JP2019113460A - 検査デバイス - Google Patents

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Norihiko Okochi
則彦 大河内
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Abstract

【課題】マイクロ流路および吸収体を備える検査デバイスを提供する。【解決手段】第1基体2と、第1基体に対向する第2基体3と、第1基体および第2基体の間の流路4と、流路の一端に接続され、液体を導入する導入口5と、流路の他端に接続され、吸収体10が配置される液体保持部7と、液体保持部内に配置された吸収体と、流路および吸収体の間に配置され、流路に接続する空気口11と、を有し、吸収体が、液体保持部内から流路内まで配置され、流路内に固定された試薬を有する。【選択図】図3

Description

本開示は、マイクロ流路および吸収体を備える検査デバイスに関するものである。
抗原抗体反応を利用した免疫検査は、臨床検査の重要な位置を占めている。免疫検査等の検体検査を診療や診察の現場において実施する場合には、その場で結果を得て治療や処方に利用するために、小型の検査デバイスが利用されている。
免疫検査としては、イムノクロマト法が知られている。例えば、インフルエンザ等のウィルス感染症、心筋梗塞マーカー等の検出において、イムノクロマト検査キットが広く利用されている。しかしながら、イムノクロマト法は、検出感度が低いため、例えば感染症の早期診断や癌の早期発見等、高感度の検査が必要とされる場合には不十分であった。
また、免疫検査としては、酵素免疫測定(ELISA:Enzyme−Linked ImmunoSorbent Assay)法も知られている。ELISA法は、高感度の検出が可能であり、定量性に優れているという利点を有する。一方で、ELISA法は、操作時間や測定時間に長時間を要し、また、測定操作が煩雑であるため、簡便で迅速な検査に用いることが難しい。そこで、ELISA法において、簡便で迅速な検査が可能な検査デバイスの開発が盛んに行われている。
また、近年では、検査デバイスとして、マイクロ流体デバイスについても盛んに研究されている。
例えば特許文献1には、アッセイ装置、より詳しくは多孔質媒体を利用したマイクロ流体デバイスが開示されており、具体的には、先端部を有するマイクロ流路と、マイクロ流路の先端部の付近に配置された多孔質媒体と、マイクロ流路および多孔質媒体の間に配置された空間部とを備え、ラテラルフローに基づいてマイクロ流路内を移動してきた流体が、空間部を超えて多孔質媒体と接触して吸収された後に、流体がマイクロ流路内に留置されるように空間部にて分離されるように構成されている、アッセイ装置が提案されている。
特許第6037184号公報
ELISA法では、反応および洗浄等の多段階の操作を行う。そのため、ELISA法を利用するマイクロ流体デバイスにおいては、検体、試薬、洗浄液等を順次導入する必要がある。
特許文献1には、アッセイ装置において、マイクロ流路と多孔質媒体(吸収紙)の間に配置された空間部がバルブ機構として機能することにより、連続して複数の液体を繰り返し流動および停止させ、多段階のアッセイを行い得ることが記載されている。
マイクロ流体デバイスにおいては、通常、特許文献1にも記載されているように、空気抜き穴が設けられ、吸収紙の上面に配置される。しかしながら、吸収紙の上面に空気抜き穴が配置されている場合、空気抜き穴が吸収紙で塞がれているため、吸収紙がマイクロ流路内を移動してきた液体を一旦吸収すると、空気が空気抜き穴から抜けにくくなる。そのため、液体が流路を流れるときに流路からの空気が空気抜き穴から抜けにくくなるので、液体が流路を流れにくくなり、液体が流路の途中で停止してしまう場合がある。したがって、複数の液体を連続的に流動させることは困難である。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、簡便で迅速な検査が可能であり、かつ、複数の液体を連続的に流動させることが可能な検査デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示は、第1基体と、上記第1基体に対向する第2基体と、上記第1基体および上記第2基体の間の流路と、上記流路の一端に接続され、液体を導入する導入口と、上記流路の他端に接続され、吸収体が配置される液体保持部と、上記液体保持部内に配置された吸収体と、上記流路および上記吸収体の間に配置され、上記流路に接続する空気口と、を有する、検査デバイスを提供する。
本開示は、簡便で迅速な検査が可能であり、かつ、複数の液体を連続的に流動させることが可能な検査デバイスを提供できるという効果を奏する。
本開示の検査デバイスの一例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 従来の検査デバイスの一例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略断面図である。 本開示の検査デバイスの使用方法の一例を示す工程図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの製造方法の一例を示す工程図である。 本開示の検査デバイスの製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本開示の検査デバイスについて詳細に説明する。
本開示の検査デバイスは、第1基体と、上記第1基体に対向する第2基体と、上記第1基体および上記第2基体の間の流路と、上記流路の一端に接続され、液体を導入する導入口と、上記流路の他端に接続され、吸収体が配置される液体保持部と、上記液体保持部内に配置された吸収体と、上記流路および上記吸収体の間に配置され、上記流路に接続する空気口と、を有する。
本開示の検査デバイスについて図面を参照して説明する。
図1は、本開示の検査デバイスの一例を示す概略平面図および断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)、(b)に示すように、検査デバイス1は、第1基体2と、第1基体2に対向する第2基体3と、第1基体2および第2基体3の間の流路4と、流路4の一端に接続され、液体を導入する導入口5と、流路4の他端に接続され、吸収体10が配置される液体保持部7と、液体保持部7内に配置された吸収体10と、流路4および吸収体10の間に配置され、流路4に接続する空気口11と、を有する。
また、検査デバイス1は、導入口5と流路4との間に、液体を導入するための導入部6を有することができる。また、検査デバイス1は、第1基体2と第2基体3との間に流路4を形成するためのスペーサ12を有することができる。
なお、図1(a)において、流路4は、第2基体3で覆われているため、破線で示している。
図1(a)、(b)に示す検査デバイス1において、まず、第1の液体を導入口5から導入部6に導入すると、第1の液体は、流路4による毛細管現象により流路4内に引き込まれ、さらに第1の液体にかかる重力と毛細管現象とにより流路4を移動し、吸収体10に吸収される。このとき、流路4と吸収体10との間に空気口11が配置されており、空気口11が吸収体10で塞がれていないため、吸収体10が第1の液体を吸収した後も、空気口11が塞がれることがなく、液体が流路内を移動するときに押し出される空気の通路を確保することができる。そのため、次いで、第2の液体を導入口5から導入部6に導入する際にも、第2の液体が流路4内を移動するときに押し出される空気を確実に空気口11から外へ逃がすことができる。したがって、複数の液体を連続的に流動させることが可能である。
図2は、本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図であり、図2(c)は図2(a)における吸収体の平面図である。図2(a)、(b)に示すように、検査デバイス1においては、吸収体10は、液体保持部7内から流路4内まで配置されることができる。この場合、吸収体10は、図2(c)に示すように流路4内に配置される突起部10aを有することができる。
なお、図2中の説明していない符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
図2(a)、(b)に示す検査デバイスにおいても、上記の図1(a)、(b)に示す検査デバイスと同様に、流路と吸収体との間に空気口が配置されていることにより、複数の液体を連続的に流動させることが可能である。
図3は、本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線断面図であり、図3(c)は図3(a)における吸収体の第1吸収体の平面図である。図3(a)、(b)に示すように、検査デバイス1においては、吸収体10は、流路4内に配置された第1吸収体8と、液体保持部7内のみに配置され、第1吸収体8に接する第2吸収体9と、を有することができる。そして、第2吸収体9は、流路4に接していない。また、第1吸収体8は、液体保持部7内から流路4内まで配置されていてもよい。この場合、第1吸収体8は、図3(c)に示すように流路4内に配置される突起部8aを有することができる。
なお、図3中の説明していない符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
図3(a)、(b)に示す検査デバイスにおいても、上記の図1(a)、(b)に示す検査デバイスと同様に、流路と吸収体との間に空気口が配置されていることにより、複数の液体を連続的に流動させることが可能である。
ここで、「空気口が、流路および吸収体の間に配置されている」とは、液体保持部が吸収体で満たされておらず、流路の液体保持部側の端部において、流路と吸収体との間に空隙が存在しており、その空隙が外部に開放されていることをいう。
一方、例えば、図4に示すように、検査デバイス100において、空気口11が吸収体10の上面に配置されている場合には、空気口11が吸収体10で塞がれてしまう。この場合、吸収体が一旦液体を吸収すると、空気が吸収体内を通りにくくなるため、流路内の空気が外へ抜けにくくなる。そのため、例えば第1の液体および第2の液体を連続して流動させる場合、吸収体が第1の液体を吸収した後は、第2の液体が流路内を移動するときに押し出される空気が空気口から外へ抜けにくいので、第2の液体が流路内を流れにくくなり、第2の液体が流路の途中で停止してしまう場合がある。そのため、複数の液体を連続的に流動させることが困難になる。また、複数の液体を連続的に流動させるためには、例えばポンプ等を用いる必要がある。
