JP2019115939A - 回転工具及び切削加工物の製造方法 - Google Patents

回転工具及び切削加工物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019115939A
JP2019115939A JP2017249830A JP2017249830A JP2019115939A JP 2019115939 A JP2019115939 A JP 2019115939A JP 2017249830 A JP2017249830 A JP 2017249830A JP 2017249830 A JP2017249830 A JP 2017249830A JP 2019115939 A JP2019115939 A JP 2019115939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thinning
blade
thinning surface
rotary tool
cutting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017249830A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6941047B2 (ja
Inventor
陽二 中園
Yoji Nakazono
陽二 中園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2017249830A priority Critical patent/JP6941047B2/ja
Publication of JP2019115939A publication Critical patent/JP2019115939A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6941047B2 publication Critical patent/JP6941047B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】回転工具において、びびり振動の抑制及び切刃の高い耐久性が求められていた。【解決手段】一態様の回転工具は、回転軸を有し、第1端から第2端にかけて延びた棒形状の本体を備え、本体は、第1端の側に位置した切刃とを備えている。切刃は、正面視した場合に、回転軸から本体の外周に向かって延びたチゼルエッジと、チゼルエッジから延びた、直線形状の内シンニング刃と、内シンニング刃から異なる角度で延びた、直線形状の外シンニング刃と、外シンニング刃から延びた主切刃と、を有している。また、本体は、内シンニング刃に沿って位置する平らな第1内シンニング面と、外シンニング刃に沿って位置する平らな第1外シンニング面と、主切刃から本体の第2端の側に向かって延びた、螺旋形状の溝と、を備えている。【選択図】図2

