JP2019110792A - 燻煙装置の蓋体、間接加熱型燻煙装置、及び直接加熱型燻煙装置 - Google Patents

燻煙装置の蓋体、間接加熱型燻煙装置、及び直接加熱型燻煙装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れと加熱時の燻煙剤の噴出を共に防止できる燻煙装置の蓋体と、この蓋体を用いた間接加熱型燻煙装置、及び直接加熱型燻煙装置を提供する。【解決手段】天板部11の通煙孔15を覆うように、天板部11に重ねられた熱溶融性フィルムからなる円形のシール材20を備え、シール材20には、半径がシール材の半径の1/2である同心円R2の内側と外側に、各々複数のスリット21、22が形成され、スリット21、22の一部又は全部は、天板部11に形成された通煙孔15と部分的に重なる燻煙装置の蓋体1、及びこの蓋体1を用いた間接加熱型燻煙装置と直接加熱型燻煙装置。【選択図】図1

Description

本発明は、燻煙装置の蓋体、間接加熱型燻煙装置、及び直接加熱型燻煙装置に関する。
燻煙装置は、有機発泡剤等の発熱性基剤と、有効成分である薬剤等を含有する燻煙剤を加熱することにより、薬剤等を空気中に噴出、拡散させ、有害生物の防除等を行う装置である。
燻煙装置には、間接加熱型燻煙装置と直接加熱型燻煙装置とがあり、間接加熱型燻煙装置の場合、水と反応して発熱する発熱剤を利用して燻煙剤を加熱する。また、直接加熱型燻煙装置の場合、点火具を用いて直接燻煙剤に燃焼熱を与えて加熱する。
いずれの場合も、加熱により発生した薬剤を含む煙を装置外部に放出させるため、燻煙装置の蓋材には、通煙孔が設けられている。
燻煙装置に収納される燻煙剤は、適切な大きさで成形されたままであれば、通煙孔から漏れ出ることは困難である。しかし、輸送時の振動等により、ある程度の微粉の発生は免れない。例えば、粒径0.5mm以下の微粉が発生すると、通煙孔から漏れ出てしまう。
そのため、輸送における振動等によって燻煙剤から微粉が発生しても、通煙孔から微粉が漏れないようにするため、熱溶融性のフィルムからなるシール材で通煙孔を塞ぐことが行われている(特許文献1)。
熱溶融性のフィルムからなるシール材は、燻煙剤加熱時の熱により溶融して、通煙孔が閉塞された状態が解除されるので、薬剤を含む煙を装置外部に放出することが可能となっている。
特許文献1では、このシール材を保護するため、シール材でシールされた蓋材の上に、さらに上蓋を重ねた二重構造とされている。
特開2001−245573号公報
熱溶融性のフィルムからなるシール材で通煙孔を閉塞すると、燻煙剤加熱時にシール材が溶融する前に一時的に装置の内圧が高くなりやすい。そのため、突沸により、煙だけでなく、微粉化した燻煙剤が噴出してしまい、床面を汚してしまう問題が生じやすい。
ただし、特許文献1の蓋体は、蓋材の上に、さらに上蓋を配置した二重構造とされているので、噴出しようとする燻煙剤を上蓋で遮蔽することが可能となり、微粉化した燻煙剤が噴出してしまう問題は、それほど生じないものと思われる。
しかし、特許文献1のように二重構造の蓋体とすると、構造が複雑となるため、製造上やコスト上の負担が大きい。
本発明は、上記事情に鑑みて、簡単な構造で、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れと加熱時の燻煙剤の噴出を共に防止できる燻煙装置の蓋体と、この蓋体を用いた間接加熱型燻煙装置、及び直接加熱型燻煙装置を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]燻煙剤が充填される燻煙剤収納部と前記燻煙剤収納部の上端側に開口する開口とが形成された燻煙剤容器の、前記開口部に装着される蓋体であって、
複数の通煙孔が形成された円形の天板部を有する蓋本体と、
前記複数の通煙孔を覆うように、前記天板部に重ねられた熱溶融性フィルムまたは焼却可能なフィルムからなる円形のシール材とを備え、
前記シール材には、半径が前記シール材の半径の1/2である同心円の内側と外側に、各々複数のスリットが形成され、
前記スリットの一部又は全部は、前記天板部に形成された通煙孔と部分的に重なることを特徴とする、燻煙装置の蓋体。
[2]前記複数のスリットは、長手方向の中央が前記シール材の中心を通る直線と直交するように形成されている[1]に記載の燻煙装置の蓋体。
[3]前記半径が前記シール材の半径の1/2である同心円の外側に形成されたスリットの数が、半径の1/2の同心円の内側に形成されたスリットの数の1/2よりも多い、[1]または[2]に記載の燻煙装置の蓋体。
[4]前記シール材の直径に対する前記複数のスリット各々の長さの比である[単一のスリット長]/[シール材の直径]が0.05〜0.2である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体。
[5]前記シール材の直径に対する前記シール材に設けられた全スリットの長さの合計の比である[全スリットの合計長さ]/[シール材の直径]が0.8〜4.0である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体。
[6]前記蓋本体の天板部に設けられた通煙孔の面積の合計が前記天板部の面積の10〜30%である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体。
[7]前記通煙孔は、長軸と短軸を有する形状であり、前記長軸が前記天板部の中心を通る直線に添うように形成されている、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体。
