JP2019112358A - 分離偏析を抑制するセルロース含有成形体 - Google Patents

分離偏析を抑制するセルロース含有成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】直接打錠法のような簡便な方法により、平均粒子径が10μm以下、又は30μm以上の有効成分を含有する成形体であって、1個の成形体中で成分の偏りが小さい成形体の提供。【解決手段】有効成分と、偏析防止剤とを含む成形体であり、前記有効成分の平均粒子径が10μm以下、又は30μm以上であり、前記偏析防止剤が平均粒子径が1μm以上のセルロース粉末であり、成形体全量に対する前記偏析防止剤の含有量が1.0質量%以上である、成形体。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロース粉末と一種以上の有効成分を含む成形体に関するものである。該成形体は、医薬、食品、その他化学工業分野で用いられるが、特に医薬品用錠剤として有用なものである。
従来、医薬品、健康食品、食品、その他化学工業分野において、セルロース粉末を賦形剤として用いることにより、有効成分を含有する成形体、例えば、錠剤などに調製することは広く知られている。錠剤の製造方法としては、例えば、有効成分とその他の添加剤を混合し、さらに滑沢剤等を加え混合し、打錠することにより錠剤とする直接打錠法がある。その他、有効成分とその他の添加剤とを混合し、次いで結合剤とともに水等で造粒して顆粒とし、さらに滑沢剤等を加え混合し、打錠することにより錠剤とする湿式打錠法や、前記顆粒にセルロース粉末や崩壊剤等を加えて混合し、さらに滑沢剤等を加え混合し、打錠することにより錠剤とする湿式打錠後末法などがある。
錠剤を製造する場合、有効成分の含量の均一性が要求される。特に有効成分の含量が20質量%以下の場合、正確に薬効を発現させるために、錠剤中の含量を均一にすることがより強く求められる。含量均一性を担保するためには、錠剤の製造工程中において、有効成分の分離偏析をできるだけ抑制することが重要である。例えば、湿式打錠後末法では、有効成分を含む顆粒と、セルロース粉末や崩壊剤等の他の添加剤とが、混合時、又は錠剤とするまでに経る工程中で分離偏析しないことが望ましい。一方で、直接打錠法は、有効成分を顆粒などに加工する工程がなく、有効成分の物性の影響を直接に受けるため、一般に湿打打錠法、湿打打錠後末法よりも含量均一性が確保しにくい。
有効成分として用いられる化合物の性質によっては、しばしば、分離偏析が生じることがある。有効成分の物性の影響を小さくするため、有効成分を粉砕して粒子径を小さく制御することが行われている。しかしながら、有効成分の粒子径を小さく制御すると、重量が軽くなることや表面付着力が増大すること等により流動性が悪くなる。これにより、打錠時に臼への充填が不十分となって、錠剤重量の変動が起こりやすく、かえって有効成分の含量均一性の確保が困難になる。
これまでに分離偏析を解決する方法としていくつか開示されている。例えば、有効成分の粉砕等により粒子径を小さく制御した際に生じる活性成分の流動性の低下を防ぐ方法として、特許文献1には、予め薬物と流動改質剤(タルク、軽質無水ケイ酸など)とを混合した後、その混合粉体とその他の添加剤とをさらに混合することにより、有効成分の含量均一性を向上させる混合方法が開示されている。これらの無機系流動改質剤は、薬物に対して200質量%を超えると、流動改質剤の飛散性、付着性が発現し、作業性が悪くなるため効果が得られにくい。また、該文献には、使用する薬剤の濃度が低い場合において効果がより顕著であると記載されており、実施例での有効成分の含量を考慮すると、2質量%以下の場合に有効な方法であることが示唆されている。
また、特許文献2には、平均粒子径が大きくとも30μmであり、かつ比表面積が1.3m/g以上であるβ−1,4グルカン粉末を含有する組成物を、乾式造粒法又は乾式顆粒圧縮法で賦形することを特徴とする固形製剤の製造方法が記載されている。さらに、特許文献3には、セルロースI型結晶を含有し、平均粒子径が30μm未満、嵩密度が0.1〜0.45g/cm、タッピング密度が0.1〜0.5g/cm、安息角が35〜50°、比表面積が0.1以上20m/g未満、内部摩擦角が36〜42°であることを特徴とするセルロース粉末が、偏析防止効果に優れていることが記載されている。
特開2003−81876号公報 特公昭63−267731号公報 特許第5439366号公報
流動性を確保するためには、流動性のよい添加剤を加えることが一般的である。しかし、流動性のよい添加剤には、平均粒子径が大きなものが多い。有効成分の平均粒子径と添加剤の粒子径との差が大きくなると分離偏析が起こりやすくなる。そこで、錠剤の製造においては、有効成分の物性安定化と錠剤化が可能な程度の流動性を両立することが重要である。
特許文献1の記載からは、錠剤中の有効成分含量が少ない場合、例えば2質量%以下の場合には、無機系流動改質剤の錠剤への含有量を多くする、例えば錠剤の全重量の4%を超えて配合することは困難であったと考えられる。また、該文献では、予め有効成分と流動改質剤を混合した後にその他の添加剤を混合しなくてはならず、調製に手間がかかるということも課題であった。また、金属塩を含む流動改質剤の場合は薬物の安定性を低下させる場合があり、必ずしも実用に適さない場合があった。さらにタルクを使用する場合は、タルクがアスベストと化学組成が同じであることから、取扱い時の安全性確保に注意を要する。なお、日本国内の健康食品分野では、タルクの使用量は0.5%以下に制限されている。以上のことから、使用量に制限がなく、取り扱い性に優れ、活性成分の安定性に影響することなく、含量均一性を改善できる添加剤が必要とされていた。
また、特許文献2には、特に湿式打錠後末法において、顆粒とその後に添加した成分との分離偏析が問題になるとの記載がある。すなわち該文献の課題は、湿式打錠後末法におけるものである。しかし、該文献のβ−1,4グルカン粉末は、安息角が高く流動性が悪いため、予め主薬を含んだ顆粒のように、粒子径が大きくある程度流動性が確保されているものに対しては効果を発揮するものの、平均粒子径を小さく制御した有効成分に対して配合すると、さらに流動性が悪化してしまい、臼に組成物が充填されず錠剤化することすらできなくなるという課題があった。すなわち、特許文献2に記載のβ−1,4グルカン粉末では、直接打錠における分離偏析の課題は解決できていなかった。
また、特許文献3に記載のセルロース粉末は、偏析防止に一定の効果を示すものの、有効成分の平均粒子径が10μm以下の場合、又は30μm以上の場合には、1個の成形体中で有効成分の偏りが生じる場合もあった。特に、有効成分が非白色の場合、成形体中で成分の偏りが生じると、表側と裏側とで色の違いが表れ、成形体の外観も損なわれる。
このように、従来の技術では、使用量に制限がなく、取り扱い性に優れ、活性成分の安定性に影響することなく、かつ有効成分の平均粒子径が10μm以下、又は30μm以上であっても、有効成分の分離偏析を抑制して含量均一性を改善できる添加剤は知られていなかった。
