JP2019107674A - スタッド溶接方法及びスタッド溶接装置並びにスタッド溶接物の検査方法 - Google Patents

スタッド溶接方法及びスタッド溶接装置並びにスタッド溶接物の検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019107674A
JP2019107674A JP2017242681A JP2017242681A JP2019107674A JP 2019107674 A JP2019107674 A JP 2019107674A JP 2017242681 A JP2017242681 A JP 2017242681A JP 2017242681 A JP2017242681 A JP 2017242681A JP 2019107674 A JP2019107674 A JP 2019107674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
pin
welding pin
stud
workpiece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017242681A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6886707B2 (ja
Inventor
▲青▼士 世古
Seiji Seko
▲青▼士 世古
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TILEMENT CORP
Original Assignee
TILEMENT CORP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TILEMENT CORP filed Critical TILEMENT CORP
Priority to JP2017242681A priority Critical patent/JP6886707B2/ja
Publication of JP2019107674A publication Critical patent/JP2019107674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6886707B2 publication Critical patent/JP6886707B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)
  • Arc Welding Control (AREA)

Abstract

【課題】溶接ピンを被接合材である金属製の下地材にスタッド溶接する際に、溶接不良によって下地材に完全に溶着していないものを、溶接作業とは別の触診等のマニュアル作業を行うことなく、有利に検出することが可能となるスタッド溶接方法を提供する。【解決手段】溶接ガン18に保持した溶接ピン12を、下地鋼板14に押し付けつつ、溶接ピン12と下地鋼板14との間に溶接電流を通電して、溶接ピン12を下地鋼板14に対して溶接する溶接工程の終了の後、溶接ピン12と下地鋼板14との間に引張力を作用させつつ、溶接ピン12と下地鋼板14との間に検査電流を通電して、溶接ピン12と下地鋼板14との溶接部を軟化せしめることにより、それら溶接ピン12と下地鋼板14との間の分離の有無を調べて、溶接不良の溶接ピン12を検出する検査工程を実施するようにした。【選択図】図4

