JP2019074351A - 検査デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】分離機能を備える検査デバイスを提供する。【解決手段】第1基体2と、上記第1基体に対向する第2基体3と、第1基体の第2基体側の面に配置され、検体を導入する導入部4と、第1基体および第2基体の間の、導入部から水平方向に延びる流路5と、導入部内の濾材と、流路に接続する空気抜き部7と、を有し、濾材が、導入部と流路との境界部分に接し、濾材の粒子保持能が0.1μm以上、10μm以下の範囲内であり、流路の底面および天面の少なくともいずれか一方が親水性を有する検査デバイスを提供する工程を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、分離機能を備える検査デバイスに関するものである。
抗原抗体反応を利用した免疫検査は、臨床検査の重要な位置を占めている。免疫検査等の検体検査を診療や診察の現場において実施する場合には、その場で結果を得て治療や処方に利用するために、小型の検査デバイスが利用されている。例えば、インフルエンザ等のウィルス感染症や心筋梗塞マーカ等の検出においては、イムノクロマト検査キットが広く利用されている。近年では、検査デバイスとして、マイクロ流体デバイスについても盛んに研究されている。
感染症、腫瘍、アレルギー等の免疫検査では、検体として血液を用いることが多い。この場合、血球成分が光学的測定を妨害することがあるため、検査前に血液から血球成分を除去する必要がある。血液から血球成分を除去する方法としては、遠心分離によって血液中の血漿成分と血球成分とを分離する方法が知られている。しかし、遠心分離による分離方法では、比較的多量の血液が必要とされ、また、遠心分離機を使用するため大型の装置が必要であり、手間もかかる。また、検体となる血液の量が少なくなるにつれて遠心力は弱くなるため分離に時間がかかり、さらには遠心力が効果的に働かない量になると分離不可能になる。
そこで、微量の血液から血漿成分を分離することができ、その血漿成分を検査することができる検査デバイスが種々考案されている。
例えば特許文献1には、全血中の血漿と赤血球とを分離し、分離した血漿中の被測定成分を検出するための装置であって、第1のフィルムと、第2のフィルムと、血漿分離膜と、第1のフィルムおよび第2のフィルムの間に配置され、切欠き部を有するスペーサーとを有し、フィルムおよびスペーサの切欠き部で、血漿を分離するためのフィルター室と、分離した血漿中の被測定成分を検出するための反応室と、フィルター室および反応室を連通する毛管通路とが形成されている、血漿成分分析装置が開示されている。
また、例えば特許文献2には、血球成分を含む血液試料(A)を濾過する機構を具備するマイクロ流路デバイスであって、血液試料(A)を導入するための開口部(B)、開口部(B)の下部側に設置される傾斜型メンブレンフィルター(C)、傾斜型メンブレンフィルター(C)の下部側に設置され傾斜型メンブレンフィルター(C)を保持するための支持体フィルム(D)、支持体フィルム(D)の下部側に設置され濾過した血液成分を溜めるための空間(E)、空間(E)と連結される流路(F)、及び空間(E)と反対側に配置され流路(F)と連絡される出口部(G)から構成され、傾斜型メンブレンフィルター(C)は、フィルターの濾過径が開口部(B)側から空間(E)側にかけて次第に小さくなる分布を有しており、水に対する接触角が60度以下であり、支持体フィルム(D)は、直径1μm以上500μm以下の貫通孔を開口率5%以上60%以下の割合で有し、流路(F)の水に対する接触角が60度以下である、血液濾過機能付きマイクロ流路デバイスが開示されている。
特開2005−265685号公報 特許第4844318号公報
しかしながら、特許文献2の血液濾過機能付きマイクロ流路デバイスでは、傾斜型メンブレンフィルターで血球成分を濾過するために圧力をかける必要がある。また、特許文献1の血漿成分分析装置でも、圧力や遠心力等を加えなければ、血漿分離膜で血漿と赤血球とを迅速に分離することができない。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、圧力や遠心力等の外部からの作用を加えることなく、微量の検体から検査対象成分を迅速かつ簡便に分離し、検査対象成分を検査することができる検査デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示は、第1基体と、上記第1基体に対向する第2基体と、上記第1基体の上記第2基体側の面に配置され、検体を導入する導入部と、上記第1基体および上記第2基体の間の、上記導入部から水平方向に延びる流路と、上記導入部内の濾材と、上記流路に接続する空気抜き部と、を有し、上記濾材が、上記導入部と上記流路との境界部分に接している、検査デバイスを提供する。
本開示は、圧力や遠心力等の外部からの作用を加えることなく、微量の検体から検査対象成分を迅速かつ簡便に分離し、検査対象成分を検査することができる検査デバイスを提供できるという効果を奏する。
本開示の検査デバイスの一例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略断面図である。 従来の検査デバイスの一例を示す概略断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の検査デバイスの製造方法の一例を示す工程図である。 本開示の検査デバイスの製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本開示の検査デバイスについて詳細に説明する。
本開示の検査デバイスは、第1基体と、上記第1基体に対向する第2基体と、上記第1基体の上記第2基体側の面に配置され、検体を導入する導入部と、上記第1基体および上記第2基体の間の、上記導入部から水平方向に延びる流路と、上記導入部内の濾材と、上記流路に接続する空気抜き部と、を有し、上記濾材が、上記導入部と上記流路との境界部分に接している。
本開示の検査デバイスについて図面を参照して説明する。