本発明の目的は、直接打錠法のような簡便な方法により、平均粒子径が10μm以下、又は30μm以上の有効成分を含有する成形体であって、1個の成形体中で成分の偏りが小さい成形体を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、平均粒子径が特定値以上のセルロース粉末を偏析防止剤として配合することにより、有効成分の分離偏析が抑制できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] 有効成分と、偏析防止剤とを含む成形体であり、前記有効成分の平均粒子径が10μm以下、又は30μm以上であり、前記偏析防止剤が平均粒子径が1μm以上のセルロース粉末であり、成形体全量に対する前記偏析防止剤の含有量が1.0質量%以上である、成形体。
[2] 前記有効成分が非白色であり、前記成形体の表と裏で白色度の差が±10%未満である前記[1]の成形体。
[3] さらに、賦形剤を、成形体全量に対して50質量%以上90質量%以下含む、前記[1]又は[2]の成形体。
[4] 前記セルロース粉末の嵩密度が0.05g/cm以上である、前記[1]乃至[3]のいずれかの成形体。
[5] 前記有効成分の含有量が、成形体全量に対して20質量%以下である、前記[1]乃至[4]のいずれかの成形体。
本発明により、有効成分の平均粒子径が10μm以下、又は30μm以上の場合に、1個の成形体中で成分の偏りを防ぐことができ、成形体の外観を改善することができる。また、本発明において用いられる偏析防止剤は、有効成分と単に混合させるだけで前記効果が発揮できるため、本実施形態の成形体は、その製造において造粒工程なども不要となり、生産性にも優れる。
実施例1で作製した錠剤の表側と裏側の透過光写真である。 比較例1で作製した錠剤の表側と裏側の透過光写真である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(偏析防止剤)
本実施形態において、偏析防止剤はセルロース粉末である。セルロース粉末とは、結晶セルロース、粉末セルロースなどと称されるものであり、医薬品添加剤又は食品添加物として用いられているものであれば好適に用いることができる。セルロース粉末として好ましくは、結晶セルロースである。なお、本願明細書でいう結晶セルロースとは、少なくとも、食品添加物公定書第8版に記載の微結晶セルロースの確認試験に適合するものであり、より好ましくは、日本薬局方第16改定に記載の結晶セルロースの確認試験に適合するものである。セルロース粉末は安全性が高く、配合量に特段の制限がない点も、本発明の利点といえる。
本実施形態において使用されるセルロース粉末の平均重合度は、150〜450が好ましい。平均重合度が150以上であると圧縮成形性が高くなるので好ましく、また450以下であるとセルロースの加水分解が十分であり、セルロースの非晶質部分を多く含まず、繊維性が強く現れ弾性回復し易くなることがなく、成形性に優れる傾向にある。より好ましくは150〜350である。
本実施形態において使用されるセルロース粉末の平均粒子径は、1μm以上である。1μm以上250μm未満が好ましく、1μm以上150μm未満がより好ましく、1μm以上100μm未満がさらに好ましく、1μm以上80μm未満が特に好ましい。平均粒子径が1μm以上であると微粒化する際に、過度に粒子表面に衝撃を受けてセルロース粒子が凝集することが少なく、有効成分と混合する際に、有効成分が均一に分散することで得られた成形体の含量ばらつきが小さくなるので好ましい。また、平均粒子径が250μm未満であると、有効成分とセルロース粉末が分離偏析を起こし難く、好ましい。なお、セルロース粉末の平均粒子径は、レーザー回折散乱粒度分布計(堀場製作所製、LA−910)で測定される体積頻度の数平均である。
本実施形態において使用されるセルロース粉末は、嵩密度が0.05g/cm以上が好ましく、0.10g/cm以上がより好ましく、0.15g/cm以上がさらに好ましい。嵩密度の上限としては、1.0g/cm未満が好ましく、0.7g/cm未満がより好ましく、0.4g/cm未満がさらに好ましい。嵩密度が上述の範囲であると、錠剤中の成分が均一に分散し、偏析が起こりにくい傾向がある。
なお、本実施形態において使用されるセルロース粉末は、化粧品成分、色素、香料、触媒、界面活性剤と混合して使用してもよい。
(セルロース粉末の製造方法)
以下に本実施形態において使用されるセルロース粉末の製造方法について記述する。
本実施形態において使用されるセルロース粉末は、例えば、加水分解処理された天然セルロース系物質を適当な媒体に分散して得られるセルロース分散液を乾燥することにより得られる。この場合、加水分解処理により得られる加水分解反応溶液から、加水分解処理されたセルロース系物質を含む固形分を単離し、別途これを適当な媒体に分散させて調製した分散液を乾燥してもよい。また、同加水分解溶液がそのままの状態で、セルロース分散液を形成している場合はこの分散液を直接乾燥することもできる。
天然セルロース系物質とは、植物性でも動物性でもよく、例えば木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、バクテリアセルロース等のセルロースを含有する天然物由来の繊維質物質であり、セルロースI型の結晶構造を有していることが好ましい。原料として、前記のうち1種の天然セルロース質物質を使用してもよく、2種以上を混合したものを使用することも可能である。また、精製パルプの形態で使用することが好ましいが、パルプの精製方法には特に制限はなく、溶解パルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等いずれのパルプを使用してもよい。
天然セルロース系物質の加水分解方法は、酸加水分解であっても、アルカリ酸化分解、熱水分解、スチームエクプロージョン等であってもよい。また、これらのいずかの方法を単独で行ってもよく、2種以上を併用することも可能である。
前記製法において、加水分解処理されたセルロース系物質をふくむ固形分を、その後適当な媒体に分散させる場合に用いられる媒体としては、工業的に使用されるものであれば特に制限はない。当該媒体としては、例えば水、有機溶剤を使用してもよい。有機溶剤としてば、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2−メチルブチルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類等が挙げられる。特に、有機溶剤は、医薬品に使用されるものが好ましく、「医薬品添加剤事典2016」(薬事日報社(株)発行)に溶剤として分類されるものが挙げられる。水、有機溶媒は、それぞれを単独で使用してもよく、2種以上を併用することも自由であり、1種の媒体で一旦分散させたのち、その媒体を除去し、異なる媒体に分散させてもよい。