なお、図4中の説明していない符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。図4(b)は図4(a)のA−A線断面図である。
これに対し、本開示によれば、流路と吸収体との間に空気口が配置されていることにより、複数の液体を連続的に流動させることが可能である。そのため、例えば、検体、洗浄液、試薬等の液体の交換が可能である。したがって、本開示の検査デバイスは、例えばELISA法等の多段階の抗原抗体反応を利用する検査に好適に用いることができる。さらには、ポンプ等を要することなく、簡便で迅速に検査を行うことが可能である。
以下、本開示の検査デバイスの構成について説明する。
1.吸収体
本開示における吸収体は、液体保持部内に配置され、流路を移動してきた液体を吸収する部材である。
吸収体の配置位置としては、吸収体が液体保持部内に配置され、かつ、流路と吸収体との間に空気口が配置されるように吸収体が配置されていればよく、例えば、図1(a)、(b)に示すように、吸収体10が液体保持部7内のみに配置されていてもよく、図2(a)、(b)および図3(a)、(b)に示すように、吸収体10が液体保持部7内から流路4内まで配置されていてもよい。
中でも、吸収体は、液体保持部内から流路内まで配置されていることが好ましい。
ここで、流路と吸収体との間に空気口が配置されている場合には、流路と吸収体との間の空隙によって流路と吸収体とが隔てられてしまい、流路内を移動してきた液体が吸収体に吸収されにくくなる場合がある。
また、特許文献1には、マイクロ流路と多孔質媒体(吸収紙)の間に配置された空間部について、空間部の幅をマイクロ流路の幅と同じにし、空間部の高さをマイクロ流路の高さよりも大きくすること、および、空間部の幅をマイクロ流路の幅よりも大きくし、空間部の高さをマイクロ流路の高さと同じかそれよりも大きくすること、が開示されている。しかしながら、空間部の高さがマイクロ流路の高さよりも大きいと、マイクロ流路と空間部との間で段差が生じるため、マイクロ流路内を移動してきた液体が吸収紙に吸収される前に、この段差で停止してしまうおそれがある。また、空間部の高さがマイクロ流路の高さと同じであると、空間部の高さがマイクロ流路の高さに制限され、その結果、吸収紙の厚みがマイクロ流路の高さに制限されて、吸収紙の吸収容量が不足するおそれがある。
これに対し、吸収体が、液体保持部内から流路内まで配置されており、すなわち流路内に挿入されている場合には、流路内を移動してきた液体を吸収体に確実に吸収させることができる。そのため、流路と液体保持部との間に段差がある場合であっても、この段差で液体が停止してしまうのを防ぐことができる。また、吸収体の液体保持部内に配置されている部分の厚みは、流路の高さの制限を受けない。そのため、例えば、吸収体の液体保持部内に配置されている部分の厚みを大きくして、吸収体の吸収容量を増加させることができる。
また、吸収体が液体保持部内のみに配置されている場合、例えば図1(a)、(b)に示すように、吸収体10は、流路4に接していることが好ましい。上述したように、流路と吸収体との間に空気口が配置されている場合には、流路と吸収体との間の空隙によって流路と吸収体とが隔てられてしまい、流路内を移動してきた液体が吸収体に吸収されにくくなる場合がある。これに対し、吸収体が液体保持部内のみに配置されている場合であっても、吸収体が流路に接していることにより、流路内を移動してきた液体を吸収体に確実に吸収させることができる。
なお、吸収体が流体保持部内のみに配置されており、流路に接していない場合であっても、後述するように、流路の底面の親水性等を高めることにより、流路内を移動してきた液体を吸収体に吸収させることは可能である。
吸収体10は、例えば、図1(a)、(b)および図2(a)、(b)に示すように単一の部材であってもよく、図3(a)、(b)に示すように第1吸収体8と第2吸収体9とを有していてもよい。
吸収体が第1吸収体と第2吸収体とを有する場合、第1吸収体および第2吸収体は接していればよく、例えば、図3(a)、(b)および図5(a)に示すように、第1吸収体8および第2吸収体9が積層されていてもよく、図5(b)に示すように、第1吸収体8および第2吸収体9が並列配置されていてもよい。
中でも、図3(a)、(b)および図5(a)に示すように、第1吸収体8および第2吸収体9がこの順に積層されていることが好ましい。第1吸収体および第2吸収体が確実に接することができ、第2吸収体に第1吸収体が吸収した液体を確実に吸収させることができるからである。
第1吸収体および第2吸収体が積層されている場合には、例えば、図3(a)、(b)に示すように、第1吸収体8および第2吸収体9がそれぞれの一端が揃うように配置されていてもよく、図5(a)に示すように、第1吸収体8および第2吸収体9が互いにずれて積層されていてもよい。
吸収体は液体を吸収するものであり、所定の吸水性を有する。吸収体の吸水性としては、吸収体の構成等に応じて適宜選択される。
例えば図1(a)、(b)に示すように、吸収体10が液体保持部7内のみに配置されている場合、吸収体は、高吸水性を有することが好ましい。吸収体が高吸水性を有することにより、吸収体の吸収容量を増加させることができるため、複数の液体を連続的に流動させる場合に好適である。吸収体の吸水性としては、一般にマイクロ流体デバイスに使用される吸収体の吸水性と同程度であればよく、特に限定されないが、例えば、クレム吸水度が10mm以上であることが好ましく、中でも50mm以上であることが好ましい。また、クレム吸水度は200mm以下であることが好ましく、中でも150mm以下であることが好ましい。クレム吸水度が低すぎると、液体の吸水に時間がかかり、その吸水量も少なくなるため、複数の液体を連続的に流動させることが困難になる場合がある。また、クレム吸水度が高すぎると、流路内に液体が残らない、すなわち後述するように液体が2つに分離せずに吸収体にすべて吸収されてしまう場合があり、流路内で抗原抗体反応や酵素反応を実施することが困難になる場合がある。
なお、クレム吸水度は、「紙の下端を鉛直に水の中に浸せきし、毛管現象によって、10分間に水が上昇した高さ(mm)」と定義される。また、クレム吸水度は、JIS P 8141:2004(紙及び板紙−吸水度試験方法−クレム法)に準拠し、測定することができる。
また、例えば図3(a)、(b)および図5(a)、(b)に示すように、吸収体10が液体保持部7内から流路4内まで配置されている場合であって、吸収体10が、流路4内に配置された第1吸収体8と、液体保持部7内のみに配置され、第1吸収体8に接する第2吸収体9とを有する場合であり、第2吸収体9が流路4に接していない場合には、第1吸収体の吸水性が第2吸収体の吸水性よりも低いことが好ましい。この場合の作用について、図6を参照して説明する。
まず、図6(a)に示すように、第1の液体31を導入口5から導入部6に導入すると、第1の液体31は、流路4による毛細管現象により流路4内に引き込まれ、さらに第1の液体にかかる重力と毛細管現象とにより流路4を移動し、吸収体10に吸収される。そして、図6(b)に示すように、第1の液体31は、導入部6内に第1の液体31が無くなるまで流動し、吸収体10に吸収される。導入部6内に第1の液体31が無くなると、第1の液体31は吸収体10から離れ、少し逆流して停止する。その結果、第1の液体31は2つに分離され、一方は吸収体10内に、他方は流路4内に留まる。
次に、図示しないが、第2の液体を導入口から導入部に導入すると、導入部内において流路より高い位置にある第2の液体は、あたかも重りのように作用して第1の液体の後端部を押す。押された第1の液体は、流路内を液体保持部側に向かって移動し始め、すぐに吸収体に到達する。吸収体に到達した第1の液体は吸収体に吸収され、第1の液体は、導入部に第2の液体が無くなるまで流路内を流動して、吸収体に吸収される。また、図6(c)に示すように、第2の液体32は、導入部6内に第2の液体32が無くなるまで流動し、吸収体10に吸収される。導入部6内に第2の液体32が無くなると、第2の液体32は吸収体10から離れ、少し逆流して停止する。このとき、第2の液体が十分な量で導入されれば、流路内に留まっていた第1の液体は第2の液体に完全に置換される。
吸収体が液体保持部内から流路内まで配置されており、吸収体が、流路内に配置された第1吸収体と、液体保持部内のみに配置され、第1吸収体に接する第2吸収体とを有し、第2吸収体が流路に接していない場合であって、第1吸収体の吸水性が第2吸収体の吸水性よりも低い場合に、本開示の検査デバイスに液体を適用すると、液体の流れが2つに分離する理由については、明らかではないが、次のように考えられる。
すなわち、吸水性の高い第2吸収体は、液体保持部内のみに配置されており、流路に接しておらず、一方で、吸水性の低い第1吸収体は、流路内に配置されているため、流路内を移動してきた液体は、まず、第1吸収体に接触し、続いて、第1吸収体を介して第2吸収体に接触すると考えられる。ここで、検査デバイスにおいて、流路の液体保持部側の端部では、流路から液体保持部の方向に、導入部内において流路より高い位置にある液体が流路内の液体を押す力と、導入口からかかる大気圧による力と、吸収体による液体を吸い込む力とが働き、一方で、液体保持部から流路の方向に、空気口からかかる大気圧による力が働く。導入部内において流路より高い位置に液体がある間は、流路から液体保持部の方向にかかる力が、液体保持部から流路の方向にかかる力よりも大きいため、液体は第2吸収体へ到達することができる。その後、導入部内に液体が無くなると、流路内の液体を押す力が消失する。このとき、第1吸収体の吸水性が十分低いと、流路から液体保持部の方向にかかる力よりも液体保持部から流路の方向にかかる力の方が優勢となると考えられる。その結果、液体が第1吸収体から離れて少し逆流した位置で、導入口からかかる大気圧による力と空気口からかかる大気圧による力とが釣り合うようになり、停止する。
一方、第1吸収体の吸水性が高い場合には、液体を吸い込む力が強いため、流路内の第1吸収体との界面で液体が分断されにくくなると考えられる。
このように、吸収体が液体保持部内から流路内まで配置されており、吸収体が、流路内に配置された第1吸収体と、液体保持部内のみに配置され、第1吸収体に接する第2吸収体とを有し、第2吸収体が流路に接していない場合であって、第1吸収体の吸水性が第2吸収体の吸水性よりも低い場合には、流路内に液体を留まらせることができる。したがって、抗原抗体反応中または酵素反応中に流路内に液体がなくなる心配がなく、また液体の交換も確実に行うことができる。よって、例えばELISA法等の多段階の抗原抗体反応を利用する検査に特に好適である。
