JP2019109207A - イムノクロマト検査用デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】過剰の検体液が導入された場合でも正確な判定のできるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスを提供する。【解決手段】試験片と、前記試験片を支持する複数の支持台を有する下部ハウジングと、前記試験片に試料を滴下するための滴下孔を有し、かつ、前記滴下孔から導入された試料が前記試験片上で展開する方向に検出窓を有する上部ハウジングとからなるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスであって、前記デバイス内部に漏れ出た検体液を吸収するための吸水構造を有するイムノクロマトグラフィー用検査デバイス。【選択図】図1

Description

本発明は、抗原−抗体反応を利用したイムノクロマト検査の技術分野に属する。本発明は、具体的にはイムノクロマト検査に用いられるデバイスに関する。
尿、糞、唾液、血液、血清、咽頭の採取液など生体由来の試料から、抗原−抗体の免疫反応に基づく特異性を利用して、簡易かつ迅速に診断を行うための臨床診断法としてイムノクロマトグラフィー法が知られている。イムノクロマトグラフィー法は、一端に担体の金コロイドなどで標識された第一抗体を含浸させた部材を配置し、また、他端に第二抗体を予め固定して捕捉部位(テストライン)を配置したニトロセルロース等の担体からなるストリップに、液体状の生体試料を該含浸部材に滴下することにより、該試料、第一抗体および該試料中の抗原と第一抗体の抗原抗体反応により形成される複合体の混合物をストリップ中にて該一端から該他端に向けて毛細管現象により展開させることにより行われる。該複合体は、前記捕捉部位において抗原と第二抗体との抗原抗体反応により捕捉されて集積して発色する。未結合の第一抗体は補足部位の前方に配置されるコントロールラインで補足される。そして、ストリップの前記捕捉部位における呈色の度合いを肉眼または光学的検出器で観察することにより、被験試料中の抗原の有無を判定することができる。
また、検査機関での検査を容易とするために、イムノクロマトグラフィー用のストリップからなる試験片は、典型的には、プラスチックなどの樹脂からなるハウジングに収容したデバイスとして利用されている。この検査用デバイスには、患者から採取した検体を抽出した抽出液を試験片に滴下するための滴下孔と、呈色反応等によって抗原の有無を判定するための検出窓が備えられている。そして、検体抽出液(以下、「検体液」という)の滴下方法及び滴下量については取扱説明書等で詳細に規定されている。
しかしながら、検査機関で検査用デバイスに検体液を滴下する際に検査担当者の誤操作によって過剰量の検体液がデバイスに注入され、正確な検査結果が得られないことがある。
引用文献1には、試験片を複数の支持台によって支持し、余分な検体を展開方向後方に流出させる傾斜面を設けた検査容器が開示されている。引用文献2には、試験片に導入される検体量を制御するためのサブパッドと試料ウェルを設けた側方流動分析用カートリッジが開示されている。引用文献3には、滴下孔側の判定窓周縁部の一部がメンブレンと接触しない構造を設けることによって滴下量のばらつきの影響を排除したイムノクロマトグラフィー検査用カセットが開示されている。
特開2012-168051号公報 特表2015-535078号公報 特開2017-173009号公報
イムノクロマト検査用デバイスに過剰量の検体液が導入されると様々な要因により検査結果に悪影響を及ぼす。本発明は、イムノクロマト検査時において、検体滴下量のばらつきがあった場合、特に過剰量を滴下した場合にも正確な判定結果を得ることができるイムノクロマト検査用デバイスを提供することを主な課題とする。すなわち、本発明は以下の構成を有する。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、上部ハウジングと下部ハウジングと試験片とを含むイムノクロマト検査用デバイスにおいて、ハウジング構造を最適化することによって上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
〔1〕試験片と、前記試験片を支持する支持台を有する下部ハウジングと、前記試験片に試料を滴下するための滴下孔を有し、かつ、前記滴下孔から導入された試料が前記試験片上で展開する方向に検出窓を有する上部ハウジングとからなるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスであって、
前記下部ハウジングに前記デバイス内部に漏れ出た検体液を吸収するための吸水構造が設けられているイムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
