JP2019112946A - パルセーションダンパ、及び燃料供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイアフラムの共振を好適に抑制できるパルセーションダンパ、及び燃料供給システムを提供する。【解決手段】燃料ポンプ(20)を備える燃料供給システム(10)に適用され、燃料ポンプに低圧燃料を供給する供給経路から分岐する連通経路に設けられるパルセーションダンパ(40)であり、内部空間を有するケーシング(50)と、内部空間を、連通経路側から第1領域と第2領域と第3領域とに区画する第1ダイアフラム部(60)及び第2ダイアフラム部(80)と、を備え、第1ダイアフラム部は、第1ダイアフラム(62)を含み、第2ダイアフラムは、第2ダイアフラム(82)を含み、第1ダイアフラム及び第2ダイアフラムに低圧燃料が供給される状態と、第1ダイアフラムに低圧燃料が供給され、第2ダイアフラムに低圧燃料が供給されない状態と、を切り替える状態切替部(70、170)を備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、パルセーションダンパを備える燃料供給システムにおいてダイアフラムの共振を抑制可能なパルセーションダンパ、及び燃料供給システムに関する。
従来、プランジャの往復移動により加圧室の容積を変化させ、燃料を周期的に吸入及び吐出する燃料ポンプが知られている。特許文献1に開示された高圧ポンプでは、高圧ポンプに低圧燃料を供給する供給経路に対して分岐して設けられるパルセーションダンパを備える。パルセーションダンパは、ダイアフラムを含み、該ダイアフラムが低圧燃料の圧力変動に応じて変形することにより、低圧燃料の圧力脈動を低減する。
低圧燃料の圧力脈動の周波数がダイアフラムの固有振動数に一致すると、ダイアフラムの振幅が大きくなる現象、すなわち共振が生じる。ダイアフラムの共振が生じると、低圧燃料の圧力脈動の振幅(以下、脈動振幅という)が増大する。特許文献1では、ダイアフラムを構成する2枚の金属板により区画形成される遮蔽空間内に、両方の金属板に接触する弾性部材を設けることにより、ダイアフラムが共振する際における低圧燃料の脈動振幅の増大を抑制している。
特開2013−213488号公報
低圧燃料の供給経路においては、プランジャの往復移動に伴い低圧燃料の吸入が周期的に実施されるのに起因して、低圧燃料の圧力脈動が生じる。そのため、単位時間当たりのプランジャの往復移動回数を示す高圧ポンプの回転速度が、ダイアフラムの固有振動数に対応する固有回転速度となると、ダイアフラムが共振する。上記のパルセーションダンパでは、ダイアフラムの固有振動数が一定であるため、高圧ポンプの回転速度が固有回転速度となることを回避することができないため、ダイアフラムの共振を抑制することができない。
本発明は、上記実情に鑑み、ダイアフラムの共振を好適に抑制できるパルセーションダンパ、及び燃料供給システムを提供することを目的とする。
本発明は、燃料を周期的に吸入及び吐出する燃料ポンプを備える燃料供給システムに適用され、前記燃料ポンプに低圧燃料を供給する供給経路から分岐する連通経路に設けられるパルセーションダンパであって、前記連通経路に連通する内部空間を有するケーシングと、前記内部空間を、前記連通経路側から第1領域と、第2領域と、第3領域と、に区画する第1ダイアフラム部及び第2ダイアフラム部と、を備え、前記第1ダイアフラム部は、第1ダイアフラムを含み、前記第1領域と前記第2領域とを区画し、前記第2ダイアフラム部は、第2ダイアフラムを含み、前記第2領域と前記第3領域とを区画し、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムに前記低圧燃料が供給される第1状態と、前記第1ダイアフラムに前記低圧燃料が供給され、かつ、前記第2ダイアフラムに前記低圧燃料が供給されない第2状態と、を切り替える状態切替部を備える。
本発明のパルセーションダンパは、第1ダイアフラム及び第2ダイアフラムに低圧燃料が供給される第1状態と、第1ダイアフラムに低圧燃料が供給され、かつ、第2ダイアフラムに低圧燃料が供給されない第2状態とを切り替える状態切替部を備える。そのため、第1ダイアフラム及び第2ダイアフラムに低圧燃料が供給されると、第1ダイアフラムと第2ダイアフラムとが共振する場合には、状態切替部を第2状態に切り替え、第1ダイアフラムのみが変形するように切り替えることで、第1ダイアフラムと第2ダイアフラムとの共振を抑制することができる。また、第1ダイアフラムに低圧燃料が供給され、第2ダイアフラムに低圧燃料が供給されないと、第1ダイアフラムが共振する場合には、状態切替部を第1状態に切り替え、第1ダイアフラムと第2ダイアフラムとが変形するように切り替えることで、第1ダイアフラムの共振を抑制することができる。これにより、第1ダイアフラム及び第2ダイアフラムの共振を好適に抑制することができる。
また、本発明は、上記のパルセーションダンパを含む燃料供給システムを提供する。本発明の燃料供給システムは、燃料を周期的に吸入及び吐出する燃料ポンプと、前記燃料ポンプに低圧燃料を供給する供給経路から分岐する連通経路に設けられ、前記燃料ポンプと一体に、または、前記燃料ポンプと別体に設けられた上記のパルセーションダンパと、を備える。