図1は、本開示の検査デバイスの一例を示す概略平面図および断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)、(b)に示すように、検査デバイス1は、第1基体2と、第1基体2に対向する第2基体3と、第1基体2の第2基体3側の面に配置され、検体を導入する導入部4と、第1基体2および第2基体3の間の、導入部4から水平方向に延びる流路5と、導入部4内の濾材6と、流路5に接続する空気抜き部7と、を有する。濾材6は、導入部4と流路5との境界部分4aに接している。濾材6は、導入部4内に充填されていてもよい。検査デバイス1において、空気抜き部7は、空気孔7aとすることができる。空気孔7aは、流路5の導入部4とは反対側の端部に配置されていてもよい。また、導入部4は、導入部4に検体を導入するための導入口4bを有する。また、検査デバイス1は、第1基体2と第2基体3との間に空間を設けて流路5を形成するためのスペーサ8を有することができる。なお、図1(a)において、流路5は、第2基体3で覆われているため、破線で示している。
ここで、「流路」とは、毛細管現象を生じる流路をいう。
また、「導入部」は、検体を導入部に導入するための導入口と流路との間の空間である。例えば、図1(a)、(b)に示す検査デバイス1においては、図2に示すように、導入部4は、導入口4bと流路5との間の、一点鎖線で示される空間となる。なお、図2において、破線で示される部分は、導入部4と流路5との境界部分4aである。また、図2中の説明していない符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、「濾材が、導入部と流路との境界部分に接している」とは、濾材が、導入部と流路との境界部分の全部に接していることをいい、濾材と流路との間に、流路ではない空間が存在しないことを意味する。
図1(a)、(b)に示す検査デバイス1において、検体を導入部4に滴下すると、検体は導入部4内の濾材6に浸透し、検査対象外の成分が濾過され、検査対象成分と検査対象外の成分とが分離される。このとき、濾材6が、導入部4と流路5との境界部分4aに接していることから、濾材6と流路5との間に、流路5ではない空間が存在しないため、濾材6に浸透し、検査対象外の成分が除去された検体は、流路5による毛細管現象により流路5内に速やかに引き込まれる。さらに、検査対象外の成分が濾過された検体は、毛細管現象により流路5を移動する。そのため、導入部4に滴下された検体は、自発的に濾材6を通過し、流路5内に入り、流路5内を進むことになる。
このように、本開示によれば、濾材が、導入部と流路との境界部分に接していることにより、濾材と流路との間に、流路ではない空間が存在しないため、流路による毛細管現象を利用して、濾材により検査対象成分を迅速かつ簡便に分離することができる。したがって、圧力や遠心力等の外部からの作用を加えることなく、液体を滴下するだけで、微量の検体から検査対象成分を迅速かつ簡便に分離し、検査対象成分を検査することができる。
一方、例えば、図3に示すように、検査デバイス100において、濾材6が、導入部4と流路5との境界部分4aに接していないと、濾材6の下部に、流路5ではない空間Sが存在することになる。この空間S自体は毛細管現象を発現しないため、検体を濾材を速やかに通過させるには、例えば遠心濾過、加圧濾過、減圧濾過、吸引濾過等を行う必要がある。なお、図3中の説明していない符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
このように、検査デバイスにおいて、濾材が、導入部と流路との境界部分に接しておらず、濾材と流路との間に、流路ではない空間が存在する場合、その空間は毛細管現象を発現しないため、濾材で検査対象成分を迅速に分離するためには、圧力や遠心力等の外部からの作用が必要である。
図4は、本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図であり、図4(b)は図4(a)のB−B線断面図である。図4(a)、(b)に示すように、検査デバイス1は、流路5の導入部4とは反対側の端部に、吸収体9を有することができる。空気孔7aは、流路5の導入部4とは反対側の端部に配置されていてもよく、この場合、吸収体9を、空気孔7aと平面視上重なるように配置することができる。また、検査デバイス1は、濾材6を固定する固定部10を有することができる。また、検査デバイス1は、流路5内に固定された試薬を有することができ、例えば、流路5内に、検体の流れの上流側から順に、標識抗体である第1試薬11と、テスト用捕捉抗体である第2試薬12と、コントロール用捕捉抗体である第3試薬13とを有することができる。この場合、検査デバイス1において、流路5は、第1試薬11が固定されている第1試薬担持部11Sと、第2試薬12が固定されている第2試薬担持部12Sと、第3試薬13が固定されている第3試薬担持部13Sを有することができる。なお、図4中の説明していない符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
図4(a)、(b)に示す検査デバイス1において、導入部4から滴下された検体は、上述したように、流路5による毛細管現象により、導入部4内の濾材6に浸透し、検査対象成分が分離され、流路5内に引き込まれ、流路5内を移動する。このとき、検体が抗原を含む場合、検体中の抗原は、流路5を流れていくと同時に、第1試薬11である標識抗体と結合して免疫複合体を形成する。さらに、免疫複合体は流路5を移動し、第2試薬12であるテスト用捕捉抗体と結合して複合体を形成し、捕捉される。また、第1試薬11である標識抗体は、検体が流路5を流れていくと同時に、流路5内を移動し、第3試薬13であるコントロール用捕捉抗体と結合して複合体を形成し、捕捉される。標識抗体は、例えば金コロイドや色素等の標識物質で標識された抗体であり、標識抗体が集積されると、呈色が起こる。そのため、第2試薬12であるテスト用捕捉抗体が固定されている第2試薬担持部12Sとなるテスト部において、呈色の有無等により検査が可能となる。また、第3試薬13であるコントロール用捕捉抗体が固定されている第3試薬担持部13Sとなるコントロール部において、呈色の有無等により検査が正確に行われたことを確認することができる。
以下、本開示の検査デバイスの構成について説明する。
1.濾材
本開示における濾材は、導入部内に、導入部と流路との境界部分に接するように配置され、検査対象成分を分離する部材である。
濾材の配置位置としては、導入部内であり、少なくとも導入部と流路との境界部分に接するように濾材が配置されていればよい。
