JP2022139962A - 顆粒、顆粒の製造方法、及び錠剤 - Google Patents

顆粒、顆粒の製造方法、及び錠剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2022139962A
JP2022139962A JP2021040567A JP2021040567A JP2022139962A JP 2022139962 A JP2022139962 A JP 2022139962A JP 2021040567 A JP2021040567 A JP 2021040567A JP 2021040567 A JP2021040567 A JP 2021040567A JP 2022139962 A JP2022139962 A JP 2022139962A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
granules
cellulose
mass
tablet
starch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021040567A
Other languages
English (en)
Inventor
和輝 前田
Kazuteru Maeda
歩美 吉田
Ayumi Yoshida
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2021040567A priority Critical patent/JP2022139962A/ja
Publication of JP2022139962A publication Critical patent/JP2022139962A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】従来よりも低打圧で十分な硬度を示し、且つ、崩壊性及び溶出性に優れる錠剤が得られる顆粒及びその製造方法、並びに、前記顆粒を含む錠剤を提供する。【解決手段】顆粒は、薬物(A)、糖類(B)、デンプン(C)、吸水量が210質量%以上であるセルロース(D)、及び結合剤(E)、を含み、湿式造粒してなる。前記顆粒の製造方法は、前記薬物(A)、前記糖類(B)、前記デンプン(C)、前記セルロース(D)、及び前記結合剤(E)を含む混合粉体を、連続生産システムを用いて湿式造粒することを含む。錠剤は、前記顆粒を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、顆粒、顆粒の製造方法、及び錠剤に関する。
従来、錠剤は薬物、賦形剤、及びその他の添加剤を含む原料成分を均一に混合することにより得られる混合物を、打錠機を用いて圧縮成形することにより製造される。また、錠剤の物性を向上させる、或いは、取り扱い難い粉末の性状を改善し、ハンドリング性を向上させる目的で、原料成分を予め造粒することにより得られる顆粒を打錠したり、予め造粒した賦形剤及びその他の成分を薬物と混合することにより得られる混合物を打錠したりして錠剤を製造することがある。
これまでの医薬品製造においては、全量又は分割した原料を工程に投入し、操作完了後、生産物を取り出して次の工程に投入するバッチ式が主流であり、非連続的に生産が行われていた。しかしながら、現在は、一定量の原料を連続的に工程に投入し、順次生産物を取り出していく連続生産式の製造が導入されつつあり、この連続生産式の製造においてもこれまでのバッチ式と同等又はそれ以上の品質を保持した製品の生産が求められている。
例えば、特許文献1には、糖又は糖アルコール、膨潤型結合剤、崩壊剤及び高吸収賦形剤を所定の割合で含む複合化造粒物が開示されている。当該複合化造粒物を用いることで、錠剤、好ましくは口腔内崩壊錠(OD錠)に適した硬度及び崩壊性に優れた錠剤を製造可能であることが開示されている。
特開2017-71561号公報
しかしながら、より低打圧でも十分な硬度を示し、且つ、水中での速やかな崩壊性及び溶出性を向上させた錠剤が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、従来よりも低打圧で十分な硬度を示し、且つ、崩壊性及び溶出性に優れる錠剤が得られる顆粒及びその製造方法、並びに、前記顆粒を含む錠剤を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 薬物(A)、
糖類(B)、
デンプン(C)、
吸水量が210質量%以上であるセルロース(D)、及び
結合剤(E)、
を含み、湿式造粒してなる、顆粒。
(2) 前記セルロース(D)の含有量が、前記顆粒の総質量に対して、1質量%以上50質量%以下である、(1)に記載の顆粒。
(3) 前記セルロース(D)のゆるみ嵩密度が0.10g/cm以上0.35g/cm以下である、(1)又は(2)に記載の顆粒。
(4) 前記顆粒の平均粒子径D50が100μm以上である、(1)~(3)のいずれか一つに記載の顆粒。
(5) (1)~(4)のいずれか一つに記載の顆粒の製造方法であって、
前記薬物(A)、前記糖類(B)、前記デンプン(C)、前記セルロース(D)、及び前記結合剤(E)を含む混合粉体を、連続生産システムを用いて湿式造粒することを含む、製造方法。
(6) 前記湿式造粒において、前記混合粉体の質量に対する加水量が30質量%以上40質量%未満である、(5)に記載の製造方法。
(7) (1)~(4)のいずれか一つに記載の顆粒を含む、錠剤。
上記態様の顆粒によれば、従来よりも低打圧で十分な硬度を示し、且つ、崩壊性及び溶出性に優れる錠剤が得られる顆粒を提供することができる。上記態様の顆粒の製造方法によれば、目的の顆粒径に造粒しやすく、従来よりも低打圧で十分な硬度を示し、且つ、崩壊性及び溶出性に優れる錠剤が得られる顆粒を製造することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
<顆粒>
本実施形態の顆粒は、薬物(A)、糖類(B)、デンプン(C)、セルロース(D)、及び結合剤(E)を含む。
本実施形態の顆粒は、湿式造粒により形成されたものである。以下、本実施形態の顆粒を「湿式造粒顆粒」ともいう。湿式造粒顆粒は、上記(A)~上記(E)の成分を含む混合粉体を水又は結合液を用いて湿式造粒して得られる打錠用顆粒である。
一般に、湿式造粒では、流動又は押出しながら、結合剤を含む液体で顆粒を形成する造粒法であり、球状に近い粒子を形成することができる。そのため、ハンドリング性に優れた顆粒を製造できる。また、湿式造粒を採用することで、難溶性薬物の溶解速度を改善できる。これらの点で、粉体原料を直接圧縮及び粉砕することで顆粒を成形する乾式造粒より優れる。一方で、熱や水分に不安定な薬物においては、通常、乾式造粒が選択される。これに対して、本実施形態の湿式造粒顆粒では、吸水量が特定の数値範囲であるセルロース(D)を配合することで、水分に不安定な薬物も配合することができる。
湿式造粒顆粒は、ハンドリング性及び錠剤化した際の機能の観点から、適度な粒度で流動性に優れ、圧密性が良く、且つ、適度な可塑性を有することが好ましい。
本実施形態の顆粒において、セルロース(D)の吸水量は210質量%以上であり、210質量%以上360質量%以下が好ましく、210質量%以上350質量%以下がより好ましく、210質量%以上320質量%以下がさらに好ましく、210質量%以上310質量%以下が特に好ましく、230質量%以上290質量%以下が最も好ましい。
セルロース(D)の吸水量が上記下限値以上であることで、崩壊性及び溶出性に優れる錠剤が得られる。一方で、セルロース(D)の吸水量が上記上限値以下であることで、従来よりも低打圧で十分な硬度を示す錠剤が得られる。