Description

本発明は、スタッド溶接方法及びスタッド溶接装置並びにスタッド溶接物の検査方法に係り、特に、溶接ピンを被接合材に対してスタッド溶接する際における溶接不良を効果的に検出し、溶接ピンを被接合材に対して溶接する際の作業効率を有利に高め得るスタッド溶接方法と、そのようなスタッド溶接方法を実現するためのスタッド溶接装置の改良された構造と、溶接不良のスタッド溶接物を効果的に検出することが可能となる検査方法に関するものである。
従来より、所定のピンやボルト、スタッド等のピン部材を、被接合材である金属製の下地材に固設せしめる方法の一つとして、スタッド溶接方法が知られている。そして、このスタッド溶接方法を実施するためのスタッド溶接装置としては、一般に、ピン部材を保持する溶接ガンと、この溶接ガンに保持されたピン部材を下地材にスタッド溶接するための電荷を供給する電源装置とを有し、かかる溶接ガンに保持せしめたピン部材と下地材との間において、電源装置から供給される電荷を放電させることによって、ピン部材を下地材に対して迅速に且つ容易に溶接するように構成したスタッド溶接装置が、よく知られている。
そして、そのようなスタッド溶接装置として、例えば、特許第2547702号公報(特許文献1)や特開2002−172466号公報(特許文献2)、特開2001−58270号公報(特許文献3)等には、コンデンサに充電した電荷の放電電流を利用して、スタッドを下地材に対して溶接するようにしたスタッド溶接機やスタッド溶接方法が、明らかにされている。このようなキャパシターディスチャージ(CD)型のスタッド溶接方式は、コンデンサに蓄えられた電荷を瞬間的に放電して、非常に短い時間で溶接を行うよことが可能である特徴を有すると共に、他の溶接方法に比べて、下地材の歪みや焼け等が少ないという特徴をも有している。
ところで、そのようなCD型スタッド溶接は、例えば、特許第3112900号公報(特許文献4)に明らかにされているような、盤状の頭部と、それに立設されたロッド状の脚部を有したスタッド溶接ピンを用いて、断熱材や吸音材、耐火被覆材等の所定の被覆材を金属製の下地材に対して取り付け、固定する作業の際に、好適に採用されているのである。
しかしながら、金属製の下地材を被うように配置された被覆材を、そのようなスタッド溶接ピンを用いて、下地材に対して固定しようとした場合において、溶接ピンと下地材との間の溶接不良によって、それらの間の接合が充分に行われ得ずに、溶接ピンが下地材から脱落してしまうという問題が内在している。つまり、溶接ピンの脚部の先端が、被覆材を貫通して、下地材の表面にまで到達せしめられ、そしてその溶接ピンの脚部の先端と下地材の表面との間において、スタッド溶接が行われて、かかる溶接ピンが下地材に対して溶着(溶接)されることとなるのであるが、そのような溶着部位(溶接部位)は被覆材に被われて、目視することが出来ない場合が殆どであるところから、下地材に対してスタッド溶接操作を行っただけでは、溶接ピンが確実に下地材に溶接されているか、どうかを判定するのは、極めて困難なことであった。
そこで、溶接ピンが、下地材に対して確実に溶接されているか、どうかを判定するために、これまでは、スタッド溶接操作が行われた後、作業者の手によって溶接ピンに力を加えて、溶接ピンの離脱の有無を判定する触診が、一般的に行われてきている。この触診は、下地材に対して溶接ピンのスタッド溶接操作を行った後に、溶接ピンを折り曲げるような力を加えることによって、溶接ピンの下地材に溶接される部位の溶着が全く実現され得ていなかった場合や、その溶着が不完全な状態で完了しており、一見すると、溶接出来ているように見える場合において、そのような力によって、溶接ピンが下地材から離脱することとなるために、スタッド溶接が確実に行われているか、どうかを、判定することが出来るのである。このような触診を行うことによって、下地材に対して殆ど溶着していない溶接ピンは確実に検出することが出来るのであるが、溶接量が充分でない、半付きのような状態の溶接ピンにあっては、触診を行う作業者の個人差、即ち、触診の際に加える力や回数、方向等の差によって、確実に検出することが困難であるという問題がある。更に、そのような触診は、溶接ピンと下地材との間の溶着部位や溶接ピンそのものに力が加えられるようになるため、溶接良品に対して実施した場合においては、損傷を与える恐れがあり、そしてそれによって、新たな不良部位が発生する問題をも内在するものであった。
特許第2547702号公報 特開2002−172466号公報 特開2001−58270号公報 特許第3112900号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、溶接ピンを被接合材である金属製の下地材にスタッド溶接する際に、溶接不良によって下地材に完全に溶着していないものを、溶接作業とは別の触診等のマニュアル作業を行うことなく、有利に検出することが可能となるスタッド溶接方法を提供することにある。また、本発明にあっては、そのようなスタッド溶接方法を効果的に実現し得るスタッド溶接装置を提供することも、その解決課題とするものである。加えて、本発明は、溶接不良のスタッド溶接物を効果的に検出することが可能となる検査方法を提供することをも、その解決課題としている。
そして、本発明にあっては、かくの如き課題を解決するために、溶接ピンと被接合材との間に所定の溶接電流を通電することにより、かかる溶接ピンの先端を該被接合材に溶接せしめるようにしたスタッド溶接方法において、溶接ガンに保持せしめた前記溶接ピンを、前記被接合材に押し付けつつ、それら溶接ピンと被接合材との間に溶接電流を通電せしめることにより、該溶接ピンを該被接合材に対して溶接する溶接工程と、該溶接工程の終了の後、前記溶接ピンと前記被接合材との間に引張力を作用させつつ、所定の検査電流を、それら溶接ピンと被接合材との間に通電して、該溶接ピンと該被接合材との溶接部を軟化せしめることにより、それら溶接ピンと被接合材との間の分離の有無を調べて、溶接不良の溶接ピンを検出する検査工程とを含むことを特徴とするスタッド溶接方法を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従うスタッド溶接方法の望ましい態様の一つによれば、前記溶接ガンが、前記溶接ピンを吸着、保持し得る磁石を備え、かかる磁石に該溶接ピンが保持されてなる状態下において、該溶接ガンが前記被接合材から引き離されるようにすることによって、該溶接ピンと該被接合材との間に、前記引張力が発生せしめられるようにした構成が、有利に採用されることとなる。
また、本発明に従うスタッド溶接方法の好ましい態様の一つにあっては、前記溶接ピンが前記溶接ガンに配備した磁石によって吸着、保持されてなる状態下において、前記溶接電流の通電が行われる一方、かかる通電操作の終了の後、前記溶接ピンの前記磁石による吸着、保持状態下において、該溶接ピンに対して前記被接合材から離隔せしめられる方向の力を作用させることにより、前記引張力を発生せしめて、前記検査電流の通電が行われるようになっている。