このようにして得られるセルロース分散液中に存在するセルロース分散粒子の平均粒子径は1μm以上であること好ましい。平均粒子径が1μm以上である場合、セルロース分散液を乾燥することによって、得られたセルロース粉末の見かけ比容積が大きい本願発明の圧縮成形性、液状成分保持性に優れるセルロース粉末を得ることができる。特に、平均粒子径が1μm未満のセルロース分散液は、比較的多量のセルロース分散微粒子成分を含むが、この微粒子成分は、微粒化する際に、粒子表面に過度に衝撃を受け、表面構造が変化しているため、微粒子成分を多く含む分散液を乾燥させた場合には、液状成分の保持性が高いセルロース粉末を得ることは困難である。
前記セルロース分散液において、平均粒径が1μm以上となるセルロース分散粒子を得るためには、例えば、乾燥前のセルロース分散液について、デカンターを使用したデカンテーションを行って水分を吸収させ、水分含量が40質量%以上となるように制御して一気に脱水精製を行うことで大きい粒子とすることができる。または、別法として、篩わけにより選別された平均粒子径1μm以上のセルロース分散粒子を、別途、適当な媒体に分散させてもよい。
加水分解処理された天然セルロース系物質を適当な媒体に分散したセルロース分散液の調製は、いずれかの方法単独で行ってもよく、併用して用いてもよい。また、セルロース分散液の乾燥方法も特に制限はなく、例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、棚段乾燥、気流乾燥、真空乾燥及び有機溶剤と共に乾燥する乾燥方法でもよい。
乾燥により得られたセルロース粉末の平均粒子径は、1μm以上250μm未満と幅広く、一次粒子率が50%未満であるため、粉砕してもよい。当該粉砕は、超遠心粉砕機(ZM−200、Retsch製)、ジェットミル(STJ−200、セイシン企業製)やハンマミル(H−12、ホソカワミクロン製)、バンタムミル(AP−B、ホソカワミクロン製)ピンミル(160Z、パウレック製)などの粉砕機で粉砕することにより実施できる。特に、ジャットミル粉砕機(STJ−200、セイシン企業製)は、高い圧力の空気圧で粒子同士を衝突させながら粉砕する気流式粉砕機であり、二次粒子が破砕され一次粒子化しやすいため、好ましい。
(有効成分)
本実施形態の成形体に含まれる有効成分としては、様々な医薬品薬効成分、食品成分、健康食品成分等が挙げられる。有効成分の形態は、粉体状、結晶状、油状、液状、半固形状などいずれの形態でもよい。また、溶出制御、苦味低減等の目的でコーティングを施したものであってもよい。さらに、本実施形態の成形体に含まれる有効成分は、1種類であってもよく、2種以上であってもよい。
本実施形態の成形体に含まれる有効成分の平均粒子径は、10μm以下、又は30μm以上である。有効成分の平均粒子径の下限値としては、0.1μm以上が好ましく、上限値としては1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。
以下に本実施形態の成形体に含まれる有効成分として好適なものを例示する。
本実施形態の成形体に含まれる有効成分としては、経口投与される医薬品の有効成分が好ましい。経口投与される医薬品としては、例えば、抗癲癇薬、解熱鎮痛消炎薬、精神神経用薬、骨格筋弛緩薬、催眠鎮静薬、眠気防止薬、鎮暈薬、小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗鬆症治療薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、滋養強壮剤、ビタミン剤など、が挙げられる。これらの薬効成分は、単独で使用してもよく、2種以上を併用することも自由である。
具体的には、抗癲癇薬(フェニトイン、アセチルフェネトライド、トリメタジオン、フェノバルビタール、プリミドン、ニトラゼパム、バルプロ酸ナトリウム、スルチアム、等)、解熱鎮痛消炎薬(アセトアミノフェン、フェニルアセチルグリシンメチルアミド、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フロクタフェニン、アスピリン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、オキシフェンブタゾン、スルピリン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、アルクロフェナク、ナロキセン、ケトプロフェン、塩酸チノリジン、塩酸ベンジダミン、塩酸チアラミド、インドメタシン、ピロキシカム、サリチルアミド、等)、鎮暈薬(ジメンヒドリナート、塩酸メクリジン、塩酸ジフェニドール、等)、麻薬(塩酸アヘンアルカロイド、塩酸モルヒネ、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、オキシメテバノール等)、精神神経用薬(塩酸クロルプロマジン、マレイン酸レボメプロマジン、マレイン酸ペラジン、プロペリシアジン、ペルフェナジン、クロルプロチキセン、ハロペリドール、ジアゼパム、オキサゼパム、オキサゾラム、メキサゾラム、アルプラゾラム、ゾテピン、等)、骨格筋弛緩薬(クロルゾキサゾン、カルバミン酸クロルフェネシン、クロルメザノン、メシル酸プリジノール、塩酸エペリゾン、等)、自律神経用薬(塩化ベタネコール、臭化ネオスチグミン、臭化ピリドスチグミン、等)、鎮痙薬(硫酸アトロピン、臭化ブトロピウム、臭化ブチルスポコラミン、臭化プロパンテリン、塩酸パパベリン、等)、抗パーキンソン薬(塩酸ビペリデン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸アマンタジン、レボドパ、等)、抗ヒスタミン薬(塩酸ジフェンヒドラミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、プロメタジン、メキタジン、フマル酸クレマスチン、等)、強心剤(アミノフィリン、カフェイン、dl−塩酸イソプロテレノール、塩酸エチレフリン、塩酸ノルフェネリン、ユビデカレノン、等)、不整脈用薬(塩酸プロカインアミド、ピンドロール、酒石酸メトプロロール、ジソビラミド、等)、利尿薬(塩化カリウム、シクロペンチアジド、ヒドロクロロチアジド、トリアムテレン、アセタゾラミド、フロセミド、等)、血圧降下薬(臭化ヘキサメトニウム、塩酸ヒドララジン、シロシンゴピン、レセルピン、塩酸プロプラノール、カプトプリル、メチルドパ、等)、血管収縮薬(メシル酸ジヒドロエルゴタミン、等)、血管拡張薬(塩酸エタフェノン、塩酸ジルチアゼム、塩酸カルボクロメン、四硝酸ペンタエリスリトール、ジピリダモール、硝酸イソソルビド、ニフェジピン、クエン酸ニカメタート、シクランデレート、シンナリジン、等)、動脈硬化用薬(リノール酸エチル、レシチン、クロフィブラート、等)、循環器官用薬(塩酸ニカルジピン、塩酸メクロフェノキサート、チトクロームC、ピリジノールカルバメート、ピンボセチン、ホパンテン酸カルシウム、ペントキシフィリン、イデベノン、等)、呼吸促進薬(塩酸ジメフリン、等)、鎮咳去痰薬(リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、塩酸L−メチルシステイン、塩酸ブロムヘキシン、テオフィリン、塩酸エフェドリン、アンレキサノクス、等)、利胆薬(オサルミド、フェニルプロパノール