JP2019117225A - 反射材 - Google Patents
反射材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019117225A JP2019117225A JP2017249985A JP2017249985A JP2019117225A JP 2019117225 A JP2019117225 A JP 2019117225A JP 2017249985 A JP2017249985 A JP 2017249985A JP 2017249985 A JP2017249985 A JP 2017249985A JP 2019117225 A JP2019117225 A JP 2019117225A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- resin layer
- reflective material
- olefin
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【課題】良好な反射特性、機械的特性、耐熱性を有しながら、かつ、輝度ムラの発生を抑制し、液晶ディスプレイの薄型化に対応可能で、連続生産性に優れた反射材を提供する。【解決手段】シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、及びその他のオレフィン系樹脂(c)を含有する樹脂層(A)と、オレフィン系樹脂を含有し、且つ空隙を有する樹脂層(B)とを有する反射材。空隙率が10〜80%で、表面粗さRzが5〜30μm、表面粗さRsmが150〜400μmであることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は反射材に関する。更に詳しくは、本発明は、液晶ディスプレイ、照明器具、照明看板などの構成部材として好適に使用することができる反射材に関する。
液晶ディスプレイをはじめ、照明器具や照明看板など多くの分野で反射材が使用されている。最近では、液晶ディスプレイの分野において装置の大型化及び表示性能の高度化が進み、少しでも多くの光を液晶に供給してバックライトユニットの性能を向上させることが求められるようになり、反射材に対しても、より一層優れた光反射性(単に「反射性」ともいう)が求められている。
反射材として、例えば芳香族ポリエステル系樹脂を主原料とする白色ポリエステルフィルムを用いた液晶ディスプレイ用の反射フィルムが知られている(特許文献1参照)。
しかし、反射材の材料として芳香族ポリエステル系樹脂を用いた場合、分子鎖中に含まれる芳香環が紫外線を吸収するため、液晶表示装置等の光源から発せられる紫外線によって、フィルムが劣化、黄変して、反射フィルムの光反射性が低下するという問題があった。
しかし、反射材の材料として芳香族ポリエステル系樹脂を用いた場合、分子鎖中に含まれる芳香環が紫外線を吸収するため、液晶表示装置等の光源から発せられる紫外線によって、フィルムが劣化、黄変して、反射フィルムの光反射性が低下するという問題があった。
また、ポリプロピレン樹脂に充填剤を添加して形成されたフィルムを延伸することによって、フィルム内に微細な空隙を形成させ、光散乱反射を生じさせた反射材(特許文献2参照)や、オレフィン系樹脂とフィラーを含有する基材層と、オレフィン系樹脂を含む層より構成された積層構成のオレフィン系樹脂光反射体も知られている(特許文献3参照)。
このようなオレフィン系樹脂を用いた反射フィルムは、紫外線によるフィルムの劣化や黄変の問題が少ないという特徴を有する。
さらに、ポリプロピレン樹脂と、該ポリプロピレン樹脂と非相溶性の樹脂の少なくとも1種以上とを含む、熱収縮率が低減された二軸延伸反射シートが知られている(特許文献4参照)。この反射シートは、無機粉末を多量に含まなくとも、坪量、密度が同程度の従来の反射シートに比べてより高い反射率を示すという特徴を備えるものである。
このようなオレフィン系樹脂を用いた反射フィルムは、紫外線によるフィルムの劣化や黄変の問題が少ないという特徴を有する。
さらに、ポリプロピレン樹脂と、該ポリプロピレン樹脂と非相溶性の樹脂の少なくとも1種以上とを含む、熱収縮率が低減された二軸延伸反射シートが知られている(特許文献4参照)。この反射シートは、無機粉末を多量に含まなくとも、坪量、密度が同程度の従来の反射シートに比べてより高い反射率を示すという特徴を備えるものである。
近年、液晶ディスプレイには更なる薄型化が要求されており、バックライトに関しても薄型化が求められている。バックライトを薄型化する場合、背面筐体や導光板などの部材を薄くする必要がある。しかしながら、これらの部材を薄くするとバックライトの機械的強度が低下するため、例えばディスプレイ本体へ外力が加わった場合に、特に導光板と反射材との接触圧力ムラが大きくなる傾向にある。導光板と反射材が局所的に強く接触すると、貼り付きムラや、導光板へのダメージ(傷つき)が発生し、輝度ムラの原因となる。そのため、薄型化された液晶ディスプレイに使用されるバックライトには更に輝度ムラ防止機能が付与された反射材が要求されている。
従来、輝度ムラを抑制する技術としては、例えば、特定の粒子を用いて特定の粒子含有層を形成した反射材(特許文献5)や、特定の有機粒子を反射材に混練した反射材(特許文献6)も提案されている。
従来、輝度ムラを抑制する技術としては、例えば、特定の粒子を用いて特定の粒子含有層を形成した反射材(特許文献5)や、特定の有機粒子を反射材に混練した反射材(特許文献6)も提案されている。
特許文献5に開示された技術によれば、輝度ムラは改良されるものの、コーティング層が厚いことから反射材自体も厚くなるため、液晶ディスプレイのバックライトユニットを薄型化するという目的からは逆行する場合があり、液晶ディスプレイに要求される光学性能を十分に満足することは困難であった。また、片面へのみコーティング層を付与しているため、加熱によって反射材にカールが発生してしまい、液晶ディスプレイの内部温度によっては導光板等へ影響を与える恐れも有る。また、反射材にカールが生じると、バックライト組立時の歩留りが低下したり、バックライトに光漏れやシワによる輝度ムラが発生するなどの問題も生じることとなる。
特許文献6に開示された技術によれば、輝度ムラは改良されているが、導光板に接触する層にも有機ビーズを含有しているので、押出機中の粒子のフィルタリングは必須となる。そのため、フィルターを頻繁に交換する必要性が有り、また、粒子のコンタミネーションの防止対策も必要なことから、連続生産性に劣る。
特許文献6に開示された技術によれば、輝度ムラは改良されているが、導光板に接触する層にも有機ビーズを含有しているので、押出機中の粒子のフィルタリングは必須となる。そのため、フィルターを頻繁に交換する必要性が有り、また、粒子のコンタミネーションの防止対策も必要なことから、連続生産性に劣る。
そこで本発明の目的は、良好な反射特性、機械的特性、耐熱性を有しながら、かつ、輝度ムラの発生を抑制し、液晶ディスプレイの薄型化に対応可能で、連続生産性に優れた反射材を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定のポリオレフィン系樹脂を3成分必須とする構成によれば、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[14]に存する。
[1] シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、及びその他のオレフィン系樹脂(c)を含有する樹脂層(A)と、オレフィン系樹脂を含有し、且つ空隙を有する樹脂層(B)とを有する反射材。
[2] 空隙率が10〜80%である[1]に記載の反射材。
[3] 表面粗さが下記(i)及び(ii)のうち少なくとも何れかを満たす[1]又は[2]に記載の反射材。
(i)表面粗さRzが5〜30μm
(ii)表面粗さRsmが150〜400μm
[4] 樹脂層(A)中におけるポリメチルペンテン樹脂(b)の含有割合が5〜60質量%である[1]〜[3]の何れかに記載の反射材。
[5] ポリメチルペンテン樹脂(b)の結晶化温度が170〜250℃である[1]〜[4]の何れかに記載の反射材。
[6] ポリメチルペンテン樹脂(b)は、動的粘弾性測定(振動周波数10Hz、歪み0.1%)において測定される貯蔵弾性率E’が下記(1)及び(2)のうち少なくとも何れかを満たす[1]〜[5]の何れかに記載の反射材。
(1)100℃の貯蔵弾性率(E’(100))が100MPa〜1GPa
(2)200℃の貯蔵弾性率(E’(200))が1〜100MPa
[7] シクロオレフィン系樹脂(a)のガラス転移温度が70〜170℃である[1]〜[6]の何れかに記載の反射材。
[8] その他のオレフィン系樹脂(c)としてポリプロピレン樹脂を含有する[1]〜[7]の何れかに記載の反射材。
[9] 樹脂層(B)中に微粉状充填剤を10〜80質量%含有する[1]〜[8]の何れかに記載の反射材。
[10] 樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚み比が、樹脂層(A):樹脂層(B)=1:2〜1:15である[1]〜[9]の何れかに記載の反射材。
[11] 樹脂層(B)の両面に樹脂層(A)を有する[1]〜[10]の何れかに記載の反射材。
[12] 樹脂層(A)が反射使用面である[1]〜[11]の何れかに記載の反射材。
[13] 液晶ディスプレイ、照明器具、照明看板]の何れかの構成部材として使用される[1]〜[12]の何れかに記載の反射材。
[14] [1]〜[12]の何れかに記載の反射材を構成部材とする液晶ディスプレイ、照明器具、又は照明看板。
[1] シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、及びその他のオレフィン系樹脂(c)を含有する樹脂層(A)と、オレフィン系樹脂を含有し、且つ空隙を有する樹脂層(B)とを有する反射材。
[2] 空隙率が10〜80%である[1]に記載の反射材。
[3] 表面粗さが下記(i)及び(ii)のうち少なくとも何れかを満たす[1]又は[2]に記載の反射材。
(i)表面粗さRzが5〜30μm
(ii)表面粗さRsmが150〜400μm
[4] 樹脂層(A)中におけるポリメチルペンテン樹脂(b)の含有割合が5〜60質量%である[1]〜[3]の何れかに記載の反射材。
[5] ポリメチルペンテン樹脂(b)の結晶化温度が170〜250℃である[1]〜[4]の何れかに記載の反射材。
[6] ポリメチルペンテン樹脂(b)は、動的粘弾性測定(振動周波数10Hz、歪み0.1%)において測定される貯蔵弾性率E’が下記(1)及び(2)のうち少なくとも何れかを満たす[1]〜[5]の何れかに記載の反射材。
(1)100℃の貯蔵弾性率(E’(100))が100MPa〜1GPa
(2)200℃の貯蔵弾性率(E’(200))が1〜100MPa
[7] シクロオレフィン系樹脂(a)のガラス転移温度が70〜170℃である[1]〜[6]の何れかに記載の反射材。
[8] その他のオレフィン系樹脂(c)としてポリプロピレン樹脂を含有する[1]〜[7]の何れかに記載の反射材。
[9] 樹脂層(B)中に微粉状充填剤を10〜80質量%含有する[1]〜[8]の何れかに記載の反射材。
[10] 樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚み比が、樹脂層(A):樹脂層(B)=1:2〜1:15である[1]〜[9]の何れかに記載の反射材。
[11] 樹脂層(B)の両面に樹脂層(A)を有する[1]〜[10]の何れかに記載の反射材。
[12] 樹脂層(A)が反射使用面である[1]〜[11]の何れかに記載の反射材。
[13] 液晶ディスプレイ、照明器具、照明看板]の何れかの構成部材として使用される[1]〜[12]の何れかに記載の反射材。
[14] [1]〜[12]の何れかに記載の反射材を構成部材とする液晶ディスプレイ、照明器具、又は照明看板。
本発明によれば、良好な反射特性、機械的特性、耐熱性を有しながら、かつ、輝度ムラの発生を抑制し、液晶ディスプレイの薄型化に対応可能で、連続生産性に優れた反射材を提供することができる。よって、本発明の反射材は、液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板などの反射材として好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本発明の反射材は、シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、及びその他のオレフィン系樹脂(c)を含有する樹脂層(A)と、オレフィン系樹脂を含有し、且つ空隙を有する樹脂層(B)とを有する。
<用語の説明>
本発明において「フィルム」と称する場合は「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合も「フィルム」を含むものとする。
本発明において「反射」とは、特記しない限り光の反射を意味し、より限定的には可視光の反射を意味する。