[8]前記天板部の中央と前記シール材の中央に、点火剤を挿入するための点火剤挿入孔が各々形成されており、前記天板部の点火剤挿入孔と前記シール材の点火剤挿入孔が平面視で重なっている、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体。
[9]燻煙剤が充填される燻煙剤収納部と前記燻煙剤収納部の上端側に開口する開口部とが形成された燻煙剤容器と、前記開口部に装着された[1]〜[7]のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体とを備え、
前記燻煙剤容器は、燻煙剤が充填される燻煙剤収納部と前記燻煙剤収納部の外側に発熱剤を収納する発熱剤収納部が形成された二重構造とされていることを特徴とする間接加熱型燻煙装置。
[10]前記発熱剤収納部と外部との間を連通させる通水孔が形成されていると共に、前記燻煙剤収納部に燻煙剤が収納され、前記発熱剤収納部に水と接触すると発熱する発熱剤が収納されている、[9]に記載の間接加熱型燻煙装置。
[11]燻煙剤が充填される燻煙剤収納部と前記燻煙剤収納部の上端側に開口する開口部とが形成された燻煙剤容器と、前記開口部に装着された[8]に記載の燻煙装置の蓋体と、点火具とを備え、
前記点火具は、円柱状の点火剤と前記点火剤の上端に設けられた着火部を有し、
前記着火部は、前記蓋体の上側に配置され、
前記点火剤は、下端が前記燻煙剤収納部に充填される燻煙剤と接触するように、前記蓋体の上側から、前記天板部と前記シール材に形成された点火剤挿入孔を通過して、前記燻煙剤収納部に挿入されていることを特徴とする直接加熱型燻煙装置。
[12]前記燻煙剤収納部に燻煙剤が収納されている、[11]に記載の直接加熱型燻煙装置。
本発明の燻煙装置の蓋体によれば、簡単な構造で、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れと加熱時の燻煙剤の噴出を共に防止できる。また、この蓋体を用いた間接加熱型燻煙装置、及び直接加熱型燻煙装置は、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れや加熱時の燻煙剤の噴出の問題が生じにくい。
本発明の一実施形態に係る蓋体の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る蓋体の上面図である。 図2のIII-III断面図である。 本発明の一実施形態に係る蓋体の蓋本体の上面図である。 本発明の一実施形態に係る蓋体のシール材の上面図である。 本発明の他の実施形態に係る蓋体の上面図である。 本発明の一実施形態に係る間接加熱型燻煙装置の断面図である。 本発明の一実施形態に係る直接加熱型燻煙装置の断面図である。
<蓋体>
本発明の燻煙装置の蓋体は、燻煙剤が充填される燻煙剤収納部と、燻煙剤収納部の上端側に開口する開口部が形成された燻煙剤容器の開口部に装着される燻煙装置の蓋体である。
図1は、本発明の一実施形態に係る蓋体1の斜視図であり、図2は上面図、図3は図2のIII-III断面図である。
蓋体1は、蓋本体10と蓋本体10の天板部11に重ねられたシール材20とから構成されている。
蓋本体10は、金属性であることが好ましい。具体的には、鋼板、ブリキ板、アルミニウム板が挙げられる。厚さは使用する材質の強度等を考慮し機械成型のし易さ、コスト等から適宜選択すればよいが、たとえば、0.1〜1mmとすることができる。
蓋本体10は、円形の天板部11と、天板部11の周縁11aから天板部11対して略直角に立ち上がるリング状の立ち上がり部12と、立ち上がり部の上端に一端が接続する略水平の幅の狭いリング状の接続部13と、接続部13の他端に接続するリング状の取付部14とが、なだらかに連続するように一体的に形成された構造とされている。
取付部14は、天板部11対して略直角に下方に延在し、その高さ(リング幅)は立ち上がり部12の高さ(リング幅)より大きく、下端が天板部11の位置よりもさらに下方に位置するようになっている。
取付部14の天板部11よりも下方となる位置の途中には、燻煙剤容器の開口部と嵌合させるための嵌合凹部14aが環状に形成されている。
また、天板部11には、図4に示すように複数の通煙孔15が形成されている。本実施形態では、15個の通煙孔15が形成された例を示している。
本実施形態の通煙孔15は、長方形の角を曲形とした角丸長方形とされている。また、その長軸が天板部11の中心を通る直線に添うように放射状に配置されている。
各通煙孔15は、半径が天板部11の1/2である同心円R1の内側から外側に向かって延在している。
蓋体1が直接加熱型燻煙装置に用いられる場合は、中央に点火剤挿入孔P1が形成されている。なお、蓋体1が間接加熱型燻煙装置に用いられる場合は、点火剤挿入孔P1は形成されない。
シール材20は、熱溶融性フィルムまたは焼却可能なフィルムで構成されている。シール材20は、燻煙開始時に、熱により溶融又は焼却される。
シール材20の具体的素材としては、ポリエチレン、ポロプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル等のフィルム材として汎用の合成樹脂の他、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の発泡樹脂も挙げられる。これら樹脂のフィルムの中でも、発泡樹脂のフィルムが1枚づつ確実に取り出せ、扱いやすいという点で好ましい。
フィルムの厚みは特に制約はないが、発泡樹脂フィルムでは0.1〜2mmが好ましい。発泡していない通常のフィルムでは0.2mm以下とすることができる。
シール材20の配置と大きさは、総ての通煙孔15を覆うことができれば特に限定はないが、天板部11と同心円状に配置されることが好ましく、天板部11と合同の円形であることが特に好ましい。
