JP2019106792A - 車両システム - Google Patents
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Abstract
【課題】通常運転と緊急自動運転とを適正に両立することができる車両システムを提供することを目的とする。【解決手段】車両システム1は、電力を蓄電可能であり、蓄電された電力が車両Vの通常運転時と当該通常運転とは異なる車両Vの緊急自動運転時とで共用される蓄電装置2と、通常運転時に蓄電装置2の蓄電量を閾値以上に維持する残容量維持処理を実行可能である制御部100とを備え、制御部100は、通常運転時に現時点で緊急自動運転を実行した場合に当該緊急自動運転を完了させるために必要とされる推定の電力量である緊急時必要電力量に基づいて閾値を可変とする閾値可変処理を実行することを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、車両システムに関する。
車両に搭載される従来の車両システムとして、例えば、特許文献1には、車両におけるメインのバッテリからの電源供給が絶たれた場合に、一時的に動作が必要な電装品を機能させるためのバックアップ電源装置が開示されている。
ところで、近年、例えば、車両において緊急事態が発生した場合等に、当該緊急事態に対応すべく自動で車両を運転するシステムが提案されている。この場合、当該システムは、通常の運転と緊急時の自動運転との両運転の両立の点で更なる改善の余地がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、通常運転と緊急自動運転とを適正に両立することができる車両システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る車両システムは、電力を蓄電可能であり、蓄電された電力が車両の通常運転時と当該通常運転とは異なる前記車両の緊急自動運転時とで共用される蓄電装置と、前記通常運転時に前記蓄電装置の蓄電量を閾値以上に維持する残容量維持処理を実行可能である制御部とを備え、前記制御部は、前記通常運転時に現時点で前記緊急自動運転を実行した場合に当該緊急自動運転を完了させるために必要とされる推定の電力量である緊急時必要電力量に基づいて前記閾値を可変とする閾値可変処理を実行することを特徴とする。
また、上記車両システムでは、前記制御部は、前記閾値可変処理では、前記緊急時必要電力量が相対的に大きい場合に前記閾値を相対的に大きな値とし、前記緊急時必要電力量が相対的に小さい場合に前記閾値を相対的に小さな値とするものとすることができる。
また、上記車両システムでは、前記緊急自動運転は、前記車両を自動で緊急停止位置に停止させる運転であり、前記緊急時必要電力量は、前記車両を自動で前記緊急停止位置に停止させるために必要とされる推定の電力量に基づいて定まるものとすることができる。
また、上記車両システムでは、前記車両に関する車両情報を出力可能である出力装置と、前記制御部は、前記通常運転時に前記出力装置を制御し、前記車両情報として、前記閾値に対する現在の前記蓄電装置の蓄電量の残容量を表す残容量情報を出力させる残容量情報出力処理を実行可能であるものとすることができる。
また、上記車両システムでは、前記緊急自動運転を実現する複数の機器を備え、前記制御部は、前記緊急自動運転における対応動作を完了した前記機器を順次、電源OFF状態とする緊急自動運転時電源OFF処理を実行可能であるものとすることができる。
本発明に係る車両システムは、制御部が残容量維持処理を実行することで、通常運転と緊急自動運転とで蓄電装置を共用した上で、通常運転時に緊急自動運転にそなえて蓄電装置の蓄電量を閾値以上に維持することができる。この場合、車両システムは、制御部が通常運転時に閾値可変処理を実行することで、上記閾値を、現時点で緊急自動運転を実行した場合に当該緊急自動運転を完了させるために必要とされる緊急時必要電力量に基づいて可変とすることができる。この結果、車両システムは、通常運転時において、蓄電装置に現時点で緊急自動運転を完了させるために必要とされる電力を確保した上で、可能な限り当該蓄電装置の電力を使用して通常運転を行わせることができる。そして、車両システムは、緊急自動運転時には、蓄電装置に確保されている電力を使用して確実に緊急自動運転を完了させることができる。この結果、車両システムは、通常運転と緊急自動運転とを適正に両立することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1に示す本実施形態の車両システム1は、車両Vに適用され、通常運転と緊急自動運転とで蓄電装置2を共用した上で、通常運転と緊急自動運転との両運転の両立を図った車両用電源マネージメントシステムである。車両システム1は、図1に示す構成要素を車両Vに搭載することで実現される。以下、図1を参照して車両システム1の構成について詳細に説明する。
図1に示す本実施形態の車両システム1は、車両Vに適用され、通常運転と緊急自動運転とで蓄電装置2を共用した上で、通常運転と緊急自動運転との両運転の両立を図った車両用電源マネージメントシステムである。車両システム1は、図1に示す構成要素を車両Vに搭載することで実現される。以下、図1を参照して車両システム1の構成について詳細に説明する。