燃料供給システムを示す概略図。 第1実施形態に係るダンパを示す図。 第1実施形態に係る状態切替部の切替動作を説明する図。 ポンプ回転速度Rと圧力ピーク値Pとの関係を示すグラフ。 第2実施形態に係るダンパを示す図。 第2実施形態に係る状態切替部の切替動作を説明する図。 第3実施形態に係るダンパを示す図。 第4実施形態に係るダンパを示す図。 他の実施形態に係るダンパを示す図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るパルセーションダンパ(以下、単にダンパという)が適用される燃料供給システム10について、図面を参照しつつ説明する。燃料供給システム10は、ディーゼルエンジン(以下、エンジンという)に適用される燃料供給システムである。
図1に示すように、本実施形態に係る燃料供給システム10は、燃料タンク11と、低圧ポンプ12と、低圧配管13と、燃料フィルタ14と、接続コネクタ15と、高圧ポンプ20と、高圧配管30と、回収配管31と、制御装置32と、を備えている。
低圧ポンプ12は、電動式のポンプであり、燃料タンク11の内部に配置されている。低圧ポンプ12は、燃料タンク11に蓄えられた燃料(軽油)を吸入し、低圧配管13に低圧燃料を吐出する。低圧配管13は、低圧ポンプ12と高圧ポンプ20とを接続する金属製の配管であり、低圧ポンプ12から吐出された低圧燃料を高圧ポンプ20に供給する供給経路を形成している。燃料フィルタ14は、低圧配管13における低圧ポンプ12と高圧ポンプ20との中間位置に配置されるフィルタであり、低圧配管13内を搬送される低圧燃料を濾過する。接続コネクタ15は、プラスチック製のコネクタであり、高圧ポンプ20と低圧配管13とを接続する。接続コネクタ15は、金属製の低圧配管13に比べて強度が低く、低圧燃料の圧力における限界のピーク値は、限界圧力Pg(図4参照)に設定されている。
高圧ポンプ20は、エンジンの回転により燃料を周期的に吸入及び吐出するポンプである。高圧ポンプ20は、シリンダボディ21と、吸入弁23と、供給弁24と、プランジャ25と、バネ26と、吐出弁27と、カム28と、回転軸29と、ダンパ40と、を備えている。高圧ポンプ20は、燃料ポンプの一例である。
シリンダボディ21には、加圧室22が形成されている。低圧配管13により高圧ポンプ20に供給された低圧燃料は、シリンダボディ21に形成された供給経路21aを介して加圧室22に供給される。吸入弁23は、供給経路21aを開閉する電磁弁であり、加圧室22に供給される低圧燃料の量を調整する。供給弁24は、加圧室22内に配置された弾性弁であり、加圧室22から低圧配管13への低圧燃料の逆流を防止する。
プランジャ25は、シリンダボディ21により往復動自在に支持されている。プランジャ25は、エンジンの回転により回転軸29周りを回転するカム28により駆動される。また、プランジャ25は、プランジャ25の拡張部25aと干渉するバネ26の弾性力により移動が規制される。プランジャ25は、カム28の駆動力とバネ26の弾性力により、往復動する。プランジャ25の往復動により、加圧室22の容積が増加すると、低圧配管13から加圧室22内へ低圧燃料が吸入される。また、プランジャ25の往復動により、加圧室22の容積が減少すると、加圧室22内の低圧燃料が加圧される。加圧室22内で加圧された燃料は、高圧配管30に吐出され、高圧配管30を介してエンジンへと供給される。吐出弁27は、加圧室22内に配置された弾性弁であり、高圧配管30から加圧室22への燃料の逆流を防止する。回収配管31は、エンジン停止時に低圧配管13及び加圧室22に残存する供給経路の残存燃料を、燃料タンク11に回収するための配管である。
制御装置32は、高圧ポンプ20に吸入される低圧燃料の吸入量を制御するECU(Electronic Control Unit)であり、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンにより構成されている。制御装置32は、カム28の単位時間当たりの回転数を測定することにより高圧ポンプ20の回転速度(以下、ポンプ回転速度という)Rを取得し、取得したポンプ回転速度Rにより吸入弁23の開閉を制御する。
ダンパ40は、高圧ポンプ20に供給される低圧燃料の圧力脈動を低減するものである。ダンパ40は、供給経路21aから分岐する連通経路21bの一端に設けられている。連通経路21bは、シリンダボディ21に形成されており、吸入弁23よりも上流側に位置する分岐点Bにおいて供給経路21aから分岐している。
図2(a)に示すように、ダンパ40は、ケーシング50と、第1ダイアフラム部60と、第2ダイアフラム部80と、を備える。
まず、ケーシング50について説明する。ケーシング50は略円柱状をしており、ケーシング50の内部には、連通経路21bを介して供給経路21aに連通する内部空間51が形成されている。ケーシング50の軸方向(以下、単に軸方向という)Xにおける一方の端面52には、連通経路21bに連結するための連結部53が設けられている。連結部53は、中空の円筒状をしており、端面52の略中央から軸方向Xに延びている。連結部53には、連通経路21bと連結するためのねじ山(図示されない)が形成されている。
次に、第1ダイアフラム部60及び第2ダイアフラム部80について説明する。第1ダイアフラム部60は、内部空間51内に設けられており、内部空間51を、連通経路21b側、つまり連結部53側の第1領域R1と、連通経路21bとは反対側の第2領域R2及び第3領域R3と、に区画している。第2ダイアフラム部80は、内部空間51内において、第1ダイアフラム部60に対して連通経路21bとは反対側に設けられており、内部空間51を、連通経路21b側の第2領域R2と、連通経路21bとは反対側の第3領域R3と、に区画している。つまり、第1ダイアフラム部60及び第2ダイアフラム部80は、内部空間51を、連通経路21b側から第1領域R1と、第2領域R2と、第3領域R3と、に区画している。