中でも、濾材は、導入部の底面に接していることが好ましい。濾材が導入部の底面に接しており、濾材と流路の底面との間に隙間がないことで、流路による毛細管現象により、濾材を浸透した検体が流路内に引き込まれやすくなるからである。例えば図1(b)および図5(a)において、濾材6は、導入部4の底面の全部に接している。なお、図5中の説明していない符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
なお、「濾材が、導入部の底面に接している」とは、濾材が、導入部の底面の全部に接していることをいい、濾材と導入部の底面との間に空間が存在しないことを意味する。
さらに、濾材は、導入部の側面に接していることが好ましい。濾材が導入部の側面に接しており、濾材と流路の側面との間に隙間がないことで、流路による毛細管現象により、濾材を浸透した検体が流路内に引き込まれやすくなるからである。例えば図1(b)において、濾材6は、導入部4の側面の全部に接している。
なお、「濾材が、導入部の側面に接している」とは、濾材が、導入部の側面の全部に接していることをいい、濾材と導入部の側面との間に空間が存在しないことを意味する。
また、導入部は、濾材で満たされていてもよく、濾材で満たされていなくてもよい。なお、導入部が、濾材で満たされているとは、濾材が、導入部内の全部に配置されていることをいう。すなわち、濾材は、導入部内の全部に配置されていてもよく、導入部内の一部に配置されていてもよい。例えば、図1(b)においては、濾材6が導入部4内の全部に配置されており、図5(a)、(b)においては、濾材6が導入部4内の一部に配置されている。なお、濾材が、導入部内の一部に配置されている場合、導入部内においては、濾材よりも検体の流れの上流側に空間が存在することになるが、導入部に検体を導入することで、検体でその空間を埋めることができるため、上述したように、流路による毛細管現象を利用して、濾材により検査対象成分を迅速かつ簡便に分離することができる。
中でも、導入部が、濾材で満たされていることが好ましい。すなわち、濾材は、導入部内の全部に配置されていることが好ましい。つまり、濾材は、導入部内に実質的に隙間なく配置されていることが好ましい。これにより、濾材によって、検査対象成分を効率良く分離することができる。また、流路による毛細管現象により、濾材に浸透した検体を流路内に速やかに導くことができる。さらに、濾材を導入部内に充填することにより、確実に、濾材を導入部と流路との境界部分に接するように配置することができる。
濾材は、検査対象成分と検査対象外の成分とを分離可能なものであればよく、検体の種類や検査デバイスの用途等に応じて適宜選択される。
濾材は、例えば、表面濾過用濾材であってもよく、深層濾過用濾材であってもよい。表面濾過とは、主に濾材の表面で特定の成分を捕捉する濾過機構であり、スクリーンフィルタとも称される。また、深層濾過とは、主に濾材の内部で特定の成分を捕捉する濾過機構であり、デプスフィルタとも称される。中でも、濾材は、深層濾過用濾材であることが好ましい。深層濾過用濾材は、表面濾過用濾材よりも多量の粒子を保持できる上、目詰まりを起こしにくい。そのため、外部作用なしでの濾過を可能とする本開示においては、深層濾過用濾材が適している。また、深層濾過用濾材は、検体が血液である場合に好適である。血球成分は、粒子径が例えば5μm以上10μm以下と比較的大きい粒子であり、血液中に約45%と多量に含まれるため、検体である血液から血球成分を除去する場合には、深層濾過用濾材が好適に用いられる。
また、濾材は、例えば、繊維濾材であってもよく、メンブレンフィルタであってもよい。中でも、繊維濾材が好ましく用いられる。繊維濾材は、メンブレンフィルタよりも多量の粒子を保持できる上、目詰まりを起こしにくい。そのため、外部作用なしでの濾過を可能とする本開示においては、繊維濾材が適している。
一般に、表面濾過用濾材としてはメンブレンフィルタが用いられることが多く、深層濾過用濾材としては繊維濾材が用いられることが多い。
繊維濾材に含まれる繊維としては、具体的には、セルロース繊維、ガラス繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、動物繊維、キトサン繊維、炭素繊維、岩石繊維、スラッグ繊維、金属繊維、およびそれらの複合繊維等が挙げられる。
中でも、繊維濾材に含まれる繊維は、親水性繊維であることが好ましい。親水性繊維を含む繊維濾材は、検体が浸透し易くなり、濾過速度を高めることができるからである。親水性繊維としては、例えば、セルロース繊維、ガラス繊維、動物繊維等が挙げられる。
特に、検体が血液である場合には、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維を含む濾材は深層濾過用濾材であり、またガラス繊維は親水性繊維であり、血液中の血漿成分と血球成分との分離に優れているからである。
また、メンブレンフィルタの材質としては、例えば、ポリエーテルスルホン、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロース、セルロースアセテート、セルロース混合エステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。
濾材の粒子保持能は、検査対象成分と検査対象外の成分とを分離可能であればよく、検体の種類や検査デバイスの用途等に応じて適宜選択される。上記粒子保持能は、例えば、0.1μm以上とすることができ、0.5μm以上であることが好ましい。また、上記粒子保持能は、10μm以下とすることができ、5μm以下であることが好ましい。粒子保持能が上記範囲内であれば、目詰まりを起こしにくくすることができる。また、例えば、本開示の検査デバイスを抗原抗体反応を利用した検査に適用する場合、抗原は、具体的には、ウィルスや細菌等の病原体、タンパク質、ホルモン、自己抗体、核酸等であり、その大きさは、例えば数nmから数十nm程度である。この場合、粒子保持能は、抗原の大きさよりも大きければよく、上記範囲とすることができる。また、例えば、検体から細胞成分を除去する場合、粒子保持能は細胞成分の大きさ以下であればよく、細胞成分の大きさは大きいものであれば数十μmから数百μm程度であるため、粒子保持能は上記範囲とすることができる。
