JP2019114505A - 流れ制御装置、流れ制御方法及び航空機 - Google Patents

流れ制御装置、流れ制御方法及び航空機 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ・アクチュエータによって誘起される空気の流れの制御状態を容易に切換えられるようにすることである。【解決手段】流れ制御装置は、放電エリアが形成されるように誘電体を挟んで相対的にシフトして配置される電極間に交流電圧を印加することによって放電エリアに放電を引起し、引起された放電によって気体の流れを誘起するプラズマ・アクチュエータと、誘起された気体の流れが付加されることによって気体の流れ制御エリアに形成される気体の流れ状態を、第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させるための交流電圧の波形の変更条件を保存する記憶装置と、気体の流れ制御エリアに形成される気体の流れ状態を第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させる場合には記憶装置に保存された交流電圧の波形の変更条件を参照し、交流電圧の波形の変更条件に従って交流電圧の波形を制御する制御回路を備えるものである。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、流れ制御装置、流れ制御方法及び航空機に関する。
近年、航空機の翼周りの空気の流れを制御する補助的なデバイスとして、プラズマ・アクチュエータ(PA:plasma actuator)を用いる研究がなされている(例えば特許文献1、特許文献2、非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3参照)。航空機の翼に取付けられるプラズマ・アクチュエータとして実用的なのは、誘電体バリア放電(DBD:Dielectric Barrier Discharge)を用いて空気の流れを形成するDBD−PAである。
DBD−PAは誘電体を挟んで電極を配置し、電極間に高い交流電圧を印加することによって誘電体の片面のみにプラズマを発生させるようにしたプラズマ・アクチュエータである。DBD−PAを用いれば、プラズマの制御によって空気の剥離を抑制し、気流を変化させることができる。このため、DBD−PAを翼に取付けることによって、補助翼やフラップ等の動翼を省略する試みもなされている。すなわち、DBD−PAは、航空機の舵面を代替する要素として期待されている。
特開2011−238385号公報 特開2008−290709号公報
水野良典他、「多電極マイクロプラズマアクチュエータによる流体の能動制御」、静電気学会誌、2015年、第39巻、第1号、p.15−20 小里泰章他、「バースト駆動したプラズマアクチュエータによる各種はく離流れの制御」、プラズマアクチュエータ研究会 第4回シンポジウム、2017年3月18日〜19日開催 Benard et al., "On the benefits of hysteresis effects for closed-loop separation control using plasma actuation" PHYSICS OF FLUIDS 23, 083601 (2011)
プラズマ・アクチュエータの電源をONに切換えると瞬時に翼の表面にプラズマが発生し、プラズマによって誘起された空気の流れが翼の表面を通過する。これにより、空気の流れ制御効果を得ることができる。
しかしながら、プラズマ・アクチュエータを一旦作動させると、電源をOFFに切換えても誘起された空気の流れを止めることができないという問題がある。すなわち、プラズマの発生を止めた後おいても、一旦誘起された空気の流れが直ぐには収まらず、空気の流れが消滅するまでに時間がかかるという問題がある。
これは、プラズマ・アクチュエータをONからOFFに切換える場合に限らず、プラズマの発生条件を変えることによって、ある流れの制御状態を別の流れの制御状態に切換える場合においても同様である。
そこで、本発明は、プラズマ・アクチュエータによって誘起される空気の流れの制御状態を容易に切換えられるようにすることを目的とする。
本発明の実施形態に係る流れ制御装置は、放電エリアが形成されるように誘電体を挟んで相対的にシフトして配置される電極間に交流電圧を印加することによって前記放電エリアに放電を引起し、引起された放電によって気体の流れを誘起するプラズマ・アクチュエータと、前記誘起された気体の流れが付加されることによって前記気体の流れ制御エリアに形成される前記気体の流れ状態を、第1の流れ状態から前記第1の流れ状態と異なる第2の流れ状態に変化させるための前記交流電圧の波形の変更条件を保存する記憶装置と、前記気体の流れ制御エリアに形成される前記気体の流れ状態を、前記第1の流れ状態から前記第2の流れ状態に変化させる場合には前記記憶装置に保存された前記交流電圧の波形の変更条件を参照し、前記交流電圧の波形の変更条件に従って前記交流電圧の波形を制御する制御回路とを備えるものである。
また、本発明の実施形態に係る航空機は、上述した流れ制御装置を搭載したものである。
また、本発明の実施形態に係る流れ制御方法は、プラズマ・アクチュエータの電極に第1の波形を有する交流電圧を印加して前記第1の波形に対応する気体の流れを誘起し、前記気体の流れ制御エリアにおける前記気体の流れに前記誘起した第1の波形に対応する気体の流れを付加することによって前記気体の第1の流れ状態を形成するステップと、前記プラズマ・アクチュエータの電極に印加される前記交流電圧の波形を前記第1の波形から前記第1の波形と異なる第2の波形に変化させて前記第2の波形に対応する前記気体の流れを誘起し、前記気体の流れ制御エリアにおける前記第1の流れ状態での前記気体の流れに前記誘起した第2の波形に対応する気体の流れを付加することによって前記第1の流れ状態と異なる前記気体の第2の流れ状態であって目的とする前記第2の流れ状態を形成するステップとを有するものである。
本発明の第1の実施形態に係る流れ制御装置の構成図。 図1に示すプラズマ・アクチュエータを航空機の翼構造体に取付けた例を示す図。 図1に示すプラズマ・アクチュエータの交流電源から第1の電極と第2の電極との間に印加される交流電圧の波形の一例を示すグラフ。 図1に示す流れ制御装置を用いた空気の流れ制御の流れの一例を示すフローチャート。 図1に示す流れ制御装置を用いた空気の流れ制御の流れの別の一例を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る流れ制御装置の構成図。 図6に示す流れ制御装置において交流電圧の印加対象となる第1の電極を切換えた状態を示す図。 本発明の第3の実施形態に係る流れ制御装置の構成図。
本発明の実施形態に係る流れ制御装置、流れ制御方法及び航空機について添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(流れ制御装置の構成及び機能)
図1は本発明の第1の実施形態に係る流れ制御装置の構成図である。
流れ制御装置1は、航空機2の機体周りの空気の流れを制御するためのシステムである。従って、流れ制御装置1は、航空機2に搭載される。航空機2は有人機であっても良いし、無人機であっても良い。また、航空機2は固定翼機であっても良いし、ヘリコプタ等の回転翼機であっても良い。
流れ制御装置1は、プラズマ・アクチュエータ3と、プラズマ・アクチュエータ3を制御するための制御システム4で構成される。制御システム4には、航空機2に付随して備えられる入力装置5又は流れ制御装置1専用の入力装置5から必要な指示情報を入力することができる。航空機2が有人機であれば、パイロット又は搭乗者が指示情報を制御システム4に入力できるように入力装置5を航空機2の機体内に設けることができる。一方、航空機2が無人機であれば、遠隔地から指示情報を制御システム4に入力できるように入力装置5を航空機2の機体外に設けるようにしてもよい。また、航空機2が飛行プログラムによって自動操縦される場合には、航空機2を自動操縦するシステムから指示情報を制御システム4に入力できるようにしてもよい。
プラズマ・アクチュエータ3は、第1の電極6、第2の電極7、誘電体8及び交流電源9で構成される。第1の電極6と第2の電極7は、放電エリアが形成されるように誘電体8を挟んで相対的にシフトして配置される。すなわち、第2の電極7は、放電エリアが形成されるように第1の電極6に対して相対的にシフトさせて配置され、誘電体8は、第1の電極6と第2の電極7との間に配置される。
第1の電極6は、空気の流れを誘起すべき空間に露出した状態で配置される。一方、第2の電極7は、空気の流れを誘起すべき空間に露出しないように誘電体8で覆われる。また、第2の電極7は、航空機2の機体に接地される。第1の電極6と第2の電極7との間には、交流電源9によって交流電圧が印加される。
交流電源9を動作させて第1の電極6と第2の電極7との間に交流電圧を印加すると、第1の電極6が配置されている側の誘電体8の表面に形成される放電エリアには電子と正イオンから成るプラズマが生じる。その結果、プラズマによって誘電体8の表面に向かう空気の流れが誘起される。