第1ダイアフラム部60は、第1ベースプレート61と第1ダイアフラム62とを備える。第1ベースプレート61は、円形をした金属製の平板であり、軸方向Xに直交する向きに配置されている。第1ベースプレート61の外縁部61aは、全周に亘ってケーシング50に固定されている。
第1ダイアフラム62は、第1ベースプレート61の連通経路21b側、つまり第1領域R1側に配置されている。第1ダイアフラム62は金属製の薄板であり、その中央部62aが連通経路21b側に突出した皿状をしている。第1ダイアフラム62の外縁部62bは、全周に亘って第1ベースプレート61に固定されている。これにより、第1ダイアフラム部60には、内部空間51に対し隔離された遮蔽空間63が区画形成される。なお、遮蔽空間63には、所定圧の不活性ガスが封入されている。
第1ダイアフラム62の中央部62aと外縁部62bと間には、中央部62aと外縁部62bとを接続する傾斜部62cが設けられている。傾斜部62cは、ケーシング50の径方向に拡径するのに伴って連通経路21bとは反対側に傾斜している。
第1ダイアフラム62は、軸方向X視で第1ベースプレート61の略中央に配置されている。第1ベースプレート61の第1ダイアフラム62の外側に位置する外周部61bには、複数の貫通孔64が形成されている。貫通孔64は、第1領域R1と第2領域R2とを連通しており、ケーシング50の周方向において等間隔に配置されている。なお、第1ダイアフラム部60には、ダイアフラムとして第1ダイアフラム62のみが含まれており、他のダイアフラムは含まれていない。
第2ダイアフラム部80は、第2ベースプレート81と第2ダイアフラム82とを備える。なお、第2ダイアフラム部80は、第1ダイアフラム部60と略同一の構造をしているため、第1ダイアフラム部60の符号に「20」を加えた符号を伏して、その説明を省略する。なお、第2ダイアフラム部80には、ダイアフラムとして第2ダイアフラム82のみが含まれており、他のダイアフラムは含まれていない。
図3に示すように、第1ダイアフラム62は、第1領域R1の圧力に応じて弾性変形(以下、単に変形という)可能であり、第2ダイアフラム82は、第2領域R2の圧力に応じて変形可能である。例えば、図3(c)に示すように、第1領域R1の圧力が遮蔽空間63の不活性ガスの圧力よりも大きくなると、第1ダイアフラム62の中央部62aは第1ベースプレート61側に変形する。同様に、第2領域R2の圧力が遮蔽空間83の不活性ガスの圧力よりも大きくなると、第2ダイアフラム82の中央部82aは第2ベースプレート81側に変形する。これにより遮蔽空間63、83の容積が小さくなると、内部空間51に収容可能な低圧燃料の容積が大きくなり、低圧燃料の圧力の上昇が抑制される。
また、図3(a)、(b)に示すように、第1領域R1の圧力が遮蔽空間63の不活性ガスの圧力よりも小さくなると、第1ダイアフラム62の中央部62aは第1ベースプレート61とは反対側に変形する。同様に、第2領域R2の圧力が遮蔽空間83の不活性ガスの圧力よりも小さくなると、第2ダイアフラム82の中央部82aは第2ベースプレート81とは反対側に変形する。これにより遮蔽空間63、83の容積が大きくなると、内部空間51に収容可能な低圧燃料の容積が小さくなり、低圧燃料の圧力の低下が抑制される。これにより、低圧燃料の圧力脈動が低減される。
一方、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とはそれぞれ別々の固有振動数を有している。また、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とが同時に使用される場合には、各固有振動数とは異なる合成固有振動数を有する。第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とが同時に使用される場合に、低圧燃料の圧力脈動の周波数が第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82との合成固有振動数(以下、単に合成固有振動数という)に一致すると、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82との振動の幅が大きくなる現象、すなわち共振が生じる。
低圧燃料の供給経路21aにおいては、プランジャ25の往復動に伴い高圧ポンプ20への低圧燃料の吸入が周期的に実施されるのに起因して、低圧燃料の圧力脈動が生じる。そのため、ポンプ回転速度Rが合成固有振動数に対応する合成固有回転速度Rc(図4参照)と等しくなると、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とが共振する。第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82との共振が生じると、低圧燃料の脈動振幅が増大する。これにより、低圧配管13の圧力のピーク値(以下、圧力ピーク値という)Pが接続コネクタ15の限界圧力Pgを超えた場合、接続コネクタ15に不具合が生じることが懸念される。