セルロース(D)の吸水量は、以下に示す方法を用いて算出することができる。まず、プラスチック製の50mL遠心分離用チューブ(NalgeneTM High-Speed Round-Bottom PPCO Centrifuge Tubes、品番:3110-0500)に、セルロース粉末:2gを量り取り(実際に量り取った質量を「Wi」(g)とする)、純水:30mLを加え、薬さじでかき混ぜながら分散させ、セルロース粉末全体が純水に浸るようにする。30分静置後、遠心分離して(遠心力:2000G、時間:10分、温度:20℃)、固形分を沈殿させる。沈殿したセルロース層を崩さないように遠心分離用チューブの口を下に傾け、上澄み液を除き、ペーパータオルを敷いた台上で遠心分離用チューブの口を水平から下に30°傾けた状態で5分間静置することにより、過剰な水を切る。次いで、吸水したセルロース粉末の質量(Wf(g))を測定する。得られたWi及びWfを用いて、下記に示す式により、吸水量(質量%)を算出する。
「吸水量(質量%)」 = {(Wf-Wi)/Wi}×100
本実施形態の顆粒の平均粒子径D50は、100μm以上であることが好ましく、100μm以上200μm以下がより好ましく、105μm以上150μm以下がさらに好ましく、110μm以上140μm以下が特に好ましく、115μm以上135μm以下が最も好ましい。
顆粒の平均粒子径D50が上記下限値以上であることで、従来よりも低打圧で十分な硬度を示す錠剤が得られる。顆粒の平均粒子径D50が上記上限値以下であることで、崩壊性及び溶出性により優れる錠剤が得られる。
なお、顆粒の平均粒子径D50は、レーザー回折式粒度分布計(LA-950 V2型(商品名)、堀場製作所製)で測定される累積体積50%の粒子径である。
また、後述する顆粒の製造方法において説明するように、結合剤(E)を配合した混合粉体を用いて湿式造粒時の加水量を適宜調製することで、平均粒子径D50が上記数値範囲内である顆粒が得られる。
本実施形態の顆粒は、上記構成を有することで、従来よりも低打圧で十分な硬度を示し、且つ、崩壊性及び溶出性に優れる錠剤が得られる。
以下、本実施形態の顆粒の各種構成成分について詳細を説明する。
[薬物(A)]
本明細書において、薬物とは、混合粉体、成形物、加工物等に対して、医薬品、健康食品、食品、工業分野等で目的とする機能や効果を発揮させるために添加するものをいう。例えば、医薬品分野においては、医薬品薬効成分がこれに該当する。
以下に、本実施形態の錠剤に含まれる薬物(A)として好適なものを例示する。
医薬品薬効成分としては、経口投与される医薬品の有効成分が好ましい。経口投与される医薬品としては、例えば、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、眠気防止薬、鎮暈薬、小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗鬆症治療薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、滋養強壮剤、ビタミン剤等が挙げられる。薬効成分は、それを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
具体的には、例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、塩酸イソチベンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl-マレイン酸クロルフェニラミン、d-マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール、塩酸アロクラミド、塩酸クロペラスチン、クエン酸ペントキシベリン(クエン酸カルベタペンタン)、クエン酸チペピジン、ジブナートナトリウム、臭化水素酸デキストロメトルファン、デキストロメトルファン・フェノールフタリン酸、ヒベンズ酸チペピジン、フェンジゾ酸クロペラスチン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸ノスカピン、ノスカピン、dl-塩酸メチルエフェドリン、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン、ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB6及びその誘導体並びにそれらの塩類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル(乾燥水酸化アルミニウムゲルとして)、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、塩酸ラニチジン、シメチジン、ファモチジン、ナプロキセン、ジクロフェナックナトリウム、ピロキシカム、アズレン、インドメタシン、ケトプロフェン、イブプロフェン、塩酸ジフェニドール、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸プロメタジン、塩酸メクリジン、ジメンヒドリナート、タンニン酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸フェネタジン、テオクル酸ジフェニルピラリン、フマル酸ジフェンヒドラミン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、臭化水素酸スポコラミン、塩酸オキシフェンサイクリミン、塩酸ジサイクロミン、塩酸メチキセン、臭化メチルアトロピン、臭化メチルアニソトロピン、臭化メチルスポコラミン、臭化メチル-1-ヒヨスチアミン、臭化メチルベナクチジウム、ベラドンナエキス、ヨウ化イソプロパミド、ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン、塩酸パパベリン、アミノ安息香酸、シュウ酸セシウム、ピペリジルアセチルアミノ安息香酸エチル、アミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、炭酸水素ナトリウム、フルスルチアミン、硝酸イソソルバイド、エフェドリン、セファレキシン、アンピシリン、スルフィキサゾール、スクラルファート、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆(ユウタンを含む)、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、地竜、チクセツニンジン、ニンジン、カノコソウ、ボタンピ、サンショウ及びこれらのエキス等、インスリン、バゾプレッシン、インターフェロン、ウロキナーゼ、セラチオペプチターゼ、ソマトスタチン等の「日本薬局方」、「日本薬局方外医薬品規格(局外基)」、「米国薬局方(USP)」、「国民医薬品集(NF)」、「ヨーロッパ薬局方(EP)」に記載の医薬品薬効成分等が挙げられる。これら医薬品薬効成分から選ばれる1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