〔2〕前記吸水構造が試験片のサンプルパッド、テストラインあるいはコントロールライン近傍に設けられている〔1〕に記載のイムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
〔3〕前記吸水構造が微細凹凸構造、表面粗さを大きくする処理された構造、多孔性部材または防水シートである〔1〕または〔2〕に記載のイムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
〔4〕さらに、下部ハウジングに漏れ検体液を前記吸水構造へと導くための誘導壁が設けられている〔1〕ないし〔3〕のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
〔5〕試験片と、前記試験片を支持する支持台を有する下部ハウジングと、前記試験片に試料を滴下するための滴下孔を有し、かつ、前記滴下孔から導入された試料が前記試験片上で展開する方向に検出窓を有する上部ハウジングとからなるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスであって、
前記試験片の前記下部ハウジング上での配置を固定するための規制壁が含まれ、前記試験片の前記滴下孔側の長手方向の移動を規制する規制壁の中央部が開放され、かつ、前記規制壁の両端部によって前記試験片の長手方向を規制するとともに前記規制壁の中央部が前記試験片の末端部より離間するように設けられている、イムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
〔6〕試験片と、前記試験片を支持する支持台を有する下部ハウジングと、前記試験片に試料を滴下するための滴下孔を有し、かつ、前記滴下孔から導入された試料が前記試験片上で展開する方向に検出窓を有する上部ハウジングとからなるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスであって、
前記デバイスの内部に滴下孔側と判定領域側を区画し、メンブレンには接することのない遮蔽壁が設けられている、イムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
〔7〕試験片と、前記試験片を支持する支持台を有する下部ハウジングと、前記試験片に試料を滴下するための滴下孔を有し、かつ、前記滴下孔から導入された試料が前記試験片上で展開する方向に検出窓を有する上部ハウジングとからなるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスであって、
下部ハウジングには試験片の側部に水分検知部が設けられ、上部ハウジングには水分検知部確認用の透過窓が設けられているイムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
〔8〕試験片と、前記試験片を支持する支持台を有する下部ハウジングと、前記試験片に試料を滴下するための滴下孔を有し、かつ、前記滴下孔から導入された試料が前記試験片上で展開する方向に検出窓および水分検知確認用の透過窓を有する上部ハウジングとからなるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスの光学的読み取り装置であって、
検出窓からテストラインおよび/またはコントロールラインを含む判定領域と、透過窓から水分検知領域とを読み取る光学的読み取り手段を含む前記装置。
本発明に係るイムノクロマト検査用デバイス(以下、「本発明デバイス」という。)は、その最適なハウジング構造を有することによって、検体の滴下方法や滴下量が適正でなかったとしても、正確な判定を行うことが可能である。
本発明デバイスの下部ハウジングの例を示す図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)の破線A−A’の断面図であり、(C)は側面図である。 本発明デバイスの上部ハウジングの例を示す図である。(A)は上面図であり、(B)は裏面図であり、(C)は(B)の破線C−C’の断面図である。 イムノクロマト検査法に用いられる試験片の一例を示す図である。(A)は試験片の斜視図である。(B)は使用状態を示す斜視図である。 本発明デバイスの下部ハウジングの変形例を示す上面図である。
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。
<本発明デバイス>
本発明デバイスは、イノムクロマト用試験片150(以下、単に「試験片」ということがある。)と、該試験片を所定の位置に搭載する下部ハウジング100と、該試験片を搭載した下部ハウジングを覆う上部ハウジング200とからなる。