本発明において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特記しない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。また、「X以上」、「Y以下」と表現した場合についても同様である。
本発明において「フィルム」と称する場合は「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合も「フィルム」を含むものとする。
本発明において「反射」とは、特記しない限り光の反射を意味し、より限定的には可視光の反射を意味する。
本発明において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特記しない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。また、「X以上」、「Y以下」と表現した場合についても同様である。
本発明において「主成分」と表現した場合、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)は当該材料中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占めるものである。
<樹脂層(A)>
本発明における樹脂層(A)は、シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、及びその他のオレフィン系樹脂(c)を含有する層である。
本発明における樹脂層(A)は、シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、及びその他のオレフィン系樹脂(c)を含有する層である。
本発明の技術思想は以下の通り考えられる。なお、本発明は以下の技術思想の範囲に何ら制約を受けるものではない。
輝度ムラを解消する手段としては、背景技術の欄に記載の通り、導光板に近接する反射材の表面に塗布等の手段で粒子層を設けることにより、反射材の表面を粗くする(表面粗度を高くする)方法が行われている。しかしながら、大粒径の粒子を多量に添加すると、表面粗度は高くなるものの、粒子の脱落や、導光板への傷付き性、リサイクル性(自己リサイクル性)の低下等の問題が生じることが確認された。また、塗布法を用いる場合には、基材からの剥離、反射材のカール性、リサイクル性(自己リサイクル性)、製造効率の低下等の問題が発生することが確認された。
そこで、表層への粒子の添加や塗布法といった手段を用いなくとも、反射材の表面を粗くすることが可能で、しかも良好な反射特性、機械的特性、耐熱性を有する反射材を達成する手法について検討した結果、上記の構成とすることを見出した。
輝度ムラを解消する手段としては、背景技術の欄に記載の通り、導光板に近接する反射材の表面に塗布等の手段で粒子層を設けることにより、反射材の表面を粗くする(表面粗度を高くする)方法が行われている。しかしながら、大粒径の粒子を多量に添加すると、表面粗度は高くなるものの、粒子の脱落や、導光板への傷付き性、リサイクル性(自己リサイクル性)の低下等の問題が生じることが確認された。また、塗布法を用いる場合には、基材からの剥離、反射材のカール性、リサイクル性(自己リサイクル性)、製造効率の低下等の問題が発生することが確認された。
そこで、表層への粒子の添加や塗布法といった手段を用いなくとも、反射材の表面を粗くすることが可能で、しかも良好な反射特性、機械的特性、耐熱性を有する反射材を達成する手法について検討した結果、上記の構成とすることを見出した。
シクロオレフィン系樹脂(a)は可視光の吸収が少なく、耐熱性があるため、ポリオレフィン系樹脂を用いた反射材のベース樹脂として好適である。しかしながらシクロオレフィン系樹脂(a)単独では、液晶ディスプレイのバックシャーシ形状に合わせて曲げ加工する際の耐折り曲げ性に問題がある。また、シクロオレフィン系樹脂(a)単独では、表面を粗くすることも出来ない。
シクロオレフィン系樹脂(a)に対しポリメチルペンテン樹脂(b)を添加すると、両者は非相溶であるので、相分離構造を形成する。反射材の製造工程は通常、溶融状態からの冷却によってシート状に成形するが、ポリメチルペンテン樹脂(b)の固化温度(結晶化温度或いはガラス転移温度)がシクロオレフィン系樹脂(a)に比べて高いことから、冷却過程で先ずポリメチルペンテン樹脂(b)が先行して結晶化(固化)する。その結果、未だ溶融或いは軟化状態であるシクロオレフィン系樹脂(a)相の中に結晶化したポリメチルペンテン樹脂(b)相が分散することとなる。更にこの状態で延伸を行うことにより、主としてシクロオレフィン系樹脂(a)相が引き伸ばされることとなる。その結果、薄化したシクロオレフィン系樹脂(a)相の中に、ポリメチルペンテン樹脂(b)相が突起として存在することとなり、これが表面粗さの起因となる。
シクロオレフィン系樹脂(a)に対しポリメチルペンテン樹脂(b)を添加すると、両者は非相溶であるので、相分離構造を形成する。反射材の製造工程は通常、溶融状態からの冷却によってシート状に成形するが、ポリメチルペンテン樹脂(b)の固化温度(結晶化温度或いはガラス転移温度)がシクロオレフィン系樹脂(a)に比べて高いことから、冷却過程で先ずポリメチルペンテン樹脂(b)が先行して結晶化(固化)する。その結果、未だ溶融或いは軟化状態であるシクロオレフィン系樹脂(a)相の中に結晶化したポリメチルペンテン樹脂(b)相が分散することとなる。更にこの状態で延伸を行うことにより、主としてシクロオレフィン系樹脂(a)相が引き伸ばされることとなる。その結果、薄化したシクロオレフィン系樹脂(a)相の中に、ポリメチルペンテン樹脂(b)相が突起として存在することとなり、これが表面粗さの起因となる。
なお、シクロオレフィン系樹脂(a)単体では延伸加工性に乏しいため、反射材として求められる反射率を得るために延伸倍率を上昇させると、必要な延伸倍率に到達する前に反射材が破断してしまう。そのため、その他のオレフィン系樹脂(c)を含有することにより、その他のオレフィン系樹脂(c)がシクロオレフィン系樹脂(a)へ微分散されることにより延伸加工性が向上し、シクロオレフィン系樹脂(a)単体では達成することが出来ないような延伸倍率での加工が容易となる。更に、その他のオレフィン系樹脂(c)を含有することにより、シクロオレフィン系樹脂(a)において問題とされた耐折り曲げ性を改良することが可能となった。
本発明においては、3成分が上記の様な役割を果たすことにより、表層への粒子の添加や塗布法といった手段を用いなくとも、反射材の表面を粗くすることが可能で、しかも良好な反射特性、機械的特性、耐熱性を有する反射材を達成することが可能となったものである。
本発明においては、3成分が上記の様な役割を果たすことにより、表層への粒子の添加や塗布法といった手段を用いなくとも、反射材の表面を粗くすることが可能で、しかも良好な反射特性、機械的特性、耐熱性を有する反射材を達成することが可能となったものである。
(シクロオレフィン系樹脂(a))
樹脂層(A)には、シクロオレフィン系樹脂(a)を含有する。
シクロオレフィン系樹脂(a)とは、主鎖が炭素−炭素結合からなり、主鎖の少なくとも一部に環状炭化水素構造を有する高分子化合物である。この環状炭化水素構造は、ノルボルネンやテトラシクロドデセンに代表されるような、環状炭化水素構造中に少なくとも一つのオレフィン性二重結合を有する化合物(シクロオレフィン)を単量体として用いることで導入される。
樹脂層(A)には、シクロオレフィン系樹脂(a)を含有する。
シクロオレフィン系樹脂(a)とは、主鎖が炭素−炭素結合からなり、主鎖の少なくとも一部に環状炭化水素構造を有する高分子化合物である。この環状炭化水素構造は、ノルボルネンやテトラシクロドデセンに代表されるような、環状炭化水素構造中に少なくとも一つのオレフィン性二重結合を有する化合物(シクロオレフィン)を単量体として用いることで導入される。
シクロオレフィン系樹脂(a)は、シクロオレフィンの付加重合体又はその水素添加物、シクロオレフィンとα−オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、シクロオレフィンの開環重合体又はその水素添加物に分類され、いずれもシクロオレフィン系樹脂(a)として用いることができる。また、シクロオレフィン系樹脂(a)は、シクロオレフィン単独重合体、シクロオレフィン共重合体の何れであってもよい。
シクロオレフィンの具体例としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン;シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等の1環シクロオレフィン;ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の2環シクロオレフィン;
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエンまたはこれらの部分水素添加物(またはシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン;5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンといった3環シクロオレフィン;
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4,4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンといった4環シクロオレフィン;
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.13,6.01,9.02,7]テトラデカ−4,9,11,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.14,7.01,10.03,8]ペンタデカ−5,10,12,14−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−へキサヒドロアントラセンともいう);ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02,7.13,6.110,13]−4−ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.03,8.14,7.012,17.113,l6]−14−エイコセン;シクロペンタジエンの4量体などの多環シクロオレフィンが挙げられる。
これらのシクロオレフィンは、それぞれ単独であるいは2種以上組合わせて共重合体として用いることができる。
これらのシクロオレフィンは、それぞれ単独であるいは2種以上組合わせて共重合体として用いることができる。
シクロオレフィンと共重合可能なα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜8のエチレンまたはα−オレフインなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
シクロオレフィン系樹脂(a)は、シクロオレフィン成分を主成分として50質量%以上、好ましくは60質量%以上含有するものであるが、シクロオレフィン系樹脂(a)がノルボルネン等のシクロオレフィンとα−オレフィンとの共重合体である場合、α−オレフィンを共重合成分とすることによる延伸加工等の加工性能の向上の効果と、シクロオレフィンを共重合成分の主成分とすることによる耐熱性の効果とをバランスよく得る観点から、シクロオレフィン系樹脂(a)中のノルボルネン等のシクロオレフィン成分の含有割合は60〜90質量%であることが好ましく、65〜80質量%であることがより好ましい。
シクロオレフィン又はシクロオレフィンとα−オレフィンとの重合方法及び得られた重合体の水素添加方法に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
シクロオレフィン系樹脂(a)のメルトフローレート(MFR)は限定されないが、230℃、荷重21.18Nで測定した値として0.1〜20g/10分であることが好ましく、0.5〜10g/10分であることがより好ましい。
シクロオレフィン系樹脂(a)は結晶性であっても非晶性であってもよいが、非晶性であることが好ましい。
シクロオレフィン系樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)は限定されないが、耐熱性の観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは85℃以上であり、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは150℃以下である。シクロオレフィン系樹脂(a)のガラス転移温度が上記範囲であると、延伸加工性が良好となる傾向がある。ここでガラス転移温度は、示差走査型熱量計により、10℃/分の昇温速度で昇温した際に読み取った値とする。
