、その他のデータに対し、特殊撮影装置1e,1f内部の画像処理ユニット104または特殊撮影装置1e,1f外部のPC等の計算機で演算処理を行うことで、多様なアプリケーションとして利用できる。
16 切替部(切替手段の一例)
18 出力部(出力手段の一例)
103a 撮像素子(第1の撮像素子の一例)
103b 撮像素子(第2の撮像素子の一例)
106a モーター制御ユニット
106b フィルタ制御ユニット
107a、107b モーター
108a、108b フィルター
121a、121b 可変波長フィルター
171a、171c、171e 撮像ユニット(第1の撮像ユニットの一例)
171b、171d、171f 撮像ユニット(第2の撮像ユニットの一例)
174a、174b、174c、174d 回動部(変更手段の一例、検知手段の一例)
190 スイッチ(検知手段の一例)
302 通信部(通信手段の一例)
332 回動駆動部(駆動手段の一例)
Claims (12)
- 第1の撮像素子によって得られた第1の画像と第2の撮像素子によって得られた第2の画像とを合成することにより、全天球画像を作成する撮影装置であって、
前記第2の撮像素子の撮像方向を変更する変更手段と、
前記変更手段による変更に基づいて、前記全天球撮影する第1の撮影モードと前記全天球撮影しない第2の撮影モードとを切り替える切替手段と、
を有することを特徴とする撮影装置。 - 前記変更手段は、前記第2の撮像素子を含む撮影ユニットを前記撮影装置に対して回動させる回動機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
- 前記回動機構は、回動の角度を任意に固定可能な機構であることを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
- 前記回動機構は、前記撮影装置の長手方向を軸に前記撮像ユニットを回動させる機構であることを特徴とする請求項2又は3に記載の撮影装置。
- 前記回動機構は、前記撮影装置の長手方向に垂直な方向を軸に前記撮像ユニットを回動させる機構であることを特徴とする請求項2又は3に記載の撮影装置。
- 前記変更手段は、前記第1の撮像素子を含む第1の撮影ユニット及び前記第2の撮像素子を含む第2の撮影ユニットをそれぞれ独立して前記撮影装置に対して回動させる回動機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
- 前記変更手段は、前記撮影ユニットを前記撮影装置に対してスライドさせるスライド機構を含むことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の撮影装置。
- 請求項1乃至7に記載の撮影装置であって、更に、
前記変更手段によって前記第2の撮像素子の撮像方向が変更されたことを検知する検知手段を有し、
前記検知手段による検知結果に基づいて、前記切替手段が、前記第1の撮影モードと前記第2の撮影モードとを切り替えることを特徴とする撮影装置。 - 前記検知手段は、前記変更手段による変更の度合いを検知し、
前記切替手段は、前記変更の度合いに応じて、前記第1の撮影モードと前記第2の撮影モードとを切り替えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の撮影装置。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の撮影装置であって、更に、
前記第1の画像及び前記第2の画像、並びに前記撮影方向の変更内容を示す変更情報を外部に出力する出力手段を有することを特徴とする撮影装置。 - 請求項1乃至10に記載の撮影装置と、
前記撮影装置を設置可能で移動可能な移動体と、
を有する撮影システムであって、
前記移動体は、
リモートコントローラから前記第1の撮影モード又は前記第2の撮影モードの指定を受信する通信手段と、
前記指定に基づいて、前記撮影装置の変更手段を駆動させる駆動手段と、
を有することを特徴とする撮影システム。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の撮影装置であって、更に、
前記変更手段による変更に基づいて、前記第1の撮像素子及び前記第2の撮像素子の撮の入射光を透過させる各レンズのうち少なくとも一方の光学特性を変化させる変化手段を有することを特徴とする撮影装置。
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