健康食品用の薬物としては、健康増強を目的のために配合する成分であれば限定されないが、例えば、青汁粉末、アグリコン、アガリクス、アシュワガンダ、アスタキサンチン、アセロラ、アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジン、シスチン、チロシン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、海藻粉末、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン等)、アルギン酸、いちょう葉エキス、イワシペプチド、ウコン、ウロン酸、エキナセア、エゾウコギ、オリゴ糖、オレイン酸、核タンパク、カツオブシペプチド、カテキン、カリウム、カルシウム、カロチノイド、ガルシニア、L-カルニチン、キトサン、共役リノール酸、キダチアロエ、ギムネマシルベスタエキス、クエン酸、クミスクチン、グリセリド、グリセノール、グルカゴン、クルクミン、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン、L-グルタミン、クロレラ、クランベリーエキス、キャッツクロー、ゲルマニウム、酵素、高麗人参エキス、コエンザイムQ10、コラーゲン、コラーゲンペプチド、コリウスフォルスコリン、コンドロイチン、サイリウムハスク末、サンザシエキス、サポニン、脂質、L-シスチン、シソエキス、シトリマックス、脂肪酸、植物ステロール、種子エキス、スピルリナ、スクワレン、セイヨウシロヤナギ、セラミド、セレン、セントジョーンズワートエキス、大豆イソフラボン、大豆サポニン、大豆ペプチド、大豆レシチン、単糖、タンパク質、チェストツリーエキス、鉄、銅、ドコサヘキサエン酸、トコトリエノール、納豆キナーゼ、納豆菌培養エキス、ナイアシンナトリウム、ニコチン酸、二糖、乳酸菌、ニンニク、ノコギリヤシ、発芽米、ハトムギエキス、ハーブエキス、バレリヤンエキス、パントテン酸、ヒアルロン酸、ビオチン、ピコリン酸クロム、ビタミンA、ビタミンA2 ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ヒドロキシチロソール、ビフィズス菌、ビール酵母、フラクトオリゴ糖、フラボノイド、ブッチャーズブルームエキス、ブラックコホシュ、ブルーベリー、プルーンエキス、プロアントシアニジン、プロテイン、プロポリス、ブロメライン、プロバイオティクス、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、β-カロチン、ペプチド、ベニバナエキス、マイタケエキス、マカエキス、マグネシウム、マリアアザミ、マンガン、ミトコンドリア、ミネラル、ムコ多糖、メラトニン、メシマコブ、メリロートエキス末、モリブデン、野菜粉末、葉酸、ラクトース、リコピン、リノール酸、リポ酸、燐(リン)、ルテイン、レシチン、ロズマリン酸、ローヤルゼリー、DHA、EPA等が挙げられる。
薬物は、水溶性の他、難溶性であってもよい。「難溶性」とは、第17改正日本薬局方において、溶質1gを溶かすのに必要な水量が30mL以上必要であることを指す。
水難溶性で固体状の薬物としては、例えば、アセトアミノフェン、イブプロフェン、安息香酸、エテンザミド、カフェイン、カンフル、キニーネ、グルコン酸カルシウム、ジメチルカプロール、スルフアミン、テオフィリン、テオプロミン、リボフラビン、メフェネシン、フェノバービタル、アミノフィリン、チオアセタゾン、クエルセチン、ルチン、サリチル酸、テオフィリンナトリウム塩、ピラピタール、塩酸キニーネ、イルガピリン、ジキトキシン、グリセオフルビン、フェナセチン等の解熱鎮痛薬、神経系医薬、鎮静催眠薬、筋弛緩剤、血圧硬化剤、抗ヒスタミン剤等;アセチルスピラマイシン、アンピシリン、エリスロマイシン、キサタマイシン、クロラムフェニコール、トリアセチルオレアンドマイシン、ナイスタチン、硫酸コリスチン等の抗生物質;メチルテストステロン、メチルアンドロステトロンジオール、プロゲステロン、エストラジオールベンゾエイト、エチニレストラジオール、デオキシコルチコステロン・アセテート、コーチゾンアセテート、ハイドロコーチゾン、ハイドロコーチゾンアセテート、ブレドニゾロン等のステロイドホルモン剤;ジエンストロール、ヘキサストロール、ジエチルスチルベステロール、ジエチルスチルベステロールジブロヒオネイト、クロロトリアニセン等の非ステロイド系卵黄ホルモン剤;その他脂溶性ビタミン類等の、「日本薬局方」、「局外基」、「USP」、「NF」、「EP」に記載の医薬品薬効成分等が挙げられる。これら医薬品薬効成分から選ばれる1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
薬物は、水難溶性の油状、液状のものであってもよい。薬物中の水難溶性の油状、液状活性成分としては、例えば、テプレノン、インドメタシン・ファルネシル、メナテトレノン、フィトナジオン、ビタミンA油、フェニペントール、ビタミンD、ビタミンE等のビタミン類、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、肝油等の高級不飽和脂肪酸類、補酵素Q類、オレンジ油、レモン油、ペパーミント油等の油溶性香味料等の「日本薬局方」、「局外基」、「USP」、「NF」、「EP」に記載の医薬品薬効成分等が挙げられる。ビタミンEには種々の同族体、誘導体があるが、常温で液状であれば特に限定されないが、例えばdl-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、酢酸d-α-トコフェロール等が挙げられる。これら薬物から選ばれる1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
薬物は、水難溶性の半固形状の活性成分のものでもよい。薬物中の水難溶性の半固形状としては、例えば地竜、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ボタンピ、カノコソウ、サンショウ、ショウキョウ、チンピ、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、石蒜、セネカ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、チクセツニンジン、ニンジン、葛根湯、桂枝湯、香蘇散、紫胡桂枝湯、小紫胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯等の漢方又は生薬エキス類;カキ肉エキス、プロポリス及びプロポリス抽出物、補酵素Q類等が挙げられる。これら薬物から選ばれる1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
薬物は、昇華性のものでもよい。昇華性の薬物としては、例えば、安息香酸、エテンザミド、カフェイン、カンフル、サリチル酸、フェナセチン、イブプロフェン等の「日本薬局方」、「局外基」、「USP」、「NF」、「EP」に記載される昇華性の医薬品薬効成分等が挙げられる。これら薬物から選ばれる1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書でいう昇華性の薬物とは、昇華性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、常温で固体状であっても、液体状であっても、半固体状であっても、いずれの状態でもよい。
これらの薬物は、微粉砕された状態で、本実施形態の湿式造粒顆粒と共に配合されてもよい。例えば、本明細書において使用される薬物は、薬物の分散性を改善する、又は微量で薬効を有する薬物の混合均一性を改善する等の目的で、平均粒子径が1μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上20μm以下であることがより好ましく、1μm以上10μm以下であることがさらに好ましい。
薬物(A)の含有量は、顆粒の総質量に対して、通常、0.1質量%以上99質量%以下であり、0.5質量%以上90質量%以下であることが好ましく、1質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
[糖類(B)]
本実施形態の顆粒における糖類(B)としては、単糖類、二糖類及びオリゴ糖類を指し、デンプンやセルロース等の多糖類は除外される。
このような糖類として具体的には、例えば、乳糖又は乳糖水和物、ショ糖、フラクトオリゴ糖、ブドウ糖、パラチノース、マルトース、還元麦芽糖、粉糖、粉末飴、果糖、異性化乳糖、蜂蜜糖等が挙げられる。これら糖類を単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。中でも、糖類(B)としては、乳糖が好ましい。