本実施形態では、シール材20は天板部11と合同の円形とされ、同心円状に重ねられている。
シール材20には、図5に示すように、複数のスリットが形成されている。本実施形態では、半径がシール材20の1/2である同心円R2の内側に6本のスリット21が、外側に9本のスリット22が形成された例を示している。
本実施形態のスリット21、22は、各々その長手方向の中央がシール材20の中心を通る直線と直交するように形成されている。
蓋体1が直接加熱型燻煙装置に用いられる場合は、中央に点火剤挿入孔P2が形成される。その場合、点火剤挿入孔P2は、天板部11に形成された点火剤挿入孔P1と平面視で重なる部分に形成される。
なお、蓋体1が間接加熱型燻煙装置に用いられる場合は、点火剤挿入孔P2は形成されない。
本実施形態のシール材20は、スリット21、22の全部が、部分的に1つまたは2つの通煙孔15と重なるように、通煙孔15と交叉して天板部11に重なっている。
あるスリットが通煙孔に部分的に重なるとは、そのスリットの一部のみが一つの通煙孔内に平面視で重なり、そのスリットの全体が一つの通煙孔内に平面視で重なることがないことを意味する。
シール材20は、その周縁においてのみ天板部11に接着されている。蓋体1が直接加熱型燻煙装置に用いられる場合は、中央に形成された点火剤挿入孔P2を囲む部分においても、天板部11に接着されていることが好ましい。
本実施形態の蓋体1は、シール材20に複数のスリット21、22が形成されているため、燻煙剤加熱後にシール材20が溶融ないしは焼却される前であっても、煙をスリット21、22を通じて外部に逃すことができるため、急激な内圧上昇を避けることができる。
また、半径がシール材20の1/2である同心円R2の内側に複数のスリット21が、外側に複数のスリット22が形成されているので、シール材20の一部に強度が弱い部分が集中せず、しかも、煙をシール材20全体から分散して放出できるので、燻煙剤加熱時に、一部のスリットを起点として急激に大きい孔が空いてしまうことも防止できる。
したがって、微粉化した燻煙剤が噴出してしまうことを防止できる。
また、本実施形態のスリット21、22は、1つまたは2つの通煙孔15と交叉するように配置され、部分的に重なっているので、その重なり部分を通じて、スムーズに煙を排出することができる。
また、同心円R2の内側のスリット21と外側のスリット22の数が異なり、シール材20の中心からの方向をずらしてスリット21とスリット22を形成できるので、少なくとも何れかのスリットを、1つまたは2つの通煙孔15と交叉するように容易に蓋体1配置することができる。
また、本実施形態のスリット21、22は、角丸長方形の通煙孔15と交叉するように部分的に重なるので、重なり部分の面積は小さい。そのため、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れがしにくい。
図6は、本発明の他の実施形態に係る蓋体2の上面図である。蓋体2は、通煙孔を円形とした蓋体の一例である。
蓋体2は、蓋本体30と蓋本体30の天板部31に重ねられたシール材20とから構成されている。
蓋本体30は、天板部31に形成された通煙孔の形状が異なる他は、蓋体1の蓋本体10と同一である。また、シール材20は、蓋体1におけるシール材20と同一である。
本実施形態の天板部31には、図6に示すように、複数の円形の通煙孔が形成されている。本実施形態では、天板部31の中心に通煙孔35が、半径が天板部31の1/2である同心円R1のやや内側に添って10個の通煙孔36が、同心円R1よりも外側の円に添って18個の通煙孔36が各々形成されている。
蓋体2が直接加熱型燻煙装置に用いられる場合は、中央に点火剤挿入孔P2が形成される。点火剤挿入孔P2は、天板部11に形成された点火剤挿入孔P1と平面視で重なる部分に形成される。その場合、通煙孔35は存在しなくなる。なお、蓋体2が間接加熱型燻煙装置に用いられる場合は、点火剤挿入孔P2は形成されない。
本実施形態のシール材20は、スリット21の全部が、部分的に1つまたは2つの通煙孔36と重なるように、通煙孔36と交叉して天板部31に重なっている。また、スリット22の全部が、部分的に2つの通煙孔37と重なるように、通煙孔37と交叉して天板部31に重なっている。
本実施形態の蓋体2は、シール材20に複数のスリット21、22が形成されているため、燻煙剤加熱後にシール材20が溶融ないしは焼却される前であっても、煙をスリット21、22を通じて外部に逃すことができるため、急激な内圧上昇を避けることができる。
また、半径がシール材20の1/2である同心円R2の内側に複数のスリット21が、外側に複数のスリット22が形成されているので、シール材20の一部に強度が弱い部分が集中せず、しかも、煙をシール材20全体から分散して放出できるので、燻煙剤加熱時に、一部のスリットを起点として急激に大きい孔が空いてしまうことも防止できる。
したがって、微粉化した燻煙剤が噴出してしまうことを防止できる。
また、本実施形態のスリット21、22は、部分的に1つまたは2つの通煙孔36または通煙孔37と交叉するように配置され、部分的に重なっているので、その重なり部分を通じて、スムーズに煙を排出することができる。
また、本実施形態のスリット21、22は、通煙孔36、37と部分的に重なるので、重なり部分のスリット長さは限定的である。そのため、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れがしにくい。
上記実施形態では、通煙孔を角丸長方形または円形としたが、本発明の蓋体は、四角形や円形に限定されず、三角形、六角形等の四角形以外の多角形、スリット等いずれの形状でもよい。四角形、三角形、六角形等の多角形の場合、角は必ずしも曲形でなくともよい。ただし、曲形とした方が、製造における蓋体破損のリスクを軽減できる点で好ましい。
