JP2019115880A - 粉体塗装装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被塗装体に形成される塗膜の膜厚を均一にすることが可能な粉体塗装装置を提供する。【解決手段】 被塗装体を粉体塗装可能な粉体塗装装置1であって、被塗装体を収容可能な塗装空間を形成するタンク、タンクの地側に設けられ塗装空間に導入される前の気体が滞留する前段空間を形成するエアボックス20、ノズル25,26、エアボックス20とタンクとの間に設けられる多孔板、及び、分散板35を備える。ノズル25,26は、前段空間に設けられ、粉体塗装装置1の略水平方向に塗装空間に粉体の流動層を形成可能な空気を噴射可能である。分散板35は、多孔板とノズル25,26との間に設けられる。分散板35は、第一の空間率を有する第一の部位36、及び、ノズル25,26の塗装空間側に位置し第一の空間率に比べ大きい第二の空間率を有する第二の部位37を有する。【選択図】 図3
Description
本発明は、粉体塗装装置に関する。
従来、ワークが導入されているタンク内において気体で浮遊させた粉体を用いて当該ワークの表面を塗装する粉体塗装装置が知られている。例えば、特許文献1には、ワークを投入可能に形成され塗装用の粉体が流動可能な塗装空間を形成する流動層形成部、流動層形成部の地側に設けられ塗装空間に導入される前の気体が一旦導入される前段空間を形成する前段空間形成部、前段空間形成部と流動層形成部との間に設けられ前段空間から塗装空間に流れる気体を分散可能な多孔板、及び、流動層形成部に振動を与えることが可能な加振手段を備える粉体塗装装置が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の粉体塗装装置では、前段空間において当該粉体装置の中心軸に向かって気体が導入されるため、前段空間における気体の流速にばらつきが生じやすい。このため、多孔板を介して塗装空間に導入される気体の流速や密度分布もばらつくため、塗装空間の流動層における粉体の浮遊密度の分布が不均一となる。流動層における粉体の浮遊密度の分布が不均一になると、被塗装体に形成される塗膜の膜厚にばらつきが発生するおそれがある。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、被塗装体に形成される塗膜の膜厚を均一にすることが可能な粉体塗装装置を提供することにある。
本発明は、被塗装体(5)を粉体塗装可能な粉体塗装装置であって、塗装空間形成部(10)、気体供給部(15)、前段空間形成部(20)、ノズル(25,26,45)、多孔板(30)、及び、分散板(35,55)を備える。
塗装空間形成部は、被塗装体を収容可能な塗装空間(100)を形成する。
気体供給部は、塗装空間に位置する被塗装体を塗装可能な粉体を流動化可能な気体を塗装空間に供給可能である。
前段空間形成部は、塗装空間形成部の地側に設けられ、塗装空間に導入される前の気体が滞留する前段空間(200)を形成する。
ノズルは、前段空間に設けられ、前段空間から塗装空間に向かう方向とは異なる方向に気体を噴射可能である。
多孔板は、前段空間形成部と塗装空間形成部との間に設けられ、前段空間から塗装空間に流れる気体を通すことが可能である。
分散板は、多孔板とノズルとの間に設けられる。分散板は、第一の空間率を有する第一の部位(36,56)、及び、ノズルの塗装空間側に位置し第一の空間率に比べ大きい第二の空間率を有する第二の部位(37,57)を有する。
塗装空間形成部は、被塗装体を収容可能な塗装空間(100)を形成する。
気体供給部は、塗装空間に位置する被塗装体を塗装可能な粉体を流動化可能な気体を塗装空間に供給可能である。
前段空間形成部は、塗装空間形成部の地側に設けられ、塗装空間に導入される前の気体が滞留する前段空間(200)を形成する。
ノズルは、前段空間に設けられ、前段空間から塗装空間に向かう方向とは異なる方向に気体を噴射可能である。
多孔板は、前段空間形成部と塗装空間形成部との間に設けられ、前段空間から塗装空間に流れる気体を通すことが可能である。
分散板は、多孔板とノズルとの間に設けられる。分散板は、第一の空間率を有する第一の部位(36,56)、及び、ノズルの塗装空間側に位置し第一の空間率に比べ大きい第二の空間率を有する第二の部位(37,57)を有する。
