JP2019116018A - 積層シート - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の積層シートは、アスファルトを含む防水層と、この防水層の少なくとも一方の面に積層され繊維層と、この繊維層の上に積層された樹脂層とを含む。
防水層としては、アスファルトを含んでいれば特に限定されないが、屋根下葺材では、通常、繊維構造体にアスファルトを含浸させたアスファルト含浸繊維構造体(アスファルトフェルト、アスファルトルーフィング)が汎用される。
繊維層は、メルトブローン不織布及びスパンボンド不織布を含む複数の不織布を積層した積層不織布で形成されている。本発明では、繊維層がメルトブローン不織布とスパンボンド不織布との組み合わせであるため、薄肉であっても、機械的特性を維持しつつ、アスファルトの滲出を抑制できる。
樹脂層は、(メタ)アクリル系樹脂を含む。本発明では、繊維層の上に、樹脂層が積層されているため、耐久性を向上でき、長期間使用しても、アスファルトの滲出を抑制できるとともに、樹脂層の上に、さらに耐候層などを印刷によって容易に塗工し易くなる。
本発明の積層シートは、前記樹脂層の上に、さらに無機粒子を含む耐候層を積層するのが好ましい。本発明では、樹脂層の上に、耐候層を積層すると、耐光性などの耐候性及び防滑性を向上できる。
防水層の繊維層が積層されていない側には、接着層を介して、剥離層や鉱物質粉粒層を積層してもよい。さらに、防水層と繊維層との間に接着層を介在させてもよい。
本発明の積層シートは、防水性(耐水性)が高く、JIS L1092の耐水度試験に準拠した方法において、耐水圧が10kPa以上であってもよい。
本発明の積層シートは、各層間を接着して一体化できればよく、慣用の接着方法を利用できるが、防水層のアスファルトは、ホットメルト接着性を有しているため、防水層と繊維層との接着方法としては、例えば、ロールコーター法を利用するのが好ましい。ロールコーター法では、ロールコーターを用いて、防水層のアスファルトを熱融着可能な状態で繊維層と接触して固化する方法であればよく、アスファルトが冷却されて固化する前に繊維層と熱ラミネートすることにより両層を一体化できる。具体的には、防水層を形成するための繊維構造体に加熱溶融したアスファルトを含浸・塗布させた後、アスファルトが溶融した状態で、ロールコーターを用いて繊維層を積層した後、冷却して固化してもよい。
ポリエステル長繊維不織布A:目付90g/m2、厚み0.4mm
ポリエステル長繊維不織布B:目付30g/m2、厚み0.12mm
SMSポリプロピレン長繊維不織布:メルトブローン不織布の両面にスパンボンド不織布が積層された不織布、目付15g/m2、見掛け密度50kg/m3、スパンボンド不織布の平均繊維径14〜25μm、メルトブローン不織布の平均繊維径2〜5μm
改質アスファルト:88質量部のストレートアスファルト60〜80と、12質量部のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体との混合物
アクリル樹脂:昭和電工(株)製「AP−609LN」、アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(熱可塑性)
自己粘着層:70質量部のストレートアスファルト150−200と、10質量部の熱可塑性ポリマーと、5質量部の粘着付与剤と、5質量部のオイルと、10質量部のフィラーとの混合物
剥離フィルム:Huhtamaki Forchheim社製「74917PP」、シリコーン系剥離フィルム(ポリプロピレン基材)、厚み30μm。
80℃の恒温槽で、得られた100mm×100mmの積層シートをそれぞれ24時間静置し、不織布面にアスファルトが染み出しているか否かを、以下の基準で評価した。
△…わずかに染み出しが見られる
×…表面に染み出しが見られる。
4寸勾配の試験台に、得られた100mm×100mmの積層シートをそれぞれ施工し、野外で放置した。この積層シートを、一定時間経過ごとに表面を手で触り、その時に改質アスファルト層が見えるまではがれるか否かを検証し、以下の基準で評価した。
×…改質アスファルト層が見えるまではがれる。