シクロオレフィン系樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)は限定されないが、耐熱性の観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは85℃以上であり、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは150℃以下である。シクロオレフィン系樹脂(a)のガラス転移温度が上記範囲であると、延伸加工性が良好となる傾向がある。ここでガラス転移温度は、示差走査型熱量計により、10℃/分の昇温速度で昇温した際に読み取った値とする。
シクロオレフィン系樹脂(a)としては、市販製品を用いることができる。例えば、日本ゼオン社製「ゼオノア(登録商標)」(環状オレフィンの開環重合体の水素添加物)、三井化学社製「アペル(登録商標)」(エチレンとテトラシクロドデセンの付加共重合体)や、ポリプラスチックス社製「TOPAS(登録商標)」(エチレンとノルボルネンの付加共重合体)等を挙げることができる。中でも、「ゼオノア」及び「TOPAS」は光吸収作用が少ないことから、高い反射性能を有する反射材が得られるので好ましい。
シクロオレフィン系樹脂(a)は、1種を単独で用いてもよく、組成や物性等の異なるものを2種以上を混合して用いてもよい。
例えば、2種類以上のシクロオレフィン系樹脂(a)を組み合わせて混合し、混合樹脂のMFRやTgを上記範囲に調整するようにしてもよい。
例えば、2種類以上のシクロオレフィン系樹脂(a)を組み合わせて混合し、混合樹脂のMFRやTgを上記範囲に調整するようにしてもよい。
樹脂層(A)中におけるシクロオレフィン系樹脂(a)の含有量は限定されないが、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上である。シクロオレフィン系樹脂(a)の含有量が前記下限値以上であれば、本発明の反射材に良好な耐熱性を付与することが可能となるため好ましい。
また、樹脂層(A)中におけるシクロオレフィン系樹脂(a)の含有量の上限も限定されないが、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下、特に好ましくは70質量%以下、最も好ましくは65質量%以下である。シクロオレフィン系樹脂(a)の含有量が前記上限値以下であれば、ポリメチルペンテン樹脂(b)及びオレフィン系樹脂(c)の必要量を確保して本発明の反射材の耐破断性、耐折り曲げ性や輝度ムラ防止機能などが良好となるため好ましい。
また、樹脂層(A)中におけるシクロオレフィン系樹脂(a)の含有量の上限も限定されないが、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下、特に好ましくは70質量%以下、最も好ましくは65質量%以下である。シクロオレフィン系樹脂(a)の含有量が前記上限値以下であれば、ポリメチルペンテン樹脂(b)及びオレフィン系樹脂(c)の必要量を確保して本発明の反射材の耐破断性、耐折り曲げ性や輝度ムラ防止機能などが良好となるため好ましい。
(ポリメチルペンテン樹脂(b))
樹脂層(A)には、ポリメチルペンテン樹脂(b)を含有する。
ポリメチルペンテン樹脂(b)とは、メチルペンテンをモノマーとする単独重合体又は共重合体を意味する。ポリメチルペンテン樹脂(b)としては、4−メチルペンテン−1の単独重合体のほか、4−メチルペンテン−1と他のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。
樹脂層(A)には、ポリメチルペンテン樹脂(b)を含有する。
ポリメチルペンテン樹脂(b)とは、メチルペンテンをモノマーとする単独重合体又は共重合体を意味する。ポリメチルペンテン樹脂(b)としては、4−メチルペンテン−1の単独重合体のほか、4−メチルペンテン−1と他のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。
上記「他のα−オレフィン」としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン、1−ヘキサデセン、1−ドデセン、1−テトラドデセン、1−エイコセン等を挙げることができる。これら「他のα−オレフィン」は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、上記「他のα−オレフィン」としてエチレンが特に好ましい。
ポリメチルペンテン樹脂(b)が、メチルペンテンと他のα−オレフィンとの共重合体の場合、当該α−オレフィン成分の含有量は20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
ポリメチルペンテン樹脂(b)が、メチルペンテンと他のα−オレフィンとの共重合体の場合、当該α−オレフィン成分の含有量は20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
ポリメチルペンテン樹脂(b)の製造方法は限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた重合方法を挙げることができる。
ポリメチルペンテン樹脂(b)の重量平均分子量(Mw)は限定されないが、高温GPC測定法により測定されるポリスチレン換算の値として10万〜300万であることが好ましく、30万〜100万のものがより好ましい。
ポリメチルペンテン樹脂(b)のメルトフローレート(MFR)は限定されないが、反射材を製造する際の安定性の観点から、260℃、荷重5kg(49.00N)で測定した値として0.03〜50g/10分の範囲のものが好ましく、中でも0.3〜50g/10分のものがより好ましい。ポリメチルペンテン樹脂(b)のMFRが前記範囲内であれば、成形加工時に押出機の背圧が高くなりすぎることが無く生産性に優れる。
ポリメチルペンテン樹脂(b)の貯蔵弾性率E’は限定されないが、振動周波数10Hz、歪み0.1%における動的粘弾性測定の値が以下(1)及び(2)のうち少なくとも何れかの条件を満たすことが好ましい。
(1)100℃の貯蔵弾性率(E’(100))が100MPa〜1GPa、好ましくは100〜500MPa
(2)200℃の貯蔵弾性率(E’(200))が1〜100MPa、好ましくは50〜100MPa
ポリメチルペンテン樹脂(b)の貯蔵弾性率E’が上記範囲内であれば、ロール延伸やテンター延伸時にフィルムにかかる延伸応力によってポリメチルペンテン樹脂(b)相が変形することが無く、この結果、樹脂層(A)の表面粗さを高くすることが出来る傾向にある。
(1)100℃の貯蔵弾性率(E’(100))が100MPa〜1GPa、好ましくは100〜500MPa
(2)200℃の貯蔵弾性率(E’(200))が1〜100MPa、好ましくは50〜100MPa
ポリメチルペンテン樹脂(b)の貯蔵弾性率E’が上記範囲内であれば、ロール延伸やテンター延伸時にフィルムにかかる延伸応力によってポリメチルペンテン樹脂(b)相が変形することが無く、この結果、樹脂層(A)の表面粗さを高くすることが出来る傾向にある。
ポリメチルペンテン樹脂(b)の融点(Tm)は限定されないが、示差走査型熱量計により測定した値として、200〜250℃であることが好ましく、220〜250℃であることがより好ましい。ここで融点は、示差走査型熱量計により、10℃/分の昇温速度で昇温した際に読み取った融解ピーク温度とする。
ポリメチルペンテン樹脂(b)の結晶化温度(Tc)は限定されないが、示差走査型熱量計により測定した値として、170〜250℃であることが好ましく190〜230℃であることがより好ましく、200〜220℃であることが更に好ましい。ここで結晶化温度は、示差走査型熱量計により、10℃/分の昇温速度で250℃まで昇温した後、1分間保持し、10℃/分の速度で降温した際に読み取った結晶化ピーク温度とする。なお、結晶化温度が高い場合は、10℃/分の昇温によって到達する温度をより高温とし、以後は同様の測定を行う。
上記の結晶化温度範囲内のポリメチルペンテン樹脂(b)を樹脂層(A)に含有させることにより、反射材の賦形中においてポリメチルペンテン樹脂(b)が容易に結晶化するため、樹脂層(A)の表面を後述するような表面特性とすることが容易となる。
ポリメチルペンテン樹脂(b)の結晶化温度(Tc(b))とシクロオレフィン系樹脂(a)のガラス転移温度(Tg(a))との差〔(Tc(b))−(Tg(a))〕は限定されないが、好ましくは75℃以上、より好ましくは85℃以上、更に好ましくは90℃以上、特に好ましくは95℃以上である。一方、〔(Tc(b))−(Tg(a))〕の上限は限定されないが、通常120℃以下、より好ましくは110℃以下である。(Tc(b))−(Tg(a))の値が上記範囲であると、反射材の成形過程において、ポリメチルペンテン樹脂(b)の結晶化(固化)と、シクロオレフィン系樹脂(a)相の延伸のバランスが好適となるため、樹脂層(A)の表面を後述するような表面特性とすることが容易となる。
樹脂層(A)中におけるポリメチルペンテン樹脂(b)の含有量は限定されないが、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは25質量%以上、最も好ましくは30質量%以上である。ポリメチルペンテン樹脂(b)の含有量が前記下限値以上であれば、樹脂層(A)に所定の表面粗さを付与することが可能となるため好ましい。
また、樹脂層(A)中におけるポリメチルペンテン樹脂(b)の含有量の上限も限定されないが、通常60質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。ポリメチルペンテン樹脂(b)の含有量が前記上限値以下であれば、シクロオレフィン系樹脂(a)及びオレフィン系樹脂(c)の必要量を確保して、本発明の反射材の耐熱性、耐破断性、耐折り曲げ性を損なうことなく、樹脂層(A)に特定の表面粗さを付与することが可能となるため好ましい。
また、樹脂層(A)中におけるポリメチルペンテン樹脂(b)の含有量の上限も限定されないが、通常60質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。ポリメチルペンテン樹脂(b)の含有量が前記上限値以下であれば、シクロオレフィン系樹脂(a)及びオレフィン系樹脂(c)の必要量を確保して、本発明の反射材の耐熱性、耐破断性、耐折り曲げ性を損なうことなく、樹脂層(A)に特定の表面粗さを付与することが可能となるため好ましい。
(その他のオレフィン系樹脂(c))
樹脂層(A)には、その他のオレフィン系樹脂(c)を含有する。
本発明において、オレフィン系樹脂(c)とは、シクロオレフィン系樹脂(a)及びポリメチルペンテン樹脂(b)を除くオレフィン系樹脂を意味する。
樹脂層(A)に、その他のオレフィン系樹脂(c)を配合することで、シクロオレフィン系樹脂(a)のみを主成分として樹脂層(A)を形成した場合には得られなかった耐破断性、耐折り曲げ性と、その他のオレフィン系樹脂(c)のみを主成分として樹脂層(A)を形成した場合には得られなかった耐熱性とをともに確保することができる。
樹脂層(A)には、その他のオレフィン系樹脂(c)を含有する。
本発明において、オレフィン系樹脂(c)とは、シクロオレフィン系樹脂(a)及びポリメチルペンテン樹脂(b)を除くオレフィン系樹脂を意味する。
樹脂層(A)に、その他のオレフィン系樹脂(c)を配合することで、シクロオレフィン系樹脂(a)のみを主成分として樹脂層(A)を形成した場合には得られなかった耐破断性、耐折り曲げ性と、その他のオレフィン系樹脂(c)のみを主成分として樹脂層(A)を形成した場合には得られなかった耐熱性とをともに確保することができる。
その他のオレフィン系樹脂(c)としては、例えばポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン・α―オレフィン共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・α―オレフィン共重合体等のポリエチレン系樹脂等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。前記α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。中でも、ポリエチレン樹脂(PE)やポリプロピレン樹脂(PP)が好ましく、その中でも特に、PEに比べて融点が高く耐熱性に優れており、また、弾性率等の機械特性が高いという観点から、ポリプロピレン樹脂(PP)が好ましい。
その他のオレフィン系樹脂(c)のメルトフローレート(MFR)は限定されないが、JIS K7210に準拠し、230℃、荷重21.18Nで測定した値として0.1〜20g/10分であることが好ましく、0.5〜10g/10分であることがより好ましい。
樹脂層(A)を構成する成分として、シクロオレフィン系樹脂(a)のMFR(「MFR(a)」)と、その他のオレフィン系樹脂(c)のMFR(「MFR(c)」)との関係が、MFR(a):MFR(c)=1:0.05〜1:20であることが好ましく、1:0.1〜1:10であることがより好ましい。両者のMFRの関係が上記範囲内であると、その他のオレフィン系樹脂(c)がシクロオレフィン系樹脂(a)中に配向し、反射材としての機械特性を良好にすることが出来る傾向にあるので好ましい。
