JP2019112396A - 維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物 - Google Patents

維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の新規予防または治療剤の提供。【解決手段】3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を所定の用法・用量で投与する維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物。副作用を低減し、あるいは有意な蓄積性を示さない維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療剤を提供することができ、従来製品に比べ、投与管理が容易で、より安全な薬剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を所定の用法・用量で投与する維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物、治療方法等に関する。
副甲状腺細胞で産生される副甲状腺ホルモン(PTH)は、腎臓に作用して尿中からのカルシウム(Ca)再吸収の亢進および無機リン(P)の再吸収を抑制し、また、活性型ビタミンD産生を亢進することで腸管でのCa吸収を促進する。さらに、骨に作用して骨吸収を促進することで生体内CaおよびPの恒常性を維持するホルモンである。PTHは血中Caの低下、Pの上昇、活性型ビタミンDの低下によって分泌が亢進する。
慢性腎臓病では、病態進展に伴う腎機能の低下により、尿中P排泄の低下およびビタミンD活性化障害による活性型ビタミンDが低下することで高P血症および低Ca血症を呈し、PTHの分泌が亢進する。副甲状腺への持続的なPTH分泌刺激が副甲状腺細胞増殖を亢進し、副甲状腺の過形成によって過剰にPTHが分泌された状態となり、二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)の病態が発症・進展する。SHPTは特に透析患者で頻発し、過剰なPTHにより高回転骨病変(線維性骨炎)が惹起され、それに伴い血中のCaおよびPが上昇し、生活の質の低下のみならず心血管系の石灰化にも影響を及ぼすことで生命予後の悪化につながることが問題となっている(非特許文献1:永野 伸郎、川田 剛央、和田 倫斉.Ca受容体作動薬(calcimimetics)の薬理・臨床試験成績;維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療薬(シナカルセト塩酸塩、レグパラ(登録商標)錠)、日薬理誌 2008; 132 : 301〜308)。
血中のPTHを減少させる従来の内科的治療としては、活性型ビタミンD製剤が使用されてきたが、腸管からの吸収の亢進による血中CaおよびP濃度上昇が問題となり、投与が制限されることで治療効果は十分ではないと考えられていた。
近年上市された、経口のCaSR活性化剤であるシナカルセト塩酸塩(以降、シナカルセト)は、内因性リガンドであるCa2+の濃度が上昇した場合と同様にPTHの分泌を抑制することにより、血中のPTHのみならずCa、Pを減少させる(非特許文献2:Fukagawa Mら KRN1493 study group. Cinacalcet (KRN1493) effectively decreases the serum intact PTH level with favorable control of the serum phosphorus and calcium levels in Japanese dialysis patients. Nephrol Dial Transplant. 2008; 23(1):328-35)。
しかしながら、シナカルセトの服用によって悪心や嘔吐等の消化器症状が高頻度に発現することが知られており、服薬を中止する患者や増量ができない患者が存在するという問題点がある(非特許文献3:レグパラ(登録商標)錠 医薬品インタビューフォーム(p1-2:1.開発の経緯)、協和発酵キリン株式会社 (2015年4月改訂、非特許文献4:Gincherman Yら、Assessment of adherence to cinacalcet by prescription refill rates in hemodialysis patients. Hemodial Int. 2010;14(1):68-72)。シナカルセトによる消化器症状発現機序の詳細は不明であるが、消化管のCaSRを活性化することによる胃酸分泌の亢進や消化管の蠕動運動低下が一因となる可能性が示唆されている(非特許文献5:伊達敏行:Cinacalcetの副作用とその対策.秋葉隆、秋澤忠男編.透析療法ネクストIX.医学図書出版株式会社、東京、2009.p.123-32)。
また、CaSR作動薬であるエテルカルセチド(N−アセチル−S−[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチルスルファニル]−D−システイニル−D−アラニル−D−アルギニル−D−アルギニル−D−アルギニル−D−アラニル−D−アルギニンアミド 塩酸塩)は、パーサビブ(登録商標)として血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の効能・効果を有する静注製剤として2017年に上市された。しかしながら、エテルカルセチドは、血清Ca濃度の過度の低下や蓄積性等の問題から、常に患者の状態を確認し、減量や休薬等の処置を考慮する必要があり、また過敏症反応、嘔吐等の副作用により、慎重な投薬管理が必要とされる(非特許文献6:パーサビブ(登録商標) 医薬品インタビューフォーム(p9:V. 治療に関する項目、p47-50:8.副作用)、小野薬品工業株式会社、非特許文献7:Kidney International Reports (2017) 2, 634-644、非特許文献8:Clinical Nephrology, Vol. 88 No. 2, 2017, 68-78)。
なお、WO2011/108690(特許文献1)および特開2013−63971(特許文献2)には、(2S)−2−アミノ−3−{[(3−クロロ−2−メチル−5−スルホフェニル)カルバモイル]アミノ}プロパン酸がCaSR活性化作用を有すること、特許文献2には腎摘出ラットに対し経口投与によるPTH低下作用を有することが示されている。
WO2011/108690 特開2013−63971