さらに、そのような本発明に従うスタッド溶接方法における他の望ましい態様の一つにあっては、前記被接合材が下地鋼板であり、該下地鋼板を被覆するように配置される断熱材を貫通せしめられた前記溶接ピンが、該下地鋼板に対して溶接されることとなる。
更にまた、本発明にあっては、溶接ピンと被接合材との間に所定の溶接電流を通電することにより、かかる溶接ピンの先端を該被接合材に溶接せしめるようにしたスタッド溶接装置にして、ガン本体内に配置、支持されたガンシャフトと、該ガンシャフトの先端に取り付けられて、前記溶接ピンを磁石にて吸着、保持すると共に、該溶接ピンに対する通電を行う給電プラグと、該ガンシャフトの先端に取り付けた前記給電プラグに保持される前記溶接ピンを前記被接合材に押し付けた状態において、前記溶接電流を流すための溶接信号を出力する第一のトリガ手段と、前記溶接ピンの前記給電プラグによる保持状態下において、該溶接ピンに対して前記被接合材から離隔する方向の前記ガンシャフトの移動にて発生せしめられる引張力によって、所定の検査電流を該溶接ピンと該被接合材との間に流すための検査信号を出力する第二のトリガ手段とを有する溶接ガンを備えると共に、前記第一のトリガ手段から出力された溶接信号によって、前記溶接ピンと前記被接合材との間に前記溶接電流を通電せしめ、アーク放電させることにより、該溶接ピンを該被接合材に対して溶接せしめる第一の通電回路と、前記第二のトリガ手段から出力された検査信号によって、前記検査電流を前記溶接ピンと前記被接合材との間に通電して、該溶接ピンと該被接合材との溶接部を軟化せしめることにより、それら溶接ピンと被接合材との間の分離の有無を調べて、溶接不良の溶接ピンを検出する第二の通電回路とを、更に備えていることを特徴とするスタッド溶接装置をも、その要旨とするものである。
加えて、本発明にあっては、溶接ピンと被接合材との間に所定の溶接電流を通電することにより、かかる溶接ピンの先端を該被接合材に溶接せしめて得られるスタッド溶接物の検査方法にして、かかるスタッド溶接物における前記溶接ピンと前記被接合材との間に引張力を作用させつつ、所定の検査電流を、それら溶接ピンと被接合材との間に通電して、該溶接ピンと該被接合材との溶接部を軟化せしめることにより、それら溶接ピンと被接合材との間の分離の有無を調べて、溶接不良の溶接ピンを検出することを特徴とするスタッド溶接物の検査方法をも、その要旨とするものである。
このように、本発明に従うスタッド溶接方法によれば、溶接ガンに保持した溶接ピンを被接合材に押し付けつつ、それら溶接ピンと被接合材との間に所定の溶接電流を通電して、溶接ピンを被接合材に対して溶接する溶接工程の後に、溶接ピンに対して、かかる溶接ピンを被接合材から引き離す方向の引張力を作用させつつ、所定の検査電流を、それら溶接ピンと被接合材との間に通電して、前記した溶接工程にて形成された溶接ピンと被接合材との溶接部を軟化せしめることにより、当該溶接部が溶接不良である場合においては、前記引張力によって、かかる溶接部が破断されることとなるところから、それら溶接ピンと被接合材との間の分離の有無を調べることによって、溶接不良の溶接ピンを効果的に検出することが出来ることとなるのであり、これにより、従来のスタッド溶接作業後に必要とされていた、触診の如きマニュアルによる溶接不良の検出作業が全く必要でなくなり、スタッド溶接に要する作業時間を有利に短縮することが出来ることとなる。
また、そのような本発明に従うスタッド溶接方法によれば、単に、スタッド溶接工程の後に、溶接ピンに対して、所定の引張力を作用させつつ、検出用の電流を通電せしめるだけであるところから、従来のような触診による溶接不良の検出作業と違い、作業者による検出精度に差が出ることもなく、高い精度をもって、溶接不良の検出が可能となることに加えて、溶接良品に対して損傷を与える恐れも、効果的に抑制乃至は回避することが可能となったのである。
しかも、かかる本発明に従うスタッド溶接方法における検査工程にあっては、スタッド溶接を行うための電流経路と同じ経路を使用して、検査電流を、溶接ピンと被接合材との間に流すようにすることが出来ることとなるため、溶接不良を検出するための通電経路を新たに設置する必要がないといった利点も享受することが出来る。
また、このようなスタッド溶接方法を実施するための本発明に従うスタッド溶接装置によれば、溶接ピンが磁石にて吸着、保持されるようにすると共に、かかる溶接ピンに対して通電を行うように構成した給電プラグが、先端に取り付けられてなるガンシャフトを用いて、このガンシャフトの先端に取り付けた給電プラグに保持される前記溶接ピンを、被接合材に対して押し付けた状態において、溶接電流を流すための溶接信号を出力する第一のトリガ手段と、溶接ピンに対して被接合材から離隔する方向の力を作用させて発生せしめられる引張力によって、所定の検査電流を溶接ピンと被接合材との間に流すための検査信号を出力する第二のトリガ手段とを有している溶接ガンを用いているところから、第一のトリガ手段から出力された溶接信号によって、溶接ピンと被接合材との間に溶接電流を通電せしめて、アーク放電させ、溶接工程を実施した後、第二のトリガ手段から出力された検査信号によって、検査電流を溶接ピンと被接合材との間に通電して、溶接ピンと被接合材との溶接部を軟化せしめることにより、それら溶接ピンと被接合材との間の分離の有無を調べて、溶接不良の溶接ピンを検出する検査工程が、効果的に実施され得ることとなるのである。
さらに、本発明に従うスタッド溶接物の検査方法によれば、スタッド溶接物における溶接ピンと被接合材との間に引張力を作用させつつ、所定の検査電流をそれら溶接ピンと被接合材との間に通電し、溶接ピンと被接合材との間の分離の有無を調べるのみであるところから、触診により溶接不良を検知する従来の検査方法と比して、高精度で溶接不良の検出が可能となると共に、溶接良品に対して損傷を与える恐れも、効果的に抑制乃至は回避することが出来る特徴がある。
本発明に従うスタッド溶接方法の各工程における状態を概略的に示す説明図であって、(a)は、溶接ピンを下地鋼板に対して溶接する工程を示しており、(b)は、溶接ピンと下地鋼板との間のスタッド溶接が正常に行われているか、どうかを調べる検査工程の一例を示しており、(c)は、溶接不良の溶接ピンに対する検査工程の一例を示しており、(d)は、検査工程によって、溶接不良であった溶接ピンが下地鋼板から離脱した様子を示している。 本発明に従うスタッド溶接方法を採用したスタッド溶接装置の構成の一例を概略的に示す説明図である。 本発明に従うスタッド溶接装置において用いられる溶接ガンの構造を概略的に示す説明図である。 図3に示される溶接ガンを用いて、本発明に従うスタッド溶接方法を実施する際の溶接ガン内部の状態を概略的に示す説明図であって、(a)は、溶接工程における状態の一例を示しており、(b)は、検査工程における状態の一例を示している。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の代表的な実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1(a)〜図1(d)には、被接合材である金属製の下地鋼板2に対して、それを被覆する所定厚さの断熱材等の被覆材4を、盤状の頭部とロッド状の脚部を有する溶接ピン6を用いて固定する際に、本発明に係るスタッド溶接方法に従って、かかる溶接ピン6を、下地鋼板2に対して、スタッド溶接作業を実施する際の状況が、それぞれ、概略的に示されている。そこにおいて、本発明に従うスタッド溶接方法にあっては、図1(a)に示されるように、所定の溶接ガン(ここでは、図示せず)によって保持された溶接ピン6を、下地鋼板2に対して[図1(a)において、白抜き矢印にて示す方向に]押し付けつつ、それら溶接ピン6と下地鋼板2との間に、所定の溶接電流を通電させて、アーク放電せしめることにより、従来のスタッド溶接方法と同様に、溶接ピン6の先端部の一部や下地鋼板2の表面の一部を溶融させ、図1(b)に示される如く、溶接ピン6の先端と下地鋼板2とが溶着された状態となる溶接工程が、実施されることとなる。
