JP2019106958A - 水田作業機 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1では、変速装置の動力が、株間変速装置を通って苗植付装置に伝達されており、株間変速装置を操作することによって、株間を所望の間隔に設定することができる。
原動部の動力が伝達される変速装置と、
機体の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、農用資材を田面に間欠的に供給する作業装置とが備えられ、
前記変速装置の動力が走行伝動系及び作業伝動系に並列的に分岐されて、前記走行伝動系の動力が走行用の車輪に伝達され、前記作業伝動系の動力が無段変速装置を通って前記作業装置に伝達され、
前記無段変速装置の下流側に、前記無段変速装置からの動力の回転数を検出する作業回転数検出部が備えられている。
これにより、水田や農用資材の状態等に応じて、供給間隔を細かく適切に設定することができるようになって、水田作業機の作業精度を向上させることができる。
これにより、無段変速装置からの動力の回転数を適切に検出することができるので、無段変速装置を操作する際において、無段変速装置の操作位置の検出用(フィードバック用)として、作業回転数検出部を使用することができる。
入力される動力に対して出力される動力の角速度を変化させる不等速変速装置が備えられて、
前記無段変速装置の動力が、前記不等速変速装置を通って前記作業装置に伝達されると好適である。
これにより、例えば苗植付装置において、株間を特に大きなものに設定した場合や、特に小さなものに設定した場合、苗を田面に適切に植え付けられない状態を避けることができる。
前記無段変速装置の下流側で、且つ、前記不等速変速装置の上流側において、前記作業回転数検出部が、前記無段変速装置と前記不等速変速装置との間の伝動系の回転数を検出すると好適である。
前記走行伝動系の動力が、副変速装置を通って前記車輪に伝達され、
前記副変速装置の上流側において、前記走行伝動系及び前記作業伝動系の分岐点と前記副変速装置との間の伝動系の回転数を検出する走行回転数検出部が備えられていると好適である。
前記無段変速装置が、静油圧式の無段変速装置であると好適である。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。機体11の走行時における前進側の進行方向が「前」であり、後進側の進行方向が「後」である。前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「右」であり、左側に相当する方向が「左」である。
図1及び図2に示すように、乗用型田植機は、右及び左の前輪1(走行用の車輪に相当)、右及び左の後輪2(走行用の車輪に相当)を備えた機体11の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられ、リンク機構3の後部に苗植付装置5(作業装置に相当)が支持されている。
図1及び図2に示すように、機体11に、運転座席13、及び前輪1を操向操作する操縦ハンドル14が備えられている。
これにより、計測装置18及び慣性計測装置19によって、機体11の位置及び機体11の方位が検出される。
図1に示すように、機体11の前部に、ミッションケース20が支持されており、ミッションケース20の右及び左の横側部に連結された前車軸ケース21に、右及び左の前輪1が支持されている。機体11の後部に、後車軸ケース22が支持されており、後車軸ケース22に右及び左の後輪2が支持されている。
図3に示すように、ミッションケース20の右の横側部に、ポンプ26が連結されており、ポンプ26は油圧シリンダ4に作動油を供給する。無段変速装置24の入力軸24aがミッションケース20に入り込んでおり、ポンプ26の入力軸26aと、無段変速装置24の入力軸24aとに亘って伝動軸27が連結されている。
水田において植付作業を行う場合、副変速装置31を低速状態に操作するのであり、路上等において高速で走行する場合、副変速装置31を高速状態に操作する。
前輪デフ装置36に伝達された動力が、ベベルギヤ40、出力軸39(ベベルギヤ39a)、伝動軸41、後車軸ケース22の内部の伝動軸(図示せず)を介して、右及び左の後輪2に伝達される。
走行伝動系の動力が、副変速装置31を通って前輪1及び後輪2(走行用の車輪)に伝達される状態となっている。