つまり、交流電源9を動作させて第1の電極6と第2の電極7との間に交流電圧を印加することによって放電エリアに誘電体バリア放電を引起し、引起された誘電体バリア放電によって空気の流れを誘起することができる。尚、第1の電極6と第2の電極7との間に誘電体8を挟んで誘電体バリア放電を起こすプラズマ・アクチュエータ3は、DBD−PAと呼ばれる。
図2は図1に示すプラズマ・アクチュエータ3を航空機2の翼構造体10に取付けた例を示す図である。
プラズマ・アクチュエータ3を構成する第1の電極6及び第2の電極7は、薄いフィルム状にすることができる。このため、図2に例示されるように静翼11や動翼12等の翼構造体10の表面はもちろん、胴体等の構造体の表面に貼付けるか、或いは取付位置となる表面層に埋め込んで使用することができる。
動翼12を備えた主翼、水平尾翼及び垂直尾翼等の翼構造体10は、静翼11に動翼12を連結して構成される。プラズマ・アクチュエータ3は、例えば、動翼12の補助装置として用いることができる。より具体的には、動翼12の翼面における空気の剥離流れの抑制や翼面と空気との間における摩擦の低減による空気抵抗の低減を目的としてプラズマ・アクチュエータ3を用いることができる。
その場合には、補助対象となる動翼12や補助対象となる動翼12と連結される静翼11にプラズマ・アクチュエータ3を取付けることができる。また、図2に例示されるように、異なる向きで空気の流れを誘起できるように複数のプラズマ・アクチュエータ3を配置すれば、航空機2の姿勢を制御するための流れ制御デバイスとして複数のプラズマ・アクチュエータ3を使用することもできる。
もちろん、図2に例示されるように、静翼11の前縁付近等の任意の位置にプラズマ・アクチュエータ3を配置することによって、所望の目的で空気の流れを制御できるようにすることもできる。
尚、プラズマを発生させるための放電エリアと、空気の流れの制御エリアは異なる。すなわち、放電エリアにおいて発生するプラズマによって誘起される空気の流れが、プラズマ・アクチュエータ3が取付けられた翼構造体10の翼面に沿って流れる空気の一様流に付加される結果、空気の流れ状態が形成される。従って、空気の流れ制御エリアは、プラズマによって誘起される空気の流れの下流側を含み、かつプラズマによって誘起される空気の流れの影響を受ける領域となる。
逆に、プラズマ・アクチュエータ3により誘起された空気の流れが付加されることによって、空気の流れ制御エリアにおいて目的とする空気の流れ状態が形成されるようにプラズマ・アクチュエータ3の位置が決定される。プラズマ・アクチュエータ3の位置は、風洞試験やシミュレーションで決定することができる。
制御システム4は、プラズマ・アクチュエータ3を構成する第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形を制御するシステムである。制御システム4はプログラムを読み込ませたコンピュータや記憶回路等の電子回路を含む電気回路で構成することができる。すなわち、制御システム4は、制御回路13及び記憶装置14で構成することができる。
制御回路13は、プラズマ・アクチュエータ3の交流電源9に出力すべき制御信号を生成し、生成した制御信号を交流電源9に出力することによって交流電源9を制御するための回路である。従って、制御回路13は、プラズマ・アクチュエータ3の交流電源9と接続される。
特に、制御回路13は、プラズマ・アクチュエータ3の放電エリアに誘起された空気の流れが、空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れに付加されることによって空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を、第1の流れ状態から第1の流れ状態と異なる第2の流れ状態に変化させるための交流電圧の波形制御を行う機能を有している。
そのために、記憶装置14には、プラズマ・アクチュエータ3を作動させることによって空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を、第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させるための交流電圧の波形の変更条件が保存される。すなわち、記憶装置14には、第1の流れ状態又は第1の流れ状態を形成するためにプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加された交流電圧の波形と、目的とする第2の流れ状態との組合せを、変更後における交流電圧の波形と関連付けたテーブル又は関数が参照情報として保存される。
このため、記憶装置14は、プラズマ・アクチュエータ3を作動させることによって現在形成されている第1の流れ状態又は第1の流れ状態を形成するために第1の電極6と第2の電極7との間に現在印加されている交流電圧の波形と、目的とする第2の流れ状態との組合せに基づいて、目的とする第2の流れ状態を形成するために第1の電極6と第2の電極7との間に印加すべき交流電圧の波形を求めるための電圧波形データベースとして機能する。
これにより、制御回路13では、プラズマ・アクチュエータ3を作動させることによって空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を、第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させる場合には、記憶装置14に保存された交流電圧の波形の変更条件を参照することによって、第2の流れ状態を形成するために第1の電極6と第2の電極7との間に印加すべき交流電圧の波形を決定することができる。そして、記憶装置14に保存された交流電圧の波形の変更条件に従って、第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形を制御することができる。
記憶装置14に保存される交流電圧の波形の変更条件は、予め風洞試験やコンピュータシミュレーションによって求めておくことができる。但し、風洞試験又はコンピュータシミュレーションは、プラズマ・アクチュエータ3の動作がオフである場合において空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態から、プラズマ・アクチュエータ3の動作をオンに切換えることによって空気の流れ制御エリアに目的とする空気の流れ状態を形成するために第1の電極6と第2の電極7との間に印加すべき交流電圧の波形を求めるものではなく、既にプラズマ・アクチュエータ3の動作状態をオン状態に切換えることによって空気の流れ制御エリアに形成された第1の流れ状態を、引続きプラズマ・アクチュエータ3の動作をオン状態としたまま第2の流れ状態に変化させるための交流電圧の波形の変更条件を求めるためのものとなる。
すなわち、プラズマ・アクチュエータ3の動作をオフ状態からオン状態に切換える場合に空気の流れ制御エリアに目的とする空気の流れ状態を形成するための適切な交流電圧の波形と、プラズマ・アクチュエータ3の動作が既にオン状態である場合に空気の流れ制御エリアに別の空気の流れ状態を形成するための適切な交流電圧の波形は異なる。これは、プラズマ・アクチュエータ3の動作によって空気の流れ制御エリアに一旦形成された空気の流れ状態は、プラズマ・アクチュエータ3の動作をオフに切換えても、空気のヒステリシスによって直ぐには消滅しないためである。
プラズマ・アクチュエータ3の動作をオフ状態からオン状態に切換える場合に空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態の応答遅れは、交流電源9から第1の電極6と第2の電極7との間に交流電圧が印加されてから放電エリアにプラズマが発生するまでの期間、放電エリアに発生したプラズマ中の荷電粒子が加速されて空気の流れが誘起されるまでの期間及びプラズマ近傍に誘起された空気の流れが一様流と共に翼構造体10の翼面に沿って移動した結果、空気の流れ制御エリアに空気の流れ状態が形成されるまでの期間の合計となる。
従って、プラズマ・アクチュエータ3の動作をオフ状態からオン状態に切換える場合においても、一定の応答遅れを伴って、空気の流れ制御エリアに空気の流れ状態が形成される。このプラズマ・アクチュエータ3の動作をオフ状態からオン状態に切換える場合における応答遅れは、プラズマ近傍に誘起された空気の流れが翼構造体10の翼面に沿って移動する時間に比例するため、予測が可能である。
一方、プラズマ・アクチュエータ3の動作をオン状態からオフ状態に切換える場合には、更に長期間の応答遅れが生じる。すなわち、一旦、空気の流れ制御エリアに形成された空気の流れは、空気のヒステリシスによってしばらくの間継続する。このため、応答遅れの予測が困難であり、空気の流れ制御エリアに形成された空気の流れは、時間をかけて徐々に乱れていくことになる。