、ヒメクロモン、等)、整腸薬(塩化ベルベリン、塩酸ロペラミド、等)、消化器官用薬(メトクロプラミド、フェニペントール、ドンペリドン、等)、ビタミン剤(酢酸レチノール、ジヒドロタキステロール、エトレチナート、塩酸チアミン、硝酸チアミン、フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、ニコチン酸、パンテチン、シアノコバラミン、ビオチン、アスコルビン酸、フィトナジオン、メナテトレノン、等)、抗生物質(ベンジルペニシリンベンザチン、アモキシシリン、アンピシリン、シクラシリン、セファクロル、セファレキシン、セフロキシムアキセチル、エリスロマイシン、キタサマイシン、ジョサマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、グリセオフルビン、セフゾナムナトリウム、等)、化学療法薬(スルファメトキサゾール、イソニアジド、エチオナミド、チアゾスルホン、ニトロフラントイン、エノキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、等)が挙げられる。
その他の有効成分としては、メトフォルミン、カフェイン、ランソプラゾール、ファモチジン、オメプラゾール、クエン酸モサプリド、ボグリボース、酒石酸ゾルピデム、ロラタジン、イミダプリル塩酸塩、ミゾリビン、塩酸セフカペンピボキシル、レボフロキサシン、リスペリドン、コハク酸スマトリプタン、フマル酸クエチアピン、コハク酸ソリフェナシン、テアニン、アミノ酸、フリーズドライ梅フレーク顆粒、フリーズドライ梅パウダー、フリーズドライブルーベリー、フリーズドライマンゴー、フリーズドライカシス、フリーズドライゆず果汁、フリーズドライみそ、フリーズドライしそ葉入り梅、フリーズドライ苺、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、N−アセチルグルコサミン、コエンザイムQ10、ギムネマ、アガリクス、コラーゲン、サイリウムハスク末、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸塩、ウコン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸エステル、アルギン酸亜鉛、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム、防風痛聖散、明日葉、アスタキサンチン、アルファーリポ酸、イチョウ葉、エラスチン、L−カルニチン、キトサン、クロレラ、スピルリナ、セラミド、コノギリヤシ、ヒアルロン酸、ビルベリー、β―グルカン、マカ、松樹皮抽出物、ルテイン、アフリカマンゴノキ、柑橘系フルーツ抽出エキス、キノコキトサン、葛の花エキス、グリーンコーヒー豆エキス、グリーンルイボス、黒酢、オルニチン、オリーブ、クルクミン、アガリクス、霊芝等菌類、リン脂質、オリゴ乳酸、フェルラ酸、青大豆パウダー、ラクトビオン酸、キャッツクロー、ポリフェノール等が挙げられる。
また、油状、液状の有効成分としては、例えば、テプレノン、インドメタシン・ファルネシル、ジメチコン、メナテトレノン、フィトナジオン、ビタミンA油、フェニペントール、ビタミン D、ビタミンE等のビタミン類、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、肝油等の高級不飽和脂肪酸類、補酵素Q類、オレンジ油、レモン油、ペパーミント油等の油溶性香味料等の「第16改正 日本薬局方」((株)廣川書店発行)、「局外規」、「USP26」、「NF21」(いずれもUNITED STATES PHARMACOPEIAL CONVENTION,INC発行)、「EP」に記載の医薬品薬効成分等が挙げられる。ビタミンEには種々の同族体、誘導体があるが、常温で液状であれば特に限定されない。例えばdl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、酢酸d−α−トコフェロール等を挙げることができ、前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用することも自由である。
半固形状の有効成分としては、例えば、漢方又は生薬エキス類、カキ肉エキス、プロポリス又はプロポリス抽出物、及び補酵素Q類等を挙げることができる。漢方又は生薬エキス類としては、具体的には、地竜、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ボタンピ、カノコソウ、サンショウ、ショウキョウ、チンピ、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、 キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、石蒜、セネカ、 バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、 カミツレ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンヒ、ビャクジュツ、チクセツニンジン、ニンジン、葛根湯、桂枝湯、香蘇散、紫胡桂枝湯、小紫胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯等が挙げられる。本実施形態の成形体に含まれる有効成分としては、前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用することも自由である。
本実施形態の成形体に含まれる有効成分としては、非白色の成分が特に好ましい。有効成分が非白色である場合には、有効成分に由来する色によって錠剤表面は斑の外観になりやすい。分離偏析が生じた場合には、錠剤の表側と裏側で外観の斑模様の差や、個々の錠剤間の外観が不均質となる。これに対して、分離偏析が生じない場合には、錠剤の表側と裏側はもちろんのこと、個々の錠剤間においても、外観が均質となる。すなわち、本発明において用いられる偏析防止剤によって分離偏析が抑制されると、含量均一性が確保できる利点に加えて外観品質も改善されるという利点も得られる。