日薬理誌 2008; 132 : 301〜308 Nephrol Dial Transplant. 2008; 23(1):328-35 レグパラ(登録商標)錠 医薬品インタビューフォーム(p1-2:1.開発の経緯)、協和発酵キリン株式会社 (2015年4月改訂). Hemodial Int. 2010;14(1):68-72 伊達敏行:Cinacalcetの副作用とその対策.秋葉隆、秋澤忠男編.透析療法ネクストIX.医学図書出版株式会社、東京、2009.p.123-32 パーサビブ(登録商標) 医薬品インタビューフォーム(p9:V. 治療に関する項目、p47-50:8.副作用)、小野薬品工業株式会社 :Kidney International Reports (2017) 2, 634-644 :Clinical Nephrology, Vol. 88 No. 2, 2017, 68-78
維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療のため、利便性が高く優れた医薬組成物の提供が望まれている。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸(以下、化合物A)またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物が、所定の用法・用量において、維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療に有用であることを見出したことにより、本発明を完成するに至った。
Figure 2019112396
すなわち、本発明は、例えば以下に記載の態様を包含する。
3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を成人1日あたり0.01mg、0.025mgおよび0.05mgから選択される用量以上、かつ2.5mg、0.8mg、0.4mg、0.3mgおよび0.2mgから選択される用量以下、好ましくは0.025mg〜0.8mg、より好ましくは0.025〜0.4mg、更に好ましくは0.05〜0.2mgの用量で透析終了時に静脈内投与する維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物、あるいは治療方法。
3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を成人1日あたり0.01mg、0.025mgおよび0.05mgから選択される用量以上、かつ2.5mg、0.8mg、0.4mg、0.3mgおよび0.2mgから選択される用量以下、好ましくは0.025mg〜0.8mg、より好ましくは0.025〜0.4mg、更に好ましくは0.05〜0.2mgの用量で透析終了時に静脈内投与し、副作用が低減された維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物、あるいは治療方法。
3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を成人1日あたり0.01mg、0.025mgおよび0.05mgから選択される用量以上、かつ2.5mg、0.8mg、0.4mg、0.3mgおよび0.2mgから選択される用量以下、好ましくは0.025mg〜0.8mg、より好ましくは0.025〜0.4mg、更に好ましくは0.05〜0.2mgの用量で透析終了時に静脈内投与し、有意な蓄積性を示さない維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物、あるいは治療方法。
3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を成人1日あたり0.01mg、0.025mgおよび0.05mgから選択される用量以上、かつ2.5mg、0.8mg、0.4mg、0.3mgおよび0.2mgから選択される用量以下、好ましくは0.025mg〜0.8mg、より好ましくは0.025〜0.4mg、更に好ましくは0.05〜0.2mgの用量で透析終了時に静脈内投与し、長期投与に用いられる維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物、あるいは治療方法。
前記透析終了時が、週3〜5回の透析スケジュールにおける各透析の終了時である、上記態様のいずれかに記載の医薬組成物または治療方法。
3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物が、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸ナトリウムまたはそれらの溶媒和物である、上記態様のいずれかに記載の医薬組成物、あるいは治療方法。
3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物が、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸ナトリウムである、上記態様のいずれかに記載の医薬組成物、あるいは治療方法。
特に、以下の態様が好ましい。
[1]
成人1日あたり0.025mg〜0.8mgの用量で透析終了時に静脈内投与される、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物。
[2]
成人1日あたり0.025mg〜0.8mgの用量で透析終了時に静脈内投与される、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む副作用が低減された維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物。
[3]
成人1日あたり0.025mg〜0.8mgの用量で透析終了時に静脈内投与され、有意な蓄積性を示さない、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物。
[4]
成人1日あたり0.025〜0.4mgの用量で静脈内投与される、[1]〜[3]のいずれかに記載の医薬組成物。
[5]
成人1日あたり0.05〜0.2mgの用量で透析終了時に静脈内投与さる、[1]〜[3]のいずれかに記載の医薬組成物。
[6]
前記透析終了時が、週3〜5回の透析スケジュールにおける各透析の終了時である、[1]〜[5]のいずれかに記載の医薬組成物。
[7]
3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物が、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸ナトリウムまたはそれらの溶媒和物である、[1]〜[6]のいずれかに記載の医薬組成物。
