JP2019112565A - 環状オレフィン開環重合体水素化物、医療用樹脂材料、容器、及びフィルム - Google Patents
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Description
さらに、本発明は、防湿性及び耐脂性に優れる環状オレフィン開環重合体水素化物を含んでなる、医療用樹脂材料、容器、及びフィルムを提供することを目的とする。
なお、環状オレフィン開環重合体水素化物に含まれる、「構造単位(A)及び前記構造単位(B)の含有割合」は、1H−NMR測定により求めることができる。また、「構造単位(A)よりなるラセモダイアッドの割合」は、実施例に従う13C−NMR測定により求めることができる。
なお、「ガラス転移温度」は、JIS K 6911に従って測定することができる。
本発明によれば、防湿性及び耐脂性に優れる環状オレフィン開環重合体水素化物を含んでなる、医療用樹脂材料、容器、及びフィルムを提供することができる。
本発明の環状オレフィン開環重合体水素化物(以下、単に「本発明の開環重合体水素化物」とも称する)は、テトラシクロドデセン由来の構造単位(A)、及びノルボルネン由来の構造単位(B)を含む環状オレフィン開環重合体水素化物である。そして、本発明の開環重合体水素化物において、構造単位(A)及び構造単位(B)の含有割合が、それぞれ所定範囲内であるとともに、構造単位(A)よりなるラセモダイアッドの割合が65モル%以上であることを特徴とする。このように、テトラシクロドデセン由来の構造単位(A)、及びノルボルネン由来の構造単位(B)の含有割合が、上記所定範囲内であり、且つ、構造単位(A)よりなるラセモダイアッドの割合が65モル%以上である環状オレフィン開環重合体水素化物は、防湿性及び耐脂性に優れる。
本発明の開環重合体水素化物に含まれるテトラシクロドデセン由来の構造単位(A)は、テトラシクロドデセン(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エン)を開環重合し、主鎖中の炭素-炭素二重結合を水素化して得られる、下式(I)にて表されうる構造単位である。
本発明の開環重合体水素化物に含まれるノルボルネン由来の構造単位(B)は、ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン)を開環重合し、主鎖中の炭素-炭素二重結合を水素化して得られる、下式(II)にて表されうる構造単位である。
上記構造単位(A)の含有割合は、本発明の開環重合体水素化物に含まれる全繰り返し単位を100.0質量%として、47.0質量%以上88.0質量%以下である必要がある。また、上記構造単位(B)の含有割合は、本発明の開環重合体水素化物に含まれる全繰り返し単位を100.0質量%として、12.0質量%以上53.0質量%以下である必要がある。なお、本発明の開環重合体水素化物は、上記構造単位(A)及び(B)以外に、例えば、テトラシクロドデセン及びノルボルネンとは異なる、他のノルボルネン骨格を有する単量体由来の構造単位等を含んでいても良い。しかし、防湿性及び耐脂性を一層向上させる観点から、本発明の開環重合体水素化物に含まれる、構造単位(A)の含有割合と、構造単位(B)の含有割合との合計が、100.0質量%であること、即ち、本発明の開環重合体水素化物が、構造単位(A)及び構造単位(B)のみからなることが好ましい。
本発明の開環重合体水素化物の製造方法としては、特に限定されることなく、例えば、有機溶媒中にて、開環重合触媒の存在下に開環重合反応を行って開環重合体を得る開環重合工程と、かかる開環重合工程にて得られた開環重合体を有機溶媒中にて水素化触媒の存在下で水素化する水素化工程とを含む製造方法が挙げられる。より具体的には、本発明の開環重合体水素化物は、国際公開第2016/052302号に開示された製造方法に従って調製することができる。
[透湿度]
本発明の開環重合体水素化物は、実施例にて記載した方法にてフィルムを形成した場合に、所定の方法(JIS K 7129 A法)により測定した透湿度を、2.00(g/(m2・24h))/100μm)未満としうることが好ましい。なお、上記のようにして測定することができる透湿度は、開環重合体水素化物の組成に基づいて主として制御することができる。
本発明の開環重合体水素化物のガラス転移温度は、例えば、40℃以上200℃以下であり得る。なお、ガラス転移温度は、例えば、開環重合体水素化物を合成する際に用いる単量体組成物の組成を調節すること等に基づいて、制御することができる。
本発明の開環重合体水素化物の水素化率は、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましく、99モル%以上であることが更に好ましい。水素化率の値が上記下限値以上であれば、開環重合体水素化物の防湿性、透明性及び耐熱性を高めることができる。なお、開環重合体の水素化率は、主鎖中の炭素-炭素二重結合の水素化率である。