図4に示すように、ミッションケース20の右の横側部に、静油圧型式の無段変速装置45が連結されており、無段変速装置45の入力軸45aと伝動軸28とが連結されている。無段変速装置45の入力軸45aがミッションケース20の反対側に突出しており、無段変速装置45に冷却風を送るファン46が、無段変速装置45の入力軸45aの突出部に連結されている。
苗植付装置5が作動すると、図2に示すように、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、回転ケース7が図5の反時計方向に回転駆動され、2組の植付アーム8が、苗のせ台10の下部から交互に苗A(農用資材に相当)を取り出して田面Gに植え付ける。これにより、図5に示すように、機体11の走行方向F1に沿って、事前に設定された設定株間L1(供給間隔に相当)で、苗Aが田面Gに間欠的に植え付けられる。
植付クラッチ56を遮断状態に操作すると、苗植付装置5への動力が遮断されて、苗植付装置5が停止し、苗のせ台10及び回転ケース7が停止する。
図4に示すように、不等速変速装置52は、伝動軸49に連結された等速ギヤ58及び不等速ギヤ59、伝動軸48に相対回転自在に外嵌された等速ギヤ60及び不等速ギヤ61を備えており、等速ギヤ58,60が咬合し、不等速ギヤ59,61が咬合している。
図5に示すように、機体11に制御装置63が備えられている。設定株間L1を設定する設定部64が、運転座席13又は操縦ハンドル14の近傍に備えられて、設定部64の操作信号が制御装置63に入力されている。
水田において植付作業を行う場合、前輪1及び後輪2にスリップが発生するので、スリップ率検出部68において、以下説明のようにスリップ率が検出される。
第1時点から第2時点において、計測装置18及び慣性計測装置19による機体11の位置及び機体11の方位の検出に基づいて、第1走行距離検出部71により、機体11の実際の走行距離が検出される。この場合、第1走行距離検出部71の検出値には、前輪1及び後輪2のスリップが含まれている。
前輪1及び後輪2のスリップが発生していると、第1走行距離検出部71の検出値が、第2走行距離検出部72の検出値よりも小さくなるのであり、第1走行距離検出部71及び第2走行距離検出部72の検出値の差が大きくなるほど、前輪1及び後輪2のスリップが多く発生していると判断できる。
第1時点から第2時点までのスリップ率が検出されると、第2時点から設定時間が経過した次の第3時点までのスリップ率が検出されるのであり、スリップ率の検出が連続的に繰り返して行われる。
水田において植付作業を行う場合、以下のような操作が行われる。
植付作業の開始時において、前述の(無段変速装置を操作する制御系の構成)に記載のように、作業者は、設定部64により設定株間L1を設定(選択)する。
この段階では、前輪1及び後輪2のスリップは考慮されていないので、無段変速装置45の変速位置は一義的に決まるのであり、設定株間L1に対応した変速位置に、無段変速装置45が操作される。
植付作業の進行に伴って、スリップ率検出部68によりスリップ率が検出されるのに伴って、実際の株間Lが設定株間L1となるように、無段変速装置45が以下の説明のように自動的に操作される。
具体的は、スリップ率に相当する長さが演算されて、設定株間L1から、スリップ率に相当する長さが差し引かれて、実際の株間Lが検出される。
設定部64により設定された設定株間L1が特に大きなものではない場合や、特に小さなものではない場合、作業者は、不等速変速装置52において、等速ギヤ58,60による動力が伝達される状態を設定しておけばよい。
これにより、植付アーム8による苗のせ台10からの苗Aの取り出しから、植付アーム8による苗Aの田面Gへの植え付けまでの領域において、不等速変速装置52により、回転ケース7の回転速度を少し高速にすることができ、苗Aが田面Gに適切に植え付けられるようにすることができる。
これにより、植付アーム8による苗のせ台10からの苗Aの取り出しから、植付アーム8による苗Aの田面Gへの植え付けまでの領域において、不等速変速装置52により、回転ケース7の回転速度を少し低速にすることができ、苗Aが田面Gに適切に植え付けられるようにすることができる。
前述の(植付作業の開始時における株間の設定)において、無段変速装置45の作動油のリークに基づいて、無段変速装置45を、設定株間L1に対応する変速位置においてアクチュエータ67により微調節する操作を、行わなくてもよい。