Description

本態様は、切削加工において用いられる回転工具に関する。
金属などの被削材を切削加工する際に用いられる回転工具として、例えば、特許文献1及び2に記載のドリルが知られている。特許文献1に記載のドリルは、切刃と、切刃に沿って位置するシンニング面及び切屑排出溝とを有している。特許文献1における切刃は1つの直線形状である。特許文献2に記載のドリルは、シンニング加工部に位置する中心切刃と、主切刃と、主切刃から延びた切屑溝とを有している。特許文献2における中心切刃は、正面視した場合に凸曲線形状である。
特開2012−030306号公報 特表2016−529124号公報
特許文献1に記載のドリルにおいては、切刃が1つの直線形状である。そのため、ドリルが被削材に接触する際に切削抵抗が急激に上昇して、大きなびびり振動が生じるおそれがある。また、特許文献2に記載のドリルにおいては、中心切刃が正面視した場合に凸曲線形状である。主切刃と比較して中心側に位置する中心切刃には大きな負荷が加わる場合があるが、このような大きな負荷が加わった際に中心切刃の耐久性が低下するおそれがある。
一態様に基づく回転工具は、回転軸を有し、第1端から第2端にかけて延びた棒形状の本体を備え、該本体は、前記第1端の側に位置し、正面視した場合に、前記回転軸から前記本体の外周に向かって延びたチゼルエッジと、該チゼルエッジから延びた、直線形状の内シンニング刃と、該内シンニング刃から異なる角度で延びた、直線形状の外シンニング刃と、該外シンニング刃から延びた主切刃と、を有する切刃と、前記内シンニング刃に沿って位置する平らな第1内シンニング面と、前記外シンニング刃に沿って位置する平らな第1外シンニング面と、前記主切刃から前記本体の前記第2端の側に向かって延びた、螺旋形状の溝と、を備えている。
上記態様の回転工具によれば、切刃の耐久性が高く、且つ、びびり振動が小さい。
実施形態の回転工具を示す斜視図である。 図1に示す領域A1における拡大図である。 図1に示す回転工具の正面図である。 図3に示す切削インサートをB1方向から見た側面図である。 図3に示す切削インサートをB2方向から見た側面図である。 図5に示す領域A2における拡大図である。 図6に示すC1−C1断面の断面図である。 図6に示すC2−C2断面の断面図である。 実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。 実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。 実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。
以下、実施形態の回転工具1について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、以下に開示する回転工具1は、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
<ドリル>
実施形態の回転工具1の一例として、ドリル1が挙げられる。回転工具1としては、ドリル1の他にも例えばエンドミルなどが挙げられる。
本開示のドリル1は、回転軸Xを有し、第1端3aから第2端3bにかけて延びた棒形状の本体3(body)を備えている。図1に示すドリル1は、回転軸Xに沿った方向に延びている。切削加工物を製造するための被削材の切削加工時において、本体3は回転軸Xを中心に回転することが可能である。以下、第1端3aを先端3aとするとともに第2端3bを後端3bとする。また、回転軸Xに近い側を中心側とし、回転軸Xから遠い側を外周側とする。また、本体3の後端3bから先端3aに向かう方向を先端方向とし、本体3の先端3aから後端3bに向かう方向を後端方向とする。
図1に示す一例の本体3は、把持部5(shank portion)及び切削部7(cutting portion)によって構成されている。把持部5は、工作機械(不図示)の回転するスピンドル等で把持される部位であり、工作機械におけるスピンドル等の形状に応じて設計される部位である。切削部7は、把持部5に対して先端3aの側に位置している。切削部7は、被削材と接触する部分を含む部位であり、被削材の切削加工において主たる役割を有する部位である。なお、図1などにおける矢印Yは、回転軸Xを中心とした本体3の回転方向を示している。
切削部7は1つの部材によって構成されていてもよく、また、複数の部材によって構成されていてもよい。図1に示す一例のように、切削部7が1つの部材によって構成されているドリル1は、一般的にソリッドドリルと呼ばれる。また、切削部7が、先端3aの側に位置する第1部材と、後端3bの側に位置する第2部材とによって構成されていてもよい。切削部7が複数の部材によって構成されている場合であって先端3aの側の第1部材が交換可能である場合に、ドリル1は、一般的にスローアウェイドリルと呼ばれる。このとき、第1部材は、一般的にスローアウェイチップと呼ばれる。
