JP2019111586A - 回転関節機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】目的は、回転関節機構の小型軽量化を実現しながらモータ等内部構造のメンテナンス性を向上することにある。【解決手段】本実施形態に係る回転関節機構は、貴台1には回転台座201を介して回転自在に回転体(円環体202、円筒体211)が支持される。回転関節機構は、回転体202を回転する動力を発生するモータユニット212を有する。モータユニット212は、回転体202の円筒体211に収容され、モータユニットの出力軸213が基台1に固定される。【選択図】 図7
Description
本発明の実施形態は回転関節機構に関する。
近年ロボットがユーザと同一空間にいる環境が多くなってきている。介護用ロボットはもちろん産業用ロボットでも作業者の近傍で作業を行なう状況の可能性が検討されている。この状況が実現すれば例えばロボットの支援のもとで健常者と同様に障害者が作業をすることも可能となり得る。発明者らが実用化を実現した直動伸縮機構を備えた垂直多関節型の回転関節機構は肘関節がなく、特異点もないことから、不測の方向に突然高速で動くようなことはなく、アームやエンドエフェクタの動きを予測する事ができ、その安全性は非常に高い。
回転関節機構は、固定部に対して可動部が回転自在に支持されてなり、可動部にモータにより発生された回転動力が可動部に伝達されることにより回転する。一般に、モータは、固定部に対して固定され、その出力軸と可動部との間に、モータの回転動力を可動部に伝達するための伝達機構が介在されていた。しかしながら、伝達機構を設けることは、回転関節機構の小型化及び軽量化を困難にする。
目的は、回転関節機構の小型軽量化を実現しながらモータ等内部構造のメンテナンス性を向上することにある。
本実施形態に係る回転関節機構は、固定部と、固定部に回転自在に支持される回転部と、回転部を回転する動力を発生するモータユニットとを具備する。モータユニットは回転部に固定され、モータユニットの出力軸が固定部に固定される。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る回転関節機構を説明する。本実施形態に係る回転関節機構として、ここでは直動伸縮機構を備えた垂直多関節型の回転関節機構を説明するが、他のタイプの回転関節機構であってもよい。
図1は本実施形態に係る垂直多関節型の回転関節機構の斜視図である。図2は回転関節機構の内部構造を示す側面図である。当該回転関節機構の基台1には円筒体をなす支柱部2が典型的には鉛直に設置される。支柱部2は旋回回転関節部としての第1関節部J1を収容する。第1関節部J1はねじり回転軸RA1を備える。回転軸RA1は鉛直方向に平行である。第1関節部J1の回転によりアーム部5は水平に旋回する。支柱部2は、下部2−1と上部2−2とからなる。下部2−1は下部カバー12、上部2−2は上部カバー13によりそれぞれ覆われる。上部2−2には、上部カバー13の内部に上部フレーム23が設けられる。上部フレーム23は、第1関節部J1の回転部としての回転体202に接続され、回転軸RA1を中心に軸回転する。円筒体をなす支柱部2(上部フレーム23)の内部中空には後述する直動伸縮機構としての第3関節部J3の第1コマ列51及び第2コマ列52が収納される。また、上部フレーム23の内部中空には、関節部を動作させるためのモータ(図示せず)を駆動するモータドライバ24が実装される。モータドライバ24は、上部フレーム23の内部中空を通じて、各モータと電気的に接続される。モータドライバ24は、ロボット制御装置(図示せず)の制御に基づいてモータを駆動する。支柱部2の上部2−2には起伏回転関節部としての第2関節部J2を収容する起伏部4が設置される。第2関節部J2は曲げ回転関節である。第2関節部J2の回転軸RA2は回転軸RA1に垂直である。起伏部4は、第2関節部J2の固定部(支持部)としての一対のサイドフレーム57を有する。一対のサイドフレーム57は、上部フレーム23に連結される。一対のサイドフレーム57は、鞍形形状のカバー15により覆われる。一対のサイドフレーム57にモータハウジングを兼用する第2関節部J2の回転部としての円筒体60が支持される。円筒体60の周面には、送り出し機構56が取り付けられる。送り出し機構56は円筒形状のカバー16により覆われる。送り出し機構56は、複数のローラ59、ドライブギア64、ガイドローラ69を支持する。円筒体60の軸回転に伴って送り出し機構56は回動し、送り出し機構56に支持されたアーム部5が起伏する。鞍形カバー15と円筒カバー16との間の間隙は断面U字形状のU字蛇腹カバー14により覆われる。U字蛇腹カバー14は、第2関節部J2の起伏動に追従して伸縮する。