また、検体が血液である場合、上記粒子保持能は、0.5μm以上とすることができ、1μm以上であることが好ましい。また、この場合、上記粒子保持能は、5μm以下とすることができ、2μm以下であることが好ましい。粒子保持能が上記範囲内であれば、目詰まりを起こさず、迅速に濾過することができる。また、上述したように、例えば、本開示の検査デバイスを抗原抗体反応を利用した検査に適用する場合、粒子保持能は、抗原の大きさよりも大きければよく、上記範囲とすることができる。また、例えば、検体である血液から血球成分を除去する場合、血球成分の大きさは例えば5μm以上10μm以下であるため、粒子保持能は血球成分の大きさ以下であればよく、上記範囲とすることができる。
本開示における粒子保持能は、JIS Z 8901(試験用粉体及び試験用粒子)で規定される試験用粉体1の7種(試験用粉体7種)を用い、試験用粉体7種の分散水(以下、試料と称する)を自然濾過したときに、98%を保持できる粒子径と定義される。粒子保持能は、具体的には以下のように測定される。まず、試料の粒度分布をJIS Z 8820−2(液相重力沈降法による粒子径分布測定方法−第2部)またはJIS Z 8822(沈降質量法による粉体の粒子径分布測定方法)に従って測定する。次に、直径90mmの濾材を4つ折りにして漏斗に密着させ、ここに試料を50mL注いで全量を自然濾過する。最後に、回収した濾液の粒度分布を同じ方法で測定し、濾材に98%保持された粒子径を算出する。なお、濾材の直径と試料の体積は測定結果に影響のない範囲で任意に選択されうる。
濾材の厚みや大きさとしては、濾材の配置位置や導入部の大きさ等に応じて適宜設定される。
2.導入部
本開示における導入部は、第1基体の第2基体側の面に配置され、検体を導入する空間である。
導入部は、導入部に検体を導入するための導入口を有する。導入口の配置位置としては、導入部の天面であってもよく、導入部の側面であってもよい。中でも、導入部は、導入部の天面に導入口を有することが好ましい。導入口に検体を滴下しやすいからである。
導入部の底面は、親水性を有することが好ましい。これにより、導入部内の底面を検体が濡れ広がりやすくなり、導入部内の濾材に浸透した検体を速やかに流路内に引き込むことができるからである。
ここで、「親水性」とは、導入部の底面における水の静的接触角が60度以下であることをいう。導入部の底面における水の静的接触角は、好ましくは30度以下である。また、導入部の底面における水の静的接触角は、通常、3度以上である。
水の静的接触角は、測定対象物の面に純水1.0μLの液滴を滴下し、着滴1秒後に、滴下した液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を算出するθ/2法に従って測定した接触角とする。測定装置としては、例えば、協和界面科学社製の接触角計DM500を用いることができる。
導入部の高さは、本開示の検査デバイスの大きさ等に応じて異なるが、例えば0.01mm以上とすることができ、好ましくは0.1mm以上である。また、上記高さは、1mm以下とすることができ、好ましくは0.3mm以下である。導入部の高さが上記範囲であれば、微量の検体で検査が可能である。
導入部の導入口側の面での形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、楕円形状、三角形状、長方形状、台形状、菱形状、ホームベース形状等が挙げられる。ホームベース形状は、検体が導入部から流路に到達するまでの距離を比較的長くすることができ、導入部内の濾材により検体を良好に濾過することができる。なお、ホームベース形状は、例えば図6(a)に示すような導入部4の形状をいう。
導入部の導入口側の面での面積は、特に限定されないが、例えば、1mm以上とすることができ、また100mm以下とすることができる。導入部の導入口側の面での面積が上記範囲であれば、微量の検体で検査が可能である。
3.流路
本開示における流路は、第1基体および第2基体の間に配置され、上記導入部から水平方向に延びる流路であり、毛細管現象を生じる流路である。
流路は、導入部から水平方向に延びるように配置されていればよいが、中でも、流路の底面と導入部の底面とが連続しており、流路の底面と導入部の底面との間に段差がないことが好ましい。導入部内の濾材に浸透した検体を速やかに流路内に引き込むことができるからである。
流路の底面および天面の少なくともいずれか一方は、親水性を有することが好ましい。これにより、検体が濡れ広がりやすくなり、毛細管現象によって検体が流路内に引き込まれやすく、また検体が流路内を流れやすいからである。流路は、底面が親水性を有していてもよく、天面が親水性を有していてよいが、中でも、底面および天面が親水性を有することが好ましい。さらに、流路の側面も、親水性を有することが好ましい。
なお、親水性については、上記導入部の項に記載した親水性と同様とすることができる。
流路の高さ方向の断面形状は、通常、長方形状であるが、例えば、アーチ形状、台形状、三角形状等であってもよい。なお、流路の高さ方向とは、第1基体および第2基体の厚み方向である。
流路の高さは、毛細管現象が発現する程度であればよく、例えば、0.005mm以上とすることができ、0.05mm以上が好ましい。また、上記高さは、0.5mm以下とすることができ、0.25mm以下が好ましい。
流路の幅は、毛細管現象が発現する程度であればよく、例えば、0.1mm以上とすることができ、また5mm以下とすることができる。また、流路の幅は、一定であってもよく、不定であってもよい。例えば、後述するように、検査デバイスが流路内に固定された試薬を有し、流路が試薬が固定された試薬担持部を有する場合には、試薬担持部を幅広とし、試薬担持部以外の領域を幅狭としてもよい。具体的には、流路における試薬担持部以外の領域の幅は、0.1mm以上とすることができ、また0.5mm以下とすることができる。流路における試薬担持部以外の領域の幅が上記範囲であれば、毛細管現象により検体が流路を安定して流れることができる。また、流路における試薬担持部の幅は、1mm以上とすることができ、また5mm以下とすることができる。流路における試薬担持部の幅が上記範囲であれば、毛細管現象により検体が流路を安定して流れることができるとともに、感度良く検査することができる。
流路の長さは、検体の種類や検査デバイスの用途等に応じて異なるものであり、例えば、10mm以上とすることができ、100mm以上であることが好ましい。また、上記長さは、1000mm以下とすることができ、500mm以下であることが好ましい。流路の長さが上記範囲であれば、微量の検体で検査が可能である。
流路は、後述するように、検査デバイスが流路内に固定された試薬を有する場合、試薬が固定された試薬担持部を有することができる。試薬担持部は、流路内に試薬が固定されている領域である。