本開示の本体3は、先端3aの側に位置する切刃9を備えている。切刃9は、被削材を切削するための部位として用いることが可能である。図3に示す一例における切刃9は、チゼルエッジ(chisel edge)11、内シンニング刃(inner thinning edge)13、外シンニング刃(outer thinning edge)15及び主切刃(main cutting edge)17を有している。なお、以下の説明において、内シンニング刃13及び外シンニング刃15の両方を指す時には、単にシンニング刃と呼ぶ場合がある。
図3に示す一例におけるチゼルエッジ11は、正面視した場合に、回転軸Xから本体3の外周に向かって延びている。図3に示す一例のチゼルエッジ11においては、すくい角が負の値であって、被削材を切削するというより被削材を押しつぶすように機能することが可能である。図3に示す一例のチゼルエッジ11は、正面した場合において直線形状で
ある。なお、正面した場合におけるチゼルエッジ11は、上記の構成に限定されるものではなく、曲線形状であってもよい。
図3に示す一例における内シンニング刃13は、直線形状であり、チゼルエッジ11から本体3の外周に向かって延びている。内シンニング刃13におけるすくい角は、0°、正の値、又は負の値のいずれであってもよい。図2に示す一例の内シンニング刃13におけるすくい角は、概ね0°である。
正面視した場合において、内シンニング刃13はチゼルエッジ11に対して鈍角に交わっていてもよい。内シンニング刃13がチゼルエッジ11に対して鈍角に交わっている場合には、チゼルエッジ11及び内シンニング刃13の境界の近傍に大きな切削負荷が加わることが避けられ易い。そのため、切刃9の耐久性が高い。
なお、図3に示す一例の内シンニング刃13は、チゼルエッジ11に対して直接に接続されているが、このような構成に限定されるものではない。チゼルエッジ11及び内シンニング刃13の間に、これらの刃よりも短く、これらの刃を接続する曲線形状の刃(curved edge)が位置していてもよい。
図3に示す一例における外シンニング刃15は、直線形状であり、内シンニング刃13から異なる角度で本体3の外周に向かって延びている。外シンニング刃15におけるすくい角は、0°、正の値、又は負の値のいずれであってもよい。図2に示す一例における外シンニング刃15のすくい角は、概ね0°である。
正面視した場合において、外シンニング刃15は内シンニング刃13に対して鈍角に交わっていてもよい。外シンニング刃15が内シンニング刃13に対して鈍角に交わっている場合には、内シンニング刃13及び外シンニング刃15の境界の近傍に大きな切削負荷が加わることが避けられ易い。そのため、切刃9の耐久性が高い。
なお、図3に示す一例の外シンニング刃15は、内シンニング刃13に対して直接に接続されているが、このような構成に限定されるものではない。内シンニング刃13及び外シンニング刃15の間に、これらの刃よりも短く、これらの刃を接続する曲線形状の刃が位置していてもよい。
図3に示す一例における主切刃17は、外シンニング刃15から本体3の外周に向かって延びている。図3に示す一例の主切刃17は、すくい角が正の値であって、被削材を切削することが可能である。主切刃17は、正面視した場合において、直線形状であってもよく、また、曲線形状であってもよい。図3に示す一例における主切刃17は、正面視した場合において回転方向Yに対して窪んだ凹曲線形状である。
正面視した場合において、主切刃17は外シンニング刃15に対して鈍角に交わっていてもよい。主切刃17が外シンニング刃15に対して鈍角に交わっている場合には、外シンニング刃15及び主切刃17の境界の近傍に大きな切削負荷が加わることが避けられ易い。そのため、切刃9の耐久性が高い。
なお、図3に示す一例の主切刃17は、外シンニング刃15に対して直接に接続されているが、このような構成に限定されるものではない。外シンニング刃15及び主切刃17の間に、これらの刃よりも短く、これらの刃を接続する曲線形状の刃が位置していてもよい。
ドリル1は、1つのチゼルエッジ11、1つの内シンニング刃13、1つの外シンニン
グ刃15及び1つの主切刃17を備えていてもよく、また、複数のチゼルエッジ11、複数の内シンニング刃13、複数の外シンニング刃15及び複数の主切刃17を備えていてもよい。図3に示す一例におけるドリル1は、2つのチゼルエッジ11、2つの内シンニング刃13、2つの外シンニング刃15及び2つの主切刃17を備えている。