また、本発明の別の態様として、化合物Aまたはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含み、成人1日あたり0.01mg、0.025mgおよび0.05mgから選択される用量以上、かつ2.5mg、0.8mg、0.4mg、0.3mgおよび0.2mgから選択される用量以下、好ましくは0.025mg〜0.8mg、より好ましくは0.025〜0.4mg、更に好ましくは0.05〜0.2mgの用量で透析終了時に静脈内投与され、血清中のPTH濃度を正常レベルに調整する維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物、あるいは治療方法も含まれる。
さらにまた、本発明の別の態様として、化合物Aまたはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含み、成人1日あたり0.01mg、0.025mgおよび0.05mgから選択される用量以上、かつ2.5mg、0.8mg、0.4mg、0.3mgおよび0.2mgから選択される用量以下、好ましくは0.025mg〜0.8mg、より好ましくは0.025〜0.4mg、更に好ましくは0.05〜0.2mgの用量で透析終了時に静脈内投与され、血清中のPTH濃度およびCa濃度を正常レベルに調整する維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物、あるいは治療方法も含まれる。
あるいは、本発明のさらに別の態様として、化合物Aまたはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含み、成人1日あたり0.01mg、0.025mgおよび0.05mgから選択される用量以上、かつ2.5mg、0.8mg、0.4mg、0.3mgおよび0.2mgから選択される用量以下、好ましくは0.025mg〜0.8mg、より好ましくは0.025〜0.4mg、更に好ましくは0.05〜0.2mgの用量で透析終了時に静脈内投与される維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症患者の血清中PTH濃度を正常レベルに調整するための医薬組成物、あるいは方法、さらには、化合物Aまたはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を成人1日あたり0.01mg、0.025mgおよび0.05mgから選択される用量以上、かつ2.5mg、0.8mg、0.4mg、0.3mgおよび0.2mgから選択される用量以下、好ましくは0.025mg〜0.8mg、より好ましくは0.025〜0.4mg、更に好ましくは0.05〜0.2mgの用量で透析終了時に静脈内投与される維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症患者の血清中PTH濃度およびCa濃度を正常レベルに調整するための医薬組成物、あるいは方法も含まれる。
本発明はまた、化合物Aまたはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物、および、静脈内投与する維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療するために、透析終了時の成人1日あたりの投与用量(例えば、0.025mg〜0.8mg、より好ましくは0.025〜0.4mg、更に好ましくは0.05〜0.2mgの用量)を指示するラベルおよび/または添付文書を含むキットにも関する。
上記キットは、さらに、化合物Aまたはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を封入する容器(例えば、バイアル、アンプル)、および/または当該容器を梱包する箱(パッケージ)を含んでもよい。
上記キットにおいて、化合物Aまたはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物は、化合物Aまたはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物および製薬学的に許容される担体(例えば、塩化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムもしくは水和物、リン酸二水素ナトリウムもしくは水和物)を含む医薬組成物であってもよい。
本発明によれば、副作用を低減でき、または、有意な蓄積性を示さない維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療剤を提供でき、従来製品に比べ、医療従事者の投与管理が容易で、より安全な薬剤であるため、患者と医療従事者双方にとって利便性が高い。
実施例2の両腎摘ラットにおける単回静脈内投与後48時間後の血清iPTH濃度と投与用量の関係を示すグラフ 実施例2の両腎摘ラットにおける単回静脈内投与後48時間後の血清Ca濃度と投与用量の関係を示すグラフ 実施例2の両腎摘ラットにおける単回静脈内投与後48時間後の生存数を比較するグラフ 実施例4の各化合物投与による腹腔内肥満細胞からのヒスタミン遊離率を示すグラフ 3−コンパートメントモデルを用いたP1血漿中濃度推移の3投与用量同時フィッティングのグラフ リバウンドを組み入れた間接反応モデルを示す模式図 リバウンドを組み入れた間接反応モデルを用いたP1のPK/PD解析のグラフ 透析患者における予測PKと推定EC50値(>1.4ng/mL)を示すグラフ
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。本発明の医薬組成物は、二次性副甲状腺機能亢進症を発症した、または発症する恐れのある患者、具体的には慢性腎臓病であって、継続的に透析を行っている患者に対して用いられる。
「二次性副甲状腺機能亢進症」とは、腎機能の障害により生じる骨ミネラル代謝の異常により引き起こされる副甲状腺を刺激する要因が持続することによって発症する副甲状腺機能亢進症を意味し、本発明の医薬組成物の投与前の血清中のPTH濃度が一定範囲を超えた状態をいう。PTH濃度は、種々の測定法によって測定することができ、全長PTHのみを測定して得られるインタクトPTH(iPTH)、生物活性のある全長PTHのみを測定して得られるホールPTH等がある。各測定値について規定される透析患者の基準値に基づき、PTHの測定値が一定範囲を超えた場合を二次性副甲状腺機能亢進症とする。一般的にiPTHの値により診断され、具体的には、iPTHが300pg/mlを超える状態であり、場合によっては、iPTHが240pg/mlを超える状態も含まれる。
なお、補正血清Ca濃度は、低アルブミン血症(アルブミンが4g/dl以下)の場合、次のような補正を行うことにより得られる値である。
補正血清Ca値(mg/dl)=実測血清Ca値(mg/dl)+4−血清アルブミン値(g/dl)
二次性副甲状腺機能亢進症の「予防」とは、本発明の医薬組成物の投与前の血清中のPTH濃度が透析患者の基準範囲内であるが、腎機能の障害により二次性副甲状腺機能亢進症を発症する恐れがある患者に対し、本発明の医薬組成物を投与することにより、血清中のPTH濃度の測定値が透析患者の基準値の上限を超えないようにすることを意味する。