また、長軸と短軸を有する形状、例えば多角形、楕円形、スリットであることが、スリットを部分的に重ねやすいことから好ましい。
また、通煙に必要な面積を確保しつつ、シール材のスリットを部分的に重ねやすいことから、長軸と短軸を有する形状であり、長軸がシール材のスリットと交叉する方向であることが好ましい。特にシール材が天板部と同心円状に配置されていて、シール材のスリットが、長手方向の中央がシール材の中心を通る直線と直交するように形成されている場合、各通煙孔は、長軸が天板部の中心を通る直線に添うように形成されていることが好ましい。
また、煙を偏りなく放出しやすいことから、複数の通煙孔は、天板部の中心部から放射状に配置されていることが好ましい。また、複数の通煙孔の天板部の中心部からの方位は、各々異なっていることが好ましく、360度全体にわたって均等に分散していることが特に好ましい。
天板部の面積に対する複数の通煙孔全体の面積の合計の割合(開孔率)は、10%以上が好ましく、10〜30%がより好ましく、10〜25%がさらに好ましく、10〜20%がさらに好ましく、15〜20%が特に好ましい。
開孔率が好ましい下限値以上であれば、殺虫剤等の熱揮散性薬剤を含む煙を過度に阻害することなく、大気に放出できるので、充分な殺虫効果を得やすい。また開孔率が好ましい上限値以下であれば、蓋体の強度を確保しやすくなると共に、煙の通過をある程度阻害することにより、煙を放出する勢いを強め、充分な拡散を確保しやすくなる。
各通煙孔の大きさに制限はないが、通煙孔が円形の場合は直径を1〜5mmとすることが好ましい。長軸と短軸を有する形状の場合は、天板部の半径にもよるが、長軸方向の長さが5〜20mmであることが好ましく、短軸方向の長さ(長軸方向に直行する方向の最大幅)は、1〜3mmであることが好ましい。
円形の場合の直径、または三角形、四角形の場合の長軸方向に直行する方向の最大幅が1mm以上であることにより、殺虫剤等の熱揮散性薬剤を含む煙を過度に阻害することなく、大気に放出できるので、充分な殺虫効果を得やすい。
また、円形の場合の直径、または長軸と短軸を有する形状の場合の短軸方向の長さが3mm以下であれば、蓋体の強度を確保しやすくなると共に、煙の通過をある程度阻害することにより、煙を放出する勢いを強め、充分な拡散を確保しやすくなる。また、シール材のスリットとの重なり部分の長さを制限できるので、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れがしにくい。
また、通煙孔の数は、天板部の面積と各通煙孔の数に応じて、適宜設定できる。
また、各通煙孔の形状及び面積は、互いに異なっていてもよい。ただし、煙を偏りなく放出する観点では、同一であることが好ましい。
上記実施形態では、複数のスリットは、長手方向の中央がシール材の中心を通る直線と直交するように形成したが、長手方向の向きは、例えば、シール材の中心を通る直線に対して斜めでもよい。ただし、シール材の強度を確保する観点では、シール材の中心を通る直線と直交する方向であることが好ましい。
また、長手方向の向きは、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れをより確実にする観点から、通煙孔が長軸と短軸を有する形状の場合、その長軸方向と交叉する方向が好ましく、特に、その長軸方向と直行する方向が好ましい。
また、上記実施形態では、複数のスリットは、互いに略同一の長さとしたが、必ずしも同一でなくともよい。ただし、煙を偏りなく放出しやすくする観点からは同一であることが好ましい。また、燻煙剤加熱時に、一部のスリットを起点として急激に大きい孔が空いて、微粉化した燻煙剤が噴出してしまうことを防止する観点からも、同一であることが好ましい。
また、上記実施形態では、半径がシール材の半径の1/2である同心円R2の外側に形成されたスリット(外側スリット)の数が、同心円R2の内側に形成されたスリット(内側スリット)の数よりも多い態様としたが、両者の数は、例えば同一でもよい。ただし、煙を偏りなく放出しやすくする観点、および、シール材の強度を確保しやすい観点からは、同心円R2の外側に形成されたスリットの数が、同心円R2の内側に形成されたスリットの数の1/2よりも多い方が好ましく、同心円R2の内側に形成されたスリットの数よりも多い方がより好ましい。
全スリットの長さの合計に対する半径がシール材の半径の1/2である同心円R2の内側に形成されたスリット(内側スリット)の長さの合計の比である[内側スリットの合計長さ]/[全スリットの合計長さ]は0.2〜1.5が好ましく、0.2〜1.0が好ましく、0.3〜0.5がより好ましい。
上記比が好ましい範囲内であれば、シール材の強度を確保しつつ、均一な燻煙の放出がしやすい。
シール材の直径に対する複数のスリット各々の長さの比である[単一のスリット長]/[シール材の直径]は、0.05〜0.2が好ましく、0.1〜0.14がより好ましい。
上記比が好ましい下限値以上であれば、燻煙剤加熱時に素早く煙を外部へ噴出することにより内圧の急上昇を抑えて、内容物の噴き出し(突沸)をより確実に防止できる。また、上記比が好ましい上限値以下であれば、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れをより確実に防止できる。また、シール材の強度を確保しやすい。
また、シール材の直径に対する、全スリットの長さの合計の比である[全スリットの合計長さ]/[シール材の直径]は、0.8〜4.0が好ましく、1.5〜3.0がより好ましい。