本開示の本体3は、第1内シンニング面19及び第1外シンニング面21を備えている。第1内シンニング面19は、内シンニング刃13に沿って位置している。第1内シンニング面19は、内シンニング刃13で生じた切屑が流れる面である。第1外シンニング面21は、外シンニング刃15に沿って位置している。第1外シンニング面21は、外シンニング刃15で生じた切屑が流れる面である。第1内シンニング面19及び第1外シンニング面21は、それぞれ切削加工時の切削抵抗を小さくすることを主目的として形成されていてもよい。
また、本開示における第1内シンニング面19及び第1外シンニング面21は、それぞれ平らである。図2に示す一例においては、内シンニング刃13及び外シンニング刃15におけるすくい角がそれぞれ0°であることから、第1内シンニング面19及び第1外シンニング面21は、それぞれ回転軸Xに対して平行である。
なおここで、第1内シンニング面19が回転軸Xに対して平行であるとは、平らな第1内シンニング面19を含む仮想平面に直交するとともに回転軸Xを含む断面において、この仮想平面及び回転軸Xが平行であることを意味する。第1外シンニング面21が回転軸Xに対して平行であるとは、平らな第1外シンニング面21を含む仮想平面に直交するとともに回転軸Xを含む断面において、この仮想平面及び回転軸Xが平行であることを意味する。ただし、上記の平行とは、厳密な意味での平行に限定されるものではなく、5°程度の僅かな傾斜も含んでいてもよいことを意図している。
本開示の本体3は、螺旋形状の溝23を備えている。溝23は、主切刃17から本体3の後端3bの側に向かって延びている。このとき、溝23は、後端3bの側に向かって延びていればよく、必ずしも本体3の後端3bに達していなくてもよい。溝23は、切刃9によって生成される切屑を外部に排出するために用いることが可能である。図1に示す一例の溝23は、回転軸Xの周りに螺旋状に延びている。図1に示す一例のドリル1は、2つの主切刃17を備えていることから、1つのみではなく2つの溝23を備えている。
螺旋状に延びた溝23のねじれ角(helix angle)は、先端3aの側から後端3bの側
にかけて一定であってもよく、また、途中で変化していてもよい。なお、ねじれ角とは、リーディングエッジ(leading edge)と、回転軸Xに平行な仮想直線とがなす角を意味している。リーディングエッジは、溝23と、この溝23に対して回転方向Yの後方側に位置するマージン(margin)とで形成される交線によって示される。ねじれ角は、例えば、3〜45°程度に設定してもよい。
本開示の本体3は、上記のように内シンニング刃13及び外シンニング刃15を有している。そのため、ドリル1が被削材に接触する際に大きなびびり振動が生じにくい。また、内シンニング刃13及び外シンニング刃15がそれぞれ直線形状であることから、シンニング刃の全体としての耐久性が高い。すなわち、本開示のドリル1における切刃9の耐久性が高い。
ドリル1は、例えば図1に示すように回転軸Xに沿って延びる円柱状体から、溝23及びクリアランス(clearance)に該当する部分などを除いた形状となっている。そのため
、回転軸Xに直交する断面において、切削部7の外周における溝23及びクリアランスを除き、マージンなどに相当する部分は、同一円上に位置する円弧形状となっている。この
同一円の直径がドリル1の外径に対応する。
ドリル1は、特定の大きさに限定されるものではないが、例えば、外径が6mm〜42.5mmに設定されてもよい。また、ドリル1は、例えば、先端3aから後端3bまでの長さをLとし、外径をDとするとき、L=3D〜12Dに設定されてもよい。
また、溝23の深さとしては、上記の外径に対して10〜40%程度に設定してもよい。ここで、溝23の深さとは、回転軸Xに直交する断面における、溝23の底と回転軸Xとの距離を本体3の半径から引いた値を意味している。底とは、溝23における回転軸Xに最も近い部分を意味している。
そのため、本体3における回転軸Xに直交する断面での内接円の直径によって示される芯厚の直径としては、外径に対して20〜80%程度に設定してもよい。具体的には、例えば、外径が20mmである場合、溝23の深さは2〜8mm程度に設定できる。
本体3の材質としては、WC(タングステンカーバイド)を含有し、バインダとしてCo(コバルト)を含有する超硬合金、この超硬合金にTiC(チタンカーバイド)又はTaC(タンタルカーバイド)のような添加物を含んだ合金、ステンレス及びチタンのような金属などが挙げられる。
本開示における切刃9は、上記の通り、内シンニング刃13及び外シンニング刃15を有している。正面視した場合における内シンニング刃13及び外シンニング刃15の長さは特に限定されるものではなく、例えば図3に示すように、内シンニング刃13よりも外シンニング刃15が長くてもよい。