この場合、第1吸収体の吸水性としては、第2吸収体の吸水性よりも低ければよいが、中でも、低吸水性または非吸水性を有することが好ましく、特に、低吸水性を有することが好ましい。
第1吸収体の吸水性としては、低吸水性または非吸水性であればよいが、具体的には、クレム吸水度が5mm未満であることが好ましい。第1吸収体のクレム吸水度が上記範囲であれば、第1吸収体による液体を吸い込む力をより弱くすることができ、液体を2つに分離して、液体を流路内に留まらせることができるからである。
また、第2吸収体の吸水性としては、第1吸収体の吸水性よりも高ければよいが、中でも、高吸水性を有することが好ましい。第2吸収体が高吸水性を有することにより、第2吸収体の吸収容量を増加させることができるため、複数の液体を連続的に流動させる場合に好適である。第2吸収体の吸水性としては、一般にマイクロ流体デバイスに使用される吸収体の吸水性と同程度であればよく、特に限定されないが、例えば、クレム吸水度が10mm以上であることが好ましく、中でも50mm以上であることが好ましい。また、クレム吸水度が200mm以下であることが好ましく、中でも150mm以下であることが好ましい。第2吸収体のクレム吸水度が低すぎると、第2吸収体の吸収容量が不十分となったり、吸水速度が遅くなったりする場合がある。また、第2吸収体のクレム吸水度が高すぎると、第2吸収体が膨潤しやすくなり、流路と吸収体との間の空気口を塞ぐおそれがある。
また、例えば図2(a)、(b)に示すように、吸収体10が液体保持部7内から流路4内まで配置されており、単一の部材である場合、吸収体の吸水性としては、特に限定されるものではない。例えば、吸収体は、高吸水性を有していてもよく、低吸水性を有していてもよい。
中でも、上記の場合、吸収体は、低吸水性を有することが好ましい。吸収体が液体保持部内から流路内まで配置されており、単一の部材である場合であって、吸収体が低吸水性を有する場合にも、流路内を移動してきた流体は、吸収体に吸収された後、流路内の吸収体との界面で2つに分断され、一方は吸収体内に、他方は流路内に留まる。そのため、流路内に液体を留まらせることができ、抗原抗体反応や酵素反応、液体の交換等の実施に有利である。
この場合、吸収体の吸収性としては、低吸水性であればよいが、具体的には、クレム吸水度が5mm未満であることが好ましい。クレム吸水度が上記範囲であれば、吸収体による液体を吸い込む力をより弱くすることができ、液体を2つに分離して、液体を流路内に留まらせることができるからである。
吸収体の材料としては、吸収体の構成等に応じて適宜選択される。
例えば図1(a)、(b)に示すように、吸収体10が液体保持部7内のみに配置されている場合、吸収体の材料は、高吸水性を有する吸収体を得ることが可能な材料であることが好ましい。このような吸収体の材料としては、一般にマイクロ流体デバイスに使用される吸収体の材料と同様とすることができ、特に限定されないが、例えば、セルロース繊維、吸水性ポリマー、ポリビニルアルコールスポンジ、ポリウレタンスポンジ等が挙げられる。
また、例えば図3(a)、(b)および図5(a)、(b)に示すように、吸収体10が液体保持部7内から流路4内まで配置されている場合であって、吸収体10が、流路4内に配置された第1吸収体8と、液体保持部7内のみに配置され、第1吸収体8に接する第2吸収体9とを有する場合であり、第2吸収体9が流路4に接していない場合には、第1吸収体の材料は、第2吸収体よりも吸水性が低い第1吸収体を得ることが可能な材料であればよいが、中でも、低吸水性または非吸水性を有する第1吸収体を得ることが可能な材料であることが好ましく、特に、低吸水性を有する第1吸収体を得ることが可能な材料であることが好ましい。
このような第1吸収体の材料としては、例えば、植物繊維、動物繊維、合成繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、金属繊維等が挙げられる。中でも、植物繊維が好ましい。具体的には、トレーシングペーパー、グラシン紙、薬包紙、硫酸紙、パラフィン紙等を用いることができる。これらの紙は植物繊維間の空隙が少なくなるように加工されているため、そのクレム吸水度は通常5mm未満である。
また、第1吸収体としては、例えば、樹脂基材を用いることもできる。樹脂基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール、セロハン、セルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリ塩化ビニル、スチレンコポリマー、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ユリア樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタール等が挙げられる。また、樹脂基材は、表面が親水化処理されたものであってもよい。
上記の場合、第2吸収体の材料は、第1吸収体よりも吸水性が高い第2吸収体を得ることが可能な材料であればよいが、中でも、高吸水性を有する第2吸収体を得ることが可能な材料であることが好ましい。このような第2吸収体の材料としては、上述の高吸水性を有する吸収体を得ることが可能な材料と同様とすることができる。
また、例えば図2(a)、(b)に示すように、吸収体10が液体保持部7内から流路4内まで配置されており、単一の部材である場合、吸収体の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、高吸水性を有する吸収体を得ることが可能な材料であってもよく、低吸水性を有する吸収体を得ることが可能な材料であってもよい。中でも、吸収体の材料は、低吸収性を有する吸収体を得ることが可能な材料であることが好ましい。
高吸水性を有する吸収体を得ることが可能な材料としては、上述した通りである。
また、低吸収性を有する吸収体を得ることが可能な材料としては、上述の低吸水性を有する第1吸収体を得ることが可能な材料と同様とすることができる。
吸収体の厚み、幅、長さ等の寸法および形状としては、吸収体の構成等に応じて適宜選択される。
例えば図1(a)、(b)に示すように、吸収体10が液体保持部7内のみに配置されている場合、吸収体の厚みとしては、特に限定されないが、中でも、液体保持部の高さよりも大きいことが好ましい。これにより、吸収体の吸収容量を増加させることができるからである。そのため、複数の液体を連続的に流動させる場合に好適である。
上記の場合、吸収体の幅は、液体保持部の幅以下であれば特に限定されないが、中でも、液体保持部の幅と同じであることが好ましい。これにより、吸収体の吸収容量を増加させることができるからである。そのため、複数の液体を連続的に流動させる場合に好適である。
なお、「吸収体の幅」とは、吸収体の流路の幅方向の長さをいう。「第1吸収体の幅」および「第2吸収体の幅」についても、同様である。
また、「液体保持部の幅」とは、液体保持部の流路の幅方向の長さをいう。
上記の場合、吸収体の長さは、液体保持部の長さ以下であれば特に限定されないが、中でも、吸収体が流路に接することができるように、吸収体の最大長さが、液体保持部の長さと同じであることが好ましい。
なお、「吸収体の長さ」とは、吸収体の流路の長さ方向の長さをいう。「第1吸収体の長さ」および「第2吸収体の長さ」についても、同様である。
また、「液体保持部の長さ」とは、液体保持部の流路の長さ方向の長さをいう。
上記の場合、吸収体の形状は、流路と吸収体との間に空気口を配置することができ、吸収体が流路に接することができる形状であれば、特に限定されるものではない。例えば、吸収体の流路の長さ方向の断面形状は、図1(a)に示すような、吸収体10の流路4側の面が傾斜面となる形状とすることができる。
上記の場合、吸収体の体積は、特に限定されるものではなく、上記の吸収体の厚み、幅、長さ、ならびに、本開示の検査デバイスを用いて検査を行う際に使用する液体の量に応じて適宜設定される。
また、例えば図3(a)、(b)および図5(a)、(b)に示すように、吸収体10が液体保持部7内から流路4内まで配置されている場合であって、吸収体10が、流路4内に配置された第1吸収体8と、液体保持部7内のみに配置され、第1吸収体8に接する第2吸収体9とを有する場合であり、第2吸収体9が流路4に接していない場合には、第1吸収体の流路の幅方向の断面積は、流路の断面積よりも小さいことが好ましい。これにより、流路と吸収体との間に空気口を配置することができ、液体が流路内を移動するときに押し出される空気の通路を確保することができる。また、第1吸収体を流路内に挿入しやすくすることができる。
第1吸収体の流路の幅方向の断面積を流路の断面積よりも小さくするには、例えば、第1吸収体の厚みを流路の高さよりも小さくしてもよく、第1吸収体の突起部の幅を流路の幅よりも小さくしてもよい。なお、第1吸収体の突起部については、後述する。
また、上述したように、液体が吸収体に吸収された後、液体を2つに分離して、液体を流路内に留まらせるには、第1吸収体による液体を吸い込む力の大きさが影響する。第1吸収体による液体を吸い込む力の大きさは、例えば、液体と第1吸収体との接触面積に影響され、すなわち、第1吸収体の流路の幅方向の断面積に影響される。そのため、第1吸収体の厚みおよび第1吸収体の突起部の幅は、第1吸収体による液体を吸い込む力が所望の大きさとなるように適宜調整することができる。
第1吸収体の厚みは、流路の高さ以下であればよく、例えば、0.2mm以下とすることができ、0.1mm以下であってもよい。また、上記厚みは、例えば、0.01mm以上とすることができ、0.05mm以上であってもよい。なお、第1吸収体の厚みが小さい程、液体と第1吸収体との接触面積が小さくなるため、第1吸収体による液体を吸い込む力が弱くなると考えられる。
なお、第1吸収体の突起部の幅については、後述する。
上記の場合、例えば図3(c)に示すように、第1吸収体8は、流路4内に配置される突起部8aを有することができる。
第1吸収体の形状は、第1吸収体を流路内に配置することができる形状であれば、特に限定されるものではない。中でも、上述したように、第1吸収体の平面視形状は、突起部を有する形状とすることができる。
突起部の平面視形状としては、第1吸収体の突起部を流路内に挿入することができる形状であれば特に限定されるものではなく、例えば図3(a)に示すような長方形状、図7(c)に示すような台形状、図7(d)に示すような三角形状、図7(e)に示すような半円形状または半楕円形状等を挙げることができる。台形状、三角形状、半円形状、半楕円形状等の先細りの形状は、突起部を流路内に挿入しやすく、好ましい。