本発明の粉体塗装装置では、ノズルから噴射される気体は、前段空間から塗装空間に向かう方向とは異なる方向に噴射されているため、前段空間においてある程度滞留する。前段空間において滞留している気体は、前段空間から塗装空間に向かって流れるとき、第一の空間率を有する第一の部位に比べ第二の空間率を有しノズルの塗装空間側に位置する第二の部位を流れやすい。ここで、空間率とは、当該部位の単位面積当たりの開き目の面積の割合を示す値である。これにより、比較的気体が流れにくいノズルの塗装空間側にも気体が流れやすくなるため、塗装空間に導入される気体の流速分布や粉体の浮遊密度の分布がノズルの位置によって影響されなくなる。したがって、本発明の粉体塗装装置は、流動層における粉体の浮遊密度の分布を制御することができるため、被塗装体に形成される塗膜の膜厚を均一にすることができる。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、それぞれの実施形態において他の実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第一実施形態)
第一実施形態による粉体塗装装置を図1〜4に基づいて説明する。第一実施形態による粉体塗装装置1は、流動浸漬粉体塗装法によって被塗装体5の所望の表面を塗料の粉体によって塗装する装置である。粉体塗装装置1は、図1に示すように、「塗装空間形成部」としてのタンク10、「気体供給部」としてのエアコンプレッサ15、「前段空間形成部」としてのエアボックス20、バイブレータ23、ノズル25,26、多孔板30、及び、分散板35を備える。図1では、粉体塗装装置1の構成を分かりやすくするため、多孔板30及び分散板35の厚みを誇張して示してある。なお、図1では、紙面上側を「天側」とし、紙面下側を「地側」とする。
第一実施形態による粉体塗装装置を図1〜4に基づいて説明する。第一実施形態による粉体塗装装置1は、流動浸漬粉体塗装法によって被塗装体5の所望の表面を塗料の粉体によって塗装する装置である。粉体塗装装置1は、図1に示すように、「塗装空間形成部」としてのタンク10、「気体供給部」としてのエアコンプレッサ15、「前段空間形成部」としてのエアボックス20、バイブレータ23、ノズル25,26、多孔板30、及び、分散板35を備える。図1では、粉体塗装装置1の構成を分かりやすくするため、多孔板30及び分散板35の厚みを誇張して示してある。なお、図1では、紙面上側を「天側」とし、紙面下側を「地側」とする。
タンク10は、略円筒状に形成されている部材であって、粉体塗装装置1の天側に位置する。タンク10は、流動層形成部11、開口部12、及び、粉体投入部13を有する。
流動層形成部11は、円筒状の部位であって、内部に被塗装体5を収容可能な大きさの空間である塗装空間100を有する。塗装空間100は、粉体と後述するエアコンプレッサ15が供給する空気によって流動層が形成可能である。
開口部12は、流動層形成部11の天側に設けられる。開口部12は、塗装空間100と連通する開口120を有する。開口120は、内径が被塗装体5の大きさに比べ大きくなるよう形成されている。被塗装体5は、開口120を介して塗装空間100に出し入れされることが可能である(図1の白抜き矢印F121,F122参照)。
粉体投入部13は、開口部12とは別異に流動層形成部11の天側に設けられる。粉体投入部13は、塗装空間100と連通する投入口130を有する。被塗装体5の表面に塗膜を形成可能な粉体は、投入口130を介して塗装空間100に投入される(図1の白抜き矢印F13参照)。
エアコンプレッサ15は、「粉体を流動化可能な気体」としての加圧した空気をエアボックス20内に圧送する。
エアボックス20は、有底の円筒状に形成されている部材であって、タンク10の地側に位置する。エアボックス20は、内部に塗装空間100に導入される前の空気が導入される前段空間200を有する。エアボックス20は、図2に示すように、粉体塗装装置1の中心軸CA1から見て水平方向に位置する側壁21に二つの開口211,212を有する。開口211,212には、ノズル25,26が有する配管27,28が挿通されている。
