JP2019110995A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収性物品においてコアに積層されるシートの破損を抑えること。【解決手段】吸収性物品100は、吸水性をもつマット状のコア21と、コア21に積層され、所定の伸張特性をもつシート30と、シート30とともにコア21が圧搾された凹部40と、を備え、所定の伸張特性は、凹部40の圧搾時における変形の許容度合いがコア21よりも大きいことを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、紙おむつや尿パッドといった吸収性物品に関する。
吸収性物品を構成する部材の一つとして、マット状のコアがラップシートで包み込まれた吸収体が知られている。また、吸収性物品を装着する着用者の快適性を高めるために、吸収体のコアをラップシートとともに圧搾して凹部を成形することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2017−12290号公報
しかしながら、上述したラップシートのようにコアに積層されたシートは、凹部の圧搾成形にともなって引っ張られ、破損するおそれがある。
本件は、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、吸収性物品においてコアに積層されるシートの破損を抑えることを目的の一つとする。
上記の目的を達成するために、本件の吸収性物品は、吸水性をもつマット状のコアと、前記コアに積層され、所定の伸張特性をもつシートと、前記シートとともに前記コアが圧搾された凹部と、を備え、前記所定の伸張特性は、前記凹部の圧搾時における変形の許容度合いが前記コアよりも大きいことを含む。
また、本件の吸収性物品は、吸水性をもつマット状のコアと、前記コアに積層され、所定の伸張特性をもつシートと、前記シートとともに前記コアが圧搾された凹部と、を備え、前記所定の伸張特性は、幅方向の破断伸度が40〜80%であることを含む。
本件の吸収性物品によれば、吸収体に凹部を形成するための圧搾工程の際に、コアに積層されたシートの破損が防止されるため、コアに含まれる高吸収性ポリマーの漏出が防止され、吸収体の吸水性を維持することができる。
実施形態で例示する紙おむつ(吸収性物品)の展開図である。 図1のII−II矢視断面図である。 紙おむつの外観を示す斜視図である。
以下、本件を実施するための形態を説明する。実施形態で述べる吸収性物品は、着用者に装着され、着用者から排泄される尿や経血といった液体の水分を吸収し保持する衛生用品である。この吸収性物品には、テープ型やパンツ型の紙おむつ(いわゆる「使い捨ておむつ」)といった吸収体を備えた吸収性物品のほか、尿パッド、生理用ナプキン、パンティーライナーといった吸収体のみを備えた吸収性物品なども含まれる。以下の実施形態では、吸収性物品としてパンツ型の紙おむつを例示する。
本実施形態では、紙おむつについて、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。これらの前身頃と後身頃との間(長手方向の中央)には、着用者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。また、紙おむつが着用者に装着された状態(以下「装着状態」と略称する)において、着用者の肌に向かう側(内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(外側)を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向と厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向とする。
また、厚み方向に沿った方向から視ることを平面視とする。つまり、平面視とは、吸収性物品の展開図(例えば図1参照)において、吸収性物品を肌面側又は非肌面側から視ることをいう。
紙おむつにおける各構成の向きについては、例えば長手方向に沿うと表現する場合に、長手方向と平行なことだけでなく、ほぼ長手方向と平行なことも含むものとする。具体的には、長手方向に対する傾斜角度が45°未満で延在することを長手方向に沿うものとする。同様に、幅方向や厚み方向といった各方向に沿うと表現する場合についても、各方向に対する傾斜角度が45°未満で延在することを意味する。なお、本明細書において、例えば「1〜100」との数値範囲の表記は、その下限値「1」及び上限値「100」の双方を包含するものとする。また、他の数値範囲の表記も同様である。
[1.構成]
図1及び図2を参照して、紙おむつ100の基本的な構成を説明する。なお、図2の断面図では、各構成を把握しやすくするため、各シート類の厚みを誇張して示している。
図1の紙おむつ100は、幅方向の中心線CLを基準として対称に構成されている。この紙おむつ100は、長手方向Lに沿って前身頃100A、股下部100B、及び後身頃100Cの三つの領域に大別される。股下部100Bは、紙おむつ100において着用時に着用者の股下に位置する領域である。