二次性副甲状腺機能亢進症の「治療」とは、二次性副甲状腺機能亢進症を発症している患者に対し、本発明の医薬組成物を投与することにより、血清中のPTH濃度を本発明の医薬組成物の投与前の濃度よりも低下させること、好ましくは透析患者の基準値まで低下させることを意味する。さらに好ましくは、血清中のPTH濃度を透析患者の基準値の下限値を超えて低下させず、かつ当該基準値の上限値を超えないように低下させることを意味する。さらには、血清中のPTH濃度を透析患者の基準値まで低下させるとともに、二次性副甲状腺機能亢進症に関連する症状である副甲状腺過形成、ミネラル代謝障害(特にCaとP)の進行を抑制、好ましくは本発明の医薬組成物の投与前よりも改善すること、あるいはミネラル代謝障害に関係するパラメータを透析患者の基準値内にすることを含んでいても良い。
「成人1日あたり0.01mg、0.025mgおよび0.05mgから選択される用量以上、かつ2.5mg、0.8mg、0.4mg、0.3mgおよび0.2mgから選択される用量以下」の化合物Aとは、0.01mg〜2.5mg、0.01mg〜0.8mg、0.01mg〜0.4mg、0.01mg〜0.3mg、0.01mg〜0.2mg、0.025mg〜2.5mg、0.025mg〜0.8mg、0.025mg〜0.4mg、0.025mg〜0.3mg、0.025mg〜0.2mg、0.05mg〜2.5mg、0.05mg〜0.8mg、0.05mg〜0.4mg、0.05mg〜0.3mg、0.05mg〜0.2mgのいずれかの用量を意味する。化合物Aが溶媒和物である場合には、化合物Aの非溶媒和物として換算した量を意味し、化合物Aが塩の溶媒和物である場合には、遊離の化合物Aの非溶媒和物に換算した量を意味する。患者が日本人の場合、好ましくは0.025mg〜0.8mg、より好ましくは0.025〜0.4mg、更に好ましくは0.05〜0.2mgである。なお、好適な投与用量は人種によって異なる場合があり、例えば、コーカソイド、オーストラロイドやニグロイドの投与用量は、一般的に日本人等のモンゴロイドの好適な投与用量より多くの投与用量が必要と考えられる。
本発明の医薬組成物は透析を行う際(透析時)に投与されるため、本発明の医薬組成物は、一般的な透析スケジュールが、週3回の場合、週3回の各透析時に本発明の医薬組成物を投与することを意味する。この場合、一週間の始まりを1日目とした場合、例えば1日目、3日目、5日目に透析を行い透析時に本発明の医薬組成物を投与し、次週から同じスケジュールで繰り返す。透析スケジュールが、週4回である場合、あるいは患者の状態等により一時的に週4回以上の透析を行う場合は、当該週4回以上の透析と同じスケジュールで、本発明の医薬組成物を投与する。好ましくは、週3〜5回の透析スケジュールにおける各透析の透析終了時に本発明の医薬組成物を投与する。
「透析終了時」とは、透析終了の直前を意味し、具体的には透析終了直前の返血時を意味する。
「静脈内投与」とは、薬剤を静脈内に直接投与することを意味するが、透析患者においては、透析回路静脈側から投与することが好ましい。
さらに好ましくは、透析終了時の返血時に透析回路静脈側に注入するのが好ましい。
「副作用」とは、同じ適応症を有する既存の薬剤で問題となっている副作用を意味し、具体的には、悪心・嘔吐等の消化器症状、過敏性反応、味覚異常、低カルシウム血症、低カルシウム血症に基づく心不全の増悪、QT延長、しびれ、筋痙攣、気分不良、不整脈、血圧低下、痙攣等を意味する。
「副作用が低減された」とは、同じ適応症を有する既存の薬剤で生じる副作用の発生率が、本発明の所定の用法・用量で投与される場合に、既存の薬剤に比べて低いことを意味する。具体的には、当該副作用の発生率が、本発明の医薬組成物の投与患者の20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、好ましくは1%以下であることを意味する。
「有意な蓄積性を示さない」とは、本発明の医薬組成物を規定する用法・用量で継続的(1ヶ月以上)に投与しても、化合物Aの血中濃度が投与期間に比例して有意に増加しないことを意味する。
「長期投与に用いられる」とは、同じ適応症を有する既存の薬剤(シナカルセト、エテルカルセチド)と比較して、投与中止例が少なく、長期間の投与に適する医薬組成物であることを意味する。具体的には、1年以上の継続投与を意味する。
「正常レベルに調整する」とは、血清中のPTH濃度、あるいはCa濃度を、医師により臨床的に問題ないと診断されるレベル、好ましくは各検査値で規定される透析患者の基準値の範囲内にすることを意味する。より好ましくは、規定される用法・用量の範囲内で投与され、投与期間中に、休薬を行わずに上記レベルに調整することを意味する。
一般的には、血清iPTH濃度が60pg/ml以上300pg/ml以下の範囲内であり、好ましくは、150pg/ml以上300pg/ml以下、あるいは60pg/ml以上240pg/ml以下の範囲内である。
透析患者の血清Ca濃度(低アルブミン血症の場合は補正血清Ca濃度)の基準値は、一般的には8.4mg/dl以上かつ10.0mg/dl以下の範囲内である。
なお、一時的に上記基準値の範囲を逸脱することがあっても、投与を中断するなどの処置を行う必要がないと判断される場合も、正常レベルに含まれる。
本発明には、化合物Aまたはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を有効成分とし、医薬用無毒性担体等の製薬学的に許容される担体を含む医薬組成物、あるいは化合物Aまたはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物のみからなる医薬も含まれる。
本発明において用いられる化合物Aは、塩の形態をも包含する。本発明の有効成分である化合物Aが塩の形態を成し得る場合、その塩は製薬学的に許容される塩もしくは可食性の塩であればよく、例えば、式中のカルボキシル基等の酸性基に対しては、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等の金属との塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジシクロへキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩を挙げることができる。塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸などの無機酸との塩、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩を挙げることができる。これらの塩は、当該化合物と、医薬品の製造に使用可能である酸または塩基とを接触させることにより製造される。
好ましくは、化合物Aのナトリウム塩である。