なお、図7は本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A線断面図であり、図7(c)〜(e)は図7(a)における吸収体の第1吸収体の平面図である。図7中の説明していない符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、後述するように、例えば図8〜図11に示すように、流路4が液体保持部7側の端部に拡大部14を有する場合には、突起部の平面視形状は、第1吸収体の突起部を流路内に挿入することができる形状であればよく、例えば、流路の拡大部の平面視形状と同じであってもよく異なっていてもよい。
なお、図8〜図11は本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。図8(b)は図8(a)のA−A線断面図であり、図8(c)は図8(a)における吸収体の第1吸収体の平面図である。図9(b)は図9(a)のA−A線断面図であり、図9(c)は図9(a)における吸収体の第1吸収体の平面図である。図10(b)は図10(a)のA−A線断面図であり、図10(c)は図10(a)における吸収体の第1吸収体の平面図である。図11(b)は図11(a)のA−A線断面図であり、図11(c)は図11(a)における吸収体の第1吸収体の平面図である。図8、図10、図11は、第1吸収体8の突起部8aが流路4の拡大部14内に配置されており、突起部8aの平面視形状が拡大部14の平面視形状と同じである例である。また、図9は、第1吸収体8の突起部8aが流路4内に拡大部14を超えて配置されており、突起部8aの平面視形状が拡大部14の平面視形状と異なる例である。図8〜図11中の説明していない符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、流路が液体保持部側の端部に拡大部を有する場合、例えば図12(c)に示すように、第1吸収体8の突起部8aの平面視形状は、平面視において第1吸収体8の突起部8aが流路4の拡大部14に接しない部分を有する形状であることが好ましい。これにより、液体が流路内を移動するときに押し出される空気を空気口から外へ抜けやすくすることができ、また第1吸収体が流路内を移動してきた液体を吸収しやすくすることができ、さらに液体を吸収体から離れさせて流路内に留まらせやすくすることができるからである。
なお、図12は本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。図12(b)は図12(a)のA−A線断面図であり、図12(c)は図12(a)において第2基体および第2吸収体を省略した平面図である。図12中の説明していない符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
第1吸収体の突起部の幅は、流路の拡大部の有無等や突起部の平面視形状等に応じて適宜設定される。
流路が液体保持部側の端部に拡大部を有さない場合、突起部の幅は、流路の幅以下であれば特に限定されるものではなく、突起部の平面視形状等に応じて適宜設定されるが、中でも、突起部の最大幅が、流路の幅と同じであることが好ましい。これにより、流路内を移動してきた液体を確実に第1吸収体に吸収させることができる。
また、流路が液体保持部側の端部に拡大部を有する場合、突起部の幅は、流路の拡大部の幅以下であれば特に限定されるものではなく、流路の拡大部の平面視形状等に応じて適宜設定される。
第1吸収体の流路内に配置されている部分の長さ、すなわち、第1吸収体の突起部の長さは、例えば、流路の幅を1としたとき、0.25以上とすることができ、0.5以上であることが好ましい。また、上記比率は、例えば、5以下とすることができ、2.5以下であることが好ましい。具体的には、第1吸収体の流路内に配置されている部分の長さ、すなわち、第1吸収体の突起部の長さは、0.5mm以上とすることができ、1mm以上であることが好ましい。また、上記長さは、10mm以下とすることができ、5mm以下であることが好ましい。第1吸収体の突起部の長さが小さすぎると、第1吸収体を液体保持部内から流路内まで配置することが困難になる場合がある。また、第1吸収体の突起部の長さが大きすぎると、第1吸収体の突起部を流路内に挿入することが困難になる場合がある。
第1吸収体の突起部以外の部分の幅は、液体保持部の幅以下であれば特に限定されないが、中でも、液体保持部の幅と同じであることが好ましい。上述したように、液体保持部では第1吸収体および第2吸収体の順に積層されていることが好ましく、第1吸収体の突起部以外の部分の幅が液体保持部の幅と同じであれば、第1吸収体および第2吸収体を安定して積層することができる。
第1吸収体の突起部以外の部分の長さは、液体保持部の長さ以下であれば特に限定されないが、中でも、液体保持部の長さと同じであることが好ましい。上述したように、液体保持部では第1吸収体および第2吸収体の順に積層されていることが好ましく、第1吸収体の突起部以外の部分の長さが液体保持部の長さと同じであれば、第1吸収体および第2吸収体を安定して積層することができる。
上記の場合、第2吸収体の厚みは、特に限定されない。第2吸収体は、液体保持部内のみに配置されているため、流路の高さの制限を受けない。そのため、例えば、第2吸収体の厚みを大きくして、第2吸収体の吸収容量を増加させることができる。このように、第2吸収体の厚みを調整し、第2吸収体の吸収容量を調整することで、検査に使用する液体の量の増減に対応することができる。第2吸収体の厚みは、例えば、0.1mm以上とすることができ、0.2mm以上であってもよい。また、上記厚みは、1mm以下とすることができ、0.5mm以下であってもよい。
第2吸収体の幅は、液体保持部の幅以下であれば特に限定されないが、中でも、液体保持部の幅と同じであることが好ましい。これにより、第2吸収体の吸収容量を増加させることができるからである。そのため、複数の液体を連続的に流動させる場合に好適である。
第2吸収体の長さは、液体保持部の長さ以下であれば特に限定されないが、第2吸収体が流路に接しないように、液体保持部の長さ未満であることが好ましい。
第2吸収体の形状は、流路と吸収体との間に空気口を配置することができ、第2吸収体が流路に接しないようにすることができる形状であれば、特に限定されるものではない。
第2吸収体の体積は、特に限定されるものではなく、上記の第2吸収体の厚み、幅、長さ、ならびに、本開示の検査デバイスを用いて検査を行う際に使用する液体の量に応じて適宜設定される。
また、例えば図2(a)、(b)に示すように、吸収体10が液体保持部7内から流路4内まで配置されており、単一の部材である場合、吸収体の寸法および形状としては、上記の第1吸収体の寸法および形状と同様とすることができる。
2.空気口
本開示における空気口は、流路に接続するように配置され、かつ、流路および吸収体の間に配置され、液体が流路内を移動するときに押し出される空気を外へ逃がすために設けられる部分である。
空気口の配置位置としては、空気口が、流路に接続するように配置され、かつ、流路および吸収体の間に配置されていれば、特に限定されない。
また、空気口は、検査デバイスの上面に配置されていてもよく、検査デバイスの側面に配置されていてもよい。すなわち、検査デバイスにおいて、流路の底面側に第1基体が配置され、流路の天面側に第2基体が配置されている場合、空気口は、第2基体に配置されていてもよく、後述のスペーサに配置されていてもよい。つまり、第2基体が空気口を有していてもよく、スペーサが空気口を有していてもよい。
空気口の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、長方形状、線形状、三角形状、円形状等が挙げられる。
空気口の流路の長さ方向の長さは、任意に設定することができ、例えば、10μm以上とすることができる。また、上記長さは、例えば1mm以下とすることができ、100μm以下であってもよい。空気口の上記長さが上記範囲内であれば、複数の液体を連続的に流動させることができる。
空気口の平面視での面積は、任意に設定することができ、例えば、0.1mm以上とすることができる。また、上記面積は、例えば、10mm以下とすることができ、1mm以下であってもよい。空気口の平面視での面積が上記範囲内であれば、複数の液体を連続的に流動させることができる。
空気口の形成方法としては、例えば、打ち抜き加工、レーザー加工等が挙げられる。
3.流路
本開示における流路は、第1基体および第2基体の間に配置され、一端が導入口に接続され、他端が液体保持部に接続された流路であり、毛細管現象を生じる流路である。
流路は、第1基体および第2基体の間に配置され、一端が導入口に接続され、他端が液体保持部に接続されていればよい。中でも、流路の底面と後述する導入部の底面とが連続しており、流路の底面と導入部の底面との間に段差がないことが好ましい。導入部内から流路内に液体を速やかに引き込むことができるからである。また、流路の底面と液体保持部の底面とが連続しており、流路の底面と液体保持部の底面との間に段差がないことが好ましい。吸収体を液体保持部内から流路内まで配置しやすくなるからである。
流路の底面および天面の少なくともいずれか一方は、親水性を有することが好ましい。これにより、液体が濡れ広がりやすくなり、毛細管現象によって液体が流路内に引き込まれやすく、また液体が流路内を流れやすいからである。流路は、底面が親水性を有していてもよく、天面が親水性を有していてよいが、中でも、底面および天面が親水性を有することが好ましい。さらに、流路の側面も、親水性を有することが好ましい。
ここで、「親水性」とは、所定の面における水の静的接触角が60度以下であることをいう。所定の面における水の静的接触角は、好ましくは30度以下である。また、所定の面における水の静的接触角は、通常、3度以上である。
水の静的接触角は、測定対象物の面に純水1.0μLの液滴を滴下し、着滴1秒後に、滴下した液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を算出するθ/2法に従って測定した接触角とする。測定装置としては、例えば、協和界面科学社製の接触角計DM500を用いることができる。
流路4は、例えば図8〜図12に示すように、液体保持部7側の端部に拡大部14を有することができる。拡大部は、流路の断面積が液体保持部側に向かって大きくなる部分である。流路が液体保持部側の端部に拡大部を有することにより、吸収体を流路内に挿入しやすくすることができる。