本実施形態のダンパ40は、上記問題を解決するために、状態切替部70を備える。状態切替部70は、第1ダイアフラム62及び第2ダイアフラム82に低圧燃料が供給される第1状態と、第1ダイアフラム62に低圧燃料が供給され、かつ、第2ダイアフラム82に低圧燃料が供給されない第2状態と、を切り替える。本実施形態のダンパ40では、状態切替部70が第1状態と第2状態とを切り替えることで、低圧燃料の脈動低減に用いられるダイアフラムの数を切り替える。これにより、低圧燃料の脈動低減に用いられるダイアフラムの固有振動数が切り替わり、圧力ピーク値Pが接続コネクタ15の限界圧力Pgを超えないように制御している。以下に、その原理を説明する。
図4には、第1ダイアフラム62のみを用いる状態におけるポンプ回転速度Rと圧力ピーク値Pとの関係を示すグラフF1(破線)と、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とを用いる状態におけるポンプ回転速度Rと圧力ピーク値Pとの関係を示すグラフF2(一点鎖線)と、が示されている。グラフF1とグラフF2とは、交点Mにより交差している。以下、交点Mにおける圧力ピーク値Pを基準圧力値Pmと呼び、交点Mにおけるポンプ回転速度Rを基準回転速度Rmと呼ぶ。また、ポンプ回転速度Rが基準回転速度Rm以下の領域を低回転速度領域Rdと呼び、ポンプ回転速度Rが基準回転速度Rm以上の領域を高回転速度領域Ruと呼ぶ。なお、本実施形態では、基準回転速度Rmは約1500rpmである。そのため、低回転速度領域Rdはアイドリング時の回転速度領域に相当し、高回転速度領域Ruは走行時の回転速度領域に相当する。
第1ダイアフラム62のみを用いる状態におけるグラフF1では、ポンプ回転速度Rが第1ダイアフラム62の固有振動数に対応する単独固有回転速度Rfと等しくなると、第1ダイアフラム62が共振し、圧力ピーク値Pが限界圧力Pgを超える。一方、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82との両方を用いる状態におけるグラフF2では、ポンプ回転速度Rが合成固有回転速度Rcと等しくなると、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とが共振し、圧力ピーク値Pが限界圧力Pgを超える。
本発明者は、単独固有回転速度Rfと合成固有回転速度Rcとが互いに異なる領域に存在することに気が付いた。状態切替部70は、この知見に基づいて、第1ダイアフラム62のみを用いる状態と、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82との両方を用いる状態と、を切り替えて用い、圧力ピーク値Pが限界圧力Pgを超えることを抑制するための構成である。
具体的には、状態切替部70は、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82との両方を用いる状態を、第1ダイアフラム62及び第2ダイアフラム82に低圧燃料が供給される第1状態により実現する。また、状態切替部70は、第1ダイアフラム62のみを用いる状態を、第1ダイアフラム62に低圧燃料が供給され、かつ、第2ダイアフラム82に低圧燃料が供給されない第2状態により実現する。そして、第1状態と第2状態とを切り替え可能とすることで、ポンプ回転速度Rによらず圧力ピーク値Pが限界圧力Pgを超えることを抑制することが可能となった。
次に、状態切替部70について説明する。図2に示すように、状態切替部70は、連通部材71と第1ダイアフラム62とを備える。つまり、第1ダイアフラム62は、第1ダイアフラム部60の一部を構成するとともに、状態切替部70の一部を構成する。
連通部材71は、円環状をなす金属製の平板であり、第1ベースプレート61の連通経路21b側に、軸方向Xに直交する向きに配置されている。連通部材71の板厚は、第1ダイアフラム62の板厚よりも厚く、第1領域R1の圧力に応じて変形することが抑制されている。連通部材71の外縁部71aは、全周に亘ってケーシング50に固定されている。連通部材71には、第1領域R1と第2領域R2とを連通する貫通孔73が形成されている。
貫通孔73は、連通部材71の略中央に配置されており、連通経路21bに対向する位置に配置されている。また、貫通孔73は、第1ダイアフラム62の中央部62aと傾斜部62cとに対向する。そのため、第1ダイアフラム62の中央部62aと傾斜部62cとは、貫通孔73を介して、連通経路21bに対向する位置に配置されている。貫通孔73の径は、中央部62aの外径よりも大きく、中央部62aは貫通孔73を挿通可能に設けられている。
上述したように、第1ダイアフラム62は、第1領域R1の圧力により変形可能であり、貫通孔73は、第1ダイアフラム62の変形により開閉される。例えば、図3(c)に示すように、第1領域R1の圧力が遮蔽空間63の不活性ガスの圧力よりも大きくなると、第1ダイアフラム62の中央部62aが第1ベースプレート61側に変形する。第1領域R1の圧力が後述する所定圧力以上となると、第1ダイアフラム62は連通部材71から離間した状態となる。これにより、貫通孔73が開放されて第1領域R1と第2領域R2とが連通し、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とに低圧燃料が供給される第1状態が実現される。