なお、図1に図示する車両システム1において、電力供給、制御信号、各種情報等の授受のための各構成要素間の接続方式は、特に断りのない限り、電線等の配索材を介した有線による接続、無線通信、非接触給電等の無線による接続のいずれであってもよい。また、車両システム1が適用される車両Vは、電気車両(EV)、ハイブリッド車両(HEV)、プラグインハイブリッド車両(PHEV)等、少なくとも走行用の動力源として電力やモータを用いるいずれの車両であってもよい。また、当該車両Vの通常運転時における操作は、運転者による手動運転、自動運転などいずれであってもよい。
具体的には、車両システム1は、図1に示すように、蓄電装置2と、検出装置3と、出力装置4と、他の車載機器5と、制御部としての制御装置100とを備える。
蓄電装置2は、車両Vに搭載され、当該車両Vの各部で使用される電力を蓄電可能なものである。蓄電装置2は、典型的には、電力を蓄電し必要に応じて放電可能である種々の形式の二次電池を用いることができる。蓄電装置2は、車両Vに搭載されるオルタネータ、モータジェネレータ(後述する車載機器5を構成)が発生させた電力や外部電源から供給される電力によって充電(蓄電)可能である。蓄電装置2は、例えば、二次電池として、鉛電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等を用いることができる。本実施形態の蓄電装置2は、蓄電された電力が車両Vの通常運転時と当該通常運転とは異なる車両Vの緊急自動運転時とで共用されるものである。ここでは、蓄電装置2は、主たるバッテリであるメインバッテリ21、及び、従たるバッテリであるサブバッテリ22の合計2つを含んで構成される。この場合であっても、メインバッテリ21とサブバッテリ22とは、双方ともに通常運転時と緊急自動運転時とで共用される。なお、蓄電装置2は、例えば、1つのバッテリによって構成されてもよいし、3つ以上のバッテリによって構成されてもよい。また、蓄電装置2は、コンデンサ、キャパシタ等を含んで構成されてもよい。
検出装置3は、車両Vに搭載され、種々の情報を検出するものである。検出装置3は、例えば、車両状態情報、車両周囲情報等を検出する。検出装置3が検出する車両状態情報は、例えば、車両Vの車速、加速度(車両前後方向加速度、車両幅方向加速度、車両ロール方向加速度等)、操舵角、アクセルペダルの操作量(アクセル踏み込み量)、ブレーキペダルの操作量(ブレーキ踏み込み量)、シフトポジション、各部の電流値/電圧値、蓄電装置2の蓄電量等に関する情報等を含んでいてもよい。また、検出装置3が検出する車両周囲情報は、例えば、車両Vの周囲の画像情報、車両Vの周辺の外部物体の有無や当該外部物体との相対距離、相対速度、TTC(Time−To−Collision:接触余裕時間)等を含む外部物体情報、車両Vが走行する車線の白線情報、車両Vの現在位置情報(GPS情報)、地図情報、車両Vの現在位置における天候/降雨の有無/日照の有無/照度/気温等の環境情報等を含んでいてもよい。検出装置3は、これらを検出するための車速センサ、加速度センサ、操舵角センサ、アクセルセンサ、ブレーキセンサ、シフトポジションセンサ、電流/電圧計、CCDカメラ等の撮像装置、赤外線、ミリ波、超音波等を用いた各種レーダやソナー、GPS受信機、各種無線通信機器、レインセンサ、湿度センサ、温度センサ等の種々の検出器を含んで構成される。検出装置3は、制御装置100と電気的に接続され、検出した検出情報(車両状態情報、車両周囲情報)を当該制御装置100に出力する。また、検出装置3は、車両Vにおいて各部を制御するECU(Electronic Control Unit)等の処理部とも電気的に接続され、当該処理部と連携して、後述する車載機器5の動作状態等、種々の情報を検出することもできる。
出力装置4は、車両Vに関する種々の情報である車両情報を出力可能なものである。ここでは、出力装置4は、例えば、表示装置41、スピーカ42、携帯端末43等を含んで構成される。表示装置41は、車両情報として、視覚情報(画像情報、文字情報等)を出力するものであり、ディスプレイや表示灯等を用いることができる。スピーカ42は、車両情報として、聴覚情報(音声情報、音情報等)を出力するものである。表示装置41、スピーカ42は、例えば、ナビゲーションシステムのものが転用されてもよい。携帯端末43は、車両情報として、視覚情報や聴覚情報を出力するものであり、車両Vの内部に持ち込み可能、かつ、車両Vの外部に持ち出し可能な機器である。携帯端末43は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PHS、PDA、タブレット型PC、ノート型PC、ウェアラブル端末等を用いることができる。