そして、本発明に従うスタッド溶接方法にあっては、かかる溶接工程の後に、図1(b)に示されるように、溶接ピン6と下地鋼板2との間に、所定の引張力を作用させつつ、より詳細には、溶接ピン6を下地鋼板2から引き離す方向[図1(b)において、白抜き矢印にて示す方向]に引張力を作用せしめつつ、溶接ピン6と下地鋼板2との間に所定の検査電流を通電せしめて、溶接ピン6が下地鋼板2から離脱してしまうか、どうかを検査する検査工程が、実施されるのである。
この検査工程においては、図1(b)に示されるような、溶接ピン6と下地鋼板2とのスタッド溶接が正常に行われている状態、即ち、溶接ピン6の先端部や下地鋼板2の表面の溶融が充分に行われ得て、それら溶接ピン6と下地鋼板2との接合部8が充分な大きさの溶着部となって、健全な状態で形成された場合にあっては、そのような接合部8の抵抗値は小さくなり、溶接ピン6と下地鋼板2との間に検査電流を通電せしめても、かかる接合部8が溶融してしまう程には軟化することがなく、従って、検査電流を通電させたときに、溶接ピン6と下地鋼板2との間に引張力が作用させられていても、溶接ピン6が、下地鋼板2から離脱してしまうことはないのである。
一方、図1(c)に示されるように、溶接工程において、溶接ピン6の先端部や下地鋼板2の表面の溶融が充分に行われなかったために、それら溶接ピン6と下地鋼板2との間に、小さな接合部8’しか形成されていない、不完全な溶着状態で、溶接工程を終了したものの場合にあっては、そのような小さな接合部8’では、電気抵抗値が高くなってしまうため、溶接ピン6と下地鋼板2との間に検査電流を通電することで、接合部8’が軟化乃至は溶融してしまうこととなる。従って、溶接ピン6と下地鋼板2との間に引張力を作用させながら、溶接ピン6と下地鋼板2との間に検査電流を通電せしめると、そのような不完全な溶着状態である接合部8’が破断されることとなり、そのために溶接ピン6と下地鋼板2との接合が外れてしまい、図1(d)に示される如く、溶接ピン6が下地鋼板2から離脱してしまうようになるのである。それ故に、かかる離脱の有無を検知することによって、溶接ピン6と下地鋼板2との間の溶接不良が、直ちに、検出することが出来ることとなる。
このように、本発明に従うスタッド溶接方法によれば、一つのスタッド溶接作業で、溶接工程と検査工程とが連続して行われるために、従来のスタッド溶接作業においては溶接作業の後に実施されていた、作業者による触診による溶接不良の検出作業を行う必要がなくなり、溶接ピン6の下地鋼板2に対するスタッド溶接にかかる作業時間を、有利に短縮することが出来る。
さらに、かかるスタッド溶接方法によれば、溶接工程の後に実施される検査工程が、溶接ピン6に対して所定の引張力を作用させつつ、溶接ピン6と下地鋼板2との間に検出用の電流を通電せしめるだけであるために、従来の触診による溶接不良の検出作業とは異なり、作業者による検出精度に差が生じることもなく、高い精度をもって、溶接不良が検出可能となることに加えて、溶接良品に対して損傷を与える恐れも、効果的に解消することが出来ることとなる。
加えて、そのような本発明に従うスタッド溶接方法の検査工程においては、溶接ピン6を下地鋼板2に対してスタッド溶接を行うための電流経路と同じ経路を使用して、検査電流を、溶接ピン6と下地鋼板2との間に流すようにすることによって、溶接不良を検出するための検査用の電流経路を新たに設置する必要がないといった利点も、有利に享受し得るのである。
ところで、このような本発明に従うスタッド溶接方法を好適に実施し得るスタッド溶接装置の一例が、図2において、概略的に示されている。この図2において、溶接ピン12と被接合材となる下地鋼板14とをスタッド溶接するための溶接装置10は、溶接ピン12と被接合材となる下地鋼板14との間に通電せしめる溶接電流や検査電流を供給するための給電装置16と、この給電装置16に電気的に接続された溶接ガン18とから、構成されている。
そこにおいて、給電装置16は、第一の通電回路20と第二の通電回路30とから構成されている。なお、第一の通電回路20は、第一の電源装置22と第一のコンデンサ24及び第一のスイッチ手段26とから構成され、このスイッチ手段26による第一の通電回路20の開閉によって、溶接ピン12と下地鋼板14との間でアーク放電を発生させて、溶接ピン12を下地鋼板14に対してスタッド溶接せしめるための所定の溶接電流が、通電せしめられ得るようになっている。また、第二の通電回路30は、第二の電源装置32と第二のコンデンサ34及び第二のスイッチ手段36とから構成されて、このスイッチ手段36による第二の通電回路30の開閉によって、溶接ピン12と下地鋼板14の間に、所定の検査電流が通電せしめられ得るようになっている。
より詳細には、上記した第一の通電回路20は、従来からのキャパシターディスチャージ型のスタッド溶接装置と同様に、溶接ピン12と下地鋼板14とをスタッド溶接方式にて接合するためのアーク放電を発生させ得る電圧や電流を確保することの出来る容量を持った第一の電源装置22と第一のコンデンサ24とを備えており、かかる第一の電源装置22から、第一のコンデンサ24に対して、スタッド溶接に必要な電荷が供給されて、蓄えられるようになっている。そして、そのような第一の通電回路20の一方の極(ここでは正極)は、第一のスイッチ手段26を介して、下地鋼板14に接続される一方、他方の極(ここでは負極)が、溶接ガン18に保持される溶接ピン12に電気的に接続されるようになっている。
また、第二の通電回路30は、本発明に従うスタッド溶接方法における検査電流を供給するためのものであって、溶接ピン12と被接合材14との間のスタッド溶接が不良であった場合に、その溶接不良部分を軟化乃至は溶融し得る程度の電圧や電流を確保することの出来る容量を持った第二の電源装置32や第二のコンデンサ34を備えており、かかる第二の電源装置32から、第二のコンデンサ34に対して、必要な電荷が供給されて、蓄積されるようになっている。そして、この第二の通電回路30は、第一の通電回路20と並列となるように、その一方の極(ここでは正極)が、第二のスイッチ手段36を介して、下地鋼板14に接続される一方、他方の極(ここでは負極)が、溶接ガン18に保持される溶接ピン12に電気的に接続されるようになっている。