流路は、1つの試薬担持部を有していてもよく、複数の試薬担持部を有していてもよい。試薬担持部の数は、試薬の数や検査デバイスの用途等に応じて適宜選択される。
試薬担持部の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、楕円形状、長方形状、菱形状等が挙げられる。
4.第1基体および第2基体
本開示における第1基体および第2基体は、上記流路を形成するための部材であり、第1基体は、流路の底面側に配置され、第2基体は、流路の天面側に配置される。
第1基体および第2基体は、可撓性を有していてもよく、あるいは剛性を有していてもよい。第1基体および第2基体の少なくともいずれか一方が剛性を有する場合には、検査デバイスの取扱い性が容易になる。また、第1基体および第2基体が可撓性を有する場合には、第1基体および第2基体を薄膜化し、本開示の検査デバイスを薄型化することができ、コストを安くすることができる。
第1基体は、透明であってもよく、不透明であってもよい。また、本開示の検査デバイスを用いて光学的手法により検査を行う場合、第2基体は、透明であることが好ましい。
第1基体および第2基体は、検体を透過しないものであればよく、その材料としては、例えば、プラスチック、シリコーンゴム、ガラス、石英等が挙げられる。プラスチックの例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリカーボネート(PC)、環状ポリオレフィン(COPまたはCOC)、ポリイミド(PI)、ナイロン等のポリアミド等が挙げられる。シリコーンゴムの例としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等が挙げられる。
第1基体の第2基体側の面は、親水性を有することが好ましい。これにより、上記流路の底面および上記導入部の底面を親水性とすることができる。
また、第2基体の第1基体側の面は、親水性を有することが好ましい。これにより、上記流路の天面を親水性とすることができる。
なお、親水性については、上記導入部の項に記載した親水性と同様とすることができる。
第1基体の第2基体側の面および第2基体の第1基体側の面を親水性とするには、例えば、第1基体および第2基体に親水性を有する材料を用いてもよく、また第1基体の第2基体側の面および第2基体の第1基体側の面に親水化処理を施してもよい。
親水化処理方法としては、一般的な方法を適用することができる。例えば、プラズマ処理、グロー処理、コロナ処理、UVオゾン処理等の表面処理方法や、シランカップリング剤等の表面処理剤を用いる方法、シリカを蒸着する方法、親水性高分子を用いて表面処理する方法等が挙げられる。
また、第1基体および第2基体の少なくともいずれか一方は、流路や導入部等となる溝を有していてもよい。溝の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、切削加工、射出成形、フォトリソグラフィ法、レーザーアブレーション法、ホットエンボス法等が挙げられる。
第1基体および第2基体の厚みは、本開示の検査用デバイスの用途に応じて適宜設定されるが、例えば、0.01mm以上とすることができ、0.05mm以上であることが好ましい。また、上記厚みは、0.5mm以下とすることができ、0.25mm以下であることが好ましい。
第1基体および第2基体の大きさ等は、本開示の検査用デバイスの用途に応じて適宜設定される。
5.スペーサ
本開示の検査デバイスは、第1基体および第2基体の間に、スペーサを有することができる。スペーサは、第1基体および第2基体の間に空間を設け、流路および導入部等を形成するための部材である。
スペーサとしては、所定の厚みを有するものであればよく、例えば、接着層、樹脂層等を用いることができる。
接着層には、一般的な接着剤および粘着剤を用いることができる。また、接着層として、例えば両面テープを用いてもよい。
樹脂層としては、例えば樹脂基材を用いてもよい。
スペーサの厚さは、流路の高さと同様とすることができる。
スペーサの平面視形状は、流路や導入部等となる開口部を有する形状となる。
スペーサを配置する方法としては、スペーサの材料等に応じて適宜選択される。例えば、接着層として両面テープを用いる場合、両面テープに打ち抜き加工等により流路および導入部等となる開口部を形成した後、第1基体の一方の面または第2基体の一方の面に両面テープを貼付する方法が挙げられる。また、スペーサとして樹脂層を用いる場合には、樹脂基材に打ち抜き加工等により流路および導入部等となる開口部を形成した後、第1基体の一方の面または第2基体の一方の面に接着剤や粘着剤を介して樹脂基材を貼り合せる方法が挙げられる。
6.空気抜き部
本開示における空気抜き部は、上記流路に接続するように配置され、検体が流路内を移動するときに押し出される空気を外へ逃がすために設けられる部分である。
空気抜き部としては、例えば、空気孔であってもよく、空気抜き流路であってもよい。例えば、図1(a)、(b)において、空気抜き部7は空気孔7aであり、図6(a)、(b)において、空気抜き部7は空気抜き流路7bである。なお、図6(b)は図6(a)のC−C線断面図である。
(1)空気孔
空気孔は、上記流路に接続するように配置され、検体が流路内を移動するときに押し出される空気を外へ逃がすために設けられる孔である。
空気孔の配置位置としては、空気孔が上記流路に接続するように配置される。例えば、上述したように、上記流路が試薬担持部を有する場合には、空気孔は、試薬担持部よりも検体の流れの下流側に配置することができる。また、後述するように、本開示の検査デバイスが吸収体を有する場合には、空気孔は、吸収体と平面視上重なるように配置することができる。また、後述するように、本開示の検査デバイスが液溜部を有する場合には、空気孔は、液溜部と平面視上重なるように配置することができる。
中でも、空気孔は、流路の導入部側とは反対側の端部側に配置されていることが好ましい。
また、空気孔は、第1基体に配置されていてもよく、第2基体に配置されていてもよく、後述のスペーサに配置されていてもよい。すなわち、第1基体が空気孔を有していてもよく、第2基体が空気孔を有していてもよく、スペーサが空気孔を有していてもよい。
空気孔の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、線形状、三角形状、長方形状等が挙げられる。