図1は下部ハウジング100の構成を示す。下部ハウジング100には、下部ハウジング本体101、固定突起102(ハウジングの周囲に配置、図では8箇所、102’のみは穴部)、試験片の幅方向の移動を規制するための一対の第1の規制壁103、第2の規制壁104、第3の規制壁105、試験片の長手方向の移動を規制するための第4の規制壁106、第5の規制壁107、試験片を下部ハウジング本体101の上面から上方に配置するための支持台108、支持台109、支持台110、支持台111、吸水構造112、水分検知シール113、誘導壁114である。ここで、側面図(C)には試験片150がハウジング本体101への搭載された状態(位置)を破線で示されている。
図2は上部ハウジング200の構成を示す。上部ハウジング200には、上部ハウジング本体201、検体液滴下用の滴下孔202、反応の有無を確認するために試験片が露出した検出窓205、水分検知シールを確認するための透過窓204、上部ハウジングの周囲に設けられ(図では8箇所)、下部ハウジング本体101の固定突起102と勘合して上部ハウジング本体201と下部ハウジング本体101とを係止する穴部208(208’のみは固定突起、一部の固定突起と穴部を逆にすることによって誤った向きでのハウジングの嵌合が防止できる。)、試験片150を下部ハウジング側に押圧するための凸部209、凸部210、凸部211、上部ハウジングの上面212が含まれる。
<イムノクロマト用試験片(テストストリップ)>
図3にインフルエンザ判定用のイムノクロマト用試験片の例を示した。患者検体を希釈した検体液(ここではA型インフルエンザ由来の抗原308を含む場合)が試験片のサンプルパッド301に滴下されると、検体液は金コロイド標識抗体309が含浸したコンジュゲートパッド302に浸透し、金コロイド標識抗体309と抗原(アナライト)308が結合し、複合体を構成する。続いて複合体は溶液とともにニトロセルロース等からなるメンブレン303に到達し、メンブレン上では矢印方向に毛細管現象で展開される。図3(A)では液体の流れは401で示されている。続いて、抗原308はテストライン1(305、テストライン2(306)の固相化抗体である補足抗体310、311のいずれかと結合する。補足抗体310はA型インフルエンザウイルスに特異性を持ち、補足抗体311はB型インフルエンザウイルスに特異性を持つため、抗原308がA型インフルエンザウイルス由来であれば補足抗体310と結合して、テストライン1(305)が呈色を示す。さらに、未反応の標識抗体はコントロールライン307に到達し、標識抗体に特異性を持つ固相化抗体312に結合し呈色するため、展開状態を把握することができる。さらに検体液は吸収パッド304に吸収される。
本明細書中、検体の展開方向とは、図3(B)の矢印の方向を意味し、上流側とは矢印の起点側、下流側とは矢印側を意味する。また、相対的な位置関係について、展開方向の上流側、下流側のほかに、部位名により位置関係を示すこともある。また、展開方向の上下流の区別が不要の場合は、テストストリップやデバイスの長手方向ということもある。
<ハウジングの外観>
本発明のイムノクロマト用デバイスは、下部ハウジングと、上記イムノクロマトグラフ用試験片が、下部ハウジング100に搭載され、さらに試験片150が搭載された状態で試験片を覆うように配置される上部ハウジング200との複合体からなり、上部ハウジングの上面212には試験片のサンプルパッドに検体液を導入するための滴下孔202と、テストライン305、306およびコントロールライン307を肉眼または光学的に検出するための検出窓205を有する。また内部の水分検知シールの状態を確認するための透過窓204を有する。
滴下孔202は試験片150に検体液を供給するために形成されており、検体液導入の役割を果たす限りは、形状、形成部位等は限定されないが、試験片の幅方向に均等に検体液を導入する観点からは試験片とほぼ等しい幅を有する楕円あるいは長方形形状を持つと都合が良い。
検出窓205は試験片150のテストライン305,306およびコントロールライン307を肉眼または光学的に検出できるように形成されており、検出窓の役割を果たす限りは、開口部の個数、形状、形成部位等は限定されない。例えば、本実施例ではそれぞれのラインが同時に確認できる試験片の長手方向に沿った開口を例示したが、それぞれのラインのみ、いくつかのラインが同時に、あるいはさらにそれらのラインの一部のみが露出する開口としてもよい。
また、検出窓205の表面には透明なプラスチックなどで覆い密閉の窓とすることもできる。
本発明デバイスのハウジングの材料はプラスチック等の合成樹脂で不透明なものが好ましく、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、耐衝撃性ポリスチレン等のポリスチレン又はPET等を単独または組み合わせたもの、あるいはそれらに適量のフィラーを添加した合成樹脂が利用できる。