また、その他のオレフィン系樹脂(c)がポリプロピレン樹脂(PP)である場合、押出成形性の観点から、ポリプロピレン樹脂(PP)のメルトフローレート(MFR)は、230℃、荷重21.18Nで測定した値として0.1〜20g/10分であることが好ましく、0.2〜10g/10分であることがより好ましく、0.5〜5g/10分であることが更に好ましい。
樹脂層(A)中におけるその他のオレフィン系樹脂(c)の含有量は限定されないが、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。その他のオレフィン系樹脂(c)の含有量が前記下限値以上であれば、延伸時に樹脂層(A)が破断することを抑制出来ると共に、樹脂層(A)と樹脂層(B)との接着性が保たれるため好ましい。
また、樹脂層(A)中におけるその他のオレフィン系樹脂(c)の含有量の上限も限定されないが、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。その他のオレフィン系樹脂(c)の含有量が前記上限値以下であれば、シクロオレフィン系樹脂(a)及びポリメチルペンテン樹脂(b)の必要量を確保して、耐熱性や輝度ムラ防止機能を良好なものとすることができ、好ましい。
また、樹脂層(A)中におけるその他のオレフィン系樹脂(c)の含有量の上限も限定されないが、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。その他のオレフィン系樹脂(c)の含有量が前記上限値以下であれば、シクロオレフィン系樹脂(a)及びポリメチルペンテン樹脂(b)の必要量を確保して、耐熱性や輝度ムラ防止機能を良好なものとすることができ、好ましい。
(微粉状充填剤)
樹脂層(A)には微粉状充填剤を含有してもよい。樹脂層(A)中に微粉状充填剤を含有することにより、前記の樹脂成分と微粉状充填剤との屈折率差による光散乱のほか、反射材を製造する過程で微粉状充填剤の周囲に形成される空洞と前記の樹脂成分との屈折率差による光散乱、更には微粉状充填剤の周囲に形成される空洞と微粉状充填剤との屈折率差による光散乱などからも、反射材の反射特性が一層向上する傾向がある。
樹脂層(A)には微粉状充填剤を含有してもよい。樹脂層(A)中に微粉状充填剤を含有することにより、前記の樹脂成分と微粉状充填剤との屈折率差による光散乱のほか、反射材を製造する過程で微粉状充填剤の周囲に形成される空洞と前記の樹脂成分との屈折率差による光散乱、更には微粉状充填剤の周囲に形成される空洞と微粉状充填剤との屈折率差による光散乱などからも、反射材の反射特性が一層向上する傾向がある。
樹脂層(A)に用いることができる微粉状充填剤の種類、粒径および表面処理方法に関しては、後述する樹脂層(B)に用いることが可能な微粉状充填剤として記載したものを同様に用いることができ、好ましい例も同様である。ここで、樹脂層(B)に用いる微粉状充填剤として後述する事項のうち「樹脂層(B)」は「樹脂層(A)」と読み替えるものとする。
樹脂層(A)が微粉状充填剤を含有する場合、樹脂層(A)中の微粉状充填剤の含有量は限定されないが、反射材の光反射性、機械的強度、生産性等を考慮すると樹脂層(A)全体に対して10〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることが更に好ましい。微粉状充填剤の含有量が10質量%以上であれば、樹脂層(A)を構成する樹脂と微粉状充填剤との界面の面積を充分に確保することができ、反射材に高反射性を付与することができる。微粉状充填剤の含有量が80質量%以下であれば、反射材に必要な機械的強度を確保することができる。
(その他の成分)
樹脂層(A)には更に、シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、その他のオレフィン系樹脂(c)、微粉状充填剤以外の成分を「その他の成分」として含有してもよい。その他の成分としては、上記以外の樹脂成分(熱可塑性エラストマーを含む)や、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、相溶化剤、滑剤及び微粉状充填剤以外の充填剤等が挙げられる。
樹脂層(A)には更に、シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、その他のオレフィン系樹脂(c)、微粉状充填剤以外の成分を「その他の成分」として含有してもよい。その他の成分としては、上記以外の樹脂成分(熱可塑性エラストマーを含む)や、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、相溶化剤、滑剤及び微粉状充填剤以外の充填剤等が挙げられる。
また、本発明の反射材の性能を阻害しない範囲で、該反射材で発生した再生原料を樹脂層(A)中に含有してもよい。再生原料の含有割合は限定されないが、樹脂層(A)全体の質量に対して1〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。含有量が10質量%以上であれば再生原料を用いることでのコストメリットが発生し、50質量%以下であれば、反射材に必要な光反射性や、機械的強度を損なわない傾向にある。
<樹脂層(B)>
本発明における樹脂層(B)は、オレフィン系樹脂を含有し、且つ空隙を有する層である。本発明の反射材は、樹脂層(A)に樹脂層(B)を備えることで、例えば、(ア)樹脂層(B)に光反射性を付与させ、樹脂層(A)に耐熱性を付与させる、(イ)樹脂層(B)に光反射性を付与させ、樹脂層(A)に反射材としての剛性を付与させる、或いは、(ウ)樹脂層(A)で光を表面反射させるとともに、樹脂層(A)を透過した光を樹脂層(B)内で反射させるなど、機能分離が可能になり、より一層高い反射性能と共に、より一層優れた耐熱性及び耐折性を得ることができるなどの利点がある。
樹脂層(B)の空隙率については後述する。
本発明における樹脂層(B)は、オレフィン系樹脂を含有し、且つ空隙を有する層である。本発明の反射材は、樹脂層(A)に樹脂層(B)を備えることで、例えば、(ア)樹脂層(B)に光反射性を付与させ、樹脂層(A)に耐熱性を付与させる、(イ)樹脂層(B)に光反射性を付与させ、樹脂層(A)に反射材としての剛性を付与させる、或いは、(ウ)樹脂層(A)で光を表面反射させるとともに、樹脂層(A)を透過した光を樹脂層(B)内で反射させるなど、機能分離が可能になり、より一層高い反射性能と共に、より一層優れた耐熱性及び耐折性を得ることができるなどの利点がある。
樹脂層(B)の空隙率については後述する。
(オレフィン系樹脂)
樹脂層(B)に用いるオレフィン系樹脂は限定されず、樹脂層(A)に用いるシクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、その他のオレフィン系樹脂(c)等から選択して用いることが出来る。例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン樹脂や、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体等のポリエチレン樹脂や、エチレン−環状オレフィン共重合体等のシクロオレフィン系樹脂や、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等のオレフィン系エラストマーから選ばれた少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂を挙げることができる。これらの中でも、機械的性質、柔軟性などから、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂が好ましく、その中でもポリプロピレン(プロピレンの単独重合体)が最も好ましい。
樹脂層(B)に用いるオレフィン系樹脂は限定されず、樹脂層(A)に用いるシクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、その他のオレフィン系樹脂(c)等から選択して用いることが出来る。例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン樹脂や、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体等のポリエチレン樹脂や、エチレン−環状オレフィン共重合体等のシクロオレフィン系樹脂や、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等のオレフィン系エラストマーから選ばれた少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂を挙げることができる。これらの中でも、機械的性質、柔軟性などから、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂が好ましく、その中でもポリプロピレン(プロピレンの単独重合体)が最も好ましい。
樹脂層(B)に用いるオレフィン系樹脂は、樹脂層(A)と樹脂層(B)との密着性を高める観点から、樹脂層(A)を構成する何れかの樹脂と同一のモノマー単位を含むものを用いることが好ましい。
樹脂層(B)に用いるオレフィン系樹脂についても、押出成形性の観点から、メルトフローレート(MFR)は、230℃、荷重21.18Nで測定した値として0.1〜20g/10分であることが好ましく、0.2〜10g/10分であることがより好ましく、0.5〜5g/10分であることが更に好ましい。
樹脂層(B)中におけるオレフィン系樹脂の含有量は限定されないが、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上である。オレフィン系樹脂の含有量が前記下限値以上であれば、樹脂層(B)の強度が保たれるため好ましい。
また、樹脂層(B)中におけるオレフィン系樹脂の含有量の上限も限定されないが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。オレフィン系樹脂の含有量が前記上限値以下であれば、反射率を低下させることなく強度が保たれるため好ましい。
また、樹脂層(B)中におけるオレフィン系樹脂の含有量の上限も限定されないが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。オレフィン系樹脂の含有量が前記上限値以下であれば、反射率を低下させることなく強度が保たれるため好ましい。
(微粉状充填剤)
樹脂層(B)には、より一層の反射性能を得る観点から、上記オレフィン系樹脂以外に微粉状充填剤を含有することが好ましい。本発明の反射材は樹脂層(B)に空隙を有するが、樹脂層(B)中に微粉状充填剤を含有することにより、空隙を形成することが容易となる。
樹脂層(B)には、より一層の反射性能を得る観点から、上記オレフィン系樹脂以外に微粉状充填剤を含有することが好ましい。本発明の反射材は樹脂層(B)に空隙を有するが、樹脂層(B)中に微粉状充填剤を含有することにより、空隙を形成することが容易となる。
微粉状充填剤は限定されず、無機質微粉体、有機質微粉体等を例示することができ、 無機質微粉体と有機質微粉体とを組み合わせて用いてもよい。
無機質微粉体としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等を挙げることができる。これらは、いずれか1種または2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、樹脂層(B)を構成する樹脂との屈折率差を考慮すると、屈折率の大きいものが好ましく、屈折率が1.6以上である、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン又は酸化亜鉛を用いることが特に好ましい。
これらの中でも、樹脂層(B)を構成する樹脂との屈折率差を考慮すると、屈折率の大きいものが好ましく、屈折率が1.6以上である、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン又は酸化亜鉛を用いることが特に好ましい。
中でも酸化チタンは、他の無機質微粉体に比べて屈折率が顕著に高く、樹脂層(B)を構成する樹脂との屈折率差を顕著に大きくすることができるため、他の充填剤を使用した場合よりも少ない配合量で優れた光反射性を得ることができる。さらに、酸化チタンを用いることにより、反射材の厚みを薄くしても高い光反射性を得ることができる。
酸化チタンの含有量は限定されないが、無機質微粉体の合計質量の30%以上であることが好ましい。微粉状充填剤として有機質微粉体と無機質微粉体とを組み合わせて使用する場合は、その合計質量の30%以上を酸化チタンとするのが好ましい。
酸化チタンとしては、例えば、石原産業社製、ケマーズ社製、KRONOS社製などの市販品を使用することができる。