前記で列挙された有効成分のうち、非白色のものは、ユビデカレノン、リボフラビン、ランソプラゾール、フリーズドライ梅フレーク顆粒、フリーズドライ梅パウダー、フリーズドライブルーベリー、フリーズドライマンゴー、フリーズドライカシス、フリーズドライゆず果汁、フリーズドライみそ、フリーズドライしそ葉入り梅、フリーズドライ苺、コエンザイムQ10、ギムネマ、アガリクス、ウコン、防風痛聖散、明日葉、イチョウ葉、クロレラ、コノギリヤシ、ビルベリー、マカ、松樹皮抽出物、葛の花エキス、グリーンコーヒー豆エキス、グリーンルイボス、黒酢、オルニチン、オリーブ、クルクミン、アガリクス、霊芝等菌類、青大豆パウダー、ビタミンA油、ビタミン D、ビタミンE(dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、酢酸d−α−トコフェロール)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、肝油等の高級不飽和脂肪酸類、オレンジ油、レモン油、ペパーミント油、地竜、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ボタンピ、カノコソウ、サンショウ、ショウキョウ、チンピ、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、 キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、石蒜、セネカ、 バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、 カミツレ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンヒ、ビャクジュツ、チクセツニンジン、ニンジン、葛根湯、桂枝湯、香蘇散、紫胡桂枝湯、小紫胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯、カキ肉エキス、プロポリス又はプロポリス抽出物、及び補酵素Q類である。
(成形体)
本実施形態の成形体は、1種以上の有効成分と前記の平均粒子径が1μm以上のセルロース粉末からなる偏析防止剤とを含有している。該成形体を製造する方法としては、各成分の混合、撹拌、造粒、整粒、打錠等の公知の方法で実施できる。
本実施形態の成形体中の有効成分の含有量は、特に限定されず、任意の割合で含めることができる。ただし、有効成分の含有量が少ないほど、有効成分の偏析が問題になりやすい。このため、成形体全量に対する有効成分の含有量が50質量%以下であると、本発明の効果が特に有効に発揮される。成形体全量に対する有効成分の含有量は、30質量%以下でもよく、20質量%以下でもよい。有効成分の含有量の下限値は、特に限定されるものではなく、有効成分の種類に応じて適宜決定することができる。当該下限値としては、例えば、成形体全量に対して0.01質量%以上とすることができ、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。
本実施形態の成形体中の前記セルロース粉末の含有量は、成形体の全量(重量)に対して1質量%以上であり、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。1質量%以上の添加率であれば、前記セルロース粉末による偏析抑制効果が十分に発揮され、かつ実用的な硬度の成形体が得られ好ましい。また、前記セルロース粉末の成形体全量に対する含有量の上限値としては、特に限定されるものではなく、95質量%以下とすることができ、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。
(賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤など)
本実施形態の成形体は、有効成分、偏析防止剤の他に、必要に応じて賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、矯味剤、香料、着色剤、甘味剤、高甘味剤等の他の成分を含有することもできる。これらの成分は有効成分と合計して、成形体全量に対して1質量%以上90質量%未満であることが好ましい。
特に、賦形剤に関しては、成形体全量(質量)に対して50質量%以上90質量%未満含まれることが好ましい。ただし、ここで言う「賦形剤」には、セルロース粉末は含まない。本発明においてセルロース粉末は偏析防止剤として用いるため、主に賦形剤として機能する成分はセルロース粉末以外であることが望ましい。錠剤の重量のおよそ半分以上がセルロース粉末以外の賦形剤で占められていれば、セルロース粉末の賦形剤としての機能は限定的であるから、純粋に偏析防止剤として見ることができる。
賦形剤や結合剤としては、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類;白糖、ブドウ糖、乳糖、果糖等の糖類;ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコマンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類;結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類;ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類;リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機化合物類;等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に結合剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用することも自由である。
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、クロスポビドン、クロスポビドンコポリマー等の合成高分子等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に崩壊剤として分類されるものやその他の添加剤などの製剤や食品などに使用可能な成分も挙げることができ、前記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
流動化剤としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に流動化剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に滑沢剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用することも自由である。
矯味剤としては、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、1−メントール等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に矯味剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用することも自由である。
香料としては、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等の油類、緑茶末等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に着香剤、香料として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
着色剤としては、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビン等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に着色剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用することも自由である。