外シンニング刃15よりも内シンニング刃13が回転軸Xの近くに位置している。そのため、被削材の切削加工時において、内シンニング刃13の切削速度は、外シンニング刃15の切削速度よりも遅い。内シンニング刃13及び外シンニング刃15の全体が被削材に接触する際において、切削速度が相対的に早い外シンニング刃15の長さが相対的に長い場合には、びびり振動が抑制される。また、外シンニング刃15よりも内シンニング刃13が短い場合には、切刃が被削材に食いつき始める際の切削抵抗の上昇が抑制され易い。
側面視した場合において、内シンニング刃13及び外シンニング刃15は、それぞれ回転軸Xに対して直交していてもよく、また、傾斜していてもよい。図6に示す一例においては、内シンニング刃13及び外シンニング刃15が、それぞれ回転軸Xに対して直交する方向に延びている。内シンニング刃13及び外シンニング刃15が、それぞれ回転軸Xに対して直交する方向に延びている場合には、被削材に穴あけ加工を行う際に加工穴の底面を平坦にし易い。
一方、側面視した場合において、内シンニング刃13及び外シンニング刃15が、それぞれ回転軸Xに対して直交する方向に延びている場合には、ドリル1が被削材に接触する際にシンニング刃の全体が被削材に接触し易いため、びびり振動が大きくなり易い。しかしながら、図3に示す一例のドリル1においては、シンニング刃が、内シンニング刃13及び外シンニング刃15によって構成されている。そのため、びびり振動を抑制しつつ、平坦な加工穴の底面を形成し易い。
なお、上記の「回転軸Xに対して直交する方向」とは、厳密に回転軸Xに対して直交していることを意味するものではなく、5°程度のずれを許容している。すなわち、側面視した場合において、内シンニング刃13及び外シンニング刃15と回転軸Xとのなす角度
が85〜95°程度であればよい。
また、側面視した場合において、内シンニング刃13及び外シンニング刃15が1つの仮想直線S1上に位置しているときには、加工穴の底面をより平坦にし易い。
図3及び図6などに示す一例の本体3は、第2内シンニング面25、第3内シンニング面27、第2外シンニング面29及び第3外シンニング面31をさらに備えている。第2内シンニング面25は、第1内シンニング面19に対して回転方向Yの前方において隣り合っており、凹曲面形状である。第3内シンニング面27は、第2内シンニング面25に対して回転方向Yの前方において隣り合っており、平らである。第2外シンニング面29は、第1外シンニング面21に対して回転方向Yの前方において隣り合っており、凹曲面形状である。第3外シンニング面31は、第2外シンニング面29に対して回転方向Yの前方において隣り合っており、平らである。
図3及び図6などに示す一例において、第1内シンニング面19、第2内シンニング面25及び第3内シンニング面27によって構成される領域を内シンニング部と言い換えてもよい。また、第1外シンニング面21、第2外シンニング面29及び第3外シンニング面31によって構成される領域を外シンニング部と言い換えてもよい。
本体3が、上記の内シンニング部を有している場合には、内シンニング刃13で生じた切屑の排出性が高い。また、本体3が、上記の外シンニング部を有している場合には、外シンニング刃15で生じた切屑の排出性が高い。
特に、第3外シンニング面31 の回転軸Xに対する第1傾斜角θ11が、第3内シン
ニング面27の回転軸Xに対する第2傾斜角θ12よりも小さい場合には、切屑の排出性がさらに高い。内シンニング部には内シンニング刃13で生じた切屑が流れる一方で、外シンニング部には外シンニング刃15で生じた切屑に加えて、内シンニング部を通過した切屑が流入する。第1傾斜角θ11が第2傾斜角θ12よりも小さい場合には、第1傾斜角θ11が第2傾斜角θ12と同じである場合と比較して、外シンニング部のスペースが広い。そのため、切屑の排出性がさらに高い。
なお、第1傾斜角θ11は、平らな第3外シンニング面31を含む仮想平面に直交するとともに回転軸Xを含む断面において、この仮想平面の回転軸Xに対する傾斜角によって評価できる。また、第2傾斜角θ12は、平らな第3内シンニング面27を含む仮想平面に直交するとともに回転軸Xを含む断面において、この仮想平面の回転軸Xに対する傾斜角によって評価できる。
また、図7及び図8に示す一例のように、第1内シンニング面19及び第3内シンニング面27 の交わる第1角θ21が、第1外シンニング面21及び第3外シンニング面3
1 の交わる第2角θ22よりも大きい場合にも切屑の排出性が高い。第1角θ21が第
2角θ22よりも大きい場合には、シンニング刃で生じた切屑が、小さい径でカールされ易い。これにより、シンニング刃で生じた切屑が溝23を流れ易くなるため、切屑の排出性が高い。
なお、第1角θ21は、第1内シンニング面19及び第3内シンニング面27 のそれ
ぞれに直交する断面における、第1内シンニング面19及び第3内シンニング面27 の