なお、上記した第一のスイッチ手段26及び第二のスイッチ手段36には、サイリスタやFET等、公知の各種のスイッチング素子が用いられることとなり、後述する第一のトリガ手段や第二のトリガ手段から出力される溶接信号や検査信号によって、ここでは図示しない制御回路を通じて、それらスイッチ手段26,36のON/OFFが制御されるようになっている。そして、そのような第一のスイッチ手段26や第二のスイッチ手段36を閉じる(ONする)ことによって、第一のコンデンサ24或いは第二のコンデンサ34の一方の極が、選択的に下地鋼板14に対して電気的に接続されて、それらコンデンサ24,34に蓄えられた電荷により、溶接ピン12と下地鋼板14との間に、所定の溶接電流や検査電流が通電せしめられることとなるのである。なお、かかるスイッチ手段26,36にサイリスタを採用した場合には、よく知られているように、所定の転流回路等が設けられて、サイリスタのON/OFFが制御されるようになっている。
一方、溶接ピン12を保持する溶接ガン18は、従来からスタッド溶接に使用されている溶接ガンと同様に、溶接ピン12を保持しつつ、かかる溶接ピン12にスタッド溶接に必要な溶接電流を供給するための給電プラグ46を備えた溶接ガン本体40aと、そのような溶接ガン本体40aを、スタッド溶接を行う作業者が安全に且つ作業性よく保持するための把持部40bとを有して、構成されている。
なお、溶接ガン18の把持部40bには、操作者の手によって操作されるボタン54が取り付けられており、これが、溶接ピン12を下地鋼板14に対してスタッド溶接するための溶接電流を供給する第一のトリガ手段を構成している。即ち、かかるボタン54を操作することによって、溶接ガン18から、給電装置16に溶接信号が出力され、その溶接信号によって、第一の通電回路20の第一のスイッチ手段26がONとなり、これによって、第一のコンデンサ24に充電された電荷が、溶接電流として、溶接ピン12と下地鋼板14との間に通電されるようになっているのである。
また、かかる溶接ガン18において、その溶接ガン本体40a部分には、その内部構造を概略的に示す図3から明らかな如く、略円柱形状を呈するガンシャフト44が、溶接ガン本体40a内において、その軸方向(図3において左右方向)に移動可能となるように、溶接ガン本体40aに設けられた固定部42にて支持されて、配置されている。
そして、そのようなガンシャフト44の一方の先端部44aには、溶接ピン12を保持すると共に、かかる溶接ピン12に溶接電流を供給するための給電プラグ46が、従来から用いられているスタッド溶接ガンに設けられた給電プラグと同様な構造において、溶接ガン本体40aから突出するようにして、取り付けられている。なお、この給電プラグ46には、永久磁石であるマグネット48が装着されており、このマグネット48の磁力によって、給電プラグ46に対して、溶接ピン12が吸着、保持されるようになっている。
さらに、ガンシャフト44には、ここでは、その先端部44aと溶接ガン本体40aに設けられた固定部42との間に、圧縮コイルばねであるスプリング50が外挿されており、このスプリング50が付勢手段を構成して、これによって、ガンシャフト44を溶接ガン本体40aから押し出す方向に付勢力が与えられるようになっている。
更にまた、かかるガンシャフト44の給電プラグ46が取り付けられた側の先端部44aとは反対側の端部44bは、ガンシャフト44を軸方向に移動可能に支持する固定部42から外れないような大きさとされて、スプリング50による付勢力によってガンシャフト44を溶接ガン本体40a内から外向きに押し出す方向への移動量を制限し、ガンシャフト44が溶接ガン本体40aから外れないように構成されている。そして、そのようなガンシャフト44の端部44bと固定部42との間には、圧力センサ52が取り付けられていることによって、ガンシャフト44を溶接ガン本体40a内から外に向かって押し出す方向への圧力が検出されるようになっている。即ち、そのような圧力センサ52は、溶接工程が終了した後、溶接ガン18を下地鋼板14に対して引き離し、換言すればガンシャフト44が後退するように移動させて、給電プラグ46にマグネット48の磁力によって吸着、保持された溶接ピン12を給電プラグ46から取り外す際に作用する引張力を検出し得るようになっており、この引張力を検出することによって、圧力センサ52からの出力が、溶接ピン12を下地鋼板14との間に通電される検査電流を供給するための、第二のトリガ手段からの検査信号として、用いられるようになっているのである。
ところで、このような構成とされた溶接装置10を用いて、本発明に従うスタッド溶接方法に従って、溶接ピン12を下地鋼板14に対してスタッド溶接せしめるに際しては、例えば、以下のようにして行われることとなる。
先ず、給電装置16の第一の通電回路20における第一のコンデンサ24に対して、第一の電源装置22からスタッド溶接に必要な量の電荷が充電せしめられると共に、第二の通電回路30における第二のコンデンサ34に対して、第二の電源装置32から溶接不良の検査に必要な電荷が充電されてなる状態において、図4(a)に示されるように、溶接ガン18の給電プラグ46に対して、溶接ピン12を、マグネット48の磁力によって吸着、保持させた後、溶接ガン18を下地鋼板14に向かって前進せしめることで、溶接ピン12の先端部が、被覆材15を貫通して、下地鋼板14の表面に対して所定の押圧力で押し付けられた状態とする。このとき、溶接ガン18を下地鋼板14に向かって押し付ける押圧力によって、ガンシャフト44が溶接ガン本体40a内に入り込む方向に移動し、ガンシャフト44の端部44bが圧力センサ52から離れると共に、ガンシャフト44の先端部44aと固定部42との間に配置されているスプリング50が圧縮されて、ガンシャフト44を溶接ガン本体40aから押し出す方向への付勢力が加えられた状態となる。こうして、溶接ガン18を下地鋼板14に向かって押し付ける押圧力(スプリング50によって生じる付勢力)により、給電プラグ46に保持された溶接ピン12が、下地鋼板14に対して押し付けられた状態となる。
そのような状態下において、溶接ガン18の把持部40bに設けられたボタン54を操作することによって、溶接信号を生じさせ、その溶接信号を給電装置16に伝えることによって、第一の通電回路20の第一のスイッチ手段26をONにする。すると、溶接ピン12と下地鋼板14との間に、第一のコンデンサ24に蓄えられていた電荷が溶接電流として通電せしめられて、溶接ピン12の先端部と下地鋼板14の表面との間に、アーク放電が発生し、溶接ピン12の先端部の一部や下地鋼板14の表面の一部が溶融させられ、図1(b)にも示される如く、溶接ピン12(4)と下地鋼板14(2)とが溶接された状態となる溶接工程が、実施されるのである。