流路の拡大部の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば図8(a)、図9(a)、図12(a)に示すような台形状、図10(a)に示すような長方形状、図11(a)に示すような半円形状または半楕円形状等を挙げることができる。中でも、台形状、半円形状、半楕円形状等の先細りの形状は、吸収体を流路内に挿入しやすく、好ましい。
また、後述するように、検査デバイスが流路内に固定された試薬を有する場合、例えば図13(a)、(b)に示すように、流路4は、試薬21、22が配置される試薬配置部21S、22Sを有することができる。試薬配置部は、流路内に試薬が固定されている領域である。
試薬配置部の配置位置としては、特に限定されるものではなく、例えば、流路の中間位置とすることができる。
流路は、1つの試薬配置部を有していてもよく、複数の試薬配置部を有していてもよい。試薬配置部の数は、試薬の数や検査デバイスの用途等に応じて適宜選択される。
試薬配置部の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、楕円形状、長方形状、菱形状等が挙げられる。
流路の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、直線状であってもよく、蛇行した形状であってもよい。例えば図14に示すように、流路4が蛇行した形状を有する場合には、検査デバイスの大きさを小さくすることができ、好ましい。
流路の幅は、毛細管現象が発現する程度であればよく、例えば、0.1mm以上とすることができ、また5mm以下とすることができる。また、流路の幅は、一定であってもよく、不定であってもよい。例えば、流路が液体保持部側の端部に拡大部を有する場合には、拡大部を幅広とし、拡大部以外の領域を幅狭とすることができる。また、流路が試薬配置部を有する場合には、試薬配置部を幅広とし、試薬配置部以外の領域を幅狭としてもよい。具体的には、流路における拡大部および試薬配置部以外の領域の幅は、0.1mm以上とすることができ、また2mm以下とすることができる。流路における拡大部および試薬配置部以外の領域の幅が上記範囲であれば、毛細管現象により液体が流路を安定して流れることができる。また、流路における拡大部の幅は、1mm以上とすることができ、また5mm以下とすることができる。流路における拡大部の幅が上記範囲であれば、吸収体を流路内に挿入しやすくすることができる。また、流路における試薬配置部の幅は、0.25mm以上とすることができ、また5mm以下とすることができる。流路における試薬配置部の幅が上記範囲であれば、毛細管現象により液体が流路を安定して流れることができるとともに、感度良く検査することができる。
流路の高さは、毛細管現象が発現する程度であればよく、例えば、0.05mm以上とすることができ、0.1mm以上が好ましい。また、上記高さは、1mm以下とすることができ、0.5mm以下が好ましい。
流路の長さは、液体の種類や検査デバイスの用途等に応じて適宜設定されるものであり、例えば、5mm以上とすることができ、25mm以上であることが好ましい。また、上記長さは、1000mm以下とすることができ、500mm以下であることが好ましい。流路の長さが上記範囲であれば、微量の検体で検査が可能である。
流路の高さ方向の断面形状は、通常、長方形状であるが、例えば、アーチ形状、台形状、三角形状等であってもよい。なお、流路の高さ方向とは、第1基体および第2基体の厚み方向である。
4.液体保持部
本開示における液体保持部は、流路の導入口とは反対側の端部に配置され、上記吸収体が配置され、流路を移動してきた液体を保持する空間である。
液体保持部の底面は、親水性を有することが好ましい。これにより、液体が濡れ広がりやすくなり、液体が液体保持部内に引き込まれやすくなるからである。また、液体保持部の天面および側面も親水性を有することが好ましい。
なお、親水性については、上記流路の項に記載した親水性と同様とすることができる。
液体保持部の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、楕円形状、三角形状、長方形状、台形状、菱形状、ホームベース形状等が挙げられる。
液体保持部の高さは、流路の高さよりも大きくすることができる。
液体保持部の平面視での面積は、特に限定されるものでなく、液体の量に応じて適宜設定される。
5.導入口および導入部
本開示における導入口は、上記流路に接続するように配置され、液体を導入するための部分である。
また、本開示の検査デバイスは、導入口と流路との間に導入部を有することができる。導入部は、導入口と流路との間に配置され、液体を導入する空間である。
導入口の配置位置としては、導入部の天面であってもよく、導入部の側面であってもよい。中でも、導入部は、導入部の天面に導入口を有することが好ましい。導入口に液体を滴下しやすく、また滴下した液体にかかる重力によって流路内の液体を押すことができるからである。
導入部の底面は、親水性を有することが好ましい。これにより、導入部内の底面を液体が濡れ広がりやすくなり、液体を導入部内から流路内に速やかに引き込むことができるからである。
なお、親水性については、上記流路の項に記載した親水性と同様とすることができる。
導入部の導入口側の面での形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、楕円形状、三角形状、長方形状、台形状、菱形状、ホームベース形状等が挙げられる。ホームベース形状は、検体が導入部から流路に到達するまでの距離を比較的長くすることができ、後述するように導入部内に濾材が配置されている場合には、導入部内の濾材により検体を良好に濾過することができる。なお、ホームベース形状は、例えば図14に示すような導入部6の形状をいう。また、図1(a)、図2(a)、図3(a)等に示すように、導入部6の平面視形状は、流路4側に突起部を有する形状とすることもできる。流路側に突起部を有する形状も、検体が導入部から流路に到達するまでの距離を比較的長くすることができ、後述するように導入部内に濾材が配置されている場合には、導入部内の濾材により検体を良好に濾過することができる。
導入部の高さは、本開示の検査デバイスの大きさ等に応じて異なるが、例えば0.01mm以上とすることができ、好ましくは0.1mm以上である。また、上記高さは、1mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以下である。導入部の高さが上記範囲であれば、微量の検体で検査が可能である。
導入部の導入口側の面での面積は、特に限定されないが、例えば、25mm以上とすることができ、50mm以上であることが好ましい。また、上記面積は、例えば、250mm以下とすることができ、100mm以下であることが好ましい。導入部の導入口側の面での面積が上記範囲であれば、微量の検体で検査が可能である。
6.濾材
本開示の検査デバイスは、例えば図13に示すように、導入部6内に濾材15を有することが好ましい。濾材は、導入部内に配置され、検査対象成分を分離する部材である。導入部内に濾材が配置されていることにより、検体の検査対象成分を分離することができる。さらには、濾材により、流路内に空気が侵入するのを防ぐことができ、抗原抗体反応や酵素反応が阻害されるのを抑制することができる。
濾材の配置位置としては、濾材が導入部内に配置されていればよいが、中でも、濾材が少なくとも導入部と流路との境界部分に接するように配置されていることが好ましい。
ここで、「濾材が、導入部と流路との境界部分に接している」とは、濾材が、導入部と流路との境界部分の全部に接していることをいい、濾材と流路との間に、流路ではない空間が存在しないことを意味する。
図13(a)、(b)に示す検査デバイス1において、検体を導入部6に滴下すると、検体は導入部6内の濾材15に浸透し、検査対象外の成分が濾過され、検査対象成分と検査対象外の成分とが分離される。このとき、濾材15が、導入部6と流路4との境界部分6Bに接していることから、濾材15と流路4との間に、流路4ではない空間が存在しないため、濾材15に浸透し、検査対象外の成分が除去された検体は、流路4による毛細管現象により流路4内に速やかに引き込まれる。さらに、検査対象外の成分が濾過された検体は、検体にかかる重力と毛細管現象とにより流路4を移動する。そのため、導入部6に滴下された検体は、自発的に濾材15を通過し、流路4内に入り、流路4内を進むことになる。なお、図13(b)において、破線で示される部分は、導入部6と流路4との境界部分6Bである。
このように、濾材が導入部と流路との境界部分に接していることにより、濾材と流路との間に流路ではない空間が存在しないため、流路による毛細管現象を利用して、濾材により検査対象成分を迅速かつ簡便に分離することができる。したがって、圧力や遠心力等の外部からの作用を加えることなく、液体を滴下するだけで、微量の検体から検査対象成分を迅速かつ簡便に分離し、検査対象成分を検査することができる。
また、濾材は、導入部の底面に接していることが好ましい。濾材が導入部の底面に接しており、濾材と流路の底面との間に隙間がないことで、流路による毛細管現象により、濾材を浸透した検体が流路内に引き込まれやすくなるからである。
ここで、「濾材が、導入部の底面に接している」とは、濾材の底面の全部が、導入部の底面に接していることをいい、濾材と導入部の底面との間に空間が存在しないことを意味する。
中でも、濾材の底面の全部が、導入部の底面の全部に接していることが好ましい。
例えば、図13(a)、(b)および図15(a)、(b)において、濾材15の底面の全部は、導入部6の底面に接している。また、図13(a)、(b)および図15(a)において、濾材15の底面の全部は、導入部6の底面の全部に接している。なお、図15において、破線で示される部分は、導入部6と流路4との境界部分6Bである。また、図15中の説明していない符号については、図1および図13と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
さらに、濾材は、導入部の側面に接していることが好ましい。濾材が導入部の側面に接しており、濾材と流路の側面との間に隙間がないことで、流路による毛細管現象により、濾材を浸透した検体が流路内に引き込まれやすくなるからである。
ここで、「濾材が、導入部の側面に接している」とは、濾材の側面の全部が、導入部の側面に接していることをいい、濾材と導入部の側面との間に空間が存在しないことを意味する。