また、図3(a)、(b)に示すように、第1領域R1の圧力が所定圧力よりも小さくなると、第1ダイアフラム62は第1ダイアフラム62の中央部62aが連通部材71側に変形する。この結果、第1ダイアフラム62の中央部62aは、連通部材71よりも連通経路21b側に突出し、第1ダイアフラム62の傾斜部62cが連通部材71の貫通孔73周りの側面と接触する。これにより、貫通孔73が閉鎖されて第1領域R1と第2領域R2とが遮断され、貫通孔73が閉鎖された状態となり、第1ダイアフラム62に低圧燃料が供給され、かつ、第2ダイアフラム82に低圧燃料が供給されない第2状態が実現される。
つまり、第1ダイアフラム62は、第1領域R1の圧力により変形し、状態切替部70は、第1ダイアフラム62の変形により第1状態と第2状態とを切り替える。本実施形態の状態切替部70では、第1状態と第2状態とを切り替える所定圧力が、基準圧力値Pm(図4参照)と等しくなるように設定されている。従って、第1ダイアフラム62は、ポンプ回転速度Rが基準回転速度Rm以上となり、圧力ピーク値Pが基準圧力値Pm以上となると、第1状態となる。第1状態では、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とが低圧燃料の脈動低減に用いられ、その固有振動数が合成固有回転速度Rcとなる。図4に示すように、合成固有回転速度Rcは基準回転速度Rmよりも小さなポンプ回転速度Rに設定されている。そのため、高回転速度領域Ruにおいて圧力ピーク値Pが限界圧力Pgを超えることを抑制することができる。
また、第1ダイアフラム62は、ポンプ回転速度Rが基準回転速度Rmよりも小さく、圧力ピーク値Pが基準圧力値Pmよりも小さくなると、第2状態となる。第2状態では、第1ダイアフラム62のみが低圧燃料の脈動低減に用いられ、その固有振動数が単独固有回転速度Rfとなる。図4に示すように、単独固有回転速度Rfは基準回転速度Rm以上のポンプ回転速度Rに設定されている。そのため、低回転速度領域Rdにおいて圧力ピーク値Pが限界圧力Pgを超えることを抑制することができる。
すなわち、本実施形態のダンパ40によれば、すべてのポンプ回転速度Rにおいて、圧力ピーク値Pが限界圧力Pgを超えることを抑制することができる。なお、第1状態と第2状態とを切り替える所定圧力は、貫通孔73の開口面積や第1ダイアフラム62の材質を含む複数のパラメータによって、基準圧力値Pmと等しくなるように調整される。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
ダンパ40は、第1状態と第2状態とを切り替える状態切替部70を備える。そのため、第1ダイアフラム62及び第2ダイアフラム82に低圧燃料が供給されると、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とが共振する場合には、状態切替部70を第2状態に切り替え、第1ダイアフラム62のみが変形するように切り替える。これにより、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82との共振を抑制することができる。また、第1ダイアフラム62に低圧燃料が供給され、第2ダイアフラム82に低圧燃料が供給されないと、第1ダイアフラム62が共振する場合には、状態切替部70を第1状態に切り替える。これにより、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とが変形するように切り替えることで、第1ダイアフラム62の共振を抑制することができる。このダンパ40によれば、第1ダイアフラム62及び第2ダイアフラム82の共振を好適に抑制することができる。これにより、低圧燃料の脈動振幅が増大することを好適に抑制することができる。
状態切替部70は、第1ダイアフラム部60の第1ダイアフラム62の変形により第1状態と第2状態とを切り替える。そのため、状態切替部70は、第1ダイアフラム62とは別に第1状態と第2状態とを切り替えるための部材を有する必要がなく、ダンパ40の構成を簡略化することができる。
第1ダイアフラム部60では、第1ベースプレート61の第1領域R1側に第1ダイアフラム62が設けられ、第1ベースプレート61と第1ダイアフラム62との間に遮蔽空間63が形成されている。そのため、遮蔽空間63が形成されていない構成に比べて、第1領域R1圧力に対する第1ダイアフラム62の変形感度が低下するものとなっている。従って、第1領域R1において、周期的に実施される高圧ポンプ20への低圧燃料の吸入に応じた状態切替が生じにくくなり、過度に状態切替が生じることを抑制することができる。
第1ダイアフラム62は、第1領域R1の圧力により変形する。そのため、第1状態と第2状態とを切り替えるためのアクチュエータを備える必要がなく、ダンパ40の構成を簡略化することができる。
具体的には、第1ダイアフラム62は、第1領域R1の圧力が基準圧力値Pm以上となり、それに伴って、高圧ポンプ20のポンプ回転速度Rが基準回転速度Rm以上となる場合に、連通部材71から離間し、貫通孔73を開放する。また、第1ダイアフラム62は、第3領域R3の圧力が基準圧力値Pmよりも小さく、それに伴って、高圧ポンプ20のポンプ回転速度Rが基準回転速度Rmよりも小さい場合に、連通部材71と接触し、貫通孔73を閉鎖する。
つまり、ダンパ40は、高圧ポンプ20のポンプ回転速度Rが基準回転速度Rm以上となる場合に第1状態となる。基準回転速度Rmは、第1ダイアフラム62の単独固有回転速度Rfよりも小さなポンプ回転速度Rに設定されている。そのため、ポンプ回転速度Rが単独固有回転速度Rfと等しい場合に第1状態となるため、第1ダイアフラム62が共振することを抑制することができる。