そこで、空気のヒステリシスを考慮した風洞試験又はシミュレーションによって、プラズマ・アクチュエータ3を動作させた後に空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を、第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させるためにプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加すべき交流電圧の波形の条件を求めることができる。そして、求めた交流電圧の波形の条件を記憶装置14に保存することができる。これにより、記憶装置14に保存された参照情報の参照を伴う制御回路13による交流電源9の制御によって、プラズマ・アクチュエータ3を動作させた後に空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を、第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させることが可能となる。
図3は図1に示すプラズマ・アクチュエータ3の交流電源9から第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形の一例を示すグラフである。
図3において縦軸は電圧Vを示し、横軸は時間tを示す。図3に示すように、振幅が変化する期間と、振幅が変化しない期間を一定の周期Tで繰り返す波形を有する交流電圧を交流電源9から第1の電極6と第2の電極7との間に印加することが、プラズマ・アクチュエータ3の動作をオフ状態からオン状態に切換えることによって目的とする空気の流れを空気の流れ制御エリアに形成する場合に効果的であることが風洞試験によって確認された。
図3に示すような振幅が変化する期間と、振幅が変化しない期間を一定の周期Tで繰り返す波形はバースト波形と呼ばれ、バースト波形の周期Tは、バースト周期と呼ばれる。また、振幅Vmの交流電圧が連続的に印加される期間Tonの、バースト周期Tに対する比Ton/Tは、デューティ比に相当し、バースト比BRと呼ばれる。
尚、交流電圧の振幅Vmを一定とせずに時間的に変化させても良いが、図3に示すように振幅Vmを一定とすることが交流電源9における電圧制御の容易化に繋がる。このため、以降では、交流電圧の振幅Vmを一定として説明する。
更なる風洞試験の結果、プラズマ・アクチュエータ3の動作をオン状態に切換えて空気の流れ制御エリアに第1の流れ状態を形成した後、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態を第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させるために支配的な交流電圧の波形のパラメータは、バースト周波数f(=1/T)であることが判明した。尚、第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させるために好適な交流電圧の波形には、バースト比BRが1、すなわちバースト周波数fが無限大(バースト周期Tがゼロ)である波形に相当する連続波も含まれる。
従って、空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させるための交流電圧の波形の変更条件として、第1のバースト周波数を有するバースト波形から連続波形又は第1のバースト周波数と異なる第2のバースト周波数を有するバースト波形に変更する条件を記憶装置14に保存し、制御回路13は、空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を、第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させる場合には、交流電圧の波形を、第1のバースト周波数を有するバースト波形から連続波形又は第2のバースト周波数を有するバースト波形に変更するようにすることが効果的である。
但し、風洞試験の結果、交流電圧波形の周波数及び振幅、変更後における電圧波形をバースト波形とする場合におけるバースト比BR並びに波形を正弦波とするか矩形波とするか等の他の条件について有意な差が確認できれば、バースト周波数fを高くするか低くするかという条件以外の条件を交流電圧の波形の変更条件として記憶装置14に保存し、制御回路13が参照できるようにしてもよい。
空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させる基本的な例としては、プラズマ・アクチュエータ3の動作をオフ状態からオン状態に切換えることによって空気の流れを誘起し、空気の流れ制御エリアに第1の流れ状態を形成した後、プラズマ・アクチュエータ3の動作によって誘起された空気の流れが付加される前の空気の流れ制御エリアにおける流れ状態に戻す場合が挙げられる。すなわち、第2の流れ状態を、第1の流れ状態が形成される前の流れ状態とすることができる。
この場合、変更後の波形を有する交流電圧をプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加することによって誘起される変更後の波形に対応する空気の流れを、第1の流れ状態での空気の流れに付加することによって第1の流れ状態が形成される前の第2の流れ状態を形成することが目的となる。
そこで、空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を、第1の流れ状態から、プラズマ・アクチュエータ3によって誘起された空気の流れが付加される前の空気の流れ制御エリアにおける第2の流れ状態に戻すための交流電圧の波形の変更条件を記憶装置14に保存することができる。これにより、制御回路13は、プラズマ・アクチュエータ3の動作によって空気の流れ制御エリアに一旦形成された第1の空気の流れ状態を、第1の流れ状態が形成される前の第2の流れ状態に戻すための交流電圧の波形の制御を実行することが可能となる。
すなわち、空気のヒステリシスによる応答遅れが低減されるように、意図的にプラズマ・アクチュエータ3を動作させて空気の流れを誘起することによって、空気の流れ制御エリアに一旦形成された第1の空気の流れ状態を、元の状態に戻すことができる。換言すれば、一旦、空気の流れ制御エリアに形成した第1の空気の流れ状態を解除することができる。
翼構造体10の翼面に沿うエリアはもちろん、胴体の表面に沿うエリアなど、航空機2の機体表面に沿うエリアが空気の流れ制御エリアである場合において、プラズマ・アクチュエータ3の動作をオフ状態からオン状態に切換えることによって空気の流れ制御エリアに第1の流れ状態を形成する目的として代表的なのは境界層において剥離の抑制効果を得ることである。従って、第1の流れ状態が剥離効果が得られた流れ状態であり、かつ第2の流れ状態が第1の流れ状態が形成される前の流れ状態である場合には、第2の流れ状態は、剥離の抑制効果が無い流れ状態又は剥離の抑制効果が低減された流れ状態となる。
このため、空気の流れ制御エリアにおいて剥離の抑制効果が得られた第1の流れ状態から、剥離の抑制効果が無い第2の流れ状態又は剥離の抑制効果が低減された第2の流れ状態に変化させるための交流電圧の波形の変更条件を記憶装置14に保存すれば、制御回路13において空気の流れ制御エリアにおける剥離の抑制効果をオフにする制御を実行することが可能となる。すなわち、制御回路13は、航空機2の入力装置5から剥離の抑制効果をオフにする指示を受けた場合には、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態を、剥離の抑制効果が得られた第1の流れ状態から剥離の抑制効果が無い第2の流れ状態又は剥離の抑制効果が低減された第2の流れ状態に変更するための交流電圧の波形の制御を実行することが可能となる。
翼構造体10の翼面に沿って設定された空気の流れ制御エリアにおいて十分な剥離の抑制効果が得られれば、翼構造体10で構成される主翼や尾翼等の翼によって得られる揚力を増加させることができる。逆に、翼構造体10の翼面に沿って設定された空気の流れ制御エリアにおいて剥離の抑制効果を消滅又は低減させれば、翼構造体10で構成される翼によって得られる揚力を減少させることができる。
従って、翼構造体10の翼面に沿って適切な数のプラズマ・アクチュエータ3を適切な位置に配置して統合的に剥離効果の有無を切換える制御を行えば、局所的な剥離の抑制効果の制御に限らず、翼構造体10によって得られる揚力の制御を行うことも可能となる。このため、航空機2の翼面に沿って設定された空気の流れ制御エリアにおける剥離の抑制効果によって翼により得られる揚力を増加させるための第1の流れ状態から、剥離の抑制効果を消滅又は低減させることによって揚力を減少させるための第2の流れ状態に変化させるための交流電圧の波形の変更条件を記憶装置14に保存することもできる。
そうすると、制御回路13では、航空機2の入力装置5から揚力を減少させる指示を受けた場合には、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態を、揚力を増加させるための第1の流れ状態から揚力を減少させるための第2の流れ状態に変更するための交流電圧の波形の制御を実行することが可能となる。
また、プラズマ・アクチュエータ3を動翼12に取付ければ、動翼12の迎角調整を行うことも可能となる。すなわち、動翼12の翼面に沿って設定された空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態を、第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させることによって、航空機2に備えられる動翼12の迎角制御を行うことも可能となる。