逆に無段変速装置45の作動油のリークが大きく、前輪1及び後輪2のスリップが小さい場合、設定部64により設定された設定株間L1よりも、実際の株間Lが大きくなることがある。
計測装置18及び慣性計測装置19を廃止してもよい。
この構成において、第1走行距離検出部71により機体11の実際の走行距離を検出する場合、マーカー12の回転体12aに回転数センサー(図示せず)を設け、機体11の走行に伴って、マーカー12の回転体12aが田面Gに接地して回転する際の回転数を検出することにより、機体11の実際の走行距離を検出すればよい。
設定部64において、作業者が、複数の異なる設定株間L1から、一つの設定株間L1を設定(選択)するように構成してもよい。
作業者が不等速変速装置52を手動で操作するのではなく、設定部64による設定株間L1の設定(選択)に基づいて、不等速変速装置52が適切な操作位置に自動的に操作されるように構成してもよい。
ミッションケース20において、ミッションケース20の右の横側部に、無段変速装置24を設け、ミッションケース20の左の横側部に、無段変速装置45を設けてもよい。
エンジン23に代えて、電動モータ(図示せず)を原動部として使用してもよい。
図4に示すように、ミッションケース20の内部において、作業回転数検出部65により、伝動軸47(伝動ギヤ47a)の回転数や、伝動ギヤ50,51の回転数を検出するように構成してもよい。
この構造において、走行回転数検出部66により、中間伝動軸の回転数を検出するように構成してもよい。
例えば一つの水田において、使用される苗Aの総量が決まっている場合、この総量に相当する苗Aを過不足なく田面Gに植え付けるように、実際の株間Lを微調節するという操作を行うことが可能である。
前述の状態で植付作業を開始すると、実際の株間Lが、前述の必要な株間Lとなるように、無段変速装置45が自動的に操作される。
例えば一つの水田を小さな領域に区分し、水田の領域の各々において、前年度の稲の生育状態や収穫量が、データとして蓄積されていることがある。
前述の状態において、同じ水田での次年度の植付作業を行う場合、計測装置18及び慣性計測装置19の検出に基づいて、水田の領域の各々において適した実際の株間Lで、植付作業が行われるように、無段変速装置45が自動的に操作することも可能である。
2 後輪(車輪)
5 苗植付装置(作業装置)
11 機体
23 エンジン(原動部)
24 無段変速装置(変速装置)
31 副変速装置
45 無段変速装置
52 不等速変速装置
65 作業回転数検出部
66 走行回転数検出部
A 苗(農用資材)
G 田面
L 株間(供給間隔)
L1 設定株間(供給間隔)
Claims (5)
- 原動部の動力が伝達される変速装置と、
機体の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、農用資材を田面に間欠的に供給する作業装置とが備えられ、
前記変速装置の動力が走行伝動系及び作業伝動系に並列的に分岐されて、前記走行伝動系の動力が走行用の車輪に伝達され、前記作業伝動系の動力が無段変速装置を通って前記作業装置に伝達され、
前記無段変速装置の下流側に、前記無段変速装置からの動力の回転数を検出する作業回転数検出部が備えられている水田作業機。 - 入力される動力に対して出力される動力の角速度を変化させる不等速変速装置が備えられて、
前記無段変速装置の動力が、前記不等速変速装置を通って前記作業装置に伝達される請求項1に記載の水田作業機。 - 前記無段変速装置の下流側で、且つ、前記不等速変速装置の上流側において、前記作業回転数検出部が、前記無段変速装置と前記不等速変速装置との間の伝動系の回転数を検出する請求項2に記載の水田作業機。
- 前記走行伝動系の動力が、副変速装置を通って前記車輪に伝達され、
前記副変速装置の上流側において、前記走行伝動系及び前記作業伝動系の分岐点と前記副変速装置との間の伝動系の回転数を検出する走行回転数検出部が備えられている請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。 - 前記無段変速装置が、静油圧式の無段変速装置である請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。
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