バイブレータ23は、エアボックス20の地側に設けられている。バイブレータ23は、エアボックス20を介して流動層形成部11を振動させることによって、塗装空間100に貯留されている粉体の浮遊密度の分布を均一化する。
ノズル25,26は、前段空間200に設けられている。
ノズル25は、図2に示すように、粉体塗装装置1の中心軸CA1に垂直な断面形状が円環状の前段空間200において、中心軸CA1に対して紙面左側に位置する。ノズル25は、略円柱状の部材であって、内部に内部空間250を有する。ノズル25は、中心軸CA1に略平行なノズル25の中心軸CA25から見て水平方向に位置する複数の噴孔251を有する。噴孔251は、等間隔に形成され、内部空間250と前段空間200とを連通する。
ノズル25は、図2に示すように、粉体塗装装置1の中心軸CA1に垂直な断面形状が円環状の前段空間200において、中心軸CA1に対して紙面左側に位置する。ノズル25は、略円柱状の部材であって、内部に内部空間250を有する。ノズル25は、中心軸CA1に略平行なノズル25の中心軸CA25から見て水平方向に位置する複数の噴孔251を有する。噴孔251は、等間隔に形成され、内部空間250と前段空間200とを連通する。
エアコンプレッサ15とノズル25との間には、エアコンプレッサ15が圧送する空気が流通可能な配管27が設けられている。これにより、エアコンプレッサ15が圧送する空気は、配管27が有する流路270を通り、内部空間250に送られる。内部空間250に送られた空気は、図2の実線矢印F1に示すように、複数の噴孔251から「前段空間から塗装空間に向かう方向とは異なる方向」としての粉体塗装装置1の略水平方向に噴射される。
ノズル26は、図2に示すように、中心軸CA1に垂直な断面形状が円環状の前段空間200において、中心軸CA1に対して紙面右側に位置する。ノズル26は、略円柱状の部材であって、内部に内部空間260を有する。ノズル26は、中心軸CA1に略平行なノズル26の中心軸CA26から見て水平方向に位置する複数の噴孔261を有する。噴孔261は、等間隔に形成され、内部空間260と前段空間200とを連通する。
エアコンプレッサ15とノズル26との間には、エアコンプレッサ15が圧送する空気が流通可能な配管28が設けられている。これにより、エアコンプレッサ15が圧送する空気は、配管28が有する流路280を通り、内部空間260に送られる。内部空間260に送られた空気は、図2の実線矢印F1に示すように、複数の噴孔261から粉体塗装装置1の略水平方向に噴射される。
多孔板30は、タンク10とエアボックス20との間に設けられている。多孔板30は、メッシュ部31、及び、フランジ部32を有する。多孔板30は、塗装空間100の粉体が前段空間200に落下することを防止するとともに、空気を適度に分散させる。
メッシュ部31は、タンク10の塗装空間100とエアボックス20の前段空間200との間に位置する。メッシュ部31は、複数の孔を有するよう形成されている。これにより、メッシュ部31は、前段空間200と塗装空間100とを区画しつつ、前段空間200と塗装空間100との間における気体のやりとりが可能である。
フランジ部32は、メッシュ部31の径方向外側に設けられている円環状の部位である。フランジ部32は、タンク10が地側に有するフランジ部14とエアボックス20が天側に有するフランジ部22との間に位置する。フランジ部32は、ボルト33によってフランジ部14,22と締結されている。これにより、粉体塗装装置1では、塗装空間100及び前段空間200の気体がフランジ部14とフランジ部32との間、及び、フランジ部22とフランジ部32との間から漏れ出ることを防止する。
分散板35は、前段空間200において多孔板30とノズル25,26との間に設けられる。分散板35のノズル25,26側の面とノズル25,26の分散板35側の面との間には隙間が形成されている。分散板35は、複数の孔を有し、空気を流通可能に形成されている。分散板35は、第一の部位36、第二の部位37、及び、第三の部位38を有する。