次いで、かかる溶接工程が終了した後、図4(b)に示されるように、溶接ガン18を下地鋼板14から引き離す方向に動かすことで、溶接ガン本体40a内に入り込む方向に移動していたガンシャフト44が、スプリング50による付勢力によって、元の位置、即ちガンシャフト44の端部44bが圧力センサ52に接する位置へと移動せしめられ、かかるスプリング50によって生じていた付勢力が解消された状態となる。そして、そこから、更に、溶接ガン18を下地鋼板14から引き離す方向に動かすと、溶接ピン12は溶接ガン18の給電プラグ46に対してマグネット48の磁力によって吸着、保持されているところから、かかる溶接ガン18を下地鋼板14から引き離す方向への移動によって、溶接ピン12を下地鋼板14から引き離そうとする方向への力が生じることとなり、溶接ピン12と下地鋼板14との間に、引張力が発生することとなるのである。
そして、そのようにして溶接ピン12と下地鋼板14との間に発生した引張力は、マグネット48の磁力によって溶接ピン12が給電プラグ46に対して吸着している間は、ガンシャフト44にも作用するために、圧力センサ52によって検出されることとなる。そして、そのような引張力が所定の圧力となったときに、圧力センサ52から検査信号として出力されるようになっており、この検査信号が給電装置16へと伝えられることで、第二の通電回路30の第二のスイッチ手段36がONとなる。すると、溶接ピン12と下地鋼板14との間に引張力を作用させた状態下において、第二のコンデンサ34に蓄えられていた電荷が、溶接ピン12と下地鋼板14との間に、検査電流として通電せしめられることとなる。
このような溶接ピン12と下地鋼板14との間に通電される検査電流によって、溶接ピン12と下地鋼板14との間に形成されている接合部(溶接部)は、その溶接状態に応じて軟化せしめられることとなり、そして当該接合部における溶接が不充分であった場合(接合部8’の形成)には、溶接ピン12と下地鋼板14との間に作用する引張力によって、溶接ピン12が下地鋼板14から分離されて離脱し、溶接不良として検出されることとなる。このようにして、検査工程が実施されるのである。
一方、溶接ピン12と下地鋼板14との間のスタッド溶接が良好に行われ、それらの間に健全な接合部8が形成されている場合にあっては、そのような検査工程による検査電流の通電後も、溶接ピン12が下地鋼板14から離脱することはなく、その場合には、給電プラグ46に対して溶接ピン12を吸着しているマグネット48の磁力による吸着力よりも、溶接ガン18を下地鋼板14から引き離す方向に動かすことにより生じる引張力が大きくなったときに、溶接ピン12が給電プラグ46から外れて、検査工程が終了し、以て溶接ピン12の下地鋼板14に対するスタッド溶接作業が完了することとなる。
このような溶接装置10によれば、溶接ピン12の下地鋼板14に対するスタッド溶接作業を行う際に、従来のスタッド溶接装置と同様に、溶接ガン18に溶接ピン12を保持して、それを下地鋼板14に対して押し当てつつ、ボタン54を操作して、溶接ピン12と下地鋼板14とのスタッド溶接を行い、その後、溶接ガン18を下地鋼板14から引き離すという作業を行うことのみで、溶接ピン12と下地鋼板14との間のスタッド溶接工程と、溶接ピン12が下地鋼板14に対して充分に溶接されているか、どうかを確認する検査工程とが、順次実施され得るようになっているところから、従来のスタッド溶接作業で行われていた、溶接作業後に作業者による触診での溶接不良の検出作業を行う必要が全くなくなり、溶接ピン12の下地鋼板14に対するスタッド溶接にかかる作業時間を、有利に短縮することが出来ると共に、触診のように作業者による検出精度に差が出ることもなく、高い精度をもって、溶接不良が検出可能となることに加えて、溶接良品に対して損傷を与える恐れも、効果的に解消されることとなるのである。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも、例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものでないことが、理解されるべきである。
例えば、前述の実施形態においては、付勢手段として用いられるスプリング50として圧縮コイルばねを採用していたが、ガンシャフト44を溶接ガン本体40a内から外向きに押し出す方向へ付勢力を与えることが出来るものであれば、板ばね等の各種ばね製品や弾力性のあるゴム等、公知の各種のものを用いることが可能である。
また、溶接ピン12と下地鋼板14との間に検査電流を通電せしめる際の第二のトリガ手段として、ここでは、圧力センサ52を用いて、溶接ピン12を下地鋼板14から引き離そうとする方向へ引張力を検出して、それを第二のトリガ手段からの検査信号として採用していたが、そのような溶接ピン12と下地鋼板14との間の引張力を検出することが出来るものであれば、圧力センサ以外のセンサを用いたり、リミットスイッチ構造を採用することも可能である。例えば、ガンシャフト44が引張力によって溶接ガン本体40a内において外向きに移動せしめられた際に、その移動量によって動作するリミットスイッチを溶接ガン本体40a内に設けて、かかるリミットスイッチが所定量の移動を検出した際に、第二のトリガ手段として検査信号を出力するような構成としてもよい。
さらに、前述の実施形態に例示した検査工程おいて、溶接ピン12と下地鋼板14との間に通電した検査電流によって、下地鋼板14から分離され、溶接不良として検出された溶接ピン12は、溶接ガン18の給電プラグ46にマグネット48の磁力によって吸着されたまま、被覆材15から引き抜かれるようになるが、そのような溶接不良の溶接ピン12は、作業者によって、給電プラグ46から取り外され、そしてその後、給電プラグ46に対して新たな溶接ピン12が装着されて、再度、スタッド溶接操作が行われることとなる。なお、そのような溶接不良として検出された溶接ピン12を、給電プラグ46から取り外さずに、そのまま、溶接ピン12の先端部を再度下地鋼板14に対して押し付けて、スタッド溶接操作を行うことも可能ではあるが、一度スタッド溶接操作を行って溶接不良となった溶接ピン12の先端部は初期の形状から変形してしまっているため、そのままスタッド溶接操作を行っても、再び溶接不良となってしまう可能性が高くなる。このため、好ましくは、前述したように、新たな溶接ピン12に取り替えた後に、再度のスタッド溶接操作が行われることとなるのである。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
2 下地鋼板 4 被覆材
6 溶接ピン 8,8’ 接合部
10 溶接装置 12 溶接ピン
14 下地鋼板 15 被覆材
16 給電装置 18 溶接ガン
20 第一の通電回路 22 第一の電源装置
24 第一のコンデンサ 26 第一のスイッチ手段
30 第二の通電回路 32 第二の電源装置
34 第二のコンデンサ 36 第二のスイッチ手段
40a 溶接ガン本体 40b 把持部
42 固定部 44 ガンシャフト
44a 先端部 44b 端部
46 給電プラグ 48 マグネット
50 スプリング 52 圧力センサ
54 ボタン