車載機器5は、車両Vに搭載され種々の機能を実現させる機器である。車載機器5は、車両Vに複数設けられる。複数の車載機器5は、例えば、車両Vの製造時に当該車両Vに据え付けられるものであってもよいし、車両Vの製造後に後付けで車両Vに据え付けられるいわゆるアフター品等であってもよい。複数の車載機器5は、例えば、走行系アクチュエータ、電源系機器、車両環境系機器、マルチメディア(Multi Media)系機器等を含んで構成される。走行系アクチュエータとしては、例えば、車両Vを走行させる駆動装置である走行用パワートレーン(エンジン、モータジェネレータ、トランスミッション)、車両Vの操舵を行う操舵装置、車両Vの制動を行う制動装置等を含んでいてもよい。電源系機器としては、例えば、オルタネータ、モータジェネレータ、電源分配部、電源系切替機構、電源制御ボックス、インバータ、コンバータ等を含んでいてもよい。車両環境系機器としては、例えば、ヘッドライト、テールランプ、ルームランプ等の各種照明機器、空調機器、ワイパ機器等を含んでいてもよい。マルチメディア系機器としては、例えば、ナビゲーション装置、オーディオ装置、メータ、各種ディスプレイ等の機器を含んでいてもよい。車載機器5は、上述した蓄電装置2、検出装置3、出力装置4等を含んで構成されてもよい。
制御装置100は、車両システム1の各部を統括的に制御するものである。制御装置100は、車両Vの全体を統括的に制御するECUによって兼用されてもよい。制御装置100は、車両Vにおける通常運転や緊急自動運転に関する種々の演算処理を実行する。制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の中央演算処理装置、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。制御装置100は、蓄電装置2、検出装置3、出力装置4、及び、車載機器5が電気的に接続される。制御装置100は、各種の検出信号や各部を駆動させるための駆動信号等の各種の電気信号を各部との間で相互に授受することができる。
具体的には、制御装置100は、機能概念的に、インターフェース部110、記憶部120、及び、処理部130を含んで構成される。インターフェース部110、記憶部120、及び、処理部130は、電気的に接続されている各種機器との間で種々の情報を相互に授受することができる。インターフェース部110は、蓄電装置2、検出装置3、出力装置4、車載機器5等と種々の情報を送受信するためのインターフェースである。すなわち、インターフェース部110は、各部との間で電線等を介し情報を有線通信する機能、各部との間で無線通信ユニット等を介して情報を無線通信する機能等を有している。記憶部120は、メモリ等の記憶装置である。記憶部120は、制御装置100での各種処理に必要な条件や情報、制御装置100で実行する各種プログラムやアプリケーション、制御データ等が格納されている。そして、記憶部120は、出力装置4で出力する一部の車両情報(視覚情報や聴覚情報)も記憶している。また、記憶部120は、検出装置3によって検出された各種情報を一時的に記憶することもできる。記憶部120は、処理部130等によってこれらの情報が必要に応じて読み出される。処理部130は、各種入力信号等に基づいて、記憶部120に記憶されている各種プログラムを実行し、当該プログラムが動作することにより各部に出力信号を出力し各種機能を実現するための種々の処理を実行する部分である。処理部130は、より詳細には、機能概念的に、運転制御部131、電力管理部132、閾値設定部133、及び、出力制御部134を含んで構成される。
運転制御部131は、車両システム1の各部を制御し種々の運転を実現可能な機能を有する部分である。本実施形態の運転制御部131は、機能概念的に、通常運転処理部131a、及び、緊急自動運転処理部131bを含んで構成される。
通常運転処理部131aは、車両システム1の各部の動作を制御し、通常運転処理を実行可能な機能を有する。通常運転処理とは、車両Vに通常運転を行わせるための処理である。通常運転は、車両Vにおいて行われる通常の運転であり、手動運転、自動運転のいずれであってもよい。手動運転は、典型的には、検出装置3による検出結果等に基づいて、車両Vの運転者による運転操作に応じて車両Vの挙動が制御される運転である。自動運転は、検出装置3による検出結果等に基づいて、車両Vの運転者による運転操作に優先して、あるいは、運転者による運転操作によらずに自動で車両Vの挙動が制御される運転である。自動運転としては、運転者による運転操作をある程度介在させる半自動運転と、運転者による運転操作を介在させない完全自動運転とがある。半自動運転としては、例えば、アンチブレーキロック(ABS:Antilock Brake System)、車両姿勢安定制御(VSC:Vehicle Stability Control)、定速走行・車間距離制御(ACC:Adaptive Cruise Control)、車線維持支援(LKA:Lane Keeping Assist)等の運転が挙げられる。完全自動運転としては、例えば、自動で車両Vを目的地まで走行させる運転や複数の車両Vを自動で隊列走行させる運転等が挙げられる。車両Vは、通常運転処理部131aが通常運転処理を実行することで、通常運転が行われる。通常運転処理部131aは、通常運転処理では、例えば、車両Vの状態に応じて蓄電装置2に蓄電されている電力の一部を使用して各部を動作させ通常運転を行わせることで、当該車両Vの燃費性能向上を図ることができる。