第一の部位36は、図3に示すように、分散板35の径方向外側に位置するよう設けられている部位である。第一の部位36は、図4(a)に示すような網目構造を有している。具体的には、第一の部位36は、線径0.25mmの線材361を複数本組み合わせ、複数の孔360を有するよう形成されている。図4(a)では、孔360を一つのみ示している。
第二の部位37は、図3に示すように、分散板35においてノズル25,26の天側に位置するよう設けられている部位である。第二の部位37は、図4(b)に示すような網目構造を有している。具体的には、第二の部位37は、線径0.25mmの線材371を複数本組み合わせて、複数の孔370を有するよう形成されている。図4(b)では、孔370を一つのみ示している。
第三の部位38は、図3に示すように、分散板35において第一の部位36と第二の部位37との間に設けられている部位である。図3には、第一の部位36と第三の部位38との境界を一点鎖線L36で示し、第二の部位37と第三の部位38との境界を一点鎖線L37で示す。第三の部位38は、図4(c)に示すような網目構造を有している。具体的には、第三の部位38は、線径0.25mmの線材381を複数本組み合わせて、複数の孔380を有するよう形成されている。図4(c)では、孔380を一つのみ示している。
ここで、分散板35の第一の部位36、第二の部位37及び第三の部位38のそれぞれにおける単位面積当たりの孔の面積、すなわち、開き目の面積の割合を示す空間率を図4に基づいて比較する。図4では、第一の部位36、第二の部位37及び第三の部位38のそれぞれを同じ縮尺で示している。
先述したように、第一の部位36、第二の部位37及び第三の部位38のそれぞれは、同じ線形の線材361,371,381を用いて形成されている。一方、図4に示すように、孔360の大きさは、孔370,380の大きさに比べ小さい。また、孔370の大きさは、孔380の大きさに比べ大きい。このことから、第一の部位36の「第一の空間率」としての空間率は、第二の部位37の「第二の空間率」としての空間率、及び、第三の部位38の「第三の空間率」としての空間率に比べ小さい。また、第二の部位37の空間率は、第三の部位38の空間率に比べ大きい。
先述したように、第一の部位36、第二の部位37及び第三の部位38のそれぞれは、同じ線形の線材361,371,381を用いて形成されている。一方、図4に示すように、孔360の大きさは、孔370,380の大きさに比べ小さい。また、孔370の大きさは、孔380の大きさに比べ大きい。このことから、第一の部位36の「第一の空間率」としての空間率は、第二の部位37の「第二の空間率」としての空間率、及び、第三の部位38の「第三の空間率」としての空間率に比べ小さい。また、第二の部位37の空間率は、第三の部位38の空間率に比べ大きい。
次に、粉体塗装装置1の作用について図1〜4に基づいて説明する。
粉体塗装装置1では、予備加熱された被塗装体5を塗装空間100において流動層となっている粉体に入れる。
粉体塗装装置1では、予備加熱された被塗装体5を塗装空間100において流動層となっている粉体に入れる。
このとき、エアコンプレッサ15によって加圧された空気は、エアボックス20内のノズル25,26に配管27,28を介して圧送されている(図1の実線矢印F0)。ノズル25,26に圧送されている空気は、図2の実線矢印F1に示すように、複数の噴孔251,261から前段空間200に噴射される。このとき、噴孔251,261から噴射される空気は、略水平方向に噴射されているため、多くの空気は、側壁21の内壁面213の近傍に到達する。前段空間200に噴射された空気は、前段空間200に滞留する。
前段空間200に滞留する空気は、分散板35を通過する。分散板35は、部位によって空間率が異なっているため、分散板35を通過する空気は、比較的空間率が大きい部位を流れようとする。これにより、分散板35を通過することによって、最も空間率が大きい第二の部位37を通過する空気の流速の変化の度合いは比較的小さく、最も空間率が小さい第一の部位36を通過する空気の流速の変化の度合いは比較的大きくなる。
分散板35を通過した空気は、多孔板30によってさらに分散され、塗装空間100に導入される。
分散板35を通過した空気は、多孔板30によってさらに分散され、塗装空間100に導入される。