第3関節部J3は直動伸縮機構により提供される。直動伸縮機構は発明者らが新規に開発した構造を備えており、可動範囲の観点でいわゆる従来の直動関節とは明確に区別される。第3関節部J3のアーム部5は屈曲自在であるが、中心軸(伸縮中心軸RA3)に沿ってアーム部5の根元の送り出し機構56から前方に送り出されるときには屈曲が制限され、直線的剛性が確保される。アーム部5は後方に引き戻されるときには屈曲が回復される。アーム部5は第1コマ列51と第2コマ列52とを有する。第1コマ列51は屈曲自在に連結された複数の第1コマ53からなる。第1コマ53は略平板形に構成される。前後の第1コマ53は、互いの端部箇所で連結ピンにより屈曲自在に連結される。第2コマ列52は複数の第2コマ54からなる。第2コマ54は横断面U字形状の溝状体又は断面ロ字形状の筒状体をなす。ここでは、第2コマ54は筒状体とする。第2コマ54は底板端部箇所で連結ピンにより屈曲自在に連結される。第2コマ列52の屈曲は、第2コマ54の側板の端面どうしが当接する位置で制限される。その位置では第2コマ列52は直線的に配列する。第1コマ列51のうち先頭の第1コマ53と、第2コマ列52のうち先頭の第2コマ54とは結合コマ55により接続される。例えば、結合コマ55は第1コマ53と第2コマ54とを合成した形状を有している。
第1コマ列51及び第2コマ列52は、送り出し機構56の複数のローラ59の間を通過する際に互いに押圧されて接合する。接合により第1コマ列51及び第2コマ列52は直線的剛性を発揮し、柱状のアーム部5を構成する。ローラ59の後方にはドライブギア64がガイドローラ69とともに配置される。ドライブギア64は図示しない減速器を介してステッピングモータに接続される。第1コマ53の内側の面の幅中央には連結方向に沿ってリニアギアが形成されている。複数の第1コマ53が直線状に整列されたときに隣合うリニアギアは直線状につながって、長いリニアギアを構成する。ドライブギア64はガイドローラ69に押圧された第1コマ53のリニアギアに噛み合わされる。直線状につながったリニアギアはドライブギア64とともにラックアンドピニオン機構を構成する。ドライブギア64が順回転するとき第1コマ列51及び第2コマ列52はローラ59から前方に送り出される。ドライブギア64が逆回転するとき第1コマ列51及び第2コマ列52は、ローラ59の後方に引き戻される。引き戻された第1コマ列51及び第2コマ列52は、ローラ59とドライブギア64との間で分離される。分離された第1コマ列51及び第2コマ列52は、それぞれ屈曲可能な状態に復帰する。屈曲可能な状態に復帰した第1コマ列51及び第2コマ列52は、ともに同じ方向(内側)に屈曲し、支柱部2の内部に鉛直に収納される。このとき、第1コマ列51は第2コマ列52に略平行にほぼ揃った状態で収納される。
アーム部5の先端には手首部6が取り付けられる。手首部6は第4〜第6関節部J4〜J6を装備する。第4〜第6関節部J4〜J6はそれぞれ直交3軸の回転軸RA4〜RA6を備える。第4関節部J4は伸縮中心軸RA3と略一致する第4回転軸RA4を中心としたねじり回転関節であり、この第4関節部J4の回転によりエンドエフェクタは揺動回転される。第5関節部J5は第4回転軸RA4に対して垂直に配置される第5回転軸RA5を中心とした曲げ回転関節であり、この第5関節部J5の回転によりエンドエフェクタは前後に傾動回転される。第6関節部J6は第4回転軸RA4と第5回転軸RA5とに対して垂直に配置される第6回転軸RA6を中心としたねじり回転関節であり、この第6関節部J6の回転によりエンドエフェクタは軸回転される。
エンドエフェクタ(手先効果器)は、手首部6の第6関節部J6の回転部下部に設けられたアダプタ7に取り付けられる。エンドエフェクタはロボットが作業対象(ワーク)に直接働きかける機能を持つ部分であり、例えば把持部、真空吸着部、ナット締め具、溶接ガン、スプレーガンなどのタスクに応じて様々なツールが存在する。エンドエフェクタは、第1、第2、第3関節部J1,J2,J3により任意位置に移動され、第4、第5、第6関節部J4,J5,J6により任意姿勢に配置される。特に第3関節部J3のアーム部5の伸縮距離の長さは、基台1の近接位置から遠隔位置までの広範囲の対象にエンドエフェクタを到達させることを可能にする。第3関節部J3はそれを構成する直動伸縮機構により実現される直線的な伸縮動作とその伸縮距離の長さとが従前の直動関節と異なる特徴的な点である。