空気孔の平面視での面積は、任意に設定することができ、例えば、0.01mm以上とすることができ、また10mm以下とすることができる。
空気孔の形成方法としては、例えば、打ち抜き加工、レーザー加工等が挙げられる。
(2)空気抜き流路
空気抜き流路は、上記流路に接続するように配置され、検体が流路内を移動するときに押し出される空気を外へ逃がすために設けられる流路である。
空気抜き流路の配置位置としては、空気抜き流路が上記流路に接続するように配置される。例えば、上述したように、上記流路が試薬担持部を有する場合には、空気抜き流路は、試薬担持部よりも検体の流れの下流側に配置することができる。また、後述するように、本開示の検査デバイスが液溜部を有する場合には、空気抜き流路は、液溜部に接続するように配置することができる。また、後述するように、本開示の検査デバイスが吸収体を有する場合には、空気抜き流路は、吸収体と接するように配置することができる。
中でも、空気抜き流路は、流路の導入部側とは反対側の端部側に配置されていることが好ましい。
空気抜き流路の平面視形状としては、特に限定されないが、例えば6(a)に示すように、流路5と空気抜き流路7bとを合わせた形状をT字状とすることができる。
空気抜き流路の高さ方向の断面形状は、通常、長方形状であるが、例えば、アーチ形状、台形状、三角形状等であってもよい。なお、空気抜き流路の高さ方向とは、第1基体および第2基体の厚み方向である。
空気抜き流路の高さは、上記流路の高さと同様とすることができる。
空気抜き流路の幅は、上記流路の幅と同様とすることができ、例えば、0.1mm以上とすることができ、また0.5mm以下とすることができる。
7.液溜部
本開示における検査デバイスは、上記流路の導入部とは反対側の端部に、液溜部を有することができる。液溜部は、流路を移動してきた検体を保持する空間である。流路の導入部とは反対側の端部に、液溜部が配置されていることにより、検体が導入部に残るのを防ぐことができる。
例えば、図6(a)、(b)において、検査デバイス1は、流路5の導入部4とは反対側の端部に、液溜部14を有する。なお、図6中の説明していない符号については、図1および図4と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
液溜部の底面および天面の少なくともいずれか一方は、親水性を有することが好ましい。これにより、検体が濡れ広がりやすくなり、検体が液溜部内に引き込まれやすくなるからである。液溜部は、底面が親水性を有していてもよく、天面が親水性を有していてもよいが、中でも、底面および天面が親水性を有することが好ましい。さらに、液溜部の側面も、親水性を有することが好ましい。
なお、親水性については、上記導入部の項に記載した親水性と同様とすることができる。
液溜部の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、楕円形状、三角形状、長方形状、台形状、菱形状、ホームベース形状等が挙げられる。
液溜部の高さは、上記流路の高さと同様とすることができる。
液溜部の平面視での面積は、特に限定されるものでなく、検体の量に応じて適宜設定される。
8.吸収体
本開示の検査デバイスは、上記流路の導入部とは反対側の端部に、吸収体を有することができる。吸収体は、流路を移動してきた検体を保持する部材である。流路の導入部とは反対側の端部に、吸収体が配置されていることにより、流路抵抗を大きくすることができ、本開示の検査デバイスを用いて検査を行う際に、流路内において、抗原抗体反応等の反応の効率を良くすることができる。
吸収体は、検体を吸収可能なものであれば特に限定されない。吸収体の材料としては、例えば、セルロース繊維、吸水性ポリマー、ポリビニルアルコールスポンジ、ポリウレタンスポンジ等が挙げられる。
吸収体の配置位置としては、吸収体が上記流路の導入部とは反対側の端部に配置されていればよいが、上述したように、本開示の検査デバイスが液溜部を有する場合には、吸収体は液溜部に配置されていることが好ましい。すなわち、本開示の検査デバイスは、液溜部内に吸収体を有することが好ましい。この場合、吸収体は、液溜部内の一部に配置されていてもよく、液溜部内の全部に配置されていてもよい。
吸収体の厚みは、上記流路の高さ以下とすることができ、流路の高さと同じであってもよく、流路の高さより薄くてもよい。
吸収体の平面視形状は、上記液溜部の平面視形状と同様とすることができる。
また、吸収体の平面視での面積は、検体の量に応じて適宜設定される。
9.試薬
本開示の検査デバイスは、上記流路内に固定された試薬を有することができる。
試薬としては、検体の種類や検査デバイスの用途に応じて適宜選択されるものであり、例えば、核酸、タンパク質、抗体、酵素、基質、糖類、ポリオール、界面活性剤、抗凝固剤等が挙げられる。試薬は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
例えば、本開示の検査デバイスを抗原抗体反応を利用する検査に用いる場合、試薬は、抗体とすることができる。具体的には、抗体は、検体に含まれる抗原と結合する抗体とすることができる。また、検体に含まれる抗原と結合する抗体は、アルカリホスファターゼ(ALP)やペルオキシダーゼ(HRP)等の酵素、金コロイド、蛍光色素等の標識物質で標識された標識抗体であってもよい。また、抗体は、検体に含まれる抗原と抗体とが結合した免疫複合体に結合する捕捉抗体や、標識物質で標識した抗体に結合する捕捉抗体であってもよい。より具体的には、検査デバイスは、試薬として、検体に含まれる抗原と結合する標識抗体を有することができ、検体に含まれる抗原と標識抗体とが結合した免疫複合体と結合する捕捉抗体をさらに有することができ、標識抗体と結合する捕捉抗体をまたさらに有することができる。
また、試薬として、目的に応じて、例えば、3,3’,5,5'−テトラメチルベンジジン(TMB)やニトロブルーテトラゾリウムクロライド(NBT)と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート(BCIP)の組合せ等の酵素の基質、スクロースやトレハロース等の糖類、グリセロールやポリエチレングリコール(PEG)等のポリオール、商品名「Tween20」として知られているポリオキシエチレンソルビタンモノラウラートや商品名「Triton−X100」として知られているポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の界面活性剤、ヘパリンやエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)等の抗凝固剤等を用いてもよい。