なす角によって評価できる。また、第2角θ22は、第1外シンニング面21及び第3外シンニング面31 のそれぞれに直交する断面における、第1外シンニング面21及び第
3外シンニング面31 のなす角によって評価できる。
図6に示す一例においては、第1内シンニング面19及び第1外シンニング面21が交わる稜線S2が直線形状である。また、第2内シンニング面25及び第2外シンニング面29が交わる稜線S3が後端3bに向かって突出した凸形状である。さらに、第3内シンニング面27及び第3外シンニング面31が交わる稜線S4が直線形状である。内シンニング部及び外シンニング部の境界が上記の構成である場合には、内シンニング刃13で生じた切屑が内シンニング部及び外シンニング部の境界の近傍において詰まりにくく、内シンニング部を通って外シンニング部に流れ易い。そのため、切屑の排出性が高い。
また、図6に示す一例においては、第3内シンニング面27における後端3bの側の端部27aは、第3外シンニング面31よりも後端3bの側に位置している。内シンニング刃13が外シンニング刃15よりも中心側に位置していることから、内シンニング刃13の切削速度は外シンニング刃15の切削速度よりも遅い。そのため、内シンニング刃13で生じる切屑の進行方向は、外シンニング刃15で生じる切屑の進行方向よりも不安定になり易い。しかしながら、第3内シンニング面27における端部27aが、第3外シンニング面31よりも後端3bの側に位置している場合には、内シンニング刃13で生じる切屑の進行方向が第3内シンニング面27において制御され易い。そのため、切屑の排出性が高い。
<切削加工物(machined product)の製造方法>
次に、実施形態の切削加工物の製造方法について、上述の実施形態の一例に係るドリル1を用いる場合を例に挙げて詳細に説明する。以下、図9〜図11を参照しつつ説明する。なお、図9〜図11において、把持部を把持する工作機械を省略している。
実施形態にかかる切削加工物の製造方法は、以下の(1)〜(4)の工程を備える。
(1)準備された被削材101に対して上方にドリル1を配置する工程(図9参照)。
(2)ドリル1を、回転軸Xを中心に矢印Yの方向に回転させ、被削材101に向かってZ1方向にドリル1を近づける工程(図9及び図10参照)。
本工程は、例えば、被削材101を、ドリル1を取り付けた工作機械のテーブル上に固定し、ドリル1を回転した状態で近づけることにより行うことができる。なお、本工程では、被削材101とドリル1とは相対的に近づけばよく、被削材101をドリル1に近づけてもよい。
(3)ドリル1をさらに被削材101に近づけることによって、回転しているドリル1の切刃を、被削材101の表面の所望の位置に接触させて、被削材101に加工穴103(貫通孔)を形成する工程(図10参照)。
本工程において、ドリル1の切削部の全体が被削材101を貫通してもよく、また、ドリル1の切削部のうち後端の側の一部の領域が被削材101を貫通しないように設定されてもよい。ドリル1の切削部のうち後端の側の一部の領域が被削材101を貫通しないように設定されている場合には、良好な仕上げ面を得ることができる。具体的には、上記の一部の領域を切屑排出のための領域として機能させることで、当該領域を介して優れた切屑排出性を奏することが可能となる。
(4)ドリル1を被削材101からZ2方向に離す工程(図11参照)。
本工程においても、上述の(2)の工程と同様に、被削材101とドリル1とは相対的に離隔すればよく、例えば被削材101をドリル1から離してもよい。
以上のような工程を経ることによって、加工穴103を有する切削加工物を得ることができる。
なお、以上に示したような被削材101の切削加工を複数回行う場合、例えば、1つの被削材101に対して複数の加工穴103を形成する場合には、ドリル1を回転させた状態を保持しつつ、被削材101の異なる箇所にドリル1の切刃を接触させる工程を繰り返せばよい。
以上、実施形態の切削工具を例示したが、本発明の切削工具は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。例えば、実施形態の一例に係る切削工具はドリルであったが、本発明の要旨を適用したエンドミルであっても何ら問題ない。
1・・・回転工具(ドリル)
3・・・本体
3a・・第1端(先端)
3b・・第2端(後端)
5・・・把持部
7・・・切削部
9・・・切刃
11・・・チゼルエッジ
13・・・内シンニング刃
15・・・外シンニング刃
17・・・主切刃
19・・・第1内シンニング面
21・・・第1外シンニング面
23・・・溝
25・・・第2内シンニング面
27・・・第3内シンニング面
29・・・第2外シンニング面
31・・・第3外シンニング面
101・・・被削材
103・・・加工穴