酸化チタンの含有量は限定されないが、無機質微粉体の合計質量の30%以上であることが好ましい。微粉状充填剤として有機質微粉体と無機質微粉体とを組み合わせて使用する場合は、その合計質量の30%以上を酸化チタンとするのが好ましい。
酸化チタンとしては、例えば、石原産業社製、ケマーズ社製、KRONOS社製などの市販品を使用することができる。
これら無機質微粉体の樹脂への分散性を向上させるために、表面に、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理を施した無機質微粉体を使用してもよい。
有機質微粉体としては、ポリマービーズ、ポリマー中空粒子等が挙げられ、これらは、いずれか1種または2種以上を混合して用いることができる。
微粉状充填剤は、平均粒径が0.05〜15μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmである。微粉状充填剤の平均粒径が0.05μm以上であれば、樹脂層(B)を構成する樹脂への分散性が良好であるので、均質な反射材が得られる。また、微粉状充填剤の平均粒径が15μm以下であれば、樹脂層(B)を構成する樹脂と微粉状充填剤との界面が緻密に形成されて、高反射性の反射材が得られる。
ここで平均粒径は、遠心沈降式粒度分布測定装置を使用して測定した等価球形分布における積算(質量基準)50%の値をいう。
ここで平均粒径は、遠心沈降式粒度分布測定装置を使用して測定した等価球形分布における積算(質量基準)50%の値をいう。
樹脂層(B)に含有される微粉状充填剤の含有量は、反射材の光反射性、機械的強度、生産性等を考慮すると、樹脂層(B)全体の質量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。微粉状充填剤の含有量が前記下限値以上であれば、樹脂層(B)を構成する樹脂と微粉状充填剤との界面の面積を充分に確保することができ、反射材に高反射性を付与することができる。
また、微粉状充填剤の含有量の上限も限定されないが、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。微粉状充填剤の含有量が前記上限値以下であれば、反射材に必要な機械的強度を確保することができる。
また、微粉状充填剤の含有量の上限も限定されないが、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。微粉状充填剤の含有量が前記上限値以下であれば、反射材に必要な機械的強度を確保することができる。
(その他の成分)
樹脂層(B)には更に、オレフィン系樹脂、微粉状充填剤以外の成分を「その他の成分」として含有してもよい。その他の成分としては、オレフィン系樹脂以外の樹脂成分(熱可塑性エラストマーを含む)や、結晶核剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、相溶化剤、滑剤及びその他の添加剤等が挙げられる。
樹脂層(B)には更に、オレフィン系樹脂、微粉状充填剤以外の成分を「その他の成分」として含有してもよい。その他の成分としては、オレフィン系樹脂以外の樹脂成分(熱可塑性エラストマーを含む)や、結晶核剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、相溶化剤、滑剤及びその他の添加剤等が挙げられる。
また、樹脂層(B)の性能を阻害しないのであれば、該反射材で発生した再生原料を含有してもよい。再生原料の含有割合は限定されないが、樹脂層(B)全体の質量に対して1〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。含有量が10質量%以上であれば再生原料を用いることでのコストメリットが発生し、含有量50質量%以下であれば、反射材に必要な光反射性や、機械的強度を損なうことはない。
<反射材>
(層構成)
本発明の反射材は、樹脂層(A)と樹脂層(B)を有していれば、他の任意の層を有する構成であってもよい。すなわち、樹脂層(A)又は樹脂層(B)の表面に他の層を有する構成であってもよいし、樹脂層(A)と樹脂層(B)の層間に例えば接着層等の他の層を介在させるようにしてもよい。当該他の層としては、コーティングや蒸着によって設けられる層も包含する。
また、樹脂層(A)、樹脂層(B)の少なくとも何れかを2層以上有する構成であってもよい。この様な構成としては、樹脂層(B)の両面に樹脂層(A)を有する構成、すなわち「樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)」の3層を有する構成であることが好ましい。また、樹脂層(A)の両面に樹脂層(B)を有する構成、すなわち「樹脂層(B)/樹脂層(A)/樹脂層(B)」の3層を有する構成であってもよい。
(層構成)
本発明の反射材は、樹脂層(A)と樹脂層(B)を有していれば、他の任意の層を有する構成であってもよい。すなわち、樹脂層(A)又は樹脂層(B)の表面に他の層を有する構成であってもよいし、樹脂層(A)と樹脂層(B)の層間に例えば接着層等の他の層を介在させるようにしてもよい。当該他の層としては、コーティングや蒸着によって設けられる層も包含する。
また、樹脂層(A)、樹脂層(B)の少なくとも何れかを2層以上有する構成であってもよい。この様な構成としては、樹脂層(B)の両面に樹脂層(A)を有する構成、すなわち「樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)」の3層を有する構成であることが好ましい。また、樹脂層(A)の両面に樹脂層(B)を有する構成、すなわち「樹脂層(B)/樹脂層(A)/樹脂層(B)」の3層を有する構成であってもよい。
樹脂層(A)と樹脂層(B)とを積層することにより、樹脂層(A)には主に耐熱性を付与する役割を持たせ、樹脂層(B)には主に光反射性を付与する役割を持たせることができるなど、各層の機能分離が可能になり、反射性能、耐熱性及び耐折性の全てを高めることができる。
上記各種構成において、樹脂層(A)は、反射材全体の耐熱性を高める観点から、反射材の反射使用面である最外層に位置することが好ましい。
(樹脂層(A)の形態)
樹脂層(A)は、シート体からなる層であってもよいし、また、溶融樹脂組成物を押出或いは塗布などによって(シートを形成することなく)薄膜形成してなる層であってもよい。ただし、液晶ディスプレイの薄型化に対応するために、シート体であることが好ましい。
シート体からなる場合、そのシート体は押出製法によって製膜されることが好ましく、未延伸フィルムであっても、一軸或いは二軸延伸フィルムであってもよいが、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸して得られる延伸フィルム、特に二軸延伸フィルムであることが好ましい。
樹脂層(A)は、シート体からなる層であってもよいし、また、溶融樹脂組成物を押出或いは塗布などによって(シートを形成することなく)薄膜形成してなる層であってもよい。ただし、液晶ディスプレイの薄型化に対応するために、シート体であることが好ましい。
シート体からなる場合、そのシート体は押出製法によって製膜されることが好ましく、未延伸フィルムであっても、一軸或いは二軸延伸フィルムであってもよいが、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸して得られる延伸フィルム、特に二軸延伸フィルムであることが好ましい。
(樹脂層(B)の形態)
樹脂層(B)は、押出製法によって製膜されるシート体で有ることが好ましい。
また、シート体からなる場合、そのシート体は未延伸フィルムであっても、一軸或いは二軸延伸フィルムであってもよいが、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸して得られる延伸フィルム、特に二軸延伸フィルムであることが好ましい。
樹脂層(B)は、押出製法によって製膜されるシート体で有ることが好ましい。
また、シート体からなる場合、そのシート体は未延伸フィルムであっても、一軸或いは二軸延伸フィルムであってもよいが、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸して得られる延伸フィルム、特に二軸延伸フィルムであることが好ましい。
(厚み)
本発明の反射材の厚みは限定されないが、通常30〜1500μm程度である。実用面における取り扱い性を考慮すると、本発明の反射材の厚みは50〜1000μm程度であることが好ましい。
例えば、液晶ディスプレイ用途の反射材としては、厚みが50〜700μmであることが好ましく、照明器具、照明看板用途の反射材としては、厚みが70〜1000μmであることが好ましい。
本発明の反射材の厚みは限定されないが、通常30〜1500μm程度である。実用面における取り扱い性を考慮すると、本発明の反射材の厚みは50〜1000μm程度であることが好ましい。
例えば、液晶ディスプレイ用途の反射材としては、厚みが50〜700μmであることが好ましく、照明器具、照明看板用途の反射材としては、厚みが70〜1000μmであることが好ましい。
樹脂層(A)の厚み(2層以上の場合はその合計厚み)は限定されないが、5〜100μmであることが好ましく、10〜80μmであることがより好ましい。樹脂層(A)の厚みが上記範囲内であると、輝度ムラが抑制される傾向がある。
樹脂層(B)の厚み(2層以上の場合はその合計厚み)は限定されないが、20〜1400μmであることが好ましく、50〜600μmであることがより好ましい。樹脂層(B)の厚みが上記範囲内であると、反射特性が良好になる傾向がある。
樹脂層(B)の厚み(2層以上の場合はその合計厚み)は限定されないが、20〜1400μmであることが好ましく、50〜600μmであることがより好ましい。樹脂層(B)の厚みが上記範囲内であると、反射特性が良好になる傾向がある。
本発明の反射材は、樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚み比が、樹脂層(A):樹脂層(B)=1:2〜1:15であることが好ましい。樹脂層(A)に対する樹脂層(B)の厚み比が1:2以上であれば、反射特性が良好になる傾向があり、更に柔軟性が良好になるため折り曲げ加工性が向上する傾向がある。また、樹脂層(A)に対する樹脂層(B)の厚み比が1:15以下であれば、耐熱性が良好となる傾向がある。なお、上記厚み比は、樹脂層(A)或いは樹脂層(B)を2層以上有する構成である場合は、各層の合計厚みの厚み比を意味する。
(表面粗さRz)
本発明の反射材の表面粗さRzは限定されないが、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上、更に好ましくは8μm以上、特に好ましくは9μm以上である。反射材の表面粗さRzが前記下限値以上であれば、反射特性が良好であるとともに、輝度ムラが抑制される傾向にあるため好ましい。
また、反射材の表面粗さRzの上限も限定されないが、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下である。反射材の表面粗さRzが前記上限値以下であれば、導光板と接触した際に傷が発生する可能性が低くなるため好ましい。
本発明の反射材の表面粗さRzは限定されないが、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上、更に好ましくは8μm以上、特に好ましくは9μm以上である。反射材の表面粗さRzが前記下限値以上であれば、反射特性が良好であるとともに、輝度ムラが抑制される傾向にあるため好ましい。
また、反射材の表面粗さRzの上限も限定されないが、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下である。反射材の表面粗さRzが前記上限値以下であれば、導光板と接触した際に傷が発生する可能性が低くなるため好ましい。
ここで表面粗さRzが上記範囲となる反射材の表面は、樹脂層(A)、樹脂層(B)、その他の層の何れであってもよいが、反射材の表面の少なくとも一方を樹脂層(A)が形成し、当該樹脂層(A)表面が上記の表面粗さRzの値を達成することが好ましい。
樹脂層(A)表面の表面粗さRzの調整方法としては、シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、その他のオレフィン系樹脂(c)の種類や配合割合、反射材を製造する際の延伸条件等によって最適化することができる。
なお、表面粗さRzの測定はJIS B0601に準拠するものとし、より詳細には後述の実施例の方法に基づくものとする。
樹脂層(A)表面の表面粗さRzの調整方法としては、シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、その他のオレフィン系樹脂(c)の種類や配合割合、反射材を製造する際の延伸条件等によって最適化することができる。
なお、表面粗さRzの測定はJIS B0601に準拠するものとし、より詳細には後述の実施例の方法に基づくものとする。
(表面粗さRsm)