空気の流れ制御エリアにおける第1の流れ状態が空気の剥離の抑制効果が得られている流れ状態である場合において、剥離の抑制効果が得られた第1の流れ状態から剥離の抑制効果が消滅した第2の流れ状態又は剥離の抑制効果が低減された第2の流れ状態に変更するためには、空気の剥離の抑制効果が得られている第1の流れ状態での空気の流れに、新たに誘起した空気の流れを付加することによって空気の流れ制御エリアに空気の剥離を誘発させることが効果的である。
具体的には、空気の剥離の抑制効果を得るための第1の流れ状態を形成する際には、空気の剥離の抑制に効果的であることが確認されている高いバースト周波数を有する交流電圧をプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加する一方、空気の剥離の抑制効果が消滅した第2の流れ状態又は空気の剥離の抑制効果が低減された第2の流れ状態を形成する際には、空気の剥離の抑制効果が小さいことが確認されている低いバースト周波数を有する交流電圧又はバースト波形ではなく連続波形を有する交流電圧をプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加することで、意図的に空気の流れ制御エリアに剥離を誘発することができる。
すなわち、剥離の抑制効果が消滅又は低減した第2の流れ状態を形成するための変更後における交流電圧の波形に対応する空気の流れとして断続的な細かい渦を誘起することができる。その結果、誘起された断続的な渦が擾乱として空気の流れ制御エリアにおける空気の流れに付加され、空気の剥離を誘発させることができる。
このように、従来は、抑制対象であった剥離を意図的に誘発することによって、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態を従来よりも短時間で変更することが可能となる。すなわち、剥離の抑制効果をより短時間でオフに切換えることができる。
空気の流れ制御エリアに形成されている第1の流れ状態を第2の流れ状態に変更するためにプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加すべき交流電圧のバースト周波数は、上述したように風洞試験及びシミュレーションの少なくとも一方を実行することによって求めることができる。
第2の流れ状態が第1の流れ状態が形成される前の元の流れ状態である場合には、異なるバースト周波数のバースト波形を有する交流電圧及び連続波形を有する交流電圧をプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加することによって、空気の流れ制御エリアに空気の流れ状態を形成する風洞試験又はシミュレーションを実行することができる。そして、空気の流れ制御エリアに空気の第1の流れ状態が最も良好に形成されるバースト周波数と、第1の流れ状態が最も形成され難い条件を特定することができる。
そうすると、空気の流れ制御エリアに空気の第1の流れ状態が最も良好に形成された時のバースト周波数を有するバースト波形を、空気の流れ制御エリアに空気の第1の流れ状態を形成するための交流電圧の波形に決定することができる。一方、空気の流れ制御エリアに空気の第1の流れ状態が最も形成され難かった時のバースト周波数を有するバースト波形又は連続波形を、空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を第1の流れ状態から第1の流れ状態が形成される前の元の第2の流れ状態に変化させるための交流電圧の波形に決定することができる。
具体例として、剥離の抑制効果を確認する風洞試験を行う場合であれば、プラズマ・アクチュエータ3の取付対象となる物体を模擬したモデルにプラズマ・アクチュエータ3を取付け、モデルに取付けたプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に異なる波形を有する交流電圧を印加することができる。すなわち、異なるバースト周波数のバースト波形を有する交流電圧及び連続波形を有する交流電圧を、モデルに取付けたプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加することができる。
そして、モデルに対して設定される空気の流れ制御エリアにおける空気の剥離の抑制効果を交流電圧の波形ごとに確認することができる。そうすると、空気の剥離の抑制効果が最大となる時の交流電圧の波形と、空気の剥離の抑制効果が最小となる時の交流電圧の波形を特定することができる。このため、空気の剥離の抑制効果が最大となる時の交流電圧の波形を、空気の流れ制御エリアに剥離の抑制効果が得られる空気の第1の流れ状態を形成するための第1の交流電圧の波形に決定することができる。一方、空気の剥離の抑制効果が最小となる時の交流電圧の波形を、剥離の抑制効果が消滅又は減少した空気の第2の流れ状態を形成するための第2の交流電圧の波形に決定することができる。
すなわち、剥離の抑制効果が最小となる時の交流電圧の波形がバースト波形である場合には、剥離の抑制効果が最小となる時のバースト周波数を有するバースト波形を、剥離の抑制効果が得られる空気の第1の流れ状態を解除するための交流電圧の波形条件に設定することができる。一方、剥離の抑制効果が最小となる時の交流電圧の波形が連続波形である場合には、剥離の抑制効果が最小となる時の連続波形を、剥離の抑制効果が得られる空気の第1の流れ状態を解除するための交流電圧の波形条件に設定することができる。
尚、剥離の抑制効果を最良とするための交流電圧のバースト周波数と、剥離の抑制効果を最も低減するための交流電圧の波形の条件は、プラズマ・アクチュエータ3の取付位置のみならず、翼構造体10の迎角にも依存して変化すると考えられる。従って、プラズマ・アクチュエータ3の取付位置が決定されている場合であっても、翼構造体10の迎角を変化させて風洞試験を行うことが適切である。そして、空気の流れ制御エリアに第1の流れ状態を形成するための交流電圧の波形条件と、空気の流れ制御エリアに形成された第1の流れ状態を解除することによって元の第2の流れ状態に戻すための交流電圧の波形条件とを、翼構造体10の迎角ごとに決定して記憶装置14に保存することが適切である。
このように、第2の流れ状態が第1の流れ状態が形成される前の元の流れ状態である場合には、すなわち第1の流れ状態を解除するための交流電圧の波形条件を求める場合には、時間的に条件を一定とする静的な風洞試験を、条件を変えながら繰返すことによって、第1の流れ状態を解除するための交流電圧の波形条件を求めることができる。これは、シミュレーションを行う場合についても同様である。
プラズマ・アクチュエータ3の動作をオンに切換えて第1の流れ状態を形成するための交流電圧の波形条件と、第1の流れ状態を解除するための交流電圧の波形条件を目的別に求めることができれば、第1の流れ状態の形成と解除を繰返すことによって、第1の目的を有する空気の流れ状態を、別の第2の目的を有する空気の流れ状態に変更することも可能となる。すなわち、ある第1の目的で空気の流れ制御エリアに第1の流れ状態を形成した後、一旦、第1の流れ状態を解除することによって元の第2の流れ状態に戻し、更にその後、別の第2の目的で空気の流れ制御エリアに第1の流れ状態を形成すれば、実質的に第1の目的で形成した空気の流れ状態を、第2の目的を有する空気の流れ状態に変更することができる。
但し、第1の目的で形成した第1の空気の流れ状態を一旦解除してから交流電圧のバースト周波数等の条件を変えて第2の目的を有する第1の空気の流れ状態を形成すると、第1の目的で形成した第1の空気の流れ状態を消滅させるための時間が必要となり、応答遅れが生じる。このため、応答遅れを低減することが重要である場合には、第1の目的で空気の流れ制御エリアに形成した第1の空気の流れ状態を、直接第2の目的を有する第2の空気の流れ状態に変更できるようにすることもできる。
その場合には、第1の目的で空気の流れ制御エリアに形成した第1の空気の流れ状態を、別の第2の目的を有する第2の空気の流れ状態に変更するための交流電圧の波形の変更条件を、風洞試験又はシミュレーションによって求めれば良い。例えば、風洞試験を行う場合であれば、プラズマ・アクチュエータ3の取付対象となる物体を模擬したモデルにプラズマ・アクチュエータ3を取付け、モデルに取付けたプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形を連続的に変化させることによって、モデルに対して設定される空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態を、第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させるための交流電圧の波形を求めることができる。
すなわち、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態が第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化した時の交流電圧の波形変化を記録しておき、変更前における交流電圧の波形と、変更後における交流電圧の波形の組合せを、交流電圧の波形の変更条件として記憶装置14に保存することができる。これにより、制御回路13では、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態を、第1の流れ状態から別の第2の流れ状態に直接変化させるための交流電圧の波形の制御を実行することが可能となる。