本発明において化合物Aまたはその塩は、無水物であってもよく、水和物、アルコール付加物などの溶媒和物を形成していてもよい。ここでいう「溶媒和」とは、溶液中で溶質分子あるいはイオンがそれに隣接している溶媒分子を強く引き付け、一つの分子集団をつくる現象をいい、例えば溶媒が水であれば水和という。溶媒和物は水和物、非水和物のいずれであってもよい。非水和物としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール)、ジメチルホルムアミドなどを使用することができる。
好ましくは、化合物Aのナトリウム塩の水和物である。
化合物Aがフリー体として得られる場合、当該化合物が形成していてもよい塩またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物の状態に、常法に従って変換することができる。
また、化合物Aが、当該化合物の塩、水和物、または溶媒和物として得られる場合、常法に従って化合物Aのフリー体に変換することができる。
化合物Aは、化合物Aを有効成分として含有する医薬組成物として静脈内投与される。そのような医薬組成物の適用方法としては、特に制限されず、有効成分を注射等の投与方法に適した液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬製剤の形態で投与することが出来る。
このような製剤としては例えば、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤の形態、凍結乾燥剤等の形態が挙げられる。これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。
上記医薬用無毒性担体としては、例えば、水、生理食塩水等が挙げられる。また、必要に応じて、pH調整剤、安定化剤、乳化剤、等張化剤等の慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
本発明の医薬組成物は、常法により製剤化することができる。製剤上の必要に応じて、薬理学的に許容し得る各種の製剤用物質(補助剤等として)を配合することができる。製剤用物質は製剤の剤型により適宜選択することができるが、例えば溶液剤の場合、滅菌水及び一価又は多価アルコール、例えばグリセロール等を挙げることができる。
本発明の医薬組成物は、それらを含むパッケージに、使用に関する説明を記載した記載物を含ませることができる。記載物としては、用途・効能や投与方法等に関する説明事項を記載したいわゆる能書等が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、患者の症状に応じてカルシウム剤やビタミンD製剤を併用してもよい。併用されるカルシウム剤やビタミンD製剤の用法・用量は、血中Ca濃度の程度に応じて、適宜定められる。
以下、本発明を実施例の記載によって具体的に説明するが本発明は当該記載によって限定して解釈されるものではない。
実施例1
3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸ナトリウム(化合物A1)の合成
(工程1)
3−({[(2S)−2−アミノ−3−メトキシ−3−オキソプロピル]カルバモイル}アミノ)−5−クロロ−4−メチルベンゼン−1−スルホン酸の合成
3−アミノ−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸(ACTS) 5g(22.56mmol)に対し、アセトニトリル 37.5mL(7.5L/kg vs ACTS)、ピリジン 3.81mL(47.38mmol、2.1eq.)を加えて25℃で撹拌した。ClCOPh 2.99mL(23.68mmol、1.05eq.)を滴下し、30分撹拌後にHPLCでカルバメート反応終了を確認した。3−アミノ−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニン メチルエステル塩酸塩 5.92g(23.23mmol、1.03eq.)を加えてトリエチルアミン 9.75mL(69.93mmol、3.1eq.)を滴下し、25℃で3時間撹拌した。3−アミノ−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニン メチルエステル塩酸塩 0.4g(1.58mmol、0.07eq.)、トリエチルアミン 0.22mL(1.58mmol、0.07eq.)を追加し、HPLCでウレア化反応終了を確認した。メタンスルホン酸 7.32mL(112.8mmol、5.0eq.)を加えて50℃に昇温し、4時間撹拌した。HPLCで脱保護終了を確認した後、25℃に冷却してアセトニトリル 37.5mL(7.5L/kg)、水7.5mL(1.5L/kg)を加えて固体を析出させた。5℃に冷却して16時間熟成させた。析出した固体を減圧ろ過し、水/アセトニトリル(1/2) 20mL(4.0L/kg)で洗浄した後、40℃で5時間減圧乾燥して目的物7.72gを白色固体として得た(net 7.20g、87.3%)。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 8.39 (bs, 3H), 8.16 (d, 1H, J=1.2Hz), 7.90 (d, 1H, J=1.6Hz), 7.28 (d, 1H, J=1.6Hz), 6.78 (t, 1H, J=5.6Hz), 4.20-4.10 (m, 1H), 3.77(s, 3H), 3.70-3.60 (m, 1H), 3.55-3.45 (m, 1H), 2.21 (s, 3H)
HRMS (FAB-):calcd for m/z 364.0369(M-H), found m/z 364.0395(M-H)

(工程2)
(2)3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸ナトリウムの合成
工程1で得られた化合物 10.64g(net 10.0g、27.34mmol)に対し、水18mL(1.8L/kg vs 工程1の化合物)を添加して8℃で撹拌した。48%水酸化ナトリウム水溶液3.42mL(57.41mmol、2.1eq.)を滴下し、水1.0mL(1.0L/kg)で洗いこみを行った後、8℃で15分間撹拌した。HPLCで加水分解終了を確認した後、25℃に昇温して48% HBr aq.約3.55mLを加えてpHを5.8に調整した。イソプロピルアルコール 65mL(6.5L/kg)を滴下して目的物の析出を確認後、1時間熟成させた。イソプロピルアルコール 81mL(8.1L/kg)を滴下して8℃で一晩熟成させた。析出した固体を減圧ろ過し、イソプロピルアルコール 20mL(2.0L/kg)で洗浄した後、40℃で4時間減圧乾燥して目的物を白色固体として10.7g得た(net 9.46g、92.6%)。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ8.76 (s, 1H), 7.91 (d, 1H, J=1.6Hz), 8.00-7.50 (bs, 2H), 7.24 (d, 1H, J=1.6Hz), 7.20(t, 1H, J=5.6Hz), 3.58-3.54(m, 1H), 3.47-3.43(m, 1H), 3.42-3.37(m, 1H), 2.23(s, 3H)