本発明の医療用樹脂材料は、上述した本発明の開環重合体水素化物を含んでなる。例えば、本発明の医療用樹脂材料は、上述した開環重合体水素化物を含む粉末状又はペレット状の樹脂材料であり得る。本発明の医療用樹脂材料は、本発明の開環重合体水素化物を含むため、防湿性及び耐脂性に優れる。なお、本発明の医療用樹脂材料が「本発明の開環重合体水素化物を含む」とは、医療用樹脂材料の全質量を100質量%として、50質量%以上が本発明の開環重合体水素化物よりなることを意味する。そして、医療用樹脂材料は、任意の方法で成形されることにより、例えば、包装パッケージ、ボトル、ボトルキャップ、バイアル、アンプル、プレフィルドシリンジ、輸液用バッグ、密封薬袋、プレス・スルー・パッケージ、点眼薬容器等の液体、粉体、または固体の薬品容器;血液検査用のサンプリング用試験管、採血管、検査セル、検体容器等のサンプル容器;シリンジ、シリンジ用ロッド等の医療用具;メス、鉗子、ガーゼ、コンタクトレンズ等の医療機具等の滅菌容器;ビーカー、シャーレ、フラスコ、試験管、遠心管等の実験・分析器具;医療検査用プラスチックレンズ等の医療用光学部品;医量用輸液チューブ、カテーテル、配管、継ぎ手、バルブ、フィルター等の配管材料;義歯床、義歯、人工心臓、人造歯根、人工骨、人工関節等の人工臓器やその部品;等の物品に加工されうる。本発明の医療用樹脂材料は防湿性が高いため、本発明の医療用樹脂材料を用いて形成された各種物品により外部環境から離隔される内部空間に湿気が侵入することを防ぎ、内部空間内に収容した被収容物等が湿気に起因して変質し、劣化することを抑制することができる。
本発明の容器は、上述した本発明の医療用樹脂材料のうち、ガラス転移温度が120℃以上である医療用樹脂材料を含んでなることを特徴とする。従って、本発明の容器は、ガラス転移温度が120℃以上と比較的高く、且つ、防湿性及び耐脂性に優れる。このため、本発明の容器は、耐熱性、耐脂性、及び防湿性が必要とされる用途に好適に用いることができる。
なお、本発明の容器は、(医療用樹脂材料)の項目にて上述した任意成分である各種添加剤及びその他の高分子材料等を上述したような任意の割合で含有していても良い。
本発明のフィルムは、上述した本発明の医療用樹脂材料のうち、ガラス転移温度が120℃以下である医療用樹脂材料を含んでなることを特徴とする。従って、本発明のフィルムは、ガラス転移温度が120℃以下であるとともに、防湿性及び耐脂性に優れるため、熱軟化性、防湿性、及び耐脂性が必要とされる用途に好適に用いることができる。
なお、本発明のフィルムは、(医療用樹脂材料)の項目にて上述した任意成分である各種添加剤及びその他の高分子材料等を上述したような任意の割合で含有していても良い。
各例における測定及び評価は、以下の方法により行った。なお、下記(1)〜(5)の項目に関する測定及び評価にあたり、実施例、比較例で得られたペレット(医療用樹脂材料)を用いた。ここで、ペレット(医療用樹脂材料)は、開環重合体水素化物の他に、添加剤としての酸化防止剤を含有しているが、表1に示した結果については、仮に、酸化防止剤を配合しなかった場合についても、略同一となる。
実施例、比較例で得られたペレット(医療用樹脂材料)について、示差走査熱量分析計(ナノテクノロジー社製、DSC6220SII)を用いて、JIS K 6911に基づき、昇温速度10℃/minの条件で、ガラス転移温度を測定した。
実施例、比較例で得られたペレット(医療用樹脂材料)について、テトラシクロドデセン由来の構造単位(A)よりなるラセモダイアッドの割合を測定した。重水素化オルトジクロロベンゼンを溶媒として、200℃でinverse−gated decoupling法を適用して13C−NMR測定を行った。構造単位(A)よりなるラセモダイアッドの割合を算出するに当たり、構造単位(A)が連続して結合している部分に対応する13C−NMR測定値のみを用い、構造単位(A)と構造単位(B)とが結合している部分に対応する13C−NMR測定値は用いなかった。そして、構造単位(A)が連続して結合している部分に対応する13C−NMR測定値に含まれる、構造単位(A)よりなるラセモ・ダイアッド由来の信号の割合を求めた。具体的には、オルトジクロロベンゼン−d4の127.5ppmのピークを基準シフトとして、ラセモダイアッド由来のシグナル(51.7ppm)とメソダイアッド由来のシグナル(51.6ppm)の強度比に基づいて、構造単位(A)よりなるラセモダイアッド及びメソダイアッドの合計を100モル%とした場合の、ラセモダイアッドの割合(モル%)を求めた。
実施例、比較例で得られたペレット(医療用樹脂材料)について、主鎖中の炭素-炭素二重結合の水素化率は、1H−NMRスペクトルを測定し算出した。