甘味剤、高甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリン、ギリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、スクラロース、果糖、キシリトール、水飴、アマチャ末等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に甘味剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用することも自由である。
(成形体の白色度)
有効成分が非白色の場合、成形体の表裏の白色度を測定することで、有効成分の分離偏析状態が確認できる。例えば、成形体表側の白色度80%、成形体裏側の白色度75%の場合、有効成分の割合は、成形体表側が20%、成形体裏側が25%となり、その差は5%となる。分離偏析の許容範囲は、成形体の表側と裏側の白色度の差が±10%未満であれば、非白色の有効成分が分離偏析せず良好な状態であり、±7%以下がより好ましく、±5%以下がさらに好ましい。±10%以上の場合は、有効成分が分離偏析している状態となり、好ましくない。なお、成形体の白色度は、例えば、分光式色差計(SE−2000/日本電色)を反射モードに設定した装置で測定することができる。
(成形体の製造方法)
本実施形態の成形体は、前記セルロース粉末からなる偏析防止剤と、1種以上の有効成分と必要に応じて他の添加剤とを含んだ組成物であって、圧縮成形により得られ得る成形体をいう。前記セルロース粉末を配合した成形体は、特に、複雑な工程を経ずに直接打錠法のような簡便な方法で実用硬度が得られるが、乾式顆粒圧縮法、湿式顆粒圧縮法、後末法、予め圧縮成形した成形体を内核とする多核錠の製造方法等のいずれかの製造方法を使用して成形されてもよい。
以下に1種以上の有効成分と前記セルロース粉末からなる偏析防止剤とを主成分とする成形体組成物の製造方法について記述するが、一例であって、本実施形態における製造方法は、以下の方法に制限されるものではない。ここでいう有効成分は、固形状、液状、半固形状のいずれの形態でもよく、単体で使用しても、媒体に溶解、懸濁、乳化して使用してもよい。
一般的な成形体の製造方法としては、例えば、以下の方法があげられる。
i)セルロース粉末と有効成分を混合し圧縮成形する製造方法。
ii)有効成分を予め水に溶解又は分散させたものとセルロース粉末を混合し圧縮成形する製造方法。
iii)有効成分を予め少量の有機溶剤に溶解させた後に水に分散させたものとセルロース粉末を混合し圧縮成形する製造方法。
iv)有効成分を予め水溶性高分子又は水溶性高分子水溶液に溶解又は分散させたものをセルロース粉末と混合し圧縮成形する製造方法。
v)有効成分を予め油脂に溶解又は分散させたものをセルロース粉末と混合し圧縮成形する製造方法。
前記の製造方法のうち、i)に示される製造方法の場合は、最も簡便で、特別な設備も必要としないため、工業的に特に好適に用いられる方法である。当該方法では、有効成分と偏析防止剤(セルロース粉末)を混合する際に、必要に応じてセルロース粉末、有効成分以外に界面活性剤、油脂等のいわゆる溶解改善剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、香料、着色剤、甘味剤等の他の成分を添加してもよい。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。各成分の添加/混合の順序に制限はないが、セルロース粉末に有効成分を添加/混合しても、有効成分にセルロース粉末を添加/混合しても、両者を一括で添加/混合してもよい。セルロース粉末、有効成分以外に他の成分を添加する場合は、有効成分と混合したものにセルロース粉末を添加/混合しても、予めセルロース粉末と混合したものに有効成分を添加/混合しても、予めセルロース粉末と有効成分を混合したものに添加/混合しても、各成分を一括で添加/混合してもよい。
有効成分の添加方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて連続的に添加しても、一括投入してもよい。
混合方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合機などの容器回転式混合機;高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウター型混合機などの撹拌式混合機;高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機等を使用してもよい。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。
組成物の圧縮成形方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、臼と杵を使用し所望の形状に圧縮成形する方法、予めシート状に圧縮成形した後所望の形状に割断する方法でもよい。圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ブリケッティングローラー型プレス機、平滑ローラー型プレス機等のローラー式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等の圧縮機を使用できる。
本実施形態の成形体を直接打錠法で成形する方法について、より具体的に説明する。
例えば、まず、有効成分と前記セルロース粉末と、糖又は糖アルコールなどを含む添加剤とを適当な混合機で混合して打錠用粉末を調製した後、この打錠用粉末を打錠して製造する。打錠は、例えば、ロータリー打錠機、単発打錠機などの公知の打錠装置によって行うことができる。打錠の際の圧力は、できるだけ低くすることが望ましく、好ましくは20kN以下であり、より好ましくは15kN以下、さらに好ましくは10kN以下である。打錠圧力と成形体の崩壊性は、成形体内の空隙率と水浸透性に相関があるため、成形体としての崩壊性を確保するためにも、打錠圧力は低い方が好ましい。
(硬度)
本実施形態の成形体の硬度は、50N以上200N未満が好ましく、50N以上150N未満がより好ましく、50N以上100N未満が更に好ましい。硬度が50N以上であると、輸送や保管中に成形体の側面の欠けや割れが生じ難いため好ましい。一方、硬度が200N未満であると、十分な崩壊性が得られる。
口腔内崩壊錠の場合は、水なしでも服用できる医薬品及び健康食品製剤等であり、例えば、第16改正日本薬局方、一般試験法「崩壊試験法」に準じて実施した成形体の崩壊時間は、60秒未満が好ましく、30秒以内がより好ましい。
成形体を実際に、人の口の中に入れて唾液のみで崩壊させる口腔内崩壊試験では、60秒未満で崩壊することが好ましく、30秒以内がより好ましい。