つまり、条件を一定としてある時刻における空気の流れ状態を確認する静的な風洞試験を繰返すのではなく、プラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形を時間的に変化させながら空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変化を確認する動的な風洞試験を行うことによって、第1の目的で空気の流れ制御エリアに形成した第1の空気の流れ状態を、別の第2の目的を有する第2の空気の流れ状態に変更するための交流電圧の波形の変更条件を求めることができる。これは、シミュレーションを行う場合においても同様である。
尚、風洞試験を行う場合には、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態を、モデルに取付けた圧力センサにより検出される空気の圧力分布として定量化することができる。このため、空気の流れ状態の変化についても、空気の圧力分布の時間変化として定量的に求めることができる。
また、シミュレーションの場合には、翼構造体10等を模擬した解析モデルに解析エリアとして設定された空気の流れ制御エリアにおける空気の圧力分布を有限要素法(FEM:Finite Element Method)による数値流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)解析によって計算することができる。CFD解析は、オイラー方程式やナビエ−ストークス方程式等の流体の運動に関する方程式をコンピュータで解くことによって流れ場を解析する数値解析である。
空気の流れ制御エリアに形成した第1の空気の流れ状態を第2の空気の流れ状態に変更するための交流電圧の波形の変更条件は、風洞試験やシミュレーションに限らず、航空機2を実際に飛行させることによっても取得することが可能である。すなわち、航空機2の飛行中にプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に交流電圧を印加し、空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を観測することができる。そうすると、プラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加された交流電圧の波形と、空気の流れ制御エリアに形成された空気の流れ状態とを関連付けて記録することができる。
同様に、プラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形を変化させた場合における、空気の流れ制御エリアに形成された空気の流れ状態の変化についても記録することができる。これにより、空気の流れ制御エリアに形成した第1の空気の流れ状態を解除して元の流れ状態に戻すための交流電圧の波形の変更条件はもちろん、第1の目的で空気の流れ制御エリアに形成した第1の空気の流れ状態を、別の第2の目的を有する第2の空気の流れ状態に直接変更するための交流電圧の波形の変更条件についても取得することができる。そして、取得した交流電圧の波形の変更条件を記憶装置14に保存してデータベース化することができる。
航空機2には、通常、航空機2の機体周りにおける空気の圧力分布を計測するための静圧管、ピトー静圧管或いは静圧孔等の圧力センサ15が設けられている。圧力センサ15において計測された空気の流れ制御エリアにおける空気の圧力分布は、航空機2内外に備えられるディスプレイ16に表示させることができる。このため、空気の流れ制御エリアに形成されている空気の流れ状態を、圧力センサ15において計測された空気の流れ制御エリアにおける空気の圧力分布として定量的に把握することができる。
そこで、航空機2のパイロット又は遠隔操縦者がディスプレイ16に表示された空気の流れ制御エリアにおける空気の圧力分布を参照しつつ入力装置5を操作することによって、制御システム4の制御回路13にプラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形のバースト周波数等の変更指示を入力することができる。そして、制御回路13は、入力装置5から入力された指示に従って、プラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形を変更することができる。つまり、プラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形を、入力装置5の操作によって手動で変更できるようにすることができる。
或いは、圧力センサ15において計測された空気の流れ制御エリアにおける空気の圧力分布を制御システム4の制御回路13が取得する一方、入力装置5から制御回路13に空気の流れ制御エリアにおける空気の圧力分布の目標値を入力できるようにし、制御回路13が空気の流れ制御エリアにおける空気の圧力分布が目標値となるように、プラズマ・アクチュエータ3の第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形を最適化するフィードバック制御を行えるようにしてもよい。
そうすると、空気の流れ制御エリアにおける空気の圧力分布が目標とする圧力分布となった時の交流電圧の波形を記録して記憶装置14に保存することができる。このため、空気の流れ制御エリアにおいて新たに空気の圧力分布の目標値が決定される都度、適切な交流電圧の波形の変更条件を記憶装置14によって形成されるデータベースに順次追加することが可能となる。
つまり、制御システム4に機械学習機能を持たせることによって、空気の流れ制御エリアに形成した第1の空気の流れ状態を第2の空気の流れ状態に変更するための交流電圧の波形の変更条件を蓄積していくことができる。これにより、空気の流れ制御エリアに形成した第1の空気の流れ状態を第2の空気の流れ状態に変更するための交流電圧の波形の変更条件の一層の精度向上と最適化が可能となるのみならず、事前に行うべき膨大な数の風洞試験やシミュレーションの負担を軽減することができる。
(流れ制御方法)
次に流れ制御装置1を用いた航空機2の機体周りにおける空気の流れ制御方法について説明する。
図4は、図1に示す流れ制御装置1を用いた空気の流れ制御の流れの一例を示すフローチャートである。
まずステップS1において、プラズマ・アクチュエータ3を構成する第1の電極6と第2の電極7との間に交流電源9から交流電圧が印加される。これにより、プラズマ・アクチュエータ3の作動状態がOFF状態からON状態に切換えらえる。
そのために、制御システム4の制御回路13から空気の流れ制御エリアに所望の目的を有する空気の流れ状態を形成するための制御信号がプラズマ・アクチュエータ3の交流電源9に出力される。具体的には、空気の流れ制御エリアに空気の流れ状態を形成するための交流電圧の第1の波形を特定する制御信号が制御回路13から交流電源9に出力される。例えば、翼構造体10の周囲に設定された空気の流れ制御エリアおける剥離を抑制するために第1の波形として適切なバースト周波数のバースト波形を有する交流電圧の印加を制御回路13から交流電源9に指示することができる。
交流電源9から第1の電極6と第2の電極7との間に第1の波形を有する交流電圧が印加されると、第1の電極6と第2の電極7との間に形成される放電エリアには、交流電圧の第1の波形に対応するプラズマが生じる。交流電圧の第1の波形がバースト波形であれば、放電エリアには、プラズマを間欠的に発生させることができる。これにより、交流電圧の第1の波形に対応する空気の流れを誘起することができる。誘起された第1の波形に対応する空気の流れは、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れに付加される。
その結果、空気の流れ制御エリアには目的とする空気の流れ状態が形成される。具体例として航空機2が巡航中であり、空気の流れ制御エリアが翼構造体10の翼面に沿うエリアであれば、空気の流れ制御エリアに剥離が抑制された空気の流れ状態を形成することができる。
次に、ステップS2において、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変更又は解除の指示が入力装置5から制御回路13に入力されたか否かが制御回路13において判定される。空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変更又は解除の指示が入力装置5から制御回路13に入力されていないと判定される場合には、引続き第1の波形を有する交流電圧が交流電源9から第1の電極6と第2の電極7との間に印加され、空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態が維持される。
一方、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変更又は解除の指示が入力装置5から制御回路13に入力されたと判定される場合には、ステップS3において、交流電源9から第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形が、第1の波形から第1の波形と異なる第2の波形に変化させる電圧制御が制御回路13において実行される。