図3は回転関節機構の構成を図記号表現により示している。回転関節機構において、根元3軸を構成する第1関節部J1と第2関節部J2と第3関節部J3とにより3つの位置自由度が実現される。また、手首3軸を構成する第4関節部J4と第5関節部J5と第6関節部J6とにより3つの姿勢自由度が実現される。図3に示すように、第1関節部J1の回転軸RA1は鉛直方向に設けられる。第2関節部J2の回転軸RA2は水平方向に設けられる。第2関節部J2は第1関節部J1に対して回転軸RA1と回転軸RA1に直交する軸との2方向に関してオフセットされる。第2関節部J2の回転軸RA2は、第1関節部J1の回転軸RA1には交差しない。第3関節部J3の移動軸RA3は回転軸RA2に対して垂直な向きに設けられる。第3関節部J2は第2関節部J2に対して回転軸RA1と回転軸RA1に直交する軸との2方向に関してオフセットされる。第3関節部J3の回転軸RA3は、第2関節部J2の回転軸RA2には交差しない。複数の関節部J1−J6の根元3軸のうちの一つの曲げ関節部を直動伸縮関節部J3に換装し、第1関節部J1に対して第2関節部J2を2方向にオフセットさせ、第2関節部J2に対して第3関節部J3を2方向にオフセットさせることにより、本実施形態に係るロボット装置の回転関節機構は、特異点姿勢を構造上解消している。
図4は、支柱部2の上部2−2の上部カバー13を取り外した状態において第1関節部J1の内部構造を示す斜視図である。図5は、図4の上部フレーム23を外した状態の平面図である。図6は、図5の回転体202を外した状態の平面図である。図7は、図4の断面図である。
第1関節部J1は、円筒形状又は円環形状の回転台座201を有する。回転台座201は、下部2−1の固定部である下部カバー12に固定される。下部カバー12は基台1に接続されるので、回転台座201は固定される。回転体202は、円筒形状又は円環形状をなす。回転体202はその外径が回転台座201の内径よりも若干短く、回転台座201の内側に回転自在に嵌め込まれる。典型的には回転台座201と回転体202との間にはベアリングが介在される。回転体202の上部には円筒形状の上部フレーム23が接続される。上部フレーム23の内部中空には、分離されて屈曲自在の第1コマ列51及び第2コマ列52が収容される。回転体202は、後述するモータユニット212のモータの回転動力が伝達されて回転される。回転体202の回転に伴って上部フレーム23が上部カバー13とともに回転する。
回転体202の上面は、回転台座201の上面に揃えられ、又は回転台座201の上面よりも若干高い。これら回転体202と回転台座201とには、回転体202の回転を制限するためのストッパ機構が設けられている。
ストッパ機構は、回転体202の回転を、第1関節部J1の機構上の作動範囲内に制限する。機構上の作動範囲は、回転体202の回転に起因する「支柱部2の内部を引き回されている多数のケーブルの断線」、及び「支柱部2の内部構造と第1コマ列51及び第2コマ列52との接触による破損」等を回避するためのロボット設計上許容されている最大回転範囲である。
ストッパ機構は、回転台座201の上面に、上方に突起する状態で設置される一対のストッパブロック207,208と、回転体202の上面に半径方向外側に突起する状態で取り付けられるストッパロッド206Bとから構成される。ストッパブロック207,208は、回転台座201の上面に設けられた複数のブロック装着部209の何れかに着脱自在である。ストッパロッド206Bの先端は、下方に垂直に屈曲されている。ストッパロッド206Bは、回転体202の周回軌道上を通過する。一対のストッパブロック207,208は、ストッパロッド206Bの周回軌道上であって、安全上の可動範囲(左回転、右回転)の両限界位置にそれぞれ設置される。ストッパロッド206Bは、ストッパブロック207,208に当接する位置まで移動されると停止される。すなわち、回転体202は、ストッパロッド206Bがストッパブロック207,208に当接した位置で回転が停止(制限)される。
図7に示すように、固定部としての基台1に回転台座201が支柱下部フレーム12を介して支持される。回転台座201に対して、回転部としての円環板202が回転自在に支持される。円環板202には円筒体211が下向き、つまりその底部が基台1に対峙する向きに配置される。