実施例2 両腎摘ラットの血清Ca濃度および血清iPTH濃度に対する化合物A1の作用
7週齢のラット(Crl:CD(SD)、雄性)51匹を6日間の検疫・順化後、手術4日前から100%スクロース食を自由摂餌させた。手術当日、イソフルラン麻酔下で、背部から左右腎臓部位の皮膚を切開し、腎の被膜をとって腎動静脈及び尿管を縫合糸で結紮した後、左右の腎臓を切除した。ペニシリン溶解液を添加して縫合し、生理食塩液5mLを腹腔内投与した後、飼育ケージに戻した。
両腎摘手術翌日の被験物質投与日に無麻酔下で尾静脈からキャピラリーを用いて約100μLを採血し、微量高速冷却遠心機にて遠心(10000rpm、5min、4℃)して血清を分離した後、血清Ca濃度をドライケム分析装置(型番:富士ドライケム
7000、メーカー:富士フィルムメディカル(株))で測定し、血清Ca濃度が8.0mg/dL以上14.0mg/dL未満の個体を選別した。
両腎摘手術の翌日に、選別された動物について当日の体重をもとに投与用量を算出し、1群に媒体(生理食塩液)を、2群、3群及び4群にそれぞれ0.3、3及び30mg/mLの化合物A1溶液を、5群、6群、7群および8群(1群は5匹)にそれぞれ0.3、1、3および10mg/mLの比較化合物を各1mL/kgの容量で尾静脈内に単回投与した。投与前(0時間とした)、投与24および48時間後に、無麻酔下で尾静脈からキャピラリーで血清用血液約300μLを採血した。血清用血液は室温で静置し、採血後30分以上2時間以内に微量高速冷却遠心機にて遠心(10000rpm、5min、4℃)して血清を採取した。
その後、血清はCOBAS分析装置(型番:COBASINTEGRA 400plus、メーカー:ロシュ・ダイアグノスティックス(株))でCaを分析し、残りの血清をiPTH測定日まで超低温冷凍庫(設定温度−80±15℃)に保存した。iPTH測定日に血清を室温にて融解して測定を行った。
(化合物A1溶液)
338mgの化合物A1を生理食塩水10mlに溶解した30mg/mlの化合物A1溶液を用い、生理食塩水により希釈して0.3mg/ml、1mg/mlの化合物A1溶液を調製した。
(比較化合物溶液)
149mgのエテルカルセチド(Ac−c(C)arrrar−NH)TFA塩(WO 2011014707)を生理食塩水7mlおよび0.5N NaOH水溶液でpH6〜8に調製し、さらに生理食塩水を加え10mlとし、10mg/mlの比較化合物溶液を調製し、生理食塩水により希釈して0.3mg/ml、1mg/mlの比較化合物溶液を調製した。
(結果)
(1)両腎摘ラットの血清iPTH濃度
投与前(0時間)の全個体の血清iPTH濃度の平均値±標準誤差は231±16pg/mLであった。化合物A1の0.3、3および30mg/kg投与により血清iPTH濃度は低下し、投与24時間後の平均値はそれぞれ140、138および118mg/dLであり、投与48時間後はそれぞれ338、280および245mg/dLであった。なお、両腎摘ラットにおける化合物A1の30mg/kg単回静脈内投与の投与48時間後の血漿中化合物A1濃度は18.8μg/mLと推定され、血清iPTH濃度低下作用の50%有効濃度EC50値75ng/mLより十分高い濃度を維持していた。
一方、比較化合物の0.3、1、3および10mg/kg投与によっても血清iPTH濃度は低下し、投与24時間後の血清iPTH濃度の平均値はそれぞれ122、52、22および104mg/dLであり、投与48時間後はそれぞれ510、280、41および230(n=1)mg/dLであった。なお、両腎摘ラットにおける比較化合物の3mg/kg単回静脈内投与の投与48時間後の血漿中比較化合物濃度は0.13μg/mLと推定され、血清iPTH濃度低下作用の50%有効濃度EC50値40ng/mLより十分高い濃度を維持していた。投与48時間後の血清iPTH濃度と投与用量の反応関係について、ロジスティック曲線でカーブフィッティングを行った結果、化合物A1および比較化合物投与による血清iPTH濃度の下限値はそれぞれ203.0pg/mLおよび48.18pg/mLとシミュレートされた(図1)。
(2)両腎摘ラットの血清Ca濃度
投与前(0時間)の全個体の血清Ca濃度の平均値±標準誤差は11.25±0.28mg/dLであった。
化合物A1の0.3、3および30mg/kg投与により血清Ca濃度は低下し、投与24時間後の平均値はそれぞれ9.07、7.97および7.99mg/dLであり、投与48時間後ではそれぞれ10.24、8.55および8.14mg/dLであった。
また、比較化合物の0.3、1、3および10mg/kg投与によっても血清Ca濃度は低下し、投与24時間後の血清Ca濃度の平均値はそれぞれ8.33、6.42、6.82および6.95mg/dLであり、投与48時間後はそれぞれ10.44、7.33、5.85および6.65(n=1)mg/dLであった。
投与48時間後の血清Ca濃度と投与用量の反応関係について、ロジスティック曲線でカーブフィッティングを行った結果、化合物A1および比較化合物投与による血清Ca濃度の下限値はそれぞれ8.072mg/dLおよび5.880mg/dLとシミュレートされた(図2)。
(3)化合物A1および比較化合物単回投与後の両腎摘ラット生存数
各群の投与前の匹数は5匹であった。投与48時間後に、媒体群および化合物A1投与群では全匹数の5匹が生存していたのに対し、比較化合物投与群では3mg/kg群が4匹、10mg/kg群が1匹の生存数であった(図3)。

化合物A1は静脈内投与に用いられるCaSR活性化剤である。非臨床成績から主な排泄経路が腎排泄であることが示されており、正常ラットに静脈内投与した場合は速やかに血漿中から消失される。腎不全モデルラットにおいては、投与48時間の血清iPTHおよびCa濃度は十分な低下作用を示したが、用量増加に対するこれらの濃度低下作用は緩やかであった。
一方、既に上市されている同じ作用機序を有するエテルカルセチドは、用量依存的に血清iPTHおよびCa濃度を低下させたが、用量依存的に死亡ラット数が増加した。
この結果から、化合物A1は、エテルカルセチドと比較して血清iPTHおよびCa濃度を生命維持に影響がでる程度まで下げないという有利な効果を有し、腎障害患者の血清iPTHおよびCa濃度のコントロールに有用であることが示された。
実施例3 化合物A1のイヌに対する催吐性の検討