実施例、比較例で得られたペレット(医療用樹脂材料)を、厚さ100μmとなるよう押出成形したフィルムを試験片とし、JIS 7129(A法)に基づいて、温度50℃、湿度90%RHの条件下で水蒸気透過度テスター(LYSSY社製:L80−5000型)を用いて透湿度(g/(m2・24h)/100μm)測定した。透湿度の値が低ければ、蒸気透過性が低く、且つ防湿性が高いことを意味する。
実施例、比較例で得られたペレット(医療用樹脂材料)を、射出成形機(ファナック社製、ロボショットα−100B、型締め力最大100t)により、樹脂温度350℃、金型温度135℃、射出圧力100MPaの条件で、長さ100mm×幅10mm×厚さ1mmの試験片を10枚作成した。擬似皮脂(オレイン酸50%、パルミチン酸イソステアリル40%、スクアレン10%)を試薬とし、ISO178に基づいて、支点間距離30mm、クロスヘッドスピード5mm/min.の条件で曲げ強度試験を実施した。試験片の外観検査を行い下記基準で判定した。疑似皮脂試験の結果が良好であるものは、耐脂性に優れる。
A:試験片上にクラックの発生が無い。
B:試験片上に1個のクラックが発生した。
C:試験片上に2個以上のクラックが発生、もしくは試験片が破断した。
実施例、比較例で得られた水素化反応溶液の一部を採取して、開環重合体水素化物を分離した。分離した開環重合体水素化物を2部と、シクロヘキサン8部とをガラス製アンプルに加え、20%シクロヘキサン溶液を調製した。開環重合体水素化物を完全に溶解させた後、ガラス製アンプルを25℃の水浴につけ、3日経過後の溶液の性状変化を目視で観察して、以下の基準に従って評価した。
A:固化が生じなかった。
B:固化が生じた。
<開環重合工程>
内部を乾燥し、窒素置換した重合反応器に、テトラシクロドデセン(TCD)85%とノルボルネン(NB)15%からなる単量体混合物2.0部(重合に使用するモノマー全量に対して1%)、有機溶媒としての脱水シクロヘキサン785部、分子量調節剤としての1−ヘキセン0.5部、有機金属還元剤としてのジエチルアルミニウムエトキシドのn−ヘキサン溶液(濃度:19%)0.98部、及び開環重合触媒としてのタングステン(フェニルイミド)テトラクロリド・テトラヒドロフランのトルエン溶液(濃度:2.0%)11.7部を入れ、45℃で10分間攪拌した。次いで、全容を50℃に保持し、攪拌しながら、前記重合反応器中に、前記組成と同じ単量体混合物198.0部を150分かけて連続的に滴下した。滴下終了後30分間攪拌を継続した後、イソプロピルアルコール4部を添加して重合反応を停止させた。ガスクロマトグラフィーによって重合反応溶液を測定したしたところ、単量体の重合体への転化率は100%であった。
次いで、得られた重合反応溶液300部を攪拌器付きオートクレーブに移し、有機溶媒としてのシクロヘキサン32部、水素化触媒としての珪藻土担持ニッケル触媒(日揮化学社製;「T8400RL」、ニッケル担持率58%)3.8部を加えた。オートクレーブ内を水素で置換した後、190℃、4.5MPaの水素圧力下で6時間反応させた。
水素化反応終了後、珪藻土(「ラヂオライト(登録商標)♯500」)を濾過床として、加圧濾過器(石川島播磨重工社製;「フンダフィルタ−」)を使用し、圧力0.25MPaで加圧濾過して、無色透明の水素化反応溶液を得た。得られた水素化反応溶液を溶液安定性の評価に供した。
この水素化反応溶液に、重合体水素化物100部当り、酸化防止剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、製品名「イルガノックス(登録商標)1010」)0.5部を加えた後、フィルター(キュノーフィルター社製;「ゼータプラス(登録商標)30H」、孔径0.5〜1μm)、及び金属ファイバー製フィルター(ニチダイ社製、孔径0.4μm)を用いて異物を濾別除去した。
次いで、上記で得られた濾液を、円筒型濃縮乾燥機(日立製作所製)に入れ、温度290℃、圧力1kPa以下の条件で、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザー(長田製作所製;「OSP−2」)でカッティングしてペレット(医療用樹脂材料)を得た。このペレットを用いて、上記の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
単量体混合物の組成を、得られる重合体水素化物の組成が表1に示す通りになるようにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして各種操作、測定、及び評価を行った。結果を表1に示す。なお、比較例1にて得られたペレットは、ガラス転移温度が43℃であったため、上記条件下(温度50℃)では透湿度を評価することができなかった。