Claims (11)

  1. 回転軸を有し、第1端から第2端にかけて延びた棒形状の本体を備え 、
    該本体は、
    前記第1端の側 に位置し、正面視した場合に、
    前記回転軸から前記本体の外周に向かって延びたチゼルエッジと、
    該チゼルエッジから延びた、直線形状の内シンニング刃と、
    該内シンニング刃から異なる角度で延びた、直線形状の外シンニング刃と、
    該外シンニング刃から延びた主切刃と、
    を有する切刃と、
    前記内シンニング刃に沿って位置する平らな第1内シンニング面と、
    前記外シンニング刃に沿って位置する平らな第1外シンニング面と、
    前記主切刃から前記本体の前記第2端の側に向かって延びた、螺旋形状の溝と、を備えた回転工具。
  2. 正面視した場合に、前記内シンニング刃及び前記外シンニング刃が鈍角に交わっていることを特徴とする請求項1に記載の回転工具。
  3. 正面視した場合に、前記内シンニング刃よりも前記外シンニング刃が長いことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転工具。
  4. 側面視した場合に、前記内シンニング刃及び前記外シンニング刃が、それぞれ前記回転軸に対して直交する方向に延びていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の回転工具。
  5. 側面視した場合に、前記内シンニング刃及び前記外シンニング刃が、1つの仮想直線上に位置していることを特徴とする請求項4に記載の回転工具。
  6. 前記本体が、
    前記第1内シンニング面に対して前記回転軸の回転方向の前方において隣り合う、凹曲面形状の第2内シンニング面と、
    前記第2内シンニング面に対して前記回転方向の前方において隣り合う、平らな第3内シンニング面と、
    前記第1外シンニング面に対して前記回転方向の前方において隣り合う、凹曲面形状の第2外シンニング面と、
    前記第2外シンニング面に対して前記回転方向の前方において隣り合う、平らな第3外シンニング面と、をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の回転工具。
  7. 前記第3外シンニング面の前記回転軸に対する第1傾斜角が、前記第3内シンニング面の前記回転軸に対する第2傾斜角よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載の回転工具。
  8. 前記第1内シンニング面及び前記第3内シンニング面の交わる第1角が、前記第1外シンニング面及び前記第3外シンニング面の交わる第2角よりも大きいことを特徴とする請求項6又は7に記載の回転工具。
  9. 前記第1内シンニング面及び前記第1外シンニング面が交わる稜線が直線形状であり、
    側面視した場合に、前記第2内シンニング面及び前記第2外シンニング面が交わる稜線が前記第2端に向かって突出した凸形状 であり、
    前記第3内シンニング面及び前記第3外シンニング面が交わる稜線が直線形状であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の回転工具。
  10. 前記第3内シンニング面における前記第2端の側の端部は、前記第3外シンニング面よりも前記第2端の側に位置していることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の回転工具。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の回転工具を回転させる工程と、
    回転している前記回転工具を被削材に接触させる工程と、
    前記回転工具を前記被削材から離す工程とを備えた切削加工物の製造方法。
JP2017249830A 2017-12-26 2017-12-26 回転工具及び切削加工物の製造方法 Active JP6941047B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017249830A JP6941047B2 (ja) 2017-12-26 2017-12-26 回転工具及び切削加工物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017249830A JP6941047B2 (ja) 2017-12-26 2017-12-26 回転工具及び切削加工物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019115939A true JP2019115939A (ja) 2019-07-18
JP6941047B2 JP6941047B2 (ja) 2021-09-29