上記比が好ましい下限値以上であれば、燻煙剤加熱時に素早く煙を外部へ噴出することにより内圧の急上昇を抑えて、内容物の噴き出し(突沸)をより確実に防止できる。また、上記比が好ましい上限値以下であれば、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れをより確実に防止できる。また、シール材の強度を確保しやすい。
全スリットの合計長さは、単一のスリット長とその個数の一方または両方を調整する事により調整できる。
シール材全体におけるスリットの数は、10〜40個が好ましく、10〜30個がより好ましい。また、半径がシール材の半径の1/2である同心円の内側に形成されたスリットの数は、2〜15個が好ましく、2〜10個がより好ましい。
また、スリットの長さ方向における通煙孔の幅(通煙孔が長軸と短軸を有する形状であり、スリットと通煙孔の長軸方向が直行する場合は、通煙孔の短軸方向の長さ)に対する複数のスリット各々の長さの比である[単一のスリット長]/[通煙孔の幅]は、1〜5が好ましく、2.5〜5がより好ましい。
上記比が好ましい下限値以上であることにより、スリットが通煙孔に部分的に重なり易くなり、燻煙剤加熱時に素早く煙を外部へ噴出することにより内圧の急上昇を抑えて、内容物の噴き出し(突沸)をより確実に防止できる。
上記比が好ましい上限値以下であることにより、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れをより確実に防止できる。また、シール材の強度を確保しやすい。
また、スリットの幅はゼロmmにできるだけ近いことが好ましい。具体的には、0.5mm以下が好ましく、0.1mm以下がより好ましく、スリットを形成するために必然的に生じる幅であることが特に好ましい。
スリットの幅が好ましい上限値以下であることにより、輸送時等における燻煙剤の微粉漏れをより確実に防止できる。また、シール材の強度を確保しやすい。
また、上記実施形態では、シール材が天板部の外側(燻煙剤容器に装着された際に、燻煙剤収納部と反対側となる側)に装着された例を示したが、シール材が天板部の内側(燻煙剤容器に装着された際に、燻煙剤収納部側となる側)に装着されていてもよい。
また、上記実施形態では、燻煙剤容器の開口部に装着するために、取付部に環状の嵌合凹部を設けたが、取付部の構造に特に限定はなく、たとえば、ねじ山が設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、全部のスリットが通煙孔と重なる構成としたが、スリットの一部は通煙孔と重なっていなくともよい。
<間接加熱型燻煙装置>
図7は、本発明の一実施形態に係る間接加熱型燻煙装置の断面図である。
本実施形態の間接加熱型燻煙装置は、第1の態様として、燻煙剤容器40と、燻煙剤容器40に装着された図1〜3に示した蓋体1とを備えている。
また、第2の態様として、第1の態様の間接加熱型燻煙装置と、第1の態様の間接加熱型燻煙装置内に充填された燻煙剤71及び発熱剤72とを備えている。
燻煙剤容器40は、容器本体50と、容器本体50の底側の開口部50aに装着される底蓋60とから形成されている。
容器本体50は、有底円筒状の内側容器51と内側容器51を囲む無底円筒状の外側容器52と、内側容器51と外側容器52の各々の上端をつなぐ略水平のリング状の接続部53とから構成されている。
容器本体50は、内側容器51と外側容器52の各々の上端が、接続部53を介してなだらかに接続するように一体に成形されている。
内側容器51の上端開口部51aは、蓋体1が装着されるようになっている。また、内側容器51の上端開口部51aのやや下方には、蓋体1の取付部14に形成された嵌合凹部14aと嵌合可能な環状の嵌合凸部51bが形成されている。
底蓋60は、底蓋本体61と不織布62で構成されている。底蓋本体61は、円形の底板61aと、底板61aの周縁に接続し、底板61a対して略直角に下方に向かう環状部61bとを有し、底板61aと環状部61bとが、一体に成形されて構成されている。
また、底板61aには、複数の通水孔61cが形成されている。不織布62は、通水孔61cを塞ぐように、底板61aの内側に接着されている。
底蓋本体61は外側容器52の内側に嵌り、環状部61bが外周側に広がろうとする力により、外側容器52の下端近傍に固定されるようになっている。
内側容器51内側の蓋体1で閉塞される空間は、燻煙剤が充填される燻煙剤収納部S1とされている。また、内側容器51の外側において、外側容器52と接続部53とで囲まれ、底蓋60で閉塞される空間は、水と接触すると発熱する発熱剤を収納する発熱剤収納部S2とされている。
すなわち、燻煙剤容器40は、燻煙剤収納部S1と燻煙剤収納部S1の外側の発熱剤収納部S2が形成される二重構造とされている。
また、通水孔61cは、底蓋60の外側と発熱剤収納部S2とが連通するように形成されている。
容器本体50と底蓋本体61とは、いずれも、金属性であることが好ましい。具体的には、鋼板、ブリキ板、アルミニウム板が挙げられる。厚さは使用する材質の強度等を考慮し機械成型のし易さ、断熱性、コスト等から適宜選択すればよいが、たとえば、0.1〜1mmとすることができる。
不織布62としては、発熱剤72が通水孔61cから外部に漏れることを防ぐことが可能であると共に、通水性を有するものであればよい。
燻煙剤71に特に限定はなく、従来公知の燻煙剤を適宜採用できる。燻煙剤71は、有効成分である薬剤と発熱性基剤を含むことが好ましい。
また、薬剤と発熱性基剤を含む組成物が、顆粒状に成形されたものが好ましい。
顆粒状とする場合の形状に特に限定はないが、例えば、円柱状とすることができる。円柱状とする場合の直径は1〜3mが好ましく、2〜3mmがより好ましい。また、円柱状とする場合の高さ(軸方向の長さ)は、3〜15mmが好ましく、5〜10がより好ましい。
有効成分である薬剤としては、例えば抗菌剤、殺菌剤、殺虫剤等として作用する公知の薬剤を使用することができる。