糖類(B)の含有量は、顆粒の総質量に対して、通常、40質量%以上80質量%以下であり、45質量%以上70質量%以下であることが好ましく、50質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上70質量%以下であることがさらに好ましい。
[デンプン(C)]
デンプン(C)としては、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン等が挙げられる。これらデンプンを単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。中でも、デンプンとしては、トウモロコシデンプンが好ましい。
デンプン(C)の含有量は、顆粒の総質量に対して、通常、10質量%以上40質量%以下であり、20質量%以上40質量%以下であることが好ましく、20質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。
[セルロース(D)]
セルロースとは、セルロースを含有する天然由来の水不溶性繊維質物質である。
本実施形態の湿式造粒顆粒において、セルロース(D)としては、木材パルプ、非木材パルプ、麦藁、稲藁、コットン、コットンリンター、麻、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等のセルロース原料から加水分解処理等をして得られたセルロースを使用できる。該セルロース原料としては、好ましくは木材パルプ、非木材パルプであり、さらに好ましくは木材晒パルプ(BP)、木材溶解パルプ(DP)、又はコットンリンターパルプであり、より好ましくは木材晒クラフトパルプ(BKP)、又は木材溶解クラフトパルプ(DKP)である。該セルロース原料としては、これらのうち1種を使用してもよく、2種以上を混合したものを使用することも可能である。
中でも、本実施形態の湿式造粒顆粒に含まれるセルロース(D)としては、セルロース粉末が好ましい。一般に、「セルロース粉末」とは、結晶セルロース、粉末セルロース等と称されるものであり、医薬品添加剤又は食品添加物として好適に用いられるものである。また、医薬品添加物規格2018に記載のケイ酸処理結晶セルロース(SMCC)等のように添加物で処理されたものであってもよい。
中でも、セルロース粉末としては、結晶セルロースが好ましい。結晶セルロースとしては、少なくとも、食品添加物公定書第9版に記載の微結晶セルロースの確認試験に適合するものであり、日本薬局方第17改定に記載の結晶セルロースの確認試験に適合するものがより好ましい。
セルロース(D)のゆるみ嵩密度は、0.10g/cm以上0.35g/cm以下が好ましく、0.10g/cm以上0.33g/cm以下がより好ましく、0.12g/cm以上0.30g/cm以下がさらに好ましく、0.12g/cm以上0.29g/cm以下が特に好ましい。ゆるみ嵩密度が上記範囲内であることにより、錠剤の重量均一性と成形性のバランスがより良好となる。なお、セルロース粉末のゆるみ嵩密度は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
本実施形態の顆粒中のセルロース(D)の含有量は、顆粒の総質量に対して、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましく、5質量%以上30質量%以下がさらに好ましい。セルロース(D)の含有量が上記下限値以上であることにより、錠剤の成形性により優れる。一方、セルロース(D)の含有量が上記上限値以下であることにより、錠剤としたときの崩壊性及び溶出性により優れる傾向がある。
(セルロース粉末の製造方法)
セルロース粉末は、例えば、国際公開第2004/106416号(参考文献1)に記載の方法を用いて製造することができる。
具体的には、セルロース粉末は、例えば、加水分解処理された天然セルロース系物質を適当な媒体に分散して得られるセルロース分散液を乾燥することにより得られる。この場合、加水分解処理により得られる反応溶液から、加水分解処理されたセルロース系物質を含む固形分を単離し、別途これを適当な媒体に分散させて調製した分散液を乾燥してもよいし、また、同加水分解溶液がそのままの状態でセルロース分散液を形成している場合は、この分散液を直接乾燥してもよい。
天然セルロース系物質とは植物性でも動物性でもよく、例えば、木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、バクテリアセルロース等のセルロースを含有する天然物由来の繊維質物質であり、セルロースI型の結晶構造を有していることが好ましい。原料として、上記物質のうち一種の天然セルロース質物質を使用してもよいし、二種以上を混合したものを使用してもよい。また、精製パルプの形態で使用することが好ましいが、パルプの精製方法には特に制限はなく、溶解パルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等いずれのパルプを使用してもよい。
加水分解方法は、酸加水分解であっても、アルカリ酸化分解、熱水分解、スチームエクスプロージョン等であってもよく、また、いずれかの方法単独であっても、二種を併用することも可能である。
上記製法において、加水分解処理されたセルロース系物質を含む固形分を、その後適当な媒体に分散させる場合に用いられる媒体としては、工業的に使用されるものであれば特に制限はないが、例えば、水及び/又は有機溶剤を使用してもよい。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2-メチルブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類等が挙げられる。特に、有機溶剤は医薬品に使用されるものが好ましく「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に溶剤として分類されるものが挙げられる。水、有機溶媒は、それを単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよく、一種の媒体で一旦分散させた後、その媒体を除去し、異なる媒体に分散させてもよい。
このようにして得られるセルロース分散液中に存在するセルロース分散粒子の平均粒子径は50μm以上であることが好ましい。平均粒子径が50μm以上であることで、セルロース分散液を乾燥することで、好ましい特性を有する顆粒を製造可能なセルロース粉末を得ることができる。特に、平均粒子径が50μm未満のセルロース分散液は、比較的多量のセルロース分散微粒子成分を含む。この微粒子成分は、微粒化する際に、粒子表面に過度に衝撃を受け、表面構造が変化しているため、微粒子成分を多く含む分散液を乾燥することで、所望の特性を有さないセルロース粉末となる虞がある。そのため、平均粒子径が50μm以上であることで、比較的多量のセルロース分散微粒子成分を含むことを防ぐことができる。
上記セルロース分散液において、平均粒径が50μm以上となるセルロース分散粒子を得るためには、例えば、乾燥前のセルロース分散液について、デカンターを使用したデカンテーション等により、水分含量が40%以上となるように制御された、脱水精製を行うことができる。
別法として、篩分けにより選別された平均粒径50μm以上のセルロース分散粒子又はこれら粒子を含む分散液を別途、適当な溶媒に分散させてもよい。
また、いずれかの方法単独であってもよく、併用してもよい。
乾燥方法も特に制限はないが、例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、棚段乾燥、気流乾燥、真空乾燥及び有機溶剤と共に乾燥する乾燥方法でもよい。
[結合剤(E)]