紙おむつ100は、股下部100Bに積層体10を備えている。積層体10は、吸収性をもつマット状のコア21を有する吸収体20を備えている。また、積層体10は、コア21に積層されるシート30を備えている。すなわち、積層体10は、吸収体20とシート30とが積層された、マット状の積層構造体である。また、積層体10には、厚み方向Tに圧搾された凹部40が設けられている。
シート30は、コア21を被覆する、上側コアラップシート31と下側コアラップシート32とを有している。また、シート30は、吸収体20の表面に配置される、トップシート33とバックシート34とを有している。
以下、紙おむつ100の各構成要素について説明する。
〔コア〕
コア21は、液体を吸収して保持するマット状の部材である。コア21は、高吸収性ポリマー(SAP(Superabsorbent polymer)、高吸水性高分子あるいは高吸水性樹脂とも称される)22と、繊維材料23とを含んでいる。コア21は、繊維材料23に高吸収性ポリマー22が混合されることにより形成されている。繊維材料23は、親水性を有する繊維が絡まり合って形成されている。高吸収性ポリマー22は、繊維材料23に混合されることにより、通常、繊維材料23に埋没保持されている。高吸収性ポリマー22は、繊維材料23によって拡散された液体を吸収し保持することができる。
高吸収性ポリマー22としては、使い捨ておむつや尿パッドのような吸収性物品における吸収体の材料として用いられている各種公知のものを用いることができる。高吸収性ポリマー22としては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、デンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物等のデンプン系;ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物等のセルロース系;アクリル酸(塩)重合体、ポリビニルアルコール−無水マレイン酸反応物の架橋物等の合成ポリマー系の物を用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。高吸収性ポリマー22の形状は特に限定されないが、例えば、粒状、粉体状、ペレット状、ゾル状、フィルム状、繊維状等のものを用いることができる。
繊維材料23としては、例えば,パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維等のセルロース系の繊維や;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施したものが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔吸収体〕
吸収体20は、着用者から排泄される尿や経血といった液体の水分(以下「排泄水分」という)を吸収して保持する吸液性をもつマット状(あるいはパッド状)の部材である。図1に示すように、紙おむつ100には、前身頃100A、股下部100B、及び後身頃100Cに亘って長手方向に延びる吸収体20が内蔵されている。ここでは、前身頃100A及び後身頃100Cよりも股下部100Bのほうが幅方向寸法の小さい、砂時計形状の吸収体20を例示する。ただし、吸収体20の平面視形状は、上記したような砂時計形状に限らず、平面視で矩形(すなわち幅方向寸法が一定)であってもよいし、それぞれ円形の前身頃100A及び後身頃100Cを結ぶダンベル形状であってもよい。
吸収体20は、コア21とコアラップシート31,32とを有している。吸収体20は、コア21がコアラップシート31,32によって被包(ラップ)されることで形成されている。中でも、上側コアラップシート31は、コア21の肌面側(図2中の上面側)を被覆する。また、下側コアラップシート32は、コア21の非肌面側(図2中の下面側)を被覆する。
上側コアラップシート31及び下側コアラップシート32は、コア21を被覆するシート状の部材である。上側コアラップシート31及び下側コアラップシート32によってコア21が被包されることで、コア21の定形性が確保される。図1では、上側コアラップシート31及び下側コアラップシート32が、側端部において互いに接着された例を示す。上側コアラップシート31と下側コアラップシート32とが接着される位置は、図1に示す側端部に限定されず、例えば、コア21の肌面側又は非肌面側において互いに接着されてもよい。また、上側コアラップシート31及び下側コアラップシート32からなる二種のシートに替えて、一種のコアラップシートでコア21を被包することもできる。一種のコアラップシートを用いる場合、コア21を被包したコアラップシートの端部を接着する位置は特に限定されず、二種のシートを用いる場合と同様である。また、一種のコアラップシートを用いる場合には、コア21の肌面側を被覆する部分を上側コアラップシートといい、コア21の非肌面側を被覆する部分を下側コアラップシートという。