具体的には、プラズマ・アクチュエータ3を作動させることによって空気の流れ制御エリアに形成された空気の流れ状態からプラズマ・アクチュエータ3の作動前における元の流れ状態に戻すための制御信号として、第2の波形を有する交流電圧の印加指示が制御回路13からプラズマ・アクチュエータ3の交流電源9に出力される。
例えば、プラズマ・アクチュエータ3を作動させることによって空気の流れ制御エリアおいて剥離が抑制された空気の流れ状態が形成された場合であれば、剥離の抑制効果を低減又は消滅させるために好適な、バースト周波数が異なるバースト波形や連続波形等の第2の波形を有する交流電圧の印加指示が制御回路13から交流電源9に出力される。
そうすると、第1の電極6と第2の電極7との間に形成される放電エリアには、交流電圧の第2の波形に対応するプラズマが生じる。これにより、交流電圧の第2の波形に対応する空気の流れを誘起することができる。誘起された第2の波形に対応する空気の流れは、剥離の抑制等の目的で形成された流れ状態での空気の流れ制御エリアにおける空気の流れに付加される。
その結果、剥離の抑制等の目的で形成された流れ状態が形成される前の流れ状態を形成することができる。すなわち、プラズマ・アクチュエータ3の作動によって空気の流れ制御エリアに形成した流れ状態を解除することができる。
次に、ステップS4において、入力装置5から制御回路13に入力された指示が空気の流れ状態の変更指示であるか否かが判定される。入力装置5から制御回路13に入力された指示が空気の流れ状態の変更指示ではないと判定された場合には、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の解除の指示が入力装置5から制御回路13に入力されたということになるため、制御回路13による交流電圧の制御は終了する。
尚、風洞試験やシミュレーション等で決定した一定期間経過後にプラズマ・アクチュエータ3の作動状態をON状態からOFF状態に切換えるようにしても良い。その場合には、再びステップS1からの交流電圧の制御を再開することもできる。
一方、入力装置5から制御回路13に入力された指示が空気の流れ状態の変更指示であると判定された場合には、ステップS5において、交流電源9から第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形が、第2の波形から第2の波形と異なる第3の波形に変化させる電圧制御が制御回路13において実行される。
具体的には、空気の流れ制御エリアに別の目的で空気の流れ状態を形成するための制御信号として、第3の波形を有する交流電圧の印加指示が制御回路13からプラズマ・アクチュエータ3の交流電源9に出力される。
そうすると、第1の電極6と第2の電極7との間に形成される放電エリアには、交流電圧の第3の波形に対応するプラズマが生じる。これにより、交流電圧の第3の波形に対応する空気の流れを誘起することができる。誘起された第3の波形に対応する空気の流れは、第2の波形を有する交流電圧の印加によって空気の流れ状態が低減又は消滅した空気の流れ制御エリアにおける空気の流れに付加される。
その結果、第2の波形を有する交流電圧の印加によって低減又は消滅された空気の流れ状態とは異なる別の目的を有する空気の流れ状態を空気の流れ制御エリアに形成することができる。具体例として、動翼12の迎角が変化した状態での剥離の抑制を新たな目的として空気の流れ制御エリアに剥離が抑制された空気の流れ状態を形成することができる。
そして、新たな目的を有する空気の流れ状態の形成は、ステップS6において空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変更又は解除の指示が入力装置5から制御回路13に入力されたと判定されるまで継続される。ステップS6において空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変更又は解除の指示が入力装置5から制御回路13に入力されたと判定された場合には、再びステップS3における交流電圧の波形の変更によって、新たな目的を有する空気の流れ状態が解除される。
以上のように空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の形成と解除を繰返すことによって、様々な目的を有する空気の流れ状態を空気の流れ制御エリアに断続的に形成することができる。
図5は、図1に示す流れ制御装置1を用いた空気の流れ制御の流れの別の一例を示すフローチャートである。尚、図4に示すフローチャートにおけるステップと同様のステップには同符号を付して詳細な説明を省略する。
まずステップS1において、プラズマ・アクチュエータ3を構成する第1の電極6と第2の電極7との間に交流電源9から第1の波形を有する交流電圧が印加される。これにより、プラズマ・アクチュエータ3の作動状態がOFF状態からON状態に切換えらえる。その結果、第1の波形に対応する空気の流れが誘起され、空気の流れ制御エリアには目的とする空気の流れ状態が形成される。
次に、ステップS2において、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変更又は解除の指示が入力装置5から制御回路13に入力されたか否かが制御回路13において判定される。空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変更又は解除の指示が入力装置5から制御回路13に入力されていないと判定される場合には、引続き空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態が維持される。
一方、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変更又は解除の指示が入力装置5から制御回路13に入力されたと判定される場合には、ステップS10において、入力装置5から制御回路13に入力された指示が空気の流れ状態の解除指示であるか否かが判定される。
入力装置5から制御回路13に入力された指示が空気の流れ状態の解除指示であると判定された場合には、ステップS3において、プラズマ・アクチュエータ3の作動によって空気の流れ制御エリアに形成された空気の流れ状態からプラズマ・アクチュエータ3の作動前における元の流れ状態に戻すための制御信号として、第2の波形を有する交流電圧の印加指示が制御回路13からプラズマ・アクチュエータ3の交流電源9に出力される。
その結果、プラズマ・アクチュエータ3の作動によって空気の流れ制御エリアに形成した空気の流れ状態を低減又は消滅させることができる。これにより、制御回路13による交流電圧の制御は終了する。尚、一定期間経過後には、プラズマ・アクチュエータ3の作動状態をON状態からOFF状態に切換えるようにしても良い。その場合には、再びステップS1からの交流電圧の制御を再開することもできる。
一方、ステップS10の判定において、入力装置5から制御回路13に入力された指示が空気の流れ状態の解除指示ではないと判定された場合には、空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変更指示が入力装置5から制御回路13に入力されたということになる。
このため、ステップS11において、交流電源9から第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形が、第1の波形から第4の波形に変化させる電圧制御が制御回路13において実行される。
尚、第4の波形は、空気の流れ制御エリアにある目的で既に形成された空気の流れ状態を、別の目的を有する異なる空気の流れ状態に直接変更するために好適な交流電圧の波形である。従って、第4の波形は、第1の波形及び第2の波形のいずれとも異なり、かつ第2の波形を有する交流電圧の印加によって空気の流れ状態が解除された後に別の目的で空気の流れ状態を形成するために印加される交流電圧の第3の波形とは必ずしも一致しない波形となる。
具体的には、空気の流れ制御エリアに別の目的で空気の流れ状態を形成するための制御信号として、第4の波形を有する交流電圧の印加指示が制御回路13からプラズマ・アクチュエータ3の交流電源9に出力される。
そうすると、第1の電極6と第2の電極7との間に形成される放電エリアには、交流電圧の第4の波形に対応するプラズマが生じる。これにより、交流電圧の第4の波形に対応する空気の流れを誘起することができる。誘起された第4の波形に対応する空気の流れは、既に形成されている流れ状態での空気の流れ制御エリアにおける空気の流れに付加される。
その結果、既に形成されている空気の流れ状態とは異なる別の目的を有する空気の流れ状態を空気の流れ制御エリアに形成することができる。そして、新たな目的を有する空気の流れ状態の形成は、ステップS6において空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変更又は解除の指示が入力装置5から制御回路13に入力されたと判定されるまで継続される。ステップS6において空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態の変更又は解除の指示が入力装置5から制御回路13に入力されたと判定された場合には、再びステップS10における判定からの処理が実行される。