本発明の反射材の表面粗さRsmは限定されないが、好ましくは150μm以上、より好ましくは200μm以上、更に好ましくは250μm以上である。反射材の表面粗さRsmが前記下限値以上であれば、反射特性が良好であるとともに、輝度ムラが抑制される傾向にあるため好ましい。
また、反射材の表面粗さRsmの上限も限定されないが、好ましくは400μm以下、より好ましくは350μm以下、更に好ましくは300μm以下である。反射材の表面粗さRsmが前記上限値以下であれば、導光板と接触時に傷を抑えられるため好ましい。
本発明の反射材の表面粗さRsmは限定されないが、好ましくは150μm以上、より好ましくは200μm以上、更に好ましくは250μm以上である。反射材の表面粗さRsmが前記下限値以上であれば、反射特性が良好であるとともに、輝度ムラが抑制される傾向にあるため好ましい。
また、反射材の表面粗さRsmの上限も限定されないが、好ましくは400μm以下、より好ましくは350μm以下、更に好ましくは300μm以下である。反射材の表面粗さRsmが前記上限値以下であれば、導光板と接触時に傷を抑えられるため好ましい。
ここで表面粗さRsmが上記範囲となる反射材の表面は、樹脂層(A)、樹脂層(B)、その他の層の何れであってもよいが、反射材の表面の少なくとも一方を樹脂層(A)が形成し、当該樹脂層(A)表面が上記の表面粗さRsmの値を達成することが好ましい。
樹脂層(A)表面の表面粗さRsmの調整方法としては、シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、その他のオレフィン系樹脂(c)の種類や配合割合、反射材を製造する際の延伸条件等によって最適化することができる。
なお、表面粗さRsmの測定はJIS B0601に準拠するものとし、より詳細には後述の実施例の方法に基づくものとする。
樹脂層(A)表面の表面粗さRsmの調整方法としては、シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、その他のオレフィン系樹脂(c)の種類や配合割合、反射材を製造する際の延伸条件等によって最適化することができる。
なお、表面粗さRsmの測定はJIS B0601に準拠するものとし、より詳細には後述の実施例の方法に基づくものとする。
(反射率)
本発明の反射材は、高い反射性能を有する。本発明の反射材の反射性能に制約は無いが、少なくとも片面の平均反射率を97%以上とすることができる。このような反射性能を有する反射材であれば、この反射材を組み込んだ液晶ディスプレイ等はその画面が十分な明るさを実現することができる。ここで反射率とは、波長420〜700nmの光に対する平均反射率を意味し、より詳細な測定方法は後述する実施例の記載に基づく。
本発明の反射材は、高い反射性能を有する。本発明の反射材の反射性能に制約は無いが、少なくとも片面の平均反射率を97%以上とすることができる。このような反射性能を有する反射材であれば、この反射材を組み込んだ液晶ディスプレイ等はその画面が十分な明るさを実現することができる。ここで反射率とは、波長420〜700nmの光に対する平均反射率を意味し、より詳細な測定方法は後述する実施例の記載に基づく。
(空隙率)
本発明の反射材は、反射性能を高めるために少なくとも樹脂層(B)に空隙を有する。樹脂層(B)に空隙を有していることは、例えば反射材の断面を顕微鏡(電子顕微鏡や光学顕微鏡)で観察することにより確認することが出来る。
本発明の反射材は、反射性能を高めるために少なくとも樹脂層(B)に空隙を有する。樹脂層(B)に空隙を有していることは、例えば反射材の断面を顕微鏡(電子顕微鏡や光学顕微鏡)で観察することにより確認することが出来る。
本発明の反射材は、樹脂層(B)以外の層、すなわち樹脂層(A)や他の層にも空隙を有していてもよい。但し、樹脂層(A)に空隙を設けると、耐熱性が低下する場合や、弾性率等の機械特性が低下する場合があるため、実質的に樹脂層(B)にのみ空隙を有することが好ましい。樹脂層(B)のみに空隙を有することで、反射材の耐熱性を高めることができる。
本発明の反射材の空隙率は限定されないが、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下である。反射材の空隙率が前記下限値以上であれば、反射材の白化が十分に進行するので高い光反射性を有する傾向にある。また、反射材の空隙率が前記上限値以下であれば、反射材の機械的強度が好適である傾向がある。
なお、反射材の空隙率は、実質的に樹脂層(A)及び樹脂層(B)を対象とするものとし、これらの層間に他の層を有する場合には、これも含むものとする。一方、樹脂層(A)、樹脂層(B)よりも外面に、例えば樹脂板や金属板等の他の層を有する場合は、これらの層は反射材の空隙率の算出に際しては含めない。
なお、反射材の空隙率は、以下のような方法で求めることが出来る。
(1)延伸によって空隙を形成する場合は、延伸前後の反射材の密度を測定することにより、次の式によって求めることが出来る。
空隙率(%)={(延伸前のフィルムの密度−延伸後のフィルムの密度)/延伸前のフィルムの密度}×100
(2)各原料の密度と配合割合が明らかな場合は、各原料の密度と配合割合から空隙を有さない場合の密度を算出し、次の式によって求めることが出来る。
空隙率(%)={(空隙を有さない場合の密度−反射材の密度)/空隙を有さない場合の密度}×100
(3)更には、反射材の密度を測定した後、当該反射材を溶融、減圧、冷却固化して空隙を除去した後の密度を算出することで求めることもできる。
(1)延伸によって空隙を形成する場合は、延伸前後の反射材の密度を測定することにより、次の式によって求めることが出来る。
空隙率(%)={(延伸前のフィルムの密度−延伸後のフィルムの密度)/延伸前のフィルムの密度}×100
(2)各原料の密度と配合割合が明らかな場合は、各原料の密度と配合割合から空隙を有さない場合の密度を算出し、次の式によって求めることが出来る。
空隙率(%)={(空隙を有さない場合の密度−反射材の密度)/空隙を有さない場合の密度}×100
(3)更には、反射材の密度を測定した後、当該反射材を溶融、減圧、冷却固化して空隙を除去した後の密度を算出することで求めることもできる。
樹脂層(B)の空隙率は限定されないが、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上、更に好ましくは30%以上であり、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下、更に好ましくは70%以下である。樹脂層(B)の空隙率が前記下限値以上であれば、反射材の白化が十分に進行するので高い光反射性を有する傾向にある。また、樹脂層(B)の空隙率が前記上限値以下であれば、反射材の機械的強度が好適である傾向がある。
<反射材の製造方法>
本発明の反射材の製造方法は何ら制限されるものではなく、公知の方法を採用することができる。具体的には、塗布、共押出、押出ラミネート、熱融着、接着剤による貼り合せ等の種々の方法を採用することができる。これらの中でも共押出法を用いることが好ましい。
以下に、本発明の反射材の製造方法の一例として、「樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)」の3層構成の反射材について説明するが、以下の製造方法に限定されるものではない。
本発明の反射材の製造方法は何ら制限されるものではなく、公知の方法を採用することができる。具体的には、塗布、共押出、押出ラミネート、熱融着、接着剤による貼り合せ等の種々の方法を採用することができる。これらの中でも共押出法を用いることが好ましい。
以下に、本発明の反射材の製造方法の一例として、「樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)」の3層構成の反射材について説明するが、以下の製造方法に限定されるものではない。
先ず、シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、その他のオレフィン系樹脂(c)、およびその他の添加剤を必要に応じて配合し、樹脂層(A)に用いる樹脂組成物Aを作製する。具体的には、これらの原料をリボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸または2軸押出機等を用いて、樹脂の流動開始温度以上の温度(例えば、220℃〜270℃)で混練することにより、樹脂組成物Aを得ることができる。
又は、各原料を別々のフィーダー等により所定量を添加することにより樹脂組成物Aを得ることもできる。又は、原料の一部をマスターバッチとしておき、これを原料として使用することもできる。又は、原料の一部を用いて予め樹脂組成物としておき、この樹脂組成物と他の原料とを混練して樹脂組成物Aを得ることもできる。
又は、各原料を別々のフィーダー等により所定量を添加することにより樹脂組成物Aを得ることもできる。又は、原料の一部をマスターバッチとしておき、これを原料として使用することもできる。又は、原料の一部を用いて予め樹脂組成物としておき、この樹脂組成物と他の原料とを混練して樹脂組成物Aを得ることもできる。
他方、オレフィン系樹脂に、微粉状充填剤、その他の添加剤等を必要に応じて配合し、樹脂層(B)に用いる樹脂組成物Bを作製する。具体的には、これらの原料をリボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸または2軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度(例えば、190℃〜270℃)で混練することにより樹脂組成物Bを得ることができる。
また、樹脂組成物Aと同様、フィーダー等を用いて製造したり、原料の一部をマスターバッチとして使用したり、原料の一部を用いて予め樹脂組成物としておくこともできる。
また、樹脂組成物Aと同様、フィーダー等を用いて製造したり、原料の一部をマスターバッチとして使用したり、原料の一部を用いて予め樹脂組成物としておくこともできる。
次に、このようにして得られた樹脂組成物A及び樹脂組成物Bを乾燥させた後、それぞれ別の押出機に供給し、それぞれ所定の温度以上に加熱して溶融させる。押出温度等の条件は任意であるが、例えば、樹脂組成物Aの押出温度は220℃〜270℃、樹脂組成物Bの押出温度は190〜270℃であることが好ましい。
その後、溶融した樹脂組成物A及び樹脂組成物Bを2種3層用のTダイに合流させ、Tダイのスリット状の吐出口から積層状に押出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートを形成する。
その後、溶融した樹脂組成物A及び樹脂組成物Bを2種3層用のTダイに合流させ、Tダイのスリット状の吐出口から積層状に押出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートを形成する。
得られたキャストシートは、少なくとも1軸方向に延伸されているのが好ましい。延伸することにより、樹脂層(B)内部のオレフィン系樹脂と微粉状充填剤の界面が剥離して空隙が形成され、シートの白化が進行して、フィルムの光反射性を高めることができる。
更に、キャストシートは2軸方向に延伸されていることがより好ましい。1軸延伸をしたのみでは形成される空隙は一方向に伸びた繊維状形態にしかならないが、2軸延伸することによって、その空隙は縦横両方向に伸ばされたものとなり円盤状形態になる。
すなわち、2軸延伸することによって、樹脂層(B)内部のオレフィン系樹脂と微粉状充填剤との界面の剥離面積が増大し、シートの白化がさらに進行し、その結果、フィルムの光反射性をさらに高めることができる。また、2軸延伸するとフィルムの収縮方向の異方性が少なくなるので、フィルムの耐熱性を向上させることができ、またフィルムの機械的強度を増加させることもできる。
更に、キャストシートは2軸方向に延伸されていることがより好ましい。1軸延伸をしたのみでは形成される空隙は一方向に伸びた繊維状形態にしかならないが、2軸延伸することによって、その空隙は縦横両方向に伸ばされたものとなり円盤状形態になる。
すなわち、2軸延伸することによって、樹脂層(B)内部のオレフィン系樹脂と微粉状充填剤との界面の剥離面積が増大し、シートの白化がさらに進行し、その結果、フィルムの光反射性をさらに高めることができる。また、2軸延伸するとフィルムの収縮方向の異方性が少なくなるので、フィルムの耐熱性を向上させることができ、またフィルムの機械的強度を増加させることもできる。
キャストシートを延伸する際の延伸温度は、樹脂層(A)に含有するシクロオレフィン系樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)以上、(Tg+50℃)以下の範囲内であることが好ましい。
延伸温度がガラス転移温度(Tg)以上であれば、延伸時にフィルムが破断することなく安定して行うことができる。また、延伸温度が(Tg+50℃)以下の温度であれば、延伸配向が高くなり、その結果、空隙率が大きくなるので、高い反射率のフィルムが得られやすい。