上側コアラップシート31及び下側コアラップシート32は、吸収性物品に用いられている公知の材料で形成することができる。例えばティッシュペーパーのような紙;スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアースルー不織布、SMS(Spunbound Meltblown Spunbound)不織布等の不織布等を用いることができる。
〔積層体〕
積層体10は、吸収体20の両主面側にトップシート33とバックシート34とがそれぞれ配置された積層構造体である。中でも、トップシート33は、吸収体20の肌面側の表面に配置される。また、バックシート34は、吸収体20の非肌面側の表面に配置される。トップシート33及びバックシート34と吸収体20とは、ホットメルト接着剤等の公知の接着剤によって固定することができる。
トップシート33は、積層体10において最も肌面側に配置されるシート状の部材である。このトップシート33は、吸収体20よりも幅方向寸法が大きく、肌面側から吸収体20を被覆する。また、トップシート33は、紙おむつ100が装着された状態において、着用者の肌に接触して、排泄水分を透過させて吸収体20に吸収させる。このため、トップシート33は、少なくとも一部または全部が透水性をもつ材料で構成される。また、トップシート33は、着用時のフィット性を向上させるため、柔軟性が高い材料で構成されることが好ましい。また、装着状態での蒸れを抑えるため、通気性を併せもつ材料で構成されることが好ましい。
トップシート33を構成する材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を用いることができる。または、トップシート33としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂の繊維に親水化処理を施して,不織布にしたものを用いてもよい。トップシート33を構成する不織布としては、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアースルー不織布、メルトブローン不織布、SMS不織布等を用いることができる。
バックシート34は、積層体10で最も非肌面側に配置されるシート状の部材である。バックシート34は、吸収体20から非肌面側に排泄物が漏れるのを防ぐ。このため、バックシート34は、非透水性をもつ材料で構成される。また、バックシート34は、装着状態での蒸れを抑えるため、透湿性を併せもつ材料で構成されることが好ましい。
バックシート34を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂シートを用いることができる。中でも、バックシート34としては、0.1〜0.4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性の熱可塑性樹脂シートを用いることが好ましい。このようなシートとしては、例えば、熱可塑性樹脂中に無機充填剤を混練してシートを成形した後に、延伸することにより得られるシートを用いることができる。
また、シート30(具体的には、コアラップシート31,32、トップシート33やバックシート34)を構成する材料に、捲縮繊維を含ませることができる。捲縮繊維を含ませることで、後述する伸張特性を有するシート30を得ることが容易になる。捲縮繊維とは、クリンプ形状、カール形状やスパイラル形状等の捲縮形状を有する繊維をいう。捲縮繊維としては、捲縮を予め有している顕在捲縮繊維であっても、加熱により捲縮が顕在化する潜在捲縮繊維であってもよく、顕在捲縮繊維と潜在捲縮繊維とを併用してもよい。潜在捲縮繊維は、シート30を製造する過程での加熱により捲縮が発現するものであって、加熱時の収縮率が異なる樹脂を複合化させること等で得られる。顕在捲縮繊維、潜在捲縮繊維等の捲縮繊維を用いると、シート30の通気性を向上させることができる。
〔サイドシート、カバーシート〕
おむつ100は、積層体10に対して積層されるサイドシート35及びカバーシート36をさらに備えている。サイドシート35は、積層体10の幅方向側方に配置される。また、カバーシート36は、積層体10の非肌面側に配置される。サイドシート35及びカバーシート36と積層体10とは、ホットメルト接着剤等の公知の接着剤によって固定することができる。
サイドシート35は、積層体10の両側部に立体ギャザー71を形成するための部材である。サイドシート35は、シート33,34の幅方向W側方のそれぞれに設けられている。サイドシート35は、トップシート33の幅方向W側部において肌面側に積層されるとともに、バックシート34の幅方向W側部において非肌面側に積層される。