Claims (6)

  1. 溶接ピンと被接合材との間に所定の溶接電流を通電することにより、かかる溶接ピンの先端を該被接合材に溶接せしめるようにしたスタッド溶接方法において、
    溶接ガンに保持せしめた前記溶接ピンを、前記被接合材に押し付けつつ、それら溶接ピンと被接合材との間に溶接電流を通電せしめることにより、該溶接ピンを該被接合材に対して溶接する溶接工程と、
    該溶接工程の終了の後、前記溶接ピンと前記被接合材との間に引張力を作用させつつ、所定の検査電流を、それら溶接ピンと被接合材との間に通電して、該溶接ピンと該被接合材との溶接部を軟化せしめることにより、それら溶接ピンと被接合材との間の分離の有無を調べて、溶接不良の溶接ピンを検出する検査工程と
    を含むことを特徴とするスタッド溶接方法。
  2. 前記溶接ガンが、前記溶接ピンを吸着、保持し得る磁石を備え、かかる磁石に該溶接ピンが保持されてなる状態下において、該溶接ガンが前記被接合材から引き離されるようにすることによって、該溶接ピンと該被接合材との間に、前記引張力が発生せしめられるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のスタッド溶接方法。
  3. 前記溶接ピンが前記溶接ガンに配備した磁石によって吸着、保持されてなる状態下において、前記溶接電流の通電が行われる一方、かかる通電操作の終了の後、前記溶接ピンの前記磁石による吸着、保持状態下において、該溶接ピンに対して前記被接合材から離隔せしめられる方向の力を作用させることにより、前記引張力を発生せしめて、前記検査電流の通電が行われるようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスタッド溶接方法。
  4. 前記被接合材が下地鋼板であり、該下地鋼板を被覆するように配置される断熱材を貫通せしめられた前記溶接ピンが、該下地鋼板に対して溶接されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のスタッド溶接方法。
  5. 溶接ピンと被接合材との間に所定の溶接電流を通電することにより、かかる溶接ピンの先端を該被接合材に溶接せしめるようにしたスタッド溶接装置にして、
    ガン本体内に配置、支持されたガンシャフトと、該ガンシャフトの先端に取り付けられて、前記溶接ピンを磁石にて吸着、保持すると共に、該溶接ピンに対する通電を行う給電プラグと、該ガンシャフトの先端に取り付けた前記給電プラグに保持される前記溶接ピンを前記被接合材に押し付けた状態において、前記溶接電流を流すための溶接信号を出力する第一のトリガ手段と、前記溶接ピンの前記給電プラグによる保持状態下において、該溶接ピンに対して前記被接合材から離隔する方向の前記ガンシャフトの移動にて発生せしめられる引張力によって、所定の検査電流を該溶接ピンと該被接合材との間に流すための検査信号を出力する第二のトリガ手段とを有する溶接ガンを備えると共に、
    前記第一のトリガ手段から出力された溶接信号によって、前記溶接ピンと前記被接合材との間に前記溶接電流を通電せしめ、アーク放電させることにより、該溶接ピンを該被接合材に対して溶接せしめる第一の通電回路と、前記第二のトリガ手段から出力された検査信号によって、前記検査電流を前記溶接ピンと前記被接合材との間に通電して、該溶接ピンと該被接合材との溶接部を軟化せしめることにより、それら溶接ピンと被接合材との間の分離の有無を調べて、溶接不良の溶接ピンを検出する第二の通電回路とを、更に備えていることを特徴とするスタッド溶接装置。
  6. 溶接ピンと被接合材との間に所定の溶接電流を通電することにより、かかる溶接ピンの先端を該被接合材に溶接せしめて得られるスタッド溶接物の検査方法にして、
    かかるスタッド溶接物における前記溶接ピンと前記被接合材との間に引張力を作用させつつ、所定の検査電流を、それら溶接ピンと被接合材との間に通電して、該溶接ピンと該被接合材との溶接部を軟化せしめることにより、それら溶接ピンと被接合材との間の分離の有無を調べて、溶接不良の溶接ピンを検出することを特徴とするスタッド溶接物の検査方法。
JP2017242681A 2017-12-19 2017-12-19 スタッド溶接方法及びスタッド溶接装置並びにスタッド溶接物の検査方法 Active JP6886707B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017242681A JP6886707B2 (ja) 2017-12-19 2017-12-19 スタッド溶接方法及びスタッド溶接装置並びにスタッド溶接物の検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017242681A JP6886707B2 (ja) 2017-12-19 2017-12-19 スタッド溶接方法及びスタッド溶接装置並びにスタッド溶接物の検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019107674A true JP2019107674A (ja) 2019-07-04
JP6886707B2 JP6886707B2 (ja) 2021-06-16