発熱性基剤とは、加熱により分解されてガス及び煙粒子を発生させる化合物である。発生したガス及び煙粒子の働きにより、薬剤を短時間に空気中に噴出、拡散させることかできる。
発熱性基剤としては、有機発泡剤を用いることが、煙の噴出力を高められることから好ましい。
発熱剤72は、水と反応して発熱する化合物である。発熱剤72に特に限定はなく、従来公知の燻煙剤を適宜採用できる。発熱剤72としは、例えば、水と接触し発熱する物質としては、酸化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化鉄等が挙げられる。なかでも、実用性の点から、酸化カルシウムが好ましい。
蓋体1から、収納された燻煙剤71の上端までの距離は20〜60mmが好ましく、20〜40mmがより好ましい。この範囲とすることで粉漏れを防止しやすくなると共に、燻煙がスムーズに放出されやすくなる。
本実施形態の第2の態様の間接加熱型燻煙装置は、以下のようにして、燻煙剤71と発熱剤72とを充填することにより製造できる。
まず、容器本体50を、底側の開口部50aが上側となるように置いた状態で、発熱剤収納部S2に発熱剤72を充填する。そして、開口部50aに底蓋60を装着して、発熱剤収納部S2を閉空間とする。
その後、容器本体50を内側容器51の上端開口部51aが上側となるように置いた状態で、燻煙剤収納部S1に燻煙剤71を充填する。そして、上端開口部51aに蓋体1を装着して、燻煙剤収納部S1を閉空間とする。
本実施形態の第2の態様の間接加熱型燻煙装置は、装置を対象空間内に設置し、燻煙剤容器40の底蓋60側を水に浸漬することにより使用できる。
燻煙剤容器40の底蓋60側を水に浸漬すると、通水孔61cと不織布62を通過した水が発熱剤収納部S2に侵入し、発熱剤72が発熱する。すると、燻煙剤収納部S1内の燻煙剤71が間接的に加熱され、燻煙剤71に含まれる発熱性基剤が、分解されてガス及び煙粒子を発生させることにより、燻煙剤71中の薬剤を含む燻煙が外部に放出される。
本実施形態の間接加熱型燻煙装置は、蓋体1が、燻煙剤収納部S1を閉塞する態様としたが、蓋体が燻煙剤収納部S1と発熱剤収納部S2の双方を閉塞する態様としてもよい。
その場合、燻煙剤容器を、有底筒状の2つの容器が、互いの底部が離間した状態重なった構成とし、本発明の蓋体で、これら2つの容器の上側開口部を共に閉塞するようにしてもよい。その場合、内側の有底筒状の容器内に燻煙剤収納部が形成され、内側の有底筒状の容器と外側の有底筒状の容器との間に発熱剤収納部が形成される。
また、本実施形態の間接加熱型燻煙装置は、内側容器51と外側容器52をいずれも円筒状としたが、蓋体を装着可能であれば、角筒状であってもよい。
また、本実施形態の間接加熱型燻煙装置は、内側容器51の上端開口部51a近傍に嵌合凸部51bが形成された構造としたが、蓋体の構造に対応して適宜変更できる。例えばねじ山が形成されていてもよい。
また、通水孔61cが、発熱剤72が漏れ出さない程度に細かい孔であれば、不織布62は省略してもよい。
また、本実施形態では、発熱剤を水と接触すると発熱する発熱剤としたが、発熱剤としては、間接加熱方式の燻煙方法に通常用いられる公知の加熱方法に用いられる発熱剤を採用できる。
具体的には、例えば、酸化反応による反応熱を利用する発熱剤として、鉄粉と酸化剤(塩素酸アンモニウム等。)、金属と該金属よりイオン化傾向の小さい金属酸化物もしくは酸化剤が挙げられる。
<直接加熱型燻煙装置>
図8は、本発明の一実施形態に係る直接加熱型燻煙装置の断面図である。
本実施形態の直接加熱型燻煙装置は、第1の態様として、燻煙剤容器80と、燻煙剤容器80に装着された図1〜3に示した蓋体1と、点火具90を備えている。
また、第2の態様として、第1の態様の直接加熱型燻煙装置と、第1の態様の直接加熱型燻煙装置内に充填された燻煙剤71とを備えている。
燻煙剤容器80は、金属性であることが好ましい。具体的には、鋼板、ブリキ板、アルミニウム板が挙げられる。厚さは使用する材質の強度等を考慮し機械成型のし易さ、コスト等から適宜選択すればよいが、たとえば、0.1〜1mmとすることができる。
燻煙剤容器80は、有底円筒状の容器本体81と、容器本体81の上端に一端が接続する略水平の幅の狭いリング状の接続部82と、接続部82の他端に接続し、接続部82に対して略直角に下方に延在するリング状の蓋受部83とが、なだらかに連続するように一体的に形成された構造とされている。
蓋受部83の中程には蓋体1の取付部14に設けられた嵌合凹部14aと嵌合させるための環状の嵌合凸部83aが形成されている。
蓋体1は、取付部14に設けられた嵌合凹部14aが、蓋受部83の嵌合凸部83aと嵌合して、燻煙剤容器80の開口部80aに装着されている。
蓋体1の天板部11には点火剤挿入孔P1が形成されている。また、シール材20には点火剤挿入孔P2が形成されている。
点火具90は、円柱状の点火剤91と、点火剤91の上端に設けられた着火部92と、点火剤91の着火部92近傍を蓋体1に固定する固定部93とで構成されている。
点火剤91は、着火部92が蓋体1の上側に配置され、下端が燻煙剤収納部S1に充填される燻煙剤71内に位置するように、シール材20に形成された点火剤挿入孔P2と天板部11に形成された点火剤挿入孔P1を通り、燻煙剤収納部S1に挿入されている。
点火剤91の着火部92近傍は、固定部93により、蓋体1の点火剤挿入孔P1、P2の周縁に固定されている。
本実施形態の第2の態様の直接加熱型燻煙装置を用いた燻煙方法について、発熱性基剤として、加熱により熱分解して熱及びガスを発生するもの(例えば、アゾジカルボンアミド、ニトロセルロース等)を用いた場合について説明する。
まず、直接加熱型燻煙装置を使用する場所に静置し、着火部92をマッチ側薬で擦り着火する。