延伸温度がガラス転移温度(Tg)以上であれば、延伸時にフィルムが破断することなく安定して行うことができる。また、延伸温度が(Tg+50℃)以下の温度であれば、延伸配向が高くなり、その結果、空隙率が大きくなるので、高い反射率のフィルムが得られやすい。
2軸延伸の延伸順序は特に制限されることはなく、例えば、同時2軸延伸でも逐次延伸でもよい。溶融状態のキャストシートとした後に、ロール延伸によって流れ方向(MD)に延伸した後、テンター延伸によって横方向(TD)に延伸してもよいし、チューブラー延伸等によって二軸延伸を行ってもよい。
2軸延伸の場合の延伸倍率は限定されないが、面積倍率として通常4倍以上、好ましくは5倍以上、より好ましくは6倍以上であり、上限は通常25倍以下、好ましくは20倍以下、より好ましくは15倍以下である。面積倍率を上記範囲内とすることによって、反射材の空孔率を適正な範囲に制御し、優れた反射性能を発揮することができるので好ましい。
逐次二軸延伸を行う場合、一軸目の延伸の倍率は、好ましくは1.1〜5.0倍、より好ましくは1.5〜3.5倍であり、二軸目の延伸の倍率が、好ましくは1.1〜5.0倍、より好ましくは2.5〜4.5倍である。
2軸延伸の場合の延伸倍率は限定されないが、面積倍率として通常4倍以上、好ましくは5倍以上、より好ましくは6倍以上であり、上限は通常25倍以下、好ましくは20倍以下、より好ましくは15倍以下である。面積倍率を上記範囲内とすることによって、反射材の空孔率を適正な範囲に制御し、優れた反射性能を発揮することができるので好ましい。
逐次二軸延伸を行う場合、一軸目の延伸の倍率は、好ましくは1.1〜5.0倍、より好ましくは1.5〜3.5倍であり、二軸目の延伸の倍率が、好ましくは1.1〜5.0倍、より好ましくは2.5〜4.5倍である。
延伸後は、反射材に寸法安定性(空隙の形態安定性)を付与するため熱固定を行うことが好ましい。フィルムを熱固定するための処理温度は130〜160℃であることが好ましい。熱固定に要する処理時間は、好ましく1秒〜3分である。
また、延伸設備等については特に限定はないが、延伸後に熱固定処理を行うことができるテンター延伸を行うことが特に好ましい。
また、延伸設備等については特に限定はないが、延伸後に熱固定処理を行うことができるテンター延伸を行うことが特に好ましい。
<用途>
本発明の反射材の用途は限定されないが、反射性能に優れている点から、液晶ディスプレイ等の液晶表示装置、照明器具、照明看板等に用いられる反射部材として有用である。
一般に液晶ディスプレイは、液晶パネル、偏光反射シート、拡散シート、導光板、反射シート、光源、光源リフレクタ等から構成されている。
本発明の反射材は、光源からの光を効率よく液晶パネルや導光板へ入射させる役割をする反射材として好適に使用することができるし、エッジ部に配置された光源からの照射光を集光し導光板に入射させる役割を有する光源リフレクタとしても好適に使用することができる。
本発明の反射材の用途は限定されないが、反射性能に優れている点から、液晶ディスプレイ等の液晶表示装置、照明器具、照明看板等に用いられる反射部材として有用である。
一般に液晶ディスプレイは、液晶パネル、偏光反射シート、拡散シート、導光板、反射シート、光源、光源リフレクタ等から構成されている。
本発明の反射材は、光源からの光を効率よく液晶パネルや導光板へ入射させる役割をする反射材として好適に使用することができるし、エッジ部に配置された光源からの照射光を集光し導光板に入射させる役割を有する光源リフレクタとしても好適に使用することができる。
本発明の反射材は、そのまま前述の層構成を有する反射材として使用することも可能であるが、更に金属板又は樹脂板(まとめて「金属板等」という)に積層した構成として使用することも可能であり、上述の用途、すなわち液晶ディスプレイ等の液晶表示装置、照明器具、照明看板等に用いられる反射板として有用である。
反射材に積層する金属板としては、例えば、アルミ板やステンレス板、亜鉛メッキ鋼板などを挙げることができる。
反射材に積層する金属板としては、例えば、アルミ板やステンレス板、亜鉛メッキ鋼板などを挙げることができる。
金属板等に反射材を積層する方法は限定されないが、例えば接着剤を使用する方法、熱融着する方法、接着性シートを介して接着する方法、押出しコーティングする方法等を挙げることができる。
より具体的には、金属板等の反射材を貼り合わせる側の面にポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等の接着剤を塗布し、反射材を貼り合わせることができる。
かかる方法においては、リバースロールコーター、キスロールコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、反射材を貼り合わせる金属板等の表面に、乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度となるように接着剤を塗布する。
次いで、赤外線ヒーター及び熱風加熱炉により塗布面の乾燥及び加熱を行い、金属板等の表面を所定の温度に保持しつつ、直ちにロールラミネーターを用いて、反射材を被覆、冷却することにより、反射板を得ることできる。
より具体的には、金属板等の反射材を貼り合わせる側の面にポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等の接着剤を塗布し、反射材を貼り合わせることができる。
かかる方法においては、リバースロールコーター、キスロールコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、反射材を貼り合わせる金属板等の表面に、乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度となるように接着剤を塗布する。
次いで、赤外線ヒーター及び熱風加熱炉により塗布面の乾燥及び加熱を行い、金属板等の表面を所定の温度に保持しつつ、直ちにロールラミネーターを用いて、反射材を被覆、冷却することにより、反射板を得ることできる。
また、本発明の反射材は、上記以外の用途、例えば、各種工業材料、包装材料、光学材料、電機材料など多様な用途に用いることができる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
<測定及び評価方法>
実施例・比較例で得たサンプルの測定方法及び評価方法について以下に説明する。以下、フィルムの成形時の引取(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと表示する。
実施例・比較例で得たサンプルの測定方法及び評価方法について以下に説明する。以下、フィルムの成形時の引取(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと表示する。
(空隙率)
延伸前のフィルムの密度(未延伸フィルム密度)と、延伸後のフィルムの密度(延伸フィルム密度)を測定し、下記式にてフィルムの空隙率(%)を求めた。
空隙率(%)={(未延伸フィルム密度−延伸フィルム密度)/未延伸フィルム密度}×100
延伸前のフィルムの密度(未延伸フィルム密度)と、延伸後のフィルムの密度(延伸フィルム密度)を測定し、下記式にてフィルムの空隙率(%)を求めた。
空隙率(%)={(未延伸フィルム密度−延伸フィルム密度)/未延伸フィルム密度}×100
(平均反射率)
分光光度計(日立製作所社製「U−3900」)に積分球を取付け、アルミナ白板を100%とした時の反射率を、波長420〜700nmに亘って0.5nm間隔で測定した。得られた測定値の平均値を計算し、平均反射率(%)とした。
分光光度計(日立製作所社製「U−3900」)に積分球を取付け、アルミナ白板を100%とした時の反射率を、波長420〜700nmに亘って0.5nm間隔で測定した。得られた測定値の平均値を計算し、平均反射率(%)とした。
(輝度ムラ評価)
図1及び図2に、輝度ムラの評価に用いた測定装置の概略図を示す。測定台1の上に厚さ0.3mmの金属板2(バックライトに接触する筐体の凸部を疑似化したもの)を載せ、その上に、該金属板2より大きいエッジライト用の導光板3(メチルメタクリレート・スチレン共重合樹脂製)を置き、その間に評価対象の反射材4を設置した。その後、金属板2の端部(Aの位置)が中心になるようにして、2.48kgの重り5,5’を50mmの間隔で設置し、導光板と反射材が接触するようにした(反射材4は柔軟であるため、金属板2と導光板3に挟まれていない場所(図2中、Aの位置より左)では、測定台1の上に乗った状態となる)。
その後、側方に設置したLEDのエッジライト6を点灯し、Aの位置での反射材4の輝度ムラの発生具合について目視で観察し、以下の基準で判断した。
○:輝度ムラが発生せず、薄型バックライト等の反射材として好適。
△:輝度ムラが僅かに発生するが、薄型バックライト等の反射材として使用可能。
×:輝度ムラが発生し、薄型バックライト等の反射材として不適当。
図1及び図2に、輝度ムラの評価に用いた測定装置の概略図を示す。測定台1の上に厚さ0.3mmの金属板2(バックライトに接触する筐体の凸部を疑似化したもの)を載せ、その上に、該金属板2より大きいエッジライト用の導光板3(メチルメタクリレート・スチレン共重合樹脂製)を置き、その間に評価対象の反射材4を設置した。その後、金属板2の端部(Aの位置)が中心になるようにして、2.48kgの重り5,5’を50mmの間隔で設置し、導光板と反射材が接触するようにした(反射材4は柔軟であるため、金属板2と導光板3に挟まれていない場所(図2中、Aの位置より左)では、測定台1の上に乗った状態となる)。
その後、側方に設置したLEDのエッジライト6を点灯し、Aの位置での反射材4の輝度ムラの発生具合について目視で観察し、以下の基準で判断した。
○:輝度ムラが発生せず、薄型バックライト等の反射材として好適。
△:輝度ムラが僅かに発生するが、薄型バックライト等の反射材として使用可能。
×:輝度ムラが発生し、薄型バックライト等の反射材として不適当。
(表面粗さ)
反射材のサンプルを平面上に静置した状態で、無作為に選んだ5箇所の表面についてRz及びRsmを測定し、その平均値を反射材のRz(μm)及びRsm(μm)とした。測定には、ミツトヨ社製「サーフテスト SJ−210」を使用し、JIS B0601(2001)に基づき、λc:0.8mm、λs:2.5mmとして測定した。
反射材のサンプルを平面上に静置した状態で、無作為に選んだ5箇所の表面についてRz及びRsmを測定し、その平均値を反射材のRz(μm)及びRsm(μm)とした。測定には、ミツトヨ社製「サーフテスト SJ−210」を使用し、JIS B0601(2001)に基づき、λc:0.8mm、λs:2.5mmとして測定した。
<原料>
実施例・比較例で使用した原料について以下に説明する。
<COP−1> 非晶性シクロオレフィン系樹脂(MFR(230℃、21.18N):1.2g/10分、Tg:127℃)
<COP−2> 非晶性シクロオレフィン系樹脂(MFR(230℃、21.18N):12g/10分、Tg:100℃)
<TPX−1> ポリメチルペンテン樹脂(三井化学社製「TPX RT18」、MFR(260℃、荷重5kg):26g/10分、Tc:210℃、E’(100)=272MPa、E’(200)=52MPa)
<TPX−2> ポリメチルペンテン樹脂(三井化学社製「TPX DX845」、MFR(260℃、荷重5kg):9g/10分、Tc:211℃)
<PP−1> ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EA9」、MFR(230℃、21.18N):0.5g/10分)
<PP−2> ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製「ノバテックPP FY6HA」、MFR(230℃、21.18N):2.4g/10分)
<SMA> スチレン−メチルメタクリレート−無水マレイン酸共重合体樹脂(デンカ社製「レジスファイ R−200」、MFR(230℃、荷重3.8kg):1.8g/10分、Tg:131℃)
実施例・比較例で使用した原料について以下に説明する。
<COP−1> 非晶性シクロオレフィン系樹脂(MFR(230℃、21.18N):1.2g/10分、Tg:127℃)
<COP−2> 非晶性シクロオレフィン系樹脂(MFR(230℃、21.18N):12g/10分、Tg:100℃)
<TPX−1> ポリメチルペンテン樹脂(三井化学社製「TPX RT18」、MFR(260℃、荷重5kg):26g/10分、Tc:210℃、E’(100)=272MPa、E’(200)=52MPa)
<TPX−2> ポリメチルペンテン樹脂(三井化学社製「TPX DX845」、MFR(260℃、荷重5kg):9g/10分、Tc:211℃)
<PP−1> ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EA9」、MFR(230℃、21.18N):0.5g/10分)