緊急自動運転処理部131bは、車両システム1の各部の動作を制御し、緊急自動運転処理を実行可能な機能を有する。緊急自動運転処理とは、車両Vに緊急自動運転を行わせるための処理である。緊急自動運転は、車両Vにおいて行われる通常運転とは異なる運転であり、典型的には、蓄電装置2の電力を使用して各部を動作させる運転である。緊急自動運転は、例えば、検出装置3による検出結果等に基づいて、車載機器5の故障の発生や天災の発生等の緊急事態に対して車両Vの各部が自動で対応動作を行うことで、運転者による運転操作によらずに自動で危険を回避する運転である。車両Vは、緊急自動運転処理部131bが緊急自動運転処理を実行することで、緊急自動運転が行われる。緊急自動運転処理部131bは、緊急自動運転処理では、例えば、蓄電装置2に蓄電されている電力を使用して各部を動作させ緊急自動運転を行わせることで、自動で当該車両Vの乗員の危険回避を図ることができる。
本実施形態の緊急自動運転は、一例として、検出装置3による検出結果等に基づいて、車載機器5の故障の発生や天災の発生等の緊急事態に対して車両Vの各部が自動で対応動作を行うことで車両Vを自動で緊急停止位置に停止させる運転であるものとして説明する。緊急自動運転処理部131bは、例えば、通常運転時に、検出装置3による検出結果(車両Vの現在位置情報や地図情報等)等に基づいて、緊急停止位置を設定する。ここで、緊急停止位置とは、通常運転時に、仮に現時点で車載機器5の故障の発生や天災の発生等の緊急事態が発生した場合に当該車両Vを安全に停止させることができるものと想定される位置である。緊急自動運転処理部131bによる緊急停止位置の設定は、通常運転時に、随時、更新しながら行われている。そして、緊急自動運転処理部131bは、実際に車載機器5の故障の発生や天災の発生等の緊急事態が発生した場合、緊急自動運転処理を実行し、車両Vの各部を制御して、現時点で設定されている緊急停止位置に車両Vを自動で停止させる緊急自動運転を行わせる。
電力管理部132は、車両システム1の各部における電力状態や電力供給を統括的に管理可能な機能を有する部分である。本実施形態の電力管理部132は、機能概念的に、残容量維持処理部132aを含んで構成される。
残容量維持処理部132aは、車両システム1の各部の動作を制御し、残容量維持処理を実行可能な機能を有する。残容量維持処理とは、車両Vの通常運転時に蓄電装置2の蓄電量(蓄電装置2に蓄電されている電力量)を閾値以上に維持する処理である。ここで、当該閾値は、蓄電装置2において、通常運転時に緊急自動運転用の電力を確保するための緊急自動運転用電力確保閾値であり、後述する閾値設定部133によって車両Vの状態に応じて可変設定される。残容量維持処理部132aは、検出装置3によって検出される蓄電装置2の蓄電量と、閾値設定部133によって設定される閾値とに基づいて、残容量維持処理を実行する。残容量維持処理部132aは、残容量維持処理では、検出装置3によって検出される蓄電装置2の蓄電量が閾値に所定のマージンを持たせた判定値以上である場合、通常運転で蓄電装置2の電力を使用することを許可する。一方、残容量維持処理部132aは、残容量維持処理では、検出装置3によって検出される蓄電装置2の蓄電量が閾値に所定のマージンを持たせた判定値未満である場合、通常運転で蓄電装置2の電力を使用することを禁止する。残容量維持処理部132aは、通常運転で蓄電装置2の電力を使用することを禁止した場合、例えば、他の電源(車載機器5を構成するオルタネータ、モータジェネレータ)が発生させる電力や他の動力源(車載機器5を構成するエンジン)が発生させる動力によって通常運転を行わせる。加えて、残容量維持処理部132aは、通常運転で蓄電装置2の電力を使用することを禁止した場合、当該発生させた一部の電力や一部の動力によって蓄電装置2を充電する処理も行ってもよい。この結果、車両システム1は、残容量維持処理部132aが通常運転時に残容量維持処理を実行することで、蓄電装置2の蓄電量を閾値以上に維持することができる。残容量維持処理部132aは、本実施形態のように蓄電装置2が複数の共用バッテリ(メインバッテリ21、サブバッテリ22)によって構成されている場合、当該複数の共用バッテリの合計の蓄電量を閾値以上に維持するように当該残容量維持処理を実行する。
閾値設定部133は、車両Vの状態に応じて、残容量維持処理に用いられる閾値を可変設定する機能を有する部分である。より詳細には、閾値設定部133は、緊急時必要電力量に基づいて閾値を可変とする閾値可変処理を実行する機能を有する。ここで、緊急時必要電力量とは、通常運転時に現時点で緊急自動運転を実行した場合に当該緊急自動運転を完了させるために必要とされる推定の電力量である。本実施形態の閾値設定部133は、機能概念的に、必要電力量推定処理部133a、及び、閾値可変処理部133bを含んで構成される。