中でも、濾材の側面の全部が、導入部の側面の全部に接していることが好ましい。
例えば、図13(a)、(b)および図15(a)において、濾材15の側面の全部は、導入部6の側面に接している。また、図13(a)、(b)において、濾材15の側面の全部は、導入部6の側面の全部に接している。
また、導入部は、濾材で満たされていてもよく、濾材で満たされていなくてもよい。なお、「導入部が、濾材で満たされている」とは、濾材が、導入部内の全部に配置されていることをいう。すなわち、濾材は、導入部内の全部に配置されていてもよく、導入部内の一部に配置されていてもよい。例えば、図13(a)、(b)においては、濾材15が導入部6内の全部に配置されており、図15(a)、(b)においては、濾材15が導入部6内の一部に配置されている。なお、濾材が、導入部内の一部に配置されている場合、導入部内においては、濾材よりも検体の流れの上流側に空間が存在することになるが、導入部に検体を導入することで、検体でその空間を埋めることができるため、上述したように、流路による毛細管現象を利用して、濾材により検査対象成分を迅速かつ簡便に分離することができる。
中でも、導入部が、濾材で満たされていることが好ましい。すなわち、濾材は、導入部内の全部に配置されていることが好ましい。つまり、濾材は、導入部内に実質的に隙間なく配置されていることが好ましい。これにより、濾材によって、検査対象成分を効率良く分離することができる。また、流路による毛細管現象により、濾材に浸透した検体を流路内に速やかに導くことができる。さらに、濾材を導入部内に充填することにより、確実に、濾材を導入部と流路との境界部分に接するように配置することができる。
濾材は、検査対象成分と検査対象外の成分とを分離可能なものであればよく、検体の種類や検査デバイスの用途等に応じて適宜選択される。
濾材は、例えば、表面濾過用濾材であってもよく、深層濾過用濾材であってもよい。表面濾過とは、主に濾材の表面で特定の成分を捕捉する濾過機構であり、スクリーンフィルタとも称される。また、深層濾過とは、主に濾材の内部で特定の成分を捕捉する濾過機構であり、デプスフィルタとも称される。中でも、濾材は、深層濾過用濾材であることが好ましい。深層濾過用濾材は、表面濾過用濾材よりも多量の粒子を保持できる上、目詰まりを起こしにくい。そのため、外部作用なしでの濾過を可能とする本開示においては、深層濾過用濾材が適している。また、深層濾過用濾材は、検体が血液である場合に好適である。血球成分は、粒子径が例えば5μm以上10μm以下と比較的大きい粒子であり、血液中に約45%と多量に含まれるため、検体である血液から血球成分を除去する場合には、深層濾過用濾材が好適に用いられる。
また、濾材は、例えば、繊維濾材であってもよく、メンブレンフィルタであってもよい。中でも、繊維濾材が好ましく用いられる。繊維濾材は、メンブレンフィルタよりも多量の粒子を保持できる上、目詰まりを起こしにくい。そのため、外部作用なしでの濾過を可能とする本開示においては、繊維濾材が適している。
一般に、表面濾過用濾材としてはメンブレンフィルタが用いられることが多く、深層濾過用濾材としては繊維濾材が用いられることが多い。
繊維濾材に含まれる繊維としては、具体的には、セルロース繊維、ガラス繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、動物繊維、キトサン繊維、炭素繊維、岩石繊維、スラッグ繊維、金属繊維、およびそれらの複合繊維等が挙げられる。
中でも、繊維濾材に含まれる繊維は、親水性繊維であることが好ましい。親水性繊維を含む繊維濾材は、検体が浸透し易くなり、濾過速度を高めることができるからである。親水性繊維としては、例えば、セルロース繊維、ガラス繊維、動物繊維等が挙げられる。中でも、親水性が高いことから、セルロース繊維、ガラス繊維が好ましい。
特に、検体が血液である場合には、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維を含む濾材は深層濾過用濾材であり、またガラス繊維は親水性繊維であり、血液中の血漿成分と血球成分との分離に優れているからである。
また、メンブレンフィルタの材質としては、例えば、ポリエーテルスルホン、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロース、セルロースアセテート、セルロース混合エステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。
濾材の粒子保持能は、検査対象成分と検査対象外の成分とを分離可能であればよく、検体の種類や検査デバイスの用途等に応じて適宜選択される。上記粒子保持能は、例えば、0.1μm以上とすることができ、0.5μm以上であることが好ましい。また、上記粒子保持能は、10μm以下とすることができ、5μm以下であることが好ましい。粒子保持能が上記範囲内であれば、目詰まりを起こしにくくすることができる。また、例えば、本開示の検査デバイスを抗原抗体反応を利用した検査に適用する場合、抗原は、具体的には、ウィルスや細菌等の病原体、タンパク質、ホルモン、自己抗体、核酸等であり、その大きさは、例えば数nmから数十nm程度である。この場合、粒子保持能は、抗原の大きさよりも大きければよく、上記範囲とすることができる。また、例えば、検体から細胞成分を除去する場合、粒子保持能は細胞成分の大きさ以下であればよく、細胞成分の大きさは大きいものであれば数十μmから数百μm程度であるため、粒子保持能は上記範囲とすることができる。
また、検体が血液である場合、上記粒子保持能は、0.5μm以上とすることができ、1μm以上であることが好ましい。また、この場合、上記粒子保持能は、5μm以下とすることができ、2μm以下であることが好ましい。粒子保持能が上記範囲内であれば、目詰まりを起こさず、迅速に濾過することができる。また、上述したように、例えば、本開示の検査デバイスを抗原抗体反応を利用した検査に適用する場合、粒子保持能は、抗原の大きさよりも大きければよく、上記範囲とすることができる。また、例えば、検体である血液から血球成分を除去する場合、血球成分の大きさは例えば5μm以上10μm以下であるため、粒子保持能は血球成分の大きさ以下であればよく、上記範囲とすることができる。
本開示における粒子保持能は、JIS Z 8901(試験用粉体及び試験用粒子)で規定される試験用粉体1の7種(試験用粉体7種)を用い、試験用粉体7種の分散水(以下、試料と称する)を自然濾過したときに、98%を保持できる粒子径と定義される。粒子保持能は、具体的には以下のように測定される。まず、試料の粒度分布をJIS Z 8820−2(液相重力沈降法による粒子径分布測定方法−第2部)またはJIS Z 8822(沈降質量法による粉体の粒子径分布測定方法)に従って測定する。次に、直径90mmの濾材を4つ折りにして漏斗に密着させ、ここに試料を50mL注いで全量を自然濾過する。最後に、回収した濾液の粒度分布を同じ方法で測定し、濾材に98%保持された粒子径を算出する。なお、濾材の直径と試料の体積は測定結果に影響のない範囲で任意に選択されうる。
濾材の厚みや大きさとしては、濾材の配置位置や導入部の大きさ等に応じて適宜設定される。
7.第1基体および第2基体
本開示における第1基体および第2基体は、上記流路を形成するための部材であり、第1基体は、流路の底面側に配置され、第2基体は、流路の天面側に配置される。
第1基体および第2基体は、可撓性を有していてもよく、あるいは剛性を有していてもよい。第1基体および第2基体の少なくともいずれか一方が剛性を有する場合には、検査デバイスの取扱い性が容易になる。また、第1基体および第2基体が可撓性を有する場合には、第1基体および第2基体を薄膜化し、本開示の検査デバイスを薄型化することができ、コストを安くすることができる。
第1基体は、透明であってもよく、不透明であってもよい。また、本開示の検査デバイスを用いて光学的手法により検査を行う場合、第2基体は、透明であることが好ましい。
第1基体および第2基体は、液体を透過しないものであればよく、その材料としては、例えば、プラスチック、シリコーンゴム、ガラス、石英等が挙げられる。プラスチックの例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、環状ポリオレフィン(COPまたはCOC)、ポリイミド(PI)、ナイロン等のポリアミド等が挙げられる。シリコーンゴムの例としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等が挙げられる。
第1基体の流路側の面は、親水性を有することが好ましい。これにより、流路の底面、液体保持部の底面および導入部の底面を親水性とすることができる。
また、第2基体の流路側の面は、親水性を有することが好ましい。これにより、流路の天面を親水性とすることができる。
なお、親水性については、上記流路の項に記載した親水性と同様とすることができる。
第1基体の流路側の面および第2基体の流路側の面を親水性とするには、例えば、第1基体および第2基体に親水性を有する材料を用いてもよく、また第1基体の流路側の面および第2基体の流路側の面に親水化処理を施してもよい。
親水化処理方法としては、一般的な方法を適用することができる。例えば、プラズマ処理、グロー処理、コロナ処理、UVオゾン処理等の表面処理方法や、界面活性剤やシランカップリング剤等の表面処理剤を用いる方法、シリカを蒸着する方法、親水性高分子を用いて表面処理する方法等が挙げられる。
また、第1基体および第2基体の少なくともいずれか一方は、流路、液体保持部、導入部等となる溝を有していてもよい。溝の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、切削加工、射出成形、フォトリソグラフィ法、レーザーアブレーション法、ホットエンボス法等が挙げられる。
第1基体および第2基体の厚みは、本開示の検査用デバイスの用途に応じて適宜設定されるが、例えば、0.01mm以上とすることができ、0.05mm以上であってもよく、0.2mm以上であってもよく、0.5mm以上であってもよい。また、上記厚みは、2mm以下とすることができ、1mm以下であってもよく、0.5mm以下であってもよく、0.25mm以下であってもよい。
第1基体および第2基体の大きさ等は、本開示の検査用デバイスの用途に応じて適宜設定される。
8.スペーサ
本開示の検査デバイスは、第1基体および第2基体の間に、スペーサを有することができる。スペーサは、第1基体および第2基体の間に空間を設け、流路および導入部等を形成するための部材である。