また、本実施例のハウジングは射出成形やバルク部材からの切削によって形成することができる。さらに、各構成部材を異なる材質から構成される場合は、一体成形によって形成することができる。なお、本実施例では1つの試験片を搭載する例を示したが、複数の試験片を試験片の幅方向に配置されるように構成しても良い。
<ハウジングの内部構造>
<下部ハウジング>
下部ハウジング100は試験片150を保持するための構成を有する。
1 規制壁
規制壁103〜107は下部ハウジング100上に配置される試験片150の、下部ハウジング100の上面120での面内の移動を規制する機能を有する。規制壁は少なくとも試験片の長手方向の前後方向に一箇所ずつ配置されればよい(規制壁106、107)。また、試験片の幅方向に関しては、試験片の前後の側面に一箇所ずつ対で配置されればよく、図1では長手方向に3対配置した例が示されている(規制壁103,104、105)。規制壁は下部ハウジングと同一の材料によって射出成形するのが好ましいが例えば、アルミニウムなどの金属板からなる板状の規制壁を下部ハウジングの樹脂と一体成形により形成することもできる。この場合は、規制壁を変形させることによっても試験片の挿入・保持ができる。
さらに、規制壁103と規制壁106は試験片の上流側の端部を収容するスペースを構成し、それらによって区画されるエリアaに余分な検体液を保持することができる。ここで、エリアaの最大保持量を超える余分な検体液が注入された場合は、余分な検体液は規制壁106の間に設けられた隙間sから排出される。また、規制壁103の試験片の幅方向の間隔を広げてエリアaの領域を大きくして保水力を向上しても良い。また、隙間sは、規制壁106の両端部に設けられてもよい。規制壁106の両端部に設けた場合は、すなわち、規制壁106と規制壁103の間である。隙間sは、切り欠きでもよく、また周囲より少し低い壁でもよく、また、1か所でも複数個所でもよい。
2 支持台
支持台108〜111は試験片を下部ハウジング本体101の上面から離間させて支持する役割を有する。これによって、サンプルパッドから漏れ出て、本来の試験片の展開ルートから外れた検体液が下部ハウジング本体の上面を伝って再度、試験片に到達することを防止でき、誤判定のリスクを低減することにつながる。支持台は少なくとも滴下孔の下部、テストラインやコントロールラインの下部、試験片の展開方向末端(吸水パッド)の下部の3箇所を支持する要素を持つのが好ましい。支持台の幅は試験片の幅以上、特に試験片の幅より大きな幅であることが好ましい。これによって支持台近傍に余分な検体液が溜まったとしても試験片に接触されることが防がれる。
滴下孔下部の支持台108は0.1mmから1mm程度の間隔で、線状の凸部が試験片の幅方向に列をなすように構成されている。これによって、余分の検体液が毛細管現象で支持台に保持される。本実施例では支持台108の展開方向端部に壁部108’を設けており、支持台108の吸着量を超えた水分が展開方向に漏れ出ることなく、展開方向と逆方向のエリアaへ誘導される(図1)。
本実施例では下部ハウジングは、支持台108、110、111に加えて支持台109を有する。支持台109は試験片よりも幅方向に長くなっており、過剰に導入された検体液がサンプルパッドから漏れ出た場合にデバイスの展開方向に侵入することを妨げるとともに、支持台109上で試験片上での検体液の幅方向での展開速度の差を縮める機能(整流作用)を有する。
好ましくは、支持台は下部ハウジングと同一の材料で射出成形によって形成されるが、検体液と反応しない材料からなる金属あるいはガラス、セラミックなどから構成し、一体成形によって形成しても良い。
3 吸水(保水)構造
本発明において吸水(保水)構造とは、余剰の検体水分を吸水する部位をいい、保水する部位とも同義である。本実施例では、下部ハウジングはさらに、吸水構造112と誘導壁114を有する。吸水構造は下部ハウジング上面に設けられた吸水のための構造である。吸水構造としては、毛細管現象によって水分を保水するための微細な凹凸構造、表面を荒くして表面に水分を吸着するための表面処理された構造、吸水するための多孔性部材、あるいは吸水のための高分子ポリーマーなどの繊維からなる防水シートなどが挙げられる。吸水構造は、サンプルパッド、テストライン、あるいはコントロールライン近傍に設けられる。
誘導壁114は、下部ハウジング上の滴下孔の対応する位置よりも下流に設けられ、滴下された過剰の検体液を吸水構造112へと導く役割を有する。本実施例では吸水構造は下部ハウジングに設けられたが上部ハウジングに設けられても良い。また、誘導壁の高さはメンブレンに接しない高さでデバイスに収容される高さであれば特に制約はない。
4 水分検知領域