必要電力量推定処理部133aは、緊急時必要電力量推定処理を実行可能な機能を有する。緊急時必要電力量推定処理とは、通常運転時に現時点で緊急自動運転を完了させるために必要とされる推定の電力量である緊急時必要電力量を算出する処理である。必要電力量推定処理部133aは、検出装置3による検出結果等に基づいて、緊急時必要電力量推定処理を実行する。本実施形態の緊急自動運転は、上述したように、車両Vを自動で緊急停止位置に停止させる運転である。そして、本実施形態の緊急時必要電力量は、車両Vを自動で緊急停止位置に停止させるために必要とされる推定の電力量に基づいて定まる。必要電力量推定処理部133aは、緊急時必要電力量推定処理では、例えば、通常運転時に現時点での車両Vの状態で、緊急自動運転処理部131bによって設定される緊急停止位置に当該車両Vを自動で停止させるために必要とされる推定の電力量を算出し、これを緊急時必要電力量とする。必要電力量推定処理部133aは、例えば、車両Vの現在速度、現在位置、時間帯、乗員数、車重、緊急停止位置、緊急停止位置までの路面傾斜角度、緊急停止位置までの混み具合等に基づいて当該緊急時必要電力量を算出する。例えば、必要電力量推定処理部133aは、車両Vの現在位置から緊急停止位置までの距離が相対的に長い場合に当該緊急時必要電力量を相対的に大きな値として算出する。一方、要電力量推定処理部133aは、車両Vの現在位置から緊急停止位置までの距離が相対的に短い場合に当該緊急時必要電力量を相対的に小さな値として算出する。
さらに、本実施形態の必要電力量推定処理部133aは、環境維持必要電力量推定処理を実行可能な機能も有する。環境維持必要電力量推定処理とは、環境維持必要電力量を算出する処理である。ここで、環境維持必要電力量とは、通常運転時に現時点で緊急自動運転を実行した場合に当該緊急自動運転を完了させるまでに現時点での車両Vの環境を維持するために必要とされる推定の電力量である。必要電力量推定処理部133aは、検出装置3による検出結果等に基づいて、環境維持必要電力量推定処理を実行する。必要電力量推定処理部133aは、環境維持必要電力量推定処理では、例えば、現時点での天候/降雨の有無/日照の有無/照度/気温等の環境情報や車載機器5の動作状態に基づいて、現時点での車両Vの環境を維持するために必要とされる車両環境系機器(ヘッドライト、テールランプ、ルームランプ等の各種照明機器、空調機器、ワイパ機器等)の駆動用の電力量を算出し、これを環境維持必要電力量とする。例えば、必要電力量推定処理部133aは、車両Vの各種照明機器やワイパ機器等が作動しており空調機器の負荷が相対的に高い場合に環境維持必要電力量を相対的に大きな値として算出する。一方、必要電力量推定処理部133aは、車両Vの各種照明機器やワイパ機器等が作動しておらず空調機器の負荷が相対的に低い場合に当該環境維持必要電力量を相対的に小さな値として算出する。
閾値可変処理部133bは、閾値可変処理を実行する機能を有する。閾値可変処理とは、必要電力量推定処理部133aが算出した緊急時必要電力量に基づいて、残容量維持処理で用いる閾値を可変とする処理である。閾値可変処理部133bは、閾値可変処理では、必要電力量推定処理部133aが算出した緊急時必要電力量が相対的に大きい場合に当該閾値を相対的に大きな値とする。一方、閾値可変処理部133bは、閾値可変処理では、必要電力量推定処理部133aが算出した緊急時必要電力量が相対的に小さい場合に当該閾値を相対的に小さな値とする。本実施形態の閾値可変処理部133bは、閾値可変処理では、必要電力量推定処理部133aが算出した環境維持必要電力量にも基づいて閾値を可変とする。ここでは、閾値可変処理部133bは、必要電力量推定処理部133aが算出した緊急時必要電力量と環境維持必要電力量とを合算した値に基づいて閾値を可変設定する。この場合、閾値可変処理部133bは、緊急時必要電力量と環境維持必要電力量とを合算した値が相対的に大きい場合に閾値を相対的に大きな値とする。一方、閾値可変処理部133bは、緊急時必要電力量と環境維持必要電力量とを合算した値が相対的に小さい場合に閾値を相対的に小さな値とする。ここでは、閾値可変処理部133bは、閾値を、緊急時必要電力量と環境維持必要電力量とを合算した値と同等の値に設定してもよいし、緊急時必要電力量と環境維持必要電力量とを合算した値に若干のマージンを持たせた値に設定してもよい。
出力制御部134は、出力装置4の動作を制御し、出力装置4が出力する車両情報を制御可能な機能を有する部分である。本実施形態の出力制御部134は、機能概念的に、残容量情報出力処理部134aを含んで構成される。
残容量情報出力処理部134aは、残容量情報出力処理を実行可能な機能を有する。残容量情報出力処理とは、通常運転時に出力装置4を制御し、残容量情報を出力させる処理である。ここで、残容量情報とは、閾値可変処理部133bが可変設定する閾値に対する現在の蓄電装置2の蓄電量の残容量(閾値と蓄電装置2の蓄電量との差分に相当)を表す情報であり、例えば、通常運転時に残容量維持処理部132aによって随時、算出される。残容量情報出力処理部134aは、残容量維持処理部132aによって算出された当該残容量情報に基づいて、残容量情報出力処理を実行する。残容量情報出力処理部134aは、残容量情報出力処理では、例えば、出力装置4を構成する表示装置41、携帯端末43を制御し残容量情報を表す視覚情報(例えば、「残り××ワット使用可能です。」等の文字情報)を表示させる。また、残容量情報出力処理部134aは、残容量情報出力処理では、例えば、出力装置4を構成するスピーカ42、携帯端末43を制御し残容量情報を表す聴覚情報(例えば、「残り××ワット使用可能です。」等の音声情報)を出力させる。
次に、図2のフロー図を参照して車両システム1における閾値可変制御の一例を説明する。この閾値可変制御は、車両システム1において通常運転処理が実行されている際に並行して実行される。なお、これらの制御ルーチンは、例えば、数msないし数十ms毎の制御周期(クロック単位)で繰り返し実行される。