結合剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、アルファー化デンプン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ゼラチン、デキストリン、ペクチン、ポリアクリル酸ナトリウム、プルラン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、マクロゴール等が挙げられる。これら結合剤を単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。中でも、結合剤としては、ポリビニルピロリドン、又はアルファー化デンプンが好ましい。
結合剤の含有量は、顆粒中の該結合剤を除く成分の合計質量に対して、通常、1質量%以上20質量%以下であり、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上6質量%以下がより好ましい。
[その他の成分]
本実施形態の顆粒は、顆粒に含有される薬物の取り扱い性を向上させることを目的として、セルロース(D)以外の賦形剤を更に含むことができる。
セルロース(D)以外の賦形剤としては、例えば、アクリル酸デンプン、L-アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、軽石粒、イノシトール、エチルセルロース、エチレン酢酸ビニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L-グルタミン、クレー、クレー3、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6-ジ-ブチル-4-メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ダイズ硬化油、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール1000モノセチルエーテル、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D-ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、パーフィラー101、白色セラック、白色ワセリン、ハクド、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フィチン酸、ブドウ糖、ブドウ糖水和物、部分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D-マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl-リンゴ酸、リン酸-水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に賦形剤として分類されるものが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
セルロースを含む全賦形剤の含有量は、顆粒の総質量に対して、通常、49質量%以上98質量%以下であり、69質量%以上94質量%以下であることが好ましい。
<顆粒の製造方法>
本実施形態の湿式造粒顆粒の製造方法としては、例えば、連続生産システムを用いた方法等が挙げられる。
連続生産システムとは、薬物、セルロース(D)等の賦形剤、及びその他の添加物を含む原料(混合粉体)を、水又は結合液を用いて造粒し、湿式造粒物を得る湿式造粒工程と、得られた湿式造粒物を乾燥して打錠用顆粒を得る乾燥工程と、を含む、固形製剤生産プロセスにおいて、原料供給及び造粒から乾燥までの工程を一貫して行う連続生産技術である。
本実施形態の湿式造粒顆粒は、前記湿式造粒工程において、二軸混練造粒機を用いてセルロース(D)を含む原料を湿式造粒し、前記乾燥工程において、気流式乾燥機を用いて湿式造粒物を乾燥することで得られる。二軸混練造粒機としては、例えば、スクリュー軸を備えた押出造粒機等が挙げられる。
湿式造粒工程では、予め混合機により十分に混合した顆粒原料(混合粉体)を、スクリュー軸を備えた湿式造粒装置である押出造粒機に投入し、スクリューにて原料を圧縮及び混練し、適宜水分を加えることにより、原料を柱状に造粒する。このとき、混合粉体の質量に対する加水量が30質量%以上40質量%未満であることが好ましく、30質量%以上35質量%以下であることがより好ましい。加水量が上記数値範囲内であることで、より安定的に造粒を行うことができ、所望の粒子径の顆粒が得られる。
乾燥工程では、造粒工程で得られた湿式造粒物を乾燥して打錠用顆粒を得る。気流式乾燥機は、湿式造粒物を熱風により乾燥させる気流式の乾燥装置であれば特に限定されない。具体的な気流式乾燥式としては、例えば、湿式造粒物が投入される投入口と、熱風が供給される熱風吹込み口とを備える投入部と、投入部の後段に投入部と連通して設けられ、乾燥処理部を通過した湿式造粒物が熱風とともに排出部とを備えた気流式乾燥機等が挙げられる。
<錠剤>
本実施形態の錠剤は、上記顆粒を含む。
本実施形態の錠剤は、上記顆粒を含むことで、従来よりも低打圧で十分な硬度を示し、且つ、崩壊性及び溶出性に優れる。
本実施形態の錠剤において、湿式造粒顆粒の割合は、任意の割合で混ぜることが許容されるが、錠剤全体の質量に対して99.5質量%以下が実用的に好ましい範囲である。
[その他添加剤]
本実施形態の錠剤は、必要に応じて、さらに他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤等が挙げられる。
賦形剤としては、上記「顆粒」においてセルロース及びセルロース以外の賦形剤として例示されたものが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類;カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、バレイショデンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類;クロスポビドン、クロスポビドンコポリマー等の合成高分子等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に崩壊剤として分類されるものが挙げられる。これら崩壊剤から選ばれる1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
結合剤としては、上記「顆粒」において例示されたものと同様のものが挙げられる。また、上記で例示されたものに加えて、例えば、白糖、ブドウ糖、果糖等の糖類;マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類;カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコマンナン、キサンタンガム、タマリンドガム等の水溶性多糖類;結晶セルロース、粉末セルロース等のセルロース類;部分アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類;リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機化合物類等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に結合剤として分類されるものが挙げられる。これら結合剤から選ばれる1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