また、ダンパ40は、高圧ポンプ20のポンプ回転速度Rが基準回転速度Rmよりも小さい場合に第2状態となる。基準回転速度Rmは、第1ダイアフラム62と、第2ダイアフラム82と、の合成固有回転速度Rcよりも大きなポンプ回転速度Rに設定されている。そのため、ポンプ回転速度Rが合成固有回転速度Rcと等しい場合に第2状態となるため、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とが共振することを抑制することができる。
第1ダイアフラム部60と第2ダイアフラム部80とは、それぞれ1つのダイアフラムを含む。そのため、第1ダイアフラム部60と第2ダイアフラム部80との少なくとも一方が、複数のダイアフラムを含む場合に比べて、ダンパ40の構成を簡略化することができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態に係るダンパ140について図5、6を用いて説明する。第2実施形態に係るダンパ140は、第1実施形態に係るダンパ40と比べて、状態切替部の構成が異なる。そのため、以下では、第2実施形態に係るダンパ140の状態切替部170について説明する。なお図5、6において、先の図2に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。
状態切替部170が、第1実施形態の状態切替部70と異なる点は、状態切替のための切替ダイアフラム172を、第1ダイアフラム62及び第2ダイアフラム82とは別個に備えている点である。図5に示すように、状態切替部170は、第2領域R2内に設けられており、第2領域R2を、第1領域R1側の第4領域R4と、第3領域R3側の第5領域R5と、に区画している。状態切替部170は、中間ダイアフラム部の一例である。
状態切替部170は、連通部材171と切替ダイアフラム172とを備える。図5(a)、(b)に示すように、連通部材171は、円環状をなす金属製の平板であり、軸方向Xに直交する向きに配置されている。連通部材171の板厚は、第1ダイアフラム62の板厚よりも厚く、第4領域R4の圧力に応じて変形することが抑制されている。連通部材171の外縁部171aは、全周に亘ってケーシング50に固定されている。連通部材171には、第4領域R4と第5領域R5とを連通する貫通孔173が形成されている。貫通孔173は、連通部材171の略中央に配置されている。
図5(a)、(c)に示すように、切替ダイアフラム172は、円形をした金属製の薄板であり、その中央部172aが連通部材171側に突出した皿状をしている。中央部172aは、軸方向Xに直交する向きに配置されており、円形をしている。中央部172aの外径は、貫通孔173の径よりも小さく、中央部172aは貫通孔173を挿通可能な大きさに設けられている。中央部172aの周りには、ケーシング50の径方向に拡径するのに伴って、連通部材171とは反対側に傾斜する傾斜部172bが設けられている。また、傾斜部172bの周りには、軸方向Xに直交する向きに配置された外周部172cが設けられている。なお、状態切替部170は、ベースプレートを備えておらず、切替ダイアフラム172は、ベースプレートとの間に遮蔽空間を区画形成していない。
切替ダイアフラム172の中央部172aと傾斜部172bとは、貫通孔173に対向する位置に配置されている。また、切替ダイアフラム172の中央部172aと傾斜部172bとは、外周部172cに比べて連通部材171側、つまり連通経路21b側に突出している。外周部172cの外縁部172dは、連通部材171よりも第2ダイアフラム部80側において、全周に亘ってケーシング50に固定されている。切替ダイアフラム172の外周部172cには、複数の貫通孔174が形成されている。貫通孔174は、ケーシング50の周方向において等間隔に配置されており、第4領域R4と第5領域R5とを連通している。
図6に示すように、切替ダイアフラム172は、第4領域R4の圧力により変形可能であり、貫通孔173は、切替ダイアフラム172の変形により開閉される。例えば、図6(c)に示すように、第4領域R4の圧力が基準圧力値Pm以上となると、切替ダイアフラム172の中央部172aは連通部材171とは反対側に変形する。これにより、切替ダイアフラム172は、連通部材171から離間した開放状態となる。切替ダイアフラム172が開放状態になることで、第4領域R4と第5領域R5とが連通し、第1ダイアフラム62と第2ダイアフラム82とに低圧燃料が供給される第1状態が実現される。
また、図6(a)、(b)に示すように、第4領域R4の圧力が基準圧力値Pmよりも小さくなると、切替ダイアフラム172の中央部172aは連通部材171側に変形する。この結果、切替ダイアフラム172の中央部172aは、連通部材171よりも連通経路21b側に突出するとともに、切替ダイアフラム172の傾斜部172bが連通部材171の貫通孔173周りの側面と接触し、中央部172aと傾斜部172bとにより貫通孔173が閉鎖される。つまり、切替ダイアフラム172は、連通部材171に接触して貫通孔173を閉鎖する閉鎖状態となる。切替ダイアフラム172が閉鎖状態になることで、第3領域R3と第4領域R4とが遮断され、第1ダイアフラム62に低圧燃料が供給されない第2状態が実現される。