まず、制御装置100の緊急自動運転処理部131bは、検出装置3による検出結果等に基づいて、現時点での車両Vの状態を把握する(ステップST1)。
次に、緊急自動運転処理部131bは、ステップST1で把握した現時点での車両Vの状態に基づいて緊急停止位置決定処理を実行し、現時点での緊急停止位置を決定する(ステップST2)。緊急自動運転処理部131bは、ステップST1で把握した車両Vの現在位置情報や地図情報等に基づいて、種々の公知の手法によって、仮に現時点で車載機器5の故障の発生や天災の発生等の緊急事態が発生した場合に車両Vを安全に停止させることができる緊急停止位置を決定する。
次に、制御装置100の必要電力量推定処理部133aは、ステップST1で把握した現時点での車両Vの状態に基づいて緊急時必要電力量推定処理を実行し、現時点での緊急時必要電力量を算出する(ステップST3)。必要電力量推定処理部133aは、ステップST1で把握した車両Vの現在速度、現在位置、時間帯、乗員数、車重、緊急停止位置、緊急停止位置までの路面傾斜角度、緊急停止位置までの混み具合等に基づいて、種々の公知の手法によって、当該緊急時必要電力量を算出する。
次に、必要電力量推定処理部133aは、ステップST1で把握した現時点での車両Vの状態に基づいて環境維持必要電力量推定処理を実行し、現時点での環境維持必要電力量を算出する(ステップST4)。必要電力量推定処理部133aは、ステップST1で把握した天候/降雨の有無/日照の有無/照度/気温等の環境情報や車載機器5の動作状態に基づいて、種々の公知の手法によって、当該環境維持必要電力量を算出する。
次に、制御装置100の閾値可変処理部133bは、閾値可変処理を実行し、ステップST3で算出した緊急時必要電力量とステップST4で算出した環境維持必要電力量とを合算する(ステップST5)。
そして、閾値可変処理部133bは、ステップST5で合算した緊急時必要電力量と環境維持必要電力量との合算値に基づいて残容量維持処理で用いる閾値を設定する(ステップST6)。
そして、制御装置100の残容量維持処理部132aは、ステップST6で設定された閾値に基づいて残容量維持処理を実行する(ステップST7)。残容量維持処理部132aは、ステップST1で把握した現時点での蓄電装置2の蓄電量と、ステップST6で設定された閾値とに基づいて、蓄電装置2の蓄電量を閾値以上に維持する残容量維持処理を実行する。この結果、車両システム1は、残容量維持処理部132aが通常運転時に上記のように可変設定された閾値に基づいて残容量維持処理を実行することで、蓄電装置2の蓄電量を車両Vの現時点の状態に応じた閾値以上に維持することができる。
次に、残容量維持処理部132aは、ステップST1で把握した現時点での蓄電装置2の蓄電量と、ステップST6で設定された閾値とに基づいて、閾値に対する現在の蓄電装置2の蓄電量の残容量を算出する(ステップST8)。
そして、制御装置100の残容量情報出力処理部134aは、ステップST8で算出された残容量に基づいて残容量情報出力処理を実行し、出力装置4に残容量を表す残容量情報を出力させ(ステップST9)、今回の制御周期を終了し次回の制御周期に移行する。
なお、本実施形態の緊急自動運転処理部131bは、緊急自動運転処理を実行し車両Vに緊急自動運転を行わせる際に、並行して緊急自動運転時電源OFF処理を実行可能であり、これにより、緊急時必要電力量自体の抑制を図ることができる。ここで、緊急自動運転時電源OFF処理とは、緊急自動運転を実現する複数の車載機器5に対して、緊急自動運転における対応動作を完了した車載機器5を順次、電源OFF状態とする処理である。ここで、車載機器5の電源OFF状態とは、典型的には、待機電力を含め電力を消費しない状態である。
次に、図3のフロー図を参照して車両システム1における緊急自動運転時電源OFF制御の一例を説明する。この緊急自動運転時電源OFF制御は、車両システム1において緊急自動運転処理が実行されている際に並行して実行される。なお、これらの制御ルーチンは、例えば、数msないし数十ms毎の制御周期(クロック単位)で繰り返し実行される。
制御装置100の緊急自動運転処理部131bは、現在、緊急自動運転中か否かを判定する(ステップST21)。緊急自動運転処理部131bは、緊急自動運転中であると判定した場合(ステップST21:Yes)、ステップST22の処理に移行する。緊急自動運転処理部131bは、緊急自動運転中でないと判定した場合(ステップST21:No)、今回の制御周期を終了し次回の制御周期に移行する。
緊急自動運転処理部131bは、ステップST22の処理では、緊急自動運転における対応動作を完了した車載機器5があるか否かを判定する(ステップST22)。緊急自動運転処理部131bは、例えば、各車載機器5における消費電力量の積算値がそれぞれに対して予め定められている対応動作完了判定閾値以上となったか否かに基づいて対応動作が完了したか否かを判定してもよい。この場合、緊急自動運転処理部131bは、消費電力量の積算値が対応動作完了判定閾値以上となった場合に当該車載機器5の対応動作が完了したものと判定する。一方、緊急自動運転処理部131bは、消費電力量の積算値が対応動作完了判定閾値未満である場合に当該車載機器5の対応動作が完了していないものと判定する。緊急自動運転処理部131bは、緊急自動運転における対応動作を完了した車載機器5があると判定した場合(ステップST22:Yes)、ステップST23の処理に移行する。緊急自動運転処理部131bは、緊急自動運転における対応動作を完了した車載機器5がないと判定した場合(ステップST22:No)、ステップST24の処理に移行する。