このようにして塗装空間100に導入される空気によって流動化されている粉体が被塗装体5の表面に付着すると予備加熱の熱によって溶融し、所望の塗膜が形成される。
第一実施形態による粉体塗装装置1では、ノズル25,26から噴射される空気は、粉体塗装装置1の略水平方向に噴射されているため、前段空間200においてある程度滞留する。前段空間200において滞留している空気は、前段空間200から塗装空間100に向かって流れるとき、比較的小さい空間率を有する第一の部位36に比べ比較的大きい空間率を有する第二の部位37を流れやすい。これにより、比較的空気が流れにくいノズル25,26の塗装空間100側にも気体が流れやすくなるため、塗装空間100に導入される空気の流速分布や粉体の浮遊密度の分布がノズル25,26の位置によって影響されなくなる。したがって、塗装空間100の流動層における粉体の浮遊密度の分布を制御することができるため、粉体塗装装置1は、被塗装体5に形成される塗膜の膜厚を均一にすることができる。
発明者らは、粉体塗装装置1の効果について次のような実験を行った。
最初に、粉体塗装装置1及び比較例としての分散板35を備えていない粉体塗装装置のそれぞれにおいて、複数の回転体の径方向外側の壁面に流動浸漬粉体塗装法によって塗装を行った。当該塗装が施された回転体を回転試験器において回転の安定性を確認しつつ、回転が安定するよう回転体の壁面の塗膜を削る作業を複数回行い、当該作業の回数を比較した。その結果、比較例の粉体塗装装置では、一回の塗膜を削る作業によって80%の回転体の回転が安定したのに対し、粉体塗装装置1では一回の塗膜を削る作業によって95%の回転体の回転が安定することがわかった。すなわち、比較例の粉体塗装装置によって塗装される塗膜の膜厚は不均一な度合いが大きいため複数回の塗膜を削る作業が必要であるのに対し、粉体塗装装置1によって塗装される塗膜の膜厚は不均一な度合いが比較例の粉体塗装装置に比べ小さいことが明らかとなった。
最初に、粉体塗装装置1及び比較例としての分散板35を備えていない粉体塗装装置のそれぞれにおいて、複数の回転体の径方向外側の壁面に流動浸漬粉体塗装法によって塗装を行った。当該塗装が施された回転体を回転試験器において回転の安定性を確認しつつ、回転が安定するよう回転体の壁面の塗膜を削る作業を複数回行い、当該作業の回数を比較した。その結果、比較例の粉体塗装装置では、一回の塗膜を削る作業によって80%の回転体の回転が安定したのに対し、粉体塗装装置1では一回の塗膜を削る作業によって95%の回転体の回転が安定することがわかった。すなわち、比較例の粉体塗装装置によって塗装される塗膜の膜厚は不均一な度合いが大きいため複数回の塗膜を削る作業が必要であるのに対し、粉体塗装装置1によって塗装される塗膜の膜厚は不均一な度合いが比較例の粉体塗装装置に比べ小さいことが明らかとなった。
前段空間200においてノズル25,26が噴射する空気の多くは、側壁21の内壁面213の近傍に到達する。このため、分散板35の最外周付近を流れる空気の量が比較的多くなる。粉体塗装装置1では、分散板35は、最外周に最も空間率が小さい第一の部位36を有する。これにより、分散板35の最外周を通過する空気の量を制限し、第二の部位37や第三の部位38を空気が多く通過するよう空気の流れを制御することができる。したがって、粉体塗装装置1は、塗装空間100の流動層における粉体の浮遊密度の分布をさらに高精度に制御できるため、被塗装体5に形成される塗膜の膜厚をさらに均一にすることができる。
また、分散板35は、最も空間率が小さい第一の部位36と最も空間率が大きい第二の部位37との間に、第三の部位38を有している。第三の部位38の空間率は、第一の部位36の空間率に比べ大きく、第二の部位37の空間率に比べ小さい。これにより、第三の部位38を通過する空気の流速の変化の度合いは、第一の部位36を通過する空気の流速の変化の度合いに比べ大きく、第二の部位37を通過する空気の流速の変化の度合いに比べ小さくなる。したがって、塗装空間100に導入される空気の流速分布をさらに均一化することができるため、被塗装体5に形成される塗膜の膜厚をさらに均一にすることができる。
(第二実施形態)
第二実施形態による粉体塗装装置を図5,6に基づいて説明する。第二実施形態では、分散板の形状が第一実施形態と異なる。