本発明において、水分検知領域とは水分検知シールの貼付などにより水分の検知が可能な領域をいう。水分検知シールとしては例えば、日本国特許第5331167号記載の技術などが利用できる。水分検知シールは、好ましくは余分な検体液がデバイス内に導入された場合にその検体液を吸収し、典型的には色の変化(呈色反応)を示すことで目視により余分の水分が導入されたことを示すものである。水分検知領域の位置としては、検体液滴下時の異常を検出するためにサンプルパッド周辺、あるいは、判定領域周囲での異常な漏れ液の接触を検出するためにテストラインあるいはコントロールライン近傍に設けると都合がよい。サンプルパッド周辺としては、サンプルパッドの側部、サンプルパッドのさらに上流、サンプルパッドとテストラインの間などが挙げられる。
<上部ハウジング>
上部ハウジングには試験片150を下部ハウジング側に押圧する凸部209、210が設けられている。
5 凸部
凸部209と凸部210は試験片150が下部ハウジング100から浮き上がることを防止するとともに、漏れた検体液が上部ハウジング200の内面を伝わって再度コントロールラインより手前で試験片に到達し、検査結果に悪影響を及ぼすことを防止する。
6 滴下孔
滴下孔202の底部231は0mm〜1mmの間隔でデバイスに搭載される試験片150の表面に近接するように設計される。試験片150の幅方向の滴下窓の幅は、試験片の幅より3mm程度小さいサイズからほぼ等しいサイズの間で設計されるので、試験片の幅方向に関して均一に検体液が試験片に導入される。試験片の長手方向の滴下窓の幅は、長手方向へ均一に導入されるという観点から2mm〜4mmとして設計されている
7 検出窓
検出窓205の底部232は、0mm〜2mmの間隔でデバイスに搭載される試験片150の表面に近接するように設計される。これにより検出窓205の底部232によって試験片150の浮上りが防止できる。試験片150の幅方向の検出窓の幅は、試験片の幅より1.5mm程度小さいサイズから0.5mm程度小さいサイズの間で設計されるので、隙間からごみ等がハウジング内部に入ることが無い。また、支持台110と過剰に重なって試験片に不均一な負荷を与え、判定結果に影響を与えることも無い。
8 透過窓
透過窓204は上部ハウジング上に設けられ、デバイス内に設けられた水分検知シール113を確認するために設けられたもので、下部ハウジングの水分検知シールの対応する位置に設けられる。透過窓からユーザーが目視観察によって、あるいは光学的測定によって水分検知シールを読み取り、余分な検体液があったかどうかを判断する。また、判定結果に影響があったかどうかを判断するために用いられる。
<測定結果の評価>
9 目視判定
目視にて判定窓および透過窓を確認し、検査結果を評価する。
10 光学測定装置による判定
特定の呈色反応をテストラインが示す場合は、テストラインを含む判定領域に光を照射し、検出窓から反射光を測定する、あるいは、テストラインからの蛍光を計測する、あるいは、C-MOS等の測定装置で判定領域を撮像し画像解析によってテストラインの呈色の強度を算出することができる。この際に、コントロールラインの呈色度合いを同様に測定し、あるいは/さらに透過窓から水分検知領域の呈色度合いを同様に測定し、テストラインの呈色度合いと、検査結果の判定に用いることもできる。
水分検知領域を測定し、水分を検知したと判定した場合には、判定領域の測定結果を利用しない(エラー表示も可能)、または再測定するなどの決定をすることもできる。
(変形例)
図4に下部ハウジング100の変形例を示した。
図4(A)の変形例では規制壁106が斜めに設けられており、これにより保水量が向上する。また、水分検知シール113がサンプルバッド側部に設けられ水漏れの影響が反映される。また、本変形例では水分検知シールがサンプルパッド周辺に設けられている。したがって、上部ハウジングには対応する位置に透過窓が設けられている。
図4(B)ではデバイスの幅方向を遮るように支持台109が設けられ、サンプルパッド部に滴下され漏れ出た検体液がデバイスの展開方向に移動することが妨げられ、さらにサンプルパッド側と判定領域側を区画するように遮蔽壁160が設けられている。この場合、さらに上部ハウジングの対応する位置にも同様の遮蔽壁が設けられても良い。また、逆に上部ハウジングだけに設けられても良い。ただし、これらの遮蔽壁は試験片に接しないようにすると都合がよい。また、本変形例では吸水構造112がサンプルパッド部近傍、および判定領域近傍に設けられているが、いずれか一方だけでもよい。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数等は適宜変更して実施することができる。さらにそれぞれの実施例を組み合わせて新たな実施形態とすることもできる。
本発明によれば、イムノクロマトグラフィー用検査デバイスを用いて検査するに際し、検体の滴下量が適正でなかった場合でも、安定的に正確な判定を行うことが可能である。
100 下部ハウジング
101 下部ハウジング本体
102 固定突起
103〜107 第1〜5の規制壁