円筒体211の内部には、モータユニット212が収容される。モータユニット212は、モータとギアボックスとがモータハウジング内に一体的に接続されてなる。モータユニット212は、円筒体211に収容され、その前部において円筒体211の底部にネジ301により接続される。モータユニット212の後部は、円環板202に支持されている。円筒体211の上部には円環板202が接続される。円環板202には支柱部の上部フレーム23が載置される。
モータユニット212の回転動力を出力する出力軸213は円筒体211の底部に設けられた開口を介して基台1にネジ303により接続される。モータの出力軸213が基台1に固定されているため、モータユニット212は円筒体211、回転体202及び上部フレーム23とともに、基台1に対して軸回転する。
このように、モータユニット212の出力軸213を基台(回転関節機構の固定部)1に直結し、モータユニット212を回転体(回転関節機構の可動部)202の一部として兼用することは、モータユニット212が発生した回転動力を回転体202に伝達するための、ギア、ベルト等からなる伝達機構を不要とし、部品点数を少なくするとともに、回転関節機構内部の構造をシンプルにする。また、その構造は、モータユニット212の出力軸213と基台1との接続箇所と、モータユニット212と回転部、特に円筒体211との接続箇所とを同じ側に集中させることを実現しており、図7に示すように、モータユニット212の出力軸213を基台1に対して固定するためのネジを取り外すだけで、回転部内部、特にモータユニット212を露出させることができ、さらにモータユニット212と円筒体211の底部とのネジを取り外すことで、モータユニット212を円筒体211から基台1側から抜き取ることができ、それらによりモータユニット212の交換等のメンテナンスの工数を大幅に低減することができる。なお、円筒体211を排除して、モータユニット212の出力軸213を回転部(円環板202)に直接的に接続した構造を採用した場合、モータユニット212を取り外すためには基台1、上部カバー13、上部フレーム23、その他を分解することが必要とされる。上部フレーム23は長筒体であり、これをモータユニット212から取り外すためには、多くの工程が必要である。したがって、モータユニット212の出力軸部213を基台1に対して直結することは、モータユニット212の出力軸部213を回転体202に直結する場合に比べて、モータユニット212のメンテナンス性を向上させる。
なお、本実施形態では、モータユニット212は、モータとギアボックスとが一体化されてなるとしたが、ギアボックスが装備されていなくてもよい。また、モータユニット212は、モータとギアボックスとその他の構成部品、例えば電磁ブレーキとエンコーダとの組み合わせで構成されてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
J1…第1回転関節部、201…回転台座、202…回転体、211…円筒体、212…モータユニット、213…出力軸。
Claims (5)
- 固定部と、
前記固定部に回転自在に支持される回転部と、
前記回転部を回転する動力を発生するモータユニットと、
前記モータユニットは前記回転部に固定され、前記モータユニットの出力軸が前記固定部に固定されることを特徴とする回転関節機構。 - 前記回転部は筒体を有し、前記筒体はその底部が前記固定部に対峙する向きに配置され、
前記モータユニットは前記筒体の内部に収納され、前記筒体の底部に接続されることを特徴とする請求項1記載の回転関節機構。 - 前記モータユニットはモータとギアボックスとからなり、
前記ギアボックスは前記モータとともに前記回転部に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の回転関節機構。 - 前記モータユニットはモータとギアボックスと電磁ブレーキからなり、
前記ギアボックスと前記電磁ブレーキとは、前記モータとともに前記回転部に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の回転関節機構。 - 前記モータユニットは、モータとギアボックスと電磁ブレーキとエンコードとからなり、
前記ギアボックス、前記電磁ブレーキ及び前記エンコーダは、前記モータとともに前記回転部に取り付けらえることを特徴とする請求項1記載の回転関節機構。
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