流動化剤としては、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に流動化剤として分類されるものが挙げられる。これら流動化剤から選ばれる1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社発行)に滑沢剤として分類されるものが挙げられる。これら滑沢剤から選ばれる1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
滑沢剤の含有量は、錠剤全体の質量に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上13質量%以下がさらに好ましい。
<錠剤の製造方法>
以下に、上述した顆粒と滑沢剤との混合物を錠剤化して錠剤を製造する方法(本実施形態の錠剤の製造方法)について記述するが、これは一例であって、本実施形態の錠剤の製造方法は、以下の方法に制限されるものではない。
錠剤の製造方法としては、上述した顆粒と滑沢剤とを混合した後、圧縮成型する方法等が挙げられる。この際に、上述した顆粒及び滑沢剤以外に、必要に応じて他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、例えば、上述した賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、香料、着色剤、甘味剤、溶解補助剤等が挙げられる。他の添加剤は1種配合してもよく、2種以上組み合わせて配合してもよい。
各成分の添加順序には、特に制限がなく、また添加方法についても通常行われている方法であれば特に制限はないが、例えば、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて連続的に添加してもよく、一括投入してもよい。
混合方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、例えば、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合機等の容器回転式混合機;高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウター型混合機等の撹拌式混合機;高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機等を使用してもよい。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。
錠剤の圧縮成形方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、例えば、臼と杵を使用し、所望の形状に圧縮成形する方法、予めシート状に圧縮成形した後所望の形状に割断する方法等が挙げられる。圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ブリケッティングローラー型プレス機、平滑ローラー型プレス機等のローラー式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等が挙げられる。
圧縮成型した錠剤に、さらにコーティングを施してもよい。この場合に用いるコーティング剤としては、例えば、「医薬品添加物事典」(薬事日報社発行)に記載されるコーティング剤が挙げられる。これらコーティング剤を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本実施形態を詳しく説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における各物性の測定方法及び錠剤の評価方法は以下のとおりである。
<物性の測定方法>
セルロース粉末及び顆粒の物性は、以下に示す方法を用いて測定した。
[物性1]
(吸水量)
セルロース粉末の吸水量は、以下に示す方法を用いて算出した。まず、プラスチック製の50mL遠心分離用チューブ(NalgeneTM High-Speed Round-Bottom PPCO Centrifuge Tubes、品番:3110-0500)に、セルロース粉末:2gを量り取り(実際に量り取った質量を「Wi」(g)とする)、純水:30mLを加え、薬さじでかき混ぜながら分散させ、セルロース粉末全体が純水に浸るようにした。30分静置後、遠心分離して(遠心力:2000G、時間:10分、温度:20℃)、固形分を沈殿させた。沈殿したセルロース層を崩さないように遠心分離用チューブの口を下に傾け、上澄み液を除き、ペーパータオルを敷いた台上で遠心分離用チューブの口を水平から下に30°傾けた状態で5分間静置することにより、過剰な水を切った。次いで、吸水したセルロース粉末の質量(Wf(g))を測定した。得られたWi及びWfを用いて、下記に示す式により、吸水量(質量%)を算出した。
「吸水量(質量%)」 = {(Wf-Wi)/Wi}×100
[物性2]
(ゆるみ嵩密度)
セルロース粉末のゆるみ嵩密度の測定には、スコットボリュームメーター(型式ASTM B-329-85、筒井理化学器械製)を使用した。まず、篩(目開き1mm)を通じて各試料を25ccの円筒金属容器に充填した。25ccの円筒金属容器に入った各試料を摺り切り、容器に入った各試料の質量(g)を25ccで除して、ゆるみ嵩密度を求めた。測定は3回実施し、平均値を求めた。
[物性3]
(顆粒の平均粒子径D50
レーザー回折式粒度分布計(LA-950 V2(商品名)、堀場製作所製)を使用し、乾式測定モードにて圧縮空気圧0.10MPa、フィーダー速度160、フィーダー初速度係数1.2、屈折率1.51で、顆粒の粒子径を測定した。測定により得られた累積体積50%粒子を、顆粒の平均粒子径D50(μm)とした。
<評価方法>
[錠剤の製造]
各湿式造粒顆粒又は混合粉体(比較例3のみ)を用いて、錠剤を製造した。湿式造粒顆粒又は混合粉体99.5質量%とステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)0.5質量%をポリエチレン袋中で30秒間手混合し、混合物を得た。得られた混合物をロータリー打錠機(菊水製作所製、LIBRA2、12本杵、ターンテーブル30rpm)で打錠し、各錠剤(錠剤径8mmφ-12R、質量200mg)を得た。打錠圧は、錠剤硬度が55N以上65N以下になるように適宜設定した。
[評価1]
(打圧及び硬度)
上記錠剤の製造時の打圧を測定した。打圧が11kN以下であるものを打圧が低く良好であると評価した。
また、各錠剤について、打錠直後から20時間以上48時間以下経過した後に、その硬度を硬度計(DR.SCHLEUNIGER Tablet Tester 8M)で測定した。各打圧10錠の平均値を錠剤の硬度とした。
[評価2]
(崩壊性)
各錠剤の崩壊性を、第17改正日本薬局方、一般試験法「崩壊試験法」(試験液:水、ディスクなしの条件)に従って調べた。崩壊試験器(NT-40HS型、富山産業株式会社製)を用い、37℃、純水中における崩壊時間(秒)を求めた。各打圧6錠の平均値を錠剤の崩壊時間とした。崩壊時間が120秒以下であるものを崩壊性が良好である評価した。
[評価3]
(溶出性)
各錠剤からの薬物の溶出性を、第17改正日本薬局方、一般試験法「溶出試験法」(試験液:I液、パドル法)に従って調べた。溶出試験機(DT-610型、日本分光株式会社製)を用いて、パドル回転数100rpm、局方I液、900mLの条件で溶出試験を行った。採取した試験液の吸光度(吸光波長:244nm)を、分光光度計(V-630、日本分光株式会社製)を用いて測定し、サンプリング時間における溶出率を算出した。溶出率が95%以上であるものを溶出性が良好であると評価した。
<セルロース粉末の製造>
[製造例1]
(セルロース粉末Aの製造)