サイドシート35は、幅方向W側方への液漏れを防ぐため、疎水性をもつ材料で構成されることが好ましい。サイドシート35としては、スパンボンド不織布、SMS不織布やSMMS(Spunbound Meltblown Meltblown Spunbound)不織布を用いることができる。また、サイドシート35の一部は、紙おむつ100において最も肌面側に配置される(このことから、サイドシート35はトップシート33と同様に「トップシート」とも称される)。このように着用者に対して接触しうるサイドシート35としては、スパンボンド不織布をなす繊維の繊度や目付量が抑えられることにより、柔軟性を向上させたスパンボンド不織布を用いることが好ましい。
なお、「繊度」とは、繊維の繊維径(太さ)や断面積に対応するパラメータであり、所定の長さあたりの重量で表される。例えば、一本の繊維について10000mあたりのグラム数(デシテックス)が「繊度」として用いられる。
また、「目付量」とは、シートの厚みあるいは積層度合いに対応するパラメータであり、単位面積あたりの重量で表される。例えば、一平米あたりのグラム数が「目付量」として用いられる。
カバーシート36は、積層体10を非肌面側から被覆するシート状の部材である。カバーシート36は、紙おむつ100で最も非肌面側に配置されることで、バックシート34を補強し、バックシート34の手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。ここでは、バックシート34の幅方向W側部において、サイドシート35を介してカバーシート36が重ねられる。カバーシート36として、肌面側から非肌面側に向けて第一カバーシート37、第二カバーシート38、第三カバーシート39の三つがこの順に積層されている。
第一カバーシート37は、バックシート34を介して吸収体20を非肌面側から被覆する。このことから、第一カバーシート37は「パッドカバーシート」とも称される。
第二カバーシート38及び第三カバーシート39は、前身頃100A及び後身頃100C(図1参照)で第一カバーシート37よりも幅方向寸法が大きく設定され、装着状態で着用者の臀部や腰、腹などのまわりに配置される。第三カバーシート39は、紙おむつ100において最も非肌面側に配置される。このことから、第三カバーシート39は「アウターカバーシート」とも称され、第二カバーシート38は「インナーカバーシート」とも称される。
カバーシート36を構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。特には、触感(手触り)及び柔軟性を確保する観点から、カバーシート36としては、スパンボンド不織布やエアースルー不織布を好適に用いることができる。
図1に示すように、前身頃100Aにおけるカバーシート36と後身頃100Cにおけるカバーシート36とは、それぞれの幅方向端縁部36aどうしが互いに貼り付けられる(いわゆる「サイドシール」)。このようにして、前身頃100A及び後身頃100Cの各カバーシート36が連設され、図3に示すパンツ型の紙おむつ100が形成される。
〔ギャザー〕
次に、図1及び図2を参照して、紙おむつ100のギャザー70について述べる。
ギャザー70は、ゴムやポリウレタン、伸縮フィルムといった伸縮性をもつ部材(伸縮性部材)を伸張状態で不織布などのシートの間に挟んでホットメルトなどで固定することによって伸縮性をもたせたシート複合体から構成される。このシート複合体は、伸縮性部材が伸張状態からもと(自然長の状態)に戻ろうとする力(復元力、弾性力)で不織布などのシートに細かな皺が寄った状態となる。ここでは、伸縮性部材として糸状のゴム部材(以下「糸ゴム」と略称する)80を例示する。
この紙おむつ100には、糸ゴム80で形成されるギャザー70として、三種の糸ゴム81,82,83で伸縮性が付与された三種のギャザー71,72,73を例示する。一つは、サイドシート35の肌面側端縁部が第一糸ゴム81で皺寄せられた立体ギャザー71(「サイドギャザー」とも称される)である。もう一つは、第二カバーシート38及び第三カバーシート39(図2参照)が第二糸ゴム82(一箇所のみに符号を付す)で皺寄せられたタミーギャザー72である。更にもう一つは、サイドシート35の非肌面側において幅方向端縁部が第三糸ゴム83(図1では図示省略)で皺寄せられたセカンド立体ギャザー73(図1では図示省略)である。
立体ギャザー71は、排泄箇所の周縁で着用者に対する追従性を高めることにより、排泄物の幅方向側方への漏れを防ぐために設けられる。詳細に言えば、図2に示すように、立体ギャザー71では、サイドシート35の肌面側における幅方向内側の端縁部に位置するシート部35a,35bが折り曲げられて重ねられる。これらのシート部35a,35bによって、長手方向に延在する第一糸ゴム81が囲まれている。
タミーギャザー72は、着用者の臀部や下腹部に対する追従性を高めるために設けられる。詳細に言えば、タミーギャザー72では、平織物における縦糸または経糸のように、幅方向Wに延びる複数の第二糸ゴム82が、第二カバーシート38及び第三カバーシート39(図2参照)の間に介装されている。