緊急自動運転処理部131bは、ステップST23の処理では、緊急自動運転時電源OFF処理を実行し、ステップST22の判定で対応動作を完了したと判定された車載機器5を電源OFF状態とし(ステップST23)、ステップST24の処理に移行する。
緊急自動運転処理部131bは、ステップST24の処理では、全ての車載機器5の対応動作が完了したか否かを判定する(ステップST24)。緊急自動運転処理部131bは、全ての車載機器5の対応動作が完了していないと判定した場合(ステップST24:No)、ステップST22の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。緊急自動運転処理部131bは、全ての車載機器5の対応動作が完了したと判定した場合(ステップST24:Yes)、今回の制御周期を終了し次回の制御周期に移行する。
以上で説明した車両システム1は、制御装置100が残容量維持処理を実行することで、通常運転と緊急自動運転とで蓄電装置2を共用した上で、通常運転時に緊急自動運転にそなえて蓄電装置2の蓄電量を閾値以上に維持することができる。この場合、車両システム1は、制御装置100が通常運転時に閾値可変処理を実行することで、上記閾値を、現時点で緊急自動運転を実行した場合に当該緊急自動運転を完了させるために必要とされる緊急時必要電力量に基づいて可変とすることができる。この結果、車両システム1は、通常運転時において、蓄電装置2に現時点で緊急自動運転を完了させるために必要とされる電力を確保した上で、可能な限り当該蓄電装置2の電力を使用して通常運転を行わせることができる。つまり、車両システム1は、通常運転と緊急自動運転とで蓄電装置2を共用した上で、通常運転時に緊急自動運転用の電力を確実に確保しつつ、運転状況に応じて可能な限り当該蓄電装置2の電力を使用して通常運転を行わせることができる。これにより、車両システム1は、運転状況に応じて可能な限り当該蓄電装置2の電力を使用して通常運転を行わせることができるので、例えば、当該車両Vの燃費性能を向上することができる。そして、車両システム1は、緊急自動運転時には、蓄電装置2に確保されている電力を使用して確実に緊急自動運転を完了させることができる。これにより、車両システム1は、車載機器5の故障の発生や天災の発生等の緊急事態に対して確実に車両Vの乗員の危険回避を図ることができる。この結果、車両システム1は、通常運転と緊急自動運転とを適正に両立することができる。
より詳細には、以上で説明した車両システム1は、緊急時必要電力量が相対的に大きい場合に閾値が相対的に大きな値とされることで通常運転で使用可能な電力量を相対的に少なくすることができる。一方、車両システム1は、緊急時必要電力量が相対的に小さい場合に閾値が相対的に小さな値とされることで通常運転で使用可能な電力量を相対的に多くすることができる。この結果、車両システム1は、緊急自動運転における確実な電力確保と通常運転時における燃費性能向上とを両立することができる。
ここでは、以上で説明した車両システム1は、緊急時必要電力量が車両Vを自動で緊急停止位置に停止させるために必要とされる推定の電力量に基づいて定まる。そして、車両システム1は、残容量維持処理に用いられる閾値が当該緊急時必要電力量に基づいて設定される。これにより、車両システム1は、通常運転時において、蓄電装置2に緊急自動運転を完了させるための電力として、車両Vを自動で緊急停止位置に停止させるために必要な電力を確保することができる。この結果、車両システム1は、緊急自動運転において、確実に車両Vを緊急停止位置に停止させることができる。
また、以上で説明した車両システム1は、制御装置100が残容量情報出力処理を実行することで、通常運転時において、出力装置4に車両情報として、閾値に対する現在の蓄電装置2の蓄電量の残容量を表す残容量情報を出力させる。これにより、車両システム1は、通常運転時において、車両Vの乗員に対して蓄電装置2の蓄電量の残容量を報知することができ、例えば、状況に応じて緊急自動運転のための電力を確保するために節電を促すことができる。この点でも、車両システム1は、通常運転と緊急自動運転とを適正に両立することができる。
さらに、以上で説明した車両システム1は、制御装置100が緊急自動運転時に緊急自動運転時電源OFF処理を実行することで、緊急自動運転における対応動作を完了した車載機器5を順次、電源OFF状態とすることができる。この結果、車両システム1は、例えば、緊急自動運転を実現する複数の車載機器5の電源を蓄電装置2に集約し兼用した場合の緊急自動運転において、余計な電力消費を確実に抑制することができる。これにより、車両システム1は、通常運転時に緊急自動運転用に確保しておくべき緊急時必要電力量自体を抑制することができ、通常運転時に使用できる電力量を相対的に多く確保することができる。この結果、車両システム1は、通常運転と緊急自動運転とをより好適に両立することができる。