市販のパルプ(平均重合度1030)を細断したもの2kgと、4Nの塩酸水溶液30Lを低速型攪拌機(池袋琺瑯工業(株)製、30LGL反応器、翼径約30cm)に入れ、攪拌速度5rpmで攪拌しながら、40℃、24時間加水分解し、酸不溶解性残渣を得た。得られた酸不溶解性残渣は、ヌッチェを使用し、固形分濃度40質量%となるよう濾過し、濾過残渣を更に純水で洗浄し、アンモニア水で中和した。その後、90Lのポリバケツに入れ、純水を加えて、スリーワンモーター(HEIDON製、タイプ1200G、8M/M、攪拌翼径5cm)で、攪拌速度5rpmで攪拌することにより、固形分濃度10質量%のセルロース分散液とした。セルロース分散液中のセルロース粒子の平均粒子径は67μmであった。このセルロース分散液を噴霧乾燥(分散液供給速度6L/時間、入口温度180℃以上220℃以下、出口温度50℃以上70℃以下)して、セルロース粉末Aを得た。
[製造例2]
(セルロース粉末Bの製造)
市販のパルプ(平均重合度1030)を細断したもの2kgを水に浸漬し、4N塩酸水溶液30Lを、低速型攪拌機(池袋琺瑯工業(株)製、商品名、30LGL反応器、翼径約30cm)に入れ攪拌速度5rpm攪拌しながら、40℃、35時間加水分解し、酸不溶解性残渣を得た。得られた酸不溶解性残渣は、純水で十分に洗浄した後、ろ過し、90Lポリバケツに導入し、全固形分濃度が20質量%になるように純水を加えスリーワンモーター(HEIDON製、タイプ1200G、8M/M、攪拌翼径5cm)で、アンモニア水で中和し(中和後のpHは7.5~8.0であった)、撹拌速度5rpmで撹拌した。固形分濃度20質量%のセルロース分散液中のセルロース粒子の平均粒子径は70μmであった。このセルロース分散液を噴霧乾燥(分散液供給速度6L/時間、入口温度180℃以上220℃以下、出口温度50℃以上70℃以下)して、セルロース粉末Bを得た。
[製造例3]
(セルロース粉末Cの製造)
市販のパルプ(平均重合度1030)を細断したもの2kgを水に浸漬し、4N塩酸水溶液30Lを、低速型攪拌機(池袋琺瑯工業(株)製、商品名、30LGL反応器、翼径約30cm)に入れ攪拌速度5rpm攪拌しながら、40℃、45時間加水分解し、酸不溶解性残渣を得た。得られた酸不溶解性残渣は、純水で十分に洗浄した後、ろ過し、90Lポリバケツに導入し、全固形分濃度が15重量%になるように純水を加えスリーワンモーター(HEIDON製、タイプ1200G、8M/M、攪拌翼径5cm)で、アンモニア水で中和し(中和後のpHは7.5~8.0であった)、撹拌速度5rpmで撹拌した。固形分濃度20質量%のセルロース分散液中のセルロース粒子の平均粒子径は38μmであった。このセルロース分散液を噴霧乾燥(分散液供給速度6L/時間、入口温度180℃以上220℃以下、出口温度50℃以上70℃以下)して、セルロース粉末Cを得た。
[製造例4]
(セルロース粉末Dの製造)
市販のパルプ(平均重合度1030)を細断したもの2kgを水に浸漬し、4N塩酸水溶液30Lを、低速型攪拌機(池袋琺瑯工業(株)製、商品名、30LGL反応器、翼径約30cm)に入れ攪拌速度5rpm攪拌しながら、40℃、45時間加水分解し、酸不溶解性残渣を得た。純水で十分に洗浄した後、ろ過し、90Lポリバケツに導入し、全固形分濃度が8.0重量%になるように純水を加えスリーワンモーター(HEIDON製、タイプ1200G、8M/M、攪拌翼径5cm)で、アンモニア水で中和(中和後のpHは7.5~8.0であった)し、撹拌速度5rpmで撹拌した。固形分濃度8.0質量%のセルロース分散液中のセルロース粒子の平均粒子径は62μmであった。このセルロース分散液を噴霧乾燥(分散液供給速度6L/時間、入口温度180℃以上220℃以下、出口温度50℃以上70℃以下)して、セルロース粉末Dを得た。
[製造例5]
(セルロース粉末Eの製造)
市販のパルプ(木材由来の天然セルロース溶解パルプ、平均重合度1030を細断したものを2kg水に浸漬し、約70%の水分を含む状態で、カッターミル(URSCHEL LABORATORIES,INC.製、「コミトロール」(商品名)、モデル1700、マイクロカットヘッド/ブレード間隙:2.029mm、インペラー回転数9000rpm)を通した後、純水を加えて約2%濃度のセルロース分散液に調製し、高圧ホモジナイザー(MFIC Corp.製、商品名「マイクロフルイダイザー」M-140K型、処理圧力200MPa)で2回処理したものを、遠心力19600m/s2で遠心分離し、上澄みを捨て、沈降物を得た。沈降物を40℃で20時間乾燥したもの約2kgと、4N塩酸水溶液30Lを低速型攪拌機(池袋琺瑯工業(株)製、50LGL反応器(商品名))に入れ攪拌しながら、40℃、48時間加水分解し、酸不溶解性残渣を得た。得られた酸不溶解性残渣は、純水で十分に洗浄した後、ろ過し、90Lポリバケツに導入し、全固形分濃度が20重量%になるように純水を加え3-1モーターで攪拌しながら、アンモニア水で中和した(中和後のpHは7.5~8.0であった)。この固形分濃度20質量%のセルロース分散液中のセルロース一次粒子の繊維平均幅は19μm、平均厚みは3μm、平均粒子径は38μmであった。該セルロース分散液を噴霧乾燥(分散液供給速度6kg/hr、入口温度180~220℃、出口温度50~70℃)して、セルロース凝集体であるセルロース粒子をセイシン製ジェットミルにて粉砕し平均粒子径15μmのセルロース粉末Eを得た。
[製造例6]
(セルロース粉末Fの製造)
市販パルプ(重合度1030)2kgを細断し、0.14N塩酸水溶液30L、120℃、1時間の条件で、低速型攪拌機(池袋琺瑯工業(株)製、30LGL反応器、翼径約30cm)で攪拌(攪拌速度30rpm)しながら加水分解した。得られた酸不溶解残渣はヌッチェを使用して濾過し、ろ過残渣をさらに70Lの純水で4回洗浄し、アンモニア水で中和後、90Lのポリバケツに入れ、スリーワンモーター(HEIDON製、タイプ1200G、8M/M、翼径約5cm)で攪拌(攪拌速度500rpm)しながら濃度17%のセルロース分散液を得た(pH;6.4、IC;64μS/cm)。これを噴霧乾燥(液供給速度6L/hr、入口温度180~220℃、出口温度70℃)後、325メッシュ篩で粗大粒子を除きセルロース粉末Fを得た。
得られた各セルロース粉末の物性を以下の表1に示す。
Figure 2022139962000001
<顆粒の製造方法>
[実施例1]
(顆粒G-a1の製造)
薬物(A)としてアセトアミノフェン(新日本薬業株式会社製、解熱鎮痛消炎薬)1質量%、糖類(B)として乳糖水和物(DFE Pharma製、Pharmatose 200M)52質量%、デンプン(C)としてトウモロコシデンプン(日澱化学株式会社製)27質量%、セルロース(D)としてセルロース粉末A 20質量%、結合剤(E)としてヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、HPC-L)外割3.5質量%をタンブラーミキサー(セイワ技研株式会社製、TMS-36S)にて5分間混合することにより、混合粉体を得た。
得られた混合粉体を連続造粒装置(フロイント産業株式会社製、Granuformer Gf-2050)を用いて、加水量35質量%、造粒速度15kg/時間、造粒時間12分間の造粒条件で湿式造粒することにより湿式造粒物を得た。続いて、上記連続造粒装置に付属した整粒機(スクリーン径 Φ3.0mm)を用いて、湿式造粒物を整粒した。次に、上記連続造粒装置に付属し、風量8.5m/分、給気温度120℃で稼働する気流式乾燥機(スパイラルドライヤー)を用いて、整粒した湿式造粒物を連続的に供給しながら乾燥し、次いでサイクロン式の回収機を用いて乾燥した湿式造粒顆粒を得た。
[実施例2~7及び比較例1~3、5]
(顆粒G-a2~G-a8及びG-b1~G-b3、G-b5の製造)
セルロース粉末の種類及び配合量、乳糖水和物の配合量、並びに、湿式造粒時の加水量を表1に記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、各顆粒を得た。
[比較例4]
(混合粉体G-b4の製造)