108〜111 支持台
112 吸水構造
113 水分検知シール
114 誘導壁
120 上面
150 イノムクロマト用試験片
160 遮蔽壁
200 上部ハウジング
201 上部ハウジング本体
202 滴下孔
204 透過窓
205 検出窓
208 穴部
209〜211 凸部
212 上面
231 滴下孔の底部
232 検出窓の底部
301 サンプルパッド
302 コンジュゲートパッド
303 メンブレン
304 吸収パッド
305 テストライン1
306 テストライン2
307 コントロールライン
308 アナライト
309 金コロイド標識抗体
310、311 補足抗体
312 固相化抗体

Claims (8)

  1. 試験片と、前記試験片を支持する支持台を有する下部ハウジングと、前記試験片に試料を滴下するための滴下孔を有し、かつ、前記滴下孔から導入された試料が前記試験片上で展開する方向に検出窓を有する上部ハウジングとからなるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスであって、
    前記下部ハウジングに前記デバイス内部に漏れ出た検体液を吸収するための吸水構造が設けられているイムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
  2. 前記吸水構造が試験片のサンプルパッド、テストラインあるいはコントロールライン近傍に設けられている請求項1に記載のイムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
  3. 前記吸水構造が微細凹凸構造、表面粗さを大きくする処理された構造、多孔性部材または防水シートである請求項1または請求項2に記載のイムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
  4. さらに、下部ハウジングに漏れ検体液を前記吸水構造へと導くための誘導壁が設けられている請求項1ないし3のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
  5. 試験片と、前記試験片を支持する支持台を有する下部ハウジングと、前記試験片に試料を滴下するための滴下孔を有し、かつ、前記滴下孔から導入された試料が前記試験片上で展開する方向に検出窓を有する上部ハウジングとからなるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスであって、
    前記試験片の前記下部ハウジング上での配置を固定するための規制壁が含まれ、前記試験片の前記滴下孔側の長手方向の移動を規制する規制壁の中央部が開放され、かつ、前記規制壁の両端部によって前記試験片の長手方向を規制するとともに前記規制壁の中央部が前記試験片の末端部より離間するように設けられている、イムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
  6. 試験片と、前記試験片を支持する支持台を有する下部ハウジングと、前記試験片に試料を滴下するための滴下孔を有し、かつ、前記滴下孔から導入された試料が前記試験片上で展開する方向に検出窓を有する上部ハウジングとからなるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスであって、
    前記デバイスの内部に滴下孔側と判定領域側を区画し、メンブレンには接することのない遮蔽壁が設けられている、イムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
  7. 試験片と、前記試験片を支持する支持台を有する下部ハウジングと、前記試験片に試料を滴下するための滴下孔を有し、かつ、前記滴下孔から導入された試料が前記試験片上で展開する方向に検出窓を有する上部ハウジングとからなるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスであって、
    下部ハウジングには試験片の側部に水分検知部が設けられ、上部ハウジングには水分検知部確認用の透過窓が設けられているイムノクロマトグラフィー用検査デバイス。
  8. 試験片と、前記試験片を支持する支持台を有する下部ハウジングと、前記試験片に試料を滴下するための滴下孔を有し、かつ、前記滴下孔から導入された試料が前記試験片上で展開する方向に検出窓および水分検知確認用の透過窓を有する上部ハウジングとからなるイムノクロマトグラフィー用検査デバイスの光学的読み取り装置であって、
    検出窓からテストラインおよび/またはコントロールラインを含む判定領域と、透過窓から水分検知領域とを読み取る光学的読み取り手段を含む前記装置。
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