釘穴シーリング性は、アスファルトルーフィング工業会「改質アスファルトルーフィング下葺き材 ARK 04s−03:2006」の「7.8釘穴シーリング性試験」に準じて評価した。具体的には、100mm×100mmの耐水合板(厚さ12mm)の上に、得られた100mm×100mmの積層シートを載置し、釘頭が積層シートの約10mm上方にくるまで、リング釘(軸部の平均径:3.2mm、足部の長さ:32mm)を真っ直ぐ打って固定したリング釘用積層シートと、釘頭が試験体の直上にくるまでステープルを真っ直ぐ打って固定したステープル用積層シートとを10個ずつ用意した。積層シートの上に40mmに切断したポリ塩化ビニル製管(内径40mm)を、釘穴の位置が前記管の切断面中央部に位置するように置いた。ポリ塩化ビニル製管と積層シートの接触部分をシーリング材でシールし、シーリング材を硬化させて試験体を作製した。試験体のポリ塩化ビニル製管に水を注入し(水頭30mm)、24時間静置した後、漏水の有無を確認した。10個の試験体のうち、漏水が生じた試験体の数(漏水個数)をカウントした(2個以上の水漏れがなければ合格である)。
ポリエステル長繊維不織布Aに、加熱溶融した改質アスファルトを含浸させ、ロールコーターを用いて、一方の面にSMSポリプロピレン長繊維不織布を上から貼り付けた後、SMSポリプロピレン長繊維不織布の上に、フレキソ印刷機を用いて、アクリル樹脂を37g/m2(乾燥質量)の塗布量で塗工して乾燥し、樹脂層を形成した後、樹脂層の上に、印刷インキを、10g/m2(乾燥質量)の塗布量で塗工して乾燥し、耐候層を形成した。他方の面に、ロールコーターを用いて、自己粘着層を300g/m2(質量)の塗布量で塗工して乾燥した後、自己粘着層の上に剥離フィルムを貼り付けて、積層シートを得た。
SMSポリプロピレン長繊維不織布の上に、樹脂層及び耐候層を積層しない以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。
SMSポリプロピレン長繊維不織布の代わりに、ポリエステル長繊維不織布Bを用いる以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。
Claims (11)
- アスファルトを含む防水層と、この防水層の少なくとも一方の面に積層された繊維層と、この繊維層の上に積層され、かつ(メタ)アクリル系樹脂を含む樹脂層とを含む積層シートであって、前記繊維層が、メルトブローン不織布及びスパンボンド不織布を含む複数の不織布を積層した積層不織布で形成されている積層シート。
- 樹脂層の上に、無機粒子を含む耐候層が積層されている請求項1記載の積層シート。
- 繊維層の目付が30g/m2以下である請求項1又は2記載の積層シート。
- 繊維層の見掛け密度が10〜100kg/m3である請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
- 繊維層が、メルトブローン不織布の両面に、スパンボンド不織布が積層した積層不織布である請求項1〜4のいずれかに記載の積層シート。
- 繊維層が、複数のエンボス凹部を有する積層不織布である請求項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
- 繊維層が、ポリプロピレン系長繊維を含む請求項1〜6のいずれかに記載の積層シート。
- スパンボンド不織布を構成する繊維の平均繊維径が10〜100μmである請求項1〜7のいずれかに記載の積層シート。
- スパンボンド不織布を構成する繊維の平均繊維径が、メルトブローン不織布を構成する繊維の平均繊維径に対して2〜10倍である請求項1〜8のいずれかに記載の積層シート。
- 建築物又は構造物の下地を被覆するための防水シートである請求項1〜9のいずれかに記載の積層シート。
- 屋根下葺材である請求項1〜10のいずれかに記載の積層シート。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021021206A (ja) * | 2019-07-25 | 2021-02-18 | 株式会社高速道路総合技術研究所 | 積層防水強化シートとそれを用いるコンクリート桁の防水強化工法 |
CN115534450A (zh) * | 2022-09-29 | 2022-12-30 | 江苏屋堡建材科技有限公司 | 一种建筑围护高耐候多功能复合膜及其制备方法 |
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JP7299093B2 (ja) | 2019-07-25 | 2023-06-27 | 株式会社高速道路総合技術研究所 | 積層防水強化シートとそれを用いるコンクリート桁の防水強化工法 |
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