Family

ID=67178554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017242681A Active JP6886707B2 (ja) 2017-12-19 2017-12-19 スタッド溶接方法及びスタッド溶接装置並びにスタッド溶接物の検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6886707B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021087966A (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 株式会社タイルメント 溶接状態検査ガン

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0560670A (ja) * 1991-02-28 1993-03-12 Yoshikawa Kaiji Kogyo Kk スタツド溶接の強度判定方法及び装置
JP4332862B1 (ja) * 2008-07-30 2009-09-16 株式会社日本海洋サービス スタッド溶接システム及びその溶接管理方法
JP2012509047A (ja) * 2008-11-17 2012-04-12 ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー 電気溶接回路の変数を判定する方法及び器具
WO2017211749A1 (en) * 2016-06-07 2017-12-14 Newfrey Llc Testing apparatus for testing a joining connection

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0560670A (ja) * 1991-02-28 1993-03-12 Yoshikawa Kaiji Kogyo Kk スタツド溶接の強度判定方法及び装置
JP4332862B1 (ja) * 2008-07-30 2009-09-16 株式会社日本海洋サービス スタッド溶接システム及びその溶接管理方法
JP2012509047A (ja) * 2008-11-17 2012-04-12 ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー 電気溶接回路の変数を判定する方法及び器具
WO2017211749A1 (en) * 2016-06-07 2017-12-14 Newfrey Llc Testing apparatus for testing a joining connection

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021087966A (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 株式会社タイルメント 溶接状態検査ガン

Also Published As

Publication number Publication date
JP6886707B2 (ja) 2021-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2010282911B2 (en) Methods and systems for resistance spot welding using direct current micro pulses
US20060208033A1 (en) Apparatus and method for connecting coated wires
KR101125297B1 (ko) 정전 척 전기 평형 회로 수리
US8875579B2 (en) Method and apparatus for non-destructive weld testing
JP2004025310A (ja) 短サイクルアーク溶接用の装置及び方法
JP5554197B2 (ja) スポット溶接方法及びその装置
KR20120076042A (ko) 탄산가스 용접장치용 용접 와이어 접합장치
JP2019107674A (ja) スタッド溶接方法及びスタッド溶接装置並びにスタッド溶接物の検査方法
CN106270912B (zh) 对焊机夹具装置的卡盘开合机构
JP2006346710A (ja) スタッド溶接ガン
WO2008008136A1 (en) Short resistant welder
JP2004314177A (ja) スタッド検出システムを備えたスタッド溶接ガン
CN105612021B (zh) 间接感测焊接紧固件位置的焊机
JP3647577B2 (ja) 被溶接物及びその抵抗溶接方法
JP2013006192A (ja) セット不良検知機能付下部電極装置
US3524963A (en) Method and means for striking an arc,and for striking an arc for welding or heating
US10960489B2 (en) Wire termination welder and method
CN107252961A (zh) 一种螺柱焊接方法及焊接装置
JPH01299784A (ja) スポットガンの溶着解除方法
JP4347652B2 (ja) アーク溶接装置
JP2014184458A (ja) 多打点スポット溶接装置及び溶接方法
TWI839191B (zh) 線切割放電加工方法
JP6370170B2 (ja) スタッド溶接機及びそれを用いたスタッド溶接方法
JP7065954B2 (ja) ボルト、及び固定装置
JP2009160661A (ja) アーク溶接装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6886707

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250