第二実施形態による粉体塗装装置を図5,6に基づいて説明する。第二実施形態では、分散板の形状が第一実施形態と異なる。
第二実施形態による粉体塗装装置2は、タンク10、エアコンプレッサ15、エアボックス20、ノズル45、多孔板30、及び、分散板55を備える。
ノズル45は、前段空間200に設けられている。ノズル45は、図5に示すように、粉体塗装装置2の中心軸CA2に垂直な断面形状が円形状の前段空間200において、中心軸CA2上に位置する。ノズル45は、略円柱状の部材であって、内部に内部空間450を有する。また、ノズル45は、中心軸CA2から見て水平方向に位置する複数の噴孔451を有する。噴孔451は、等間隔に形成され、内部空間450と前段空間200とを連通する。
エアコンプレッサ15とノズル45との間には、エアコンプレッサ15が圧送する空気が流通可能な配管47が設けられている。配管47は、エアボックス20の側壁21に形成されている開口212に挿通されている。これにより、エアコンプレッサ15が圧送する空気は、配管47が有する流路470を通り、内部空間450に送られる。内部空間450に送られた空気は、図5に示すように、複数の噴孔451から略水平方向に噴射される(図5の実線矢印F2)。
分散板55は、前段空間200において多孔板30とノズル45との間に設けられる。分散板55は、複数の孔を有し、空気を流通可能に形成されている。分散板55は、図6に示すように、第一の部位56、第二の部位57、及び、第三の部位58を有する。
第一の部位56は、図6に示すように、分散板55の径方向外側に位置するよう設けられている部位である。第一の部位56は、線材を複数本組み合わせた網目構造を有している。
第二の部位57は、図6に示すように、分散板55においてノズル45の天側に位置するよう設けられている部位である。第二の部位57は、線材を複数本組み合わせた網目構造を有している。第二の部位57の「第二の空間率」としての空間率は、第一の部位56の「第一の空間率」としての空間率に比べ大きい。
第三の部位58は、図6に示すように、分散板55において第一の部位56と第二の部位57との間に設けられている部位である。図6には、第一の部位56と第三の部位58との境界を一点鎖線L56で示し、第二の部位57と第三の部位58との境界を一点鎖線L57で示す。第三の部位58は、線材を複数本組み合わせた網目構造を有している。第三の部位58の「第三の空間率」としての空間率は、第一の部位56の空間率に比べ大きく、第二の部位57の空間率に比べ小さい。
第二実施形態による粉体塗装装置2は、最も空間率が小さい第一の部位56、最も空間率が大きい第二の部位57、及び、空間率が第一の部位56の空間率に比べ大きくかつ第二の部位57の空間率に比べ小さい第三の部位58を有する分散板55を備える。第一の部位56は、分散板55の径方向外側に位置するよう設けられている。第二の部位57は、分散板55においてノズル45の天側に位置するよう設けられている。第三の部位58は、分散板55において第一の部位56と第二の部位57との間に設けられている。これにより、第二実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、分散板は、最も空間率が小さい第一の部位、最も空間率が大きい第二の部位、及び、空間率が第一の部位の空間率に比べ大きくかつ第二の部位の空間率に比べ小さい第三の部位を有するとした。しかしながら、第三の部位はなくてもよい。第二の部位がノズルの塗装空間側に位置すればよい。
上述の実施形態では、分散板は、最も空間率が小さい第一の部位、最も空間率が大きい第二の部位、及び、空間率が第一の部位の空間率に比べ大きくかつ第二の部位の空間率に比べ小さい第三の部位を有するとした。しかしながら、第三の部位はなくてもよい。第二の部位がノズルの塗装空間側に位置すればよい。
上述の実施形態では、第一の部位は、分散板の径方向外側に位置するとした。しかしながら、第一の部位は、ノズルの塗装空間側を除く位置、例えば、第二の部位の周囲に設けられていればよい。
上述の実施形態では、ノズルは、粉体塗装装置の略水平方向に空気を噴射するとした。しかしながら、ノズルが空気を噴射する方向はこれに限定されない。ノズルから直接塗装空間に向かう方向に噴射しなければよい。