つまり、切替ダイアフラム172は、第4領域R4の圧力により変形し、状態切替部170は、切替ダイアフラム172の変形により第1状態と第2状態とを切り替える。本実施形態のダンパ140によれば、すべてのポンプ回転速度Rにおいて、圧力ピーク値Pが限界圧力Pgを超えることを抑制することができる。
以上説明した本実施形態によれば、状態切替部170は、切替ダイアフラム172の変形により第1状態と第2状態とを切り替える。切替ダイアフラム172は、第1ダイアフラム62及び第2ダイアフラム82とは別個に設けられている。そのため、例えば、第1ダイアフラム62が切替ダイアフラムを兼ねる場合のように、第1ダイアフラム62に求められる性能により、切替ダイアフラムの形状が複雑化することがない。従って、状態切替部170の構成を簡略化することができる。
状態切替部170には、ベースプレートが備えられておらず、切替ダイアフラム172とベースプレートとの間に遮蔽空間が区画形成されていない。そのため、遮蔽空間が形成されている構成に比べて、第4領域R4の圧力に対する切替ダイアフラム172の変形感度を向上させることができる。
状態切替部170は、第2領域R2に配置されている。第2領域R2に流入する低圧燃料は、第1ダイアフラム62により、高圧ポンプ20への低圧燃料の吸入の影響が抑制されている。そのため、切替ダイアフラム172の変形感度を向上させた場合でも、周期的に実施される高圧ポンプ20への低圧燃料の吸入に応じた状態切替が生じにくく、過度に状態切替が生じることを抑制することができる。
切替ダイアフラム172は、第4領域R4の圧力により開放状態と閉鎖状態とで切り替わる。そのため、切替ダイアフラム172の状態を切り替えるためのアクチュエータを備える必要がなく、ダンパ140の構成を簡略化することができる。
(第3実施形態)
次に第3実施形態に係るダンパ240について図7を用いて説明する。第3実施形態に係るダンパ240は、第2実施形態に係るダンパ140と比べて、状態切替部170の構成が異なる。なお図7において、先の図5に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、状態切替部170は、連通部材271と、切替ベースプレート261と、切替ダイアフラム262と、を備える。なお、連通部材271は、連通部材71と略同一の構造をしているため、連通部材71の符号に「200」を加えた符号を伏して、その説明を省略する。また、切替ベースプレート261及び切替ダイアフラム262は、第1ベースプレート61及び第1ダイアフラム62と略同一の構造をしているため、第1ベースプレート61及び第1ダイアフラム62の符号に「200」を加えた符号を伏して、その説明を省略する。
本実施形態のダンパ240では、切替ベースプレート261及び切替ダイアフラム262は、第1ベースプレート61及び第1ダイアフラム62と略同一の構造をしている。そのため、異なる構造とされている場合に比べて、ダンパ240の構成を簡略化することができる。
(第4実施形態)
次に第4実施形態に係るダンパ340について図8を用いて説明する。第4実施形態に係るダンパ340は、第2実施形態に係るダンパ140と比べて、第1ダイアフラム部60が第3ベースプレート361及び第3ダイアフラム362を備え、第2ダイアフラム部80が第4ベースプレート381及び第4ダイアフラム382を備える点で異なる。なお図8において、先の図5に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、第3ベースプレート361及び第3ダイアフラム362は、第1ベースプレート61及び第1ダイアフラム62よりも連通経路21b側に設けられている。また、第4ベースプレート381及び第4ダイアフラム382は、第2ベースプレート81及び第2ダイアフラム82よりも連通経路21bとは反対側に設けられている。なお、第3ベースプレート361及び第3ダイアフラム362は、第1ベースプレート61及び第1ダイアフラム62と略同一の構造をしているため、第1ベースプレート61及び第1ダイアフラム62の符号に「300」を加えた符号を伏して、その説明を省略する。また、なお、第4ベースプレート381及び第4ダイアフラム382は、第2ベースプレート81及び第2ダイアフラム82と略同一の構造をしているため、第2ベースプレート81及び第2ダイアフラム82の符号に「300」を加えた符号を伏して、その説明を省略する。
本実施形態のダンパ340では、第1ダイアフラム部60が、2つのダイアフラムを含む。そのため、単独固有回転速度Rfは、第1ダイアフラム62の固有振動数と、第3ダイアフラム362の固有振動数と、の合成固有振動数に対応する回転速度となる。したがって、1つのダイアフラムのみを含む場合に比べて、単独固有回転速度Rfを容易に調整することができる。
また、本実施形態のダンパ340では、第1ダイアフラム部60及び第2ダイアフラム部80が、それぞれ2つのダイアフラムを含む。そのため、第1ダイアフラム部60と第2ダイアフラム部80との少なくとも一方が、1つのダイアフラムのみを含む場合に比べて、合成固有回転速度Rcを容易に調整することができる。
(他の実施形態)
外周部172cに形成される貫通孔174を図5(c)に例示したが、貫通孔73の形状や個数はこれに限定されない。
第1ダイアフラム62の形状を図2に例示したが、これに限定されず、公知の形状のダイアフラムに適用することができる。他のダイアフラムやケーシング50の形状についても同様である。