着火部92が着火すると、点火剤91の内部が加熱され、これに伴い点火剤91と燻煙剤71との接触部分から燻煙剤71に熱が伝播する。そして、所定の熱量が燻煙剤71に伝播すると、燻煙剤71は燃焼する。その後、燻煙剤71は、燃焼が継続され、燻煙剤71全体に燃焼熱が伝達される。燃焼熱は、速やかに燻煙剤71全体に伝達される。
燻煙剤71は、所定の温度に達すると、薬剤が気化すると共に、発熱性基剤が分解しガスを発生する。そして、気化した薬剤はガスと共に通煙孔から流出し、空気中に拡散する。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、%は特に断りのない限り質量%である。
<燻煙剤>
(A−1)
メトキサジアゾンの12%、d、d−T−シフェノトリンの3%、アゾジカルボンアミドの60%、酸化亜鉛の0.5%、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの5%、ソルビタン脂肪酸エステルの1%、ジブチルヒドロキシトルエンの1%、香料の0.1%に、賦形剤としてクレーを全体が100%になるように加えた原料を用いた。
上記原料中、粉体状の原料を、20℃の条件下において、ニーダー(S5−2G型、(株)モリヤマ製)で撹拌混合した。別途、液体状の原料を撹拌混合して調製された混合液を、前記ニーダーに加えて混合することにより混合物を得た。
用いた原料は、具体的には下記の通りである。
・メトキサジアゾン(商品名:エレミック、住友化学(株)製)
・d、d−T−シフェノトリン(商品名:ゴキラートS、住友化学(株)製)
・アゾジカルボンアミド(ADCA)(商品名:ビニホールAC#3−K7、永和化成(株)製)
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:メトローズ60SH−50、信越化学工業(株)製)
・酸化亜鉛(商品名:日本薬局方 酸化亜鉛、堺化学工業(株)製)
・ソルビタン脂肪酸エステル(商品名:エマゾールO−10V、花王(株)製)
・ジブチルヒドロキシトルエン(商品名:K−NOX BHT−P、共同薬品(株)製)
・クレー(商品名:NK−300、昭和KDE(株)製)
・酸化カルシウム(商品名:CaH、吉澤石灰工業(株)製)
得られた混合物を、直径2mmの開孔径を有するダイスの前押し出し造粒機(EXK−1、(株)不二パウダル製)を用いて造粒し造粒物を得た。得られた造粒物を、80℃に設定した乾燥機(RT−120HL、アルプ(株)製)により乾燥して、固形状の燻煙型殺虫剤(複数の円柱形状(直径約2mm、軸方向の長さ約5〜10mm)の成形体からなるもの)燻煙剤A−1を得た。
(A−2)
銀担持ゼオライト系無機抗菌剤((株)シナネンゼオミック製)の3%、アゾジカルボンアミド(永和化成(株)製)の70%、酸化亜鉛(堺化学工業(株)製)の1%、ヒドロキシプロチルメチルセルロース4%、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(長瀬産業(株)製)の8%、香料(長谷川香料(株)製)の0.4%に、賦形剤としてクレーを全体が100%になるように加えた原料を用いた他は、燻煙剤A−1と同様にして、燻煙剤A−2を得た。
<評価方法>
(使用装置)
図7に示す燻煙剤容器40と、表1〜3に示す各種蓋体とを組み合わせた装置について、評価を行った。燻煙剤容器としては、外側容器52が内径90.3mm、高さ98.0mmであり、内側容器51が内径70.5mm、高さ62mmであり、内側容器51の外側と外側容器52の内側との間隔が9.4mmのものを使用した。
なお、表1〜3に示す各種蓋体は、いずれも、同じ長さの複数のスリットを有する構成とした。
また、天板部の各丸長方形の通煙孔は、いずれも、図4のものと同様に、長軸が天板部の中心を通る直線に沿うように、放射状に、かつ等間隔に配置した。また、実施例19の天板部の円方形の通煙孔は、図6に示す配置で形成した。
また、表1〜3において、「内側スリットの数」は、半径がシール材の半径の1/2である同心円の内側に形成されたスリットの数を意味し、「外側スリットの数」は、半径がシール材の半径の1/2である同心円の外側に形成されたスリットの数を意味する。
また、[内側スリットの合計長さ]は、半径がシール材の半径の1/2である同心円の内側に形成されたスリットの長さの合計を意味する。
〈粉漏れの評価〉
発熱剤収納部S2に酸化カルシウム(吉澤石灰工業(株)CaH)の200gを充填し、燻煙剤収納部S1に、燻煙剤A−1または燻煙剤A−2の100gを充填し、表1〜3に示す各種蓋体を内側容器51の上端開口部51aに圧着挿入して、各実施例、比較例の燻煙装置を得た。充填した燻煙剤の上端から蓋体底部までの距離は30mmであった。
この燻煙装置をアルミ積層フィルム製の袋に封入し、さらにフィルム袋に入れたものを各実施例、比較例各々について、12個ずつ用意した。
各実施例、比較例毎に用意した12個の燻煙装置を、仕切りを入れて合計12個(4×3)の区画を作ったダンボール(L×W×D=490×370×120mm)の各区画に設置した。
これを振動試験(JIS Z 0232)に規定する振動試験機にて下記条件にて振動させた。
・振動数:7.5Hz
・ピーク加速度:±7.35m/s(±0.75G)
・振動方向:平行
・加振時間:側面15分
振動試験後、各燻煙装置を取り出し、アルミ積層フィルム製の袋の上部をはさみで切り取り、蓋上面及びアルミ積層フィルム製の袋の内部を目視で確認し、以下の基準で評価した。
なお、微粉化した燻煙剤組成物顆粒とは粒径0.5mm以下の粒子をさす。
◎:燻煙装置の蓋体上面及びアルミ積層フィルム製の袋の内部に微粉化した燻煙剤が見られるのが12個中0〜2個