セカンド立体ギャザー73は、股下部100Bで追従性を高めるために設けられる。詳細に言えば、セカンド立体ギャザー73では、サイドシート35の非肌面側における幅方向外側の端縁部に第三糸ゴム83が設けられる。
その他、上述したギャザー71,72,73に加えてまたは替えて、着用者の脚部の付け根に対する追従を高めるためのレッグギャザーを設けてもよい。
〔凹部〕
凹部40は、着用者への紙おむつ100のフィット性、吸水性や通気性を高めるために、少なくともコア21と、コア21に積層されるシート30(例えば、上側コアラップシート31やトップシート33)とを厚み方向T(積層方向)に圧搾されて設けられる。凹部40の幅寸法は特に限定されないが、通常0.5mm以上、好ましくは1mm以上であり、通常10mm以下、好ましくは5mm以下である。また、凹部40の深さ寸法(厚み方向Tに沿った寸法)は特に限定されないが、通常0.5mm以上、好ましくは1mm以上であり、通常10mm以下、好ましくは8mm以下である。
平面視における凹部40の形状は特に限定されないが、図1では、紙おむつ100の肌面側に線状に延設された凹部40を示す。また、図1における凹部40は吸収体20の肌面側に全体的に設けられているが、部分的に設けることもできる。
凹部40は、長手方向Lに対して、幅方向W一方(例えば右方)に傾斜して複数延設される凹部41と、幅方向W他方(例えば左方)に傾斜して複数延設される凹部42とから構成されている。これらの凹部41と凹部42とが長手方向L及び幅方向Wの双方に対して交差している。すなわち、これらの凹部41,42は平面視で格子形状(グリッドパターン)をなす。
具体的には、吸収体20とトップシート33とを所定の形状(パターン)の凸型で肌面側からプレス(圧縮)することで、コア21及び上側コアラップシート31に加えてトップシート33のプレス箇所における含有空気が圧搾され、コア21に上側コアラップシート31とトップシート33とが噛み合って固着した凹部41,42が成形される。
上述した凹部41,42によれば、凹部41,42に沿って排泄された液体を拡散させることで、コア21の吸水箇所を分散させることにより、コア21の吸水性を高めることができ、加えて通気性も確保できる。
ところが、凹部41,42を圧搾して形成すると、コア21に積層される上側コアラップシート31やトップシート33は引っ張られて破損するおそれがある。上側コアラップシート31が破損すると、コア21に含まれる高吸収性ポリマー22が漏出し、十分な吸水性を発揮できなくなる。また、トップシート33が破損すると、漏出した高吸収性ポリマー22が着用者の肌に付着したり、破損部で肌が擦れたりして、着用者の快適性が損なわれる原因になる。
そこで、コア21に積層されるシート30(例えば、上側コアラップシート31やトップシート33)として、所定の伸張特性をもつシートを選択している。以下において、シート30の伸張特性について詳述する。
[2.伸張特性]
シート30の伸張特性としては、「凹部の圧搾時における変形の許容度合い」、「幅方向の破断伸度」、「20%伸張後の変形量」及び「弾性限界」が挙げられる。シート30は、これらの伸張特性の中でも、「凹部の圧搾時における変形の許容度合い」及び「幅方向の破断伸度」の何れか一方を有することを特徴としている。
〔凹部の圧搾時における変形の許容度合い〕
シート30は、凹部40の圧搾時における変形の許容度合が、凹部40の圧搾時におけるコア21の変形の許容度合いよりも大きく設定されている。このように凹部40の圧搾時における変形の許容度合いを設定することで、シート30の破損が抑制される。ここで、凹部40の圧搾時における変形の許容度合いとは、シート30又はコア21の厚み方向Tに生じた所定の応力(押し込み応力)により、シート30又はコア21が破断しない最大の変形度合を意味し、シート30又はコア21が破断した際の押し込み応力により大小を比較できる。押し込み応力は、例えば、万能試験機(例えば、(株)エー・アンド・デイ社製、「RTC−1250」)を使用して、JIS L 1913の破裂強さに規定された方法で測定できる。
〔幅方向の破断伸度〕
シート30は、幅方向Wの破断伸度が40〜80%に設定されている。紙おむつ100を製造する際における凹部40の圧搾工程では、外周面に凸条が形成されたローラを用いて、コア21上に積層されたシート30が加圧される。凹部40の圧搾工程における製造ラインの流れ方向と、シート30の幅方向Wとは略直交又は略平行となることがあり、この場合、圧搾時の主な応力はシート30の幅方向Wに作用する。また、平面視における凹部40の形状(パターン)や凹部40の幅寸法、深さ寸法によっては、圧搾時の主な応力がシート30の幅方向Wに作用することがある。したがって、シート30の幅方向Wにおける破断伸度を40%以上とすることで、シート30の破損が抑制される。また、シート30の幅方向Wにおける破断伸度を80%以下とすることで、凹部40の圧搾工程後においてシート30に弛みや皺を生じにくくすることができる。