成形体として一般的な円柱形の錠剤を選び、以下に実施例及び比較例を挙げて本実施形態を詳しく説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。本実施形態で用いられる物性の測定方法及び条件は以下のとおりである。
<粒子の平均粒子径[μm]>
レーザー回折散乱粒度分布計(堀場製作所(株)製、LA−910)を用い測定した。平均粒子径は体積頻度の数平均として算出した。
<嵩密度[g/cm]>
100mLメスシリンダーに粒子30gを疎充填させた粒子層の容積を読み取り、30で除した値を算出した。繰り返し数は3で、その平均値をとった。
<錠剤の硬度>
一般的に使用される錠剤硬度測定器(Tablet Tester 8M/DR.SCHLEUNIGER製)にて、錠剤の硬度を測定した。1錠ずつ錠剤硬度を測定し、20錠分の錠剤硬度の平均値を算出した。
<錠剤の厚み[mm]>
一般的に使用される錠剤厚み測定器(ニュースピードチェッカー/岡田精工製)にて、錠剤の厚みを測定した。1錠ずつ錠剤厚みを測定し、20錠分の錠剤硬度の平均値を算出した。
<錠剤の分光色差試験>
分光式色差計(SE−2000/日本電色)にて、錠剤の白色度を測定した。1錠ずつ白色度を測定し、10錠分の白色度の平均値を算出した。白色度測定には、測定モードを反射モードに設定し、錠剤用標準白板(C/2 SE−16534/日本電色)を用いて校正した後、錠剤をアタッチメントにセットして自動測定を行った。白色度測定の数値は、測定後に機器の表示パネルに表示された値を読み取った。この操作を各錠剤の表側と裏側で行い、その白色度の値の差を算出した。これを10錠行い、錠剤の表側と裏側の白色度の差の平均値を算出した。
<有効成分の白色度>
有効成分のみの成形体を分光式色差計(SE−2000/日本電色)にて、白色度を測定し、白色度が90.0%以上の場合は、白色の有効成分とし、90.0%未満の場合は、非白色の有効成分とした。
[実施例1]
フリーズドライ梅フレーク顆粒(アサヒグループ食品製)1.5kgと市販の結晶セルロース(セオラスPH−F20JP:旭化成製)1.0kgとマルチトール(三菱フードテック製)2.5kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型;ダルトン製)に仕込み、30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、錠剤を作製した。打錠条件は下記の通りであった。
(打錠条件)
(イ)錠剤重量 :250mg
(ロ)錠剤径 :9.5mmφ、13.5R
(ハ)ローター回転数 :45rpm
(ニ)フィーダー種類 :オープンフィーダー
(ホ)打錠圧 :8kN
(ヘ)打錠時間 :15分間
(ト)臼杵本数 :12本
作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していないこと(表側と裏側の白色度の差が5%以内)を確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表1及び表2に、錠剤表裏の写真を図1に、それぞれ示す。
[実施例2]
フリーズドライ梅フレーク顆粒(アサヒグループ食品製)5gと市販の結晶セルロース(セオラスPH−F20JP:旭化成製)1.0kgとマルチトール(三菱フードテック製)3.995kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み、30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していないことを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表1及び表2に示す。
[実施例3]
フリーズドライ梅フレーク顆粒(アサヒグループ食品製)5gと市販の結晶セルロース(セオラスPH−F20JP:旭化成製)50gとマルチトール(三菱フードテック製)4.945kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み、30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していないことを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表1及び表2に示す。
[実施例4]
フリーズドライ梅フレーク顆粒(アサヒグループ食品製)1.5kgと市販の結晶セルロース(セオラスPH−301:旭化成製)1.0kgとマルチトール(三菱フードテック製)2.5kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み、30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していないことを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表1及び表2に示す。
[実施例5]
フリーズドライ梅フレーク顆粒(アサヒグループ食品製)1.5kgと市販の結晶セルロース(セオラスPH−101:旭化成製)1.0kgとマルチトール(三菱フードテック製)2.5kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み、30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していないことを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表1及び表2に示す。
[実施例6]
フリーズドライ梅フレーク顆粒(アサヒグループ食品製)1.5kgと市販の結晶セルロース(セオラスKG−1000:旭化成製)1.0kgとマルチトール(三菱フードテック製)2.5kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み、30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していないことを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表1及び表2に示す。
[実施例7]
フリーズドライ梅フレーク顆粒(アサヒグループ食品製)1.5kgと市販の結晶セルロース(セオラスPH−F20JP:旭化成製)を粉砕した1.0kgとマルチトール(三菱フードテック製)2.5kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み、30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していないことを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表1及び表2に示す。
[実施例8]