スペーサとしては、所定の厚みを有するものであればよく、例えば、接着層、樹脂層等を用いることができる。
接着層には、一般的な接着剤および粘着剤を用いることができる。また、接着層として、例えば両面テープを用いてもよい。
樹脂層としては、例えば樹脂基材を用いてもよい。
スペーサの厚さは、流路の高さと同様とすることができる。
スペーサの平面視形状は、流路、液体保持部、導入部等となる開口部を有する形状となる。
スペーサを配置する方法としては、スペーサの材料等に応じて適宜選択される。例えば、接着層として両面テープを用いる場合、両面テープに打ち抜き加工等により流路、液体保持部および導入部等となる開口部を形成した後、第1基体の一方の面または第2基体の一方の面に両面テープを貼付する方法が挙げられる。また、スペーサとして樹脂層を用いる場合には、樹脂基材に打ち抜き加工等により流路、液体保持部および導入部等となる開口部を形成した後、第1基体の一方の面または第2基体の一方の面に接着剤や粘着剤を介して樹脂基材を貼り合せる方法が挙げられる。
9.試薬
本開示の検査デバイスは、上記濾材に担持された試薬を有することができる。
濾材に担持される試薬としては、検体の種類や検査デバイスの用途に応じて適宜選択されるものであり、例えば、酵素、化学発光物質、蛍光物質、金属コロイド、金属錯体等の標識物質で標識された標識抗体を挙げることができる。
酵素としては、特に限定されないが、具体的には、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(ALP)、β−D−ガラクトシダーゼ、デヒドロゲナーゼ等が挙げられる。
化学発光物質としては、特に限定されないが、具体的には、N−メチルアクリジニウムエステル誘導体、N−メチルアクリジニウムアシルスルホンアミドエステル誘導体、N−(4−アミノブチル)−N−エチルイソルミノールエステル誘導体等が挙げられる。
蛍光物質としては、特に限定されないが、具体的には、ユーロピウム、サマリウム、テルビウム、ディスプロシウム、蛍光シリカナノ粒子等が挙げられる。
金属コロイドとしては、特に限定されないが、具体的には、金コロイド、銀コロイド、セレニウムコロイド、パラジウムコロイド、白金コロイド等が挙げられる。
金属錯体としては、特に限定されないが、具体的には、ルテニウム錯体やルミノール等が挙げられる。
また、本開示の検査デバイスは、上記流路内に固定された試薬を有することができる。
流路内に固定される試薬としては、検体の種類や検査デバイスの用途に応じて適宜選択されるものであり、例えば、タンパク質、抗体、酵素、核酸等が挙げられる。中でも、流路内に固定される試薬は、検体に含まれる抗原と結合する抗体であることが好ましい。また、流路内に固定される試薬は、上記の濾材に担持された標識抗体と結合する抗体であってもよい。試薬は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
試薬は、流路内に固定されていればよく、例えば、第1基体の流路側の面に担持されていてもよく、流路内に担体が配置され、この担体に担持されていてもよい。
第1基体の流路側の面に試薬を担持する方法としては、一般的な方法を適用することができる。
また、担体に試薬を担持する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、共有結合、イオン結合、疎水性相互作用、生物学的相互作用等の方法が挙げられる。中でも、担体に共有結合を介して試薬が固定化されていることが好ましい。共有結合による固定化は、固定化された試薬、すなわち固定化された抗体が担体から脱離するのを抑制することができるからである。
試薬を担持する担体としては、特に限定されるものではなく、担体材料としては、例えば、無機材料であってもよく、有機材料であってもよい。
無機材料としては、例えば、ガラス、シリカ、石英、アルミナ、タルク、クレー、マイカ、アルミニウム、鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、グラファイ、カーボンブラック、炭酸カルシウム等が挙げられる。
有機材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、環状ポリオレフィン(COPまたはCOC)、ポリイミド(PI)、ナイロン等のポリアミド等が挙げられる。
担体の形態としては、例えば、平板、円盤、粒子等が挙げられる。中でも、表面積が大きいことから、粒子が好ましい。また、担体は、その表面に微細凹凸を有していてもよい。
担体の厚みは、流路の高さ以下であれば特に限定されない。
また、上述したように、流路は、試薬が固定された試薬配置部を1つまたは複数有することができ、流路が試薬配置部を複数有する場合、各試薬配置部に固定される試薬は、検査デバイスの用途等に応じて適宜選択される。各試薬配置部に固定される試薬は、互いに異なっていてもよい。
濾材に担持されている標識抗体は、検体の滴下によって検体中に放出されることが好ましい。放出された標識抗体は、検体中に含まれる抗原と結合しながら、流路内を吸収体へ向かって流れていく。さらに、流路内に固定されている抗体(以下、固定化抗体と称する)と結合し、固定化抗体−抗原−標識抗体からなるサンドイッチ免疫複合体を形成する。この免疫複合体は、発光、蛍光、吸光、光散乱等の光学的手段により検出することができる。
10.吸収体用固定部
本開示の検査デバイスは、例えば図16および図17に示すように、吸収体10を固定する吸収体用固定部16を有することができる。吸収体固定部により、吸収体が固定され、液体保持部からの吸収体の脱落を防ぐことができる。
なお、図16および図17は本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。図16(b)は図16(a)のA−A線断面図である。図17(b)は図17(a)のA−A線断面図であり、図17(c)は図17(c)のB−B線断面図である。
吸収体用固定部の配置位置としては、流路と吸収体との間に空気口を配置することができ、かつ、吸収体を固定することができるように、吸収体用固定部が配置されていればよく、上記空気口の配置位置および上記吸収体の配置位置等に応じて適宜選択される。吸収体用固定部は、通常、吸収体の上部に配置される。
吸収体用固定部としては、吸収体を固定することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、粘着テープを用いることができる。
吸収体用固定部の形状および面積は、上記液体保持部および上記吸収体の形状および面積等に応じて適宜設定することができる。吸収体用固定部の配置位置、形状および面積等を調整することにより、空気口の配置位置、形状、面積等を調整することができる。
11.濾材用固定部
本開示の検査デバイスは、例えば図16および図17に示すように、濾材15を固定する濾材用固定部17を有することができる。濾材用固定部により、濾材が固定され、導入部からの濾材の脱落を防ぐことができる。
濾材用固定部の配置位置としては、上記濾材の配置位置や上記導入部が有する導入口の配置位置等に応じて適宜選択される。例えば、濾材が導入部内に充填されている場合、濾材用固定部は、通常、濾材の導入口側の面に配置される。具体的には、濾材が導入部内に充填されており、導入部の天面に導入口が配置されている場合、濾材用固定部は、通常、濾材の上部に配置される。
また、濾材用固定部は、通常、上記濾材の一部を覆うように配置される。例えば、濾材用固定部は、導入部の導入口側の面に平行な面において、濾材の全周に配置されていてもよく、濾材の周囲の一部に配置されていてもよい。導入部の導入口側の面に平行な面において、濾材用固定部が濾材の全周に配置されている場合、濾材用固定部は、通常、導入部の導入口側の面に平行な面において濾材と重なる開口部を有する。濾材用固定部が上記開口部を有する場合、この開口部では濾材が露出した状態となり、この開口部から検体を導入することができる。
濾材用固定部の濾材側の面とは反対側の面は、疎水性を有することが好ましい。導入口から導入した液体を濾材用固定部の開口部の内側に保持することができるからである。
ここで、「疎水性」とは、所定の面における水の静的接触角が60度超であることをいう。所定の面における水の静的接触角は、好ましくは90度以上である。また、所定の面における水の静的接触角は、通常、150度以下である。
濾材用固定部としては、濾材を固定することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、粘着テープを用いることができる。
濾材用固定部の形状および面積は、上記導入部の形状および面積等に応じて適宜設定することができる。
また、濾材用固定部が上記開口部を有する場合、開口部の形状および面積は、検体の量に応じて適宜設定することができる。
12.筐体
本開示の検査デバイスは、上記第1基体および上記第2基体を収容する筐体を有することができる。筐体によって、第1基体および第2基体を保護するとともに、第1基体および第2基体の変形を抑制することができる。また、第1基体および第2基体の変形が抑制されるため、精度良く検査を行うことができる。
筐体は、透明であってもよく不透明であってもよい。
筐体は、通常、剛性を有する。
筐体は、通常、導入部の導入口側の面に平行な面において、導入口と重なる開口部を有する。この開口部では濾材が露出した状態となり、この開口部から液体を導入することができる。
また、筐体が不透明である場合には、筐体は、平面視において、他の開口部を有することができる。例えば、上述したように、流路が試薬配置部を有する場合、筐体は、平面視において、試薬配置部と重なる開口部を有することができる。
図18は、本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図であり、図18(b)は図18(a)のC−C線断面図である。図18(a)、(b)に示すように、検査デバイス1は、第1基体2および第2基体3を収容する筐体35を有することができる。筐体35は、導入口5と平面視上重なる開口部36を有することができる。検査デバイス1においては、開口部36から検体を導入することができる。また、例えば、流路4が試薬配置部21S、22Sを有する場合、筐体35は、試薬配置部21S、22Sとそれぞれ平面視上重なる開口部37、38を有することができる。検査デバイス1においては、検査時に、開口部37、38から呈色の有無等を確認することができる。なお、図18中の説明していない符号については、図1および図13と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