○:燻煙装置の蓋体上面及びアルミ積層フィルム製の袋の内部に微粉化した燻煙剤が見られるのが12個中3〜6個
△:燻煙装置の蓋体上面及びアルミ積層フィルム製の袋の内部に微粉化した燻煙剤が見られるのが12個中7〜9個
×:燻煙装置の蓋体上面及びアルミ積層フィルム製の袋の内部に微粉化した燻煙剤が見られるのが12個中10個以上
(燻煙評価)
発熱剤収納部S2に酸化カルシウム(吉澤石灰工業(株)CaH)の200gを充填し、燻煙剤収納部S1に、燻煙剤A−1または燻煙剤A−2の100gを充填し、表1〜3に示す各種蓋体を内側容器51の上端開口部51aに圧着挿入して、各実施例、比較例の燻煙装置を得た。充填した燻煙剤の上端から蓋体底部までの距離は30mmであった。
この燻煙装置を80mLの水を入れた給水用プラスチック容器内入れ、燻煙させた。
燻煙後の状態を観察し、以下の基準で評価した。なお、各実施例、比較例の燻煙装置を各々3個ずつ評価したが、同一実施例間、同一比較例間での燻煙評価のばらつきはなかった。
◎:正常に燻煙し、周囲の床面を汚すことはなかった
○:正常に燻煙し、容器本体やプラスチック容器が汚れたが、床面を汚染することはなかった
△:内容物が燻煙容器から噴き出し、床面周囲30cm以内を汚染した
×:内容物が燻煙容器から噴き出し、床面周囲30cm以上まで汚染した
評価結果を、表1〜3に示す。
表1〜3に示すように、本発明の蓋体を用いた実施例の燻煙装置によれば、粉漏れ評価、燻煙評価のいずれにおいても良好な結果が得られた。
Figure 2019110792
Figure 2019110792
Figure 2019110792
1 蓋体
10、30 蓋本体
11、31 天板部
15、35、36、37 通煙孔
20 シール材
21、22 スリット

Claims (12)

  1. 燻煙剤が充填される燻煙剤収納部と前記燻煙剤収納部の上端側に開口する開口部とが形成された燻煙剤容器の、前記開口部に装着される蓋体であって、
    複数の通煙孔が形成された円形の天板部を有する蓋本体と、
    前記複数の通煙孔を覆うように、前記天板部に重ねられた熱溶融性フィルムまたは焼却可能なフィルムからなる円形のシール材とを備え、
    前記シール材には、半径が前記シール材の半径の1/2である同心円の内側と外側に、各々複数のスリットが形成され、
    前記スリットの一部又は全部は、前記天板部に形成された通煙孔と部分的に重なることを特徴とする、燻煙装置の蓋体。
  2. 前記複数のスリットは、長手方向の中央が前記シール材の中心を通る直線と直交するように形成されている請求項1に記載の燻煙装置の蓋体。
  3. 前記半径が前記シール材の半径の1/2である同心円の外側に形成されたスリットの数が、半径の1/2の同心円の内側に形成されたスリットの数の1/2よりも多い、請求項1または2に記載の燻煙装置の蓋体。
  4. 前記シール材の直径に対する前記複数のスリット各々の長さの比である[単一のスリット長]/[シール材の直径]が0.05〜0.2である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体。
  5. 前記シール材の直径に対する前記シール材に設けられた全スリットの長さの合計の比である[全スリットの合計長さ]/[シール材の直径]が0.8〜4.0である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体。
  6. 前記蓋本体の天板部に設けられた通煙孔の面積の合計が前記天板部の面積の10〜30%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体。
  7. 前記通煙孔は、長軸と短軸を有する形状であり、前記長軸が前記天板部の中心を通る直線に添うように形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体。
  8. 前記天板部の中央と前記シール材の中央に、点火剤を挿入するための点火剤挿入孔が各々形成されており、前記天板部の点火剤挿入孔と前記シール材の点火剤挿入孔が平面視で重なっている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体。
  9. 燻煙剤が充填される燻煙剤収納部と前記燻煙剤収納部の上端側に開口する開口部とが形成された燻煙剤容器と、前記開口部に装着された請求項1〜7のいずれか一項に記載の燻煙装置の蓋体とを備え、
    前記燻煙剤容器は、燻煙剤が充填される燻煙剤収納部と前記燻煙剤収納部の外側に発熱剤を収納する発熱剤収納部が形成された二重構造とされていることを特徴とする間接加熱型燻煙装置。
  10. 前記発熱剤収納部と外部との間を連通させる通水孔が形成されていると共に、前記燻煙剤収納部に燻煙剤が収納され、前記発熱剤収納部に水と接触すると発熱する発熱剤が収納されている、請求項9に記載の間接加熱型燻煙装置。
  11. 燻煙剤が充填される燻煙剤収納部と前記燻煙剤収納部の上端側に開口する開口部とが形成された燻煙剤容器と、前記開口部に装着された請求項8に記載の燻煙装置の蓋体と、点火具とを備え、
    前記点火具は、円柱状の点火剤と前記点火剤の上端に設けられた着火部を有し、
    前記着火部は、前記蓋体の上側に配置され、
    前記点火剤は、下端が前記燻煙剤収納部に充填される燻煙剤と接触するように、前記蓋体の上側から、前記天板部と前記シール材に形成された点火剤挿入孔を通過して、前記燻煙剤収納部に挿入されていることを特徴とする直接加熱型燻煙装置。
  12. 前記燻煙剤収納部に燻煙剤が収納されている、請求項11に記載の直接加熱型燻煙装置。
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