なお、上述した本発明の実施形態、変形例に係る車両システムは、上述した実施形態、変形例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上で説明した制御装置100は、各部が別体に構成され、当該各部が各種の電気信号を相互に授受可能に接続されることで構成されてもよく、一部の機能が他の制御装置によって実現されてもよい。また、以上で説明したプログラム、アプリケーション、各種データ等は、適宜、更新されてもよいし、制御装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたサーバに記憶されていてもよく、例えば、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。また、例えば、制御装置100が備える処理機能については、その全部又は任意の一部を、例えば、CPU等及び当該CPU等にて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジック等によるハードウェアとして実現してもよい。
以上の説明では、車載機器5は、車両Vに複数設けられるものとして説明したがこれに限らず1つであってもよい。
以上の説明では、車両システム1は、出力装置4を備えるものとして説明したがこれに限らず、出力装置4、出力制御部134、残容量情報出力処理部134a等を備えない構成であってもよい。
以上の説明では、緊急自動運転は、車載機器5の故障の発生や天災の発生等に対して車両Vの各部が自動で対応動作を行うことで車両Vを自動で緊急停止位置に停止させる運転であるものとして説明したがこれに限らない。緊急自動運転は、例えば、車両Vの乗員に対して緊急事態の発生を報知する動作や緊急連絡先に対して緊急事態の発生を通報する動作等を含んでいてもよい。
以上の説明では、必要電力量推定処理部133aは、環境維持必要電力量推定処理を実行し環境維持必要電力量を算出する機能も有し、閾値可変処理部133bは、当該環境維持必要電力量にも基づいて閾値を可変とするものとして説明したがこれに限らない。つまり、閾値可変処理部133bは、緊急時必要電力量と環境維持必要電力量との合算値に基づいて残容量維持処理で用いる閾値を設定するものとして説明したがこれに限らない。すなわち、閾値可変処理部133bは、閾値を、緊急時必要電力量と同等の値に設定してもよいし、緊急時必要電力量に若干のマージンを持たせた値に設定してもよい。
以上の説明では、緊急自動運転処理部131bは、緊急自動運転時電源OFF処理を実行可能であるものとして説明したがこれに限らない。
1 車両システム
2 蓄電装置
4 出力装置
5 車載機器
100 制御装置(制御部)
V 車両
2 蓄電装置
4 出力装置
5 車載機器
100 制御装置(制御部)
V 車両
Claims (5)
- 電力を蓄電可能であり、蓄電された電力が車両の通常運転時と当該通常運転とは異なる前記車両の緊急自動運転時とで共用される蓄電装置と、
前記通常運転時に前記蓄電装置の蓄電量を閾値以上に維持する残容量維持処理を実行可能である制御部とを備え、
前記制御部は、前記通常運転時に現時点で前記緊急自動運転を実行した場合に当該緊急自動運転を完了させるために必要とされる推定の電力量である緊急時必要電力量に基づいて前記閾値を可変とする閾値可変処理を実行することを特徴とする、
車両システム。 - 前記制御部は、前記閾値可変処理では、前記緊急時必要電力量が相対的に大きい場合に前記閾値を相対的に大きな値とし、前記緊急時必要電力量が相対的に小さい場合に前記閾値を相対的に小さな値とする、
請求項1に記載の車両システム。 - 前記緊急自動運転は、前記車両を自動で緊急停止位置に停止させる運転であり、
前記緊急時必要電力量は、前記車両を自動で前記緊急停止位置に停止させるために必要とされる推定の電力量に基づいて定まる、
請求項1又は請求項2に記載の車両システム。 - 前記車両に関する車両情報を出力可能である出力装置と、
前記制御部は、前記通常運転時に前記出力装置を制御し、前記車両情報として、前記閾値に対する現在の前記蓄電装置の蓄電量の残容量を表す残容量情報を出力させる残容量情報出力処理を実行可能である、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両システム。 - 前記緊急自動運転を実現する複数の機器を備え、
前記制御部は、前記緊急自動運転における対応動作を完了した前記機器を順次、電源OFF状態とする緊急自動運転時電源OFF処理を実行可能である、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両システム。
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WO2020129630A1 (ja) * | 2018-12-17 | 2020-06-25 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 運転制御装置 |
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