筐体が有する開口部の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、楕円形状、三角形状、長方形状等が挙げられる。
開口部の平面視での面積は、任意に設定することができる。
筐体としては、第1基体および第2基体を保護し、第1基体および第2基体の変形を抑制することができるものであれば特に限定されるものではなく、その材料としては、例えば、プラスチックが挙げられる。
筐体の作製方法としては、例えば、射出成形等を用いることができる。
筐体の大きさは、第1基体および第2基体の大きさや、検査デバイスの用途等に応じて適宜選択される。
13.液体
本開示の検査デバイスに適用される液体としては、検体が挙げられる。検体としては、免疫検査に用いられる検体であることが好ましい。具体的には、血液(全血)、血漿、血清、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、うがい液、鼻汁、尿、唾液、涙等が挙げられる。これらの検体は、必要に応じて希釈して用いてもよい。
また、検体以外の液体としては、検査デバイスの用途等に応じて適宜選択される。例えば、洗浄液、抗体溶液、基質溶液等が挙げられる。
14.検査デバイスの製造方法
本開示の検査デバイスの製造方法としては、特に限定されない。
図19および図20は、本開示の検査デバイスの製造方法の一例を示す工程図であり、平面図および平面図のD−D線断面図を示している。まず、図19(a)に示すように、第1基体2と、所定の開口部を有するスペーサ12とを貼り合せる。次いで、図19(b)に示すように、第1基体2のスペーサ12側の面に、試薬21、22を固定する。例えば、2つの試薬21、22のうち、導入口側に配置される試薬21は、検体に含まれる抗原と結合する抗体とすることができる。また、液体保持部側に配置される試薬22は、濾材に担持された標識抗体と結合する抗体とすることができる。次に、図19(c)に示すように、スペーサ12の第1基体2側の面とは反対側の面と、第2基体3とを貼り合せる。これにより、流路4が形成される。続いて、図19(d)に示すように、第2基体3を加工して開口部を形成し、導入口5、導入部6および液体保持部7を形成する。第2基体2は、開口部を形成する前にスペーサ12と貼り合せてもよく、開口部を形成した後にスペーサ12と貼り合せてもよい。次に、図20(a)に示すように、液体保持部7内から流路4内まで第1吸収体8を配置する。次いで、図20(b)に示すように、液体保持部7内のみに第2吸収体9を配置して、第1吸収体8上に第2吸収体9を積層する。また、導入部6内に濾材15を配置する。次いで、図20(c)に示すように、吸収体10の上部に吸収体用固定部16を配置する。また、濾材15の上部に濾材用固定部17を配置する。
15.用途
本開示の検査デバイスは、種々の検査に用いることができる。例えば、本開示の検査デバイスは、抗原抗体反応や酵素反応を利用した検査に適用することができる。また、本開示の検査デバイスを用いた検査においては、光学的手法を用いてもよく、電気化学的手法を用いてもよい。電気化学的手法の場合、本開示の検査デバイスは、流路内に、電極を有することができる。
また、本開示の検査デバイスは、例えば、それ単体で検査を行うこともでき、また、交換可能なカートリッジとして用いることもできる。
本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
(検査デバイスの作製)
まず、コロナ処理で親水化処理したPETフィルム(厚み:0.1mm)を準備した。このとき、PETフィルムの親水化処理面における水の静的接触角は約30°であった。次に、両面テープ(芯材:PET、厚み:0.1mm)を図19(a)のスペーサと同じ形状に切り抜いた。この両面テープの一方の面をPETフィルムの親水化処理面に貼り付けた。続いて、図19(b)に示すように、PETフィルムが露出した部分に、ウシ血清アルブミン(BSA)と結合するモノクローナル抗体を固定化したガラスビーズ(0.1mm厚)と、濾材に担持するHRP標識モノクローナル抗体と結合する抗体を固定化したガラスビーズ(直径0.1mm)とをそれぞれ左側から配置した。そして、図19(c)に示すように、両面テープの他方の面に、同じくコロナ処理で親水化処理したPETフィルム(厚み:0.1mm)を貼り付けた。その後、図19(d)に示すように、カッティングプロッタを用いて、上側のPETフィルムに導入部および液体保持部となる開口部を形成した。
次に、図20(a)に示すように、第1吸収体として、液体保持部内から流路内まで、図2(c)の形状にカットしたトレーシングペーパー(厚み:0.06mm)を配置した。トレーシングペーパーのクレム吸水度は、5mm未満であった。続いて、図20(b)に示すように、第2吸収体として、液体保持部内にセルロース濾紙(厚み:0.2mm)を配置し、トレーシングペーパーの上にセルロース濾紙を積層した。また、導入部内に、HRP標識モノクローナル抗体を担持したセルロース濾紙(厚み:0.2m)を充填した。これらのセルロース濾紙のクレム吸水度は75mmであった。最後に、図20(c)に示すように、液体保持部および導入部の上部にそれぞれ、粘着テープ(厚み:0.03mm)を貼り付けた。
得られた検査デバイスの寸法は26mm×76mm、液体保持部の寸法は20mm×20mm、濾材が露出している部分の寸法は10mm×5mm、流路の全長は40mm、流路の幅は0.5mmとした。
(評価)
得られた検査デバイスを用いて、以下のようにELISA法を実施した。
まず、10ng/mLのウシ血清アルブミン(BSA)を含むリン酸緩衝液(PBS)(以下、検体)を導入口から導入部に20μL滴下した。検体は、数秒以内にセルロース濾紙を通過し、流路内に侵入した。約30秒後、検体はガラスビーズに到達し、さらにその30秒後にトレーシングペーパーの突起部に到達した。まもなく、検体は、液体保持部内のトレーシングペーパーに吸収され、その数秒後にセルロース濾紙にも吸収され始めた。約20秒後、導入部に検体がなくなると、流路内のトレーシングペーパーとの界面で検体が分離された。
次に、そのまま5分間静置した後、洗浄液(0.05%Tween(界面活性剤)を含むリン酸緩衝液(PBS))を導入部に50μL滴下した。約3分後、流路内の検体は洗浄液に置換された。
次に、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)基質を導入部に20μL滴下した。5分間後、テスト部(BSAと結合する抗体を固定化したガラスビーズ)およびコントロール部(濾材に担持させたHRP標識抗体と結合する抗体を固定化したガラスビーズ)に青紫色の呈色が確認された。
また、検体として、BSAを含まないPBSで同様に実施したところ、コントロール部のみに青紫色の呈色が確認された。
以上の結果より、本開示の検査デバイスは、高感度なELISA法を簡便な操作で迅速に実施できることがわかった。
[実施例2]
(検査デバイスの作製)
下記表1に示すように、流路の幅と、第1吸収体であるトレーシングペーパーの突起部(四角形状)の長さとを様々に変化させたこと以外は、実施例1と同様にして、検査デバイスを作製した。なお、突起部の幅は、流路の幅と同一とした。
Figure 2019113460
(評価)
液体として和光純薬工業製のトリパンブルー溶液を用い、液体を導入口から導入部に20μL滴下した。すべての試験番号において、実施例1と同様の結果が得られ、すなわち導入部に液体がなくなると、流路内のトレーシングペーパーとの界面で液体が分離された。
1 … 検査デバイス
2 … 第1基体
3 … 第2基体
4 … 流路
5 … 導入口
6 … 導入部
7 … 液体保持部
8 … 第1吸収体
8a、10a … 突起部
9 … 第2吸収体
10 … 吸収体
11 … 空気口
12 … スペーサ
14 … 拡大部
15 … 濾材
16 … 吸収体用固定部
17 … 濾材用固定部
21、22 … 試薬
21S、22S … 試薬配置部
35 … 筐体

Claims (11)

  1. 第1基体と、
    前記第1基体に対向する第2基体と、
    前記第1基体および前記第2基体の間の流路と、
    前記流路の一端に接続され、液体を導入する導入口と、
    前記流路の他端に接続され、吸収体が配置される液体保持部と、
    前記液体保持部内に配置された吸収体と、
    前記流路および前記吸収体の間に配置され、前記流路に接続する空気口と、
    を有する、検査デバイス。
  2. 前記吸収体が、前記液体保持部内から前記流路内まで配置されている、請求項1に記載の検査デバイス。
  3. 前記吸収体が、前記流路内に配置された第1吸収体と、前記液体保持部内のみに配置され、前記第1吸収体に接する第2吸収体と、を有し、
    前記第2吸収体が前記流路に接していなく、
    前記第1吸収体の吸水性が前記第2吸収体の吸水性よりも低い、請求項2に記載の検査デバイス。
  4. 前記第1吸収体が前記液体保持部内から前記流路内まで配置され、
    前記液体保持部では前記第1吸収体および前記第2吸収体の順に積層されている、請求項3に記載の検査デバイス。
  5. 前記流路が、前記液体保持部側の端部に拡大部を有する、請求項2から請求項4までのいずれかの請求項に記載の検査デバイス。
  6. 前記導入口と前記流路との間に導入部を有し、前記導入部内に濾材を有する、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に検査デバイス。
  7. 前記濾材に担持された試薬を有する、請求項6に記載の検査デバイス。
  8. 前記流路の底面および天面の少なくともいずれか一方が親水性を有する、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の検査デバイス。
  9. 前記流路の底面および天面の少なくともいずれか一方の水の静的接触角が60度以下である、請求項8に記載の検査デバイス。
  10. 前記流路内に固定された試薬を有する、請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の検査デバイス。
  11. 前記第1基体および前記第2基体を収容する筐体を有する、請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の検査デバイス。
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