雄性ビーグル犬(ノーサンビーグル、月齢:14〜87か月、体重:10.2kg〜15.8kg)を用いたクロスオーバー試験を行った。実施例2で用いた化合物A1の0.3、1、10mg/kg溶液をボーラス投与(0.5mL/kg、1mL/sec)で、各用量3〜6例のイヌに投与し、投与直後の嘔吐の有無について確認した。投与は1週間に1または2回行い、投与間隔は2日以上設けた。投与は給餌前に実施した。
投与前、投与直後、投与後15および30分の症状を観察した。
(結果)
結果を表1に示す。
Figure 2019112396
イヌにおいて嘔吐例がない1mg/kg投与時は、C=18.8μMであった。後述の実施例5からヒト有効投与用量を0.1mg/manと仮定すると、全ドーズ同時フィッティングの解析結果から、C=0.0436μMであった。
以上の結果から、化合物A1における嘔吐作用の対ヒト薬効マージンは430倍以上であることが分かった。
シナカルセトは悪心や嘔吐等の消化器症状が高頻度に発現することが知られており、継続的な投与の阻害要因となっている。これに対し、本化合物A1は、イヌで嘔吐を発現する用量がヒトの投与用量と大きく異なるため、ヒトにおいて嘔吐等の副作用発現が少なく、安全であり、長期的投与に適した医薬組成物であるといえる。
実施例4 ラットの腹腔内肥満細胞を用いたヒスタミン遊離試験
SD系雄性ラット(10週齢)を用い、Kimura らの方法(Kimura T., Eur J Pharmacol. 2000 Nov 3;407(3):327-32.)に準じてラット腹腔肥満細胞を単離し、これらの肥満細胞に化合物A1を投与することにより遊離ヒスタミンの量をLiu J らの方法(Liu J J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci. 2014 Nov 15;971:35-42)に準じて測定し、ヒスタミン遊離に対する化合物A1、比較化合物および陽性対照であるCompound48/80による作用を比較した。すなわち、SD系ラットから腹腔細胞浮遊液を得た。細胞濃度0.4×10細胞/mlの腹腔細胞浮遊液に被験物質を添加し、37℃で30分間インキュベートした後、細胞上清中のヒスタミン濃度を測定した。なお、比較化合物としてエテルカルセチドを用い、化合物A1および比較化合物は実施例2と同様にして0.1μM〜1000μMの各5群に調製したものを、Compound48/80(シグマ社製)は0.1mg/ml、10.0mg/mlの濃度で用いた。
抑制率は下記の式により算出した。
抑制率(%)=(各群のヒスタミン濃度(μM)−陰性対照群のヒスタミン濃度(μM))×100/(総ヒスタミン量測定群のヒスタミン濃度(μM)−陰性対照群のヒスタミン濃度(μM))
(結果)
図4に示すように、化合物A1は、遊離ヒスタミンをほとんど惹起しないことが示された。一方、比較化合物は用量依存的に遊離ヒスタミン量が増加した。
エテルカルセチドは過敏性反応を発現する危険性が知られており、投与には十分な注意が必要とされる。これに対し、本化合物A1は、過敏性反応の主な原因とされるヒスタミン遊離作用が低いため、過敏性反応を発現する可能性が低く、副作用が低減された医薬組成物であることが確認された。
実施例5 臨床第I相試験および臨床有効量の設定
(1)臨床第I相試験(P1)
日本人の健康成人男性32例に、絶食下で0.01mg、0.1mg、1.0mgおよび2.5mgの被験薬(化合物A1)を単回静脈内投与し、薬物動態、薬力学および安全性について、プラセボを対照として二重盲検比較試験で検討を行った。なお、治験薬は、下記で調整した化合物A1のバイアル製剤より、投与用量に応じて必要用量を注射用滅菌水で希釈し、注射筒に充填して投与した。
(化合物A1のバイアル製剤)
注射用滅菌水10ml中に脱水物に換算した化合物A1を100mg、添加剤として塩化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム十二水和物およびリン酸二水素ナトリウム二水和物を溶解し封入するバイアル製剤
(プラセボ)
化合物A1を含有しない注射用滅菌水10ml封入するバイアル製剤
(結果)
健康成人男子を対象とした第I相試験において、プラセボを対照とし、0.01mg、0.1mg、1.0mgおよび2.5mgの化合物A1を単回静脈内投与した結果、血漿中にはほぼ未変化体として存在し、速やかに消失した。また、投与用量に対してほとんどが未変化体のまま尿中へ排泄されたことから、未変化体の主な消失経路が腎排泄であることが示された。薬力学的評価において、0.01mg投与群より投与前と比較して血清iPTH濃度の低下が確認され、投与用量の上昇によって血清iPTH濃度が低下した時間が持続した。安全性については、1.0mg投与群以上で嘔吐等非重篤・軽度の副作用が認められたが、その他に問題となる事象は認められなかった。
(2)臨床有効量の決定
P1の結果から臨床有効投与用量を予測するためにPK/PD解析を実施した。投与用量2.5mgの結果は過剰投与であることが推定されたため解析から除外し、投与用量0.01mg、0.1mgおよび1mgにおけるPK(血漿中濃度平均値)およびPD(iPTHの平均値をプラセボ群、および0時間値でノーマライズした値)データを使用した。PK/PD解析にはリバウンドを組み入れた間接反応モデルを使用した。
P1における3投与用量(0.01mg、0.1mgおよび1mg)のPKの結果から、3−コンパートメントモデルによる3投与用量同時解析を実施しPKパラメータを算出した(図5および表2)。
Figure 2019112396
算出したPKパラメータを入力関数とし、リバウンドを組み入れた間接反応モデル(図6)によるPK/PD解析を実施し、健康成人におけるEC50値を算出した(図7および表3)。
Figure 2019112396
算出した健康成人におけるEC50値、並びに、正常ラットおよびアデニンモデルラット(病態モデルラット)における同様の解析結果から、腎不全患者におけるEC50値を推定した。まず、ラットにおいて同様にEC50値を算出したところ、正常ラットでは<22.9ng/mL、アデニンモデルラットでは74.8ng/mLとなった。ラットでの正常、病態におけるEC50値の相異は、正常と病態で大きく異なるPK推移に起因するものと考えられることから、ヒトにおいても同様の傾向が得られると推察される。従って、健常および腎不全患者間におけるEC50値のscaling factorとして、「>3.3」を設定した。このscaling factorをヒトに適用することにより、腎不全患者におけるEC50値として>1.4ng/mLを推定した。
PKフィッティングの結果、およびPK−sim(登録商標)より算出された本薬の腎消失の寄与率(3.2%)を用いて、腎不全患者におけるPK予測シミュレーションを実施した。本PK予測シミュレーションと、先に推定した腎不全患者におけるEC50値>1.4ng/mLを用いて、腎不全患者において本薬の血漿中濃度が、EC50値を72時間維持できる投与用量を予測し、推定臨床有効投与用量とすることとした。その結果、0.06mg/man投与時に、72時間、1.4ng/mLを上回ると見積もられた(図8)。EC50値は1.4ng/mLを上回ると推定されていることを考慮し、臨床有効投与用量=0.1mg/manと予測した。