薬物(A)としてアセトアミノフェン(新日本薬業株式会社製、解熱鎮痛消炎薬)1質量%、糖類(B)として乳糖水和物(DFE Pharma製、Pharmatose 200M)62質量%、デンプン(C)としてトウモロコシデンプン(日澱化学株式会社製)27質量%、セルロース(D)としてセルロース粉末A 10質量%をタンブラーミキサー(セイワ技研株式会社製、TMS-36S)にて5分間混合することにより、混合粉体を得た。
各湿式造粒顆粒及び混合粉体を用いて、上記の方法を用いて物性の測定を行い、錠剤を作製後、各種評価を行なった。結果を表2及び表3に示す。なお、表3において、「L-HPC」(登録商標)(以下、「登録商標」との記載は省略する)とは、信越化学工業株式会社製の低置換度のヒドロキシプロピルセルロースであり、品種はLH-21である。L-HPCの吸水量は、676質量%であった。
Figure 2022139962000002
Figure 2022139962000003
表2及び表3から、薬物(A)、糖類(B)、デンプン(C)、吸水量が210質量%以上であるセルロース(C)及び結合剤を含む湿式造粒顆粒G-a1~G-a7(実施例1~7)を用いた錠剤では、10kN以下と低い打圧で、55N以上と十分な硬度を示し、且つ、崩壊時間が120秒以下及び溶出率が97%以上と、崩壊性及び溶出性に優れていた。
また、セルロース粉末Aの含有量が異なる湿式造粒顆粒G-a1~G-a3(実施例1~3)の比較において、セルロース粉末Aの含有量が増加するほどより低い打圧で、十分な硬度を示し、且つ、崩壊性及び溶出性により優れる錠剤が得られる傾向がみられた。
また、ゆるみ嵩密度が異なるセルロース粉末B及びCを用いた湿式造粒顆粒G-a4及びG-a5(実施例4及び5)の比較において、ゆるみ嵩密度が大きくなるほど、硬度がより高い錠剤が得られる傾向がみられ、一方で、ゆるみ嵩密度が小さくなるほど、崩壊性により優れる錠剤が得られる傾向がみられた。
セルロース(C)を配合していない湿式造粒顆粒G-b1(比較例1)を用いた錠剤では、崩壊性及び溶出性は良好であったが、打圧を13kNまで上げないと62Nと十分な硬度を示さなかった。
また、吸水量が200質量%と、210質量%未満であるセルロース粉末Fを含む湿式造粒顆粒G-b2(比較例2)を用いた錠剤では、崩壊性及び溶出性は良好であったが、打圧を11kNまで上げないと64Nと十分な硬度を示さなかった。
また、L-HPCを配合した湿式造粒顆粒G-b3(比較例3)を用いた錠剤では、低い打圧で十分な硬度を示したが、崩壊時間が141秒と長く、且つ、溶出率が93%と低く、崩壊性及び溶出性が劣っていた。
また、湿式造粒顆粒ではなく、結合剤(E)を配合していない混合粉体G-b4(比較例4)を錠剤化したものでは、低い打圧で十分な硬度を示したが、崩壊時間が152秒と長く、且つ、溶出率が90%と低く、崩壊性及び溶出性が劣っていた。
また、結合剤(E)を配合していない湿式造粒顆粒G-b5(比較例5)を用いた錠剤では、崩壊性及び溶出性は良好であったが、打圧を14kNまで上げても、54Nと硬度が低かった。
本実施形態の顆粒によれば、従来よりも低打圧で十分な硬度を示し、且つ、崩壊性及び溶出性に優れる錠剤が得られる顆粒を提供することができる。

Claims (7)

  1. 薬物(A)、
    糖類(B)、
    デンプン(C)、
    吸水量が210質量%以上であるセルロース(D)、及び
    結合剤(E)、
    を含み、湿式造粒してなる、顆粒。
  2. 前記セルロース(D)の含有量が、前記顆粒の総質量に対して、1質量%以上50質量%以下である、請求項1に記載の顆粒。
  3. 前記セルロース(D)のゆるみ嵩密度が0.10g/cm以上0.35g/cm以下である、請求項1又は2に記載の顆粒。
  4. 前記顆粒の平均粒子径D50が100μm以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の顆粒。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の顆粒の製造方法であって、
    前記薬物(A)、前記糖類(B)、前記デンプン(C)、前記セルロース(D)、及び前記結合剤(E)を含む混合粉体を、連続生産システムを用いて湿式造粒することを含む、製造方法。
  6. 前記湿式造粒において、前記混合粉体の質量に対する加水量が30質量%以上40質量%未満である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 請求項1~4のいずれか一項に記載の顆粒を含む、錠剤。
JP2021040567A 2021-03-12 2021-03-12 顆粒、顆粒の製造方法、及び錠剤 Pending JP2022139962A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021040567A JP2022139962A (ja) 2021-03-12 2021-03-12 顆粒、顆粒の製造方法、及び錠剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021040567A JP2022139962A (ja) 2021-03-12 2021-03-12 顆粒、顆粒の製造方法、及び錠剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022139962A true JP2022139962A (ja) 2022-09-26

Family

ID=83399784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021040567A Pending JP2022139962A (ja) 2021-03-12 2021-03-12 顆粒、顆粒の製造方法、及び錠剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022139962A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9446137B2 (en) Composite particles which contain both cellulose and inorganic compound
CA2527686C (en) Cellulose powder
US10426838B2 (en) Composite particles including cellulose, inorganic compound, and hydroxypropyl cellulose
JP7332549B2 (ja) マウントの発生を抑制する方法
JP6884920B2 (ja) 錠剤の保存安定性を向上させる方法
JP2021075686A (ja) セルロース組成物、錠剤及び口腔内崩壊錠
JP2018083923A (ja) セルロース分散液、セルロース分散液の製造方法、成形体組成物、成形体、及び成形体組成物の製造方法
JP2022139962A (ja) 顆粒、顆粒の製造方法、及び錠剤
JP2020094022A (ja) 賦形剤顆粒、錠剤及び錠剤の製造方法
TW201927340A (zh) 纖維素粉末
RU2796502C1 (ru) Содержащая целлюлозу композиция, таблетка и таблетка с внутриротовой распадаемостью
JP2020094023A (ja) 賦形剤顆粒、錠剤及び錠剤の製造方法
CA3158393A1 (en) Cellulose composition, tablet, and orally disintegrating tablet
JP2020180083A (ja) セルロース粉末、錠剤、及び錠剤の製造方法