また、上述したように、流路は、試薬が固定された試薬担持部を1つまたは複数有することができ、流路が試薬担持部を複数有する場合、各試薬担持部に固定される試薬は、検査デバイスの用途等に応じて適宜選択される。
流路内に試薬を固定する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、第1基体の第2基体側の面に試薬を担持する方法が挙げられる。試薬の担持方法としては、一般的な方法を適用することができる。
また、試薬は、流路内ではなく、導入部内に固定することもでき、この場合、上記濾材に試薬を担持させることができる。
10.固定部
本開示の検査デバイスは、上記濾材を固定する固定部を有することができる。固定部により、濾材が固定され、導入部からの濾材の脱落を防ぐことができる。
固定部の配置位置としては、上記濾材の配置位置や上記導入部が有する導入口の配置位置等に応じて適宜選択される。例えば、濾材が導入部内に充填されている場合、固定部は、通常、濾材の導入口側の面に配置される。具体的には、濾材が導入部内に充填されており、導入部の天面に導入口が配置されている場合、固定部は、通常、濾材の上部に配置される。
また、固定部は、通常、上記濾材の一部を覆うように配置される。例えば、固定部は、導入部の導入口側の面に平行な面において、濾材の全周に配置されていてもよく、濾材の周囲の一部に配置されていてもよい。導入部の導入口側の面に平行な面において、固定部が濾材の全周に配置されている場合、固定部は、通常、導入部の導入口側の面に平行な面において濾材と重なる開口部を有する。固定部が上記開口部を有する場合、この開口部では濾材が露出した状態となり、この開口部から検体を導入することができる。
固定部としては、濾材を固定することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、粘着テープを用いることができる。
固定部の形状および面積は、上記導入部の形状および面積等に応じて適宜設定することができる。
また、固定部が上記開口部を有する場合、開口部の形状および面積は、検体の量に応じて適宜設定することができる。
11.筐体
本開示の検査デバイスは、上記第1基体および上記第2基体を収容する筐体を有することができる。筐体によって、第1基体および第2基体を保護するとともに、第1基体および第2基体の変形を抑制することができる。また、第1基体および第2基体の変形が抑制されるため、精度良く検査を行うことができる。
筐体は、透明であってもよく不透明であってもよい。
筐体は、通常、剛性を有する。
筐体は、通常、上記導入部の導入口側の面に平行な面において、導入部と重なる開口部を有する。この開口部では濾材が露出した状態となり、この開口部から検体を導入することができる。
また、筐体が不透明である場合には、筐体は、平面視において、他の開口部を有することができる。例えば、上述したように、流路が試薬が固定された試薬担持部を有する場合、筐体は、平面視において、試薬担持部と重なる開口部を有することができる。
図7は、本開示の検査デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図であり、図7(b)は図7(a)のD−D線断面図である。図7(a)、(b)に示すように、検査デバイス1は、第1基体2および第2基体3を収容する筐体21を有することができる。筐体21は、導入部4と平面視上重なる第1開口部22を有することができる。検査デバイス1においては、第1開口部22から検体を導入することができる。また、例えば、流路5が、テスト用捕捉抗体である第2試薬12が固定されている第2試薬担持部12Sを有する場合、筐体21は、第2試薬担持部12Sと平面視上重なる第2開口部23を有することができる。さらに、例えば、流路5が、コントロール用捕捉抗体である第3試薬13が固定されている第3試薬担持部13Sを有する場合、筐体21は、第3試薬担持部13Sと平面視上重なる第3開口部24を有することができる。検査デバイス1においては、検査時に、第2開口部23および第3開口部24から呈色の有無等を確認することができる。なお、図7中の説明していない符号については、図1および図4と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
筐体が有する開口部の平面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、楕円形状、三角形状、長方形状等が挙げられる。
開口部の平面視での面積は、任意に設定することができる。
筐体としては、第1基体および第2基体を保護し、第1基体および第2基体の変形を抑制することができるものであれば特に限定されるものではなく、その材料としては、例えば、プラスチックが挙げられる。
筐体の作製方法としては、例えば、射出成形等を用いることができる。
筐体の大きさは、第1基体および第2基体の大きさや、検査デバイスの用途等に応じて適宜選択される。
12.検体
本開示の検査デバイスに適用される検体としては、検査対象成分および検査対象外の成分を含むものであればよいが、中でも、免疫検査に用いられる検体であることが好ましい。具体的には、血液(全血)、血漿、血清、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、うがい液、鼻汁、尿、唾液、涙等が挙げられる。中でも、血液(全血)が好ましい。血液検査では、種々の検査を行うことができるからである。
13.検査デバイスの製造方法
本開示の検査デバイスの製造方法としては、特に限定されない。
図8および図9は、本開示の検査デバイスの製造方法の一例を示す工程図であり、平面図および平面図のE−E線断面図を示している。まず、図8(a)に示すように、第1基体2と、所定の開口部を有するスペーサ8とを貼り合せる。次いで、図8(b)に示すように、第1基体2のスペーサ8側の面に、試薬を固定する。例えば、第1基体2のスペーサ8側の面に、試薬として、標識抗体である第1試薬11と、テスト用捕捉抗体である第2試薬12と、コントロール用捕捉抗体である第3試薬13とをそれぞれ固定することができる。また、第1基体2のスペーサ8側の面に、吸収体9を配置する。次に、図8(c)に示すように、スペーサ8の第1基体2とは反対側の面と、第2基体3とを貼り合せる。これにより、流路5が形成される。続いて、図8(d)に示すように、第2基体3を加工して開口部を形成し、導入部4および空気孔7aを形成する。第2基体2は、開口部を形成する前にスペーサ8と貼り合せてもよく、開口部を形成した後にスペーサ8と貼り合せてもよい。次に、図9(a)に示すように、導入部4内に濾材6を配置する。次いで、図9(b)に示すように、濾材6の上部に固定部10を配置する。