以上のように空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態の変更を繰返すことによって、様々な目的を有する空気の流れ状態を空気の流れ制御エリアに継続的に形成することができる。
(効果)
以上のような流れ制御装置1及び流れ制御方法は、プラズマ・アクチュエータ3を作動させることによって空気の流れ制御エリアに空気の流れ状態を形成した後に、プラズマ・アクチュエータ3を構成する第1の電極6と第2の電極7との間に印加される交流電圧の波形を変更することによって、元の空気の流れ状態又は別の空気の流れ状態に速やかに変化させることができるようにしたものである。
このため、従来はプラズマ・アクチュエータで一旦形成した空気の流れ状態を速やかに消滅させることは、空気のヒステリシスに起因する応答遅れによって困難であったが、流れ制御装置1及び流れ制御方法によれば、プラズマ・アクチュエータ3で空気の流れ制御エリアに形一旦成した空気の流れ状態を速やかに消滅させることができる。しかも、空気のヒステリシスに起因する応答遅れを短縮することによって、プラズマ・アクチュエータ3で空気の流れ制御エリアに形成した空気の流れ状態を別の流れ状態に速やかに変化させることもできる。
その結果、プラズマ・アクチュエータ3を剥離の抑制のみならず、揚力の調整や動翼12の迎角調整に使用することが可能となる。また、プラズマ・アクチュエータ3を動翼12に代わる流れ制御装置として使用することも現実的となる。
(第2の実施形態)
図6は本発明の第2の実施形態に係る流れ制御装置の構成図である。
図6に示された第2の実施形態における流れ制御装置1Aでは、プラズマ・アクチュエータ3を構成する第1の電極6及び第2の電極7の少なくとも一方を分割して異なる位置に配置し、交流電圧の印加対象となる電極を選択できるようにした点が第1の実施形態における流れ制御装置1と相違する。第2の実施形態における流れ制御装置1Aの他の構成及び作用については第1の実施形態における流れ制御装置1と実質的に異ならないため同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態における流れ制御装置1Aでは、プラズマ・アクチュエータ3に、空気側に露出する複数の第1の電極6又は誘電体8で覆われることによって空気側に露出しない複数の第2の電極7が設けられる。そして、複数の第1の電極6又は複数の第2の電極7がスイッチ回路30を介して交流電源9と接続される。
スイッチ回路30は、交流電圧の印加対象となる電極を複数の第1の電極6又は複数の第2の電極7から選択する回路である。スイッチ回路30は、制御システム4の制御回路13によって制御することができる。すなわち、制御回路13は、スイッチ回路30に制御信号を出力することによって、交流電圧の印加対象となる電極を複数の第1の電極6又は複数の第2の電極7から選択する機能を有している。
図6に示す例では、空気側に露出する2つの第1の電極6に対して、逆極性側の単一の第2の電極7が誘電体8で覆われた状態で設けられている。具体的には、2つの第1の電極6が放電エリアを挟んで離して対向配置されている。一方、共通の第2の電極7が2つの第1の電極6間の略中央に誘電体8を挟んで配置されている。そして、2つの第1の電極6がスイッチ回路30を介して選択可能に交流電源9と接続されている。このため、制御回路13には、スイッチ回路30を制御することによって、交流電圧の印加対象となる電極を2つの第1の電極6から択一的に選択する機能が備えられる。
そうすると、交流電圧の印加対象となる電極を2つの第1の電極6から選択することによって、プラズマの発生方向を切換えることができる。プラズマの発生方向を切換えることができれば、誘起される空気の流れ方向も切換えることができる。すなわち、交流電圧の印加対象として選択された第1の電極6側から第2の電極7側に向かう空気の流れを誘起することができる。
図7は図6に示す流れ制御装置1Aにおいて交流電圧の印加対象となる第1の電極6を切換えた状態を示す図である。
図7に例示されるように、交流電圧の印加対象となる第1の電極6を2つの電極間で切換えることによって、誘起される空気の向きを逆向きに切換えることが可能となる。このため、交流電圧の波形に加えて、交流電圧の印加対象となる電極を変えることによって、誘起される空気の向きを含めて空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を変化させることができる。
同様に、空気側に露出する共通の第1の電極6を挟んで2つの第2の電極7を誘電体8で被覆した状態で配置すれば、誘起される空気の向きを逆に切換えることができるのみならず、放電エリアを第1の電極6の両側の2個所に形成することが可能となる。また、第1の電極6の数及び第2の電極7の数を適切に決定し、所望の位置に配置すれば、様々な方向に空気の流れを誘起することが可能となる。
そこで、制御システム4の記憶装置14には、空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させるための交流電圧の波形の変更条件に加えて、交流電圧の印加対象となる、複数の第1の電極6又は複数の第2の電極7からの電極の選択情報を更に保存することができる。交流電圧の印加対象となる電極の選択情報についても、交流電圧の波形の変更条件と同様に、風洞試験、シミュレーション又は航空機2を実際に飛行させて機械学習させる方法によって取得及び好適化することが可能である。
一方、制御システム4の制御回路13には、記憶装置14に保存された交流電圧の波形の変更条件と、交流電圧の印加対象となる電極の選択情報に従って、複数の第1の電極6又は複数の第2の電極7から選択した電極に所定の波形を有する交流電圧が印加されるようにスイッチ回路30及び交流電源9を制御する機能を設けることができる。
そうすると、空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させるために適切な波形の交流電圧を、適切な第1の電極6と第2の電極7との間に印加することが可能となる。そして、空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させるために適切な特性を有する空気の流れを適切な向きで誘起することができる。
このような第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果に加えて、空気の流れ制御エリアに形成される空気の流れ状態を第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させるために、プラズマ・アクチュエータ3によって誘起される空気の流れの特性のみならず、プラズマ・アクチュエータ3によって誘起される空気の流れの向きも変化させることが可能となる。
その結果、空気の流れ制御エリアに形成された第1の空気の流れ状態から変化させることが可能な第2の流れ状態のバリエーションを飛躍的に増加させることができる。また、第1の実施形態における第1の流れ状態から第2の流れ状態への変更と同様な流れ状態の変更を行う場合においても、空気のヒステリシスに起因する応答遅れを一層短縮することが可能となる。
特に、剥離抑制効果が得られている第1の流れ状態を解除して剥離抑制効果が低減又は消滅した第2の流れ状態を形成する場合のように、空気の流れ制御エリアにおける第1の流れ状態を元の流れ状態に戻す場合には、第1の流れ状態を形成するためにプラズマ・アクチュエータ3で誘起した空気の流れと逆向きの空気の流れをプラズマ・アクチュエータ3で誘起することによって、一層短時間で第1の流れ状態が形成される前の第2の流れ状態を形成することが可能となる。
(第3の実施形態)
図8は本発明の第3の実施形態に係る流れ制御装置の構成図である。
図8に示された第3の実施形態における流れ制御装置1Bは、制御対象を自動車40の周囲における空気の流れとした点が第1の実施形態における流れ制御装置1と相違する。第3の実施形態における流れ制御装置1Bの他の構成及び作用については第1の実施形態における流れ制御装置1と実質的に異ならないため同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。
第3の実施形態における流れ制御装置1Bでは、空気の流れの制御エリアが自動車40の周囲に設定される。このため、自動車40のボディ等の表面に単一又は複数のプラズマ・アクチュエータ3が取付けられる。そして、自動車40の周囲に設定された空気の流れ制御エリアにおける空気の流れ状態を、第1の流れ状態から第2の流れ状態に変化させることができる。
自動車40の周囲に設定された空気の流れ制御エリアを対象として空気の流れ状態を制御する場合においても、剥離の抑制効果が得られる第1の流れ状態から、剥離の抑制効果が低減又は消滅した第2の流れ状態に変化させることが有効となる場合がある。具体例として、自動車40の走行時には空気抵抗を減少させることによって燃費の向上を図るために剥離が抑制された第1の流れ状態を形成する一方、自動車40を停止させる場合には空気抵抗を意図的に増加させることによって自動車40の減速を図るために剥離が抑制されない第2の流れ状態又は剥離が意図的に誘発された第2の流れ状態を形成することができる。