単量体混合物の組成を、得られる重合体水素化物の組成が表1に示す通りになるように変更した以外は、実施例1と同様にして水素化工程まで実施した。そして、得られた水素化溶液について、上記に従って溶液安定性を評価した結果、3日経過時点で水素化溶液が固化していたため、以降の操作、測定、及び評価を実施しなかった。
<開環重合工程>
内部を乾燥し、窒素置換した重合反応器に、テトラシクロドデセン(TCD)29%とノルボルネン(NB)53%とジシクロペンタジエン(DCP)18%とからなる単量体混合物2.0部(重合に使用するモノマー全量に対して1%)、有機溶媒としての脱水シクロヘキサン785部、分子量調節剤としての1−ヘキセン0.86部、ジイソプロピルエーテル0.42部、イソブチルアルコール0.11部、トリイソブチルアルミニウムのn−ヘキサン溶液(濃度:15%)1.80部、及び六塩化タングステンのシクロヘキサン溶液(濃度:0.65%)13.4部を入れ、55℃で10分間攪拌した。次いで、全容を50℃に保持し、攪拌しながら、前記重合反応器中に前記単量体混合物198.0部と六塩化タングステン0.65%シクロヘキサン溶液20.1部とを各々150分かけて連続的に滴下した。滴下終了後30分間攪拌を継続した後、イソプロピルアルコール0.4部を添加して重合反応を停止させた。単量体の重合体への転化率は100%であった。
この後、実施例1と同様にして水素化工程〜医療用樹脂材料製造工程を実施して、ペレット(医療用樹脂材料)を得た。このペレットを用いて、上記の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
単量体混合物の組成を、得られる重合体水素化物の組成が表1に示す通りになるようにそれぞれ以外は、比較例3と同様にしてペレット(医療用樹脂材料)を得た。このペレットを用いて、上記の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
単量体混合物の組成を、得られる重合体水素化物の組成が表1に示す通りになるようにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして水素化工程まで実施した。そして、得られた水素化溶液について、上記に従って溶液安定性を評価した結果、両比較例共に、3日経過時点で水素化溶液が固化していたため、以降の操作、測定、及び評価を実施しなかった。
「TCD」は、テトラシクロドデセン(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-エン)を、
「NB」は、ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン)を、
「DCPD」は、ジシクロペンタジエンを、
「MTF」は、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンを、それぞれ示す。
一方、構造単位(A)及び構造単位(B)の割合が上記範囲外であるか、或いは、ラセモダイアッドの割合が65モル%未満である比較例1〜8では、防湿性及び耐脂性に優れる医療用樹脂材料を提供できなかったことが分かる。
なお、比較例3〜6より明らかなように、本発明の範囲外である種々のガラス転移温度の開環重合体水素化物では、ガラス転移温度が高いと、透湿度の値も大きくなる傾向があることが分かる。一方、実施例1〜5から明らかなように、本発明に従う開環重合体水素化物では、ガラス転移温度が高い場合であっても、透湿度の値が一定であったことが分かる。このことから、本発明によれば、防湿性に優れた、所望のガラス転移温度を呈し得る開環重合体水素化物を良好に提供可能であることが分かる。
さらに、本発明によれば、防湿性及び耐脂性に優れる環状オレフィン開環重合体水素化物を含んでなる、医療用樹脂材料、容器、及びフィルムを提供することができる。
Claims (5)
- テトラシクロドデセン由来の構造単位(A)、及びノルボルネン由来の構造単位(B)を含む環状オレフィン開環重合体水素化物であって、
前記環状オレフィン開環重合体水素化物に含まれる全繰り返し単位を100.0質量%として、前記構造単位(A)の含有割合が47.0質量%以上88.0質量%以下であり、且つ、前記構造単位(B)の含有割合が12.0質量%以上53.0質量%以下であり、さらに、
前記構造単位(A)よりなるラセモダイアッドの割合が65モル%以上である、
環状オレフィン開環重合体水素化物。 - 前記構造単位(A)及び前記構造単位(B)の合計含有割合が100.0質量%である、請求項1に記載の環状オレフィン開環重合体水素化物。
- 請求項1又は2に記載の環状オレフィン開環重合体水素化物を含んでなる、医療用樹脂材料。
- ガラス転移温度が120℃以上である請求項3に記載の医療用樹脂材料を含んでなる、容器。
- ガラス転移温度が120℃以下である請求項3に記載の医療用樹脂材料を含んでなる、フィルム。
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