14.用途
本開示の検査デバイスは、種々の検査に用いることができる。例えば、本開示の検査デバイスは、抗原抗体反応を利用した検査に適用することができる。また、本開示の検査デバイスを用いた検査においては、光学的手法を用いてもよく、電気化学的手法を用いてもよい。電気化学的手法の場合、本開示の検査デバイスは、流路内に、電極を有することができる。
また、本開示の検査デバイスは、例えば、それ単体で検査を行うこともでき、また、交換可能なカートリッジとして用いることもできる。
本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
まず、UVオゾン処理で親水化処理したPETフィルム(厚み:0.1mm)を準備した。このとき、PETフィルムの親水化処理面における水の静的接触角は約30°であった。次に、両面テープ(芯材:PET、厚み:0.1mm)を図8(a)のスペーサと同じ形状に切り抜いた。この両面テープの一方の面をPETフィルムの親水化処理面に貼り付けた。続いて、図8(b)に示すように、PETフィルムが露出した部分に、金コロイド標識モノクローナル抗体を担持したセルロース繊維ろ紙(厚み:0.1mm)と、検体中の抗原に結合するモノクローナル抗体を担持したセルロース繊維ろ紙(厚み:0.1mm)と、上記金コロイド標識モノクローナル抗体に結合するモノクローナル抗体を担持したセルロース繊維ろ紙(厚み:0.1mm)と、吸収体としてのセルロース繊維ろ紙(厚み:0.1mm)とをそれぞれ左側から順に配置した。そして、図8(c)に示すように、両面テープの他方の面に、同じくUVオゾン処理で親水化処理したPETフィルム(厚み:0.1mm)を貼り付けた。その後、図8(d)に示すように、カッティングプロッタを用いて、上側のPETフィルムに導入部および空気孔となる開口部を形成した。次に、図9(a)に示すように、導入部内に粒子保持能1.6μmのガラス繊維濾材(厚み:0.2mm)を充填した。最後に、図9(b)に示すように、導入部の上部に、開口部を有する粘着テープ(厚み:0.05mm)を貼り付けた。得られた検査デバイスの寸法は8mm×50mm、ガラス繊維濾材が露出している部分の寸法は4mm×2mm、流路の全長(吸収体含む)は40mm、流路幅は0.5mm、試薬担持膜(3種)の寸法は3mm×3mmとした。
得られた検査デバイスに、検体として10μLのウマ血液(全血)を滴下したところ、血液は30秒以内にガラス繊維濾材を通過し、流路に侵入した。流路を流れる流体は黄色透明であった。これは血液から血球成分が除去されたもの、すなわち血漿成分であると考えられる。そして、約2分後、すべての流体が吸収体に吸収された。流路を位相差顕微鏡で観察したところ、血球成分はまったく観察されなかった。以上の結果より、本開示の検査デバイスは血球成分をほぼ完全に除去できることがわかった。
1 … 検査デバイス
2 … 第1基体
3 … 第2基体
4 … 導入部
5 … 流路
6 … 濾材
7 … 空気抜き部
8 … スペーサ
9 … 吸収体
10 … 固定部

Claims (13)

  1. 第1基体と、
    前記第1基体に対向する第2基体と、
    前記第1基体の前記第2基体側の面に配置され、検体を導入する導入部と、
    前記第1基体および前記第2基体の間の、前記導入部から水平方向に延びる流路と、
    前記導入部内の濾材と、
    前記流路に接続する空気抜き部と、を有し、
    前記濾材が、前記導入部と前記流路との境界部分に接している、検査デバイス。
  2. 前記濾材が、前記導入部の底面に接している、請求項1に記載の検査デバイス。
  3. 前記導入部が、前記濾材で満たされている、請求項1または請求項2に記載の検査デバイス。
  4. 前記濾材が深層濾過用濾材である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の検査デバイス。
  5. 前記濾材が繊維濾材である、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の検査デバイス。
  6. 前記濾材が親水性繊維を含む、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の検査デバイス。
  7. 前記濾材がガラス繊維を含む、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の検査デバイス。
  8. 前記濾材の粒子保持能が0.1μm以上、10μm以下の範囲内である、請求項1から請求項7までのいずれかに記載の請求項に記載の検査デバイス。
  9. 前記流路の底面および天面の少なくともいずれか一方が親水性を有する、請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の検査デバイス。
  10. 前記流路の底面および天面の少なくともいずれか一方の水の静的接触角が60度以下である、請求項9に記載の検査デバイス。
  11. 前記流路内に固定された試薬を有する、請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の検査デバイス。
  12. 前記流路の前記導入部とは反対側の端部に、吸収体を有する、請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載の検査デバイス。
  13. 前記第1基体および前記第2基体を収容する筐体を有する、請求項1から請求項12までのいずれかの請求項に記載の検査デバイス。
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WO2023068301A1 (ja) * 2021-10-22 2023-04-27 日東電工株式会社 検出プレート用積層体

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