尚、第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様にプラズマ・アクチュエータ3を構成する第1の電極6及び第2の電極7の少なくとも一方を分割して異なる位置に配置し、交流電圧の印加対象となる電極を選択できるように構成することができる。
(他の実施形態)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
例えば、上述した実施形態では、航空機2の機体周り又は自動車40の周囲における空気の流れが制御対象である場合について説明したが、他の構造物の周囲における気体の流れを制御対象とすることもできる。具体例として、ガスタービンエンジンを構成する圧縮機やタービンに設けられるロータブレードの回転によって形成される気体の流れや自動車用のターボファンを構成するブレードによって形成される空気の流れを制御対象とすることもできる。ガスタービンエンジンのタービンに設けられるロータブレードの回転によって形成される気体の流れが制御対象である場合には、燃料ガスと空気を混合したガスの流れが制御対象となる。
1、1A、1B 流れ制御装置
2 航空機
3 プラズマ・アクチュエータ
4 制御システム
5 入力装置
6 第1の電極
7 第2の電極
8 誘電体
9 交流電源
10 翼構造体
11 静翼
12 動翼
13 制御回路
14 記憶装置
15 圧力センサ
16 ディスプレイ
30 スイッチ回路
40 自動車

Claims (15)

  1. 放電エリアが形成されるように誘電体を挟んで相対的にシフトして配置される電極間に交流電圧を印加することによって前記放電エリアに放電を引起し、引起された放電によって気体の流れを誘起するプラズマ・アクチュエータと、
    前記誘起された気体の流れが付加されることによって前記気体の流れ制御エリアに形成される前記気体の流れ状態を、第1の流れ状態から前記第1の流れ状態と異なる第2の流れ状態に変化させるための前記交流電圧の波形の変更条件を保存する記憶装置と、
    前記気体の流れ制御エリアに形成される前記気体の流れ状態を、前記第1の流れ状態から前記第2の流れ状態に変化させる場合には前記記憶装置に保存された前記交流電圧の波形の変更条件を参照し、前記交流電圧の波形の変更条件に従って前記交流電圧の波形を制御する制御回路と、
    を備える流れ制御装置。
  2. 前記気体の流れ制御エリアに形成される前記気体の流れ状態を、前記第1の流れ状態から、前記誘起された気体の流れが付加される前の流れ状態に戻すための前記交流電圧の波形の変更条件を前記記憶装置に保存し、
    前記制御回路は、前記気体の流れ状態を、前記第1の流れ状態から前記第1の流れ状態が形成される前の流れ状態に戻すための前記交流電圧の波形の制御を実行できるように構成される請求項1記載の流れ制御装置。
  3. 前記気体の流れ制御エリアに形成される前記気体の流れ状態を、剥離の抑制効果が得られた流れ状態から前記剥離の抑制効果が無い流れ状態又は前記剥離の抑制効果が低減された流れ状態に変化させるための前記交流電圧の波形の変更条件を前記記憶装置に保存し、
    前記制御回路は、前記剥離の抑制効果をオフにする指示を受けた場合には、前記気体の流れ状態を、前記剥離の抑制効果が得られた流れ状態から前記剥離の抑制効果が無い流れ状態又は前記剥離の抑制効果が低減された流れ状態に変更するための前記交流電圧の波形の制御を実行するように構成される請求項1又は2記載の流れ制御装置。
  4. 航空機の翼面に沿って設定された前記気体の流れ制御エリアにおける前記剥離の抑制効果によって前記翼により得られる揚力を増加させるための流れ状態から前記剥離の抑制効果を消滅又は低減させることによって前記揚力を減少させるための流れ状態に変化させるための前記交流電圧の波形の変更条件を前記記憶装置に保存し、
    前記制御回路は、前記揚力を減少させる指示を受けた場合には、前記気体の流れ状態を、前記揚力を増加させるための流れ状態から前記揚力を減少させるための流れ状態に変更するための前記交流電圧の波形の制御を実行するように構成される請求項3記載の流れ制御装置。
  5. 前記交流電圧の波形の変更条件として、第1のバースト周波数を有するバースト波形から連続波形又は前記第1のバースト周波数と異なる第2のバースト周波数を有するバースト波形に変更する条件を前記記憶装置に保存し、
    前記制御回路は、前記気体の流れ制御エリアに形成される前記気体の流れ状態を、前記第1の流れ状態から前記第2の流れ状態に変化させる場合には、前記交流電圧の波形を、前記第1のバースト周波数を有するバースト波形から前記連続波形又は前記第2のバースト周波数を有するバースト波形に変更するように構成される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の流れ制御装置。
  6. 前記プラズマ・アクチュエータは、前記気体側に露出する複数の電極又は前記誘電体で覆われることによって前記気体側に露出しない複数の電極を有し、
    前記記憶装置に、前記気体の流れ状態を、前記第1の流れ状態から前記第2の流れ状態に変化させるために前記交流電圧の印加対象となる、前記複数の電極からの電極の選択情報を更に保存し、
    前記制御回路は、前記電極の選択情報に従って前記複数の電極から選択した電極に前記交流電圧を印加する制御を実行するように構成される請求項1乃至5のいずれか1項に記載の流れ制御装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の流れ制御装置を搭載した航空機。
  8. プラズマ・アクチュエータの電極に第1の波形を有する交流電圧を印加して前記第1の波形に対応する気体の流れを誘起し、前記気体の流れ制御エリアにおける前記気体の流れに前記誘起した第1の波形に対応する気体の流れを付加することによって前記気体の第1の流れ状態を形成するステップと、
    前記プラズマ・アクチュエータの電極に印加される前記交流電圧の波形を前記第1の波形から前記第1の波形と異なる第2の波形に変化させて前記第2の波形に対応する前記気体の流れを誘起し、前記気体の流れ制御エリアにおける前記第1の流れ状態での前記気体の流れに前記誘起した第2の波形に対応する気体の流れを付加することによって前記第1の流れ状態と異なる前記気体の第2の流れ状態であって目的とする前記第2の流れ状態を形成するステップと、
    を有する流れ制御方法。
  9. 前記第1の流れ状態での前記気体の流れに前記誘起した第2の波形に対応する気体の流れを付加することによって前記第1の流れ状態が形成される前の流れ状態を形成する請求項8記載の流れ制御方法。
  10. 前記気体の剥離の抑制効果が得られている前記第1の流れ状態での前記気体の流れに、前記誘起した第2の波形に対応する気体の流れを付加することによって前記気体の剥離の抑制効果が消滅した流れ状態又は前記気体の剥離の抑制効果が低減された流れ状態を形成する請求項8又は9記載の流れ制御方法。
  11. 前記気体の剥離の抑制効果が得られている前記第1の流れ状態での前記気体の流れに、前記誘起した第2の波形に対応する気体の流れを付加することによって前記気体の流れ制御エリアに前記気体の剥離を誘発させる請求項8乃至10のいずれか1項に記載の流れ制御方法。
  12. 前記第2の波形に対応する気体の流れとして断続的な渦を誘起することによって前記気体の剥離を誘発させる請求項11記載の流れ制御方法。
  13. 前記プラズマ・アクチュエータの取付対象となる物体を模擬したモデルにプラズマ・アクチュエータを取付け、前記モデルに取付けた前記プラズマ・アクチュエータの電極に異なる波形を有する交流電圧を印加して前記モデルに対して設定される前記気体の流れ制御エリアにおける前記気体の剥離の抑制効果を確認する風洞試験を行い、前記気体の剥離の抑制効果が最大となる時の前記交流電圧の波形を前記第1の波形に決定する一方、前記気体の剥離の抑制効果が最小となる時の前記交流電圧の波形を前記第2の波形に決定する請求項8乃至12のいずれか1項に記載の流れ制御方法。
  14. 前記プラズマ・アクチュエータの取付対象となる物体を模擬したモデルにプラズマ・アクチュエータを取付け、前記モデルに取付けた前記プラズマ・アクチュエータの電極に印加される交流電圧の波形を連続的に変化させることによって、前記モデルに対して設定される前記気体の流れ制御エリアにおける前記気体の流れ状態を、前記第1の流れ状態から前記第2の流れ状態に変化させる風洞試験によって前記第2の波形を決定する請求項8乃至12のいずれか1項に記載の流れ制御方法。
  15. 前記気体の流れ制御エリアにおける前記気体の流れ状態を、前記第1の流れ状態から前記第2の流れ状態に変化させることによって、自動車の周囲における空気の流れの制御、航空機に備えられる動翼の迎角制御又は航空機における揚力の制御を行う請求項8乃至14のいずれか1項に記載の流れ制御方法。
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