実施例6 臨床第I/II相試験
維持血液透析下のSHPT患者を対象として、化合物A1の単回又は反復静脈内投与時の薬物動態、薬力学および安全性について、プラセボを対照とした二重盲検比較試験を実施して検討した。
単回投与:投与用量は実施例5で算出した臨床有効投与用量に基づき0.025mg、0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.4mg、0.6mg、0.8mgの7Stepとした。治験薬は治験薬投与日の透析終了後2時間以上4時間以内にできるだけゆっくりと60秒以内で静脈内に投与した。なお、治験薬は、下記で調整した化合物A1のバイアル製剤より、投与用量に応じて必要用量を注射用滅菌水で希釈し、注射筒に充填して投与した。
反復投与:投与用量は実施例5で算出した臨床有効投与用量に基づき0.05mg、0.1mg、0.2mgの3Stepとした。治験薬は治験薬投与開始日より週3回22日間(計9回投与)、透析終了直前に透析回路静脈側に注入(静注)した。なお、治験薬は、下記で調整した化合物A1のバイアル製剤より、投与用量に応じて必要用量を注射用滅菌水で希釈し、注射筒に充填して投与した。
所定の評価スケジュールに従い、各種評価項目を評価した。
(化合物A1のバイアル製剤)
注射用滅菌水10ml中に脱水物に換算した化合物A1を1mg、添加剤として塩化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム十二水和物およびリン酸二水素ナトリウム二水和物を溶解し封入するバイアル製剤
(プラセボ)
化合物A1を含有しない注射用滅菌水10ml封入するバイアル製剤
(結果)
(1)単回投与44例(化合物A1投与群:29例、プラセボ投与群:15例)
薬物動態評価:血漿中化合物A1のCmaxおよびAUCは投与用量の増加に伴い増加した。t1/2は65.0〜122時間であった。投与66時間後に血液透析を実施した結果、透析直後の血漿中化合物A1濃度は透析直前の値より75〜81%低下していた。
血清iPTH濃度:単回投与により血清iPTH濃度は、化合物A1投与群において投与直後より低下し、投与66時間後(透析直前)までその効果を維持した。なお、当該血清iPTH濃度変化率は投与66時間後において、0.025mg投与群で27%、0.05mg投与群で48%、0.1mg投与群で44%、0.2mg投与群で57%、0.4mg投与群で78%、0.6mg投与群で69%、0.8mg投与群で66%低下した。
安全性:単回投与において、因果関係ありと判断された嘔吐が0.4mg投与群 以上の用量で認められ、悪心が0.6mg投与群で認められたが、いずれも非重篤、軽度な事象であり、その他に臨床的に問題となる所見は認められなかった。
(2)反復投与39例(化合物A1投与群:28例、プラセボ投与群:11例)
薬物動態評価:反復投与において、血漿中には主に未変化体として存在した。また、最大透析間隔後における透析前化合物A1トラフ濃度は概ね一定であったことから、反復投与によって透析前の血漿中化合物A1トラフ濃度は上昇しないことが示された。すなわち、本発明の医薬組成物は、透析により速やかに除去され蓄積性がないことがわかった。
血清iPTH濃度:反復投与により血清iPTH濃度は、化合物A1投与群において試験期間中低下し、その効果を維持した。なお、当該血清iPTH濃度変化率は試験22日目(9回目の化合物A1投与の3日後)において、0.05mg投与群で8%、0.1mg投与群で25%、0.2mg投与群で36%低下していた。
安全性:反復投与において、補正Ca減少が0.2mg投与群、0.05mg投与群で認められたが、いずれの症例においても軽度で、安全性上重大な問題に至るようなことはなかった。0.1mg投与群の症例では、補正Ca減少は認められなかった。
上記結果から、本発明の医薬組成物は、日本人に対しては成人1日あたり0.025mg〜0.8mgの範囲内において用いられる場合、副作用が少なく、二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療剤として有用であることが示された。
本発明の医薬組成物は、維持透析患者の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療剤等として有用である。

Claims (7)

  1. 成人1日あたり0.025mg〜0.8mgの用量で透析終了時に静脈内投与される、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物。
  2. 成人1日あたり0.025mg〜0.8mgの用量で透析終了時に静脈内投与される、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む副作用が低減された維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物。
  3. 成人1日あたり0.025mg〜0.8mgの用量で透析終了時に静脈内投与され、有意な蓄積性を示さない、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物を含む維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の予防または治療用医薬組成物。
  4. 成人1日あたり0.025〜0.4mgの用量で静脈内投与される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 成人1日あたり0.05〜0.2mgの用量で透析終了時に静脈内投与される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 前記透析終了時が、週3〜5回の透析スケジュールにおける各透析の終了時である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸またはその製薬学的に許容される塩もしくはそれらの溶媒和物が、3−{[(2S)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]カルバモイルアミノ}−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸ナトリウムまたはそれらの溶媒和物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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