第1ダイアフラム部60及び第2ダイアフラム部80は、1つ以上のダイアフラムを含んでいればよく、その個数は限定されない。例えば、図9に例示されるダンパ440のように、第1ダイアフラム部60が1つのダイアフラムを含み、第2ダイアフラム部80が複数のダイアフラムを含んでいてもよい。
ダンパ40が高圧ポンプ20との内部に配置され、高圧ポンプ20と一体に形成されている形態を例示したが、これに限定されず、ダンパ40が高圧ポンプ20の外部に配置され、高圧ポンプ20と別体に形成されていてもよい。
10…燃料供給システム、21a…供給経路、21b…連通経路、23…吸入弁、32…制御装置、40…ダンパ、50…ケーシング、51…内部空間、60…第1ダイアフラム部、62…第1ダイアフラム、64…貫通孔、70…状態切替部、71…連通部材、73…貫通孔、80…第2ダイアフラム部、82…第2ダイアフラム、170…状態切替部、171…連通部材、172…切替ダイアフラム、173…貫通孔、174…貫通孔、P…圧力ピーク値、Pg…限界圧力、Pm…基準圧力値、R…ポンプ回転速度、Rc…合成固有回転速度、Rf…単独固有回転速度、Rm…基準回転速度。

Claims (10)

  1. 燃料を周期的に吸入及び吐出する燃料ポンプ(20)を備える燃料供給システム(10)に適用され、前記燃料ポンプに低圧燃料を供給する供給経路から分岐する連通経路に設けられるパルセーションダンパ(40)であって、
    前記連通経路に連通する内部空間を有するケーシング(50)と、
    前記内部空間を、前記連通経路側から第1領域と、第2領域と、第3領域と、に区画する第1ダイアフラム部(60)及び第2ダイアフラム部(80)と、を備え、
    前記第1ダイアフラム部は、第1ダイアフラム(62)を含み、前記第1領域と前記第2領域とを区画し、
    前記第2ダイアフラム部は、第2ダイアフラム(82)を含み、前記第2領域と前記第3領域とを区画し、
    前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムに前記低圧燃料が供給される第1状態と、前記第1ダイアフラムに前記低圧燃料が供給され、かつ、前記第2ダイアフラムに前記低圧燃料が供給されない第2状態と、を切り替える状態切替部(70、170)を備えるパルセーションダンパ。
  2. 前記第1ダイアフラム部は、前記ケーシングに固定されたベースプレート(61)を含み、
    前記第1ダイアフラム(62)は、前記ベースプレートの前記第1領域側に設けられ、前記ベースプレートとの間に遮蔽空間を形成し、
    前記状態切替部は、前記第1ダイアフラムを含み、前記第1ダイアフラムの弾性変形により、前記第1状態と前記第2状態とを切り替える請求項1に記載のパルセーションダンパ。
  3. 前記第1ダイアフラムは、前記第1領域の圧力により弾性変形する請求項2に記載のパルセーションダンパ。
  4. 前記第2領域に、前記状態切替部として、切替ダイアフラム(172、262)を含む中間ダイアフラム部(170)が設けられており、
    前記切替ダイアフラムの弾性変形により、前記第1状態と前記第2状態とを切り替える請求項1に記載のパルセーションダンパ。
  5. 前記中間ダイアフラム部は、前記第2領域を前記第1領域側の第4領域と前記第3領域側の第5領域とに区画し、
    前記切替ダイアフラムは、前記第4領域の圧力により弾性変形する請求項4に記載のパルセーションダンパ。
  6. 前記第1ダイアフラム部及び前記第2ダイアフラム部は、1つ、或いは複数のダイアフラムを含み、
    前記第1ダイアフラムと前記第2ダイアフラムとの少なくとも一方は、1つのダイアフラムのみを含む請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のパルセーションダンパ。
  7. 前記第1ダイアフラムと前記第2ダイアフラムとは、1つのダイアフラムのみを含む請求項6に記載のパルセーションダンパ。
  8. 前記第1ダイアフラム部及び前記第2ダイアフラム部は、1つ、或いは複数のダイアフラムを含み、
    前記第1ダイアフラムと前記第2ダイアフラムとは、複数のダイアフラムを含む請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のパルセーションダンパ。
  9. 燃料を周期的に吸入及び吐出する燃料ポンプ(20)と、
    前記燃料ポンプに低圧燃料を供給する供給経路から分岐する連通経路に設けられ、前記燃料ポンプと一体に、または、前記燃料ポンプと別体に設けられた請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のパルセーションダンパ(40)と、
    を備える燃料供給システム。
  10. 前記状態切替部(70、170)は、前記燃料ポンプの回転速度が所定の基準回転速度(Rm)以上の場合に前記第1状態となり、前記燃料ポンプの回転速度が前記基準回転速度よりも小さい場合に前記第2状態となり、
    前記基準回転速度は、前記第1ダイアフラムと前記第2ダイアフラムとの合成固有振動数に対応する合成固有回転速度(Rc)よりも大きく、かつ、前記第1ダイアフラムの固有振動数に対応する単独固有回転速度(Rf)よりも小さな回転速度に設定されている請求項9に記載の燃料供給システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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