<PP−2> ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製「ノバテックPP FY6HA」、MFR(230℃、21.18N):2.4g/10分)
<SMA> スチレン−メチルメタクリレート−無水マレイン酸共重合体樹脂(デンカ社製「レジスファイ R−200」、MFR(230℃、荷重3.8kg):1.8g/10分、Tg:131℃)
<酸化チタン> KRONOS社製「KRONOS2450」(塩素法で製造され、アルミナ及びシリカで表面処理されたルチル型の酸化チタン、TiO2含有量96.0%、平均粒径(D50):0.31μm)
<炭酸カルシウム> 備北粉化工業社製「ソフトン3200」(平均粒径(D50):0.70μm)
<炭酸カルシウム> 備北粉化工業社製「ソフトン3200」(平均粒径(D50):0.70μm)
<実施例1>
(樹脂組成物Aの作製)
COP−1、COP−2、PP−1、TPX−1の各ペレットを、COP−1:COP−2:PP−1:TPX−1=34:17:9:40の質量割合で混合した後、250℃に加熱された二軸押出機を用いてペレット化し、樹脂層(A)の原料として樹脂組成物Aを作製した。
(樹脂組成物Aの作製)
COP−1、COP−2、PP−1、TPX−1の各ペレットを、COP−1:COP−2:PP−1:TPX−1=34:17:9:40の質量割合で混合した後、250℃に加熱された二軸押出機を用いてペレット化し、樹脂層(A)の原料として樹脂組成物Aを作製した。
(樹脂組成物Bの作製)
PP−2のペレットと微粉状充填剤を、PP−2:酸化チタン:炭酸カルシウム=55:40:5の質量割合で混合した後、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化し、樹脂層(B)の原料として樹脂組成物Bを作製した。
PP−2のペレットと微粉状充填剤を、PP−2:酸化チタン:炭酸カルシウム=55:40:5の質量割合で混合した後、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化し、樹脂層(B)の原料として樹脂組成物Bを作製した。
(反射材の作製)
上記樹脂組成物A、Bをそれぞれ、段階的に250℃迄加熱された押出機A及びBに供給し、各押出機にて溶融した後、2種3層用のTダイに合流させ、樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)の3層構成になるようにシート状に押出し、冷却固化して無延伸の積層シートを形成した。
得られた積層シートを、温度142℃でMDに2.3倍ロール延伸した後、さらに141℃でTDに3倍テンター延伸することで二軸延伸を行い、全厚さ276μmの反射材を得た。
得られた反射材について空隙率、平均反射率、輝度ムラ評価、表面粗さの評価を行った結果を表1に示す。
上記樹脂組成物A、Bをそれぞれ、段階的に250℃迄加熱された押出機A及びBに供給し、各押出機にて溶融した後、2種3層用のTダイに合流させ、樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)の3層構成になるようにシート状に押出し、冷却固化して無延伸の積層シートを形成した。
得られた積層シートを、温度142℃でMDに2.3倍ロール延伸した後、さらに141℃でTDに3倍テンター延伸することで二軸延伸を行い、全厚さ276μmの反射材を得た。
得られた反射材について空隙率、平均反射率、輝度ムラ評価、表面粗さの評価を行った結果を表1に示す。
<実施例2>
TPX−1をTPX−2のペレットに変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ276μmの反射材を得た。得られた反射材について実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
TPX−1をTPX−2のペレットに変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ276μmの反射材を得た。得られた反射材について実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
<実施例3>
樹脂層(A)の原料の配合割合を表1の通りとし、2軸押出機の温度を260℃として樹脂組成物を製造した。当該樹脂組成物を用い、反射材製造時の押出機B(中間層)の温度を段階的に240℃とした以外は実施例1と同様にして反射材を得た。得られた反射材について実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
樹脂層(A)の原料の配合割合を表1の通りとし、2軸押出機の温度を260℃として樹脂組成物を製造した。当該樹脂組成物を用い、反射材製造時の押出機B(中間層)の温度を段階的に240℃とした以外は実施例1と同様にして反射材を得た。得られた反射材について実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
<比較例1>
樹脂層(A)の原料の配合割合を表1の通りとし、反射材製造時の押出機B(中間層)の温度を段階的に205℃とした以外は実施例1と同様にして反射材を得た。得られた反射材について実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
樹脂層(A)の原料の配合割合を表1の通りとし、反射材製造時の押出機B(中間層)の温度を段階的に205℃とした以外は実施例1と同様にして反射材を得た。得られた反射材について実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
<比較例2>
樹脂層(A)の原料としてTPX−1の代わりにSMAを使用し、配合割合を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして反射材を得た。得られた反射材について実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
樹脂層(A)の原料としてTPX−1の代わりにSMAを使用し、配合割合を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして反射材を得た。得られた反射材について実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
表1から明らかな通り、実施例1、2では平均反射率が良好(高い)であるとともに輝度ムラが抑制されており、薄型バックライト等の反射材として好適に使用できることが確認された。実施例1に比べて樹脂層(A)中のTPX−1の含有量が少ない実施例3は、表面粗さRz、Rsmが低下し、輝度ムラが若干悪化したが、薄型バックライト等の反射材として使用可能なレベルであった。
一方、比較例1、2の反射材は、樹脂層(A)にポリメチルペンテン樹脂を含有していないため、輝度ムラが発生し、薄型バックライト等の反射材として不適当なレベルであった。
なお、何れの実施例、比較例においても反射材の製造は安定しており、連続生産が可能であった。また、得られた反射材にカールは無かった。
一方、比較例1、2の反射材は、樹脂層(A)にポリメチルペンテン樹脂を含有していないため、輝度ムラが発生し、薄型バックライト等の反射材として不適当なレベルであった。
なお、何れの実施例、比較例においても反射材の製造は安定しており、連続生産が可能であった。また、得られた反射材にカールは無かった。
1 測定台
2 金属板
3 導光板
4 反射材
5,5’ 重り
6 LED照明
7 カメラ
A 輝度ムラ確認位置
2 金属板
3 導光板
4 反射材
5,5’ 重り
6 LED照明
7 カメラ
A 輝度ムラ確認位置
Claims (14)
- シクロオレフィン系樹脂(a)、ポリメチルペンテン樹脂(b)、及びその他のオレフィン系樹脂(c)を含有する樹脂層(A)と、オレフィン系樹脂を含有し、且つ空隙を有する樹脂層(B)とを有する反射材。
- 空隙率が10〜80%である請求項1に記載の反射材。
- 表面粗さが下記(i)及び(ii)のうち少なくとも何れかを満たす請求項1又は2に記載の反射材。
(i)表面粗さRzが5〜30μm
(ii)表面粗さRsmが150〜400μm - 樹脂層(A)中におけるポリメチルペンテン樹脂(b)の含有割合が5〜60質量%である請求項1〜3の何れかに記載の反射材。
- ポリメチルペンテン樹脂(b)の結晶化温度が170〜250℃である請求項1〜4の何れかに記載の反射材。
- ポリメチルペンテン樹脂(b)は、動的粘弾性測定(振動周波数10Hz、歪み0.1%)において測定される貯蔵弾性率E’が下記(1)及び(2)のうち少なくとも何れかを満たす請求項1〜5の何れかに記載の反射材。
(1)100℃の貯蔵弾性率(E’(100))が100MPa〜1GPa
(2)200℃の貯蔵弾性率(E’(200))が1〜100MPa - シクロオレフィン系樹脂(a)のガラス転移温度が70〜170℃である請求項1〜6の何れかに記載の反射材。
- その他のオレフィン系樹脂(c)としてポリプロピレン樹脂を含有する請求項1〜7の何れかに記載の反射材。
- 樹脂層(B)中に微粉状充填剤を10〜80質量%含有する請求項1〜8の何れかに記載の反射材。
- 樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚み比が、樹脂層(A):樹脂層(B)=1:2〜1:15である請求項1〜9の何れかに記載の反射材。
- 樹脂層(B)の両面に樹脂層(A)を有する請求項1〜10の何れかに記載の反射材。
- 樹脂層(A)が反射使用面である請求項1〜11の何れかに記載の反射材。
- 液晶ディスプレイ、照明器具、照明看板の何れかの構成部材として使用される請求項1〜12の何れかに記載の反射材。
- 請求項1〜12の何れかに記載の反射材を構成部材とする液晶ディスプレイ、照明器具、又は照明看板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017249985A JP2019117225A (ja) | 2017-12-26 | 2017-12-26 | 反射材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017249985A JP2019117225A (ja) | 2017-12-26 | 2017-12-26 | 反射材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019117225A true JP2019117225A (ja) | 2019-07-18 |
Family
ID=67304374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017249985A Pending JP2019117225A (ja) | 2017-12-26 | 2017-12-26 | 反射材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019117225A (ja) |
-
2017
- 2017-12-26 JP JP2017249985A patent/JP2019117225A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5805951B2 (ja) | 反射材 | |
JP2007003975A (ja) | 光反射板用ポリプロピレンフィルム | |
JP6072754B2 (ja) | 反射材 | |
JP5739255B2 (ja) | 反射材 | |
JP2015230351A (ja) | 反射フィルム、及びこれを備えてなる液晶表示装置、照明装置、装飾用物品 | |
JP2007293289A (ja) | 光反射シート | |
JP2011237572A (ja) | シクロオレフィン系樹脂反射フィルム | |
WO2013108562A1 (ja) | 反射材 | |
KR101597482B1 (ko) | 반사재 | |
JP2020166260A (ja) | 反射材 | |
JP2019117225A (ja) | 反射材 | |
TWI844655B (zh) | 反射材料 | |
WO2009139402A1 (ja) | 光反射用積層体 | |
JP2020011430A (ja) | 反射材 | |
JP5245530B2 (ja) | 光反射用積層フィルム | |
WO2020196760A1 (ja) | 反射材 | |
JP2021149062A (ja) | 反射材 | |
JP2021149060A (ja) | 反射材 | |
JP2021149061A (ja) | 反射材 | |
CN113631967A (zh) | 反射材料 | |
JP2020060671A (ja) | 反射材 | |
JP2024054898A (ja) | 反射フィルム | |
JP2013083792A (ja) | 反射材 | |
JP2019061162A (ja) | 反射材 | |
JP2009226748A (ja) | 積層二軸配向白色ポリプロピレンフィルム |