青色に着色させたマレイン酸クロルフェニラミン粉砕品(金剛化学製)1.5kgと市販の結晶セルロース(セオラスPH−F20JP:旭化成製)1.0kgとマルチトール(三菱フードテック製)2.5kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み、30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、マレイン酸クロルフェニラミンが分離偏析していないことを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表1及び表2に示す。
[実施例9]
青色に着色させたマレイン酸クロルフェニラミン粉砕品(金剛化学製)5gと市販の結晶セルロース(セオラスPH−F20JP:旭化成製)50gとマルチトール(三菱フードテック製)4.945kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み、30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、マレイン酸クロルフェニラミンが分離偏析していないことを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表1及び表2に示す。
[実施例10]
青色に着色させたマレイン酸クロルフェニラミン粉砕品(金剛化学製)1.5kgと市販の結晶セルロース(セオラスPH−F20JP:旭化成製)を粉砕した1.0kgとマルチトール(三菱フードテック製)2.5kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み、30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、マレイン酸クロルフェニラミンが分離偏析していないことを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表1及び表2に示す。
平均粒子径1μm以上の結晶セルロースを錠剤全体に対して1質量%以上含有させた実施例1〜10の錠剤は、平均分子量が466μmと大きなフリーズドライ梅フレーク顆粒と、平均粒子径が0.1μmと小さいマレイン酸クロルフェニラミン粉砕品のいずれでも、錠剤表側と裏側の白色度の差が小さく、分離偏析が抑制されていた。また、配合した結晶セルロースの種類の物性のみが異なる実施例1、4〜7を比較すると、嵩密度が0.15〜0.40g/cmの範囲内にある実施例1及び5の錠剤は、錠剤表側と裏側の白色度の差が3%未満と小さく、嵩密度が0.15g/cm未満又は0.4g/cm超である実施例4、6及び7の錠剤よりも、より分離偏析が抑制されていた。また、実施例2と3の結果から、結晶セルロースの配合量が多いほど、硬度が高く、厚みの薄い錠剤が得られる傾向が観察された。
[比較例1]
フリーズドライ梅フレーク顆粒(アサヒグループ食品製)1.5kgとマルチトール(三菱フードテック製)3.5kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み、30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していること(表側と裏側の白色度の差が5%超)を確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表3及び表4に、錠剤表裏の写真を図2に、それぞれ示す。
[比較例2]
フリーズドライ梅フレーク顆粒(アサヒグループ食品製)1.5kgと市販の結晶セルロース(セオラスPH−F20JP:旭化成製)45gとマルチトール(三菱フードテック製)3.455kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していることを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表3及び表4に示す。
[比較例3]
青色に着色させたマレイン酸クロルフェニラミン粉砕品(金剛化学製)1.5kgとマルチトール(三菱フードテック製)3.5kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していることを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表3及び表4に示す。
[比較例4]
青色に着色させたマレイン酸クロルフェニラミン粉砕品(金剛化学製)5gとマルチトール(三菱フードテック製)4.995kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していることを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表3及び表4に示す。
[比較例5]
青色に着色させたマレイン酸クロルフェニラミン粉砕品(金剛化学製)5gと市販の結晶セルロース(セオラスPH−F20JP:旭化成製)45gとマルチトール(三菱フードテック製)4.945kgを加え、タンブラー混合機(TM−50S型:ダルトン製)に仕込み30分間混合させた後、混合粉体を取り出した。次いで、この混合粉体を打錠機(リブラ2(商品名):菊水製作所製)に仕込み、実施例1と同様の打錠条件で錠剤を作製した。作製した各錠剤について、表側と裏側の白色度をそれぞれ測定し、フリーズドライ梅フレーク顆粒が分離偏析していることを確認した。粉体物性及び得られた錠剤物性の結果を表3及び表4に示す。
結晶セルロースを配合していない比較例1、3及び4の錠剤は、錠剤表側と裏側の白色度の差が10%超と大きかった。また、比較例4、5、及び実施例9の錠剤を比較すると、結晶セルロースの配合量が1質量%未満であった比較例5の錠剤は、結晶セルロースを添加していない比較例4の錠剤よりも、硬度は高くなったものの、錠剤表側と裏側の白色度の差は逆にやや大きくなっており、分離偏析は改善するどころか、むしろやや悪化していた。これに対して、結晶セルロースを1質量%配合した実施例9の錠剤では、硬度は比較例5の錠剤とさほど相違はないが、分離偏析は顕著に改善されていた。
本発明は、特に優れた分離偏析抑制効果を有しているため、医薬品薬物を含有する医薬品製剤、健康食品及び食品の分野で好適に利用できる。

Claims (5)

  1. 有効成分と、偏析防止剤とを含む成形体であり、前記有効成分の平均粒子径が10μm以下、又は30μm以上であり、前記偏析防止剤が平均粒子径が1μm以上のセルロース粉末であり、成形体全量に対する前記偏析防止剤の含有量が1.0質量%以上である、成形体。
  2. 前記有効成分が非白色であり、前記成形体の表と裏で白色度の差が±10%未満である請求項1に記載の成形体。
  3. さらに、賦形剤を、成形体全量に対して50質量%以上90質量%以下含む、請求項1又は2に記載の成形体。
  4. 前記セルロース粉末の嵩密度が0.05g/cm以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の成形体。
  5. 前記有効成分の含有量が、成形体全量に対して20質量%以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成形体。
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