Family

ID=67303794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017249830A Active JP6941047B2 (ja) 2017-12-26 2017-12-26 回転工具及び切削加工物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6941047B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114786850A (zh) * 2019-12-11 2022-07-22 京瓷株式会社 钻头以及切削加工物的制造方法
JP7422442B1 (ja) 2023-06-23 2024-01-26 株式会社メドメタレックス ドリル

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005305611A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Mitsubishi Materials Corp ドリル、スローアウェイ式ドリル及びスローアウェイチップ
JP2008093805A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Osg Corp ドリル
JP2014004671A (ja) * 2012-06-27 2014-01-16 Sumitomo Electric Hardmetal Corp ドリル

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005305611A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Mitsubishi Materials Corp ドリル、スローアウェイ式ドリル及びスローアウェイチップ
JP2008093805A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Osg Corp ドリル
JP2014004671A (ja) * 2012-06-27 2014-01-16 Sumitomo Electric Hardmetal Corp ドリル

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114786850A (zh) * 2019-12-11 2022-07-22 京瓷株式会社 钻头以及切削加工物的制造方法
JP7422442B1 (ja) 2023-06-23 2024-01-26 株式会社メドメタレックス ドリル

Also Published As

Publication number Publication date
JP6941047B2 (ja) 2021-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7216698B2 (ja) 切削工具及び切削加工物の製造方法
JP6165165B2 (ja) 割出し可能切削インサート、そのための切削工具およびクランプ方法
JP6057038B1 (ja) ドリル
EP2181787B1 (en) End mill
JP6473761B2 (ja) エンドミルおよび切削加工物の製造方法
WO2018221737A1 (ja) 回転工具
JP5383149B2 (ja) ドリルおよび切削方法
JPWO2017131173A1 (ja) エンドミル及び切削加工物の製造方法
JP6725684B2 (ja) 回転工具及びそれを用いた切削加工物の製造方法
JP6941047B2 (ja) 回転工具及び切削加工物の製造方法
JP6882517B2 (ja) 回転工具
JP6467049B2 (ja) 切削工具及び切削加工物の製造方法
JP4666282B2 (ja) ドリル
WO2015029963A1 (ja) ドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法
JP2016129909A (ja) スローアウェイ式ドリル及びそれを用いた切削加工物の製造方法
JP6342662B2 (ja) ドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法
JP6294095B2 (ja) ドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法
WO2021230176A1 (ja) ドリル及び切削加工物の製造方法
JP7279163B2 (ja) 回転工具及び切削加工物の製造方法
WO2023058590A1 (ja) 回転工具および切削加工物の製造方法
JPWO2018221303A1 (ja) ドリル及び切削加工物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210527

TRDD Decision of grant or rejection written
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20210830

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210903

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6941047

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150