凹部40の圧搾時におけるシート30の破損、弛みや皺の発生をより抑制する観点からは、幅方向Wの破断伸度は、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上であり、好ましくは75%以下、より好ましくは70%以下である。
シート30の幅方向Wの破断伸度はJIS K7127;1999に規定された方法で測定される。
〔20%伸張後の変形量〕
凹部40の圧搾時におけるシート30の破損を確実に抑制する観点からは、シート30の20%伸張後の変形量は、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上である。上限値は特に限定されないが、凹部40の圧搾工程後においてシート30に弛みや皺を生じにくくする観点から、好ましくは20%以下である。20%伸張後の変形量は、伸張前のシート30の幅方向Wにおける長さ寸法と、伸張後のシート30の幅方向Wにおける長さ寸法とから算出できる。伸張後のシート30の幅方向Wにおける長さ寸法とは、シート30を幅方向Wに20%伸張し(10分間)、伸張を開放してから10分後の幅方向Wにおける長さ寸法を意味する。
〔弾性限界〕
シート30は凹部40の圧搾成形にともなって弾性限界を超えることが好ましい。凹部40の圧搾時にシート30が弾性限界を超えて伸長されることで、圧搾時の応力が緩和されるため、シート30の破損を確実に抑制できると共に、凹部40の確実な成形にも寄与する。
シート30の上記伸張特性は、例えば、シート30を構成する材料の選択、その厚みやこれらの組み合わせ等により調整できる。
[3.作用及び効果]
本実施形態の紙おむつ100は、コア21に積層されたシート30(特に、上側コアラップシート31及びトップシート33)が所定の伸張特性を有する。そのため、圧搾工程の際にシート30の破損が防止される。シート30の破損が防止されることで、コア21に含まれる高吸収性ポリマー22の漏出が抑制されるため、吸収体20の吸水性を維持することができる。また、着用者の快適性も維持される。
[4.その他]
上述した実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
たとえば、紙おむつ100のコア21に積層されるシート30として、上側コアラップシート31とトップシート33を例に挙げ、これらのシート31,33が所定の伸張特性を有する態様を説明したが、上側コアラップシート31のみが所定の伸張特性を有してもよい。また、トップシート33のみが所定の伸張特性を有してもよい。
さらに、コア21にシート31,33とは別のシートが積層されていてもよい。
また、図1,2に示す紙おむつ1では、コア21と上側コアラップシート31とトップシート33とを肌面側から厚み方向Tに圧搾して凹部40を形成しているが、コア21と下側コアラップシート32とバックシート34とを非肌面側から厚み方向Tに圧搾して凹部を形成してもよい。この場合、下側コアラップシート32やバックシート34が所定の伸張特性を有することが好ましい。また、凹部40は、積層体10の肌面側及び非肌面側の両方に形成されてもよい。
また、「凹部の圧搾時における変形の許容度合い」及び「幅方向の破断伸度」の何れか一方の伸張特性を有するシート30を説明したが、シート30は両方の伸張特性を有していてもよい。
100 紙おむつ(吸収性物品)
100A 前身頃
100B 股下部
100C 後身頃
10 積層体
20 吸収体
21 コア
30 シート
31 上側コアラップシート
32 下側コアラップシート
33 トップシート
34 バックシート
40 凹部

Claims (6)

  1. 吸水性をもつマット状のコアと、
    前記コアに積層され、所定の伸張特性をもつシートと、
    前記シートとともに前記コアが圧搾された凹部と、を備え、
    前記所定の伸張特性は、前記凹部の圧搾時における変形の許容度合いが前記コアよりも大きいことを含む
    吸収性物品。
  2. 吸水性をもつマット状のコアと、
    前記コアに積層され、所定の伸張特性をもつシートと、
    前記シートとともに前記コアが圧搾された凹部と、を備え、
    前記所定の伸張特性は、幅方向の破断伸度が40〜80%であることを含む
    吸収性物品。
  3. 前記所定の伸張特性は、20%伸張後の変形量が10%以上であることを含む
    請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記所定の伸張特性は、前記凹部の圧搾成形にともなって弾性限界を超えることを含む
    請求項1〜3の何れか1項に記載された吸収性物品。
  5. 前記シートは、構成材料に捲縮繊維を含む
    請求項1〜4の何れか1項に記載された吸収性物品。
  6. 前記シートは、前記コアを包むラップシートである
    請求項1〜5の何れか1項に記載された吸収性物品。
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