上述の実施形態では、粉体塗装装置は、バイブレータを備えるとした。バイブレータはなくてもよい。
上述の実施形態では、分散板が有する線材の線径は、0.25mmであるとした。しかしながら、線材の線径はこれに限定されない。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1,2・・・粉体塗装装置
10・・・タンク(塗装空間形成部)
20・・・エアボックス(前段空間形成部)
25,26,45・・・ノズル
30・・・多孔板
35,55・・・分散板
36,56・・・第一の部位
37,57・・・第二の部位
100・・・塗装空間
200・・・前段空間
10・・・タンク(塗装空間形成部)
20・・・エアボックス(前段空間形成部)
25,26,45・・・ノズル
30・・・多孔板
35,55・・・分散板
36,56・・・第一の部位
37,57・・・第二の部位
100・・・塗装空間
200・・・前段空間
Claims (4)
- 被塗装体(5)を粉体塗装可能な粉体塗装装置であって、
前記被塗装体を収容可能な塗装空間(100)を形成する塗装空間形成部(10)と、
前記塗装空間に位置する前記被塗装体を塗装可能な粉体を流動化可能な気体を前記塗装空間に供給可能な気体供給部(15)と、
前記塗装空間形成部の地側に設けられ、前記塗装空間に導入される前の前記気体が滞留する前段空間(200)を形成する前段空間形成部(20)と、
前記前段空間に設けられ、前記前段空間から前記塗装空間に向かう方向とは異なる方向に前記気体を噴射可能なノズル(25,26,45)と、
前記前段空間形成部と前記塗装空間形成部との間に設けられ、前記前段空間から前記塗装空間に流れる前記気体を通すことが可能な多孔板(30)と、
前記多孔板と前記ノズルとの間に設けられ、第一の空間率を有する第一の部位(36,56)、及び、前記ノズルの前記塗装空間側に位置し前記第一の空間率に比べ大きい第二の空間率を有する第二の部位(37,57)を有する分散板(35,55)と、
を備える粉体塗装装置。 - 前記第一の部位は、前記分散板の径方向外側に位置する請求項1に記載の粉体塗装装置。
- 前記分散板は、前記第二の部位を複数有する請求項1または2に記載の粉体塗装装置。
- 前記分散板は、前記第一の部位と前記第二の部位との間に、空間率が前記第一の空間率に比べ大きくかつ前記第二の空間率に比べ小さい第三の部位(38,58)を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉体塗装装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017250615A JP2019115880A (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 粉体塗装装置 |
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JP2017250615A JP2019115880A (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 粉体塗装装置 |
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JP2019115880A true JP2019115880A (ja) | 2019-07-18 |
Family
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JP2017250615A Pending JP2019115880A (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 粉体塗装装置 |
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2017
- 2017-12-27 JP JP2017250615A patent/JP2019115880A/ja active Pending
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